JP6079219B2 - 非空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、非空気入りタイヤに関する。
さらに詳しくは、車椅子、自転車、ゴルフカートなどの軽車両用に使用される非空気入りタイヤに関し、特に長期間にわたり過酷に使用されてもホイールからタイヤ本体が外れることがなく、更に、軽量性において非常に優れ、その上、マテリアルリサイクル性においても優れた特徴を有する軽車両用の非空気入りタイヤに関する。
本発明は、特に軽量性において優れ、そのため、代表的には車椅子用の非空気入りタイヤとして、車椅子を自走で扱う方々あるいは介護等で押して扱う方々に、より軽い負担で車椅子を扱うこと可能にする軽車両用の非空気入りタイヤに関するものである。
従来、車椅子、自転車、ゴルフカートなどの軽車両用に使用されるタイヤは、空気入りタイヤが主に使用されてきているが、近年、特にパンクレスなどの利点があることから、非空気入りタイヤが提案され、一部実用化がされてきている。
この非空気入りタイヤは、通常、所謂ソリッドタイヤであり、図6(a)に一部断面斜視図を示したように、タイヤ本体1はゴム材等からなる中実構造の環状体から構成されている。タイヤ本体1の両側面には溝部6がタイヤ一周にわたり形成され、図6(b)に示したように、ホイールのリム4に溝部6を嵌合してタイヤ/ホイール組立体が構成されている。トレッド部3には必要に応じてトレッド溝5が設けられている。
また、特にタイヤ本体1を中空構造にして、全体の軽量化と緩衝機能を得るようにした自転車用、車椅子用、ゴルフカート用などの非空気入りタイヤが提案されている(特許文献1)。
このような中空部を有する軽車両用の非空気入りタイヤにおいては、中空部を設けることによって軽量化をするには有効であっても、該軽車両の使用中、該タイヤ中空部がつぶれるため、リムとの締結力が不足することになり、これが原因で、据え切り時にリム外れが発生するおそれがある等の不都合を有するものであった。
このような据え切り時のリム外れを防止することを目的として、タイヤ本体部と、左右のリム嵌合部の間に挟まれるビードベース部とからなると共に、トレッド部とサイド部とリム嵌合部とビードベース部とに囲まれるようにしてタイヤ内部を周方向に貫く中空孔を有する非空気入りタイヤにおいて、ビードベース部を、該中空孔に対して突出してタイヤ周方向に連続する凸部と該凸部のタイヤ内周側に位置しリム嵌合部間に挟まれる基部とから構成させて、該基部の少なくとも一部の硬度を該凸部の硬度以下にするとともに、タイヤ本体部の硬度よりも低くした構成とすることにより、タイヤが荷重負荷状態で旋回した際に、タイヤの変形により中空孔に面したトレッド部の内周面が、前記中空孔に対して突出して形成した凸部を圧縮し、それにより基部に設けられた硬度の低い部分がリム方向に潰れて広がるように変形し、その結果、ビードベース部の左右のリム嵌合部がリムに強く押し当てられ、リム外れが抑制されるようにした非空気入りタイヤの提案がされている(特許文献2(段落0007等))。
しかし、この特許文献1の非空気入りタイヤは、トレッド部に対してビードベース部を軟らかい材料で構成しているため、遠心力に対するビードベース部のタガ効果が不足し、比較的速度の速い走行条件下では改善効果が十分とは言い難いものであった。
一方で、軽車両の使用中でもリムとの締結力が不足するほどタイヤ中空部がつぶれることがないようにするという考えにより、補強材をソリッドタイヤの全周にわたり配設することも考えられるが、補強材使用による重量増加を避けることができず、好ましくないものであった。
特開2003−226105号公報 特開2011−183842号公報
上述したような点に鑑み、本発明の目的は、耐リム外れ性が改善されるとともに、軽量さにおいて優れ、これらの特徴により、車椅子等の軽車両の操作をより小さい負担のもとで行うことを可能にする非空気入りタイヤと該非空気入りタイヤを組み付けたタイヤ組立体を提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の非空気入りタイヤは、以下の(1)の構成を有する。
(1)二つ以上のタイヤ構成部材で構成され、トレッド部を有する部材Aと、該部材Aにより完全に包囲される一方で該部材Aと隣接している部材Bを有する非空気入りタイヤにおいて、前記部材Bが、一つ以上のタイヤ周方向に延在する中空部を有し、かつ金属材料で形成されてなり、前記部材Bのタイヤ回転軸側の底部が子午線方向の断面において平坦な形状を有することを特徴とする非空気入りタイヤ。
また、かかる本発明の非空気入りタイヤにおいて、以下の(2)〜(5)のいずれかの構成を有することが好ましい。
(2)前記部材Bが、比重5以下の軽金属を主とする材料で形成されてなることを特徴とする上記(1)記載の非空気入りタイヤ。
(3)非空気入りタイヤの全体積に対して、中空部を含まない部材Bの体積の比率が5〜30%であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の非空気入りタイヤ。
(4)前記非空気入りタイヤの回転中心軸を中心として、前記部材Bの最内径Rbが、該非空気入りタイヤの組付けリムの最外径Raよりも小さいことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非空気入りタイヤ。
(5)前記部材Aを構成する材料が、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可逆架橋エラストマー、またはこれらを1種または複数種用いた混合物で構成されたものであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非空気入りタイヤ。
また、本発明にかかる非空気入りタイヤ組立体は、以下の(6)の構成を有する。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非空気入りタイヤが左右に分割可能なリムに組み付けられてなることを特徴とする非空気入りタイヤ組立体。
請求項1にかかる本発明の非空気入りタイヤによれば、耐リム外れ性が改善されるとともに、軽量さにおいて優れ、これらの特徴によって車椅子等の軽車両の操作を操作者のより小さい負担のもとで行うことを可能にする非空気入りタイヤが提供される。
また、請求項2〜請求項のいずれかにかかる本発明の非空気入りタイヤによれば、上述した請求項1にかかる本発明の非空気入りタイヤの効果をより明確かつ大きく有する非空気入りタイヤが提供される。
また、請求項にかかる本発明の非空気入りタイヤ組立体によれば、耐リム外れ性が改善されるとともに、軽量さにおいて優れ、これらの特徴によって車椅子等の軽車両の操作を操作者のより小さい負担のもとで行うことを可能にする非空気入りタイヤ組立体が提供される。
(a),(c)は、いずれも本発明にかかる非空気入りタイヤの実施態様例を説明するものであり、(b),(d)は、いずれも本発明にかかる非空気入りタイヤを説明する上で参考となるものであり、(a)〜(d)は本発明および参考例にかかる非空気入りタイヤを用いてタイヤ/ホイール組立体としたときのタイヤ子午線方向断面図を示したものである。 本発明にかかる非空気入りタイヤの実施態様例を説明するものであり、部材Bの最内径と、非空気入りタイヤの組付けリムの最外径の大小関係を説明するために示したタイヤ子午線方向断面図である。 (a)〜(j)は、いずれも本発明にかかる非空気入りタイヤの実施態様例を説明するものであり、部材Bの好ましい実施態様例を、部材Bのタイヤ子午線断面図として各種示したものである。 本発明の非空気入りタイヤを分割可能なリムに組み付けた態様例を示したタイヤ子午線断面図である。 本発明にかかる非空気入りタイヤを製造する方法を説明するものであり、中空部を有する部材Bと部材Aを一体化する方法をモデル的に示したものである。 (a)、(b)は、いずれも従来の非空気入りタイヤを説明するものであり、(a)は非空気入りタイヤ本体の一部破砕断面斜視図であり、(b)は非空気入りタイヤのタイヤ/ホイール組立体のタイヤ子午線方向断面図である。
以下、更に詳しく本発明の非空気入りタイヤについて、図面を用いながら説明する。
本発明および参考例の非空気入りタイヤ1は、図1(a)〜(d)に示したように、二つ以上のタイヤ構成部材で構成され、トレッド部3を有する部材Aと、少なくとも該部材Aの一部と隣接している部材Bを有する非空気入りタイヤにおいて、部材Bが、一つ以上のタイヤ周方向に延在する中空部2を有し、かつ金属材料で形成されてなることを特徴とするものである。図1において、4はホイールであり、トレッド部3には、図6に示した従来の非空気入りタイヤと同様に、必要に応じてトレッド溝が設けられる。
本発明の非空気入りタイヤによれば、部材Bが、一つ以上のタイヤ周方向に延在する中空部2を有し、かつ金属材料で形成されているので、部材Aを補強する補強部材の役割を発揮し、かつ中空部2を有しているので軽量化を実現することができる。部材Aが補強されることは、その軽車両の使用中、中空部の存在等に基づいてタイヤがつぶれるということがなくなり、そのため、リムとの締結力が安定して確保され、据え切り時にリム外れが発生するおそれがなくなる。したがって、本発明の非空気入りタイヤは、耐リム外れ性に優れるとともに、軽量化の点でも優れているものであり、軽車両用途、中でも車椅子用途に最適に使用され得るものである。
図1(a),(c)は、いずれも本発明の非空気入りタイヤの実施態様例を示したものであり、図1(b),(d)は、いずれも本発明の非空気入りタイヤの参考例を示したものであり、図1(a)〜(d)はトレッド部3を有する部材Aと少なくとも該部材Aの一部と隣接している金属材料から形成されてなる部材Bの各種の態様例を示し、(a)は部材Bが円管状のタイヤ回転軸側の底部を切り欠いて平面状の底面7を形成したもの、(b)は部材Bが真円状を呈した円管状のもの、(c)は部材Bのタイヤ子午線方向の断面形状をかまぼこ形に形成して平面状の底面7を広くとったものである。さらに、(d)は、部材Aと部材Bとが、部材Bの一部を露出しつつ隣接した構造の一例を示している。部材Bの子午線方向の断面形態は、ここに図示したもの以外では、例えば、外形が、三角形状、正方形状、長方形状あるいは台形状の多角形状、Y字型あるいはT字型状などの多葉型、楕円形状などで中空部を有するものであってもよい。本発明者らの知見によれば、図1(a)、(b)に示した如く外形および中空部ともに真円の円管状のもの(図1(b))、あるいは真円の円管の一部を平面状底面に形成したもの(図1(a))が、補強効果、軽量化効果ともにバランス良く得ることができるので好ましい。中空部2はタイヤの全周にわたり連続して存在していることが軽量化効果を大きく得る点で好ましいが、必ずしも連続している必要はなく、断続して存在していてもよい。また、図1(a)〜(d)に示したように、外形の一部(特に、タイヤ外周側)が円弧状部分を有し、かつ中空部が真円状のものあるいは一部が真円状であるものが、補強効果、軽量化効果をバランス良く得ることができるので好ましい。
本発明の非空気入りタイヤは、上述した部材A、部材Bを少なくとも有することが重要であり、それら以外の部材を、必要に応じて有していてもよい。例えば、他の補強材を有していてもよい。
部材Aと部材Bは、少なくとも隣接して存在することが重要であり、好ましくは隣接かつ接着・接合により隣接一体化されていることである。隣接の態様は、図1(a)〜(c)に示したような部材Bを部材Aが完全に覆い、部材Bが部材Aに埋包されている態様、あるいは同(d)のように、部材Bと部材Aとが並列して(サイド・バイ・サイドで)隣接している態様のいずれでもよい。
部材Aと部材Bとが、必ずしも接着・接合等により隣接一体化されている必要がないのは、特に、図1(a)〜(c)に示したような態様では、部材Aと部材Bとが接着・接合等により隣接一体化されていなくても、本発明の効果を発揮できるからである。図1(d)の態様では、部材Aと部材Bが隣接している部分では、両部材A、Bは接着・接合等により隣接一体化されていることが好ましい。一体化されていない場合には、両部材の隣接界面の位置によって、部材Aがリム外れを起こす場合があるからである。
金属材料から形成される部材Bが有する中空部2の数は、図1(a)〜(d)に示したように1個として設ける場合の他、複数個設けてもよい。製造のしやすさや、本発明の効果を良好に発揮する上で中空部2の数は、1個とするのが最もよい。
部材Bは、部材Aに補強効果を与える点で、金属材料で形成されてなるものとすることが重要である。好ましくは、部材Bが、比重5以下の軽金属を主とする材料で形成されていることである。比重5以下の軽金属を使用することにより、軽量化効果を大きく発揮することができ、比重が5を超えるものは、軽量効果を発揮することが十分にできない場合があるので好ましくない。比重5以下の軽金属としては、例えば、アルミニウム(比重2.7)、マグネシウム(比重1.7)、ベリリウム(比重1.9)、チタン(比重4.5)や、アルカリ金属、アルカリ土類金属などがある。
また、本発明の非空気入りタイヤは、その回転中心軸CLを中心として、部材Bの最内径Rbが、該非空気入りタイヤの組付けリム4の最外径Raよりも小さいことが好ましい。部材Bの最内径Rbが組付けリム4の最外径Raよりも小さい位置になるように、部材Bが配されることによって、金属材料からなる部材Bがリム4との嵌合を間接的(図1(a)〜(c)の態様)あるいは直接的(図1(d)の態様)にすることとなり、リム外れの抑制効果がさらに大きなものとなる。上述したリム外れの抑制効果をより大きく発揮できる点で、好ましくは部材Bの断面積の1/5以上、より好ましくは、1/4以上がリム4の最外径Raより小さい位置にあるように構成すると良い。このように配置することによって、補強効果を有する部材Bが、組付けリムによって、より堅固に保持されることとなり、リム外れの抑制効果が良好に発揮される。また、部材Bの中空部2の内径は、真円換算で直径8mm〜22mmとするのが好ましく、部材Bを構成する金属材料の厚さは、0.1mm〜3.0mmとするのが好ましい。
部材Aを構成する材料としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可逆架橋エラストマー、またはこれらを1種または複数種用いた混合物で構成されたものであることが成形加工の容易さなどから好ましい。部材Aを、金属製、例えば軽金属製のもの等で構成することは、非空気入りタイヤとしての乗り心地性を損なうことがあり、また重量の軽減効果が得られなくなる方向なので好ましくない。
マテリアルリサイクル性の向上という点からすると、部材Aは、特に、マテリアルリサイクル性を向上させ得る点で熱可逆架橋エラストマーに分類されるものを用いるのが最適である。
熱可逆架橋エラストマーは、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むものであることが好ましい。このように熱可逆架橋エラストマーを構成することにより、良好な物性を持つとともに高流動性で成形性が良好になる。
熱可逆架橋エラストマーの好ましい組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、含窒素複素環化合物を0.1〜3重量部、オレフィン系樹脂を50〜150重量部、スチレン系エラストマーを20〜80重量部、パラフィンオイルを50〜150重量部配合するとよい。また、ここにおいて、含窒素複素環化合物は、含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体であることが好ましい。熱可逆架橋エラストマーを部材Aに使用すると、タイヤ本体の構成部材として環状に成形すること自体が簡単であり、また、熱を加えることで架橋が外れるものであり、非空気入りタイヤを所定の型(リム)形状に合わせ成形・嵌合させて固定することが容易に可能になるので好ましいのである。
ここで、熱可逆架橋エラストマーとしては、少なくともカルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物であることが、熱可逆架橋性を良好に発揮する上で好ましい。カルボニル含有基及び含窒素複素環からなる水素結合性架橋部位は、カルボニル含有基が有するカルボニル基と、含窒素複素環が有するアミノ基とが水素結合を形成する。含窒素複素環は、架橋剤として含窒素複素観含有化合物を加えることにより配合してもよい。水素結合性架橋部位を構成するカルボニル化合物としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミド基が挙げられる。
また、非空気入りタイヤの全体積(100%)に対して、中空部を含まない部材Bの体積の比率が5〜30%であることが、該部材Bの補強材としての効果、軽量化効果、耐リム外れ性の両立性、さらに部材Aの素材のリサイクル性を両立させる上で好ましい。それらをより効果的に両立させるため、更に好ましくは、該比率が5〜25%、最も好ましくは5〜15%である。
また、部材Aの一部を発泡化させることも好ましく、非空気入りタイヤ全体の更なる軽量化を図ることができる。部材Bの補強効果が大きいものであれば、部材Aは一部を発泡化材料で形成しても、非空気入りタイヤ全体の強度、耐久性で問題ないからである。発泡化させる場合、発泡剤の添加量は、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは、1質量%〜5質量%である。
本発明の非空気入りタイヤは、図4に示したように、左右に分割可能なリム4を有するタイヤホイール10に組み付けられることが好ましい。図4において、10は左右に分割可能なリム4を有する左右に分割可能なホイール、11は左右に分割可能なリム4(ホイール10)を一体化させるために使用されるボルト、ナットなどの締結材、12はスポーク、13はハブである。
中空部を有し金属からなる部材Bと部材Aを一体化するには、図5にモデル図を示したように、中空部を有し金属からなる部材Bを金型15内の支持体14で支持した後、金型15を閉じ、金型空洞内に非空気入りタイヤ本体を構成する材料(部材Aの材料)を挿入することにより、中空部を有する部材Bと部材Aを一体化できる。
支持体14は、タイヤ周方向の全体にわたり連続して金型内で存在している必要はなく、断続的に配置されていればよい。図5(a)は、支持体14が存在する位置での断面図を示し、同(b)は、支持体14が存在していない位置での断面図を示している。
以下、本発明の非空気入りタイヤについて、実施例により具体的に説明する。
従来例1、実施例1〜5、比較例1〜2
車椅子用として、24×1 3/8サイズの非空気入りタイヤを、表1に示した部材Aと金属材料の部材Bの組合せで図1(a)に示した形状のものを合計8種類、製造した(従来例1、実施例1〜5、比較例1〜2)。
ただし、従来例1は、部材Bを使用せずに単に部材Aに中空孔を開けたものであり、実施例1〜5は、部材Bの金属材料の種類、中空部直径、厚さ(平均厚さ)を変更した本発明にかかるものであり、比較例1、比較例2は、部材Bとして金属材料ではなく、樹脂材料を用いて構成したものである。
本発明の実施例1〜5は、いずれも、部材Aと部材Bの界面は、非接合状態のものとした。部材Bの厚さt、円形状中空部の中空径はそれぞれ表1中に記載したとおりである。
各非空気入りタイヤを、それぞれ同じ車椅子のホイール部に装着し、以下に記載する方法で、耐リム外れ性能の評価と重量の測定を行った。
(1)耐リム外れ性能の評価
各非空気入りタイヤを、それぞれ同じ車椅子のホイール部に装着し、荷重100kgの条件で、幅20mm×深さ15mmの溝にタイヤが嵌った状態で据え切り試験を30回繰り返し、リム外れが発生した回数をカウントして、耐リム外れ性能を評価した。
(2)重量の測定と評価
従来例の非空気入りタイヤの重量を100として、本発明に係る実施例1〜5の非空気入りタイヤ、比較例1、2の非空気入りタイヤについて指数評価を行った。数値は、小さいほど重量が軽いことを意味しているものである。
従来例1、実施例1〜5、比較例1〜2の各非空気入りタイヤの試験結果を表1に示した。
本発明による非空気入りタイヤは、耐リム外れ性に優れ、かつ軽量であり、非常に優れていることがわかる。
Figure 0006079219
1:非空気入りタイヤ本体
2:タイヤ構成部材Bに設けられた中空部
3:トレッド部
4:リム
5:トレッド溝
6:溝部
7:平面状の底面
10:ホイール
11:締結部材
12:金型
13:ハブ
14:支持体
15:金型
A:トレッド部を有するタイヤ構成部材
B:タイヤ構成部材Aの一部と隣接しているタイヤ構成部材
CL:非空気入りタイヤの回転軸
Ra:非空気入りタイヤの組付けリムの最外径
Rb:部材Bの最内径

Claims (6)

  1. 二つ以上のタイヤ構成部材で構成され、トレッド部を有する部材Aと、該部材Aにより完全に包囲される一方で該部材Aと隣接している部材Bを有する非空気入りタイヤにおいて、前記部材Bが、一つ以上のタイヤ周方向に延在する中空部を有し、かつ金属材料で形成されてなり、前記部材Bのタイヤ回転軸側の底部が子午線方向の断面において平坦な形状を有することを特徴とする非空気入りタイヤ。
  2. 前記部材Bが、比重5以下の軽金属を主とする材料で形成されてなることを特徴とする請求項1記載の非空気入りタイヤ。
  3. 非空気入りタイヤの全体積に対して、中空部を含まない部材Bの体積の比率が5〜30%であることを特徴とする請求項1または2に記載の非空気入りタイヤ。
  4. 前記非空気入りタイヤの回転中心軸を中心として、前記部材Bの最内径Rbが、該非空気入りタイヤの組付けリムの最外径Raよりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の非空気入りタイヤ。
  5. 前記部材Aを構成する材料が、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可逆架橋エラストマー、またはこれらを1種または複数種用いた混合物で構成されたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の非空気入りタイヤ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の非空気入りタイヤが左右に分割可能なリムに組み付けられてなることを特徴とする非空気入りタイヤ組立体。
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