JP3725195B2 - Qcm用水晶基板及びqcm用水晶基板の重量変化測定方法 - Google Patents
Qcm用水晶基板及びqcm用水晶基板の重量変化測定方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は水晶振動子に関し、特に、水晶の共振現象を利用した水晶振動子マイクロバランスに採用する振動子を安定に発振させるための水晶円板の形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
代表的な圧電結晶として知られる水晶は水熱合成法により人工的に大量生産されており、その特性を利用した製品が種々の分野で利用されている。
【0003】
例えば、水晶の薄板に電極を付けて電圧を印加すると、水晶の圧電逆効果によって結晶振動が励起されるという特性を利用した製品として水晶振動子が挙げられる。
【0004】
また、水晶振動子マイクロバランス(一般にQCMとよばれている)は、水晶振動子の電極表面に付着した微少な量の質量変化を振動子の共振周波数の減少量によって検出する装置であり、真空蒸着装置の膜厚検出モニターとして一般に採用されている。
【0005】
一般に、水晶振動子の基本振動数がf0(MHz)である素子電極表面に薄い層が折出して△w(g)の質量変化が生じた場合、共振周波数の変化△f(Hz)は以下の式で示される。
【0006】
【数1】
△f=−2.26×10-6×f0 2×△w/A
ただし、ここにAは水晶表面に設けた電極表面積(cm2)である。これからわかる様に、f0=10MHzの素子の場合、△f=1Hzの変化に対応する質量変化は約5(ng/cm2)となり、周波数変化を正確に測定する事によって極めて精度の高い質量変化が検出できる。
【0007】
このように優れた検出感度を有することから、最近では、この振動子を溶液中に浸積した状態で動作させ、溶液中の化学反応による生成物の量を検出したり、あるいは気中や液中における金属の腐蝕の進行状況を測定するセンサとして用いることが検討されており、実際に期待したとおりの成果が報告されるようになってきている。
【0008】
図4に液相QCMの振動子部分の説明図を示す。この図において1はATカットされた円板状の水晶振動子、2,3は電極、4,5はリード線、6は発振器、7は容器、8は支持台、9,10はOリングである。また、以下の図面において同一部及び相当部には同一符号を付して説明する。
【0009】
この図において電極2,3は水晶基板1に蒸着法などによって所定の厚さに形成されている。通常この電極にはAu,Feなどが用いられているが、必要によっては他の各種金属を用いてよい。
【0010】
電極2,3は電気的に絶縁されており、夫々からリード線4,5がとり出されて、発振器6に接続されている。
【0011】
図4の液相QCMでは溶液を入れる容器7の底部に穴があいており、ここに水晶振動子1がOリング9,10を介して支持台8に圧接され、この圧接力で液11のOリング9部からの液もれを防いでいる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4のような構成では、例えば基本周波数5MHzの水晶振動子を発振させた場合、水晶基板1自体が原因と考えられる周波数のドリフトが1時間あたり±10Hz程度発生してしまう。
【0013】
これは水晶振動子1にOリング9,10が機械的に圧接されている事が主要因と考えられる。従って、発振部と機械的保持部とを分割する事が重要と考えられる。
【0014】
また、生成物は一様に堆積する事が必要であるが、特に腐蝕の検討の場合は、発振部と機械的保持部とが均一に反応するとは考えにくい。従って発振部と機械的保持部とを分割することが好ましいが、従来構造ではこのような分割は非常に困難である。
【0015】
本発明は上記背景の下になされたものであり、水晶振動子の周波数が安定しており、水晶振動子の周波数変化による水晶基板の重量変化測定に適したQCM用水晶基板を提供し、また、水晶基板上に形成された膜の面内分布を測定することのできるQCM用水晶基板を提供することを解決すべき課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、水晶基板の一方の面上において、電極形成領域と、水晶基板の支持部材が当接する領域と、の間の領域に前記電極形成領域が包含される溝部を形成し、この溝部の内部領域を前記水晶基板の振動領域としたQCM用水晶基板であって、前記水晶基板には前記電極形成領域が複数形成されるとともに、それら各電極形成領域をそれぞれ包含するように各溝部が互いに接点を有することなく独立に形成され、これにより前記各溝部の内部領域はそれぞれ独立した振動領域となることを特徴とする。
【0017】
また、支持体によって支持された水晶基板に成膜処理を行うとともに、前記水晶基板に形成された水晶振動子の振動数変化から、前記水晶基板上の複数の電極形成領域に形成された膜の重量を求める工程を有するQCMを用いた重量変化測定方法において、前記QCMの水晶基板として、上記の水晶基板(請求項1記載の発明の水晶基板)を用いることを特徴とするQCMを用いた重量変化測定方法も提供される。
【0018】
【作用】
電極形成領域と、水晶基板に溝部を形成することで、この溝部の内部領域が独立した振動領域となる。このようにすることで、水晶基板の支持部と振動領域とは別個のものとなり、従来問題であった水晶基板の支持部による周波数の変動が抑制される。従って周波数特性が安定化される。
【0019】
また、電極形成領域を複数形成して、各電極形成領域にそれぞれ対応する各溝部は互いに接点を有することなく独立に形成することで、水晶基板上に独立した複数の振動領域が形成されることとなる。これにより前記水晶基板上に複数の水晶振動子が分割して形成されることとなる。
【0020】
更に、上記のような水晶基板を用いて、支持体によって支持された水晶基板に成膜処理を行うとともに、前記水晶基板に形成された水晶振動子の振動数変化から、前記水晶基板上に形成された膜の重量が求められる。
【0021】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。図1に本発明の実施例の説明図を示す。なお、図1において(a)は平面図、(b)は断面図を示す。図1に示すように、水晶基板1における電極形成領域の外周に溝部12を形成し、その外周部にOリング9との接触部が位置するようにしている。
【0022】
溝部12は、通常のエッチング法によって所定のパターンに形成できる。溝部12の深さは水晶基板1の厚みの約1/3以上あればよく、従って溝の幅も前記深さが無理なく達成できる幅であればよい。例えば5MHzの基準振動数を持つ水晶基板の厚みは約0.3mmであり、従って溝の深さは約100μm,幅が0.5mm以上であればよい。
【0023】
溝部12を形成した後に電極2及び3を蒸着で形成する。この際、溝部12を介して外部リード取り出し用端子13を設けるため、溝部12の段差で蒸着膜が切断されないようにする。
【0024】
なお、図1(b)に示されるように水晶基板1の裏面側にも電極3及び端子14が同様に設けてある。電極3及び端子14は、水晶基板1の中心点Oを中心として電極2及び端子13を180度回転させて形成されている。このような電極及び端子を有する水晶振動子1は、液相QCMを行う際にOリング9,10を介して容器と支持台との間に圧接される。この場合Oリング9は、溝部12の外側に接触されるようにする。
【0025】
溝部12が形成された水晶基板を用いた液相QCMの振動子部分の説明図を図2に示す。このように、従来の液相QCMにおいて水晶基板部分を上記図1、2で説明された溝部12を有する基板とすることで、従来は周波数変動が±10Hz程度であったのが、±1Hz/1時間の高安定性が得られる様になった。更に図4のような従来の構造では、Oリング等で圧接されることによって作用する加圧力で周波数が変動していたが、本発明に係る図2の構成では、加圧力を変えても周波数変動は生じない事がわかった。
【0026】
更に、従来構造で問題となっていた面内分布を改善するために、図3の構成も提供される。図3(a)に示すように、反応相に接する側の電極を小面積に分割し、それぞれの電極を溝で分割して各分割電極を独立に発振させる。つまり、各溝で囲まれた電極部はそれぞれ独立した分割水晶振動子となる。
【0027】
従って、個々の分割水晶振動子におけるQCM測定を行うことで、面内の各分割水晶振動子が形成された領域に対応する質量変化の面内分布が計測できるようになる。また、各分割電極からは端子が水晶基板1の周辺方向に向かってひき出されており、これら各端子がそれぞれ発振器に接続される。なお、通常の構成では、発振器のリード線4を各端子に個別に接続するが、発振器を1台としてここに切替端子を設けて周波数を計測することによって、各小面積の分割発振子の周波数が計測できる。
【0028】
また、裏面側の電極は図1のように反応相に接する側に対応した形状としてもよいが、図3(b)に示すように、裏面側に一様な略円形の電極を設けて、表面側の各分割電極が、この一様な略円形の電極が形成された領域内に収まるようにしてもよい。この場合、裏面側の電極は簡素な形状となり、電極を容易に形成することができる。
【0029】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、機械的接続部に起因する周波数の不安定化を抑制することができ、精密な微量重量測定を行うことができる。
【0030】
また、水晶基板内に複数の分割振動子を構成し、各分割振動子が形成された領域ごとに重量変化を測定することが可能となる。従って、液相QCM等を行う際に、質量変化の面内分布をも測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る水晶基板の説明図。
【図2】本発明の一実施例に係る水晶基板を用いた水晶基板の重量変化の測定方法の説明図。
【図3】本発明の他の実施例に係る水晶基板の説明図。
【図4】従来例に係る水晶基板の説明図。
【符号の説明】
1…水晶振動子
2,3…電極
4,5…リード線
6…発振器
7…容器
8…支持台
9,10…Oリング
Claims (2)
- 水晶基板の一方の面上において、電極形成領域と、水晶基板の支持部材が当接する領域と、の間の領域に前記電極形成領域が包含される溝部を形成し、この溝部の内部領域を前記水晶基板の振動領域としたQCM用水晶基板であって、
前記水晶基板には前記電極形成領域が複数形成されるとともに、それら各電極形成領域をそれぞれ包含するように各溝部が互いに接点を有することなく独立に形成され、これにより前記各溝部の内部領域はそれぞれ独立した振動領域となることを特徴とするQCM用水晶基板。 - 支持体によって支持された水晶基板に成膜処理を行うとともに、前記水晶基板に形成された水晶振動子の振動数変化から、前記水晶基板上の複数の電極形成領域に形成された膜の重量を求める工程を有するQCMを用いた重量変化測定方法において、
前記QCMの水晶基板として、請求項1記載の水晶基板を用いることを特徴とするQCMを用いた重量変化測定方法。
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