JP4389287B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク、光磁気ディスク、光カードなどの光記憶媒体上の光学情報を記録・再生する光ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高密度・大容量の記憶媒体として、ピット状パターンを有する光ディスクや、光相変化材料を用いた光ディスク、または光磁気ディスクを用いる光メモリ技術は、ディジタルオーディオディスク、ビデオディスク、文書ファイルディスク、さらにはデータファイルなどに広く利用されている。この光メモリ技術では、情報は微小に絞られた光ビームを介して光ディスクへ高い精度と信頼性をもって記録再生される。この記録再生動作は、ひとえにその光学系に依存している。
【0003】
その光学系の主要部である光ヘッド装置の基本的な機能は、回折限界の微小スポットを形成する収束、前記光学系の焦点制御とトラッキング制御及びピット信号の検出、に大別される。これらの機能は、その目的と用途に応じて各種の光学系と光電変換検出方式の組み合わせによって実現されている。
【0004】
一方、近年、DVDと称する高密度・大容量の光ディスクが実用化され、動画のような大量の情報を扱える情報媒体として脚光を浴びている。このDVD光ディスクは従来の光ディスクであるコンパクトディスク(以下CDと略記する)等と比較して記録密度を大きくするために、情報記録面でのピットサイズを小さくしている。従ってDVD光ディスクを記録再生する光ヘッド装置に於いては、スポット径を決定する光源の波長や、収束レンズの開口数(Numerical Aperture:以下NAと略記する)がCD等の場合と異なっている。因みに、CD等では、光源の波長は略0.78μm、NAは略0.45であるのに対し、DVD光ディスクでは光源の波長は略0.63〜0.65μm、NAは略0.6である。従って、CDとDVD光ディスクの2種類の光ディスクを一つの光ディスクドライブで記録再生しようとすると、2つの光学系を有する光ヘッド装置が必要になる。一方、光ヘッド装置の小型化、薄型化、低コスト化の要求からは、CDとDVDの光学系はできる限り共用化する方向にあり、たとえば、光源はCD用とDVD用の2個の光源を用いるが、収束用レンズと光検出器は共用化して収束用レンズのNAだけをDVD光ディスクの時は大きく、CDの時には小さくするように機械的または、光学的に変えるなどの方式がとられている。
【0005】
以下、上述した光ヘッド装置について図面を参照しながら説明する。
【0006】
図11は従来の光ヘッド装置の光学系構成を示すものである。図11において101は第1の半導体レーザであって、波長は略0.78μmである。102は第2の半導体レーザであって、波長は略0.65μmである。103はプリズムビームスプリッター、104はハーフミラー、105は集光光学系であってNAは0.6である。106は第1の収束光であって、第1の半導体レーザ101の出射光を集光光学系105によって集光した光である。107は第2の収束光であって第2の半導体レーザ102の出射光を集光光学系105によって集光した光である。108はCD、109はDVDであり、それぞれ基材厚が1.2mmと0.6mmの光記憶媒体である。以上のように構成された光ヘッド装置について、以下その動作について説明する。図11において便宜上CD108とDVD109を同時に記載しているが実際にはどちらかのディスクがあるだけである。先ず、CD108を再生する場合について説明する。第1の半導体レーザ101から出射した光はプリズムビームスプリッター103によって光路を分岐され一部の光が集光光学系105に入射する。集光光学系105は図示しない波長選択フィルターによって覆われており、集光光学系のNAにして0.45以下の範囲だけが第1の半導体レーザ101の光を透過する。従って集光光学系105に入射した光は第1の収束光106となり、CD108の記録面上に集光スポットを形成する。次に記録面によって反射された光は集光光学系105とプリズムビームスプリッター103及びハーフミラー104を透過して光検出器110に到達し、電気信号に変換される。次にDVD109を再生する場合について説明する。第2に半導体レーザ102から出射した光はハーフミラー104によって光路を分岐され一部の光がプリズムビームスプリッター103を経由して集光光学系105に入射する。集光光学系105に付随する図示しない波長選択フィルターは第2の半導体レーザ102の光に対しては透明になるように設計されており、集光光学系に入射した光はNA0.6の全面を透過さて第2の収束光107となり、DVD109の記録面上に集光スポットを形成する。記録面によって反射された光はCDの場合と同様に光検出器110に到達して電気信号に変換される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、第1の半導体レーザ101や、第2の半導体レーザ102、光検出器110がそれぞれ別体であるため各々の位置調整が必要であると共に温度変化や吸湿等によって相互の位置関係に誤差を生じやすいという課題や、プリズムビームスプリッター、ハーフミラーを用いることにより、光伝達効率が低いという課題を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために請求項1記載の発明は、それぞれ異なる波長を有する3個の光源と、前記3個の光源の出射光を合成する2個の光合波器と、前記出射光を光記憶媒体の記録面上に集光する集光光学系と、前記光記憶媒体の記録面から反射された反射光を回折するホログラム素子と、前記ホログラム素子によって回折された反射光を検出し且つ、前記3個の光源の内、1個の光源と一体に構成された1個の光検出器と、前記光検出器上に配置された、複数の光検出領域とからなる光ヘッド装置であって、前記異なる波長λ1、λ2、λ3は、λ1<λ2<λ3且つ、λ3−λ2<λ2−λ1であり、λ3とλ2は同一の前記光検出領域を用い、λ1はλ3、λ2に用いる光検出領域とは異なる光検出領域を用いる光ヘッド装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態の光ヘッド装置の光学系構成を示す図であって、1は第1の半導体レーザであって、波長は略0.78μmである。11のLD/PDモジュールは第2の半導体レーザと光検出器PDのモジュールであって、波長は略0.65μmである。3はプリズムビームスプリッター、5は集光光学系であってNAは0.6である。6は第1の収束光であって、第1の半導体レーザ1の出射光を集光光学系5によって集光した光である。7は第2の収束光であって第2の半導体レーザ11の出射光を集光光学系5によって集光した光である。
【0014】
12はホログラム素子、13は+1次回折光と14は−1次回折光である。8はCD、9はDVDのディスクであり、それぞれ基材厚が1.2mmと0.6mmの光記憶媒体であり、説明の便宜上1枚のディスクのように図示しているが、実際はそれぞれ厚さの異なる媒体である。
【0015】
以上のように構成された光ヘッド装置について、以下その動作について説明する。
【0016】
図11と構成が大きく異なるのは、11のLD/PDモジュールと12のホログラム素子と13の+1次回折光と14の−1次回折光である。+1次回折光13及び−1次回折光14は,ホログラム素子12によって回折されLD/PDモジュール11に入射する光である。LD/PDモジュール11とホログラム素子12についてそれぞれ図2と図3を用いて詳述する。図2はLD/PDモジュール11の構成を示す図であり、図2において15はシリコン基板である。16は半導体レーザチップであり、シリコン基板15をエッチングして形成されるピット部に設けられている。半導体レーザチップの出射光の波長は略0.65μmである。17は立ち上げミラーであり、半導体レーザチップ16の設けられているピット部の側面を利用して形成されており、半導体レーザ16の出射光は立ち上げミラー17によってシリコン基板15の表面に対して垂直に出射する。18〜24は検出領域であって光を電気信号に変換する。図3はホログラム素子12の上面図であり、12はホログラム素子、25はホログラムパターンであってホログラム素子12上にフォトリソグラフィなどによってパターン作成されたものである。ホログラムパターン25は図3に示すように領域A1から領域D2まで分割されている。図1から図3を用いて第1の実施の形態の光ヘッド装置の動作を説明する。図1において第1の半導体レーザ1から出射したレーザ光はプリズムビームスプリッター3によって一部反射されホログラム素子12を透過して集光光学系5によって第1の収束光6となりCD8の記録面上に集光スポットを形成する。CD8の記録面によって反射された光は集光光学系5を透過した後、ホログラム素子12によって回折され+1次回折光13と−1次回折光14に分離されてLD/PDモジュール11に入射する。ホログラム素子12は図3に示すように領域分割されており、各領域ごとに回折光を発生するが図1においては各領域から発生する+1次回折光をまとめて+1次回折光13と記載し、各領域の−1次回折光をまとめて−1次回折光14と記している。LD/PDモジュール11に入射した回折光はそれぞれ検出領域18〜24によって検出される。信号検出について図4を用いて説明する。図4はLD/PDモジュール上の回折光を示す図であって図2と同一物については同一番号を付して説明を省略する。図4に於いて13a、13a’〜13d、13d’はそれぞれ+1次回折光スポットであり、図1に示した+1次回折光13が図3に示したホログラム素子12によって分割されたものである。+1次回折光スポット13aは図3に示したホログラムパターン25において領域A1から発生する+1次回折光に対応しており、+1次回折光スポット13a’は同様に領域A2から発生する+1次回折光に対応する。同様に+1次回折光スポット13b、13b’、13c、13c’、13d、13d’はそれぞれホログラムパターン25の領域B1、B2、C1、C2、D1、D2から発生する+1次回折光に対応する。領域A1、B1、C1、D1において回折された回折光の焦点位置と、領域A2、B2、C2、D2において回折された回折光の焦点位置は、光軸方向に沿ってシリコン基板15に対して対称になるよう設定されている。また、−1次回折光スポット14a、14a’、14b、14b’、14c、14c’、14d、14d’もそれぞれホログラムパターン25の領域A1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2から発生する−1次回折光に対応する。フォーカスエラー信号の検出方法はたとえば、特開平2−185722号公報に開示されている公知のSSD(スポットサイズ検出)法であり、検出領域19と検出領域20の出力の和をFE1で示し、検出領域18と検出領域21の出力の和をFE2で示すとフォーカスエラー信号は検出領域の出力FE1とFE2の差(FE1−FE2)によって得られ、フォーカスエラー信号が0になるように集光光学系5を微動することによって集光光学系5の焦点位置とCD8の情報記録面の位置を一致させることが可能となる。またトラッキングエラー信号の検出方式は公知の位相差検出方式を用いて、検出領域22、23、24、25の信号を演算することによって得られる。次に、LD/PDモジュール11から出射したレーザ光はプリズムビームスプリッター3とホログラム素子12を透過して集光光学系5によって第2の収束光7となりDVD9の記録面上に集光スポットを形成する。DVD9の記録面によって反射された光は集光光学系5を透過した後、ホログラム素子12によって回折され+1次回折光13と−1次回折光14に分離されてLD/PDモジュール11に戻る。信号検出は上述したCDの再生の説明と同様である。上述の説明と異なるのはDVD再生の場合には光源波長が短くなるため+1次回折光13や−1次回折光14の回折角が小さくなり、+1次回折光スポットや−1次回折光スポットの位置が半導体レーザチップ16よりにずれることであり、検出領域18〜24はこれらのずれが生じた場合でもフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号が正常にとれるように形成されている。具体的には検出領域18〜21は領域の長手方向が+1次回折光13の回折方向に平行になっており、検出領域22〜25は−1次回折光14の回折角が変化したときに−1次回折光スポットが検出領域から飛び出さないように設計されている。以上のように構成することにより、本実施の形態に於いてはLD/PDモジュール11に於いて半導体レーザチップ16と光検出器とが一体に構成されているため、相互の位置関係がずれにくく、信頼性の高い光ヘッド装置が構成できた。また、第1の半導体レーザ1に対する光検出器と半導体レーザチップ16に対する光検出器を共用化したため、部品点数を低減することが出来た。
【0017】
(実施の形態2)
図5は本発明の第2の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図であって、図1と同一物については同一番号を付して説明を省略する。25はLD/PDモジュールであってLD/PDモジュール11と同様の構成を有しており、波長は例えば0.44μmである。26、27,28はコリメータレンズであり、それぞれLD/PDモジュール25の出射光と第1の半導体レーザの出射光とLD/PDモジュール11の出射光とを平行光に変換する。29はプリズムビームスプリッターであり、LD/PDモジュール25の出射光とプリズムビームスプリッター3で合波された光とを合波する。30は対物レンズであり、コリメータレンズ26、27、28と組合わさって集光光学系を構成する。31はホログラム素子であり、LD/PDモジュール25と組で信号検出を行う。32もホログラム素子であり、第1の半導体レーザ1とLD/PDモジュール11と組で信号検出を行う。33は記憶媒体である。以下、第2の実施の形態の光ヘッド装置の動作について図5を用いて説明する。第1の半導体レーザ1から出射したレーザ光はコリメータレンズ27によって平行光に変換された後、プリズムビームスプリッター3によって一部反射され、プリズムビームスプリッター29を一部透過して対物レンズ30によって記憶媒体33に集光される。記憶媒体33によって反射された光は対物レンズ30を透過し、プリズムビームスプリッター29、3を一部透過してコリメーターレンズ28によって集光され、ホログラム素子32によって回折され、LD/PDモジュール11内の光検出器によって第1の実施の形態で述べたのと同様に信号検出される。次に、LD/PDモジュール11から出射したレーザ光はホログラム素子32を一部透過し、コリメータレンズ28によって平行光に変換された後プリズムビームスプリッター3とプリズムビームスプリッター29とを一部透過して対物レンズ30によって記憶媒体33の記録面上に集光スポットを形成する。記憶媒体33の記録面によって反射された光は対物レンズ30を透過した後、プリズムビームスプリッター29とプリズムビームスプリッター3とを一部透過しコリメータレンズ28によって集光され、ホログラム素子32によって回折され、LD/PDモジュール11内の光検出器によって第1の実施の形態で述べたのと同様に信号検出される。次に、LD/PDモジュール25から出射したレーザ光はホログラム素子31を一部透過し、コリメータレンズ26によって平行光に変換された後プリズムビームスプリッター29によって一部反射して対物レンズ30によって記憶媒体33の記録面上に集光スポットを形成する。記憶媒体33の記録面によって反射された光は対物レンズ30を透過した後、プリズムビームスプリッター29によって一部反射されコリメータレンズ26によって集光され、ホログラム素子32によって回折され、LD/PDモジュール25内の光検出器によって第1の実施の形態で述べたのと同様に信号検出される。
【0018】
(実施の形態3)
図6は本発明の第3の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図であって、図5と同一物については同一番号を付して説明を省略する。34はLD/PDモジュールであってLD/PDモジュール11と同様の構成を有しているが、光検出領域の配置が異なっている。波長は例えば0.65μmである。35は第2の半導体レーザであり、波長は略0.44μmである。実施の形態3の動作に於いて実施の形態2と異なるのは光検出器が1個であることであり、第2の半導体レーザ35から出射した光はプリズムビームスプリッター29で一部反射した後、対物レンズ30によって記憶媒体33に集光される。記憶媒体33によって反射された光は対物レンズ30を透過した後、プリズムビームスプリッター29及び、プリズムビームスプリッター3を透過してコリメータレンズ28によって集光され、ホログラム素子31によって回折されてLD/PDモジュール34内の光検出器によって信号検出される。本実施の形態に於いては0.44〜0.78μmの光がホログラム素子31によって回折されるため回折角が大きく異なり、光検出器上でプラス、マイナス1次回折光スポットが大きく移動する。図7はLD/PDモジュール34上の回折光を示す図であって図7に於いて図4と同一物については同一番号を付して説明を省略する。図4と異なるのは光検出領域36、37が増えたことである。38a、38a’〜38d、38d’は+1次回折光スポットであり、39a、39a’〜39d、39d’は−1次回折光スポットである。図7(a)は回折光の波長が0.44μmの時のプラス、マイナス1次回折光スポットの配置を示しており、図7(b)は回折光の波長が0.78μmの時のプラス、マイナス1次回折光スポットの配置を示している。回折光の波長が0.78μmの時には回折角が大きくなるので−1次回折光スポット39a〜39d’検出領域23、24、36、37に入る。図7(a)の時にはトラッキングエラー信号は検出領域22、23、24、25の信号を演算することにより検出し、図7(b)の時にはトラッキングエラー信号は23、24、36、37の信号を演算することにより、検出する。波長0.65μmの時の回折光スポットは図7(b)から少しずれるだけであるのでトラッキングエラー信号は22、23、36、37の信号から得られる。
【0019】
(実施の形態4)
図8は本発明の第4の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図であって、図5と同一物については同一番号を付して説明を省略する。図8に於いて図5と異なるのはプリズムビームスプリッターの代わりに40の偏光ビームスプリッターと41のダイクロイックミラーと42の波長板が入っていることである。また、第1の半導体レーザ1の出射光は偏光ビームスプリッター40に対してP偏光として入射するように配置されている。偏光ビームスプリッター40は第1の半導体レーザ1の波長に対し偏光異方性を有しており、P偏光は99%透過し、S偏光は99%反射する。偏光ビームスプリッター40はLD/PDモジュール11の光に対しては偏光異方性を有しておらず、99%反射する。ダイクロイックミラー41はLD/PDモジュール25の光に対して99%の反射率を有し、第1の半導体レーザ1とLD/PDモジュール25の光に対しては99%の透過率を有している。波長板42は第1の半導体レーザ1の波長に対しλ/4板として作用し、LD/PDモジュール11及び25に対してはλ/4板以外の波長板として作用する。以下、第4の実施の形態の光ヘッド装置の動作について図8を用いて説明する。第1の半導体レーザ1から出射したレーザ光はコリメータレンズ27によって平行光に変換された後、偏光ビームスプリッター40を透過し、ダイクロイックミラー41を透過して波長板42を透過する。この時、波長板42の特性により、透過光は円偏光になる。この円偏光は対物レンズ30によって記憶媒体33に集光される。記憶媒体33によって反射された光は対物レンズ30を透過し、再度波長板42を透過する際に直線偏光に戻るが、往路とは偏光面が90度回転している。反射光はダイクロイックミラー41を透過して偏光ビームスプリッター40に入射するがS偏光になっているので、99%反射し、コリメーターレンズ28によって集光され、ホログラム素子32によって回折され、LD/PDモジュール11内の光検出器によって第1の実施の形態で述べたのと同様に信号検出される。次に、LD/PDモジュール11から出射したレーザ光はホログラム素子32を一部透過し、コリメータレンズ28によって平行光に変換された後、偏光ビームスプリッター40で反射され、ダイクロイックミラー41と波長板42を透過して対物レンズ30によって記憶媒体33の記録面上に集光スポットを形成する。記憶媒体33の記録面によって反射された光は対物レンズ30を透過した後、波長板42とダイクロイックミラー41を透過した後、偏光ビームスプリッター40で反射されてコリメータレンズ28によって集光され、ホログラム素子32によって回折され、LD/PDモジュール11内の光検出器によって第1の実施の形態で述べたのと同様に信号検出される。次に、LD/PDモジュール25から出射したレーザ光はホログラム素子31を一部透過し、コリメータレンズ26によって平行光に変換された後ダイクロイックミラー41によって99%反射して波長板42を透過し、対物レンズ30によって記憶媒体33の記録面上に集光スポットを形成する。記憶媒体33の記録面によって反射された光は対物レンズ30及び、波長板42を透過した後、ダイクロイックミラー41によって99%反射されコリメータレンズ26によって集光され、ホログラム素子32によって回折され、LD/PDモジュール25内の光検出器によって第1の実施の形態で述べたのと同様に信号検出される。
【0020】
(実施の形態5)
図9は本発明の第5の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図であって、図1と同一物については同一番号を付して説明を省略する。図9に於いて44は第1の半導体レーザであって波長は略0.65μmである。45はLD/PDモジュールであり、波長は略0.78μmである。46は偏光ビームスプリッターであり、47は波長板である。波長板47は厚さ約0.53mmの水晶板であって0.65μmの波長に対しては5λ/4板で0.78μmの波長に対してはλ板になるように設計されている。第5の実施の形態の光ヘッド装置について図9及び図10を用いてその動作を説明する。図10は偏光ビームスプリッター46の透過率を示す図であり、横軸に設計波長λに対する入射波長λ0の割合を、縦軸にP偏光とS偏光の透過率を示している。本実施の形態に於いては偏光ビームスプリッター46の設計波長は0.7μmとした。CD8やDVD9の再生は第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。第1の実施の形態と異なるのは偏光を利用することであり、第1の半導体レーザ44から出射する光は偏光ビームスプリッター46に対してS偏光として入射するように配置されており、図10から判るように約89%の光量が反射されて波長板47に入射する。波長板47は第1の半導体レーザ44の波長0.65μmに対しては5λ/4板になっているので往復でλ/2板と同等の作用をもち、DVD9から反射して偏光ビームスプリッター46に入射する光は偏光面が90度回転してP偏光になるため、透過率は約96%となる。従って第1の半導体レーザ44からLD/PDモジュール45へ伝搬する光の伝達効率は約85%となり、高い効率が得られる。また、LD/PDモジュール45から出射する光は偏光ビームスプリッター46に対してP偏光として入射するように配置されており、図10から判るように約72%の光が透過して波長板47に入射する。波長板47はLD/PDモジュール45の波長0.78μmに対してはλ板になっているため偏光面は一定のままである。従ってCD8から反射して偏光ビームスプリッター46に入射する光の透過率も約72%であり、往復の伝達効率は約52%となる。偏光ビームスプリッター46の代わりにハーフミラーを用いた場合の往復の伝達効率は約25%であるので、およそ2倍の効率が得られる。
【0021】
なお、第1の実施の形態に於いてLD/PDモジュール11の光検出器は共用化したが、例えば青色レーザを用いる場合などは、各光源ごとに最適な波長感度や形状を有する光検出器を複数種、LD/PDモジュール11に一体化しても良い。この場合、部品点数の低減は出来ないが、高信頼性は維持できる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光源と光検出器が一体化されている光学系では共通光路系になるため種々の外乱に対して位置ずれが起こりにくく、信頼性を高くできる。また、光源と光検出器が別体である光学系でも光検出器の共用化をすることにより部品点数を低減できる。さらに、光合波器の反射率の波長依存性や偏光異方性を利用することにより、光伝達効率の高い光学系を実現できるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の光ヘッド装置の光学系構成を示す図
【図2】LD/PDモジュール11の構成を示す図
【図3】ホログラム素子12の上面図
【図4】LD/PDモジュール上の回折光を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図
【図6】本発明の第3の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図
【図7】LD/PDモジュール上の回折光を示す図
【図8】本発明の第4の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図
【図9】本発明の第5の実施の形態の光ヘッド装置の構成を示す図
【図10】偏光ビームスプリッター46の透過率を示す図
【図11】従来の光ヘッド装置の光学系構成を示す図
【符号の説明】
1 第1の半導体レーザ
3 プリズムビームスプリッター
5 集光光学系
6 第1の収束光
7 第2の収束光
8 CD
9 DVD
11 LD/PDモジュール
12 ホログラム素子
13 +1次回折光
14 −1次回折光
Claims (1)
- それぞれ異なる波長を有する3個の光源と、
前記3個の光源の出射光を合成する2個の光合波器と、
前記出射光を光記憶媒体の記録面上に集光する集光光学系と、
前記光記憶媒体の記録面から反射された反射光を回折するホログラム素子と、
前記ホログラム素子によって回折された反射光を検出し且つ、前記3個の光源の内、1個の光源と一体に構成された1個の光検出器と、
前記光検出器上に配置された、複数の光検出領域とからなる光ヘッド装置であって、
前記異なる波長λ1、λ2、λ3は、λ1<λ2<λ3且つ、λ3−λ2<λ2−λ1であり、
λ3とλ2は同一の前記光検出領域を用い、λ1はλ3、λ2に用いる光検出領域とは異なる光検出領域を用いる光ヘッド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07146499A JP4389287B2 (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 光ヘッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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