JP3962249B2 - 溶融金属中の非金属介在物除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼、鋳鉄、銅、アルミ等の溶融金属、特に連続鋳造における溶鋼中の非金属介在物の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造において、アルミナのような非金属介在物は、製品の品質を低下させたり浸漬ノズル等のノズル孔を閉塞させる原因となる。この溶鋼中の非金属介在物を除去するための手段として、例えば、鋳造中に浸漬ノズルのノズル孔内へ不活性ガスを吹き込む方法が一般的に知られている。これは、吹き込まれた不活性ガスがノズル孔を通過する時に、介在物に気泡が付着し、介在物は気泡とともにノズル孔から流出することでノズル閉塞が防止されると考えられている。また、気泡に付着した介在物は、モ−ルド内を浮上することで鋳片中には混入しないとされている。しかし、この方法では、モ−ルド内に流入したガスの一部が鋳片中に混入して、ピンホ−ルのような製品欠陥を生じる場合がある。
【0003】
また、このガス吹き込みによる非金属介在物の除去手段の一つとして、ノズル内へのガスの流入を防止するために、タンディッシュ内で上ノズルの周囲から上へガスを吐出することが特開平4−10066号公報に開示されているが、実際には、ガスのかなりの部分がノズル内へ流入して、気泡による製品欠陥がもたらされる恐れがある。
【0004】
さらには、タンディッシュの底面の広い部分からアルゴンのような不活性ガスの小気泡を吹き込む方法が特開平9−122847号公報に開示されているが、このガス吹き込み方法で介在物を完全に除去しようとすると、多量のガスが必要となり、コストがかかり不経済であるばかりではなく、ガスを吹き込むための耐火物も大型となり、高価になる問題がある。
【0005】
さらに、このように気泡発生領域が高さ方向に大きい場合には、不活性ガスの気泡は、溶鋼ヘッド圧の低下と気泡どうしの合体により大きくなるため、溶鋼中の上部の気泡には介在物補足能力がほとんどなくなってしまう問題もある。したがって、溶融金属の通過する位置によって介在物補足効果が大きく違ってくるのである
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、溶融金属容器中に不活性ガスを吹き込んで溶融金属中の介在物を除去するに際して、確実に非金属介在物を捕獲ししかも吹き込まれたガスがモ−ルド内に流入することがない手段を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
【0008】
その第1の発明は、溶融金属容器を縦に2つの部屋に仕切る仕切り部を設け、この仕切り部には、その高さが溶融金属容器に充満した溶融金属の高さの5〜70%であって溶融金属を溶融金属容器の内部から溶融金属容器の底に設けた排出孔へ連通する溶融金属通路を備え、この溶融金属通路を通る溶融金属へ下方からベース耐火物によってガスを吐出することで溶融金属中の非金属介在物を除去する方法であって、前記仕切り部は、溶融金属容器の底面に設けた下部堰と、下部堰の上部に設けた上部堰とによって構成され、前記下部堰は、複数の柱状耐火物によって構成されており、前記溶融金属通路は、上部堰と下部堰の間の隙間と、前記柱状耐火物どうしの向かい合う側面とベース耐火物の上面とによって形成された縦溝とからなり、この縦溝には狭部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、ベース耐火物の上に互いに間隔をおいて配列した複数の柱状耐火物の相隣り合う側面の一面に、その水平断面が円形に近い深い窪みを形成し、この窪みに相対する他方の面に、窪みの入り口側に向かって延びる突出部を形成したことを特徴とする。
【0013】
他の発明は、上記第1の発明において、縦溝の出口側の流れの方向は、入り口側の流れの方向に対して30度以上傾いていることを特徴とする。
【0014】
さらに、他の発明は、上記第1の発明において、溶融金属通路の通過断面積の総和が排出孔の通過断面積の1〜5倍であることを特徴とする。
【0015】
さらに、また、他の発明は、上記第1の発明において、不活性ガスが縦溝の狭部を含む上流側の下方から吐出することを特徴とする。
【0016】
さらに、また、他の発明は、溶融金属の流れの方向変化点近傍において、下方から不活性ガスを吐出することを特徴とする。
【0017】
本発明は、溶融金属容器内に設けた高さの低い溶融金属通路を通過する溶融金属に、下方から不活性ガスを吹き込むことによって、不活性ガスの気泡どうしの合体あるいは圧力低下による気泡の膨張などによる気泡径の拡大を抑制し、微細な気泡と介在物とを接触させることができる。そして溶融金属は全てこの溶融金属通路を通過する。このため、気泡による介在物捕獲率が非常に高まる効果が得られる。
【0018】
しかも、溶融金属通路として複数の縦溝を設けることでその出口部に渦流を発生させて、不活性ガスの気泡と介在物との接触頻度を向上しさらに同時に発生する上昇流によって気泡を上部に素早く移動させるものである。
【0019】
そしてこの渦流を溶融金属通路の縦溝内で発生させることでより上流側で気泡を上部に早く逃がすことができるので、排出孔周りに下部堰を設置しても、モールド内へ気泡が流れ込むことを防止することができるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0021】
実施例1
図1は、本発明の第1の実施例を示す縦断面を、図2は、図1のII−II面による本発明の下部堰10の水平断面を示す。
【0022】
図1は、タンディッシュ内を上部堰7と下部堰10とによって、上部堰7と下部堰10とによって囲まれる排出孔5を含む部屋とそれ以外の部分との2つの部屋に仕切り、この上部堰7と下部堰10とによって溶融金属通路として上部堰7と下部堰10の間の隙間8と下部堰10の縦溝15が形成され、ベース耐火物1の上面からガスを吐出することで溶融金属通路を通過する溶融金属に不活性ガスを吐出する溶融金属中の非金属介在物除去方法を示す。
【0023】
下部堰10は、図2に示すようにベース耐火物1の上にタンディッシュの排出孔5である上ノズル3のノズル孔を中心に囲むように、筒状に配列し固定した12個の柱状耐火物2によって構成されている。縦溝15は、この柱状耐火物どうしの向かい合う側面とベース耐火物の上面とによって形成されている。
【0024】
また、同図に示すように、柱状耐火物2の側面には、上下方向に水平断面が台形をなす突出部19が形成されている。そして、12個のそれぞれの柱状耐火物2の側面には、突出部19が形成された面と、突出部が形成されていない面とが向き合って途中が狭くなった狭部16が形成されている。この突出部19の水平断面形状は、台形に限らず、例えば正方形、長方形、円形、多角形等の何れの形状でもよい。この実施例においては、配列した柱状耐火物の片面のみに突出部19を形成した例を示しているが、両面に形成しても特に問題はない。
【0025】
また、配列された柱状耐火物2によって形成される内孔の上部は、図1に示すように、内孔拡大部17が形成されており、この内孔拡大部17に上部堰の先端部9が嵌入することもできる。
【0026】
上部堰7は、円柱状をした耐火物で先端部9が円錐台をした形状をしており、間隔を置いて下部堰10の上に位置している。そして上部堰と下部堰の間には、溶融金属通路として縦溝15と上部堰と下部堰との隙間8とが形成されている。また、この上部堰7は、自由に昇降できるようになっており下部堰10の上部とは完全に嵌合しても良い。完全に嵌合した場合には、縦溝15のみから溶融金属が排出孔5に入ることになる。さらに、この実施例では、上部堰7の中心部にガス導入用の貫通孔11が形成され、しかも先端部は通気性耐火物から形成されており、必要に応じてガスを吐出できるようになっている。
【0027】
筒状に形成されたベース耐火物1は、溶融金属中に不活性ガスを吹き込むためのポ−ラスプラグやタンディシュの上ノズルのようなガス吹き込み用耐火物に使用されている一般的な通気性材料で構成されている。例えば図1に示すように、ベース耐火物1の下部は、メタルケ−ス12で覆われ、その下面にはガス導入パイプ13が取り付けられている。さらに、このバブリング耐火物1の外周面には、メタルケース12の上部と密着して隣接したシ−ル層14が設けられている。そのため、ガス導入パイプ13から導入されたガスは、ベース耐火物1の上端面のみから吐出されるようになっている。ベース耐火物1の内孔には、排出孔5を有する上ノズル3が装着されており、そして、上ノズル3の下側には、スライディングノズルのための一組のプレ−トれんが4と、さらに、その下側には浸漬ノズル6が設けられている。
【0028】
この実施例の場合にはベース耐火物1からガスを吐出する構造になっているが、ベース耐火物1からガスを吐出せず、柱状耐火物2を前述した通気性材料で構成してシール層を設けることにより、柱状耐火物2の下部からガスを吐出しても特に問題はない。
【0029】
溶融金属通路は、通過断面積の総和が、排出孔の通過断面積の1倍以上10倍以下を確保することが好ましく、さらには排出孔の通過断面積の1倍以上5倍以下がより好ましい。ここで言う通過断面積とは、溶融金属通路の最小部の進行方向に対して垂直な断面積のことである。例えば、溶融金属通路がこの実施例のように複数の縦溝15と上部堰と下部堰の隙間8とからなる場合には、縦溝15の狭部16における溶融金属通路の進行方向に対して垂直な断面積の和と上部堰と下部堰の隙間の最小部の進行方向に対して垂直な断面積との総和が通過断面積の総和である。また、ここで言う排出孔の通過断面積とは、排出孔の水平断面の断面積が最も小さい部分である。溶融金属通路の通過断面積の総和が1倍未満の場合、排出孔からの十分な排出量を確保することができなくなる恐れがある。また、10倍より大きいと耐火物も大型になりしかもガス吹き込み量が多くなるので経済的でない。
【0030】
溶融金属通路の高さは、溶融金属容器に充満した溶融金属の高さに対して5〜70%が好ましく、さらには5〜50%にすることがより好ましい。高さが70%を超えると気泡の合体等で溶融金属通路の上部での介在物の補足率が低下し、5%未満では排出するための必要流量を確保しにくくなる。
【0031】
このように溶融金属中に上部堰7と下部堰10を配置し、しかも不活性ガスを吐出することで、溶融金属の流れがない場合、すなわち、排出孔5を閉じた条件下では、溶融金属中にガスの気泡の上昇流が形成される領域つまりガスの気泡膜を形成することになる。そして、下部堰と上部堰とで囲まれた排出孔近傍の領域と、これ以外の部分とは、隔離された状態になる。また、ガスを吐出しながら排出孔を開けると、気泡膜の全てあるいは一部が溶融金属の流れに乗り溶融金属通路を通過することになる。
【0032】
次に溶融金属中の介在物除去機構について説明する。
【0033】
溶融金属の排出を開始すると、溶融金属容器中の溶融金属は溶融金属通路を流れ、この通過する溶融金属にはベース耐火物の上面から不活性ガスの微細な気泡が吐出する。この気泡と溶融金属中の非金属介在物が接触することで気泡が非金属介在物を補足する。この時、溶融金属通路の高さが十分低いため(実施例1では溶融金属高さの35%)、気泡が拡大する前に介在物を補足できるため補足率が高くなる。
【0034】
また、縦溝の出口側では溶融金属の流速が低下し渦流が発生する。以下、図2に示す柱状耐火物1の配列状態を部分的に拡大した平面図によって渦流発生状態を矢印によって示す図3に基づいて説明する。同図に示すように、タンディッシュ内の溶融金属は、縦溝15を矢印の方向に向かって通過する。このとき、溶融金属は、狭部16を通過した直後と縦溝15から出た直後に渦流が発生する。一方、この縦溝15内では溶融金属中に下からガスが吐出される。そして、前記渦流部分で溶融金属中の介在物とガスの気泡との衝突頻度がより高くなり、しかも気泡が上昇するために上昇流が発生する。気泡に衝突した溶融金属中の介在物は気泡に補足され、気泡と一体化してタンディッシュ内の溶融金属中を上昇する。従って、渦流が発生することにより、介在物補足率が向上しする。さらに、しかも気泡をより早く上昇させるとができるので、排出孔への気泡の進入が抑制できる。
【0035】
縦溝内に狭部を設けなくても本発明の効果は十分得られるが、狭部を設けると縦溝内と出口との2箇所で渦流を発生させることでより気泡と介在物との接触頻度を上げることができかつ確実に気泡を上昇する効果を高めることができる。
【0036】
また不活性ガスを吹き込む位置は、縦溝の下方全体に渡っても良いし、ある範囲で吹き込むこともできる。特に、排出孔により近い位置に柱状耐火物2を寄せて下部堰を設ける場合には、不活性ガスを縦溝の狭部から縦溝の入り口付近までの範囲の下方に限定して吐出することで、十分な介在物除去効果が得られしかも排出孔への気泡の混入を抑制することができる。この縦溝の入り口付近とは具体的には縦溝の入り口の中央から半径100mmまでの範囲である。
【0037】
実施例2
図4は、本発明の第2の実施例としての下部堰20を示す。この図4は、上記実施例1の図3に対応するもので、この例の場合、図1に示す筒状のベース耐火物1の上に配列した柱状耐火物2の断面形状を、柱状耐火物2の相互間に形成された縦溝15内に発生する渦流をより多く複雑に発生させやすくするために、特殊な形状としたものである。
【0038】
同図に示すように、柱状耐火物2の相隣り合う面にその水平断面においてより深く円形に近い窪み18を形成し、それに相対する面に、この窪み18の入り口側に向かって延びる突出部19を形成している。この突出部は狭部16を形成する。また、狭部16を通過した溶融金属は、窪み18の中心側に向かって流れるように、突出部19および窪み18によって通路が形成されている。
【0039】
さらに、溶融金属の流動をなだらかにして、圧力損失を小さくし、入り口の速度を速くするために入り口部の形状を滑らかにしている。出口側も形状をなめらかにして、圧力損失を小さくする。また、出口の方向も入り口の方向とは変化させ、また、ノズル孔への方向からはずらしている。
【0040】
溶融金属通路の出口側の流れの方向は、入り口側の流れの方向に対して30度以上変化しているとより渦流が発生しやすくなる。つまり、図4において、溶融金属通路の入り口部の流れの方向を示す矢印Aと、溶融金属通路の出口部の流れの方向を示す矢印Bとの角度θが30度より大きいことを意味する。
【0041】
この流れの方向変化点近傍つまり窪み18において下方からガスを吐出すると、渦流によって上昇流がより強く発生するので、介在物除去効果及び気泡の浮上速度向上効果をさらに高めることができる。
【0042】
実施例3
図5は本発明の第3の実施例として溶融金属容器としてタンディッシュ内に2つめの仕切りを設けた例を示す。図6は、図5のA−A方向から見た水平断面図であり下部堰付近の拡大部分を示す。
【0043】
図5においては、タンディッシュの排出孔近くには1つ目の仕切りとして実施例1と全く同じ構造の上部堰と下部堰を設け、排出孔から離れた部位に2つめの仕切りとして下部堰21と上部堰23を設けたものである。
この下部堰21は図6に示すようにベース耐火物1の上に横一列に配列し固定した複数の柱状耐火物2で構成されている。柱状耐火物2は、間隔を設けて7個配置することで溶融金属通路として6つの縦溝15を形成している。柱状耐火物2のお互いの側面どうしが対向する面には突出部19が形成されている。この突出部によって縦溝15の途中が狭くなった部分つまり狭部16を形成する。柱状耐火物2は、直方体をしたベース耐火物1の上に固定している。
【0044】
このベース耐火物1は、ガス吹き込み用耐火材からなり、下半分はメタルケース12で覆われ、メタルケース12は、その底部にガスを導入するガス導入パイプ24を有している。またベース耐火物のメタルケース以外の側面はモルタルで覆われており、溶鋼に接触する面のみからガスが吐出できるようになっている。上部堰23は、直方体をした耐火物で、下部堰21の上部に間隔を置いて図示しない吊り具にて保持されている。そして上部堰と下部堰との隙間27と前記縦溝15が溶融金属通路となる。
【0045】
図5において、ロングノズル22から供給された溶融金属は排出孔5の方向へ流れるが、途中で上部堰23と下部堰21とで形成される溶融金属通路を通過する。この時、溶融金属通路内にはベース耐火物1からガスが吐出されているが、上部堰によって高さ方向の制限があるので、溶融金属は微細な不活性ガスと接触することで効率良く補足される。また、縦溝内の狭部の下流側及び縦溝の下流側には渦流が発生するので、気泡の上昇速度が早くなる。
【0046】
また、このように、2ヶ所に設けた溶融金属通路に下からガスを吹き込むことで、より介在物と気泡との接触頻度を上げることができるためさらに除去効果を高めることができる。
【0047】
また、この実施例においてベース耐火物は、上流側の上面が低く下流方向に向かって上面が高くなるように傾斜していても良い。こうすることによって、下流側でより上昇流が発生しやすくなる。この結果、気泡がより上昇しやすくなる。
【0048】
実施例4
図7は、本発明の第4の実施例を縦断面によって示すもので、ロングノズル22の周囲に上部堰23と下部堰21を配置し、溶融金属通路として上部堰23と下部堰21の間に隙間27、下部堰21に複数の縦溝15を形成し、下部堰21の下部から、ガス導入パイプ24を通じてガスを吐出する溶融金属の非金属介在物除去方法を示している。
【0049】
図7及び図7のA−A矢視図である図8に示される通り、上部堰23は円筒形の耐火物で、下部堰に対して間隔を設けた状態で、図示しない吊り具で上から保持され、内孔にロングノズル22が貫通するように配置している。
【0050】
また円筒形状をした下部堰21の内孔内にはロングノズル22の先端部が入っている。この下部堰21は、ベース耐火物25とその上に設けた複数の柱状耐火物2とからなり、実施例1の筒状堰10と似た構造をしているが、ベース耐火物25の内孔にはガス吹き込み機能を有しない緻密な耐火物26が配置されている点が実施例1の筒状堰10と異なる。
【0051】
下部堰21は、図7のB−B矢視図である図9に示すように実施例1と同じように筒状に配置した12個の柱状耐火物2からなっている。ロングノズル22から排出された溶融金属は、下部堰中の縦溝15及び上部堰と下部堰との隙間27を通過するが、縦溝15には狭部16が設けられている。ベース耐火物25から不活性ガスが吐出されているため、溶融金属通路を通過する溶融金属には不活性ガスの気泡が吹き込まれる。
【0052】
このように、ロングノズル22の周囲に下部堰21と上部堰23を設けることで、タンディッシュの排出孔からかなり離れることになるのでモ−ルドへの気泡の巻き込みの心配もなくガス吐出量を増やすことができる。また排出孔上部との2箇所で介在物除去を行うこともできるため、より介在物除去効果が向上する。
【0053】
【発明の効果】
本発明によって、以下の効果を奏する。
【0054】
1.溶融金属容器内での介在物捕獲率が向上する。
【0055】
2.溶融金属容器内で気泡及び介在物を補足した気泡を早く浮上させることができる。
【0056】
3.排出孔周りに下部堰を設置してガスを吐出しても、モールド内へ気泡が流れ込むことを防止することができる。
【0057】
4.吹き込みガスの使用量が少なくでき、経済的である。
【0058】
5.ノズル閉塞が無くなるので、ノズルの寿命が向上する。
【0059】
6.気泡や介在物がモールド内へ入ることを抑制できるため、鋼の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を縦断面によって示す。
【図2】 図1のII−II面による下部堰の水平断面を示す。
【図3】 下部堰の作用を示す。
【図4】 本発明の第2の実施例を示す。
【図5】 本発明の第3の実施例を示す。
【図6】 図5のA−A方向から見た水平断面図を示す。
【図7】 本発明の第4の実施例を示す。
【図8】 図7のA−A方向から見た水平断面図を示す。
【図9】 図7のB−B方向から見た水平断面図を示す。
【符号の説明】
10、20、21 下部堰
1 ベース耐火物 2 柱状耐火物 3 上ノズル
4 プレ−トれんが 5 排出孔 6 浸漬ノズル
7 上部堰 8 上部堰と下部堰との隙間
9 先端部 11 ガス貫通孔
12 メタルケ−ス 13 ガス導入パイプ 14 シ−ル層
15 縦溝 16 狭部 17 内孔拡大部
18 窪み 19 突出部 22 ロングノズル
23 上部堰 24 ガス導入パイプ 25 ベース耐火物
26 緻密な耐火物 27 上部堰と下部堰との隙間
Claims (6)
- 溶融金属容器を縦に2つの部屋に仕切る仕切り部を設け、この仕切り部には、その高さが溶融金属容器に充満した溶融金属の高さの5〜70%であって溶融金属を溶融金属容器の内部から溶融金属容器の底に設けた排出孔へ連通する溶融金属通路を備え、この溶融金属通路を通る溶融金属へ下方からベース耐火物によってガスを吐出することで溶融金属中の非金属介在物を除去する方法であって、
前記仕切り部は、溶融金属容器の底面に設けた下部堰と、下部堰の上部に設けた上部堰とによって構成され、
前記下部堰は、複数の柱状耐火物によって構成されており、
前記溶融金属通路は、上部堰と下部堰の間の隙間と、前記柱状耐火物どうしの向かい合う側面とベース耐火物の上面とによって形成された縦溝とからなり、この縦溝には狭部が形成されている溶融金属中の非金属介在物除去方法。 - ベース耐火物の上に互いに間隔をおいて配列した複数の柱状耐火物の相隣り合う側面の一面に、その水平断面が円形に近い深い窪みを形成し、この窪みに相対する他方の面に、窪みの入り口側に向かって延びる突出部を形成した請求項1に記載の溶融金属中の非金属介在物除去方法。
- 縦溝の出口側の流れの方向は、入り口側の流れの方向に対して30度以上傾いている請求項1に記載の溶融金属中の非金属介在物除去方法。
- 溶融金属通路の通過断面積の総和が排出孔の通過断面積の1〜5倍である請求項1に記載の溶融金属中の非金属介在物除去方法。
- 不活性ガスが縦溝の狭部を含む上流側の下方から吐出する請求項1に記載の溶融金属中の非金属介在物除去方法。
- 縦溝の出口側の流れの方向が入り口側の流れの方向に対して30度以上傾く溶融金属の流れの方向変化点近傍において、下方から不活性ガスを吐出する請求項5に記載の溶融金属中の非金属介在物除去方法。
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