JP4390764B2 - 砂型の分解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造物を含んだ砂型を分解する装置に関する。特に、注湯時の熱により劣化した砂と未劣化の砂とを分離しながら砂型を分解可能な砂型の分解装置に関する。
鋳造用の砂型は一般に、珪砂等の砂に少量の粘結材及び水を加えてなる鋳物砂を鋳型形状に成形したものである。砂型に金属溶湯を注湯して鋳造を行った場合、砂型の内部が三つの部分に分かれることが知られている(例えば特許文献1の「発明が解決しようとする問題点」の欄参照)。即ち三つの部分とは、鋳造物の表面付近を覆っていて溶湯の熱で粘結材が変質すると共に水分が飛ばされた第1砂部(内側砂部)と、溶湯の熱の影響をほとんど受けず造型時の性状をほぼ維持している第2砂部(外側砂部)と、内側砂部と外側砂部との境界域に層状に存在すると共に内側砂部からの水分が凝集して含有水分量が相対的に多くなっている第3砂部(水分凝縮層)である。第1砂部(内側砂部)の鋳物砂は粘結材の焼死割合が高く、新たな粘結材等の追加無しでは再利用できないため、「劣化砂」として扱われる。これに対し、第2砂部(外側砂部)の鋳物砂は粘結材等の追加無しでもそのまま再利用できるため、「未劣化砂」として扱うことができる。
上記のような鋳造済み砂型の特性を利用した砂回収方法及び装置が提案されている。例えば特許文献2は、注湯済み生砂鋳型の砂回収装置であって、鋳型載せ台5と、その上方に配設されて開閉弁7を介して真空源6に連通する逆U字形の減圧箱8とを少なくとも具備する装置を開示する。この砂回収装置によれば、注湯済みの生砂鋳型Mを鋳型載せ台5に載せた状態でこれらを減圧箱8によって画成された気密空間内に収納した後、開閉弁7を開き真空源6と減圧箱8とを連通させて、気密空間内を急激に減圧する。すると、鋳物素材Wの近辺周囲に存在する水分凝縮層の水分が沸点低下によって沸騰し、減圧状態にある鋳型の外側との間に圧力差を生じることで、生砂鋳型Mが崩壊する。その際、溶湯の熱影響を受けていない砂(即ち外側砂部の未劣化砂)だけが崩壊し、溶湯の熱影響を受けた砂(即ち内側砂部の劣化砂)は崩壊しない。このことを利用して、劣化砂と未劣化砂との分離回収を行っている。
しかしながら、特許文献2の砂回収装置では、真空源6、開閉弁7及び減圧箱8といった減圧のための大がかりな付帯設備が必要になる。また、十分な減圧状態を実現できないと劣化砂と未劣化砂との分離が困難になるため、減圧設備の点検等を入念に行う必要があり、保守管理の負担が大きいという欠点がある。
特許第2575713号公報(第1〜2頁) 特開2001−300718号公報(請求項2、第0012段落)
本発明の目的は、装置構造が簡素で保守管理も容易であり、劣化砂と未劣化砂とを効率的に分離可能な砂型の分解装置を提供することにある。
請求項1の発明は、鋳造物を含んだ砂型を分解するための装置であって、砂型の分解作業領域の上方に配設されて上下方向に垂直移動可能な可動フレームと、前記可動フレームに対しそれぞれが左右方向に水平移動可能に支持されて相互に接近及び離間可能な左右一対の引き剥ぎ具とを備え、前記左右一対の引き剥ぎ具は、相互接近時に分解作業領域に配置された砂型を包囲可能な左及び右の分割枠体からそれぞれ構成されると共に、左の分割枠体の前端部及び後端部と右の分割枠体の前端部及び後端部とがそれぞれに対向関係にあり、左及び右の各分割枠体の前端部及び後端部には、前後方向内向きに突出して一対をなす前側刃部及び後側刃部がそれぞれ設けられていることを特徴とする砂型の分解装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の砂型の分解装置において、前記左及び右の各分割枠体の前端部と後端部との中間位置には、左右方向内向きに突出する中央刃部が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の砂型の分解装置において、前記左及び右の各分割枠体の前端部及び後端部にそれぞれ設けられた前側刃部及び後側刃部は、両分割枠体の接近時に前側刃部同士又は後側刃部同士が接合一体化して見掛け上一つの楔形の刃部をなすように形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の砂型の分解装置において、前記可動フレームには、分解作業領域に配置された砂型の内部において上下方向に延びる鋳造物の湯口部に係合して当該鋳造物が前後左右いずれの水平方向へも移動するのを規制するための保持固定具が設けられていることを特徴とする。また、請求項5の発明は、請求項4に記載の砂型の分解装置において、前記保持固定具は、上下方向に延びる多角筒状又は円筒状の筒材で構成されていることを特徴とする。
[本発明に共通の作用]
背景技術の欄でも述べたように、注湯後の砂型の内部は、鋳造物の表面付近を覆った劣化砂からなる内側砂部(S1)と、その外側にあって未劣化砂からなる外側砂部(S2)と、内側及び外側両砂部の境界に位置する水分凝縮層(S3)とに分かれる(図5(A)参照)。このうち水分凝縮層が強度的に最も脆弱な部分である。本発明の砂型の分解装置は、注湯後の砂型に刃部による機械的刺激を与えて砂型の外殻部分に亀裂を生じさせた後、この外殻部分を左右の引き剥ぎ具で離間方向に強制的に引き剥がすことにより、最も脆弱な水分凝縮層を境目として内側砂部と外側砂部とを分離するものである。
即ちこの装置の使用開始時には、可動フレームを砂型の分解作業領域の上方に待機させると共に、左右の引き剥ぎ具を相互接近状態としておく。また、分解作業領域に鋳造物を含んだ砂型を配置する。準備が整ったら可動フレームを下降させる。可動フレームの下降に伴い、左右の引き剥ぎ具を構成する各分割枠体の前端部及び後端部に設けられた前側及び後側刃部によって砂型が切り込まれる。その結果、可動フレーム及び両引き剥ぎ具の下降完了時までには、前後一対の刃部間において砂型外殻を左右に二分するような亀裂が生じる。この亀裂(又は刃部による機械的刺激)は、砂型内部の水分凝縮層を境目とした内側砂部と外側砂部との断層的乖離を促進する原因にもなる。続いて、相互接近状態にある左右の引き剥ぎ具(分割枠体)を相互に離間する方向に水平移動させる。すると、左方向に離れる左の分割枠体に設けられた前側及び後側刃部に引きずられるようにして砂型外殻の左半分が左方向に引き剥がされる。他方、右方向に離れる右の分割枠体に設けられた前側及び後側刃部に引きずられるようにして砂型外殻の右半分が右方向に引き剥がされる。つまり、この水平引き剥がし操作を契機として、鋳造物を内に含む内側砂部と外側砂部とが水分凝縮層を境目として完全分離すると共に、予め亀裂が入れられた外側砂部が左右に二分割される。こうして砂型は、鋳造物を内に含んだ劣化砂からなる内側砂部、並びに、未劣化砂からなる左及び右の二分割外側砂部の三つの部分に分解される。
[付記]本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件を以下に列挙する。
請求項1〜5に記載の砂型の分解装置が、前記可動フレームを垂直移動させるためのフレーム駆動手段と、前記可動フレームの左端部及び右端部に設置されると共に前記左及び右の引き剥ぎ具をそれぞれ独立して水平移動させるための引き剥ぎ具駆動手段とを更に備えること。
請求項1〜5の砂型の分解装置によれば、左右の引き剥ぎ具を構成する各分割枠体に設けられた前側刃部及び後側刃部で注湯後の砂型に切り込みを入れて砂型の外殻部分に亀裂を生じさせた後、その外殻部分を左右の引き剥ぎ具で離間方向に強制的に引き剥がすことにより、砂型内部の最も脆弱な水分凝縮層を境目として、鋳造物を含んだ劣化砂からなる内側砂部と、未劣化砂からなる外側砂部とを効率的に分離することができる。また本発明の分解装置は、構造が簡素であり保守管理も容易である。
請求項2によれば、左右の引き剥ぎ具を構成する各分割枠体に、前側刃部及び後側刃部以外の第3の刃部としての中央刃部を追加することで、可動フレーム及び左右の引き剥ぎ具の下降に伴い、前後左右の四方から内向きに突出した各刃部によって砂型の外殻を十文字状に切り込み、砂型の外殻に十文字状の亀裂を生じさせることができる。この四方からの機械的な切り込み刺激により、砂型内部の水分凝縮層を境目とした内側砂部と外側砂部との断層的乖離を促進して、一対の引き剥ぎ具を用いた水平引き剥がし操作による内側砂部と外側砂部との分離を円滑且つ確実に行うことができる。
請求項3によれば、左右の分割枠体の接近時、両分割枠体の前側刃部同士又は両分割枠体の後側刃部同士の接合一体化によって見掛け上一つの楔形の刃部が構成される。この楔形の刃部は、二つの刃部が一体化することで高い剛性を有するため、砂型の外殻に対して確実に亀裂を生じさせることができる。また、二つの前側刃部(又は二つの後側刃部)の接合面を境として砂型をきれいに二分割することが可能になる。
請求項4及び5によれば、可動フレームに設けられた保持固定具は、分解作業領域に設置された砂型の内部において上下方向に延びる鋳造物の湯口部に係合することにより、鋳造物が前後左右いずれの水平方向へも移動するのを規制する。それ故、一対の引き剥ぎ具による水平引き剥がし操作時においても鋳造物を含む内側砂部は定位置に保たれ、いずれか一方の引き剥ぎ具に追従することがない。従って亀裂の入った砂型を、鋳造物を内に含んだ劣化砂からなる内側砂部、並びに、未劣化砂からなる左及び右の二分割外側砂部の三つの部分に確実に分解することができる。特に、保持固定具を上下方向に延びる多角筒状又は円筒状の筒材で構成した場合には、可動フレームの下降に伴って当該筒材を分解前の砂型の上面に突き刺すことにより、砂型内にある鋳造物の湯口部に当該保持固定具を簡単且つ確実に係合させることが可能になる。
本発明をブレーキドラム鋳造用砂型の分解装置に具体化した一実施形態につき図面を参照しながら説明する。なお、図1中に示唆するように、「左右方向」、「前後方向」及び「上下方向」とは、三次元直交座標系におけるx軸方向、y軸方向及びz軸方向にそれぞれ対応するものである。
図1(A)及び(B)に示すように、本実施形態の分解装置は、鋳造物を含んだ砂型の分解作業領域である水平な分解作業台11の上方に設置して使用される。この分解装置は、可動フレーム20と、フレーム駆動手段としての大型のエアー式駆動シリンダ12と、左右一対の引き剥ぎ具30L,30Rと、引き剥ぎ具駆動手段としての左右一対の小型のエアー式駆動シリンダ13,14とを備えている。
大型駆動シリンダ12は、分解作業台11の中心部の上方において、そのピストンロッド12aが鉛直線に沿って延びるような垂立姿勢で設けられており、大型駆動シリンダのピストンロッド12aの下端には可動フレーム20が連結されている。つまり、可動フレーム20は分解作業台11の上方に配設されると共に、大型駆動シリンダ12によって上下方向(鉛直方向)に垂直移動可能に支持されている。
可動フレーム20は、天板21、左側板22(可動フレームの左端部)、右側板23(可動フレームの右端部)、左右両側板22,23の前端部同士を水平連結する2本の連結ガイドレール24、及び、左右両側板22,23の後端部同士を水平連結する2本の連結ガイドレール25を主な骨格材として備え、これら骨格材によって概して箱型枠状の組立体として構成されている。前側2本の連結ガイドレール24と後側2本の連結ガイドレール25とは、所定間隔を隔てて平行な対向関係にあると共に、この分解装置の左右方向に水平に延びている。但し図1(A)では、前側2本の連結ガイドレール24の中央部分の図示を省略している。
可動フレーム20における前側2本の連結ガイドレール24と後側2本の連結ガイドレール25との間には、左右一対の引き剥ぎ具30L,30Rが前記ガイドレール群24,25に沿って左右方向に水平移動可能に支持されている。左及び右の引き剥ぎ具30L,30Rはいずれも、背壁部31、前壁部32及び後壁部33の三壁からなる平面視がコの字型の枠体30(以下「分割枠体30」と呼ぶ)として構成されている。そして、左の引き剥ぎ具30Lを構成する分割枠体30Lは右向きに開口した状態で、又、右の引き剥ぎ具30Rを構成する分割枠体30Rは左向きに開口した状態で前記ガイドレール群24,25に装着されている。各引き剥ぎ具30L,30Rはそれぞれ独立して水平移動可能であり、移動可能範囲内において相互に接近及び離間可能となっている。そして、図2、図3及び図4(A)に示すように、左及び右の引き剥ぎ具30L,30Rは、相互最接近時(本実施形態では左右の引き剥ぎ具の前壁部32同士及び後壁部33同士が互いに接合したとき)には両者が一体化して平面視が略正方形状の四角枠体を構成し、分解作業台11上に配置された略直方体状の砂型40を包囲可能となる。
図1(A)及び(B)に示すように、可動フレーム20の左側板22及び右側板23にはそれぞれ、左右一対の小型駆動シリンダ13,14が水平姿勢で支持されている。左の小型駆動シリンダ13のピストンロッド13aは左の分割枠体30Lの背壁部31に連結され、右の小型駆動シリンダ14のピストンロッド14aは右の分割枠体30Rの背壁部31に連結されている。左及び右の小型駆動シリンダ13,14は、それぞれ対応する左及び右の分割枠体30L,30Rを左右方向(水平方向)に強制移動させる。
図1(B)及び図3に示すように、左の分割枠体30Lの前端部32a(即ち前壁部32の端部32a)と、右の分割枠体30Rの前端部32aとは、前端部同士で対向関係にあると共に、両分割枠体30L,30Rの最接近時には相互に当接する関係にある。同様に、左の分割枠体30Lの後端部33a(即ち後壁部33の端部33a)と、右の分割枠体30Rの後端部33aとは、後端部同士で対向関係にあると共に、両分割枠体30L,30Rの最接近時には相互に当接する関係にある。そして、分割枠体30の各々の前端部32a及び後端部33aにはそれぞれ、前後方向内向きに突出する前後一対の刃部34,35が設けられている。つまり、分割枠体の前端部32aには、分割枠体の後端部33aに向けて突出する前側刃部34が設けられ、分割枠体の後端部33aには、分割枠体の前端部32aに向けて突出する後側刃部35が設けられており、前側刃部34と後側刃部35とはお互いに対向関係にある。なお、前側刃部34及び後側刃部35は、分割枠体30の高さ方向のほぼ全体にわたって縦に延びるような突条形状に形成されている。
また、左の分割枠体30Lの前側刃部34と右の分割枠体30Rの前側刃部34とは、両分割枠体の最接近時に、前側刃部同士で見掛け上接合一体化して一つの楔形の刃部をなすような形状に形成されている。同様に、左の分割枠体30Lの後側刃部35と右の分割枠体30Rの後側刃部35とは、両分割枠体の最接近時に、後側刃部同士で見掛け上接合一体化して一つの楔形の刃部をなすような形状に形成されている。
更に、分割枠体30の各々の背壁部31の中央位置(つまり各分割枠体の前端部32aと後端部33aとの中間位置)には、左右方向内向きに突出する中央刃部36が設けられている。左の分割枠体30Lの中央刃部36と右の分割枠体30Rの中央刃部36とはお互いに対向関係にある。なお、いずれの中央刃部36も、分割枠体30の高さ方向のほぼ全体にわたって縦に延びるような突条形状に形成されると共に、楔形の刃部をなすような形状に形成されている。
図1(A)及び(B)に示すように、可動フレーム20を構成する天板21の下側中央位置には、六角筒状の保持固定具27が固定設置されている。この保持固定具27は、板金加工によって金属板を六角筒状の筒材に形成したものであり、天板21の下側にて上下方向(鉛直方向)に延びている。この保持固定具27は、可動フレーム20の下降時に、分解作業台11上に配置された砂型40の中心部において上下方向に延びる鋳造物の湯口部42に対し外嵌係合させるためのものである(図4及び図5参照)。六角筒状の保持固定具27と鋳造物の湯口部42との外嵌係合関係に基づき、鋳造物41及びそれを内部に含む分解前の砂型40は、前後左右いずれの水平方向にも移動することが規制される。その結果、少なくとも鋳造物41は、一連の分解作業工程を通じて分解作業台11上の定位置(本例では中心位置)に保持される。
ところで、図3、図4(A)及び図5(A)に示すように、ブレーキドラム鋳造用砂型40は平面視がほぼ正方形である直方体形状をなしており、注湯後の砂型40の内部には、鋳造物としてのブレーキドラム41と、鋳造方案の湯口を満たした金属溶湯が凝固してできた略円柱状の湯口部42とが含まれている。湯口部42は、砂型40の中心位置において垂立状態で上下方向に延びると共に、湯口部42の下端部がブレーキドラム41につながることで砂型内の鋳造物の一部となっている。他方、湯口部42の上端部は砂型40の上面に露出している。更に図5(A)に示すように、注湯後の砂型40の内部は、鋳造物41及びその湯口部42の表面近傍を覆った劣化砂からなる内側砂部S1と、その外側(即ち砂型40の外殻部分)にあって未劣化砂からなる外側砂部S2と、内側砂部S1及び外側砂部S2の境界に位置する水分凝縮層S3とに分かれている。この三つの部分のうち水分凝縮層S3が強度的に最も脆弱な部分である。
次に、上記砂型内部の事情を踏まえた上で、本実施形態の分解装置を用いてブレーキドラム鋳造用砂型40を分解する方法(即ち装置の使用方法)を説明する。
図2に示すように、分解装置の使用開始時には、可動フレーム20を分解作業台11の上方の待機位置に待機させる。このとき、左右の引き剥ぎ具30L,30Rを相互最接近状態とし、左右の前側刃部34同士及び左右の後側刃部35同士を見掛け上接合一体化しておく。そして、四角枠体状をなしている左右の引き剥ぎ具30L,30Rの直下であって分解作業台11の中央位置に、鋳造物41を含んだ砂型40を配置する。こうして準備が整ったら、大型駆動シリンダ12によって可動フレーム20を分解作業台11に向けて下降させる。
図3は、左右一対の引き剥ぎ具30L,30Rが下降する途中の様子を示す。可動フレーム20の下降に伴い、左右の引き剥ぎ具を構成する左右の分割枠体30L,30Rによって砂型40が包囲される。更に、最接近状態にある二つの分割枠体30L,30Rが提供する四つの壁部からそれぞれ内向きに突出する前側刃部34、後側刃部35及び中央刃部36によって、砂型40の外殻が十文字状に切り込まれ、砂型40の外殻に十文字状の亀裂が生じる。可動フレーム20の下降完了時までには、少なくとも前側刃部34及び後側刃部35を結ぶラインに沿って砂型40の外殻を左右に二分するような亀裂が入る。なお、これらの刃部34〜36による四方からの機械的な切り込み刺激を受けて、砂型内部の水分凝縮層S3を境目とした内側砂部S1と外側砂部S2との断層的乖離が促進され、内側砂部S1と外側砂部S2とを分離し易くなる。
また、可動フレーム20の下降完了時には、天板下側にある六角筒状の保持固定具27が砂型40の上面に突き刺さると共に、砂型40の中心部にある鋳造物の湯口部42に対し外嵌係合する(図4及び図5(B)参照)。この係合関係に基づき、分解作業台11上の砂型40が保持固定具27を介して可動フレーム20に一時的に連結される結果、少なくとも砂型40内の鋳造物41及び湯口部42は、前後左右いずれの水平方向へも移動不能となる。また、砂型40全体も分解作業台11の中央に確定的に位置決めされる。
続いて、左右の小型駆動シリンダ13,14によって相互最接近状態にある左右の分割枠体30L,30Rを相互に離間する方向に水平移動させる。すると図4(B)に示すように、左方向に離れる左の分割枠体30Lに設けられた前側刃部34及び後側刃部35に引きずられるようにして砂型外殻(S2)の左半分が左方向に引き剥がされると共に、右方向に離れる右の分割枠体30Rに設けられた前側刃部34及び後側刃部35に引きずられるようにして砂型外殻(S2)の右半分が右方向に引き剥がされる。つまり図4(B)及び図5(B)に示すように、鋳造物41及び湯口部42を内に含む内側砂部S1を保持固定具27の直下に残したまま、上記水平引き剥がし操作によって、内側砂部S1から外側砂部S2の左半分及び右半分がそれぞれ左及び右に引き剥がされる。
このように本実施形態によれば、構造が簡素で保守管理も比較的容易な上記砂型の分解装置を用いて、注湯後の砂型40をその内部の水分凝縮層S3を境目として、鋳造物41及び湯口部42を内に含んだ劣化砂からなる内側砂部S1と、未劣化砂からなる左及び右の二分割外側砂部S2の三つの部分に効率的に分解することができる。また、可動フレーム20の天板下側に六角筒状の保持固定具27を設け、分解作業時にはこの保持固定具27と砂型40内の湯口部42との係合関係に基づき、砂型40内の鋳造物41を前後左右の水平方向へ移動不能としたので、左右の引き剥ぎ具30L,30Rによる水平引き剥がし操作の際、鋳造物41を含む内側砂部S1は定位置に保たれ、いずれか一方の引き剥ぎ具に追従することがない。それ故、注湯後の砂型40を、鋳造物41及び湯口部42を内に含んだ劣化砂からなる内側砂部S1と、未劣化砂からなる左及び右の二分割外側砂部S2の三つの部分に確実に分解することができる。
[変更例]上記実施形態では、左右の引き剥ぎ具30L,30Rを平面視がコの字型の分割枠体として構成することにより、両分割枠体30L,30Rの最接近時には両者が一体化して平面視が略正方形状の四角枠体を構成可能とした。これに代えて、左右の引き剥ぎ具30L,30Rを平面視が半円弓形の分割枠体として構成することにより、両分割枠体30L,30Rの最接近時には両者が一体化して平面視が略円形状又は略円環状の枠体を構成可能としてもよい。
[変更例]上記実施形態において、左及び右の分割枠体30L,30Rにおける中央刃部36を省略してもよい。
[変更例]上記実施形態における各刃部(前側刃部34、後側刃部35及び中央刃部36)の形状は、楔形などの添付図面に示した形状に限定されるものではない。
[変更例]上記実施形態では、保持固定具27を上下方向に延びる六角筒状の筒材としたが、六角筒以外の多角筒状の筒材又は円筒状の筒材で構成してもよい。
(A)は一実施形態に従う砂型の分解装置の正面図、(B)はA−A線位置での平断面図。 分解作業開始時における砂型の分解装置の正面図。 砂型を包囲する一対の引き剥ぎ具の下降途中の様子を示す斜視図。 (A)は砂型分解前の相互最接近状態にある一対の引き剥ぎ具を示す概略平面図、(B)は砂型分解後の左右離間状態にある一対の引き剥ぎ具を示す概略平面図。 (A)は鋳造物を含んだ砂型の分解前の縦断面図、(B)は砂型の分解後の縦断面図。
符号の説明
11…分解作業台(砂型の分解作業領域)、12…大型駆動シリンダ(フレーム駆動手段)、13,14…左右の小型駆動シリンダ(引き剥ぎ具駆動手段)、20…可動フレーム、21…天板、22…左側板(可動フレームの左端部)、23…右側板(可動フレームの右端部)、27…筒状の保持固定具、30…分割枠体、30L…左の引き剥ぎ具(左の分割枠体)、30R…右の引き剥ぎ具(右の分割枠体)、32a…分割枠体の前壁部の端部(分割枠体の前端部)、33a…分割枠体の後壁部の端部(分割枠体の後端部)、34…前側刃部、35…後側刃部、36…中央刃部、40…鋳造用砂型、41…鋳造物、42…鋳造物の湯口部、S1…内側砂部、S2…外側砂部、S3…水分凝縮層。

Claims (5)

  1. 鋳造物を含んだ砂型を分解するための装置であって、
    砂型の分解作業領域の上方に配設されて上下方向に垂直移動可能な可動フレームと、
    前記可動フレームに対しそれぞれが左右方向に水平移動可能に支持されて相互に接近及び離間可能な左右一対の引き剥ぎ具とを備え、
    前記左右一対の引き剥ぎ具は、相互接近時に分解作業領域に配置された砂型を包囲可能な左及び右の分割枠体からそれぞれ構成されると共に、左の分割枠体の前端部及び後端部と右の分割枠体の前端部及び後端部とがそれぞれに対向関係にあり、
    左及び右の各分割枠体の前端部及び後端部には、前後方向内向きに突出して一対をなす前側刃部及び後側刃部がそれぞれ設けられていることを特徴とする砂型の分解装置。
  2. 前記左及び右の各分割枠体の前端部と後端部との中間位置には、左右方向内向きに突出する中央刃部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の砂型の分解装置。
  3. 前記左及び右の各分割枠体の前端部及び後端部にそれぞれ設けられた前側刃部及び後側刃部は、両分割枠体の接近時に前側刃部同士又は後側刃部同士が接合一体化して見掛け上一つの楔形の刃部をなすように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の砂型の分解装置。
  4. 前記可動フレームには、分解作業領域に配置された砂型の内部において上下方向に延びる鋳造物の湯口部に係合して当該鋳造物が前後左右いずれの水平方向へも移動するのを規制するための保持固定具が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の砂型の分解装置。
  5. 前記保持固定具は、上下方向に延びる多角筒状又は円筒状の筒材で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の砂型の分解装置。
JP2005337905A 2005-11-23 2005-11-23 砂型の分解装置 Expired - Fee Related JP4390764B2 (ja)

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