JP4387602B2 - 分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動子の発振周波数の変化から、液体中に含まれる化合物の成分や量を測定する測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、溶液中の化学物質を検出するために、図5の符号100に示すような分析装置が用いられている。
【0003】
この分析装置100は、液体中で発振可能な振動子1061〜1064を複数個有しており、各振動子1061〜1064は、測定の際には容器120内に納められた分析対象の液体121中に浸漬される。
【0004】
各振動子1061〜1064は周波数測定装置105に接続されており、周波数測定装置105内の電子回路により、各振動子1061〜1064は、各振動子1061〜1064表面に付着した物質の量に応じた周波数で発振するようになっている。
【0005】
各振動子1061〜1064の発振周波数は、周波数測定装置105によって測定され、その結果、測定した周波数から各振動子1061〜1064の表面に付着した物質の量を求めることができる。
【0006】
この液体121中に例えばDNAが含まれる場合には、DNAはアデニン、シトシン、グアニン、チミンの4種類の塩基によって構成されているから、アデニン、シトシン、グアニン、チミンの各1種類の塩基だけに反応する反応剤層を、それぞれ別の振動子1061〜1064の表面に形成し、液体121中に浸漬すると、各振動子1061〜1064の反応剤層の表面に、反応時間と各塩基の含有量に応じて反応生成物が付着し、その結果、各振動子1061〜1064の発振周波数が変化する。
【0007】
各振動子1061〜1064の発振周波数の経時変化を個別に観察すると、液体121中のアデニン、シトシン、グアニン、チミンの反応剤層に対する反応速度が求まり、その結果から、各塩基の液体121中の含有量が分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の分析装置100では、振動子1061〜1064同士が一緒に発振するために振動子1061〜1064同士が干渉し、付着量に応じた正確な発振周波数を得ることが困難である。この干渉は周波数測定装置105内の電気的な干渉に起因するため、単に振動子1061〜1064を別々の容器内に配置しただけでは防止することができない。
【0009】
また、反応の進行に伴う発振周波数の変化量は微小であるため、干渉が防止できたとしても、振動子1061〜1064の発振周波数を正確に測定することは困難である。
【0010】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、複数の振動子の発振周波数の変化を正確に測定できる分析装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、液体中で発振可能な複数の振動子の周波数特性に応じた周波数で発振する発振回路と、所定の周波数で発振する基準周波数生成回路と、前記発振回路の発振周波数ω1の信号と、前記基準周波数生成回路の発振周波数ω2の信号とから、差の周波数(|ω1−ω2|) 低周波成分を含む信号を生成するミキサー回路と、前記低周波成分の信号の周波数を測定する低周波測定回路と、前記各振動子と前記発振回路との間の接続を切り換え、所望の振動子を前記発振回路に接続させるスイッチ回路と、前記発振回路の発振周波数を測定する高周波測定回路と、前記基準周波数生成回路の発振周波数ω 2 と前記高周波測定回路が測定した前記発振周波数との差の周波数|α| が、所定値よりも小さくなるように前記基準周波数生成回路の発振周波数ω 2 を設定する制御回路と、を有する分析装置装置である。
請求項2記載の発明は、前記各振動子は、それぞれ異なる容器中に納められた液体中に浸漬された請求項1項記載の分析装置である。
請求項3に記載の発明は、前記複数の振動子を1個ずつ前記発振回路に繰り返し接続し、接続された前記振動子の周波数特性に応じた周波数で前記発振回路を発振させ、前記各振動子の周波数特性の時間変化を測定するように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の分析装置である。
請求項4記載の発明は、前記複数の振動子を1個ずつ前記発振回路に繰り返し接続し、接続された前記振動子の周波数特性に応じた周波数で前記発振回路を発振させ、前記各振動子の周波数特性の時間変化を測定するように構成され、前記各振動子を前記発振回路に接続する毎に、前記高周波測定回路で前記発振回路の発振周波数を測定し、前記高周波測定回路の測定結果に基づいて前記基準周波数生成回路の発振周波数を設定し、前記低周波測定回路で、前記低周波成分の周波数(|ω1−ω2|)を測定するように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の分析装置である。
【0012】
本発明は上記のように構成されており、周波数ω1の信号とその周波数ω1に近接した周波数ω2の基準信号との差の周波数(|ω1−ω2|)を生成し、その差の周波数(ω1−ω2)を測定するようになっている(差の周波数(|ω1−ω2|)は、元の信号よりも低周波であり、ビート信号と呼ばれている。)。
【0013】
液体中に浸漬された振動子は、表面に付着する物質の量によって周波数特性が変化するが、その変化量は僅かである。上記のように、既知の周波数の信号との差の周波数の信号を生成し、その信号の周波数を測定するようにすると、変化量を正確に求めることができる。
【0014】
この場合、測定対象の振動子の発振周波数は、反応時間に応じて変化するため、基準信号の周波数ω2も変化させる必要がある。
【0015】
本発明の分析装置では、振動子の周波数を直接測定し、振動子の実際の発振周波数ω1に近く、且つ、振動子の実際の発振周波数ω1に対して大小関係が明らかな周波数ω2で基準周波数生成回路を発振させ、差の周波数(|ω1−ω2|)の信号を生成しているので、振動子の発振周波数が変化しても、差の周波数(|ω1−ω2|)の大きさを所定範囲内に納めることができる。
【0016】
また、複数の振動子を別々の容器内に配置し、1個の発振回路を順番に各振動子に接続して、各振動子の発振周波数を求めている。従って、二個以上の振動子が一緒に発振する期間が無く、振動子間の干渉が起こらない。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の測定方法及び測定装置を図面を用いて説明する。
図1を参照し、符号3は本発明の分析装置を示している。この分析装置3は、スイッチ回路5と、発振回路4と、測定回路10と、制御回路18とを有している。
【0018】
分析装置3の各回路5、4、10、18が納められた筺体の外部には、複数の容器201〜204(ここでは4個)が配置されており、各容器201〜204内には、液体211〜214がそれぞれ納められている。この液体211〜214には、検出対象の一種類又は複数種類の化合物が溶解されている。
【0019】
各液体211〜214中には、それぞれ振動子61〜64が1個ずつ浸漬されている。この振動子61〜64の断面図を、図3(a)に示す。
【0020】
各振動子61〜64は、水晶板34と、第1、第2の電極膜31、32と、反応剤層35と、ケース36とを有している。
【0021】
第1、第2の電極膜31、32は、互いに電気的に絶縁された状態で、水晶板34の表面側と裏面側にそれぞれ形成されており、水晶板34の中央位置の部分にだけ、水晶板34を挟んで向かい合わせに配置されている。
【0022】
反応剤層35は、第1の電極の表面の水晶板34の中央位置の部分に配置されており、水晶板34と第1、第2の電極膜31、32と、反応剤層35とで、振動子本体30が構成されている。
【0023】
この水晶子本体30は、第1の電極膜31側の面を外部空間に露出させた状態で、ケース36の開口部分に配置されている。
【0024】
ケース36の底面は、第2の電極膜32とは非接触の状態で向かい合っており、ケース36の開口部の周囲は、水晶振動子本体30の表面に密着されている。従って、ケース36底面と第2の電極膜32との間で形成される空間は、ケース36の外部から密閉されてる。
【0025】
第2の電極膜32の一部は、水晶板34の表面側にまで回り込んでいるが、この部分もケース36の内部に納められている。従って、第2の電極膜32はケース36の外部には露出していない。
【0026】
ケース36には、絶縁被覆を有する配線23、24が水密に挿入されており、各配線23、24の導線部分は、第1、第2の電極膜31、32に接続されている。
【0027】
従って、振動子61〜64を液体211〜214中に浸漬した場合は、液体211〜214と第1の電極膜31及び反応剤層35は接触するのに対し、第2の電極膜32や配線23、24内部の導線は液体には接触しないため、液体によって、第1、第2の電極膜31、32間が短絡することはなく、第1、第2の電極膜31、32間に電圧を印加できるようになっている。
【0028】
なお、振動子61〜64の構成は、上述の構造に限定されるものではない。例えば、図3(c)の符号61'〜64'に示すような構造でもよい。
【0029】
この振動子61'〜64'は液体211〜214中に露出する第1の電極31の一部が水晶板34の裏面側に回り込んでおり、裏面側に位置する第2の電極32は、表面側には回り込んでいない。振動子61〜64、61'〜64'は、ケース36と第1、第2の電極31、32又は水晶板34と密着する部分が劣化しやすい。その部分は、図3(c)の矢示の部分である。振動子61'〜64'は、上記構造の振動子61〜64よりも劣化しにくく、耐久性が高い。
【0030】
上記のような各振動子61〜64、61'〜64'は、反応剤層35の種類を変えることにより、色々な種類の化合物を検出できるようになっている。
【0031】
ここで、複数の振動子61〜64(又は振動子61'〜64':以下符号61'〜64'で示した振動子に関する説明は省略する。)を用い、同じ液体に含まれている異なる化合物の量を検出する場合には、各容器201〜204内に、それぞれ同じ液体211〜214を配置し、検出対象の化合物に応じた反応剤層35を有する振動子61〜64を、各液体211〜214内に浸漬させる。
【0032】
他方、異なる液体211〜214内に含まれる同種類の化合物の量を検出場合には、各容器201〜204内に、検査対象の液体211〜214をそれぞれ配置し、同種類の反応剤層35を有する振動子61〜64を、それぞれ各液体211〜214内に浸漬させる。
【0033】
スイッチ回路5内には、少なくとも振動子61〜64の個数と同じ数のスイッチ素子51〜54が配置されている。
【0034】
各振動子61〜64の第1、第2の電極膜31、32に接続された配線23、24は、図1に示すように、一方が、同じ共通線25に接続され、他方がそれぞれスイッチ素子51〜54の一端に接続されている。符号26は、振動子61〜64とスイッチ素子51〜54とを接続する複数の配線を示している。
【0035】
各スイッチ回路51〜54の他端は互いに接続されており、その互いに接続された部分と共通線25は、後段の発振回路4内に導入されている。
【0036】
発振回路4は、インバータ素子45と、該インバータ素子45の帰還抵抗41と、インバータ素子45の入力端子と出力端子とをそれぞれ接地電位に接続させるコンデンサ43、44とを有しており、インバータ素子45の出力端子は、バッファ素子46を介して、後段の測定回路10に接続されている。符号42は、発振止めの抵抗素子であり、インバータ素子45の出力端子と、その出力端子を接地電位に接続させるコンデンサ44の高電圧側の端子の間に挿入されている。
【0037】
上記の共通線25と、スイッチ素子51〜54の共通に接続された端子とは、それぞれコンデンサ43、44の高電圧側の端子に接続されており、スイッチ素子51〜54のいずれか1個を閉成状態にすると、2個のコンデンサ43、44の間が、複数の振動子61〜64のいずれか一個によって接続されるようになっている。
【0038】
図4は、1個の振動子6によってコンデンサ43、44間が接続された状態の等価回路を示している。
【0039】
この等価回路から分かるように、インバータ素子45に電力が供給されると、2個のコンデンサ43、44が充電され、第1、第2の電極膜31、32間に電圧が印加される。この状態では、インバータ素子45は、振動子6のリアクタンス成分とコンデンサ43、44のキャパシタンス成分の大きさに従った周波数で発振し、バッファ素子46を介して、測定回路10にその周波数の信号を出力する。
【0040】
測定回路10は、ミキサー回路13と、ローパスフィルタ14と、基準周波数生成回路12と、高周波測定回路(カウンター)11と、低周波測定回路15とを有している。発振回路4のバッファ素子46から出力された信号は、高周波測定回路11に入力され、先ず、発振回路4の発振周波数の概略値が測定される。
【0041】
高周波測定回路11で測定された周波数の概略値は制御回路18に出力され、制御回路18は基準周波数生成回路12を制御し、測定した概略値に近い周波数の基準周波数で基準周波数生成回路12を発振させる。
【0042】
この基準周波数で発振した周波数の信号と、発振回路4から出力される信号とはミキサー回路13に入力される。
【0043】
ミキサー回路13は、入力された2種類の信号をミックスし、ローパスフィルタ14を介して低周波測定回路15に出力する。ここで、発振回路4から入力される信号をcos((ω+α)t)とし、基準周波数生成回路12から入力される信号をcos(ωt)とすると(tは時間を表す。)、ミキサー回路13内でcos(ωt)・cos((ω+α)t)なる式で表される交流信号が生成される。
【0044】
この式は、cos(ωt)とcos((ω+α)t)を乗算した形式になっており、この式で表される交流信号は、三角関数の性質に従うと、cos((2・ω+α)t)で表される高周波成分の信号と、cos(αt)で表される低周波成分の信号の和に等しい。
【0045】
ミキサー回路13内で生成された信号は、ローパスフィルタ14に入力され、高周波成分の信号cos((2・ω+α)t)が除去され、低周波測定回路15に低周波成分の信号cos(αt)だけが入力される。即ち、低周波測定回路15には、発振回路4の信号cos((ω+α)t)と、基準周波数生成回路12の信号cos(ωt)の差の周波数|α|の低周波成分の信号が入力される。
【0046】
低周波測定回路15は、この低周波成分の信号の周波数を測定し、その値と基準周波数生成回路12の出力信号の周波数とから、発振回路4が出力する信号の周波数が求められる。具体的には、基準周波数生成回路12の出力信号の周波数が、発振回路4の出力信号の周波数よりも小さい場合には、発振回路4の出力信号に低周波成分の信号の周波数を加算し、逆の場合には減算する。
【0047】
例えば、高周波測定回路11による発振回路4の発振周波数の測定値が5MHzを超えており、基準周波数生成回路12を5MHzの周波数で発振させた場合には、基準周波数生成回路12の発振周波数は、発振回路4の実際の発振周波数よりも低くなる。従って、実際の発振回路4の発振周波数を求めるためには、低周波測定回路15で求めた低周波成分の信号の周波数|α|を、基準周波数生成回路12の設定周波数5MHzに加算すればよい。低周波成分の周波数|α|が10kHzであれば、発振回路4の正確な発振周波数は5.01MHzとなる。
【0048】
低周波測定回路12の分解能には上限があるが、その分解能は、差の周波数|α|を測定するために割り当てることができるから、同じ分解能で発振回路4の発振周波数を測定する場合に比べ、正確な周波数測定を行うことができる。
【0049】
また、基準周波数生成回路12の発振周波数は制御回路18によって制御されており、その発振周波数を、差の周波数|α|が所定値よりも小さくなるように設定できるから、低周波測定回路12の分解能を有効に活用することができる。求めた周波数の値は制御回路18内に記憶される。
【0050】
以上のように、スイッチ回路5内のスイッチ素子51〜54により、1個の振動子6を発振回路4に接続し、その振動子6に関する発振回路4の発振周波数を測定したら、スイッチ素子51〜54を切り換え、別の振動子6を発振回路4に接続し、上記と同じ手順で低周波成分の周波数を求め、その周波数と基準周波数生成回路12の発振周波数とから、発振回路4に接続された振動子6に関する発振周波数を求める。
【0051】
各振動子61〜64が液体211〜214に浸漬されている状態では、各振動子61〜64の反応剤層35の種類に対応する化合物が反応剤層35表面に反応し、反応時間に応じて反応剤層35の付着物の量が増減する。
【0052】
反応剤層35の付着物の量と各振動子61〜64の発振周波数との間には相関関係があるので、複数の振動子61〜64に対して発振周波数の測定を繰り返し行い、経時時間に対する各振動子61〜64の発振周波数変化を記録すると、反応速度を求めることができる。
【0053】
例えば、各振動子61〜64を添字の番号順に測定し、最後の振動子64の発振周波数を測定した後、最初の振動子61の発振周波数の測定に戻り、反応が終了するか、所定時間が経過するまで測定を継続する。
【0054】
図2は、上記測定手順を説明するためのタイミングチャートである。T1〜T4は、振動子61〜64の測定タイミングを示すグラフであり、各グラフT1〜T4を構成する線分の立ち上りが測定開始を示し、下降が測定終了を示している。各振動子61〜64の測定時間のうち、符号t1は高周波測定回路11を用いた発振周波数の概略値の測定時間を示しており、符号t2は低周波測定回路15を用いた低周波成分の周波数の測定時間を示している。符号t3は、高周波測定から低周波測定に切り替わる時間を示している。
【0055】
また、符号t4は各振動子61〜64を測定する期間の間の間隔であり、スイッチ素子51〜54を切り換える時間も含まれている。符号t5は、振動子61〜64の測定が一巡した後、最初に測定した振動子61に測定順序を戻す時間である。
【0056】
本発明の分析装置3では、上述したように、各振動子61〜64を順番に発振回路4に接続するため、各振動子61〜64は、発振回路4に接続されていないときには、第1、第2の電極膜31、32には電圧は印加されず、発振しない。
【0057】
即ち、本発明の分析装置3では、各振動子61〜64は間欠的に発振するように構成されている。
【0058】
振動子61〜64を液体中に浸漬して発振させた場合、反応剤層35表面の付着量に変化が無くても、発振開始後、時間の経過に伴って発振周波数が変化することが確認されている(ドリフト現象)。
【0059】
本発明の分析装置3では、発振開始から時間t1+t3+t2の間だけ振動子61〜64が発振しており、発振開始から時間t1+t3が経過する毎に低周波成分を測定するようになっている。従って、各振動子61〜64は連続的には発振せず、また、発振開始から一定時間経過する毎に、各振動子61〜64の周波数を測定するので、ドリフト現象の影響を受けずに、振動子61〜64の発振周波数変化を正確に測定することができる。
【0060】
測定に要する時間t1+t3+t2は数ミリ秒〜数十秒であり、各振動子61〜64の1個当たりの測定周期は、0.1秒〜数十秒である。また、時間t4と時間t5は、各々数μ秒〜数十ミリ秒である。発振周波数の変化は、継続して1時間以上測定するため、時間t1〜t5の大きさが振動子61〜64毎に異なっていたり、時間t1〜t5を変更しても、ドリフト現象の影響は無視できる。
【0061】
なお、上記測定手順では、ミキサー回路13から出力された信号の低周波成分の周波数を測定する前に、各振動子61〜64毎に周波数の概略値を測定し直しており、基準周波数生成回路12の発振周波数と、発振回路4の発振周波数の大小関係は予め分かっている。
【0062】
基準周波数生成回路12の発振周波数を、発振回路4の発振周波数よりも小さく設定した場合には、発振回路4の発振周波数に低周波成分の信号の周波数を加算すれば、発振回路4の発振周波数を求めることができ、逆に、基準周波数生成回路12の発振周波数を発振回路4の発振周波数よりも大きく設定した場合には、基準周波数生成回路12の発振周波数から低周波成分の信号の周波数を減算すれば、発振回路4の発振周波数を求めることができる。
【0063】
なお、振動子61〜64上の反応剤層35の反応の進行に従って、発振回路4の発振周波数が単調に変化する場合であって、周波数が低下するか、又は増加するかが予め分かっている場合には、高周波測定回路11によって発振回路4の発振周波数を測定せず、基準周波数生成回路12の発振周波数を、前回の測定で求めた発振周波数に設定すると、基準周波数生成回路12の発振周波数と発振回路4の発振周波数の大小関係は定まるから、差分の低周波成分の周波数を求め、加算又は減算により、発振回路4の発振周波数を求めることができる。
【0064】
【発明の効果】
複数の振動子の発振周波数の変化を正確に測定できるので、分析精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析装置を説明するための図
【図2】その分析装置の測定手順を示すタイミングチャート
【図3】(a):本発明の分析装置に用いられる振動子の断面図 (b):その振動子のケースを除いた状態の平面図 (c):本発明の分析装置に用いることができる他の振動子の例の断面図
【図4】発振回路と振動子の接続状態を説明するための回路図
【図5】従来技術の分析装置
【符号の説明】
4……発振回路
5……スイッチ回路
61〜64、61'〜64'……振動子
12……基準周波数生成回路
11……高周波測定回路
13……ミキサー回路
14……ローパスフィルタ
15……低周波測定回路
201〜204……容器
211〜214……液体
Claims (4)
- 液体中で発振可能な複数の振動子の周波数特性に応じた周波数で発振する発振回路と、
所定の周波数で発振する基準周波数生成回路と、
前記発振回路の発振周波数ω1の信号と、前記基準周波数生成回路の発振周波数ω2の信号とから、差の周波数(|ω1−ω2|) 低周波成分を含む信号を生成するミキサー回路と、
前記低周波成分の信号の周波数を測定する低周波測定回路と、
前記各振動子と前記発振回路との間の接続を切り換え、所望の振動子を前記発振回路に接続させるスイッチ回路と、
前記発振回路の発振周波数を測定する高周波測定回路と、
前記基準周波数生成回路の発振周波数ω 2 と前記高周波測定回路が測定した前記発振周波数との差の周波数|α| が、所定値よりも小さくなるように前記基準周波数生成回路の発振周波数ω 2 を設定する制御回路と、
を有する分析装置装置。 - 前記各振動子は、それぞれ異なる容器中に納められた液体中に浸漬された請求項1項記載の分析装置。
- 前記複数の振動子を1個ずつ前記発振回路に繰り返し接続し、接続された前記振動子の周波数特性に応じた周波数で前記発振回路を発振させ、前記各振動子の周波数特性の時間変化を測定するように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の分析装置。
- 前記複数の振動子を1個ずつ前記発振回路に繰り返し接続し、接続された前記振動子の周波数特性に応じた周波数で前記発振回路を発振させ、前記各振動子の周波数特性の時間変化を測定するように構成され、
前記各振動子を前記発振回路に接続する毎に、前記高周波測定回路で前記発振回路の発振周波数を測定し、
前記高周波測定回路の測定結果に基づいて前記基準周波数生成回路の発振周波数を設定し、
前記低周波測定回路で、前記低周波成分の周波数(|ω1−ω2|)を測定するように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の分析装置。
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