JP4391046B2 - 火災感知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は火災報知設備における火災感知器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一戸建て等の室内に設置される住宅用の火災感知器がある。この火災感知器には光電式のものがあり、この場合、数秒周期で発光素子が点灯し、煙による散乱光を受光素子で受光するように構成されている。
そして、発光素子の発光パルスに基づいて、所定量以上の受光パルスが受光素子で連続3回得られた時に、火災と判断するようにしている。
また、この火災感知器は点検用の押しボタンを備えており、この押しボタンを押すことで火災感知器の点検を行うことができる。即ち、押しボタンを押していいる間は、所定量以上の受光パルスが出力され、火災時と同じ状態を擬似的に作り出す。
実開昭57−99289号公報にはこのような点検用の押しボタンを備えた従来の火災感知器が開示されている。この火災感知器では点検用の押しボタンを押して点検する場合、数秒周期の受光パルスが3回連続して所定以上の時に火災と判断するようにしているため、10秒近く、ボタンを押しっぱなしにする必要がある。その後、機能が正常であれば、ブザーが鳴動したり、表示灯が点灯するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の火災感知器では、点検用の押しボタンを押して点検する場合、押しボタンを10秒近く、押しっぱなしにしている必要があり、点検時間が長くかかり、また押しボタンを押している間は表示・警報等何もないので、点検している者がボタン操作の仕方が間違っているのではないか等という不安感をユーザに与えたり、あるいは故障であると誤判断させてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、定期的に火災感知器内で自動点検を行い、その結果を記憶しておき、点検ボタンが押されたら、その結果をすぐに警報できるようにした火災感知器を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る火災感知器は、火災現象の物理量を検出し、該物理量に応じたセンサ出力を出力する火災検出手段と、前記センサ出力と火災判別用の火災レベルとを比較し、火災と判別した時に火災判別信号を出力する比較手段と、該火災判別信号に基づいて火災表示の警報を発する警報手段とを備えた火災感知器において、
前記火災検出手段を点検するための点検ボタンと、該点検ボタンが押されてから、一定時間毎に前記点検ボタンのオン信号を確認し、該オン信号が、所定時間にわたって継続状態であるかを監視して、前記点検ボタン自体の異常を監視する点検ボタン監視手段とを設け、該点検ボタン監視手段が前記点検ボタンのオン信号が所定時間にわたって継続状態で、前記点検ボタン自体の異常と判断したときには、前記警報手段が異常警報を行うようにしたものである。
【0006】
本発明においては、火災検出手段を点検するための点検ボタンが押され、点検ボタン監視手段が点検ボタンのオン信号が所定時間にわたって継続状態で、点検ボタン自体の異常と判断したときには、警報手段が異常警報を行うようにしたので、点検が押された場合に、点検ボタンが固着する等して押されっぱなしになり、点検ボタンが所定時間以上押された状態が続くと点検ボタン自体の異常として警報手段が異常警報を発するため、点検者は火災感知器、特に点検ボタン自体が異常状態にあることに気付く。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る火災感知器の構成を示すブロック図、図2は同火災感知器の火災監視処理を示すフローチャート、図3は同火災感知器の自動点検処理を示すフローチャート、図4は同火災感知器の点検ボタン監視処理を示すフローチャート、図5は同火災感知器の点検ボタン監視処理を示すタイムチャート、図6は同火災感知器の火災灯と電源灯の表示状況とブザーの動作状況を示す説明図である。
図において、10はマイコン(マイクロコンピュータ)で、火災感知器1の全体を制御するものである。20はROMで、火災判別用の閾値である火災レベルと試験合格レベル及び所定のプログラムなどを格納している。21は作業領域としてのRAMで、センサ出力を一時的に格納する領域である。
【0008】
30は発光回路で、マイコン10からの発光制御パルスを受けた時に、発光素子31に発光用の電流パルスを供給するものである。40は増幅回路で、受光素子41の散乱光の受光出力を所定の増幅率で増幅するものである。42はマイコン10からの指令に応じて増幅回路40の増幅率を可変するゲイン調整回路である。
60は定電圧回路で、電源プラグ62よりAC−DC変換部61に供給された電圧を、マイコン10等に必要な定電圧にして供給する回路、63は定電圧回路60が出力する電圧を監視し、所定電圧以下のときに電圧異常信号をマイコン10に出力する電圧監視回路である。
【0009】
70は警報手段としての点灯制御回路で、正常時は電源灯71を点灯させ、火災灯72は消灯させ、火災時に火災灯72を点滅点灯させ、電源灯71は消灯させ、自動点検異常等の異常時には電源灯71点滅点灯させ、火災灯72は消灯させる。この電源灯71及び火災灯72は共に、火災感知器1本体の外側から視認できる位置に設けられている。なお、これら電源灯71及び火災灯72の発光形態は正常時、火災時、異常時の識別がつけば自由に変更可能である。
73は火災時に鳴動するブザー、74はマイコン10からの信号により火災時にブザー73を鳴動させる鳴動回路、75は火災感知器の動作試験を確認するため、点検指令を出力する点検ボタン、76は点検ボタン75がオン操作され、点検指令が出力されている時間を計測するタイマである。
【0010】
この実施の形態において、発光回路30、発光素子31、増幅回路40及び受光素子41が、火災現象の物理量を検出し、その物理量に応じたセンサ出力を出力する火災検出手段の一例である。
また、ROM20が火災時におけるセンサ出力の値を基準値(火災レベル)として記憶している基準値記憶手段の一例で、マイコン10が火災検出手段から出力されるセンサ出力と基準値記憶手段に記憶された基準値とを比較する比較手段及び点検ボタン75の点検指令を受けた場合に記憶手段であるRAM21に記憶されている自動点検異常フラグを見にいき、記憶されている自動点検異常フラグの状態に基づいて火災判別信号を警報手段に出力する点検監視手段の一例である。
【0011】
次に、本発明の実施の形態の火災感知器の動作について説明する。
本発明の実施の形態における電源灯71及び火災灯72はセンサ出力の状態等によってその発光形態が変化する。そこで、以下に示すように実施の形態を4つの場合に分けて説明する。なお、通常時の状態においては、電源灯71のみが点灯している。
初めに以下のフローチャートにおけるステップ1〜ステップnは、以下ステップを省略し、S1〜Snと記載する。
(1)通常の火災監視処理について図1及び図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、初期設定を行って火災監視処理が開始されると(S1)、マイコン10は発光回路30に発光制御パルスを出力して、発光素子31を3秒周期で発光させる。このとき、受光素子41の受光出力が増幅回路40によって増幅されるが、増幅回路40のアンプゲインはゲイン調整回路42により通常のものとして低く設定されている(S2)。
【0012】
増幅回路40で増幅された受光素子41の受光出力(センサ出力)はマイコン10に取り込まれ、RAM21に格納される。マイコン10ではROM20に格納された火災判別用の閾値である火災レベルを読み出して、RAM21に格納されたセンサ出力と火災レベルとを比較する(S3)。
ここで、センサ出力が3秒周期のパルスのうち連続して例えば2回火災レベル以上であれば、マイコン10は火災であると判別し、火災判別信号を点灯制御回路70に出力し、点灯制御回路70は火災判別信号に基づいて赤の火災灯72を点滅点灯させ、緑の電源灯71を消灯させ、更にマイコン10は鳴動回路74に鳴動信号を出力し、鳴動回路74はブザー73を鳴動させるという火災表示の警報を発する(図6参照)。
また、センサ出力が2回連続して火災レベル以上にならなければ、マイコン10は正常である(火災でない)と判別し、正常判別信号を点灯制御回路70に出力し、正常状態であることを示す正常表示を維持する。即ち、点灯制御回路70は正常判別信号に基づいて赤の火災灯72を消灯させ、緑の電源灯71を点灯させ、更にマイコン10は鳴動回路74に鳴動信号を出力せず、鳴動回路74はブザー73を鳴動させないという正常表示を行う(図6参照)。
このようにして火災か正常かの判別処理が終われば、火災監視処理は終了する(S4)。
【0013】
(2)自動点検処理について図1及び図3のフローチャートに基づいて説明する。
ここで、自動点検処理とは火災感知器が火災を感知するように正常に動作しているかどうかを自動的に点検する処理をいう。具体的にはセンサ出力のアンプゲインを例えば8発光周期にゲイン調整回路42によって高く設定するようにしている。即ち、上述した火災監視処理中に24秒毎に自動的に自動点検処理は行われる。
自動点検処理が開始されると(S11)、マイコン10から試験点検信号を受けてゲイン調整回路42が24秒毎に増幅回路40のアンプゲインを通常のものより高く設定する(S12)。これは擬似的にセンサ出力の値が火災時と同じ状態になるようにするためである。このようにゲイン調整回路42が擬似センサ出力試験手段となる。
【0014】
増幅回路40で24秒毎の高いゲインで増幅された受光素子41の受光出力(以下、これを擬似センサ出力という)はマイコン10に取り込まれ、RAM21に格納される。マイコン10ではROM20に格納された試験判別用の基準値である試験合格レベルを読み出して、RAM21に格納された擬似センサ出力と試験合格レベルとを比較する(S13)。
ここで、擬似センサ出力が試験合格レベル以上であれば、マイコン10は火災検出手段は正常であると判別し、試験結果としての自動点検異常フラグを「クリア」に設定して(S14)、その状態をRAM21に記憶させる。なお、この自動点検が正常である時には、緑の電源灯71のみが点灯している正常表示の状態が維持されている。また、自動点検は24秒毎に行われる比較が2回連続して合格レベルの時、正常と判別するようにしてもよい。
【0015】
また、擬似センサ出力が試験合格レベル以下であれば、マイコン10は火災検出手段が異常であると判別して自動点検異常フラグを「セット」に設定して(S15)、その状態をRAM21に記憶させる。そして、点灯制御回路70に異常判別信号を出力し、点灯制御回路70は異常判別信号に基づいて電源灯71を直ちに点滅点灯させ、火災灯72は消灯させ、更にマイコン10は鳴動回路74に鳴動信号を出力せず、鳴動回路74はブザー73を鳴動させないという異常表示を行う(図6参照)。
このようにして自動点検が正常に行われたか否かの判別処理が終われば、自動点検処理は終了する(S16)。このように自動点検処理では、点検結果が異常で自動点検異常フラグがセットされれば、直ちに電源灯71を点滅させるので、住戸の人は感知器の異常にすぐ気付くことができる。また、点検結果が正常で自動点検異常フラグのクリアの場合は、24秒毎にRAM21に「クリア」という状態が随時更新して格納され、点検ボタン75が押されるまで「正常表示」の状態が継続される。
【0016】
(3)点検ボタン監視処理について図1、図4のフローチャート及び図5のタイムチャートに基づいて説明する。
まず、点検ボタン75の2つの機能について説明する。点検ボタン75は通常時に押されると、自動点検処理の結果を警報手段に出力する機能を有する。また、ブザー73が鳴動している火災時に押されると、ブザー73を停止させ、かつ5分間はブザーの再鳴動を停止する機能を有する。
ここで、点検ボタン監視処理とは火災感知器が火災を感知するように正常に動作しているかどうか及び点検ボタン自体の動作を点検者が確認する処理をいう。
上述したように火災監視処理中に24秒毎に自動的に自動点検処理が行われており、自動点検が正常に行われたか否かの結果を、火災灯72、電源灯71の表示状況で知ることができるが、点検ボタン75自身の異常については知ることができない。そこで、点検ボタン監視処理が必要となる。なお、点検ボタン監視処理は火災監視処理と平行して所定の周期、例えば0.15秒毎に行われる。
【0017】
点検ボタン監視処理が開始されると(S31)、マイコン10では点検ボタン75の点検指令であるオン信号が入力された否かを確認し(S32)、点検ボタン75のオン信号を確認したら点検ボタン75が押されているものとして点検ボタンONフラグを「セット」し(S33)、確認できなければ点検ボタン75が押されていないものとして点検ボタンONフラグを「クリア」する(S34)。この点検ボタンONフラグが「クリア」の状態とは火災監視処理の状態に戻ることを意味する。なお、S33ですでに点検ボタンONフラグがセット済みである場合にはS33を通過するようにしてもよい。
そして、点検ボタンONフラグを「クリア」すると、後述する点検ボタン長時間ONフラグ及び後述するタイマ76を「クリア」し(S35)、自動点検処理の結果を示すRAM21に格納されている自動点検異常フラグを見にいき(S36)、そのフラグが「セット」の状態であれば前述したように異常表示を行う。この部分のフローの説明を補足すると、自動点検の結果が異常であれば、自動点検で異常と判断した時から点検ボタン75のオン、オフに関係なく異常表示が継続して行われる。
【0018】
また、自動点検異常フラグが「セット」の状態でなければ正常を表示させる。即ち、緑色の電源灯71のみが点灯している「正常表示」の状態が維持され続ける。
また、点検ボタン75のオン信号を確認して点検ボタンONフラグが「セット」されたら(S33)、点検ボタン長時間ONフラグが以前に「セット」されているかどうかを見る(S39)。ここで、「点検ボタン長時間ONフラグ」とは何らかの原因によって点検ボタン75が60秒以上押され続けた時に、セットされる異常用のフラグである。
【0019】
点検ボタン長時間ONフラグが「セット」されていなければ、タイマ76で点検ボタン「ON」の状態を見る(S41)。
ここで、点検ボタン「ON」の継続状態とは、点検ボタン75が押されてから所定時間毎、例えば0.15秒毎に点検ボタン75の「ON」を監視して、ONであれば1づつ加算されるタイマ76(又はカウンタ回路)の計数値から継続回数または継続時間を確認するもので、所定時間毎の確認で点検ボタン75が押されていないことが分かったらタイマ76の計数値(カウント)をクリアし、ON状態が継続している状態では、所定時間毎の確認でタイマ76への加算が継続される。
【0020】
そして、0.15秒毎に監視する点検ボタン「ON」の連続、即ちタイマ76の計数値が400回以上であれば、60秒以上継続したということで、点検ボタン長時間ONフラグが「セット」される(S41)。
点検ボタン長時間ONフラグが「セット」されれば、点検ボタン75が故障してONされ続けるということを意味し、異常な状態であり、異常が表示される(S40)。
即ち、マイコン10は点灯制御回路70に異常判別信号を出力し、点灯制御回路70は異常判別信号に基づいて赤の火災灯72を消灯させ、緑の電源灯71を点滅点灯させ、更にマイコン10は鳴動回路74に鳴動信号を出力せず、鳴動回路74はブザー73を鳴動さないという異常表示の警報を発する(図6参照)。
なお、以上は点検ボタン長時間ONフラグが「セット」され(S41)、異常表示を行う説明であるが、点検ボタン長時間ONフラグが「セット」されても、異常表示を行わないようにすることもできる。この場合、点検ボタン75が故障していることが明らかであるから、正常表示をさせて火災監視処理に入るようにしてもよい。
【0021】
また、点検ボタン「ON」の連続が400回以下、即ち60秒以下の場合は点検ボタン長時間ONフラグは「セット」されず「クリア」である(S43)。
例えば、点検ボタン75をON操作して自動点検処理の結果を確認するような場合は、ON操作の時間は僅かであるので、このように点検ボタン長時間ONフラグは「クリア」である。
従って、点検ボタン長時間ONフラグが「クリア」されると、自動点検処理の結果を示すRAM21に格納されている自動自動点検異常フラグを見にいき(S44)、そのフラグが「セット」の状態であれば異常表示である。即ち、電源灯71を点滅点灯させ、火災灯72を消灯、ブザー71を鳴動させない状態が続いたままになっている。
また、自動自動点検異常フラグが「セット」の状態でなく「クリア」になっていれば火災表示させる。即ち、火災灯72を点滅点灯させ、電源灯72を消灯、ブザー71を鳴動させる。このように点検ボタン75を押すことで、直前に行われた自動点検の「正常」であった結果を、火災灯72の点滅点灯により直ちに確認することができる。
【0022】
上述した点検ボタン75を操作して自動点検処理の結果を確認する場合の各構成部材の動作を図5のタイムチャートで説明すると、点検ボタン75が押されると、既に行われている自動点検処理の結果を示すRAM21に格納されている自動自動点検異常フラグを見にいき、自動点検処理において点検結果が正常で異常フラグのない状態のときには、電源灯71を消灯させ、火災灯72を点滅点灯させ、ブザー73を連続鳴動させる。そして、これらの状態は点検ボタン75を離してOFFするまで続けられる。
なお、この点検ボタン75は自動点検処理の結果を確認する場合に用いられるものであるが、火災監視処理の場合で火災と判別して赤の火災灯72を点滅点灯させ、緑の電源灯71を消灯させ、更にブザー73を鳴動させるいる状態のときに、点検ボタン75を押すと、マイコン10は正常判別信号を点灯制御回路70に出力し、点灯制御回路70は今までの火災表示から正常表示を行うように動作し、緑の電源灯71を点灯させ、ブザー73の鳴動を停止させる。それと同時にマイコン10に内蔵されているタイマが働いて5分間はブザー73の動作をロックし、5分間はブザー73が鳴動しないようにする。
【0023】
(4)電圧監視処理について説明する。
この実施の形態では、電源プラグ62より入力された交流電源をAC−DC変換部61で直流電源24Vの電圧に変換し、定電圧回路60で例えば3Vの定電圧にしてマイコン10に供給している。
一方、電圧監視回路63はAC−DC変換部61が出力する電圧を監視しており、AC−DC変換部61が出力する電圧が例えば16V以下となると、異常信号をマイコン10に出力し、マイコン10では点灯制御回路70に異常判別信号を出力し、点灯制御回路70は異常判別信号に基づいて電源灯71のみを点滅点灯させる。
このように、AC−DC変換部61が異常の場合にも電源灯71を点滅点灯させるので、ユーザは異常を知ることができる。
【0024】
上記実施の形態では、火災感知器として光電式のものを例に説明したが、熱式の火災感知器であっても適用できることはいうまでもない。
また、熱式の火災感知器の場合には感熱部にサーミスタを用い、サーミスタの断線状態の異常も検知することができる。
例えば、サーミスタを使用した熱式の場合は、サーミスタと直列に出力抵抗を接続し、その接続点にアナログデジタル変換器を接続する。そして接続点における電圧値に対応したデジタル信号と火災閾値とを比較することで火災監視が行われる。サーミスタには、並列に常時開放したスイッチ及び抵抗が接続され、このスイッチを定期的に閉じることで自動点検が行われる。
なお、上記実施形態においては、点検時にゲイン調整回路のゲインを高くするようにして点検を行うようにしたが、受光素子の光軸上に試験用の発光素子を設けてもよい。そしてこの試験用の発光素子を定期的に発光させて、受光素子の受光量を高めるようにして火災検出手段の点検を行うようにしてもよい。
なお、上記実施形態においては、自動点検による点検結果が異常の時は、直ちに異常表示を行うようにしたが、正常の場合と同様に、記憶手段に「異常」という点検結果を記憶させておき、点検ボタンが押された時に、はじめて異常表示を行うようにしてもよい。
また警報手段としては、表示灯の表示形態を変更させなくてもよい。つまり自動点検の異常時にブザーを連続鳴動させ、正常の場合には、点検ボタンが押された時に、ブザーを断続鳴動させるようにしてもよい。
なお従来の課題を解決するにあたって、例えば、点検ボタンを一瞬押すことにより、点検モードにして、ゲインを高めて疑似センサ出力を出力して、火災検出部の機能が正常かを点検するようにして、その結果を表示させるようにしてもよい。この場合、点検ボタンを最初に押してから一定時間経過したら、又は点検結果表示中に再度、点検ボタンが押されたら点検を強制的に終了させて監視状態に復帰させる。また点検結果が異常の場合にも、同様に一定時間経過後に点検を終了させる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、火災検出手段を点検するための点検ボタンが押され、点検ボタン監視手段が点検ボタンのオン信号が所定時間にわたって継続状態で、点検ボタン自体の異常と判断したときには、警報手段が異常警報を行うようにしたので、点検が押された場合に、点検ボタンが固着する等して押されっぱなしになり、点検ボタンが所定時間以上押された状態が続くと点検ボタン自体の異常として警報手段が異常警報を発するため、点検者は火災感知器、特に点検ボタン自体が異常状態にあることに気付くという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る火災感知器の構成を示すブロック図である。
【図2】同火災感知器の火災監視処理を示すフローチャートである。
【図3】同火災感知器の自動点検処理を示すフローチャートである。
【図4】同火災感知器の点検ボタン監視処理を示すフローチャートである。
【図5】同火災感知器の点検ボタン監視処理を示すタイムチャートである。
【図6】同火災感知器の火災灯と電源灯の表示状況とブザーの動作状況を示す説明図である。
【符号の説明】
10 マイコン、20 ROM、21 RAM、30 発光回路、31 発光素子、40 増幅回路、41 受光素子、42 ゲイン調整回路、60 定電圧回路、63 電圧監視回路、70 点灯制御回路、71 電源灯、72 火災灯、73 ブザー、74 鳴動回路、75 点検ボタン、76 タイマ。
Claims (1)
- 火災現象の物理量を検出し、該物理量に応じたセンサ出力を出力する火災検出手段と、前記センサ出力と火災判別用の火災レベルとを比較し、火災と判別した時に火災判別信号を出力する比較手段と、該火災判別信号に基づいて火災表示の警報を発する警報手段とを備えた火災感知器において、
前記火災検出手段を点検するための点検ボタンと、
該点検ボタンが押されてから、一定時間毎に前記点検ボタンのオン信号を確認し、該オン信号が、所定時間にわたって継続状態であるかを監視して、前記点検ボタン自体の異常を監視する点検ボタン監視手段とを設け、
該点検ボタン監視手段が前記点検ボタンのオン信号が所定時間にわたって継続状態で、前記点検ボタン自体の異常と判断したときには、前記警報手段が異常警報を行うことを特徴とする火災感知器。
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