JP2012045958A - 非空気式タイヤ及びそれを用いたタイヤ/ホイール組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽車両用の非空気式タイヤにおいて、タイヤとホイールの固定を強固かつ確実に行うタイヤ及びタイヤ/ホイール組立体を提供すること、更にタイヤのマテリアルリサイクル使用を可能にするタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ本体部、左右一対のサイド部を有する非空気式タイヤにおいて、リムの幅方向外側の少なくとも一部を覆うようにサイド部2を形成し、前記サイド部2が中空孔3を備えるとともに、中空孔3に締結部材8が挿入され、この締結部材8を締め付けることでタイヤ21とホイール22を固定する。タイヤ本体部1並びにサイド部2の少なくとも一部を構成するエラストマーが熱可逆架橋エラストマー組成物である。熱可逆架橋エラストマーの組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むものであることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】タイヤ本体部、左右一対のサイド部を有する非空気式タイヤにおいて、リムの幅方向外側の少なくとも一部を覆うようにサイド部2を形成し、前記サイド部2が中空孔3を備えるとともに、中空孔3に締結部材8が挿入され、この締結部材8を締め付けることでタイヤ21とホイール22を固定する。タイヤ本体部1並びにサイド部2の少なくとも一部を構成するエラストマーが熱可逆架橋エラストマー組成物である。熱可逆架橋エラストマーの組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むものであることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、非空気式タイヤ及びタイヤ/ホイール組立体に関するもので、特に、自転車用、車椅子用、ゴルフカートなどの軽車両用の非空気式タイヤとして最適なタイヤ及びタイヤ/ホイール組立体を提供するものである。
更に詳しくは、長期にわたり苛酷に使用されてもホイールからタイヤが外れることがなく、更に、マテリアルリサイクル性にも優れた軽車両用の非空気式タイヤに関するものである。
自転車用、車椅子用、ゴルフカートなどの軽車両用タイヤは空気式タイヤが主に使用されてきているが、近年、特にパンクレスなどの利点があることから非空気式タイヤが提案され一部実用化がされてきている。
この非空気式タイヤは、通常、所謂ソリッドタイヤであり、図6(a)に断面図を示したようにタイヤ本体101はゴム材等から成る中実構造の環状体から構成されている。タイヤ本体101の両側面には溝部102がタイヤ一周にわたり形成され、図6(b)に示したように、リム103のリム端部105にタイヤの溝部102を嵌合してタイヤ/ホイール組立体が構成されている。タイヤの接地面には必要に応じてトレッド溝が設けられている。
本件では、図6に示したように、タイヤを組み付ける車輪の台部103をリム、リム103の両端部104をリムフランジ、リムフランジ104のリムの幅方向内側に付き出した縁部105をリム端部と呼称する。ホイール107とは、タイヤを嵌めている車輪のことで、図示していないがスポーク、ハブ等、およびリム103から構成されている。
また、特にタイヤ本体101を中空構造にして、全体の軽量化と衝撃吸収効果を得るようにした自転車用、車椅子用、自動車用などの非空気式タイヤが提案されている。(特許文献1)
これらの従来提案されている軽車両用の非空気式タイヤのタイヤ/ホイール組立体においては、図6に示したタイヤ本体101とリム103の固定は、通常、リム103にタイヤ本体101を押し込んだ状態でタイヤ本体101の側面に設けられた溝部102とリム103のリム端部105を嵌合させることによってのみ行っている。
しかし、このようなタイヤ/ホイール組立体の組み付け固定方法では、急激なターンをさせたり、あるいは、タイヤを横滑りさせながら移動させたりした場合にタイヤ本体がリムから外れやすいという問題があった。
このようなタイヤ本体とリムの外れを極力なくすために、たとえば、タイヤ本体とリムを接着材料等を使用して接着固定するという手段も考えられるが、接着固定してしまうと、ホイールからタイヤ本体を外してタイヤ本体の交換をする際などの作業性が悪く、採用し難いものであった。
本発明は、上述したような点に鑑み、軽車両用の非空気式タイヤ及びタイヤ/ホイール組立体において、タイヤとホイールの固定を強固かつ確実に行うことを実現する非空気式タイヤ及びタイヤ/ホイール組立体を提供することを目的とする。
また、さらに、そのような本発明のタイヤにおいて、タイヤ本体のマテリアルリサイクルを可能にする非空気式タイヤを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の非空気式タイヤは下記(1)〜(9)の構成から成る。
(1)タイヤ本体部、左右一対のサイド部を有する非空気式タイヤにおいて、リムに前記タイヤを取り付けたときに、リムの幅方向外側の少なくとも一部を覆うことができるようにサイド部を形成し、前記サイド部が中空孔を備えるとともに中空孔に締結部材を挿入して、タイヤ本体とホイールが締め付け固定された非空気式タイヤ。
また、本発明の非空気式タイヤにおいて、好ましくは、下記(2)〜(9)のいずれかの構成から成るものがよい。
特に、下記(5)〜(7)のいずれかの非空気式タイヤは、タイヤ本体のマテリアルリサイクル性を実現するものであり、地球環境保全の点で好ましい。
(2)前記サイド部の中空孔のタイヤ径方向内側面が、リム断面高さの60%以下の位置にある上記(1)に記載の非空気式タイヤ。
(3)前記サイド部の少なくとも一部が周辺よりも高硬度である上記(1)または(2)に記載の非空気式タイヤ。
(4)前記サイド部において、外表面側の周方向の少なくとも一箇所に中空孔と連通する切り欠き部を設けた上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非空気式タイヤ。
(5)前記タイヤの少なくとも一部が、熱可逆架橋エラストマー組成物であり、この熱可逆架橋エラストマー組成物は、少なくともカルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物によって構成された上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非空気式タイヤ。
(6)前記熱可逆架橋エラストマー組成物が、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含む上記(5)に記載の非空気式タイヤ。
(7)前記含窒素複素環化合物が含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体である上記(6)に記載の非空気式タイヤ。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の非空気式タイヤのビード部底面と接触する支持部を、リムの幅方向外側に設けたタイヤ/ホイール組立体。
(9)軽車両用として用いられることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の非空気式タイヤを用いたタイヤ/ホイール組立体。
上記(1)にかかる本発明により、軽車両用などの非空気式タイヤにおいて、パンクレスであるとともに、タイヤとホイールの固定が強固かつ確実で、前記サイド部に設けた締め付け部材によるタイヤとホイールの組付け固定とその解除の作業性の点で優れた非空気式タイヤを提供できる。
上記(2)〜(3)にかかる本発明により、上記(1)によるタイヤとホイールの固定を、更に強固かつ確実にした非空気式タイヤを提供できる。
上記(4)にかかる本発明により、上記(1)による前記サイド部に設けた締め付け部材によるタイヤとホイールの組付け固定とその解除の作業性を、更に効率的にした非空気式タイヤを提供できる。
上記(5)〜(7)にかかる本発明により、上記(1)〜(4)の本発明の効果の他に、熱可逆架橋エラストマー組成物をタイヤに使用しているため、環状に成形することが簡単であり、また、熱を加えることで架橋が外れるため、タイヤの成形性に加え、マテリアルリサイクルも容易にした非空気式タイヤを提供できる。
上記(8)にかかる本発明により、上記(1)〜(7)によるタイヤとホイールの固定を、更に強固かつ確実にした非空気式タイヤ/ホイール組立体を提供できる。
上記(9)にかかる本発明により、上記(1)〜(8)によるパンクレスで、タイヤとホイールの固定を強固にかつ確実にし、これらの組付けと解除の作業性を改良し、マテリアルリサイクル性に優れた、自転車用、車椅子用、ゴルフカート用などの軽車両用の非空気式タイヤとして最適な非空気式タイヤ/ホイール組立体を提供できる。
上記の構成であるため、タイヤのホイールへの組付け作業としては、タイヤ本体部の左右に備わる一対のサイド部を伸ばした状態でホイールのリムにタイヤを嵌めこみ、締結部材を切り欠き部から挿入して一周させ、締結部材を引き締めてその両端を結合させることで容易に組付けができる。締結部材を適度な力で締め付けることによりサイド部をリムに押しつけて走行中などにタイヤが外れないようにすることができる。たとえば長期間使用後に弛んでいるのを発見した場合でも、切り欠き部において締結部材を手動でまたは締め付け治具を用いて容易に締め付けて、弛みをなくすことができる。
また、特に熱可逆架橋エラストマー組成物をタイヤに使用した場合には、タイヤおよび/またはホイールを暖めた状態で容易にホイール(リム)にタイヤを嵌めこむことができ、そのまま冷却することによって架橋の進んだタイヤとなるので、サイド部がリムを強固に押しつけてリムに固定され、走行中などにタイヤが外れないようになる。しかも締結部材を切り欠き部から挿入して一周させ、締結部材を引き締めてその両端を結合させるので、さらにサイド部がリムを強固に押しつけられてリムに固定される。この方法は、製造が簡単であること、低コストであることなどの利点もある。
一方、特に熱可逆架橋エラストマー組成物をタイヤに使用した場合には、タイヤをホイール(リム)から取り外す場合、タイヤは熱可逆架橋エラストマー組成物から構成されているので、加温すれば軟化し伸びやすくなるので、タイヤを容易にリムから取り外すことができる。また、接着剤等を用いていないので、上記のように簡単に、タイヤ単体とその他のパーツに区分することが可能である。そしてタイヤは、熱可逆架橋エラストマー組成物から構成されているので、溶融することが可能であり、かつ、物性を低下させずに繰り返して新たな部材に溶融成形して、繰り返し使用することができるので、マテリアルリサイクルが可能となり、リサイクル性の向上を達成することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図で、本発明における非空気式タイヤの断面模式図を示す図である。図1(a)の上図は非空気式タイヤ21を示し、下図はホイール22を示す。図1(b)は本発明の非空気式タイヤをホイール22へ組み付けた状態を示す図である。尚、ホイール22において、スポークやハブ等は省略している。
本発明の非空気式タイヤ21は、図1に示すように、タイヤ本体部1と左右一対のサイド部2から構成され、サイド部2はリムフランジ部6の幅方向外側においてリム5の少なくとも一部を覆うように形成され、かつ、サイド部2には中空孔3が設けられている。この中空孔3に締結部材8が挿入され、この締結部材8は締め付けることができるようになっている。たとえば、ひも状の締結部材8が中空孔3を通り一周して連結している場合、連結部でひも状の締結部材を締め付けると、締結部材はタイヤ周方向に引張られるので、左右のサイド部2を内側に締め付けていきリム5に密着する。このように、この締結部材8の締め付け力によって、タイヤ1とホイール22が強固に固定される。
また、図1(b)のように、中空孔3のタイヤ径方向内側面位置の断面高さHA(リム5の内側底面を基準とする)を、リム断面高さHR(リム5の内側底面を基準とする)の60%以下とすることが、タイヤとホイールをより強固に固定する上で効果的である。(HA/HRx100≦60%)これは、締結部材を締め付けることにより、サイド部がホイールの側壁へ押し付けられて、サイド部とタイヤ本体でホイール側壁を両側から挟みこむ力が発生することを利用するもので、中空孔3のタイヤ径方向内側面位置の断面高さHAを、ホイール断面高さHRの60%以下とすることで、サイド部とホイール側壁との接触面積が大きくなり、これらの面間の摩擦力が高くなる結果、タイヤがリムから更に外れ難くなるものである。尚、タイヤ本体部1は、中実でも、一部が中空でも良いし、一部が発泡体でも非発泡体でも良い。たとえば、タイヤ本体部1の表面は耐摩耗性に優れた部材で構成し、内部は軽い部材で構成することにより、軽くてしかも丈夫なタイヤを作製できる。
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図で、タイヤ本体部を2層とし、サイド部の一部11を高硬度とした例を示す。図2に示したように、タイヤ本体部をトレッド部9とベース部10のような積層体とすることができる。更に、耐摩耗性や操縦安定性や乗り心地性を向上するために、トレッド部からタイヤ内部へ向かって徐々に特性を変化させたり(傾斜化)、目的に応じて複数の領域に区分してその領域に応じた部材を用いてもよい(多色化)。尚、これらの傾斜化や多色化は一般的な成形方法により一体成形できる。
図2に示したように、サイド部2の少なくとも一部を高硬度とすることで、タイヤとホイールをより強固に固定することができる。特に、ホイールの側壁と接触する部分を含めた部位を高硬度化することが望ましい。これは、前述のように、タイヤ本体部とサイド部とでホイール側壁を挟みこむ力は、ホイール側壁と接触する部位の硬度を高くすることで、締結材で絞め付けた力が伝達しやすくなり、より強固にタイヤとホイールを固定することができるようになるからである。この意味で、具体的な例としては、図2の11として示したように、サイド部のタイヤ径方向内側部位で且つ締結部材の位置を含む部位を高硬度とするのが望ましい。
締結部材8は、サイド部の中空孔3内に配置される。図3は本発明の非空気式タイヤ/ホイールの斜視図で、切り欠き部での締結部材の結合例を示す。また、非空気式タイヤ/ホイールの断面が分かるように描いている。図3に示すように、サイド部2の一部に設けられた切り欠き部12の位置で、締結部材を引張ってタイヤとホイールを適度な力で締め付けることができるので、前述のように、ホイールをタイヤ本体部とサイド部で挟み込むことでタイヤとホイールを強固に固定することができる。
中空孔3に挿入した締結部材8は、1周して切り欠き部12において結合部材13で両端部がつながり固定される。締結部材8を引張って結合部材13で固定したり、結合部材13で固定を解除して締結部材8を緩めることができる。たとえば、ケーブルタイ方式、具体的には例えば、商品名「タイラップ」、同「ホースラップ」などの市販の結束紐を使用することができる。
締結部材8の材質として、適度な剛性を有しつつ全体として可撓性をもつものなら何でもよく、例えば、商品名「タイラップ」、同「ホースラップ」などの市販の結束紐などに使用される材質がある。これらは一般に、可撓性を有する紐状の合成樹脂である。他の材質としては、金属製またはナイロン・ポリエステル・アラミドなどの有機繊維のモノフィラメントや撚り線コードや、材質を変えて撚り線加工した複合コードなどを用いることができる。
締結部材8の断面形状は、図1のような円形、図3のような矩形、或いは楕円形などを必要に応じて用いることができる。断面が円形のものは、中空孔への挿入作業性が良く、また、所定の位置へ配置し易い。断面が矩形の場合は、図3の切り欠き部12に示したように、締結部材の両端を結合部材でオーバーラップさせ易く、且つ締結部材の両端の接触面積が大きくなるのでオーバーラップした部分が緩み難い。
図3に示した締結部材8の結合方法は一例を挙げたもので、他の方法でも良い。たとえば、締結部材8と結合部材13を分けたもの、結合部材13をタイヤに固定したもの、或いは締結部材8における一方の端部の固定部(結合部)と他端部の固定部(結合部)を分離したもの、結合部においてネジを巻くようにして締結部材を巻いて締結部材を引張って締め付けていくもの、或いは、締結部材の結合部位をタイヤの外へ引き出して締め付けながら結合するものでも良い。図3で示した締結部材8の両端を結合させる部材13は、締結部材と同様に上記材料を用いることができる。また、結合部材13は必要に応じて用いればよく、締結部材の両端同士を直接結ぶことも可能である。
サイド部に設ける中空孔の断面形状は、図1の3のような矩形状、階段状、或いは丸状などを使用することができる。図4は本発明の第3の実施形態を示す図であり、中空孔の形状を階段状とした場合におけるタイヤ/ホイールの断面図を示す。階段状の場合、締結部材を中空孔の所定位置に配置しやすいなど作業性がよい。また、中空孔のタイヤ径方法内側面の、締結部材と接触する面は、可能な限り、締結部材の断面形状・寸法に合わせることが望ましい。これにより、締結部材が中空孔内で所定の位置に配置されて、所望の締め付け力を発揮し易くすることができる。
本発明におけるタイヤ本体部1およびサイド部2は一体物として成形加工されるエラストマー組成物である。このエラストマー組成物として、非空気式タイヤの少なくとも一部において、水素結合を用いた熱可逆架橋エラストマー組成物であるTHCラバー(Thermoreversible Hydrogen-bond Crosslinking Rubber)を用いることが好ましい。
これにより、タイヤのリサイクル性を向上させることが可能となる。
これにより、タイヤのリサイクル性を向上させることが可能となる。
熱可逆架橋エラストマー組成物を含む樹脂やエラストマー組成物は、加温することで軟化し、手で容易に伸ばすことが可能なため、タイヤのリムへの脱着作業が簡単になる。そして、熱可逆架橋エラストマー組成物が樹脂やエラストマー組成物全体に占める割合は、必要に応じて決めることができる。また、熱可逆架橋エラストマー組成物は、溶融することが可能で、かつ、物性を低下させずに繰り返して使用することができる為、マテリアルリサイクルが可能である。
熱可逆架橋エラストマー組成物としては、カルボニル基・ヒドロキシ基・オキシ基・エポキシ基・フェニル基など種々の官能基またはこれらの官能基か含窒素複素環を含む架橋部位、或いはこれらを側鎖として含有することができるが、少なくともカルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物であることが、熱可逆架橋性を良好に発揮する上で好ましい。
カルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位は、カルボニル含有基が有するカルボニル基と、含窒素複素環が有するアミノ基とが水素結合を形成する。含窒素複素環は、架橋剤として含窒素複素環含有化合物を加えることにより配合してもよい。水素結合性架橋部位を構成するカルボニル化合物としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、イミド基が挙げられる。
熱可逆架橋エラストマー組成物は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマー、パラフィンオイルを含むものであることが好ましい。このように熱可逆架橋エラストマー組成物を構成することにより、良好な物性を持つとともに、高流動性で成形性が良好になる。
熱可逆架橋エラストマー組成物の好ましい組成は、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー100重量部に対し、含窒素複素環化合物を0.1〜3重量部、オレフィン系樹脂を50〜150重量部、スチレン系エラストマーを20〜80重量部、パラフィンオイルを50〜150重量部配合するのがよい。また、ここにおいて、含窒素複素環化合物は、含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体であることが好ましい。
熱可逆架橋エラストマー組成物をタイヤに使用すると、環状に成形することが簡単であり、また、熱を加えることで架橋が外れるため、タイヤの成形性に加え、マテリアルリサイクルも容易になるので好ましい。
前述の切り欠き部は、この熱可逆架橋エラストマー組成物を流し込んで充填して、外観上切り欠き部を埋め戻して良い。埋め戻すことにより、外観は一体物として製造した場合と比べても変わらないようにすることができ、切り欠き部に汚れが付着することを防いだり、締結部材の弛みを防止することができる。或いは、外観上、強度上、汚れや締結部材の弛みが問題にならなければ、充填せずにそのまま開口させたままでもよい。充填する場合は、熱を加えることで可塑化するので、この充填物の充填作業や除去作業を容易に行うことができる。一方、充填しない場合は、締結部材の締め付け状況を常時確認でき、弛んでいれば締め付けることができるという利点がある。
また、締結部材を中空孔に挿入してタイヤをホイール(リム)に締結部材を締め付けてタイヤのサイド部をリムに密着固定させた後で、締結部材が弛まないように中空孔にも溶融した熱可逆架橋エラストマー組成物を流し込んで充填して冷却し、締結部材を埋設し固定させることもできる。この場合も、締結部材を取り外すときは、加熱して充填した熱可逆架橋エラストマー組成物を溶融すれば良い。尚、本発明の非空気式タイヤに用いられるエラストマー組成物や熱可逆架橋エラストマー組成部の詳細は特許文献2(特開2009−286183)に述べられており、参照することにより本発明に組み込まれる。
切り欠き部12は少なくとも一箇所あれば、前述のように締結部材8を中空孔3へ挿入し締め付けたり緩めたりすることが可能である。また、切り欠き部を複数箇所に設けた場合は、締結部材を所定の位置へ配置できたかどうかを確認しながら挿入作業を行うことができる。さらに、それぞれの切り欠き部に結合部材を備えることもできるので、サイド部のリム部への締め付け具合を確認しながら、各結合部材の締め付け程度を調整することもできる。
図5は、本発明の第4の実施形態を示す図で、リム部の幅方向外側にタイヤサイド部を支える支持部を備えた図である。図5に示したように、ホイールの側壁に、タイヤのビード部底面と接触する支持部15を設け、締結部材8でタイヤを締め付けた時にこの支持部15でその力を受けることで、タイヤとホイールをより強固に固定することができる。支持部の断面形状は平面状でも図5のようにビード部底面の形状に合わせた形状とすることができる。
本発明の非空気式タイヤを製造する例として、まず、エラストマー組成物のペレットを用いて押出し成形してタイヤ本体部とサイド部を構成する。これを環状にするには、環状に賦形して高温下で両端部を突き合わせて融着接合させる。その後、締結部材を通す中空孔を穿設する。リム組み時には、タイヤの溝部でも固定化を図るとともに、締結部材8を中空孔3、14に通して切り欠き部分12でその両端を結合する。
本発明の非空気式タイヤ、または非空気式タイヤとホイールとの組立体は、比較的、軽荷重下での低速走行などが通常である自転車用、車椅子用、ゴルフカート用、リヤカー用など、各種の軽車両用の非空気式タイヤとして使用することができる。
1・・・タイヤ本体部、
2・・・サイド部、
3・・・中空孔、
4・・・中空孔のタイヤ径方向内側面、
5・・・リム、
6・・・リムフランジ部、
7・・・リム端部、
8・・・締結部材、
9・・・キャップ部、
10・・・ベース部、
11・・・サイドの高硬度部、
12・・・切り欠き部、
13・・・結合部材、
14・・・中空孔(階段状)、
15・・・ホイールのタイヤビード支持部、
21・・・タイヤ、
22・・・ホイール、
101・・・タイヤ本体部、
102・・・タイヤの溝部(リムとの嵌合部)、
103・・・リム、
104・・・リムフランジ部、
105・・・リム端部、
106・・・タイヤ、
107・・・ホイール、
2・・・サイド部、
3・・・中空孔、
4・・・中空孔のタイヤ径方向内側面、
5・・・リム、
6・・・リムフランジ部、
7・・・リム端部、
8・・・締結部材、
9・・・キャップ部、
10・・・ベース部、
11・・・サイドの高硬度部、
12・・・切り欠き部、
13・・・結合部材、
14・・・中空孔(階段状)、
15・・・ホイールのタイヤビード支持部、
21・・・タイヤ、
22・・・ホイール、
101・・・タイヤ本体部、
102・・・タイヤの溝部(リムとの嵌合部)、
103・・・リム、
104・・・リムフランジ部、
105・・・リム端部、
106・・・タイヤ、
107・・・ホイール、
Claims (10)
- タイヤ本体部および、前記タイヤ本体部の左右に備わる一対のサイド部を有する非空気式タイヤにおいて、リムに前記タイヤを取り付けたときにリムの幅方向外側の少なくとも一部を覆うことができるようにサイド部を形成し、前記サイド部が中空孔を備えるとともに、中空孔に締結部材が挿入されていることを特徴とする非空気式タイヤ。
- 前記サイド部の中空孔のタイヤ径方向内側面が、リム断面高さの60%以下の位置にあることを特徴とする請求項1に記載の非空気式タイヤ。
- 前記サイド部の少なくとも一部が周辺よりも高硬度であることを特徴とする請求項2または3に記載の非空気式タイヤ。
- 前記サイド部において、外表面側の周方向の少なくとも一箇所に中空孔と連通する切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の非空気式タイヤ。
- 前記タイヤの少なくとも一部が、熱可逆架橋エラストマー組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の非空気式タイヤ。
- 前記熱可逆架橋エラストマー組成物は、少なくともカルボニル含有基及び含窒素複素環を有する水素結合性架橋部位を含有する側鎖もしくはその水素結合性架橋部位と共有結合性架橋部位とを併有する側鎖を有する熱可逆架橋エラストマー組成物によって構成されたことを特徴とする請求項5に記載の非空気式タイヤ。
- 前記熱可逆架橋エラストマー組成物が、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、含窒素複素環化合物、オレフィン系樹脂、スチレン系エラストマーおよびパラフィンオイルを含む請求項6に記載の非空気式タイヤ。
- 前記含窒素複素環化合物が含窒素複素環多官能アルコールであり、前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記スチレン系エラストマーが水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体であることを特徴とする請求項7に記載の非空気式タイヤ。
- 請求項1〜8のいずれかの項に記載の非空気式タイヤのビード部底面と接触する支持部を、リムの幅方向外側に設けたことを特徴とするタイヤ/ホイール組立体。
- 軽車両用として用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の非空気式タイヤを用いたタイヤ/ホイール組立体。
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---|---|---|---|---|
JP2013184615A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 非空気入りタイヤおよびその製造方法 |
US9108470B2 (en) | 2008-09-29 | 2015-08-18 | Polaris Industries Inc. | Run-flat device |
US9573422B2 (en) | 2012-03-15 | 2017-02-21 | Polaris Industries Inc. | Non-pneumatic tire |
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2010
- 2010-08-24 JP JP2010186707A patent/JP2012045958A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9108470B2 (en) | 2008-09-29 | 2015-08-18 | Polaris Industries Inc. | Run-flat device |
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