JP4390154B2 - クリップ - Google Patents

クリップ Download PDF

Info

Publication number
JP4390154B2
JP4390154B2 JP2006286942A JP2006286942A JP4390154B2 JP 4390154 B2 JP4390154 B2 JP 4390154B2 JP 2006286942 A JP2006286942 A JP 2006286942A JP 2006286942 A JP2006286942 A JP 2006286942A JP 4390154 B2 JP4390154 B2 JP 4390154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bulging portion
free end
concave
convex
sandwiching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006286942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008074081A (ja
JP2008074081A5 (ja
Inventor
勝 大杉
Original Assignee
勝 大杉
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 勝 大杉 filed Critical 勝 大杉
Priority to JP2006286942A priority Critical patent/JP4390154B2/ja
Publication of JP2008074081A publication Critical patent/JP2008074081A/ja
Publication of JP2008074081A5 publication Critical patent/JP2008074081A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4390154B2 publication Critical patent/JP4390154B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sheet Holders (AREA)

Description

本発明は、紙等を挟んで束ねるクリップに関するものである。
従来、紙等を挟んで束ねるクリップについては多種のものがあり、挟持力の強いものは嵩張る、例として、目玉クリップ、ダブルクリップ等があり、嵩張らないものは挟持力が弱い、例として、ゼムクリップ等がある。挟持力が強くて嵩張らないものとして、専用の用具で挟着するようにしたものがある。挟着用具が不要なものとして、例えば、内部に比較的薄手の弾性板材を備えて内部外部がスライドするようにしたもの、弾性圧接した挟持板の間に紙等を差し込むようにしたもの、回転させて紙等を押し込むようにしたもの等があるが、これらはいずれも挟持力は強いが、ワンタッチ操作で挟着ができない。
また、クリップの挟持板に凹状又は凸状に反転可能な弾性膨出部を設けて、この膨出部を反転させることによって、挟持板の開閉を、ワンタッチ操作で行えるようにした特許文献が種々ある。例えば、
特開昭54−060024号公報 実開昭58−187467号公報 実開昭60−101182号公報 実開昭62−147577号公報 実開平06−067070号公報 特開平07−246793号公報 特開平11−348479号公報 特開2000−185491号公報 である。
上記文献に類似した従来文献は他にもあるが、いずれも概ね次のような構成である。図6は従来文献に共通する概念の斜視図で、二枚の挟持板の一辺が連結部に並設されて、この対辺が自由端をなす挟持板に、球面状又はカマボコ状又はブリッジ状をなし、凸状又は凹状に反転可能な弾性膨出部を設けた構成で、膨出部が凸状の時は挟持口は挟閉した状態になり、膨出部が凹状の時は挟持口は拡開した状態になる機能を有し、挟持口の開閉が膨出部の反転というワンタッチ操作で行える作用を為す。尚、上記の凸状、凹状は、内外表示のない時、一対の挟持板の外部から見た形状を表現している。以下同様の表現とする。
そして、従来文献は、挟持口が挟閉した状態から拡開しようとする時は、つまり、凸状にある膨出部を反転させて凹状にすればよいから、凸状にある膨出部の頂上を外側から内向きに押圧すればよい、これは簡単で容易なことである。然し逆に、挟持口が拡開した状態から挟閉しようとする時は、つまり、凹状にある膨出部を反転させて凸状にしなければならないが、これは簡単なことではない。即ち、凹状にある膨出部の頂上を内側から外向きに、直接押圧することは単純にはできないのである。
従って、従来文献は、挟持口が挟閉した状態から拡開しようとする時の操作はいずれも同じで、凸状の膨出部を押圧するようになっているが、挟持口が拡開した状態から挟閉しようとする時の操作は、次に列挙するように様々である。即ち、
(イ)開いた自由端部を閉じる方向へ押えるようにしたもの。
(ロ)開いたクリップ全体を折り曲げるが如く力を加えるようにしたもの。
(ハ)凹状にある膨出部の両サイドを押圧するようにしたもの。
(ニ)膨出部が備わっていない方の挟持板の中央部を押圧するようにしたもの。
(ホ)膨出部に自己復元力を持たせ押圧力を解放すると凸状態となるようにしたもの。
となっており、殆んどの従来文献が、この(イ)〜(ホ)の五種類の操作に分類できる。
このように夫々の文献で様々な構成になっていることから、この種のクリップ、即ち、膨出部を設けたクリップにおいては、挟持口が開いた状態から閉じた状態にする操作、つまり、凹状の膨出部を反転させて凸状にする操作の困難さが窺える。個別の文献では解り難いが、類似文献を集めて総合的に内容を分析するとよく解る。
図7は図6におけるB−B線断面図で、膨出部は凸状をなしており挟持口は挟閉した状態を示している。この時の自由端の位置を4aで示してあり、もし仮に、他方の挟持板が無かったならば、このようになるであろう自由端の位置を4bで示してある。また、膨出部が凹状をなして挟持口が拡開した時の自由端の位置を4cで示してある。従って、4aから4bまでの距離が挟持力に相応する自由端の押え代Eであり、4aから4cまでの距離が開口寸法Dであり、4bから4cまでの距離が、反転による自由端のストロークFである。この自由端のストロークFは膨出部の高さCに応じて大きくなる。膨出部の高さCは、膨出部の頂上から底面への垂線の長さである。
そして、図7に示すように、挟持力は自由端の押え代Eに相応するから、挟持力(E)と開口寸法Dの合計は、反転による自由端のストロークFに相当する。このストロークFは膨出部の高さCに相応するから、強い挟持力と充分な開口寸法を得るためには、膨出部の高さCを、これらを得ることができる必要な高さにしなければならない(以下、この高さを「必要な高さ」と表現する)。然し、膨出部の高さを高くすれば、凹状から凸状への反転が更に困難となるから、上記文献では膨出部の高さを「必要な高さ」にすることができないのであろう。実際に、上記夫々の文献の構成通りに試作品を製作して試用してみたが、いずれにおいても強い挟持力(図7におけるEに相応)と、充分な開口寸法(図7におけるD)を得ることができなかった。
尚、本明細書における「強い挟持力」と「充分な開口寸法」について、具体的に定義しておく。「強い挟持力」とはダブルクリップと同程度の強さで、コピー用紙1枚から40枚程を変化のない強さで挟持できるものとする。「充分な開口寸法」とは6mm以上とする。コピー用紙40枚の厚さが略3.8mmで、これが難なく挿入できる寸法とした。開口寸法はクリップ自体の大きさ、特に自由端部から連結部までの寸法と関係があるので、これも定義しておく。自由端部から連結部までの寸法は略18mmとした。これは書類等を挟持した時、周縁の余白部を超えない寸法とした。但し、上記数値は解説をより具体的にするためのもので、以下に記載する数値及び図面も同様、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、前記夫々の文献の構成通りに、試作品を製作して試用して判明したことを、前記(イ)〜(ホ)の操作別に、次に述べる。
前記(イ)については、膨出部の変形癖を凸状寄りに設定しておけば、押え巾が少なくても反転は可能であるが、図8に示すように、被挟持物Pの厚みHが増大するにつれて難しくなる。また、上記変形癖は膨出部の高さを「必要な高さ」にまで高めると効果がなくなる傾向にある。
前記(ロ)については、挟持力を強めるために、膨出部が無い方の挟持板の剛性を高める策を施せない、挟んだ紙等に皺が生じ易い等の欠点があり、開時、閉時で手の勝手が変り、表裏を持ち変えるか、又は両手を使わなければならない等の操作性に問題がある。
前記(ハ)については、この(イ)〜(ホ)の中で最も膨出部の高さを「必要な高さ」に近づけることができるが、上記(ロ)と同様、操作性に問題が残る。
前記(ニ)については、上記(ロ)(ハ)と類似しているが、これらよりも控えめな操作であるから、これら以上の膨出部の高さは望めない。
前記(ホ)については、膨出部の変形癖が、上記(イ)の場合より更に極端で、凸状に偏った所に設定されており、反転デッドポイントは存在するが外圧が無ければ凹状に維持できない構成であるから、膨出部の高さは(イ)より低い。また、押圧している間、内方に凸状の膨出部の頂点が他方に当接しているため、紙等を奥まで挿入し難い欠点がある。
以上から明らかなように、従来技術においては、膨出部の凹状から凸状への反転が極めて困難であり、まして「必要な高さ」を有する膨出部を、凹状から凸状へ反転させることは、上記(イ)〜(ホ)の操作では不可能であると断言できる。だから、強い挟持力と充分な開口寸法が得られないのである。また、充分なストロークを獲得するためには、膨出部を両方の挟持板に設けた方が、はるかに有利であると考えられるが、従来文献の殆んどが、膨出部は片方のみとしているのは、両方に設けると、両方とも反転させるのが不可能となるから、片方のみと余儀なくされているのであろう。
つまり、このような膨出部を設けたクリップの従来技術が抱える課題は、次の三つである。即ち、膨出部の凹状から凸状への反転が困難なこと、「必要な高さ」を有する膨出部の凹状から凸状への反転が不可能なこと、両方の挟持板に設けた膨出部を両方共反転させるのが不可能なこと、である。本発明は、これらの課題を解決することによって、強い挟持力と、充分な開口寸法とを有して、嵩張らず、ワンタッチ操作で開閉できるクリップの実現という目的を達成しようとするものである。
このような課題を解決するため本発明のクリップは、縁辺の一部分が連結部に並設された一対の挟持板が対面し、この連結された縁辺の対向縁辺である自由端が挟持口を形成するクリップであって、前記挟持板の面に垂直の断面が凸状又は凹状をなし、凸状又は凹状に反転可能で且つ反転後の凸状又は凹状を保持する弾性膨出部を前記挟持板に設け、前記膨出部が一対の挟持板の外部から見て凸状の時に前記挟持口は挟閉状態を保持し、前記膨出部が一対の挟持板の外部から見て凹状の時に前記挟持口は拡開状態を保持し、前記挟持口の開閉が前記膨出部の反転操作で行えるクリップにおいて、前記膨出部に比して小曲面をなし、内向きに突出し、前記膨出部を一対の挟持板の外部から見て凸状から凹状へ反転操作する時に、前記膨出部への押圧による反転に必要な撓み代となる間隙を形成するように突き当たり、且つ、前記膨出部を一対の挟持板の外部から見て凹状から凸状へ反転操作する時に、前記自由端への押圧により前記挟持板の中央部と前記自由端との間が梃子の作用をなす回動支点となるように突き当たり、同時に、前記自由端への押圧による反転に必要な回動代となる間隙を形成するように突き当たる突起部を、前記挟持板の中央部と前記自由端との略中間の位置で、一対の前記挟持板の両方又は片方に設けたことを特徴とする。
また、本発明のクリップの前記挟持板は、全体が略球面状の一部を形成しており、前記挟持板の中央部を前記膨出部としたことを特徴とする。
また、本発明のクリップは、前記挟持板に、前記自由端の中央と前記連結部の中央を結ぶ線を挟んで二つの切除部を設け、前記切除部の間をブリッジ状の前記膨出部としたことを特徴とする。
即ち、二枚の対面する挟持板の一辺が連結部に並設され、この対辺が自由端をなす挟持板に、凸状又は凹状に反転可能な弾性膨出部を設け、膨出部が凸状の時に自由端は挟閉状態を成し、膨出部が凹状の時に自由端は拡開状態を成し、自由端の開閉が、膨出部の反転操作で行える機能を有した従来技術のクリップにおいて、本発明は下記に示す突起部を、挟持板又は膨出部に設けることによって、膨出部の凹状から凸状への反転が簡単で容易に行え、しかも、「必要な高さ」を有する膨出部であっても確実に反転させることができ、両方の挟持板に膨出部が有っても、難なく両方とも反転させることができるようにした。
この突起部について次に述べる。この突起部は膨出部に比して小曲面を成し、内向きに突出し、挟持板の一部を永久変形で形成し、挟持板の中央部と自由端の略中間に設けている。更に、膨出部の反転操作をする時、即ち、開いた挟持板の自由端を閉じる方向へ押えた時と、閉じた挟持板の凸状の膨出部を凹ますように押えた時は、この頂点が互いに突き当る(但し、紙等が有る時は紙等を介して突き当る、以下この但書は省略する)大きさ及び方向、及び位置に配設している。
上記の構成とすることにより、この突起部は下記の機能を得ることができ、下記の作用を為すことができる。即ち、この突起部は、膨出部を凸状から凹状に反転させる時は、膨出部の押圧による撓み代となる間隙を形成する機能と、膨出部を凹状から凸状に反転させる時は、自由端の押圧代となる間隙を形成する機能と、同時に、自由端の押圧力が逆方向になる梃子の働きを為すような回動支点としての機能と、を得ることができる。
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。即ち、
挟閉している自由端を拡開させる時は、両方の凸状の膨出部の頂上を挟むように押圧すると片方が先に反転し、反転した方は凹状で他方は凸状になる。押圧時、膨出部は撓みが生じその後反転に至るから、反転させるためには撓み代となる間隙が必要である。片方が反転しても、突起部が有るためこの頂点が互いに突き当たるから、中央部付近に反転に必要な撓み代となる間隙を形成することができて、押圧続行可能となり、残りの未反転の膨出部をも反転させることができる。
一方、拡開している自由端を挟閉させる時は、両方の自由端を挟むように押圧する。この時、突起部の頂点が互いに突き当たって、反転に必要な押圧代となる間隙が自由端同士間に形成されるから、押圧続行可能となる。と同時に、自由端から膨出部の中央部までの間が、突起部を支点とした梃子の作用をなすから、両方の自由端を挟むような内向きの押圧力を、効率よく外向きに方向転換させることができ、凹状の膨出部の頂上に、内側から外向きに直接押えるような力を強制的に与えることができるため、「必要な高さ」を有する膨出部であっても、凹状から凸状に反転させることができる。そして、片方が反転しても突起部の頂点が互いに突き当たっているから、依然として、自由端同士間に間隙が形成されているため、押圧続行可能となり、上述同様、梃子の作用により、残りの未反転の膨出部をも反転させることができる。
以上の作用により、従来技術が、困難としていた凹状から凸状への膨出部の反転が容易となり、不可能としていた「必要な高さ」を有する膨出部の反転と、両方の挟持板に配設された膨出部の反転が可能となる。更に、以上の作用から明らかなように、クリップを開閉する操作が至極簡単である。即ち、開く時は中央を、閉じる時は先端を、指先で挟んで押えればよい。また、開閉時の動作はパチパチという音を伴ったスナップアクションで操作の感触が良い。このように、本発明により、単純な構成でありながら、強い挟持力と充分な開口寸法を有して、ワンタッチ操作で開閉が行えるクリップが実現する。
本発明によるクリップが得る効果を挙げると、次のようになる。
・強い挟持力を得ることができる。(ダブルクリップと同じ程度)
・被挟着物の厚みが変っても一定の挟持力が確保できる。
(コピー用紙1枚から40枚までを一定の力で挟持できる)
・充分な開口寸法を得ることができる。(6mm以上)
・嵩張らない外形にすることができる。
・ワンタッチ操作で着脱ができる。
・装着用具を不要とすることができる。
・挟持口の拡開状態が自己保持できる。
・挟持した書類束を複数重ねてもクリップ同士や他の紙の絡みを無くす形状にできる。
・布のような柔らかな物も難なく挟着できる。
(前記クリップの中に難しい物もある)
・構成部材を単一にすることができ、組立不要で安価に製造することができる。
・開閉操作時はパチパチという音を伴った動作で感触がよい。
このように、前記従来文献において謳ってはいたが、実現し得なかったクリップを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5及び図21〜図24に基づいて詳細に説明する。
図1と図21は本発明の実施の形態の概略の斜視図で、挟持口が挟閉した状態を示し、図2と図22は挟持口が拡開した状態を示す。図3と図23は本発明の実施の形態の平面図で、図24は側面図である。図4は図3と図23におけるA−A線断面図で挟持口が挟閉した状態を示し、図5は図3と図23におけるA−A線断面図で挟持口が拡開した状態を示す。
図1〜図5及び図21〜図24に示すように、二枚の対面する挟持板2が連結部3に並設されて、連結部3の対辺である自由端4が挟持口5を形成しており、凸状又は凹状に弾性的反転可能な膨出部6を、両方の挟持板2に配設し、膨出部6が凸状の時に挟持口5は挟閉状態を成し、膨出部6が凹状の時に挟持口5は拡開状態を成し、挟持口5の開閉が、膨出部6の反転操作で行える機能を有した従来技術のクリップ1において、本発明は、このクリップ1の挟持板2、又は、膨出部6に、下記に示す突起部7を設けてある。
この突起部7は、膨出部6に比して小曲面をなし、内方に突出し、挟持板2の一部を永久変形で形成し、挟持板2の中央部と自由端4の略中間に設けている。更にこの突起部7同士は、膨出部6の凸状から凹状への反転操作時には、膨出部6の押圧による撓み代となる間隙を形成するように互いに突き当たり、且つ、膨出部6の凹状から凸状への反転操作時には、自由端4の押圧代となる間隙を形成するように互いに突き当たる、と同時に、自由端4から膨出部6の中央部までの間が、梃子の作用をなす支点となるように互いに突き当たる大きさ、及び方向、及び位置に配設してある。
そして、図9に示すように、突起部7の形状は、挟持口5に紙等を挿入する時、抵抗を少なくするため、自由端4側の方が中央部側より緩やかな傾斜面を有している。
この時、図17に示すように、挿入する紙等Pの厚みHは、突起部7が有るためこの頂点同士の間隔Jに制限されそうであるが、これは杞憂にすぎないことは、次の理由により明らかである。即ち、この図のように膨出部6が凹状の時は、挟持板2を含めクリップ1全体の拡開方向の剛性は低いのである。実測で紙の厚みHが3.8mmで、頂点同士の間隔Jが2mmで実験したところ、紙の厚みHが頂点同士の間隔Jを難なく押し広げ、微かに抵抗があるが紙を難なく奥まで挿入できた。
そして、前述の反転による自由端4のストロークを大きく獲得するためと、膨出部6が凸状の時、挟持板2の拡開方向の剛性を高めるため、図10に示すように、挟持板2は全体が球面状の一部を成し、中央の頂上付近が膨出部6を成すような形状に形成してある。
そして、図1〜図3に示すように、膨出部6はブリッジ状をなし連結部3から自由端4に架かるような向きにあり、この膨出部6の両側に長円形の切除部8を設けてある。この切除部8は開閉操作即ち反転操作に要する押圧力の軽減対策である。この形状と大きさを変えることによって、反転操作に要する押圧力を調節できる。また、小さくして数多くしてもよいし、スリット状にしてもよい、この時は膨出部6はカマボコ状となる。
そして、図11に示すように、紙等の被挟持物を安定的に挟持するため、自由端4の両端に角9を設けて挟持力が二点に集中するようにしてある。この二点は可能な限り距離をあけて設けた方がよく、これによって束ねて挟持した書類にずれを生じ難くすることができ、特に回転方向のずれ防止に効果がある。
そして、図12に示すように、連結部3は剛性を高めるため、中央部が徐々に太くなった円筒を縦切断した形状としてある。この連結部3の形状は、前述の挟持板2の球面状とあいまって、クリップ1全体の剛性、特に膨出部6が凸状をなした時、拡開方向の剛性を高める効果を発揮する。連結部3の剛性を高めるにはこれ以外に、連結部3に連続した凸状又は凹状を両方の挟持板2同士を繋ぐように設ける方法があり、また凸状凹状を交互に並べて波状にしてもよい。
本発明の実施の形態は以上のような構成で、次に使用方法と伴う動作を図15〜図16に基づいて説明する。図15(a)〜(d)は挟閉状態にある挟持口5を拡開させる時の様子を、図16(a)〜(d)は拡開状態にある挟持口5を挟閉させる時の様子を、断面図で夫々の開始から完了までを時系列に示したものである。
先ず、拡開させる時の様子を、図15(a)〜(d)に基づいて説明する。
図15(a)のように、両方の膨出部6が凸状であるから、反転に必要な撓み代となる間隙Kが形成されているため、膨出部6の頂上付近を両側から挟み込むように押圧するといずれか片方が反転する。この時、両方の膨出部6が同時に反転することは稀で、通常はいずれか片方が先に反転する。この段階でのみ、突起部7は不要である。即ち、突起部7が無くても、自由端4同士が互いに突き当たるから間隙Kが形成される。
図15(b)のように、片方の膨出部6が凹状で他方が凸状となり、この時、両方の突起部7は互いに突き当たるから、両方の膨出部6の間には間隙Kが依然として確保されているため、押圧力の付加続行を可能にし、残りの未反転の膨出部6を反転させることができる。
図15(c)のように、両方の膨出部6の反転完了直後は押圧力の付加が継続しているので、連結部3付近が撓み変形して、突起部7同士が突き当っている。
図15(d)のように、付加していた押圧力を解放すると、クリップ全体は当初設定していた元の形状に復帰して、開口寸法Dは広くなる。これで拡開させる操作は完了する。
次に、挟閉させる時の様子を、図16(a)〜(d)に基づいて説明する。
図16(a)のように、拡開している自由端4を両側から挟み込むように押圧すると、クリップ全体が撓み変形して突起部7同士が突き当たる。この時、場合により、突起部7同士が突き当たる前に、片方の膨出部6が反転して、いきなり図16(c)のようになることがあるが、問題はない。
図16(b)のように、自由端4の押圧代となる間隙Gが形成されているから、自由端4の押圧が続行可能となる、と同時に、自由端4から膨出部6の中央部までの間が、突起部7を支点とした梃子の働きをなし、自由端4を挟み込む内向きの押圧力は、支点となる突起部7を境にして逆の外向きの力になる。従って、内向きに凸状の膨出部6の頂上に、内側から外向きに押圧するような力を与えることができるため、膨出部6は凹状から凸状に反転する。この時も、両方の膨出部6が同時に反転することは稀で、通常はいずれか片方が先に反転する。
図16(c)のように、片方の膨出部5が凸状で他方が凹状となっても尚、両方の突起部7は互いに突き当たっているため、自由端4の押圧代となる自由端4同士の間隙Gは依然として確保されているから、押圧を続行すると、上述同様、梃子の作用により、残りの未反転の膨出部6を反転させることができる。
図16(d)に示すような形状となって、挟閉させる操作は完了する。
もし仮に、突起部7が無かったならば、どのようになるかを、次に説明する。
先ず、拡開させる時について説明すると、図15(a)の段階では、前述したように突起部7が無くても、片方のみの膨出部6の反転には支障は無い。然し、図15(b)において突起部7が無ければ図18のようになり、両方の膨出部6は凸状と凹状で反りが合った形になって、自由端4から中央部までが殆んど密着状態となるため、反転に必要な膨出部6の押圧による撓み代となる間隙Kを形成することができない。
次に、挟閉させる時について説明すると、図16(b)において、自由端4を押圧した時、突起部7が無ければ図19のようになり、自由端4同士は密着状態になるから、反転に必要な自由端4の押圧代となる間隙Gが形成されない。また、もし突起部7同士が突き当たる前に片方の膨出部6が反転するような場合であっても、突起部7が無ければ図20のようになり、自由端4同士は密着状態になるため、反転に必要な自由端4の押圧代となる間隙Gを形成することができない。
上記実施形態は、対面する二枚の挟持板2が連結部3に並設されたクリップとしたが、挟持板2を片方の一枚のみとし、他方は台座10等とした実施例も考えられる。例えば、壁面、又は卓上で使用するメモクリップ等がある。これを図13に示す。
上記実施形態は、二枚の挟持板2の両方に膨出部6と突起部7を配設したクリップとしたが、膨出部6は両方で突起部7は片方のみに、又は、膨出部6は片方のみで突起部7は両方に、又は、膨出部6も突起部7も片方の挟持板2のみに配設してもよい。
上記実施形態および実施例1〜2は金属に限らず、金属以外の材料で形成することもできる。例えば合成樹脂で洗濯バサミ等にすると、従来の半分以下の嵩になり、バネ等の部品と製造時の組立工程が不要になる。この例を図14に示す。
本発明の実施形態を示す概略の斜視図 本発明の実施形態を示す概略の斜視図 本発明の実施形態を示す平面図 本発明の実施形態を示す図3又は図23におけるA−A線断面図 本発明の実施形態を示す図3又は図23におけるA−A線断面図 従来文献の共通概念を示す斜視図 従来文献の図6におけるB−B線断面図で示す構成及び作用の説明図 従来文献の構成に被挟持物が挿入された状態の説明図 本発明の実施形態の突起部の形状を示す図5における詳細説明図 本発明の実施形態の挟持板が球面状の一部であることを示す説明図 本発明の実施形態の自由端を成す縁辺の形状を示す説明図 本発明の実施形態の連結部の形状を示す説明図 本発明の他の実施例を示す斜視図 本発明の他の実施例を示す斜視図 本発明の実施形態を断面で示す時系列動作説明図 本発明の実施形態を断面で示す時系列動作説明図 本発明の実施形態に被挟持物を挿入しようとする時の説明図 従来文献を断面で示した拡開しようとする時の説明図 従来文献を断面で示した挟閉しようとする時の説明図 従来文献を断面で示した挟閉しようとする時の説明図 本発明の実施形態を示す概略の斜視図 本発明の実施形態を示す概略の斜視図 本発明の実施形態を示す平面図 本発明の実施形態を示す側面図
符号の説明
1:クリップ本体
2:挟持板
3:連結部
4:自由端
4a:膨出部が凸状で挟閉時の自由端
4b:対向の自由端が無ければこの位置となる想像上の自由端
4c:膨出部が凹状で拡開時の自由端
5:挟持口
6:膨出部
7:突起部
8:切除部
9:自由端の両端の角
10:台座
C:膨出部の高さ
D:開口寸法
E:挟持力に相応する自由端の押え代
F:反転による自由端のストローク
G:反転に必要な自由端の押圧代となる間隙
H:被挟持物の厚み
J:拡開時の突起部同士の間隙
K:反転に必要な膨出部の撓み代となる間隙
P:被挟持物

Claims (3)

  1. 縁辺の一部分が連結部に並設された一対の挟持板が対面し、この連結された縁辺の対向縁辺である自由端が挟持口を形成するクリップであって、前記挟持板の面に垂直の断面が凸状又は凹状をなし、凸状又は凹状に反転可能で且つ反転後の凸状又は凹状を保持する弾性膨出部を前記挟持板に設け、前記膨出部が一対の挟持板の外部から見て凸状の時に前記挟持口は挟閉状態を保持し、前記膨出部が一対の挟持板の外部から見て凹状の時に前記挟持口は拡開状態を保持し、前記挟持口の開閉が前記膨出部の反転操作で行えるクリップにおいて、前記膨出部に比して小曲面をなし、内向きに突出し、前記膨出部を一対の挟持板の外部から見て凸状から凹状へ反転操作する時に、前記膨出部への押圧による反転に必要な撓み代となる間隙を形成するように突き当たり、且つ、前記膨出部を一対の挟持板の外部から見て凹状から凸状へ反転操作する時に、前記自由端への押圧により前記挟持板の中央部と前記自由端との間が梃子の作用をなす回動支点となるように突き当たり、同時に、前記自由端への押圧による反転に必要な回動代となる間隙を形成するように突き当たる突起部を、前記挟持板の中央部と前記自由端との略中間の位置で、一対の前記挟持板の両方又は片方に設けたことを特徴とするクリップ。
  2. 前記挟持板は全体が略球面状の一部を形成しており、前記挟持板の中央部を前記膨出部としたことを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  3. 前記挟持板に、前記自由端の中央と前記連結部の中央を結ぶ線を挟んで二つの切除部を設け、前記切除部の間をブリッジ状の前記膨出部としたことを特徴とする請求項1〜2の何れか一項に記載のクリップ。
JP2006286942A 2006-09-22 2006-09-22 クリップ Expired - Fee Related JP4390154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006286942A JP4390154B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 クリップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006286942A JP4390154B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 クリップ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008074081A JP2008074081A (ja) 2008-04-03
JP2008074081A5 JP2008074081A5 (ja) 2009-04-30
JP4390154B2 true JP4390154B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=39346625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006286942A Expired - Fee Related JP4390154B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 クリップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4390154B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4910171B2 (ja) * 2007-02-09 2012-04-04 コクヨ株式会社 パッチ貼着器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008074081A (ja) 2008-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10315672A (ja) 紙葉クリップ
JP3853278B2 (ja) ファイル綴具
US20070175002A1 (en) Binder clip
TW454214B (en) Key switch device, keyboard with the key switch device, and electronic apparatus with the keyboard
JP4390154B2 (ja) クリップ
US20100320355A1 (en) Clipboard
KR20180046881A (ko) 집게 클립
JP3203379U (ja) ファイル背表紙変形防止固定具
JP2022077696A (ja) クリップファイル
JP6708854B2 (ja) クリップ及び綴じ方法
JP2000280667A (ja) 合成樹脂製事務用クリップ
JPWO2003026901A1 (ja) クリップおよびクリップボード
JP2917854B2 (ja) クリップ
JP2007022062A (ja) クリップ
JP2019142046A (ja) 片綴じクリップボード
JPH09142073A (ja) 用箋挟み
JP6478237B1 (ja) 箱型ファイル
KR19990009663U (ko) 종이 클립
JP3205447B2 (ja) ヒンジ装置
JPH07329470A (ja) クリップ
JP3032689U (ja) クリップ
JPH10278464A (ja) クリップ
JP2008074081A5 (ja)
JP2004284332A (ja) クリップおよびクリップボード
JPH11348479A (ja) クリップ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080206

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20090216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090216

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20090409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151016

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees