JP4391011B2 - 架設鋼材定着用治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外ケーブル張出架設工法によりプレストレストコンクリート橋を構築する際において、橋桁の落下を防止するために使用する架設鋼材定着用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁の架設方法として、橋脚を中心として両側へ釣り合いを保ちながら、所定長のブロックに分割した橋体コンクリートを打設し(以下、分割して構築された橋体の部分を「橋体ブロック」という)、所定の強度に達した後にプレストレスを導入するという作業を繰り返すことにより、順次、橋体ブロックを施工していく、張出架設工法が存在している。この張出架設工法において、プレストレスを導入する際に、大容量の外ケーブルを各ブロックに少数本ずつ(多くの場合は2本)、定着突起により定着する方法が採用される場合があり、この工法を特に、外ケーブル張出架設工法と称している。
【0003】
前記外ケーブル張出架設工法においては、少数本の外ケーブルを使用して、橋体にプレストレスを導入するため、1本の外ケーブルの破断または1箇所の定着突起の損傷は、架設時における橋梁の全体構造の安定性に重大なる影響を及ぼし、最悪の場合には落橋につながる恐れもある。そのため、外ケーブル張出架設工法を採用する場合には、フェールセーフシステムを備えておくことが一般的となっている。
ここで、外ケーブル張出架設工法におけるフェールセーフシステムとは、施工された最先端部の橋体ブロックと、当該最先端部の橋体ブロックに隣接する橋体ブロックとを、架設鋼材(フェールセーフ鋼材)により定着する作業を行うことにより、外ケーブルの破断時等において橋体の損傷などを防ぐことをいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の外ケーブル張出架設工法におけるフェールセーフシステムにおいて、架設鋼材を橋体ブロックに定着するには、以下のような方法で行うことが代表的であった。
(1)第1の方法は、図6(a)に示すように、架設鋼材81を定着させる隣接する橋体ブロックB1’,B2’におけるコンクリート上床版80A,80B(以下、「上床版」という)に所定寸法の凹部82,83を2箇所形成し、当該両凹部82,83の壁面82a,83aを貫通する貫通孔80aを形成する。そして、当該貫通孔80aに架設鋼材81を挿通し、緊張力を導入した後に、アンカープレート84を介して定着用ナット85により、凹部82,83の壁面82a,83aに定着させる方法である(符号は、緊張用ナット86を示している)。
【0005】
(2)第2の方法は、図6(b)に示すように、架設鋼材91を定着させる隣接する橋体ブロックにおける上床版90の上面に鋼材定着ブロック92を設け、当該鋼材定着ブロック92の水平方向の挿通孔92aに架設鋼材91を挿通して、緊張力を導入した後に、アンカープレート93を介して定着用ナット94により定着させる方法である。前記鋼材定着ブロック92は、上床板90の下面まで貫通して設けられている鋼棒95の両端部に、プレート部材96を介してナット97を締結することにより、前記上床版90に固定されている。
【0006】
しかし、前記第1の方法では、上床版80A,80Bの上面に大寸法の凹部82,83を形成しなければならないため、架設中の橋体における応力状態が悪くなり構造物の品質に悪影響が生じてしまう可能性が高かった。また、架設鋼材81の撤去後に凹部82,83の穴埋め補修を行うことが必要であり、加えて、挿通孔80aの形成及び架設鋼材81の挿通作業を行わなければならないため、その作業が非常に繁雑であった。さらに、架設鋼材81の緊張に特殊なジャッキを使用しなければならず、施工費が増大することになっていた。
【0007】
また、前記第2の方法では、鋼材定着ブロック92を鋼棒95により固定しており、架設鋼材91の緊張力に抵抗させるために鋼棒95の摩擦抵抗を利用している構造であることから、所定の摩擦力を得るために大きな締め込み力が必要となるため、施工上の効率が悪かった。
【0008】
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、構造物に悪影響を及ぼすことがなく、簡易な構造であり、かつ、施工が容易である架設鋼材定着用治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の架設鋼材定着用治具は、コンクリート版の上面に付設され、少なくとも2体1組で架設鋼材の両端部を定着させるために用いられる架設鋼材定着用治具であって、底板と、前記底板に立設している前記架設鋼材の定着部と、前記定着部に前記架設鋼材を定着させる定着具(定着金具等)と、前記底板を前記コンクリート版に固定するためのピン部材及びボルト部材とから構成され、前記ピン部材は、前記コンクリート版に埋設されたピン受け管に挿入されていることを特徴としている。
また、前記定着部は、前記架設鋼材の長手方向と直行する向きに対向して並設されている定着板と、前記両定着板に接合されているリブ部材とから形成されているものであってもよい。
【0010】
ここで、「2体1組で架設鋼材の両端部を定着させるために用いられる」とは、架設鋼材定着用治具を架設鋼材の両端部に1体づつ設けることをいう。
【0011】
本発明の架設鋼材定着用治具において、定着部には、架設鋼材の緊張力に起因する水平力と曲げモーメントによる引抜力が作用することになるが、本発明によれば、定着部を備える底板をピン部材とボルト部材とで固定するため、定着部に作用する水平力に対してはピン部材により抵抗させ、引抜力に対してはボルト部材により抵抗させる構造とすることができる。そのため、簡易な構造により所定の強度を発揮させることができる。
【0012】
また、前記定着部は、平面視でコ字形状である前記架設鋼材の定着部材と、前記定着部材を両側から挟持する少なくとも2つのリブ部材とを備え、前記定着部材コ字形状である開口部の向きを変更可能となるように架設鋼材定着用治具が構成されているものであってもよい。
ここで、定着部材はピン接合により、前記少なくとも2つのリブ部材に支持(固定)される構造とすることが好適である。
【0013】
架設鋼材をコンクリート版の上面に定着する場合において、本発明の架設鋼材定着用治具は、架設鋼材の両端部に設けることになる。そのため、後記するように、架設鋼材定着用治具における架設鋼材の定着方向は、橋体ブロックの施工の進行に伴い、最初の場合とは逆側に変わることになる。
しかし、本発明によれば、定着部材コ字形状である開口部の向きが変更可能となるように架設鋼材定着用治具が構成されていることから、定着部材のみを回動させ、それ以外の要素は固定したままで動かすことなく、定着部材の向きを変更することが可能となることから、二方向から容易に架設鋼材の定着を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本実施形態の架設鋼材定着用治具1,2は、上床版Cの上面に付設され、2体1組でPC総ネジ棒鋼N(架設鋼材)の両端部を定着させるために用いられるが、それぞれの架設鋼材定着用治具1,2は同一構造であるため、一方のみについて説明を行う。
また、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0015】
[第1実施形態]
○架設鋼材定着用治具
図1に示すように、本発明の架設鋼材定着用治具1(第1実施形態)は、ベースプレート11(底板)と、前記ベースプレート11上に溶接されている定着部12と、当該定着部12にPC総ネジ棒鋼Nを定着させるための定着金具15(定着具)と、前記ベースプレート11を上床版Cに固定するためのせん断ピン18(高強度鋼材(ピン部材))及び高力ボルト19(ボルト部材)とを主要部として構成されている。
【0016】
ベースプレート11は矩形形状であり、4隅に高力ボルトの挿通孔11a(長孔)が穿設され、また、長辺の略中間部には、2つのせん断ピンの挿通孔11b(円孔)が短辺方向に対称に穿設されている。
このベースプレート11の略中央部には定着部12が溶接されている。この定着部12は、2枚のアンカープレート13(定着板)と、2枚の定着リブ14(リブ部材)とから形成されており、両部材13,14は、ともにベースプレート11に溶接されている。アンカープレート13はPC総ネジ棒鋼Nの長手方向と直行する向きに対向して並設されている。また、2枚のアンカープレート13の相対する各端部には、PC総ネジ棒鋼Nの長手方向と平行となる向きに各定着リブ14が溶接されており、定着部12は平面視で略ロ字形状に形成されている。なお、各アンカープレート13は、その中央部にPC総ネジ棒鋼Nの挿通孔13aが穿設されている。
【0017】
さらに、PC総ネジ棒鋼Nの定着時において、当該PC総ネジ棒鋼Nの先端側に位置することになるアンカープレート13の外面部には、PC総ネジ棒鋼Nを定着させるための定着金具15である、球面座金16と定着ナット17が設けられている。
【0018】
上床版Cには、せん断ピン18と上床版Cとの間で、円滑な応力伝達を行うことができるように、ピン受け管23(ガス管)が埋設されている。このピン受け管23は、上床版Cにおける被りコンクリートC1内に残らないように、当該被りコンクリートC1の下部位置(上床版Cの上面から50mm程度内側に入った部分)から設置されている。なお、本実施形態に示すように、必要に応じて、ピン受け管23の上面部から上床版Cの上面部に至る部位には、縁切材24を設けてもよい。
【0019】
また、上床版Cの所定位置には、高力ボルト19を挿入するための凹部21が形成されており、高力ボルト19と螺合するインサート22の開口部が前記凹部21の底面からわずかに突出するように設けられている。前記凹部21は、上床版Cの被りコンクリートC1の部分に設けられており、インサート22も前記ピン受け管23と同様に、被りコンクリートC1より下方に埋設されている。
なお、この凹部21は、高力ボルト19を挿入するために設けるものであるため、従来の方法に使用した凹部と比較して、非常に小さい寸法に形成すればよい。
また、上床版Cと架設鋼材定着用治具1のベースプレート11との間には、石膏などの均し材料25を敷設することにより不陸対策が施されている。
【0020】
架設鋼材定着用治具1のベースプレート11は、前記凹部21及び縁切材24に対応する位置に合わせて配置され、4本の高力ボルト19及び2本のせん断ピンに18より固定されている。
なお、架設鋼材定着用治具1は2体が一組であり、定着金具15が外側になるように対向して配置されるとともに、PC総ネジ棒鋼Nをアンカープレート13の挿通孔13aに挿通させ、緊張力を付与した後に、定着金具15によって、PC総ネジ棒鋼Nの先端部側におけるアンカープレート13に定着させることになる。
【0021】
○架設鋼材定着用治具を用いた外ケーブル張出架設工法
以下、前記架設鋼材定着用治具1を用いた外ケーブル張出架設工法を採用して、橋梁の架設を行う方法について簡単に説明する。
なお、以下の説明では、既に、橋脚Pの両側において、当該橋脚Pに隣接する橋体ブロック(第1橋体ブロックB1)が構築されている場合を想定している(図2(a)参照、符号K1は第1PC外ケーブルを示す)。また、橋体ブロックは、橋脚Pを中心として、バランスをとりながら、順次、その両側に架設されることになるが、左右の橋体ブロックの構築方法は同一であるため、便宜上、片側の橋体ブロックについてのみ説明を行う。
【0022】
まず、移動作業台車により型枠(ともに図示せず)を吊り下げ、第1橋体ブロックB1に隣接する第2橋体ブロックB2のコンクリート打設を行う(図2(b)参照)。コンクリートが所定の強度に達した後、前記架設鋼材定着治具1A,1Bを、第1橋体ブロックB1及び第2橋体ブロックB2のブロック先端部近傍の上面に固定し、PC総ネジ棒鋼Nを緊張させた後に、アンカープレート13に定着させる(図2(c)参照)。
そして、第2橋体ブロックB2に第2PC外ケーブルK2を定着させる(図2(d)参照)ことにより、第2橋体ブロックB2の施工を終了する。
続いて、移動式作業車を前進させて、前記と同様の作業を繰り返して行い、順次、第2橋体ブロックB2に隣接する第3橋体ブロックB3以降の橋体ブロックを施工していくことになる。
【0023】
なお、図3(a),(b)に示すように、第3橋体ブロックB3を施工する際には、資機材を有効に利用するために、第1橋体ブロックB1と第2橋体ブロックB2との間に架設されていたPC総ネジ棒鋼Nを取り外し、第2橋体ブロックB2と第3橋体ブロックB3との間に架設鋼材Nを架設することになる。その際、第2橋体ブロックB2に固定されている架設鋼材定着用治具1Bをそのままの状態にしておき、第1橋体ブロックB1に固定されていた架設鋼材定着用治具1Aを第3橋体ブロックB3に固定することになる。その場合には、第2橋体ブロックB2に固定されている架設鋼材定着用治具1BにおけるPC総ネジ棒鋼Nの定着方向は、図2に示す右側から、図3に示す左側に変わることになる。
そのため、本実施形態の架設鋼材定着用治具1では、相対する2枚のアンカープレート13を設け、それぞれのアンカープレート13に、その向きを変えた定着金具15を用いてPC総ネジ棒鋼Nを定着させることにより対応している。
【0024】
○作用効果
本発明の架設鋼材定着用治具1によれば、アンカープレート13に接合しているベースプレート11をせん断ピン18と高力ボルト19により上床版Cに固定し、アンカープレート13に作用する水平力に対してはせん断ピン18により抵抗させ、曲げモーメントに起因する引抜力に対しては高力ボルト19により抵抗させる構造とすることができる。従って、従来用いられていた、架設鋼材により作用する応力に対して、摩擦接合により抵抗する方法ではなく、高強度鋼材である高力ボルト19とせん断ピン18のせん断抵抗力を利用して抵抗する構造とすることができるため、所定の摩擦力を得るための大きな締め込み力が必要なく、非常に簡易な構造とすることができる。そのため、架設鋼材定着用治具1を軽量化することができ、施工性を格段に向上させることができる。
【0025】
また、上床版Cの上面に大きな凹部を設ける必要がないため、架設中における橋体の応力状態(上側引張)が悪化することもなく、橋体の耐久性に及ぼす影響を非常に小さくすることができる。なお、本発明の架設鋼材定着用治具1を使用する場合にも高力ボルト19を挿通するための凹部21が形成されるが、当該凹部21は微小寸法であるため、後埋め補修する際においても上床版Cの上側から対処することができ、また、特別な設備も必要ないため、その作業を容易に行うことができる。
さらに、PC総ネジ棒鋼Nを緊張させる作業を既存のジャッキを使用して行うことができる。
【0026】
[第2実施形態]
本発明の架設鋼材定着用治具2(第2実施形態)の最も大きな特長は、可変式アンカープレート31(架設鋼材の定着部材)を使用している点にある。
【0027】
図4に示すように、架設鋼材定着用治具2は、ベースプレート11’と、前記ベースプレート11’上に溶接されている定着部30と、当該定着部30にPC総ネジ棒鋼Nを定着させるための定着金具15と、前記ベースプレート11’を上床版Cに固定するための1本のせん断ピン18’及び4本の高力ボルト19とを主要部として構成されている。
【0028】
ベースプレート11’は矩形形状であり、4隅に高力ボルト19の挿通孔11a’(円孔)が穿設され、また、長辺の略中間部には、1箇所のせん断ピン18’の挿通孔11b’が穿設されている。
【0029】
前記定着部30は、1体の可動式アンカープレート31と、当該可動式アンカープレート31をピン41,42により両側から挟持する2体の定着リブ35とから形成されている。可動式アンカープレート31は、基板32とその両側の同一形状の側板33とを備え、基板32と対向する向きに開口部34が形成されており、平面視でコ字形状を呈している。前記相対する側板33には、中央部近傍の上下位置と、当該上下位置の貫通孔(以下、それぞれ「上部貫通孔33a」及び「下部貫通孔33b」という)の中間高さであり、基板32と反対側に突出している貫通孔(以下、「先端貫通孔33c」という)の3箇所に貫通孔33a〜33cが穿設されており、前記3箇所の貫通孔33a〜33cを結線した三角形は先端貫通孔33cを頂点とした二等辺三角形になっている。また、可動式アンカープレート31のコ字形状の開口部34と対向する基板32には、上下にPC総ネジ棒鋼Nを挿通するための貫通孔32aが穿設されている。
【0030】
前記定着リブ35は、略山形形状であり、その下面がベースプレート11’に溶接されている。定着リブ35においても、3箇所の貫通孔35a,35b,35cが穿設されており、当該3箇所の貫通孔35a〜35cを結線した三角形は上部貫通孔35aを頂点とした二等辺三角形になっている。この二等辺三角形は、前記可動式アンカープレート31の側板33における二等辺三角形と同一の三角形である。
【0031】
前記可動式アンカープレート31の基板32は、2枚の定着リブ35の間隔と略同一であり、可動式アンカープレート31は2枚の定着リブ35の間に2本のピン41,42により支持されている。2本のピン41,42は、可動式アンカープレート31の側板における貫通孔(図4における下部貫通孔33bと先端貫通孔33c)と、定着リブ35の貫通孔(図4における左側貫通孔35bと上側貫通孔35a)が重なり合うように位置させた状態で挿設されている。
なお、第1実施形態の場合と異なり、本実施形態では、可動式アンカープレート31は、ベースプレート11’に溶接されていない。
【0032】
ここで、本実施形態の架設鋼材定着用治具2では、前記2本のピン41,42のうち下方のピン(以下、「下方ピン41」という)を抜脱し、中央部のピン(以下、「中央ピン42」という)を残した状態で、中央ピン42を中心として、可動式アンカープレート31を180度回転させることにより、その向きを反転させ、開口部34の向きを変更することができるようになっている(図5参照)。
なお、可動式アンカープレート31を回転させた状態で使用する場合には、可変式アンカープレート31の側板33における貫通孔(図5における下部の貫通孔33a)と、定着リブ35の貫通孔(図5における右側貫通孔35c)とに、抜脱した下方ピン41を挿通することにより(中央ピン42はそのままの状態)、可変式アンカープレート31を定着リブ35により支持固定し、図4と比較して反対向きになった基板32の貫通孔32aにPC総ネジ棒鋼Nを挿通して定着させることになる。
【0033】
また、上床版Cには、高力ボルト16を挿入するためのカプラ43(長ナット)が埋設されており、ベースプレート11’の上面から高力ボルト19を螺合することにより、上床版Cに架設鋼材定着用治具2が固定されている。なお、カプラ43の下面には、プレート部材44を介して他の高力ボルト45を設け、上床版Cを構成するコンクリート中に埋設することにより、架設鋼材定着用治具2を強固に固定している(符号46は、上床版を補修するための微小寸法の凹部を示している)。
【0034】
従って、第2実施形態の架設鋼材定着用治具2によっても、前記と同様の作用効果が得られるとともに、可変式アンカープレート31における開口部34の向きを変更可能であることから、可変式アンカープレート31のみを回動させ、それ以外の要素は固定したままで動かすことなく、2方向からPC総ネジ棒鋼Nの定着を行うことができる。
【0035】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
なお、架設鋼材はPC総ネジ棒鋼に限られるものではない。また、定着具についても、架設鋼材を確実に定着できるものであればよく、球面座金と定着ナット等に限られるものではない。さらに、ボルト部材及びピン部材の本数等についても適宜定めうるものである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、構造物に悪影響を及ぼすことがなく、簡易な構造であり、かつ、施工が容易である架設鋼材定着用治具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の架設鋼材定着用治具(第1実施形態)を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるW−W断面図、(c)は(a)におけるX−X断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の架設鋼材定着用治具を用いた外ケーブル張出架設工法の施工手順を示す側面図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明の架設鋼材定着用治具を用いた外ケーブル張出架設工法の施工手順を示す側面図である。
【図4】本発明の架設鋼材定着用治具(第2実施形態)を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるY−Y断面図、(c)は(a)におけるZ−Z断面図である。
【図5】図4(b)における可変式アンカープレートを180度回転させた場合を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、従来における橋体ブロックに架設鋼材を定着する方法を示す側面図である。
【符号の説明】
C 上床版(コンクリート上床版)
C1 被りコンクリート
N PC総ネジ棒鋼(架設鋼材)
1,2 架設鋼材定着用治具
11,11’ ベースプレート
12 定着部
13 アンカープレート(定着板)
14 定着リブ(リブ部材)
15 定着金具
16 球面座金
17 定着ナット
18,18’ せん断ピン(ピン部材)
19 高力ボルト(ボルト部材)
30 定着部
31 可動式アンカープレート
32 基板
33 側板
34 開口部
35 定着リブ
41,42 ピン

Claims (3)

  1. コンクリート版の上面に付設され、少なくとも2体1組で架設鋼材の両端部を定着させるために用いられる架設鋼材定着用治具であって、
    底板と、前記底板に立設している前記架設鋼材の定着部と、前記定着部に前記架設鋼材を定着させる定着具と、前記底板を前記コンクリート版に固定するためのピン部材及びボルト部材とから構成され
    前記ピン部材は、前記コンクリート版に埋設されたピン受け管に挿入されていることを特徴とする架設鋼材定着用治具。
  2. 前記定着部は、前記架設鋼材の長手方向と直行する向きに対向して並設されている定着板と、前記両定着板に接合されているリブ部材とから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の架設鋼材定着用治具。
  3. コンクリート版の上面に付設され、少なくとも2体1組で架設鋼材の両端部を定着させるために用いられる架設鋼材定着用治具であって、
    底板と、前記底板に立設している前記架設鋼材の定着部と、前記定着部に前記架設鋼材を定着させる定着具と、前記底板を前記コンクリート版に固定するためのピン部材及びボルト部材とから構成され、
    前記定着部は、平面視でコ字形状である前記架設鋼材の定着部材と、前記定着部材を両側から挟持する少なくとも2つのリブ部材とを備え、
    前記定着部材コ字形状である開口部の向きを変更可能となるように構成されていることを特徴とする架設鋼材定着用治具。
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