JP4389388B2 - 難燃性ポリオレフィン組成物 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は難燃性ポリオレフィン組成物に関する。詳しくは特定のポリプロピレン組成物に、ハロゲン原子を含有しない難燃剤(以下、ノンハロゲン難燃剤という)を配合することによる難燃性の優れた組成物に関する。
さらに詳しくは、材料の溶融張力が高く、燃焼時の形状保持性に優れ、フレーミングドリップ性(UL94垂直燃焼試験法において炎のついた樹脂が滴下する性質)が大幅に改善され、又、腐食性のガスや有毒性のガスの発生がなく、成形加工性の低下や成形品としたときに該成形品の機械的強度の低下も少ない難燃性ポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
背景技術
各種の電気用品に使用される樹脂は、電気的なトラブルから発生する着火、燃焼もしくは火災を防止する目的で不燃性樹脂、難燃性樹脂もしくは自消性樹脂が、それぞれの用途で要求される性能に応じて使用されている。特にポリプロピレンは耐衝撃性、剛性、外観及び成形性が優れていることから電気用品に多用され、難燃化についても種々の提案がなされている。特に、米国のUL規格は、製品もしくは部位に応じて高度の難燃性を規定し(アンダーライター・ラボラトリーズインコーポレーション;ULサブジェクト94)、米国向け輸出製品はこのUL規格に適合した材料選定が要求される。また電気用品の難燃性は米国に限らず我が国をはじめ西欧諸国など多くの国で高度の難燃性が要求されている。このような要求に対して種々の難燃性ポリプロピレン樹脂組成物が提案されている。
難燃剤としてハロゲン系化合物を使用した組成物は、成形加工性の低下や成形品としたときの該成形品の機械的強度の低下は比較的少なく、高度の難燃性を有する成形品が得られるが、成形加工時や燃焼時に、腐食性や有毒性のガスが発生するという欠点がある。
【0003】
特開昭59−147050号公報には、難燃剤としてポリリン酸アンモニウムとトリアジン化合物とを使用した難燃性ポリプロピレン樹脂組成物が開示されている。この組成物は、成形加工性の低下や成形品としたときの該成形品の機械的強度の低下は比較的少なく、加工時や燃焼時に有害なガスが発生することも少ないが、(ULサブジェクト94)の「機械の部品用プラスチック材料の燃焼試験」の垂直燃焼試験(以下、UL94燃焼試験という)でのフレーミングドリップ性が劣り、1/32インチ肉厚の試料片による燃焼性のランクがV−2であり、高度の難燃性であるV−0のランクに達することがむずかしい。
該フレーミングドリップ性を改善する方法として、組成物の溶融張力や結晶化温度を高めることが考えられる。ポリプロピレンの溶融張力や結晶化温度を高める方法としては、溶融状態下において結晶性ポリプロピレンに有機過酸化物と架橋助剤を反応させる方法(特開昭59−93711号公報、特開昭61−152754号公報等)、半結晶性ポリプロピレンに低分解温度過酸化物を酸素不存在下で反応させて、自由端長鎖分岐を有しゲルを含まないポリプロピレンを製造する方法(特開平2−298536号公報)などが提案されている。このほか、溶融張力等の溶融粘弾性を向上させる他の方法として、ポリエチレンやポリプロピレンに固有粘度もしくは分子量の異なるポリエチレンやポリプロピレンを配合した組成物や、該組成物を多段階重合によって得る方法が提案されている。
【0004】
たとえば、通常のポリプロピレン100重量部に対し、超高分子量ポリプロピレンを2〜30重量部の割合で添加し、融点以上、210℃以下の温度範囲で押出して組成物を得る方法(特公昭61−28694号公報)、多段重合法により得られた極限粘度比が2以上の分子量の異なる二成分のポリプロピレンからなる押し出しシート(特公平1−12770号公報)、高粘度、高分子量のポリエチレンを1〜10重量%含有し、粘度平均分子量の異なる3種類のポリエチレンを溶融混練法もしくは多段重合法によって得る方法(特公昭62−61057号公報)、高活性チタン・バナジウム固体触媒成分を用いた多段重合法により、極限粘度が20dl/g以上の超高分子量ポリエチレンを0.05〜1重量%未満含有させたポリエチレンの製造方法(特公平5−79683号公報)、1−ブテンや4−メチル−1−ペンテンで予備重合処理された高活性チタン触媒成分を用いて、特殊な配列の重合器による多段重合法で、極限粘度が15dl/g以上の超高分子量ポリエチレンを0.1〜5重量%含有させたポリエチレンの製造方法などが開示されている(特公平7−8890号公報)。
【0005】
さらに、担持型チタン含有固体触媒成分および有機アルミニウム化合物触媒成分をエチレンとポリエン化合物で予備重合処理した予備重合触媒を用いてプロピレンを重合することにより、高溶融張力を有するポリプロピレンを製造する方法(特公平5−222122号公報)、および同様の触媒成分を用いエチレン単独で予備重合処理した予備重合触媒を用い、極限粘度が20dl/g以上のポリエチレンを含有するエチレン−αオレフィン共重合体の製造方法(特開平4−55410号公報)が開示されている。
【0006】
このように提案されている種々の製造方法およびそれにより得られる組成物では、ポリオレフィンの溶融張力をある程度向上させることができるものの、架橋法によるものはリサイクル使用が困難であり、高温での剛性が低いといった問題の他に、高粘度のポリエチレンを用いることによる成形機の消費電力の増大、生産性の低下および熱安定性などの改善すべき点も残っている。
また、微量の高分子量のポリオレフィンを製造する工程を通常のオレフィンの重合工程中に組み込んだ多段重合法では、その高分子量のポリオレフィンを微量生成させるための製造条件のコントロールが難しいこと、また充分に高い分子量のポリオレフィンを生成させるためには低い重合温度が必要なこともあり、製造装置の改造を必要とし、最終的なポリオレフィンの生産性も低下する。
ポリエン化合物で予備重合処理する方法は、別途にポリエン化合物を準備する必要があり、また、エチレンで予備重合処理した後にプロピレンを本重合する方法では、予備重合で生成したポリエチレンの最終的に得られるポリプロピレン組成物中での分散が不均一になり、得られるポリプロピレン組成物の均質性の点でさらに改善が要求される。
【0007】
上記のように、従来技術では、ポリプロピレンの溶融張力を向上させることは未だ不十分である。特に、燃焼時の形状保持性を確保し、かつUL94燃焼試験のフレーミングドリップ性を満足しながら、剛性、成形性に優れ、加工時や燃焼時に腐食性や有毒性のガスが発生しない難燃性ポリプロピレン組成物は見出されていないのが現状である。本発明は、このような事情のもとになされたものであり、ポリプロピレンの機械的特性を損なうことなく、燃焼時の形状保持性とフレーミングドリップ性を改善し、加工時や燃焼時に腐食性や有毒性のガスを発生しない難燃性ポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
【0008】
発明の開示
本発明者らはポリプロピレンの機械的特性を損なうことなく、燃焼時の形状保持性とフレーミングドリップ性を改善し、加工時や燃焼時に腐食性や有毒性のガスを発生しない難燃性ポリオレフィン組成物を得るべく鋭意研究した。その結果、プロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレンーエチレン共重合体(以下、(a)成分ということがある)に特定の固有粘度を有するポリエチレン(以下、(b)成分ということがある)の特定量を含有させたポリプロピレン組成物(A)、もしくはポリプロピレン製造用の触媒として、特定の予備活性化処理をした触媒を使用して、プロピレンの単独重合もしくはプロピレンとオレフィンとを共重合させて得られる、プロピレン単独重合体もしくはプロピレンーオレフィン共重合体に対して、特定の固有粘度を有するポリエチレンの特定量を含有させたポリプロピレン組成物(A)に、ハロゲン原子を含有していない難燃剤いわゆるノンハロゲン難燃剤を配合した難燃性樹脂組成物が所期の性能を有する組成物になることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0009】
本発明は下記(1)〜(10)によって示される。
(1)(a)プロピレン単独重合体もしくプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、
(b)固有粘度〔ηE〕が15dl/g〜100dl/gである、エチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン供重合体を0.01重量部〜5重量部の割合で含有する組成物であって、
該組成物のメルトフローレート(以下、MFRという)[230℃;21.18N]が0.1〜50g/10min、融点(Tm)が150〜167℃、密度が0.895〜0.910g/cm3、230℃における溶融張力が1cN〜20cNであるポリプロピレン組成物(A)を基盤樹脂とし、この基盤樹脂にノンハロゲン難燃剤(B)を配合してなる難燃性ポリオレフィン組成物(C)。
【0010】
(2)少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分と、遷移金属原子1モルに対し0.01〜1,000モルの周期表第一族、第二族、第12族及び第13族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機金属化合物[AL1]および遷移金属原子1モルに対し0〜500モルの電子供与体[Ed1]との組合せからなるポリオレフィン製造用触媒であって、固有粘度[η]が15dl/gより小さいポリプロピレン(aーP)を遷移金属化合物成分1g当たり0.01〜100g担持させ、かつ、固有粘度[ηE]が15〜100dl/gであるポリエチレン(a−E)を遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01g〜5,000g担持させてなる予備活性化触媒の存在下に、プロピレンの単独重合もしくはプロピレンと炭素数2〜12のオレフィンとを共重合させて得られる(a)プロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレンーオレフィン共重合体100重量部に対して、
(b)エチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を50重量%以上含有するエチレンーオレフィン共重合体からなり、固有粘度[ηE]が15〜100dl/gであるポリエチレンを0.01〜5重量部の割合で含有し、かつ、該組成物のMFR[230℃;21.18N]が0.1〜50g/10min、融点(Tm)が150〜167℃、密度が0.895〜0.910g/cm3、230℃における溶融張力が1cN〜20cNであるポリプロピレン組成物(A)を基盤樹脂とし、この基盤樹脂にノンハロゲン難燃剤(B)を配合してなる難燃性ポリオレフィン組成物。
【0011】
(3)難燃性ポリオレフィン組成物がMFR4〜50g/10minの射出成形用組成物である前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【0012】
(4)難燃性ポリオレフィン組成物がMFR0.1〜4g/10minの中空成形用もしくは押出成形用の組成物である前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【0013】
(5)ノンハロゲン難燃剤(B)として、ポリ燐酸アンモニウムと下記一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体とを併用したことを特徴とする前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
(式中、Xはモルホリノ基もしくはピペリジノ基を示し、Yはピペラジンの2価の基を示し、nは2〜50の整数である)。
【0014】
(6)組成物を基準として、ポリ燐酸アンモニウムを12〜25重量%および前記第5項に記載の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を5〜10重量%含有することを特徴とする前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【0015】
(7)ノンハロゲン難燃剤(B)として、ポリ燐酸アンモニウムとポリアミドとを併用したことを特徴とする前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【0016】
(8)ノンハロゲン難燃剤(B)として、ポリ燐酸アンモニウムと膨張性黒鉛とを併用したことを特徴とする前記1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【0017】
(9)ノンハロゲン難燃剤(B)として、有機リン酸エステルを用いたことを特徴とする前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【0018】
(10)ノンハロゲン難燃剤(B)として、ポリ燐酸アンモニウムと無機金属水和物とを併用したことを特徴とする前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物
【0019】
発明を実施するための最良の態様
本発明で用いる「ポリプロピレン」という用語はプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−オレフィンランダム共重合体、プロピレンーオレフィンブロック共重合体およびプロピレン単独重合体を意味し、「ポリエチレン」という用語はエチレン単独重合体およびエチレン重合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィンランダム共重合体を意味する。
【0020】
本発明のポリプロピレン組成物(A)を構成する(b)成分のポリエチレンは、固有粘度〔ηE〕が15〜100dl/g、好ましくは17〜50dl/gのポリエチレンであって、エチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン共重合体であり、固有粘度〔ηE〕を15dl/g以上にする必要があるため、好ましくはエチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を70重量%以上含有するエチレン−オレフィン共重合体、特に好ましくはエチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を90重量%以上含有するエチレン−オレフィン共重合体である。これらの(共)重合体は1種のみならず2種以上の(共)重合体の混合物であってもよい。
【0021】
ここで固有粘度とは、ポリエチレンおよびポリプロピレンのいずれの場合も、135℃のテトラリン溶液で測定した値である。
(b)成分のポリエチレンの固有粘度〔ηE〕が15dl/g未満であると、得られるポリプロピレン組成物(A)の溶融張力および結晶化温度の向上効果が不十分となる。また固有粘度〔ηE〕の上限については特に限定されないが、ポリプロピレンの固有粘度〔η〕との差が大きいと、組成物とした際に該ポリプロピレン中への該ポリエチレンの分散が悪くなり、結果として溶融張力が上昇しなくなる。さらに製造上の効率からも上限は100dl/g程度とするのがよい。
(b)成分のポリエチレンを構成するエチレンと共重合させるエチレン以外のオレフィンとしては、特に限定されないが、炭素数3〜12のオレフィンが好ましく用いられる。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらのオレフィンは1種のみならず2種以上であってもよい。
該ポリエチレンの密度については、特に制限はないが、具体的には0.880〜0.980g/cm3程度のものが好適である。
【0022】
本発明のポリプロピレン組成物(A)を構成する(a)成分のポリプロピレンは、プロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−オレフィン共重合体であり、好ましくはプロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−オレフィン共重合体であり、更に好ましくはプロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を70重量%以上含有するプロピレン−オレフィン共重合体である。これらの(共)重合体は1種のみならず2種以上の混合物であってもよい。
(a)成分のプロピレンーオレフィン共重合体を構成するプロピレンと共重合させるプロピレン以外のオレフィンとしては、特に限定されないが、炭素数2、4〜12のオレフィンが好ましく用いられる。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらのオレフィンは1種のみならず2種以上であってもよい。
【0023】
本発明で用いるポリプロピレン組成物(A)は、前記(a)成分のポリプロピレン100重量部に対して、前記(b)成分のポリエチレンを0.01〜5重量部、好ましくは0.10〜2重量部、特に好ましくは0.2〜1重量部、の割合で含有する。
(b)成分の割合が0.01重量部未満であると、得られるポリプロピレン組成物(A)の溶融張力の向上効果が低く、燃焼時のフレーミングドリップ性の改善効果が小さい。また、5重量部を超えると効果が飽和する他、得られるポリプロピレン組成物(A)の均質性が損なわれる場合がある。
【0024】
ポリプロピレン組成物(A)の溶融張力は1〜20cN、好ましくは2〜15cNである。溶融張力(MS)があまりにも大きいと最終組成物の成形性及び外観が悪化するため20cN以下が好ましく、また、1cNより小さいと燃焼時のフレーミングドリップ性が著しく悪化する。
溶融張力(MS)は、(株)東洋精機製作所製メルトテンションテスター2型を用いて、230℃に加熱した溶融ポリプロピレン組成物を直径2.095mmのノズルから20mm/minの速度で23℃の大気中に押し出してストランドとし、このストランドを4.71m/minの速度で引き取る際の、糸状ポリプロピレン組成物の張力を測定した値(単位:cN)である。
【0025】
本発明で用いるポリプロピレン組成物(A)の立体規則性については、特に制限はなく結晶性ポリプロピレンであれば、本発明の目的を達成するどのようなポリプロピレンであってもよい。具体的には13C−NMR(核磁気共鳴スペクト
ル)で測定したアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.80〜0.99、好ましくは0.85〜0.99、特に好ましくは0.90〜0.99の結晶性ポリプロピレン組成物である。
アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)とは、エイ ザンベリ(A.Zambelli)等によってマクロモレキュールズ(Macromolecules6,925(1973))に提案されたポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率であり、13C−NMRスペクトルの測定におけるピークの帰属決定法はエイ ザンベリ(A.Zambelli)等によってマクロモレキュールズ(Macromolecules8,687(1975))に提案された帰属に従って決定される。具体的には、ポリマー濃度20重量%のo−ジクロロベンゼン/臭化ベンゼン=8/2重量比の混合溶液を用い、67.20MHz、130℃にて測定される。測定装置としては、たとえばJEOL−GX270NMR測定装置(日本電子(株)製)が用いられる。
【0026】
ポリプロピレン組成物(A)の製造方法は組成物の溶融張力が本願発明の特性を満たしていれば格別な制限はないが、以下に詳述するエチレンもしくはエチレンとその他のオレフィンにより予備活性化された触媒の存在下に、プロピレンもしくはプロピレンとその他のオレフィンを(共)重合させる方法を採用することにより容易に製造することができる。
即ち、ポリプロピレン組成物(A)の製造方法としては、
少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分と、遷移金属原子1モルに対し0.01〜1,000モルの周期表(1991年版)第一族、第二族、第12族及び第13族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機金属化合物[AL1]、および遷移金属原子1モルに対し0〜500モルの電子供与体[Ed1]との組み合わせからなるポリオレフィン製造用触媒であって、固有粘度[nE]が15〜100dl/gであるポリエチレン(a−E)を遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01g〜5,000g担持型させ、かつ、固有粘度[η]が15dl/gより小さいポリプロピレン(a−P)を遷移金属化合物触媒1g当たり0.01〜100g担持させた予備活性化触媒の存在下に、プロピレンの単独重合もしくはプロピレンと炭素数2、4〜12のオレフィンとを共重合させて、プロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレンーオレフィン共重合体を得る方法を示すことができる。。
なお、重合方法は公知の触媒とプロセスを用いることができ、例えばチーグラー・ナッタ系触媒または公知の還元型もしくは担持型等の高活性触媒を用いてスラリー重合、溶液重合もしくは気相重合等による本(共)重合が可能であり、生成重合体のMFRは公知の水素添加法により調整することができる。
【0027】
本発明において「予備活性化」との用語は、ポリオレフィン製造用触媒の重合活性を、プロピレンもしくはプロピレンと他のオレフィンとの本(共)重合を実施するに先立って、予め活性化することを意味し、ポリオレフィン製造用触媒の存在下にエチレンまたはエチレンとその他のオレフィンとを予備(共)重合して触媒に担持させることにより行う。
【0028】
本発明で使用する予備活性化触媒は、少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分と、遷移金属原子1モルに対し0.01〜1,000モル(好ましくは0.05〜500モル)の周期表(1991年版)第1族、第2族、第12族および第13族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機金属化合物[AL1]、および遷移金属原子1モルに対し0〜500モル(好ましくは0〜100モル)の電子供与体[Ed1]との組み合わせからなるポリオレフィン製造用触媒、ならびに、この触媒に担持されたポリプロピレンとポリエチレンとからなり、該担持ポリプロピレンは固有粘度〔η〕が15dl/gより小さく、本(共)重合と同様組成のポリプロピレン(aーP)であり、遷移金属化合物成分1g当たり0.01〜100g担持され、該担持ポリエチレンは固有粘度〔η〕が15〜100dl/gのポリエチレン(a−E)であり、遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜5,000g担持されている。
前記予備活性化触媒において、遷移金属化合物触媒成分として、ポリオレフィン製造用として提案されている少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分を主成分とする公知の触媒成分のいずれをも使用することができ、中でも工業生産上、チタン含有固体触媒が好適に使用される。
【0029】
チタン含有固体触媒成分としては、三塩化チタン組成物を主成分とするチタン含有固体触媒成分(特公昭56−3356号公報、特公昭59−28573号公報、特公昭63−66323号公報等)、マグネシウム化合物に四塩化チタンを担時した、チタン、マグネシウム、ハロゲン、および電子供与体を必須成分とするチタン含有担持型触媒成分(特開昭62−104810号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭62−104812号公報、特開昭57−63310号公報、特開昭57−63311号公報、特開昭58−83006号公報、特開昭58−138712号公報等)などが提案されており、これらのいずれをも使用することができる。
【0030】
有機金属化合物[AL1]としては、周期表(1991年版)第1族、第2族、第12族および第13族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機基を有する化合物、たとえば、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物などを、前記遷移金属化合物触媒成分と組み合わせて使用することができる。
特に、一般式がAlR1pR2qX3−(p+q)(式中、R1およびR2は、互いに独立してアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基およびアルコキシ基を示し、Xはハロゲン原子を示し、pおよびqは0<p+q≦3の整数を表わす)で表わされる有機アルミニウム化合物を好適に使用することができる。
【0031】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−i−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−i−ブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライドなどの他ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコキシアルキルアルミニウム挙げることができ、好ましくは、トリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムモノハライドを挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は、1種のみならず2種類以上を併用することもできる。
【0032】
電子供与体[Ed1]は、ポリオレフィンの生成速度および/または立体規則性を制御することを目的として必要に応じて使用される。該電子供与体[Ed1]として、たとえば、エーテル類、アルコール類、エステル類、アルデヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、尿素およびチオ尿素類、イソシアネート類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホスファイト類、ホスフィナイト類、硫化水素およびチオエーテル類、ネオアルコール類、シラノール類などの分子中に酸素、窒素、硫黄、燐のいずれかの原子を有する有機化合物および分子中にSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物などが挙げられる。
【0033】
エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−i−アミルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−i−ヘキシルエーテル、ジ−nオクチルエーテル、ジ−i−オクチルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が、アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペントノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等が、またフェノール類として、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ナフトール等が挙げられる。
【0034】
エステル類としては、メタクリル酸メチル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸−n−プロピル、酢酸−i−プロピル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、酢酸−n−ブチル、酢酸オクチル、酢酸フェニル、プロピオン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸−2−エチルヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アニス酸プロピル、アニス酸フェニル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸メチル、ナフトエ酸エチル、ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチル、ナフトエ酸−2−エチルヘキシル、フェニル酢酸エチル等のモノカルボン酸エステル類、コハク酸ジエチル、メチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル等の脂肪族多価カルボン酸エステル類、フタル酸モノメチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸モノ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−i−ブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、i−フタル酸ジエチル、i−フタル酸ジプロピル、i−フタル酸ジブチル、i−フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチル、ナフタレンジカルボン酸ジ−i−ブチル等の芳香族多価カルボン酸エステル類が挙げられる。
【0035】
アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が、カルボン酸類として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、修酸、コハク酸、アクリル酸、マレイン酸、吉草酸、安息香酸などのモノカルボン酸類および無水安息香酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などの酸無水物が、ケトン類として、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、ベンゾフェノン等が例示される。
【0036】
窒素含有化合物としては、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、メチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、β(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、ピリジン、キノリン、α−ピコリン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,2,5,6−テトラメチルピペリジン、2,2,5,5,テトラメチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、ジメチルアニリン等のアミン類、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチル−N’−β−ジメチルアミノメチルリン酸トリアミド、オクタメチルピロホスホルアミド等のアミド類、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素等の尿素類、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート等のイソシアネート類、アゾベンゼン等のアゾ化合物類が例示される。
【0037】
リン含有化合物としては、エチルホスフィン、ジ−n−オクチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド等のホスフィン類、ジメチルホスファイト、ジ−n−オクチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等のホスファイト類が例示される。
硫黄含有化合物としては、ジエチルチオエーテル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオエーテル等のチオエーテル類、エチルチオアルコール、n−プロピルチオアルコール、チオフェノール等のチオアルコール類が挙げられ、さらに、有機ケイ素化合物として、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等のシラノール類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、2−ノルボルニルメチルジメトキシシラン等の分子中にSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等が挙げられる。これらの電子供与体は、1種のみならず2種類以上を混合して使用することができる。
【0038】
本発明において、予備活性化触媒は、前記少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分と、有機金属化合物[AL1]および所望により使用される電子供与体[Ed1]との組み合わせからなるポリオレフィン製造用触媒を、重合容積1リットル当たり、触媒成分中の遷移金属原子に換算して0.001〜5,000ミリモル、好ましくは0.01〜1,000ミリモル存在させ、溶媒の不存在下または遷移金属化合物触媒成分1gに対し100リットルまでの溶媒中において、本(共)重合目的と同様の組成のプロピレンもしくはプロピレンとその他のオレフィンとの混合物0.01〜500gを供給して予備(共)重合させて、遷移金属化合物触媒成分1gに対し0.01〜100gのポリプロピレン(aーP)を生成させ、次いでエチレンもしくはエチレンとその他のオレフィンとの混合物0.01g〜10,000gを供給して予備活性化(共)重合させて遷移金属化合物触媒成分1gに対し0.01〜5,000gのポリエチレン(a−E)を生成させることにより、遷移金属化合物触媒成分にポリプロピレン(aーP)およびポリエチレン(a−E)が被覆担持された触媒である。
ここで「重合容積」の用語は、液層重合の場合には重合器内の液相部分の容積を、気相重合の場合には重合器内の気相部分の容積を意味する。
【0039】
遷移金属化合物触媒成分の使用量は、プロピレンの効率的、かつ制御された(共)重合反応速度を維持する上で前記範囲であることが好ましい。また、有機金属化合物[AL1]の使用量が、少なすぎると(共)重合反応速度が遅くなりすぎ、また大きくしても(共)重合反応速度のそれに見合う上昇が期待できないばかりか、最終的に得られるポリプロピレン組成物中に有機金属化合物[AL1]の残さが多くなるので好ましくない。さらに、電子供与体[Ed1]の使用量が大きすぎると、(共)重合反応速度が低下する。溶媒使用量が大きすぎると、大きな反応容器を必要とするばかりでなく、効率的な(共)重合反応速度の制御及び維持が困難となる。
【0040】
予備活性化触媒において、ポリエチレン(a−E)は、固有粘度〔η1〕が15〜100dl/g、好ましくは17〜50dl/gの範囲のエチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位が50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以下であるエチレンと炭素数3〜12のオレフィンとの共重合体であり、最終的にはポリプロピレン組成物(A)の(b)成分であるポリエチレンを構成する。したがって、(b)成分のポリエチレンの固有粘度〔ηE〕とポリエチレン(a−E)の固有粘度〔η1〕とは、〔ηE〕=〔η1〕の関係にある。
ポリエチレン(a−E)の遷移金属化合物触媒成分1g当たりの担持量は0.01〜5,000g、好ましくは0.05〜2,000g、さらに好ましくは0.1〜1,000gである。遷移金属化合物触媒成分1g当たりの担持量が0.01g未満では、本(共)重合で最終的に得られるポリプロピレン組成物の溶融張力および結晶化温度の向上効果が不十分であり、また5,000gを越える場合にはそれらの効果の向上が顕著でなくなるばかりでなく、最終的に得られるポリプロピレン組成物が不均質なものになる場合があるので好ましくない。
【0041】
一方、ポリプロピレン(aーP)は、固有粘度〔η〕が15dl/gより小さく、本(共)重合で目的とする(a)成分のポリプロピレンと同一組成のポリプロピレンであり、最終的にはポリプロピレン組成物 (A)の(a)成分であるポリプロピレンの一部として組み入られる。ポリプロピレン(aーP)は、最終的に得られるポリプロピレン組成物(A)中へのポリエチレン(a−E)の分散性を付与する成分であり、その意味からもその固有粘度〔η〕は、ポリエチレン(a−E)の固有粘度〔η1〕より小さく、最終的に得られるポリプロピレン組成物(A)の固有粘度〔η〕より大きいことが好ましい。
ポリプロピレン(aーP)の遷移金属化合物触媒成分1g当たりの担持量は0.01〜100g、換言すれば最終的に得られるポリプロピレン組成物(A)基準で0.001〜1重量%の範囲が好適である。ポリプロピレン(aーP)の担持量が小さいと目的とするポリプロピレン組成物(A)中へのポリエチレン(a−E)の分散性が不十分となり、また大きすぎるとポリエチレン(a−E)がポリプロピレン組成物(A)の溶融粘度を高めるという効果が飽和してしまうばかりでなく、予備活性化触媒の製造効率の低下を招く。
【0042】
予備活性化処理は、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、他にガソリン留分や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒、オレフィン自身を溶媒とした液相中で行いことができ、また溶媒を用いずに気相中で行うことも可能である。
予備活性化処理は、水素の存在下においても実施できるが、固有粘度〔η1〕が15〜100dl/gの高分子量のポリエチレン(a−E)を生成させるためには、水素は用いないほうがよい。
【0043】
予備活性化処理において、本(共)重合と同様の組成のプロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとの混合物を用いて行う予備重合の反応条件は、ポリプロピレン(a−P)が遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01g〜100g生成する条件であればよく、通常、−40℃〜100℃の温度下、0.1MPa〜5MPaの圧力下で、1分〜24時間実施する。またエチレンまたはエチレンとその他のオレフィンとの混合物による予備活性化の反応条件は、ポリエチレン(a−E)が遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜5,000g、好ましくは0.05〜2,000g、さらに好ましくは0.1〜1,000gの量で生成するような条件であれば特に制限はなく、通常、−40℃〜40℃、好ましくは−40℃〜30℃、さらに好ましくは−40℃〜20℃程度の比較的低温度下、0.1MPa〜5MPa、好ましくは0.2MPa〜5MPa、特に好ましくは0.3MPa〜5MPaの圧力下で、1分〜24時間、好ましくは5分〜18時間、特に好ましくは10分〜12時間の反応時間である。
【0044】
また、前記予備活性化処理後に、予備活性化処理による本(共)重合活性の低下を抑制することを目的として、本(共)重合と同様の組成のプロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとの混合物を用い、遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜100gのポリプロピレンを生成させる付加重合を行ってもよい。この場合、有機金属化合物[AL1]、電子供与体[Ed1]、溶媒の種類と使用量はエチレンまたはエチレンとその他のオレフィンとの混合物による予備活性化重合と同様な範囲で行うことができるが、遷移金属原子1モル当たり0.005〜10モル、好ましくは0.01〜5モルの電子供与体[Ed1]の存在下に行うのが好ましい。また、反応条件は、−40〜100℃の温度下、0.1〜5MPaの圧力下で、1分から24時間実施する。
付加重合で生成するポリプロピレンの固有粘度〔η〕は、ポリエチレン(a−E)の固有粘度〔η1〕より小さな範囲であり、最終的には本(共)重合後の(a)成分のポリプロピレンの一部として組み入れられる。
予備活性化触媒は、そのままで、または追加の有機金属化合物[AL2]及び電子供与体[Ed2]をさらに含有させて、目的のポリプロピレン組成物(A)を得るための炭素数2〜12のオレフィンの本(共)重合用の触媒として使用することができる。
【0045】
前記オレフィン本(共)重合用触媒は、前記予備活性化触媒、予備活性化触媒中の遷移金属原子1モルに対し有機金属化合物[AL2]を活性化触媒中の有機金属化合物[AL1]との合計[AL1+AL2]で0.05〜3,000モル、好ましくは0.1〜1,000モル、および活性化触媒中の遷移金属原子1モルに対し電子供与体[Ed2]を予備活性化触媒中の電子供与体[Ed1]との合計[Ed1+Ed2]で0〜5,000モル、好ましくは0〜3,000モルからなる。
【0046】
有機金属化合物の含有量[AL1+AL2]が小さすぎると、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンの本(共)重合における(共)重合反応速度が遅すぎ、一方過剰に大きくしても(共)重合反応速度の期待されるほどの上昇は認められず非効率的であるばかりではなく、最終的に得られるポリプロピレン組成物中に残留する有機金属化合物残さが多くなる。さらに電子供与体の含有量[Ed1+Ed2]が過大になると(共)重合反応速度が著しく低下する。
【0047】
オレフィン本(共)重合用触媒に必要に応じて追加使用される有機金属化合物[AL2]および電子供与体[Ed2]としては、既述の有機金属化合物[AL1]および電子供与体[Ed1]と同様なものを使用することができる。また、1種の単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。また予備活性化処理の際に使用したものと同種でも異なっていてもよい。
オレフィン本(共)重合用触媒は、前記予備活性化触媒中に存在する溶媒、未反応のオレフィン、有機金属化合物[AL1]、および電子供与体[Ed1]等を濾別またはデカンテーションして除去して得られた粉粒体もしくはこの粉粒体に溶媒を添加した懸濁液と、追加の有機金属化合物[AL2]および所望により電子供与体[Ed2]とを組み合わせてもよく、また、前記予備活性化触媒中に存在する溶媒および未反応のオレフィンを減圧蒸留または不活性ガス流等により蒸発させて除去して得た粉粒体または粉粒体に溶媒を添加した懸濁液と、所望により有機金属化合物[AL2]及び電子供与体[Ed2]とを組み合わせてもよい。
【0048】
本発明の請求項2に記載のポリプロピレン組成物(A)の製造方法において、前記予備活性化触媒もしくはオレフィン本(共)重合用触媒の使用量は、重合容積1リットルあたり、予備活性化触媒中の遷移金属原子に換算して、0.001〜1,000ミリモル、好ましくは0.005〜500ミリモル使用する。遷移金属化合物触媒成分の使用量を上記範囲とすることにより、プロピレンまたはプロピレンと他のオレフィンとの混合物の効率的かつ制御された(共)重合反応速度を維持することができる。
【0049】
本発明におけるプロピレンもしくはプロピレンとその他のオレフィンとの混合物の本(共)重合は、その重合プロセスとして公知のオレフィン(共)重合プロセスが使用可能であり、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、他にガソリン留分や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒中で、オレフィンの(共)重合を実施するスラリー重合法、オレフィン自身を溶媒として用いるバルク重合法、オレフィンの(共)重合を気相中で実施する気相重合法、さらに(共)重合して生成するポリオレフィンが液状である液相重合法もしくはこれらの重合法の2以上を組み合わせた重合プロセスを使用することもできる。
【0050】
上記のいずれの重合プロセスを使用する場合も、重合条件として、重合温度は20〜120℃、好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜100℃の範囲、重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは0.3〜5MPaの範囲において、連続的、半連続的、若しくはバッチ的に重合時間は5分間〜24時間程度の範囲が採用される。上記の重合条件を採用することにより、(a)成分のポリプロピレン(aーP)を高効率かつ制御された反応速度で生成させることができる。
【0051】
本発明のポリプロピレン組成物(A)の製造方法のより好ましい態様においては、本(共)重合において生成するポリプロピレンおよび最終的に得られるポリプロピレン組成物のMFR[230℃;21.18N]が0.1〜50g/10min、好ましくは0.3〜30g/10min、より好ましくは0.3〜20g/10minの範囲となるように、かつ得られるポリプロピレン組成物(A)中に予備活性化触媒に由来するポリエチレン(a−E)が0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%より好ましくは0.2〜1重量%の範囲となるように重合条件を選定する。MFRの調整は、公知のオレフィンの重合方法と同様に、水素添加法により行うことができる。
【0052】
本(共)重合の終了後、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残さ除去工程、乾燥工程等の後処理工程を経て、目的とする高溶融張力および高結晶化温度を有するポリプロピレン組成物(A)が最終的に得られる。
本発明の請求項2に記載のポリプロピレン組成物(A)の製造方法においては、高分子量のポリエチレン(a−E)を予備活性化工程によって生成させ、最終的に得られるポリプロピレン組成物(A)中に均一分散させる方法を採用しているので、予備活性化触媒の必要量をまとめて調製することが可能であり、かつ、プロピレンもしくはプロピレンとその他のオレフィンとの本(共)重合では既存のプロセスを用いて通常のオレフィン(共)重合を実施すればよいので、通常のポリオレフィン製造と比較して同等の生産量を維持することができる。
該予備活性化触媒を使用するポリプロピレン組成物(A)の製造方法を採用することにより、前記の230℃における溶融張力(MS)、MFR[230℃;21.18N]、密度および融点を満足する結晶性ポリプロピレン組成物(A)が容易に得られる。
【0053】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物に用いるノンハロゲン難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等の水和金属化合物、赤リン、ポリリン酸アンモニウム等の無季リン系化合物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ビスフェノール−A−ビスジフェニルホスフェート、レゾルシノール−ビスジフェニルホスフェート等の有機リン酸エステル化合物、1、3、5―トリアジン誘導体、メラミン誘導体、グアナミン誘導体、グアニジン誘導体等の含チッソ有機化合物を例示できる。
これらの難燃剤は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。さらに、これらの難燃剤には、膨張黒鉛、ポリアミド、金属酸化物、多価アルコール等の難燃助剤を併用することができる。
上記の化合物の中で、好ましい難燃剤として、ポリ燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アンモニウムと1、3、5―トリアジン誘導体との組合せ、ポリ燐酸アンモニウムとポリアミドとの組合せ、ポリ燐酸アンモニウムと膨張性黒鉛との組合せ、ポリ燐酸アンモニウムと含チッソ有機化合物および金属酸化物との組合せを例示できる。
【0054】
好ましいポリ燐酸アンモニウムとして、ポリ燐酸アンモニウム、メラミン変性ポリ燐酸アンモニウム、および被覆ポリ燐酸アンモニウムを挙げることができる。これらポリ燐酸アンモニウムは市販品として入手でき、該市販品としては例えばスミセーフP(商品名、住友化学工業(株)製)、スミセーフPM(商品名、住友化学工業(株)製)、ホスチェックP/30(商品名、モンサンド社製)、ホスチェックP/40(商品名、モンサンド社製)、テラージュC60(チッソ(株)製)、テラージュC70(チッソ(株)製)、を挙げることができる。
【0055】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物においては、該ポリ燐酸アンモニウムの配合割合は、組成物に対して12〜25重量%である。該配合割合が12重量%未満ではUL94燃焼試験(1/32インチ肉厚)でランクV−0の難燃性を達成する組成物が得られず、また、25重量%を超えて配合してもそれ以上の難燃性の向上効果が得られないのみならず、該ポリ燐酸アンモニウムに起因して吸湿性が増大することがある。
【0056】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物では、基盤樹脂として前述の高溶融張力および高結晶化温度を有するポリプロピレン組成物(A)を使用することにより、通常ポリオレフィン樹脂に使用される難燃剤の量の60重量%以下の配合量で、UL94燃焼試験(1/32インチ肉厚)でランクV−0の難燃性を達成することができる。
【0057】
好ましい含チッソ有機化合物として下記の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を例示できる。
(式中、Xはモルホリノ基もしくはピペリジノ基を示し、Yはピペラジンの2価の基を示し、nは2〜50の整数である)。
これら1,3,5−トリアジン誘導体はポリ燐酸アンモニウムと併用することによりさらに優れた難燃効果を発揮する。
【0058】
これら1.3.5−トリアジン誘導体の具体例としては、2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンのオリゴマーもしくはポリマー、および2−ピペラジニレン−4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジンのオリゴマーもしくはポリマーを挙げることがでひる。これら1,3,5−トリアジン誘導体の配合割合は、難燃性組成物を基準にして5〜10重量%である。該配合割合が5重量%未満ではUL94燃焼試験(1/32インチ肉厚)でランクV−0が達成できず、又10重量%を越えて配合してもそれ以上の難燃性の向上効果が得られない。
【0059】
1,3,5−トリアジン誘導体の1種である上述の2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンのオリゴマーもしくはポリマーは、例えば次の方法によって得ることができる。すなわち、等モルの2,6−ジハロ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン(例えば2,6−ジクロロ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン)とピペラジンとを有機もしくは無機塩基(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等)の存在下にキシレンなどの不活性溶媒中で加熱下好ましくは該不活性溶媒の沸点下で反応させ、反応終了後、該反応混合物を濾過して副生成物の塩を分離、除去し、沸騰水で洗浄して乾燥することによって得ることができる。
【0060】
2−ピペラジニレン−4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジンのオリゴマーもしくはポリマーは、例えば次の方法によって得ることができる。すなわち、等モルの2,6−ジハロ−4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジン(例えば2,6−ジクロロ−4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジンもしくは2,6−ジブロモ−4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジン)とピペラジンとを有機もしくは無機塩基(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等)の存在下にトリイソプロピルベンゼンのような不活性溶媒を用いて加熱下好ましくは該不活性溶媒の沸点下に反応させ、反応終了後、該反応混合物を濾過して副生成物の塩を分離除去した後、沸騰水で洗浄し、乾燥することによって得ることができる。
【0061】
難燃助剤として用いるポリアミドとしては、脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミドのいずれもでも良く、具体的には、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−6・10、ナイロン−12、ナイロンAHBA/−6、ナイロンTHDTを例示でき、いずれも市販品として入手できる。これらのポリアミドはポリリン酸アンモニウムに対して1/2量から3倍量添加することで好ましい難燃効果が得られる。
【0062】
なお、本発明の難燃性ポリオレフィン組成物(C)に対して、上述の難燃剤に加えて、ポリプロピレン用に一般に使用されている各種の安定剤や添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
そのような安定剤や添加剤として、具体的には下記の化合部物を例示できる:ビス(2,6ージーtーブチル−4ーメチルフェニル)ペンタエリスリトールージーフォスファイト、ジーステアリル−ペンタエリスリトールージーフォスファイト、ビス(2,4−ジーtーブチルフェニル)ペンタエリスリトールージーフォスファイト、トリス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4・ジターシャリブチルフェニール)4,4’−ビフェニレンジフォスファイト等のリン系酸化防止剤、2.6−ジーt−ブチルーpークレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4ーヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5ートリメチルー2,4,6−トリス(3,5−ジーtーブチルー4ーハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5ージーtーブチルー4ーハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤。ジーステアリルーββ’−チオージープロピオネート、ジーミリスチルーββ’−チオージープロピオネート、ジーラウリルーββ’−チオージープロピオネート等のチオ系酸化防止剤、カルシウムステアレート、ハイドロタルサイト(商品名:共和化学工業(株))等の中和剤、2ーヒドロキシー4ーnーオクトキシベンゾフェノン、2−(2’ヒドロキシー3’、5’ージーt−ブチルフェニル)ー5ークロロベンゾトリアゾール、2−(2’ヒドロキシー3’ーtーブチルー5’ーメチルフェニル)ー5ークロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、nーヘキサデシルー3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシベンゾエート、2,4ージーtーブチルフェニルー3’,5’ージーtーブチルー4’ーヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルー4ーピペリジン)セバケート、コハク酸ジメチル2ー(4ーヒドロキシー2,2,6,6ーテトラメチルー1ーペリピリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6ー〔(1,1,3,3ーテトラメチルブチル)アミノ〕ー1,3,5−トリアジンー2,4ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチルー4ーピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチルー4ーピペリジル)イミノ〕}、N,N’ービス(3ーアミノプロピル)エチレンジアミンー2,4−ビス〔NーブチルーNー(1,2,2,6,6ーペンタメチルー4ーピペリジル)アミノ〕ー6ークロロー1,3,5−トリアジン縮合物等の耐光剤、銅害防止剤等の金属不活性化剤、帯電防止剤、着色剤及びそれを分散させる目的のワックス系及び脂肪酸金属塩等の分散剤、結晶核剤、一般のポリプロピレン(ランダムコポリマー及びブロックコポリマー)、ポリエチレン、オレフィン系エラストマー等の添加剤等である。
【0063】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は上記の各成分を混合して得られる。これらの各成分の混合には、例えばヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサーなどの高速撹拌機付混合機、リボンブレンダー、タンブラーミキサーなどの通常の混合装置を使用すればよい。また、溶融混線を必要とする場合には通常の単軸押出機または二軸押出機などで溶融混線、押出してペレタイズすることによりペレットとして得ることもできる。混練温度は170〜220℃が一般的である。
【0064】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物を使用して成形品を得るには、難燃性を損なわないようにするため、難燃剤の分解温度を考慮した成形温度を選定することが重要である。通常は、射出成形機、あるいは押出機の加工温度を170〜220℃に設定する。なお、射出成形では、MFR(230℃;21.18N)が3〜50g/10min、好ましくは5〜20g/10min、より好ましくは8〜15g/10minの材料を用いる。また押出成形で中空成形品及びシートを成形する場合は、MFR(230℃;21.18N)が0.1〜4g/10min、好ましくは0.3〜3g/10minの材料を使用する。
【0065】
(実施例)
以下に実施例、比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例により制約されるものではない。なお、以下の実施、比較例で用いた特性の評価方法は下記の方法で行った。
【0066】
(1)結晶融点(略号Tm):走査型差動熱量計(略称:DSC)を用いて窒素雰囲気下で10mgの試料を室温(23℃)より昇温速度20℃/分で加熱し、結晶の融解に伴なう吸熱カーブのピーク温度(単位℃)を測定する。
【0067】
(2)密度:JIS K7112(1980)試験条件D法(密度勾配管法)に基づいて測定する。(単位 g/cm3)
【0068】
(3)MFR:JIS K7210の試験条件14(230℃;21.18N)に基づいて測定する(単位 g/10min)。
【0069】
(4)固有粘度[η]:135℃の温度条件下、溶媒としてテトラリンを用い、三井東圧社製自動粘度測定装置AVS2型を使用して測定する(単位 dl/g)。
【0070】
(5)難燃性:射出成形法により作成した127×12.7×0.8mmの試験片を用い、米国のUL規格であるUL94の垂直燃焼試験法に準拠して試験を行い難燃性(ランク)を評価する。
【0071】
(6)綿着火性(フレーミングドリップ性):UL94の垂直燃焼試験に於いて、燃焼時に溶融し、滴下する樹脂により、試験片直下に置いてある脱脂綿への着火の有無を観察する。5本の試験片で測定し脱脂綿に着火した本数を記載する。
【0072】
(7)剛性:JIS K7203の試験法に準じ、試験片寸法(100×10×4mm)、曲げ速度1.5mm/minで曲げ弾性率を測定する。
【0073】
(8)アイゾット衝撃強度;JIS K6758に準拠して測定する
【0074】
(9)成形性(中空成形品):成形温度210℃、均一なパリソン肉厚で長さ700mm、重量1200gのパリソンを押し出し、製品重量580gの中空成形品を成形したときの、パリソンのドローダウン性を評価する(◎=ドローダウンが殆どない成形ができる、○=僅かにドローダウンが見られるが製品として問題なし、△=成形可能であるがドローダウンが生じ成形品肉厚が変動する。×=ドローダウンが大きく成形不可、と記録する)。
【0075】
(10)溶融張力(MS):(株)東洋精機製作所製のメルトテンションテスター2型を用い、230℃に加熱された溶融ポリプロピレン組成物を直径2.095mmのノズルから20mm/minの速度で23℃の大気中に押し出してストランドとし、このストランドを4.71m/minの速度で引き取る際の、糸状ポリプロピレン組成物の張力を測定する(単位:cN)。
【0076】
(11)分子量分布:GPC(ウォーターズ社製、150C型)を用いて測定した重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表す。
【0077】
実施例及び比較に用したポリプロピレン樹脂組成物および難燃剤は、下記の通り略記する。
【0078】
〔ポリプロピレン組成物(A)〕
A−1:プロピレン単独重合体100重量部に対し、固有粘度[ηE]=36dl/gのポリエチレンを0.29重量部含有してなる、MFR=8.9g/10min、結晶融点(Tm)=165℃、分子量分布(Mw/Mn)=4.6、密度=0.901g/cm3、溶融張力3.1cNのポリプロピレン組成物。
A−2:プロピレン重合単位が88重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対し、固有粘度[ηE]=43dl/gのポリエチレンを0.88重量部含有してなる、MFR=7.5g/10min、結晶融点(Tm)=163℃、分子量分布(Mw/Mn)=8.2、密度=0.901g/cm3、溶融張力4.3cNのポリプロピレン組成物。
A−3:プロピレン重合単位が84重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対し、固有粘度[ηE]=31dl/gのポリエチレンを0.70重量部含有してなる、MFR=31.5g/10min、結晶融点(Tm)=163℃、分子量分布(Mw/Mn)=8.6、密度=0.901g/cm3、溶融張力1.9cNのポリプロピレン組成物。
A−4:プロピレン重合単位が87重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、固有粘度[ηE]=10.5dl/gのポリエチレンを0.19重量部含有してなる、MFR=12.4g/10min、結晶融点(Tm)=163℃、分子量分布(Mw/Mn)=6.6、密度=0.901g/cm3、溶融張力0.6cNのポリプロピレン組成物。
A−5:MFR=8.7g/10min、結晶融点(Tm)=163℃、分子量分布(Mw/Mn)=5.7、密度=0.902g/cm3、、溶融張力0.5cN、プロピレン重合単位が88重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
A−6:プロピレン重合単位が84重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、固有粘度[ηE]=41dl/gのポリエチレンを0.72重量部含有してなる、MFR=1.6g/10min、結晶融点(Tm)=162℃、分子量分布(Mw/Mn)=8.6、密度=0.901g/cm3、溶融張力7.3cNのポリプロピレン組成物。
A−7:プロピレン重合単位が88重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、固有粘度[ηE]=34dl/gのポリエチレンを0.29重量部含有してなる、MFR=0.61g/10min、結晶融点(Tm)=163℃、分子量分布(Mw/Mn)=7.6、密度=0.901g/cm3、溶融張力17.2cNのポリプロピレン組成物。
A−8:MFR=0.96g/10min、結晶融点(Tm)=164℃、分子量分布(Mw/Mn)=6.6、密度=0.901g/cm3、、溶融張力2.3cN、プロピレン重合単位が87重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
【0079】
〔難燃剤(B)〕
B―1:ポリ燐酸アンモニウム
B―2:2―ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンのポリマー(一般式(1)においてn=11のもの)
B―3;2−ピペラジニレン−4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジンのポリマー(一般式(1)においてn=11のもの)
【0080】
(実施例1〜4、比較例1〜5)
後述の表1に記載した割合で基盤樹脂、ポリ燐酸アンモニウム、および1、3、5―トリアジン誘導体を配合した組成物に、更に、酸化防止剤として2、6―ジーt―ブチルーP―クレゾールを組成物に対して0.15重量%、ジーミリスチルーβ,β―チオジプロピオネートを0.2重量%並びに中和剤としてハイドロタルサイトを0.1重量%の割合で添加し、ヘンシェルミキサー(商品名)で3分間攪拌して均一に混合した後、得られた混合物を210℃に設定した押出機を用いて溶融混練し、押し出されたストランドを冷却、カットしてペレット状の組成物を得た。得られたペレットを用いて所定の試験片を作成し、曲げ弾性率、自己消火時間、綿着火性およびUL94燃焼試験による評価を行った。その結果を表1に示した。
【0081】
(実施例5〜8、比較例6、7)
後述の表2に記載した割合で基盤樹脂、ポリ燐酸アンモニウム、および1,3,5−トリアジン誘導体を配合した組成物に、更に、酸化防止剤として2、6―ジーt―ブチルーP―クレゾールを組成物に対して0.15重量%、ジーミリスチルーβ,β―チオジプロピオネートを0.2重量%並びに中和剤としてハイドロタルサイトを0.1重量%の割合で添加し、ヘンシェルミキサー(商品名)で3分間攪拌して均一に混合した後、得られた混合物を210℃に設定した押出機を用いて溶融混練し、押し出されたストランドを冷却、カットしてペレット状の組成物を得た。得られたペレットを用いて所定の試験片を作成し、曲げ弾性率、自己消火時間、綿着火性およびUL94燃焼試験による評価を行った。その結果を表2に示した。
【0082】
【0083】
【0084】
上記表1に示した例は射出成形用の難燃性ポリオレフィン組成物である。
実施例1は(a)成分にプロピレン、単独重合体を用いた本発明のポリプロピレン組成物(A)を用いているため、特に剛性が高い。また実施例2〜4では(a)成分にプロピレンーエチレンブロック共重合体を使用した、耐衝撃性の優れた組成物である。何れも自己消火時間が短く、綿着火性もなく、UL94燃焼試験(1/32インチ肉厚)でランクVー0であり、優れた難燃性を示す。これに対し、比較例1〜5は、基盤樹脂に本発明の範囲外のポリプロピレン樹脂組成物を用いた例である。比較例1、2はエチレン重合体の固有粘度[ηE]が請求範囲外の射出成形用組成物であるため、溶融張力が小さく、フレーミングドリップ性の改善効果も小さく、実施例と同一難燃剤添加量で比較すると、何れのものも綿着火性が悪く、UL94燃焼試験(1/32インチ肉厚)でランクVー2であった。
【0085】
比較例3〜5は本発明の範囲外のプロピレン−エチレンブロック共重合体を基盤樹脂として用いた例である。比較例3、4は溶融張力が小さく、フレーミングドリップ性が劣り、難燃性クラスはVー2であった。但し、比較例5では難燃剤の配合量を増すことにより綿着火性は改善され、難燃性もランクVー0を確保できたが、アイゾット衝撃強度が低くなり物性のバランスが悪く、又、高価な難燃剤の増量は経済的に好ましいものでない。
表2に示した例は中空押出成形用に適したMFRを有する難燃性ポリオレフィン組成物である。
【0086】
実施例5〜8は基盤樹脂に本発明のポリプロピレン組成物(A)を使用したもので、綿着火も無く、UL94燃焼試験(1/32インチ肉厚)もランクVー0と良好である。また、溶融パリソンの耐ドローダウン性(成形性)に極めて優れ、偏肉の少ない中空成形品を得ることができる。比較例6、7は基盤樹脂が本発明の請求範囲外の樹脂であり、中空成形品に要求される耐ドローダウン性が劣り、成形品の上下にわたって偏向が大きく、用途的に大幅な制限を受ける。またフレーミングドリップ性が劣り燃焼性も悪い。
【0087】
産業上の利用可能性
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は、基盤樹脂に溶融張力の極めて高い特定のポリプロピレン組成物(A)を使用することにより、燃焼時に於けるフレーミングドリップ性が少なく、従来のポリプロピレンを使用した組成物に比べ、極めて優れた難燃性を示すポリオレフィン組成物であり、難燃剤の添加量も少なくてよいのでポリプロピレン本来の優れた機械的物性を保持することが可能である。また、溶融張力に優れることから中空成形品の用途等にも好適に使用でき、さらに加工時や燃焼時に腐食性のガスや有毒性のガスの発生もないため、家電製品、工業製品等の各種の用途に好適に使用できる。
Claims (3)
- ポリプロピレン組成物(A)を基盤樹脂とし、この基盤樹脂にハロゲン原子を含有していない難燃剤(B)(以下、ノンハロゲン難燃剤(B)という)を配合してなる難燃性ポリオレフィン組成物であって、
ポリプロピレン組成物(A)は、少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分と、遷移金属原子1モルに対し0.01〜1,000モルの周期表第1族、第2族、第12族及び第13族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機金属化合物[AL1]および遷移金属原子1モルに対し0〜500モルの電子供与体[Ed1]との組合せからなるポリオレフィン製造用触媒であって、固有粘度[η]が15dl/gより小さいポリプロピレン(a−P)を触媒の遷移金属化合物成分1g当たり0.01〜100gと、固有粘度[ηE]が15〜100dl/gであるポリエチレン(a−E)を遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01g〜5,000gとを担持させてなる予備活性化触媒の存在下に、プロピレンの単独重合もしくはプロピレンと炭素数2、4〜12のオレフィンとを共重合させることにより得られる、(a)プロピレン単独重合体もしくはプロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−オレフィン共重合体100重量部に対して、(b)固有粘度[ηE]が15〜100dl/gであるエチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン共重合体を0.01〜5重量部の割合で含有し、該組成物(A)のメルトフローレート(以下MFRという)[230℃;21.18N]が0.1〜50g/10min、融点(Tm)が150〜167℃、密度が0.895〜0.910g/cm 3 、230℃における溶融張力が1cN〜20cNであり、及び
ノンハロゲン難燃剤(B)として、組成物を基準として、12〜25重量%のポリ燐酸アンモニウムと、5〜10重量%の下記一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を含有することを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物。
- 難燃性ポリオレフィン組成物がMFR4〜50g/10minの射出成形用組成物である請求項1記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
- 難燃性ポリオレフィン組成物がMFR0.1〜4g/10minの中空成形用または押出成形用の組成物である請求項1記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
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