JP4387385B2 - タンディッシュ - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属を鋳型内に注湯する際に用いられる溶融金属の容器であるタンディッシュに関する。
従来、タンディッシュ内に受容した溶融金属中に存在する非金属介在物の分離除去において、CaO系耐火物からなる複数の板に非金属介在物を付着吸収させる構成を有した溶融金属の清浄化方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この溶融金属の清浄化方法は、タンディッシュ内にCaO系耐火物からなる複数の板を交互に配置して、これらCaO系耐火物の板の間を通過する溶融金属の流速を速くして流れに発生する乱れを大きくし、さらにCaO系耐火物近傍を溶融金属が通過する時間を長くとることにより、非金属系介在物のCaO系耐火物への付着吸収を促進しようとする方法である。
また、溶融金属を旋回槽に受容し、この溶融金属を水平旋回させて非金属介在物を浮上分離するタンディッシュに係る技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。この非金属介在物を浮上分離する技術は、溶融金属を充填した旋回槽に移動磁場を印加して水平旋回による遠心力を溶融金属に与え、溶融金属と非金属介在物との比重差により非金属介在物を旋回槽中心に集め、衝突、吸着、凝集合体を促進することにより非金属介在物を浮上分離するという技術である。
また、溶融金属を回流槽に受容し、この溶融金属を水平旋回させるとともに回流槽に不活性ガスを流して非金属介在物を浮上分離するタンディッシュに係る技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。この非金属介在物を浮上分離する技術は、溶融金属を回流槽に受容する際に、水平一方向成分を有する角度の吐出孔を少なくとも1つ備えたロングノズル内から溶融金属を回流槽に導入し、このロングノズル内に不活性ガスを流しつつ、溶融金属を回流槽の旋回中心から離れた底面近傍位置で回流槽の接線方向に吐出することにより、溶融金属に遠心力を付与して非金属介在物を回流槽中心に集めると同時に、不活性ガスの気泡を回転中心部に集中させることによって、溶融金属中の非金属介在物をガス気泡に凝集・合体させて非金属介在物を浮上分離するという技術である。
特開平05−50193号公報 特開平06−597号公報 特開平07−290210号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたCaO系耐火物からなる複数の板に非金属介在物を付着吸収させる溶融金属の清浄化方法においては、長期の連続使用により非金属系介在物のCaO系耐火物で形成された板への付着吸収が累積し、適切な板の間隔を維持できなくなる場合がある。よって、この構成では溶融金属を流す予備経路が確保されていないため、一つの経路を使用することができなくなることにより、操業を停止しなければならないという問題がある。また、この方法は積極的に乱流を発生させるために非金属系介在物の混合が促進され、タンディッシュ内での非金属系介在物の浮上分離の面においては、浮上率の低下をまねくことになる。
一方、特許文献2に記載された溶融金属を水平旋回させて非金属介在物を浮上分離する技術においては、旋回槽内で発生した溶融金属の流速の旋回成分が浮上槽内まで達し、浮上槽内での溶融金属の流れが乱れることによって、浮上槽内での非金属介在物の浮上が阻害される場合がある。また、浮上槽に設けられた注湯ノズルが複数の場合には、浮上槽内での不均一な流速分布のために、各注湯ノズル出口での溶融金属の流量が不均一となることもある。ならびに、本技術は、移動磁場発生装置が必要であり、コストの増大、装置の複雑化をまねくことも考えられる。
また、特許文献3に記載された溶融金属を水平旋回させるとともに回流槽に不活性ガスを流して非金属介在物を浮上分離する技術においては、特許文献2に記載された技術と同様、回流槽内で発生した溶融金属の流速の旋回成分が整流槽内まで達し、整流槽内での溶融金属の流れが乱れることによって、整流槽内での非金属介在物の浮上が阻害される場合がある。また、整流槽に設けられた注湯ノズルが複数の場合には、整流槽内での不均一な流速分布のために、各注湯ノズル出口での溶融金属の流量が不均一となることもある。ならびに、本技術は、回流槽の旋回中心から離れた位置にロングノズルを配置するため、構造上十分な強度を持たせたロングノズルが必要であり、また、不活性ガスの注入装置も必要となるので、コストの増大、装置の複雑化をまねくことも考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、非金属介在物の浮上分離を促進できるように溶融金属の流れをできるだけ乱さず、かつ簡易な構造のタンディッシュを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係るタンディッシュは、取鍋から溶融金属を受容する受容室と、前記溶融金属を鋳型に注湯する注湯室と、前記受容室と前記注湯室とを連通して前記溶融金属を前記受容室から前記注湯室に流すための連通路とを備えたタンディッシュに関する。そして、本発明に係るタンディッシュは、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明のタンディッシュは、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係るタンディッシュにおける第1の特徴は、前記連通路は、長手方向を有し複数設けられ、前記連通路が前記注湯室に接続する部分における前記連通路の外周面の接線方向であって、且つ前記連通路の長手方向に沿って前記外周面を延長した複数の延長面が、前記受容室から前記注湯室に向かう方向で互いに交差する交差点又は交差線である少なくとも1つの交差部を有していることである。
この構成によると、連通路が長手方向を有さない場合に比較して、取鍋から受容された溶融金属の連通路内での流速が落とされる効果は大きく、よって、この連通路を経由して注湯室内に導入された溶融金属流の乱れを連通路が長手方向を有さない場合に比較して、溶融金属の流速をより小さくできる。また、さらに連通路が複数設けられることにより、例えば、連通路の総断面積を等しくした場合、連通路が1つの場合に比較して溶融金属の連通路壁への接触総面積が大きくなり圧損抵抗が大きくなるので、連通路が1つの場合に比較して溶融金属の連通路内での流速が落とされる効果は大きく、よって、連通路が長手方向を有し、かつ複数設けられることにより、この連通路を経由して注湯室内に導入される溶融金属流の注湯室内での乱れをより小さくできる。
さらに、連通路が複数設けられることにより、例えば、1本の連通路が閉塞した場合でも、残りの連通路を使用することができるので、1本の連通路が閉塞したことによる操業の停止を避けることもできる。また、例えば、特許文献2に記載された移動磁場発生装置や、特許文献3に記載された不活性ガスの注入装置等の追加装置を有さないのでコストも抑えられ、構造も簡易なものとなる。
ここで、前記連通路が前記注湯室に接続する部分における前記連通路の外周面の接線方向であって、且つ前記連通路の長手方向に沿って前記外周面を延長した複数の延長面が、前記受容室から前記注湯室に向かう方向で互いに交差する交差点又は交差線である少なくとも1つの交差部を有するとは、複数の連通路を通過して注湯室内に導入された広がりを持って流れる溶融金属流が、注湯室内の壁面に衝突する前に、その流れの少なくとも一部は合流し1つの大きな流れとなることである。これにより、1つの大きな流れとなった溶融金属流は、注湯室内の水平面上で対称な流動を実現する。溶融金属の複数の流れがそれぞれ単独に注湯室内の壁面に衝突して分散し、その後、互いに衝突して干渉しあう場合に比較して、溶融金属の流れの乱れを抑制することができ、よって溶融金属中に存在する非金属介在物の浮上率を高め、非金属介在物の浮上分離を促進できる。
また、本発明に係るタンディッシュにおける第2の特徴は、前記交差部は、複数の前記延長面が、前記受容室から前記注湯室に向かう方向で最初に互いに交差する交差点又は交差線である第1交差部であり、前記第1交差部が、前記注湯室内にあるように、前記連通路が設けられることである。
この構成によると、上記第1交差部が注湯室外にある場合に比べて、連通路を通過して注湯室内に導入された広がりを持って流れる溶融金属流が注湯室内の壁面に衝突する前に合流する割合は大きくなる。よって、複数の溶融金属流は、互いに合流してより大きな1つの流れとなる。また、逆に、溶融金属の複数の流れがそれぞれまず単独に注湯室内の壁面に衝突して分散する溶融金属流の割合は小さくなる。よって、複数の単独の溶融金属流が互いに衝突して干渉しあう割合が小さくなる。したがって、溶融金属流の衝突による注湯室内での溶融金属流の乱れを抑制する効果が大きくなる。これにより、溶融金属中に存在する非金属介在物の浮上率を高め、非金属介在物の浮上分離を促進できる。
また、本発明に係るタンディッシュにおける第3の特徴は、複数の前記延長面が、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対向する前記注湯室の対向壁面の法線に対して互いに線対称となるように、前記連通路が設けられることである。
この構成によると、複数形成される溶融金属の流れを合成した溶融金属流の合成成分は上記対向壁面に対してほぼ直角方向の成分となる。つまり、溶融金属の全体的な流れとして、上記対向壁面に衝突した溶融金属流は上記対向壁面に対してほぼ直角に衝突し、ほぼ均等に周囲に分散していくことになる。ここで、例えば、上記の対向壁面が水平面に対して垂直ではなく受容室から注湯室に向かって斜め上方に傾いて形成されている場合であっても、溶融金属流がこの斜め上方に傾いた対向壁面に衝突後、その多くが対向壁面に沿って上方に流れることなく、ほぼ均等に周囲に分散していく。したがって、このように対向壁面が水平面に対して垂直ではなく受容室から注湯室に向かって斜め上方に傾いて形成されている場合であっても、非金属介在物が浮上、滞留して形成された注湯室内の表面層を攪拌するというような、非金属介在物の除去率の低下を招く流れを抑制することができる。
また、本発明に係るタンディッシュにおける第4の特徴は、前記交差部が、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対して垂直方向に前記注湯室を2等分する垂直対称面上にあるように、前記連通路が設けられることである。
この構成によると、複数の連通路から導入された複数の溶融金属流は、上記注湯室内の水平方向両側に同等の分散スペースが確保されているため、合流後において溶融金属の水平方片側一方への不均一な流れを防止でき、注湯室内の流れの乱れを抑えることができる。よって、溶融金属中に存在する非金属介在物の浮上率を高め、非金属介在物の浮上分離を促進できる。
また、本発明に係るタンディッシュにおける第5の特徴は、前記連通路は、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対して垂直方向に前記注湯室を2等分する垂直対称面の両側であって対称に設けられることである。
この構成によると、溶融金属が注湯室に導入される位置で、受容室から注湯室に向かって溶融金属の流れるスペースが左右にほぼ同じスペース確保される。よって、注湯室内での水平方向片側一方への不均一な流れを防止でき、非金属介在物の除去率の低下を抑制することができる。
また、本発明に係るタンディッシュにおける第6の特徴は、前記連通路は、垂直高さが等しく、かつ水平に設けられることである。
この構成によると、連通路から導入された非金属介在物を含む溶融金属の流れが、注湯室の底面に設けられた注湯出口に直接向かうことを防止でき、非金属介在物を含む溶融金属が最短経路で注湯出口から吐出していくというような、非金属介在物の除去率の低下を抑制することができる。また、非金属介在物が浮上、滞留して形成された注湯室内の表面層に向かう流れも防止でき、この非金属介在物を含む表面層を攪拌するというような、非金属介在物の除去率の低下を招く流れを抑制することができる。
また、本発明に係るタンディッシュにおける第7の特徴は、前記注湯室は、底面に前記溶融金属を鋳型に注湯するための複数の注湯出口を有し、複数の前記注湯出口は、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対して平行な1つの直線上に配置され、前記交差部が、複数の前記注湯出口のうち両端に配置された2つの前記注湯出口から等距離の位置にあるように、前記連通路が設けられることである。
この構成によると、後段設備の鋳型に注湯される溶融金属の流量をほぼ均一にすることができる。また、給湯出口が複数あるため、例えば、1つの給湯出口以降の設備に清掃等のメンテナンスが必要になった場合でも、残りの給湯出口以降の設備を使用することができるので、設備を完全に停止する必要がなく、生産効率やメンテナンス性にも優れる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明に係るタンディッシュは、例えば、製鉄プロセスの連続鋳造に用いるものである。但し、インゴット造塊などのバッチ式の鋳造プロセスでも用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタンディッシュ1の縦断面模式図である。本実施形態に係るタンディッシュ1は、取鍋から受容した溶融金属の中に含まれる非金属介在物を浮上分離して除去し、非金属介在物が除去された溶融金属を鋳型に注湯するための鋳造用の容器である。このタンディッシュ1は、取鍋からの溶融金属を受容するための受容ノズル2が設けられこの溶融金属を受容する受容室3と、溶融金属中の非金属介在物を浮上分離し、かつ底面に溶融金属を鋳型に注湯するための注湯出口6が設けられ溶融金属を鋳型に注湯する注湯室5と、受容室3と注湯室5とを連通して溶融金属を受容室3から注湯室5に流すための連通路4とを備える溶解金属の容器である。図1における矢印は、溶融金属の流れ方向を示す。
受容室3は、受容ノズル2を介して取鍋からの溶融金属を受容し、連通路4を介して溶融金属を注湯室5に流すためのものであり、受容室3の上部には溶融金属よりも比重が軽いアルミナ系やジルコニア系等の非金属介在物が浮上した非金属介在物層11が形成される。注湯室5は、連通路4を介して溶融金属を受け入れ、注湯出口6を介して溶融金属を後段設備の鋳型に注湯するためのものであり、また、溶融金属の中に含まれる上記非金属介在物を浮上分離し、除去するためのものである。注湯室5の上部には上記の非金属介在物が浮上した非金属介在物層11が形成される。
図2は、本発明の一実施形態に係るタンディッシュ1の平断面模式図である。本実施形態に係るタンディッシュ1の連通路4は長手方向を有し、図2に示すように連通路4aと連通路4bとから形成される2本の連通路4を有している。ここで、連通路4は2本に限られることはなく3本等複数設けられていても良い。尚、本実施形態に係る連通路4の流路断面形状は、どちらも円形であるが、連通路4の断面形状は、矩形でも、多角形でも良い。連通路4の断面積は、タンディッシュ1の大きさや鋳込み速度、連通路4の設けられる高さ等によって最適な大きさとするのが望ましい。また、連通路4aが注湯室5に接続する部分AAにおける連通路4aの外周面の接線方向であって、且つ連通路4aの長手方向に沿ってこの外周面を延長した延長面Aと、連通路4bが注湯室5に接続する部分BBにおける連通路4bの外周面の接線方向であって、且つ連通路4bの長手方向に沿ってこの外周面を延長した延長面Bとは、受容室3から注湯室5に向かう方向で最初に互いに交差している。さらに、この交差点αは、注湯室5内に存在し、且つ連通路4が注湯室5に接続する注湯室5の接続壁面に対して垂直方向に注湯室5を2等分する垂直対称面γ上でもある。
尚、上記の連通路4aの外周面を連通路4aの長手方向に沿って延長した延長面Aと、連通路4bの外周面を連通路4bの長手方向に沿って延長した延長面Bとの交差が点となるのは、連通路4a及び連通路4bの断面がいずれも円形であり、よって、延長面A及び延長面Bはいずれも筒状の面となるので、2つの筒状の面が交差する場合、最初は点で交差するからである。ただし、例えば、連通路4a及び連通路4bの断面がいずれも矩形である場合などは、上記の交差は線となる場合もある。
ここで、交差点αが注湯室5外にある場合に比べて、連通路4a又は連通路4bを通過して注湯室5内に導入された広がりを持って流れる溶融金属流が注湯室5内の壁面に衝突する前に合流する割合は大きくなる。よって、複数の溶融金属流は、互いに合流してより大きな1つの流れとなる。また、逆に、溶融金属の複数の流れがそれぞれまず単独に注湯室5内の壁面に衝突して分散する溶融金属流の割合は小さくなる。よって、複数の単独の溶融金属流が互いに衝突して干渉しあう割合が小さくなる。
さらに、上記垂直対称面γ上で連通路4aからの溶融金属流と、連通路4bからの溶融金属流とが合流するため、合流後の溶融金属流は、垂直対称面γを基準面として対称に分散していく。したがって、溶融金属の流れの乱れをより抑制することができる。
尚、上述する本実施形態において、連通路4aからの溶融金属流と連通路4bからの溶融金属流とは、注湯室5内でほぼ全て合流することになる。ただし、広がりを持って流れる溶融金属流が、注湯室5内の壁面に衝突する前に、その流れの少なくとも一部が合流すれば溶融金属流の乱れを抑制できる。つまり、延長面A及び延長面Bが受容室3から注湯室5に向かう方向で互いに交差すれば良く、交差部は、上記注湯室5内に限られるものではない。
また、延長面A及び延長面Bが、連通路4が注湯室5に接続する注湯室5の接続壁面に対向する注湯室5の対向壁面の法線に対して互いに線対称となるように、連通路4が設けられることが好ましい。
このように連通路4aと、連通路4bとを配置すると、複数形成される溶融金属の流れを合成した溶融金属流の合成成分は上記対向壁面に対してほぼ直角方向の成分となる。つまり、溶融金属の全体的な流れとして、上記対向壁面に衝突した溶融金属流は上記対向壁面に対してほぼ直角に衝突し、ほぼ均等に周囲に分散していくことになる。ここで、例えば、上記の対向壁面が水平面に対して垂直ではなく受容室3から注湯室5に向かって斜め上方に傾いて形成されている場合であっても、溶融金属流がこの斜め上方に傾いた対向壁面に衝突後、その多くが対向壁面に沿って上方に流れることなく、ほぼ均等に周囲に分散していく。したがって、このように対向壁面が水平面に対して垂直ではなく受容室3から注湯室5に向かって斜め上方に傾いて形成されている場合であっても、非金属介在物が浮上、滞留して形成された注湯室5内の非金属介在物層11を攪拌するというような、非金属介在物の除去率の低下を招く流れを抑制することができる。
また、本実施形態に係るタンディッシュ1の連通路4aと、連通路4bとは、図2に示すように、連通路4が注湯室5に接続する注湯室5の接続壁面に対して垂直方向に注湯室5を2等分する垂直対称面γの両側であって対称に設けられ、また、図1に示すように、どちらも垂直高さが等しく、かつ水平に設けられている。連通路4aと連通路4bとを、このように配置することは、注湯室5内での溶融金属の不均一な流れを防止するために好ましい。しかし、連通路4aと連通路4bとの配置は、これに限られるわけではない。
また、注湯室5の底面には、溶融金属を後段設備の鋳型に注湯するための注湯出口6が2つ設けられている。連通路4aと、連通路4bとからの溶融金属流が合流する交差点が、注湯出口6aと、注湯出口6bから等距離の位置になるよう、連通路4aと、連通路4bが設けられている。こうすることにより、注湯出口6aと、注湯出口6bとを介して鋳型に注湯される溶融金属の流量をほぼ均一にすることができる。尚、この注湯出口6は、生産効率やメンテナンス性を考慮して本実施形態のように複数、設けられることが好ましい。ただし、本実施形態のように2つに限られるものでない。
以下、図1及び図2に示す本発明の一実施形態に係るタンディッシュ1に基づいて行われた溶融金属中に含まれる非金属介在物の浮上分離についての数値解析結果に関して説明する。図3は、受容室3と注湯室5とを連通する連通路4’aと、連通路4’bとを互いに平行に配置し、その他の構成は、上述するタンディッシュ1と同じタンディッシュ30を示す模式図であり、このタンディッシュ30に基づいて行われた数値解析結果を、比較対象として示す。
解析条件は、タンディッシュ1の数値解析も、タンディッシュ30の数値解析も同じ条件とし、100μmの粒子径を有するアルミナ系の非金属介在物粒子の流動解析を実施した。
数値解析結果として、本発明の一実施形態に係るタンディッシュ1の解析結果は、浮上粒子の割合が約55%であった。それに対し、2つの連通路が平行に配置されたタンディッシュ30の解析結果は、浮上粒子の割合が約38%であった。よって、タンディッシュ1の解析結果の方が明らかに浮上粒子の割合が高く、つまり浮上分離効率が高くなっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
例えば、図4は、本発明の他の実施形態に係るタンディッシュ101を示す平断面模式図である。図4に示すタンディッシュ101は、連通路7の形状が上記タンディッシュ1の連通路4と異なる。連通路7aと連通路7bとは、受容室3から注湯室5に向かう方向で最初は互いにほぼ平行となっているが、途中で、連通路7a(7b)が注湯室5に接続する部分AA’(BB’)における連通路7a(7b)の外周面の接線方向に向かうように曲がり、それぞれの延長面A’と延長面B’とは、注湯室5内で交差している(交差点α1)。
尚、この交差点α1は、連通路7が注湯室5に接続する注湯室5の接続壁面に対して垂直方向に注湯室5を2等分する垂直対称面γ上でもある。
本発明の一実施形態に係るタンディッシュを示す縦断面模式図である。 本発明の一実施形態に係るタンディッシュを示す平断面模式図である。 2つの連通路が平行に配置されたことを特徴とする他のタンディッシュを示す平断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係るタンディッシュを示す平断面模式図である。
符号の説明
1 タンディッシュ
2 受容ノズル
3 受容室
4 連通路
5 注湯室
6 注湯出口
11 非金属介在物層
A 連通路4aの外周面の延長面
B 連通路4bの外周面の延長面
α 交差点
γ 注湯室5の垂直対称面
30 連通路が平行な他のタンディッシュ

Claims (7)

  1. 取鍋から溶融金属を受容する受容室と、前記溶融金属を鋳型に注湯する注湯室と、前記受容室と前記注湯室とを連通して前記溶融金属を前記受容室から前記注湯室に流すための連通路とを備えたタンディッシュであって、
    前記連通路は、長手方向を有し複数設けられ、
    前記連通路が前記注湯室に接続する部分における前記連通路の外周面の接線方向であって、且つ前記連通路の長手方向に沿って前記外周面を延長した複数の延長面が、前記受容室から前記注湯室に向かう方向で互いに交差する交差点又は交差線である少なくとも1つの交差部を有していることを特徴とする、タンディッシュ。
  2. 前記交差部は、複数の前記延長面が、前記受容室から前記注湯室に向かう方向で最初に互いに交差する交差点又は交差線である第1交差部であり、
    前記第1交差部が、前記注湯室内にあるように、前記連通路が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のタンディッシュ。
  3. 複数の前記延長面が、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対向する前記注湯室の対向壁面の法線に対して互いに線対称となるように、前記連通路が設けられることを特徴とする、請求項2に記載のタンディッシュ。
  4. 前記交差部が、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対して垂直方向に前記注湯室を2等分する垂直対称面上にあるように、前記連通路が設けられることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタンディッシュ。
  5. 前記連通路は、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対して垂直方向に前記注湯室を2等分する垂直対称面の両側であって対称に設けられることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタンディッシュ。
  6. 前記連通路は、垂直高さが等しく、かつ水平に設けられることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタンディッシュ。
  7. 前記注湯室は、底面に前記溶融金属を鋳型に注湯するための複数の注湯出口を有し、
    複数の前記注湯出口は、前記連通路が前記注湯室に接続する前記注湯室の接続壁面に対して平行な1つの直線上に配置され、
    前記交差部が、複数の前記注湯出口のうち両端に配置された2つの前記注湯出口から等距離の位置にあるように、前記連通路が設けられることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のタンディッシュ。
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