JP4389870B2 - 哺乳動物培養細胞抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成方法 - Google Patents

哺乳動物培養細胞抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物培養細胞抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成方法、ならびに上記抽出液の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒトゲノムを始め多くの生物の遺伝情報が解読されてきている。このような中、ポストゲノム研究として、これらの遺伝情報に対応するタンパク質の機能解析やゲノム創薬が注目を集めている。これらの遺伝情報に対応するタンパク質を医薬品などに応用、利用するには、莫大な種類のタンパク質を短時間で簡単に合成することが必要となってくる。
【0003】
現在、タンパク質の生産方法には、遺伝子組換え技術によって酵母や哺乳動物培養細胞などの生細胞を用いる発現系(以下、「細胞系」ということがある)が広く利用されている。しかし、生細胞は自己機能を維持するために外来タンパク質を排除する傾向があり、また生細胞で細胞毒タンパク質を発現すると細胞が生育しないなど発現が困難なタンパク質も多い。
【0004】
一方、細胞系を使用しないタンパク質の生産方法として、細胞破砕液や抽出液に基質や酵素などを加えるなどして生物の遺伝情報翻訳系を試験管内に取り揃え、目的のタンパク質をコードするmRNAを用いて、アミノ酸を望みの順番に必要な残基数結合させることのできる合成系を再構築する、無細胞系のタンパク質合成が知られている。このような無細胞系タンパク質合成では、上記細胞系のタンパク質合成のような制約を受けにくく、生物の命を断つことなくタンパク質の合成を行うことができ、またタンパク質の生産に培養などの操作を伴わないため細胞系と比較して短時間にタンパク質の合成を行うことができる。さらに無細胞系タンパク質合成では、生命体が利用していないアミノ酸配列からなるタンパク質の大量生産も可能となることから、有望な発現方法であると期待されている。このような無細胞系のタンパク質合成に供する細胞破砕液や抽出液として、種々の生物由来のものを使用することが検討され、研究が進められている。
【0005】
無細胞系タンパク質合成用抽出液としては、従来より様々なものが知られているが、翻訳後の糖鎖修飾などを考慮すると、ヒトタンパク質を完全な活性を保持した状態で発現させ得るため、ヒト細胞により近縁な哺乳動物培養細胞由来の抽出液であることが望ましいと考えられる。現在、哺乳動物培養細胞由来の無細胞系タンパク質合成用抽出液としては、ウサギ網状赤血球の系(たとえば、非特許文献1:Pelham et al.,Eur.J.Biochem.67,247−256(1976)参照)、Chinese hamster ovary(CHO)の系(たとえば、特許文献1:特開2000−325076号公報参照)が報告されている。
【0006】
しかしながら、ウサギ網状赤血球の系では、ウサギにアセチルフェニルヒドラジン溶液を皮下注射し、投与4〜5日後にウサギの耳から採血し、そこからライセートを調製するという非常に煩雑な操作を伴う。また、CHOの系では、不活性ガスの雰囲気中、加圧下のCHOを減圧させることによって細胞を破砕して、その抽出液を調製するが、この方法では、抽出液の作製に際し特別な装置や器具が必要である。さらに、抽出液調製時の細胞数やガス圧、加圧時間によって無細胞系でのタンパク質合成能が大きく影響されるため、条件設定に煩雑な操作を要する。また、かかる方法によって得られた抽出液では、合成できるタンパク質の量は極めて少なく、放射能標識を行ったアミノ酸の取り込みによってのみ、そのタンパク質合成活性を測定できるという程度である。
【0007】
このため、調製が容易であり、かつタンパク質合成量の高い哺乳動物培養細胞由来抽出液およびその調製方法の開発が望まれている。
【発明の開示】
【0008】
発明の目的
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、調製が容易であり、かつ従来よりもタンパク質合成量の高い無細胞系タンパク質合成用の哺乳動物培養細胞抽出液の調製方法、および該哺乳動物培養細胞抽出液、ならびにこの哺乳動物培養細胞抽出液を用いた無細胞系のタンパク質合成方法を提供することである。
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)抽出用液中に懸濁した哺乳動物培養細胞を急激に凍結させる工程を少なくとも含有し、さらに、急激に凍結させた哺乳動物培養細胞を、−10℃〜20℃で解凍させる工程を含有する方法で調整された哺乳動物培養細胞抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成方法。
)急激な凍結が、液体窒素によって行われるものである、に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
)前記解凍が、水浴または氷水浴中で解凍されたものである、)または(2)に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
)抽出用液がプロテアーゼインヒビターを含有するものである、(3)のうちのいずれかに記載の無細胞系タンパク質合成方法。
)哺乳動物培養細胞が、リンパ腫由来の培養細胞である、(4)のうちのいずれかに記載の無細胞系タンパク質合成方法。
)哺乳動物培養細胞が、生殖巣由来の培養細胞である、(4)のうちのいずれかに記載の無細胞系タンパク質合成方法。
)哺乳動物培養細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)由来の培養細胞である、(6)に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
)チャイニーズハムスター卵巣(CHO)が、CHO K1−SFM由来である、(7)に記載の無細胞系タンパク質合成方法
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例2の実験結果を示すグラフであり、合成量に対する保温工程(合成反応を行う前、無細胞系タンパク質合成反応液に外来mRNA以外の成分を含んだ状態での一定時間の保温)の有無の影響を示す。
図2は、実施例2の実験結果を示すグラフであり、合成量に対する、保温工程の反応液組成及び保持時間の影響を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、哺乳動物培養細胞から抽出を行って哺乳動物培養細胞抽出液を調製する方法であって、抽出用液中に懸濁した哺乳動物培養細胞を急激に凍結させる工程を少なくとも含有することをその大きな特徴とするものである。このような方法によって哺乳動物培養細胞抽出液を調製することで、上記特許文献1に記載の従来の手法と比較して、より緩和な状態で細胞の破砕を行うことができ、無細胞系タンパク質合成に必須な成分を破壊することなく細胞外に取り出すことができるので、従来よりも無細胞系にてタンパク質の合成量の高い哺乳動物培養細胞抽出液を容易に調製することができる。さらに本発明の方法によれば、使用器具などからのRNaseなどの混入も防ぐことができ、また、界面活性剤などの試薬を用いた細胞破砕法の場合に懸念される翻訳反応を阻害するような物質の持込みもない。
【0012】
本発明の調製方法では、抽出用液中に懸濁した哺乳動物培養細胞を急激に凍結させることを要する。本発明の調製方法において、「急激に凍結」とは、10秒以下、好ましくは2秒以下にて、哺乳動物培養細胞を凍結させることを指す。本発明において、哺乳動物培養細胞の凍結を急激に行わなかった場合には、タンパク質合成に必須な成分が不活化する虞があるため、本発明の上記効果を達成することができない。
【0013】
上記のように哺乳動物培養細胞を急激に凍結させる温度としては、通常−80℃以下であり、好ましくは−150℃以下である。−80℃を越える温度で急激に凍結させると、タンパク質合成に必須な成分が失活してタンパク質合成能が低下してしまう傾向にあるためである。
【0014】
上記哺乳動物培養細胞の急激な凍結は、たとえば、液体窒素や液体ヘリウムなどの不活性ガスを使用することなどによって実現できるが、入手が容易であり安価な液体窒素を用いて行うのが好ましい。
【0015】
本発明の調製方法においては、哺乳動物培養細胞からの抽出に際して、抽出用液中に懸濁した哺乳動物培養細胞を急激に凍結させる工程を少なくとも含有しているならば、その他の工程について特に制限はない。たとえば、乳鉢中で乳棒を用いてすり潰す方法、ダウンスホモジナイザーを用いる方法、ガラスビーズを用いる方法など、大腸菌や小麦胚芽などから無細胞系タンパク質合成用の抽出液を得る際に従来より行われていた種々の手法にて哺乳動物培養細胞を破砕し、抽出を行ってもよいが、哺乳動物培養細胞は、大腸菌や小麦胚芽などから無細胞系タンパク質合成用の抽出液を得る場合と比較して細胞の破砕が容易であり、さらには、この凍結・解凍によるだけの破砕法により得られた抽出液にはタンパク質合成に必須な成分が活性を保持した状態で含まれているという理由によりタンパク質合成能の高い抽出液を得ることができるという利点もあることから、上記哺乳動物培養細胞を急激に凍結させた後、解凍し、遠心分離することによって哺乳動物培養細胞を破砕するのが好ましい。
【0016】
上記急激に凍結した哺乳動物培養細胞を、解凍した後、遠心分離する場合、解凍は、たとえば−10℃〜20℃の水浴または氷水浴中での解凍、室温(25℃)にての放置などによって実現できるが、タンパク質合成に必須な成分の失活を防止し、タンパク質合成能の低下を確実に防ぐことから、0℃〜20℃(特には、4℃〜10℃)の水浴または氷水浴中で解凍を行うのが好ましい。
【0017】
解凍した哺乳動物培養細胞の遠心分離は、当分野において通常行われている条件(10,000×g〜50,000×g、0℃〜10℃、10分間〜60分間)で行えばよい。
【0018】
本発明に用いる哺乳動物培養細胞としては、特に制限はなく、たとえば、ヒト、ラット、マウス、サルなどの従来公知の適宜の哺乳動物由来の培養細胞を使用することができる。
【0019】
また、本発明における哺乳動物培養細胞としては、いかなる組織由来の細胞であってもよく、たとえば、血球細胞、生殖巣由来細胞、リンパ腫(リンホーマ)由来細胞、その他の腫瘍細胞、幹細胞などを特に制限なく使用することができる。中でも浮遊培養が可能であるため、培養および継代が容易であることから、リンパ腫由来細胞を使用するのが好ましい。また、CHO細胞は、浮遊培養が可能であるだけでなく、無血清培地にて培養が可能であり、より培養および継代が容易である。さらに、細胞系において広く利用され、高いタンパク質合成能を有しており、無細胞系においても同様のことが期待できることから、CHO細胞を使用するのが好ましい。
【0020】
なお本発明においては、単一種の哺乳動物における単一の組織由来の哺乳動物培養細胞に限らず、単一種の哺乳動物における複数種の組織由来の哺乳動物培養細胞より抽出を行ってもよく、複数種の哺乳動物における単一の組織由来の哺乳動物培養細胞より抽出を行ってもよく、無論、複数種の哺乳動物における複数種の組織由来の哺乳動物培養細胞より抽出を行ってもよい。
【0021】
本発明の調製方法に用いられる抽出用液は、特に制限されるものではないが、プロテアーゼインヒビターを少なくとも含有するのが好ましい。プロテアーゼインヒビターを含有する抽出用液を用いると、哺乳動物培養細胞由来の抽出物に含有されるプロテアーゼの活性が阻害され、当該プロテアーゼによる抽出物中の活性タンパクの不所望な分解を防止でき、結果として哺乳動物培養細胞由来の抽出物が有するタンパク質合成能を有効に引き出すことができるようになるという利点がある。
【0022】
上記プロテアーゼインヒビターとしては、プロテアーゼの活性を阻害し得るものであるならば特に制限はなく、たとえば、フェニルメタンスルホニルフルオリド(以下、「PMSF」ということがある。)、アプロチニン、ベスタチン、ロイペプチン、ペプスタチンA、E−64(L−trans−エポキシスクシニルロイシルアミド−4−グアニジノブタン)、エチレンジアミン四酢酸、ホスホラミドンなどを使用することができるが、哺乳動物培養細胞由来の抽出液にはセリンプロテアーゼが含まれることから、上記中でもセリンプロテアーゼに対して特異性の高いインヒビターとして働くPMSFを使用するのが好ましい。また、1種類のプロテアーゼインヒビターのみならず、数種類の混合物(プロテアーゼインヒビターカクテル)を用いてもよい。
【0023】
当該抽出用液中におけるプロテアーゼインヒビターの含有量に特に制限はないが、本発明の作用に必須な酵素類の分解阻害能を好適に発揮できる観点から、1μM〜50mM含有されることが好ましく、0.01mM〜5mM含有されることがより好ましい。プロテアーゼインヒビターが1μM未満であると、プロテアーゼの分解活性を充分抑えることができない傾向にあるためであり、またプロテアーゼインヒビターが50mMを越えると、タンパク質合成反応を阻害する傾向にあるためである。
【0024】
また本発明に用いる抽出用液は、上記プロテアーゼインヒビターに加えて、カリウム塩、マグネシウム塩、ジチオトレイトールおよび緩衝剤を少なくとも含有するのが好ましい。
【0025】
上記カリウム塩としては、本発明の作用を阻害するようなものでなければ特に制限はなく、たとえば酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、リン酸水素二カリウム、クエン酸水素二カリウム、硫酸カリウム、リン酸二水素カリウム、ヨウ化カリウム、フタル酸カリウムなど一般的な形態で使用することができ、中でも酢酸カリウムを使用するのが好ましい。カリウム塩は、タンパク質合成反応における補助因子として作用する。
【0026】
当該抽出用液中におけるカリウム塩の含有量に特に制限はないが、保存安定性の観点から、たとえば酢酸カリウムなど1価のカリウム塩である場合、10mM〜500mM含有されることが好ましく、20mM〜300mM含有されることがより好ましい。カリウム塩が10mM未満または500mMを越えると、タンパク質合成に必須な成分が不安定になる傾向にあるためである。
【0027】
上記マグネシウム塩としては、本発明の作用を阻害するようなものでなければ特に制限はなく、たとえば酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウムなど一般的な形態で使用することができ、中でも酢酸マグネシウムを使用するのが好ましい。マグネシウム塩も、タンパク質合成反応における補助因子として作用する。
【0028】
当該抽出用液中におけるマグネシウム塩の含有量に特に制限はないが、保存安定性の観点から、たとえば酢酸マグネシウムなど2価の塩である場合、0.1mM〜10mM含有されることが好ましく、0.5mM〜5mM含有されることがより好ましい。マグネシウム塩が0.1mM未満または10mMを越えると、タンパク質の合成に必須な成分が不安定になる傾向にあるためである。
【0029】
上記ジチオトレイトール(以下、「DTT」ということがある。)は、酸化防止の目的で配合されるものであり、当該抽出用液中において0.1mM〜10mM含有されることが好ましく、0.5mM〜5mM含有されることがより好ましい。DTTが0.1mM未満または10mMを越えると、タンパク質の合成に必須な成分が不安定になる傾向にあるためである。
【0030】
上記緩衝剤は、緩衝能を付与し、抽出用液による抽出により調製された抽出液(=抽出用液+抽出物)において、たとえば酸性または塩基性物質の添加などによって起こるpHの急激な変化による抽出物の変性を防止する目的で配合される。このような緩衝剤としては、特に制限はなく、たとえば、HEPES−KOH、Tris−HCl、酢酸−酢酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸、ホウ酸、MES、PIPESなどを使用することができる。
【0031】
緩衝剤は、得られた抽出液のpHが4〜10に保持されるようなものを使用するのが好ましく、pHが6〜8.5に保持されるようなものを使用するのがより好ましい。抽出液のpHが4未満またはpHが10を越えると、本発明の反応に必須な成分が変性する虞があるためである。このような観点より、上記中でもHEPES−KOH(pH6〜8.5)を使用するのが特に好ましい。
【0032】
当該抽出用液中における緩衝剤の含有量に特に制限はないが、好適な緩衝能を保持する観点から、5mM〜200mM含有されることが好ましく、10mM〜100mM含有されることがより好ましい。緩衝剤が5mM未満であると、酸性または塩基性物質の添加によりpHの急激な変動を引き起こし、これを用いて調製した抽出液において抽出物が変性する傾向にあるためであり、また緩衝剤が200mMを越えると、塩濃度が高くなり過ぎ、タンパク質合成に必須な成分が不安定になる傾向にあるためである。
【0033】
さらに、抽出用液においては、得られる抽出液のタンパク質合成能向上を目的として、カルシウム塩およびグリセロールがさらに添加されたものであるのが好ましい。カルシウム塩としては、本発明の作用を阻害するようなものでなければ特に制限はなく、例えば、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム、シュウ酸カルシウムなど、一般的な形態で使用することができ、中でも塩化カルシウムを使用するのが好ましい。この場合、塩化カルシウムの含有量は特に制限されないが、上記タンパク質合成能の向上の効果を有効に発揮し得る観点より、0.1mM〜10mM含有されることが好ましく、0.5mM〜5mM含有されることがより好ましい。また、グリセロールの添加量についても特に制限されるものではないが、上記タンパク質合成能の向上の効果を有効に発揮し得る観点より、5(v/v)%〜80(v/v)%となるように添加されるのが好ましく、10(v/v)%〜50(v/v)%となるように添加されるのがより好ましい。
【0034】
本発明の哺乳動物培養細胞抽出液の調製方法において、細胞破砕後から、無細胞系タンパク質合成用の哺乳動物培養細胞抽出液を得るまでの手順等については特に制限されるものではない。
たとえば、抽出用液中に懸濁した哺乳動物培養細胞を急激に凍結させる工程の後に、解凍し、遠心分離する場合には、この遠心分離後の上清(上清1)をそのまま哺乳動物培養細胞抽出液としてもよいし、また、上清1をさらに遠心分離して、得られた上清(上清2)を哺乳動物培養細胞抽出液としてもよい。上記上清1の遠心分離の条件としては、上述したのと同様の条件(10,000×g〜50,000×g、0℃〜10℃、10分間〜60分間)で行えばよい。
【0035】
なお上述のようにそれぞれ調製した後に、ゲル濾過を施し、ゲル濾過後の濾液より280nmにおける吸光度が最も高い画分付近を分取して抽出液として調製するようにしてもよい。しかしながらタンパク質の合成効率の観点からは、当該ゲル濾過および画分の分取を経ずに抽出液として調製するのが好ましい。
【0036】
なお、上記ゲル濾過を施し、ゲル濾過後の濾液より280nmにおける吸光度が最も高い画分付近を分取する場合には、具体的には以下の手順にて行えばよい。
【0037】
たとえば脱塩カラム PD−10(アマシャム バイオサイエンス社製)を用いて、常法にしたがって、ゲル濾過用緩衝液にてカラムを平衡化した後、試料を供給し、上記抽出用液にて溶出する、というような条件にて行う。上記ゲル濾過用緩衝液としては、従来公知の適宜の組成のものを特に制限なく使用することができ、たとえば、10mM〜100mMのHEPES−KOH(pH6〜8.5)、20mM〜300mMの酢酸カリウム、0.5mM〜5mMの酢酸マグネシウム、0.5mM〜5mMのDTT、0.01mM〜5mMのPMSFを含有するゲル濾過用緩衝液を用いることができる。ゲル濾過して得られる濾液は、通常のゲル濾過で行われているように、0.1mL〜1mLを1画分とすればよく、高いタンパク質合成能を有する画分を効率よく分取するという観点より、0.4mL〜0.6mLを1画分とするのが好ましい。
【0038】
次に、ゲル濾過後の濾液より280nmにおける吸光度が10以上の画分を分取する。当該処理は、たとえばUltrospec3300pro(アマシャム バイオサイエンス社製)などの機器を用いて、各画分について上記280nmにおける吸光度を測定し、この吸光度が最も高い画分付近を分取し、これを抽出液とする。
【0039】
なお、本発明の調製方法に供する哺乳動物培養細胞は、培養に用いる培地の翻訳反応液への持込みを避けるため、上記急激な凍結を行う前に、洗浄液にて予め洗浄しておくのが好ましい。洗浄液の組成としては、上述した抽出用液と同様の組成のものであればよい。洗浄液での洗浄は、哺乳動物培養細胞に洗浄液を添加し、これを遠心分離(たとえば、700×g、10分間、4℃という条件)することによって行う。
【0040】
洗浄に用いる洗浄液の量は、培地を完全に洗い流すという理由から、湿重量1gの哺乳動物培養細胞に対し5mL〜100mLであるのが好ましく、10mL〜50mLであるのがより好ましい。
洗浄回数は、1回〜5回行うのが好ましく、2回〜4回行うのがより好ましい。
【0041】
また本発明の調製方法に供する哺乳動物培養細胞の量は、特に制限されるものではないが、抽出効率を最適に保つため、抽出用液1mLに対して0.1g〜5gであるのが好ましく、0.5g〜2gであるのがより好ましい。
【0042】
本発明の方法にて調製された哺乳動物培養細胞抽出液は、無細胞系タンパク質合成用として好適に使用することができる。哺乳動物培養細胞抽出液は、哺乳動物培養細胞由来の抽出物をタンパク質濃度で1mg/mL〜200mg/mL含有することが好ましく、10mg/mL〜100mg/mL含有することがより好ましい。当該抽出物の含有量がタンパク質濃度で1mg/mL未満であると、本発明の作用に必須な成分の濃度が低くなり、充分な合成反応が行えなくなる虞があるためであり、また当該抽出物の含有量がタンパク質濃度で200mg/mLを越えると、抽出液自体が高い粘性を有し、操作しづらい虞があるためである。
【0043】
該抽出液中の哺乳動物培養細胞由来の抽出物の含有量は、タンパク質濃度を測定することで決定され、たとえば、BCA Protein assay Kit(PIERCE社製)を使用し、タンパク質濃度を測定することによって決定される。具体的には、反応試薬2mLに対してサンプルを0.1mL加え、37℃で30分間反応させ、分光光度計(Ultrospec3300pro、アマシャム バイオサイエンス社製)を用いて、562nmにおける吸光度を測定する。コントロールとしては、通常、ウシ血清アルブミン(BSA)を使用し、検量線を作成する。このような手法により測定することができる。
【0044】
また抽出液中に含有される抽出物が哺乳動物培養細胞由来のものであるか否かは、たとえば、抽出液中のリボソームRNAの塩基配列解析を行うことによって判別することができる。
【0045】
本発明の抽出液は、哺乳動物培養細胞由来の抽出物をタンパク質濃度で10mg/mL〜100mg/mL含有するとともに、20mM〜300mMの酢酸カリウム、0.5mM〜5mMの酢酸マグネシウム、0.5mM〜5mMのDTT、0.01mM〜5mMのPMSF、10mM〜100mMのHEPES−KOH(pH6〜8.5)を含有するように実現されるのが好ましい。また上記に加えて、さらに0.5mM〜5mMの塩化カルシウム塩および10(v/v)%〜50(v/v)%のグリセロールを含有することが好ましい。
【0046】
本発明はまた、上記抽出液を用いた無細胞系のタンパク質合成方法を提供するものである。本発明の方法にて得られた抽出液を用いてタンパク質合成反応を行うことによって、如何なるタンパク質、例えば生細胞で細胞毒となるタンパク質であっても、短時間にて合成することが可能となる。また、真核生物である哺乳動物培養細胞由来の抽出物を用いているため、糖タンパク質を無細胞系で合成することも可能であり、特に制限されることなく多くの種類のタンパク質を合成することができる。なお本発明における無細胞系タンパク質合成反応は、mRNAの情報を読み取ってタンパク質を合成する無細胞翻訳系のみによるタンパク質合成反応を指す。
【0047】
本発明の方法で得られる抽出液を用いて調製される無細胞系タンパク質合成反応液の組成に特に制限はなく、従来公知の組成を適宜選択すればよいが、上記抽出液が10(v/v)%〜80(v/v)%、特には30(v/v)%〜60(v/v)%含有されるように調製されるのが好ましい。すなわち、上記反応液の全体において、哺乳動物培養細胞由来の抽出物の含有量が、タンパク質濃度で0.1mg/mL〜160mg/mLとなるように調製されるのが好ましく、3mg/mL〜60mg/mLとなるように調製されるのがより好ましい。当該抽出物の含有量がタンパク質濃度で0.1mg/mL未満または160mg/mLを越えると、目的のタンパク質の合成速度が低下する虞があるためである。
【0048】
無細胞系タンパク質合成反応液は、本発明の方法で得られた抽出液を除く成分として、外来mRNA、カリウム塩、マグネシウム塩、DTT、アデノシン三リン酸、グアノシン三リン酸、クレアチンリン酸、クレアチンキナーゼ、アミノ酸成分、RNaseインヒビター、tRNA、緩衝剤を少なくとも含有するのが好ましい。かかる反応液を使用して翻訳反応を行うことで、短時間で大量のタンパク質の合成が可能である。
【0049】
上記反応液に用いる外来mRNAとは、抽出液を調製するのに用いた哺乳動物培養細胞に由来しないmRNAを指し、かかる哺乳動物培養細胞に由来しないmRNAであるならば、コードするタンパク質(ペプチドを含む)に特に制限はなく、毒性を有するタンパク質をコードするものであってもよいし、また糖タンパク質をコードするものであってもよい。なお、反応液に含有されるmRNAが外来mRNAであるか抽出液を調製するのに用いた哺乳動物培養細胞に由来するmRNAであるかは、まず、反応液中より、mRNAを単離精製後、逆転写酵素によりcDNAを合成し、得られたcDNAの塩基配列を解析し、既知の外来mRNAの塩基配列と比較することで判別することができる。
【0050】
なお反応液に用いる外来mRNAは、その塩基数に特に制限はなく、目的とするタンパク質を合成し得るならばmRNA全てが同じ塩基数でなくともよい。また、目的とするタンパク質を合成し得る程度に相同な配列であれば、各mRNAは、複数個の塩基が欠失、置換、挿入または付加されたものであってよい。
【0051】
本発明に用いる外来mRNAは、市販のものでもよいし、目的とするタンパク質のORF(Open reading frame)を市販のベクター、たとえば、pTNT、Vector(プロメガ社製)の5'−βグロビンリーダー配列の下流に挿入し、これを用いて転写反応で得られたmRNAを用いても構わない。また、転写反応の際にメチル化されたリボヌクレオチドなどを加えることにより付加されたキャップ構造を有する外来mRNAを用いてもよい。
【0052】
反応液中において、外来mRNAは、タンパク質合成の速度の観点から、1μg/mL〜1000μg/mL含有されることが好ましく、10μg/mL〜500μg/mL含有されることがより好ましい。外来mRNAが1μg/mL未満または1000μg/mLを越えると、タンパク質合成の速度が低下する傾向にあるためである。
【0053】
当該反応液中におけるカリウム塩としては、抽出用液の成分として上述した各種のカリウム塩、好適には酢酸カリウム、を好ましく使用できる。カリウム塩は、上述した抽出用液におけるカリウム塩の場合と同様の観点から、当該反応液中において、10mM〜500mM含有されることが好ましく、20mM〜300mM含有されることがより好ましい。
【0054】
当該反応液中におけるマグネシウム塩としては、抽出用液の成分として上述した各種のマグネシウム塩、好適には酢酸マグネシウム、を好ましく使用できる。マグネシウム塩は、上述した抽出液におけるマグネシウム塩の場合と同様の観点から、当該反応液中において、0.1mM〜10mM含有されることが好ましく、0.5mM〜5mM含有されることがより好ましい。
【0055】
当該反応液中におけるDTTは、上述した抽出用液におけるDTTの場合と同様の観点から、0.1mM〜10mM含有されることが好ましく、0.5mM〜5mM含有されることがより好ましい。
当該反応液中におけるアデノシン三リン酸(以下、「ATP」ということがある。)は、タンパク質合成の速度の観点から、当該反応液中において0.01mM〜10mM含有されることが好ましく、0.1mM〜5mM含有されることがより好ましい。ATPが0.01mM未満または10mMを越えると、タンパク質の合成速度が低下する傾向にあるためである。
【0056】
当該反応液中におけるグアノシン三リン酸(以下、「GTP」ということがある。)は、タンパク質合成の速度の観点から、当該反応液中において0.01mM〜10mM含有されることが好ましく、0.05mM〜5mM含有されることがより好ましい。GTPが0.01mM未満または10mMを越えると、タンパク質合成の速度が低下する傾向にあるためである。
【0057】
当該反応液中におけるクレアチンリン酸は、タンパク質を継続的に合成するための成分であって、ATPとGTPを再生する目的で配合される。クレアチンリン酸は、タンパク質合成の速度の観点から、当該反応液中において1mM〜200mM含有されることが好ましく、10mM〜100mM含有されることがより好ましい。クレアチンリン酸が1mM未満であると、充分な量のATPとGTPが再生されにくく、結果としてタンパク質の合成速度が低下する傾向にあるためであり、またクレアチンリン酸が200mMを越えると、阻害物質として働き、タンパク質の合成速度が低下する傾向にあるためである。
【0058】
当該反応液中におけるクレアチンキナーゼは、タンパク質を継続的に合成するための成分であって、クレアチンリン酸と共にATPとGTPを再生する目的で配合される。クレアチンキナーゼは、タンパク質合成の速度の観点から、当該反応液中において1μg/mL〜1000μg/mL含有されることが好ましく、10μg/mL〜500μg/mL含有されることがより好ましい。クレアチンキナーゼが1μg/mL未満であると、充分な量のATPとGTPが再生されにくく、結果としてタンパク質の合成速度が低下する傾向にあるためであり、またクレアチンキナーゼが1000μg/mLを越えると、阻害物質として働き、タンパク質の合成速度が低下する傾向にあるためである。
【0059】
当該反応液中におけるアミノ酸成分は、20種類のアミノ酸、すなわち、バリン、メチオニン、グルタミン酸、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、グリシン、プロリン、イソロイシン、トリプトファン、アスパラギン、セリン、トレオニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、チロシン、リシン、グルタミン、シスチン、アルギニン、の20種類のアミノ酸を少なくとも含有する。このアミノ酸には、ラジオアイソトープ標識されたアミノ酸も含まれる。さらに、必要に応じて、修飾アミノ酸を含有していてもよい。当該アミノ酸成分は、通常、各種類のアミノ酸を概ね等量ずつ含有してなる。
【0060】
本発明においては、タンパク質合成の速度の観点から、当該反応液中において上記のアミノ酸成分が1μM〜1000μM含有されることが好ましく、10μM〜200μM含有されることがより好ましい。アミノ酸成分が1μM未満または1000μMを越えると、タンパク質の合成速度が低下する傾向にあるためである。
【0061】
当該反応液中におけるRNaseインヒビターは、抽出液に混在する哺乳動物培養細胞由来のRNaseによって、本発明の無細胞系タンパク質合成の際に外来mRNAやtRNAが不所望に消化されて、タンパク質の合成を妨げるのを防ぐ目的で配合されるものであり、当該反応液中において0.1U/μL〜100U/μL含有されることが好ましく、0.5U/μL〜10U/μL含有されることがより好ましい。RNaseインヒビターが0.1U/μL未満であると、RNaseの分解活性を充分抑えることができない傾向にあるためであり、またRNaseインヒビターが100U/μLを越えると、タンパク質合成反応を阻害する傾向にあるためである。
【0062】
当該反応液中におけるtRNAは、上記20種類のアミノ酸に対応した種類のtRNAを概ね等量ずつ含有してなる。本発明においては、タンパク質合成の速度の観点から、当該反応液中において1μg/mL〜1000μg/mL含有されることが好ましく、10μg/mL〜500μg/mL含有されることがより好ましい。tRNAが1μg/mL未満または1000μg/mLを越えると、タンパク質合成の速度が低下する傾向にあるためである。
【0063】
反応液に含有される緩衝剤としては、上述した本発明の抽出液と同様のものが好適に使用でき、同様の理由から、HEPES−KOH(pH6〜8.5)を使用するのが好ましい。また、緩衝剤は、上述した抽出液における緩衝剤の場合と同様の観点から、5mM〜200mM含有されることが好ましく、10mM〜100mM含有されることがより好ましい。
【0064】
さらに、反応液においては、翻訳反応速度を向上させる目的で、スペルミジンがさらに添加されたものであるのが好ましい。スペルミジンは、反応液中において0.01mM〜10mM含有されることが好ましく、0.05mM〜5mM含有されることがより好ましい。スペルミジンが0.01mM未満であると、十分な翻訳促進能が認められない傾向にあるためであり、また、スペルミジンが10mMを越えると、タンパク質合成反応を阻害する傾向にあるためである。
【0065】
さらに、反応液においては、カルシウム塩がさらに添加されたものであるのが好ましい。カルシウム塩としては、抽出用液の成分として上述した各種のカルシウム塩、好適には、塩化カルシウム、を好ましく使用できる。カルシウム塩は、上述した抽出用液におけるカルシウム塩の場合と同様の観点から、当該反応液中において、0.05mM〜10mM含有されることが好ましく、0.1mM〜5mM含有されることがより好ましい。
【0066】
すなわち、本発明の方法で得られた抽出液を使用した反応液としては、当該抽出液を30(v/v)%〜60(v/v)%含有するとともに、20mM〜300mMの酢酸カリウム、0.5mM〜5mMの酢酸マグネシウム、0.5mM〜5mMのDTT、0.1mM〜5mMのATP、0.05mM〜5mMのGTP、10mM〜100mMのクレアチンリン酸、10μg/mL〜500μg/mLのクレアチンキナーゼ、10μM〜200μMのアミノ酸成分、0.5U/μL〜10U/μLのRNaseインヒビター、10μg/mL〜500μg/mLのtRNA、10μg/mL〜500μg/mLの外来mRNA、10mM〜100mMのHEPES−KOH(pH6〜8.5)を含有するように実現されるのが好ましい。また、上記に加えてさらに0.05mM〜5mMのスペルミジン、0.1mM〜5mMの塩化カルシウムを含有するように実現されるのがより好ましい。
【0067】
上記反応液を用いた無細胞系タンパク質合成反応は、従来公知のたとえば低温恒温槽にて行う。反応温度は、通常、10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃の範囲内である。反応温度が10℃未満であると、タンパク質の合成速度が低下する傾向にあり、また反応温度が40℃を越えると、必須な成分が変性する傾向にあるためである。反応の時間は、通常、1時間〜72時間、好ましくは3時間〜24時間である。
【0068】
また、反応を行う前に、抽出液にmRNA以外の反応液組成の成分を加えた状態において、一定時間保温を行うのが好ましい。保温は、従来公知のたとえば低温恒温槽にて行う。保温時間は、通常、0℃〜50℃、好ましくは15℃〜37℃の範囲である。保温温度が0℃未満であると保温の効果が得られにくく、また保温温度が50℃を超えると必須な成分が変性する傾向にあるためである。保温の時間は、通常、1分〜120分、好ましくは、10分〜60分である。
【0069】
上記反応液を使用して合成できるタンパク質に特に制限はない。合成されたタンパク質の量は、酵素の活性の測定、SDS−PAGE、免疫検定法などによって測定できる。
本発明の無細胞系のタンパク質合成方法にて合成できるタンパク質に特に制限はない。
【実施例】
【0070】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
参考例1:哺乳動物培養細胞(リンパ腫由来)の培養
細胞数2.1×106個の哺乳動物培養細胞L5178Y−S(東北大学加齢医学研究所附属医用細胞資源センターより分譲)を、10%ウシ胎児血清(Invitrogen社製)を含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)が入った培養フラスコ(2100cm2)内で37℃、5%CO2雰囲気下で70時間培養した。その結果、細胞数4.2×108個、湿重量0.57gとなった。
【0071】
実施例1:哺乳動物培養細胞(リンパ腫由来)抽出液の調製
まず、上記参考例1で培養した動物培養細胞を遠心分離(700×g、10分間)により収集し、下記組成の洗浄液で3回洗浄(700×g、10分間の条件で遠心分離)した。
〔洗浄液の組成〕
・50mM HEPES−KOH(pH7.4)
・100mM 酢酸カリウム
・2mM 酢酸マグネシウム
・2mM DTT
その後、上記組成の洗浄液に0.57mLの0.5mM PMSFおよび20%グリセロールを添加して調製した抽出用液(4℃に冷却)に、懸濁した。
この懸濁液を液体窒素中にて急激に(2秒)凍結させた。充分に凍結させた後、約10℃の水浴中で解凍した。完全に解凍した後、4℃、30,000×gで10分間遠心分離(himacCR20B3、日立工機社製)して残渣を取除き、上清を回収した。得られた上清をさらに遠心分離(4℃、30,000×g、30分間)した後に回収した上清を、哺乳動物培養細胞抽出液とした。
【0072】
参考例2:外来mRNAの作製
(1)ベクターDNAの構築
pGEM−luc Vector(プロメガ社製)5ngを鋳型とし、配列表配列番号1に示す塩基配列を有するプライマー(Luc T7−F3−Kpn)と、配列表配列番号2に示す塩基配列を有するプライマー(Luc T7−R4−Kpn)と、KOD plus(東洋紡績社製)を用いて、97℃15秒、55℃30秒、68℃120秒、30サイクルのPCRを行った。エタノール沈殿によりDNA断片を精製した後、KpnIで消化した。これとは別に、pTNT Vector(プロメガ社製)をKpnIで消化した。これらの反応液をアガロースゲル電気泳動で分離した後、Gen Elute Gel Purification Kit(シグマ社製)を用いてDNA断片を精製した。Ligation High(東洋紡績社製)を用いて、これらのDNA断片をライゲーションした後、大腸菌DH5α(東洋紡績社製)を形質転換した。形質転換した大腸菌からアルカリ−SDS法により調製したプラスミドDNAを、配列表配列番号3に示す塩基配列を有するプライマー(T7 promoter)およびBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS(アプライドバイオシステムズ社製)を用いてシークエンシング反応(96℃10秒、50℃5秒、60℃4分、30サイクル)を行った。この反応液をABI PRISM 310 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ社製)に供し、塩基配列解析を行った。pTNT Vector由来の5'−βグロビンリーダー配列の下流にルシフェラーゼ遺伝子の開始コドンが挿入されたプラスミドをpTNT−Lucと命名した。
(2)in vitro転写反応
上記(1)で作製したpTNT−LucをBamHIで消化した後、フェノールクロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。得られたDNA断片1μgを鋳型として、RiboMax Large Scale RNA Production System−T7(プロメガ社製)を用い20μlスケールで37℃4時間mRNAを合成した。
(3)外来mRNAの精製
上記転写反応後の反応液20μLに、1UのRQ1 RNase free DNase(プロメガ社製)を添加し、37℃、15分間インキュベートし、鋳型DNAを消化した。フェノール−クロロホルム抽出によりタンパク質を除去した後、酢酸カリウムを終濃度0.3Mとなるように添加し、エタノール沈殿を行った。得られた沈殿を100μLの滅菌水に溶解し、Nick Column(アマシャム バイオサイエンス社製)にアプライした。滅菌水400μLで溶出を行った。溶出画分を回収し、酢酸カリウムを終濃度0.3Mとなるように添加し、エタノール沈殿を行った。合成されたmRNAの定量は、260nmの吸光度を測定して行った。
【0073】
実験例1:哺乳動物培養細胞(リンパ腫由来)抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成
実施例1で調製した哺乳動物培養細胞抽出液、および参考例2で合成した外来mRNAを用いて、下記組成の反応液を調製し、無細胞系でのタンパク質合成を行った。
〔反応液の組成〕
・50(v/v)% 哺乳動物培養細胞抽出液
・25mM HEPES−KOH(pH7.4)
・150mM 酢酸カリウム
・1mM 酢酸マグネシウム
・1mM DTT
・0.5mM ATP
・0.1mM GTP
・20mM クレアチンリン酸
・200μg/mL クレアチンキナーゼ
・0.25mM スペルミジン
・40μM アミノ酸(20種)
・1U/μL RNaseインヒビター(ヒト胎盤由来)
・200μg/mL tRNA(酵母由来)
・240μg/mL 外来mRNA
・10(v/v)% グリセロール
ATP(シグマ社製)、GTP(シグマ社製)、アミノ酸(20種)(シグマ社製)、RNaseインヒビター(宝酒造社製)、tRNA(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)をそれぞれ用いた。反応装置として低温アルミブロック恒温槽MG−1000を用いた。反応液量は25μL、反応温度は20℃とし、反応時間ごとにサンプリングを行い、合成されたルシフェラーゼ量を測定した。合成されたルシフェラーゼはルシフェラーゼアッセイキット(E−1500、プロメガ社製)を用いて定量した。ルシフェラーゼアッセイ試薬50μLに反応液2.5μLを添加し、ルミノメーター(Tuner Designs TD−20/20、プロメガ社製)を用いて、ルシフェラーゼによる発光を測定した。
結果、反応開始1時間で約0.5μg/mLの無細胞系タンパク質合成に成功した。
【0074】
比較例1
参考例1と同様にして培養した哺乳動物培養細胞L5178Y−Sを、実施例1と同様の洗浄液で洗浄した後、実施例1と同様の4℃に冷却した抽出用液に懸濁した。その後、5分間激しく攪拌して抽出を行った以外は、実施例1と同様の操作で行った。無細胞系タンパク質合成反応は、参考例2で作製したmRNAを用いて、実験例1と同様の反応液組成で行った。
結果、ルシフェラーゼは10ng/mLと、実験例1の約50分の1程度であった。
【0075】
参考例3:哺乳動物培養細胞(CHO)の培養
細胞濃度4.9×105cells/mLのチャイニーズハムスター卵巣細胞CHO K1−SFM(東北大学加齢医学研究所付属医用細胞資源センターより分譲)をCHO SERUM−FREE MEDIUM(SIGMA社製)200mLが入った三角フラスコ(500mL)内で130rpm・37℃・5%CO2雰囲気下で120時間培養した。その結果、細胞濃度8.8×106cells/mL、湿重量3.2gとなった。
【0076】
実施例2:哺乳動物培養細胞(CHO)抽出液の調製
まず、上記参考例3で培養した動物培養細胞を遠心分離(700×g、10分間)により収集し、下記組成の洗浄用緩衝液で3回洗浄(700×g、10分間の条件で遠心分離)した。
〔洗浄用緩衝液の組成〕
・40mM HEPES−KOH(pH7.9)
・100mM 酢酸カリウム
・2mM 酢酸マグネシウム
・2mM 塩化カルシウム
・1mM DTT
その後、重量を測定し、細胞1gあたり0.8mLの下記組成の抽出用緩衝液を添加し、細胞を懸濁した。
〔抽出用液の組成〕
・40mM HEPES−KOH(pH7.9)
・100mM 酢酸カリウム
・2mM 酢酸マグネシウム
・2mM 塩化カルシウム
・20%(v/v) グリセロール
・1mM DTT
この細胞懸濁液を液体窒素中にて急激に凍結させた。十分に凍結させた後、約4℃の氷浴中で解凍した。完全に解凍した後、4℃、30000×gで10分間遠心分離(himac CR20B3、日立工機社製)して細胞残渣を取り除き、上清S1を回収した。得られた上清S1をさらに遠心分離(4℃、30000×g、30分間)した後に上清S2を回収した。この上清S2を下記組成の脱塩用緩衝液にて平衡化したPD−10(アマシャム社製)にアプライした。アプライした後、脱塩用バッファーにて溶出し、分光光度計(Ultrospec3300pro、アマシャムバイオサイエンス社製)を用いて、280nmにおける吸光度が30以上の画分を回収し、哺乳動物培養細胞(CHO)抽出液とした。
〔脱塩用緩衝液の組成〕
・40mM HEPES−KOH(pH7.9)
・100mM 酢酸カリウム
・2mM 酢酸マグネシウム
・1mM DTT
【0077】
実験例2:哺乳動物培養細胞(CHO)抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成
実施例2で調製した哺乳動物培養細胞(CHO)抽出液は、まず下記組成のうち反応液組成における外来mRNA以外の成分と混合し、25℃で30分間保温した。その後、参考例2で合成した外来mRNAを添加し、無細胞系でのタンパク質合成を行った。
〔反応液の組成〕
・50%〔V/V〕 哺乳動物培養細胞抽出液
・50mM HEPES−KOH(pH7.9)
・175mM 酢酸カリウム
・1mM 酢酸マグネシウム
・0.5mM 塩化カルシウム
・2mM DTT
・0.5mM ATP
・0.25mM GTP
・30mM クレアチンリン酸
・200μg/mL クレアチンキナーゼ
・80μM アミノ酸(20種)
・160μg/mL mRNA(ルシフェラーゼ遺伝子をコード)
ATP(シグマ社製)、GTP(シグマ社製)、アミノ酸(20種)(シグマ社製)をそれぞれ用いた。反応装置としては低温アルミブロック恒温槽MG−1000を用いた。反応液量は25μL、反応温度は25℃とし、反応時間ごとにサンプリングを行い、合成されたルシフェラーゼ量を測定した。合成されたルシフェラーゼはルシフェラーゼアッセイキット(E−1500、プロメガ社製)を用いて定量した。ルシフェラーゼアッセイ試薬50μLに反応液2.5μLを添加し、ルミノメーター(Tuner Designs TD−20/20、プロメガ社製)を用いて、ルシフェラーゼによる発光を測定した。その結果、反応開始2時間後のタンパク質合成量は約27μg/mL(図1■)と、タンパク質合成を行う前の保温(25℃、30分間)を行わない場合(図1□)より著しく向上した。
【0078】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、調製が容易であり、かつ従来よりもタンパク質合成量の高い無細胞系タンパク質合成用哺乳動物培養細胞抽出液の調製方法、および該哺乳動物培養細胞抽出液、ならびにこの哺乳動物培養細胞を用いた無細胞系のタンパク質合成方法を提供することができる。
【0079】
なお、配列表フリーテキスト(人工配列の記載(Description of Artificial Sequence))において、配列番号1はプライマーLuc T7−F3−Kpnであり、配列番号2はプライマーLuc T7−R4−Kpnであり、配列番号3はプライマーT7 promoterである。

Claims (8)

  1. 抽出用液中に懸濁した哺乳動物培養細胞を急激に凍結させる工程を少なくとも含有し、さらに、急激に凍結させた哺乳動物培養細胞を、−10℃〜20℃で解凍させる工程を含有する方法で調整された哺乳動物培養細胞抽出液を用いた無細胞系タンパク質合成方法。
  2. 急激な凍結が、液体窒素によって行われるものである、請求項1に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
  3. 前記解凍が、水浴または氷水浴中で解凍されたものである、請求項1または2に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
  4. 抽出用液がプロテアーゼインヒビターを含有するものである、請求項1〜のうちのいずれかに記載の無細胞系タンパク質合成方法。
  5. 哺乳動物培養細胞が、リンパ腫由来の培養細胞である、請求項1〜のうちのいずれかに記載の無細胞系タンパク質合成方法。
  6. 哺乳動物培養細胞が、生殖巣由来の培養細胞である、請求項1〜のうちのいずれかに記載の無細胞系タンパク質合成方法。
  7. 哺乳動物培養細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)由来の培養細胞である、請求項に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
  8. チャイニーズハムスター卵巣(CHO)が、CHO K1−SFM由来である、請求項に記載の無細胞系タンパク質合成方法。
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