JP4386212B2 - クランプと金型の移動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はクランプと金型の移動装置、特に金型をクランプ回避領域外へ一時退避させて、クランプを出来る限り減速せずに移動させることにより、クランプの移動時間を短くすると共に、クランプの金型に対する回避動作回数を減らすようにしたクランプと金型の移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクランプ回避領域を備えた板材加工機は、例えば、図7に示す構成を有し、ケーブル61を介して接続されたNC装置60により制御される。
【0003】
図7に示す板材加工機40は、キャリッジ44に搭載され、ワークWを把持するクランプ48がX軸方向へ移動すると共に、それと直交して、バンチホルダ51に設けられたパンチPと、ダイホルダ52に設けられたダイDから成る金型47が、ラムシリンダ50と共にY軸方向に移動するクランプ1軸・金型1軸タイプのパンチプレスである。
【0004】
板材加工機40には、上方から見ると(図7の上図)、前テーブル53と後テーブル58の間に、Y軸モータMyに結合した上部Y軸ボールねじ46、及び上部Y軸ボールねじ46とタイミングベルト56を介して連結された下部Y軸ボールねじ57が配置されている。
【0005】
上部Y軸ボールねじ46には、パンチホルダ51が螺合し、該パンチホルダ51には、パンチPと、該パンチPを打圧するラムシリンダ50が設けられていると共に、該パンチホルダ51は、上部Y軸LMガイド49に滑り結合している。
【0006】
また、下部Y軸ボールねじ57には、ダイホルダ52が螺合し、該ダイホルダ52には、ダイDが設けられていると共に、該ダイホルダ52は、下部Y軸LMガイド54に滑り結合している。
【0007】
従って、この構成により、Y軸モータMyを駆動すると、上部Y軸ボールねじ46と下部Y軸ボールねじ57は、同期回転し、金型47をY軸方向に移動させることができる。
【0008】
また、板材加工機40には、上記金型47の移動方向に直交して、X軸モータMxに結合したX軸ボールねじ42が配置され、該X軸ボールねじ42には、キャリッジ44が螺合し、該キャリッジ44には、ワークWを把持するクランプ48が搭載されていると共に、キャリッジ44は、X軸LMガイド55に滑り結合している。
【0009】
従って、この構成により、X軸モータMxを駆動すると、X軸ボールねじ42が回転することにより、キャリッジ44がX軸方向に移動するので、それに伴ってクランプ48もX軸方向に移動することができる。
【0010】
一方、この板材加工機40には、上記金型47とクランプ48が互いに接近する領域であるクランプ回避領域41が設けられ、金型47が、このクランプ回避領域41内に入ると、減速センサ45がオンし、クランプ48が、クランプ回避領域41内に入ると、クランプ回避センサ43がオンするようになっでいる。
【0011】
そして、通常は、クランプ48と金型47は、図8に示すように、それぞれ送り速度VOXとVOYで移動するが、クランプ回避領域41内へ金型47が入ると、クランプ48も金型47も、共に減速速度VGX、VGYにより移動し、クランプ回避動作を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては(図7、図8)には、クランプ48と金型47が、共にクランプ回避領域41内に位置している場合に(図8)、次のような課題がある。
【0013】
(1)加工時間が長くなるので、生産性が低下し、また動作が遅いので、機敏性も低下する。
即ち、クランプ48のX軸方向の移動距離が、金型47のY軸方向の移動距離より長いときは、既述したように、クランプ48が減速速度VGXで移動しているので(図8)、移動に時間がかかる。
【0014】
このため、金型47によるワークWの加工時間が長くなり、生産性が低下することになる。
【0015】
また、クランプ48の移動時間が長いことは、板材加工機40の動作が遅いことにもなり、機敏性も低下する。
【0016】
(2)クランプ48のクランプ回避動作回数が増えるので、加工精度が低下すると共に、保守性が低下し、且つコスト高にもなる。
【0017】
即ち、ワークWを把持しているクランプ48は(図9(A))、例えば特開平7−100562号公報に記載の構成により、ダイD上に乗り上げると、自動的にワークWを放して後ろに後退し(図9(B))、これにより、金型47がクランプ48を打ち抜いて破損するのを防止するようになっている。そして、クランプ48がダイD上から外れると、再び元に戻ってワークWを把持する(図9(C))。
【0018】
しかし、このようなクランプ25の金型26に対する回避動作は、(1)と同様に、クランプ48のX軸方向の移動距離が、金型47のY軸方向の移動距離より長いときは、その回数が一層増えることになる。
【0019】
一方、ワークWは、一般には、加工により伸縮したり、ソリ等で歪む。
【0020】
従って、クランプ48が金型47を一旦回避して(図9(B))、ワークWを把持し直したときには(図9(C))、ワークWの伸縮や歪みといった不確定な要素により、把持する位置が微妙に変化し、加工精度が悪くなる。
【0021】
また、クランプ回避動作の回数が多くなると、板材加工機40の部品や動力を一層消耗してしまい、保守性が低下すると共に、コスト高にもなる。
【0022】
本発明の目的は、金型を一旦クランプ回避領域外へ退避させておいてクランプを出来る限り減速せずに移動させることにより、クランプの移動時間を短くし、加工時間を短縮して生産性を向上させると共に、動作を早くして機敏性を向上させ、またクランプの回避動作回数を減らし、加工精度を向上させると共に、保守性を向上させ且つコストを低下させることにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワークWを把持するクランプ25がX軸方向に移動可能に取り付けられていると共に、パンチPとダイDから成る金型26がY軸方向に移動可能に取り付けられ、クランプ25と金型26が互いに接近する領域であるクランプ回避領域21を設け、このクランプ回避領域21に金型26が入った場合に、クランプ25と金型26が共に減速して移動する機能を備えた板材加工機において、
クランプ25の始点座標X 0 から終点座標X 1 までの移動距離|X1−X0|
が、 金型26の上記クランプ回避領域21外に設定したクランプ退避Y座標Yaから終点座標Y 1 までの移動距離|Y1−Ya|より大きい場合であって、
(1)金型26が始点座標Y 0 から終点座標Y 1 に移動する場合に、クランプ回避領域21外からクランプ回避領域21内へ移動するときは、
金型26を、クランプ回避領域21外のクランプ退避Y座標Yaで待機させておいて、クランプ25を、減速及び回避させずに金型26のクランプ退避Y座標Yaから終点座標Y 1 までの移動距離|Y 1 −Ya|とクランプ25の残りの移動距離|X 1 −X|が同等になるまで移動させ、
その後は、クランプ25と金型26を減速して移動させ、両者を終点座標(X 1 ,Y 1 )に位置決めし、
又は、(2)金型26が始点座標Y 0 から終点座標Y 1 に移動する場合に、クランプ回避領域21内のみを移動するときは、
金型26を、一旦クランプ回避領域21外の上記クランプ退避Y座標Yaに退避させておいて、クランプ25を、減速及び回避させずに金型26のクランプ退避Y座標Yaから終点座標Y 1 までの移動距離|Y 1 −Ya|とクランプ25の残りの移動距離|X 1 −X|が同等になるまで移動させ、
その後は、クランプ25と金型26を減速して移動させ、両者を終点座標(X 1 ,Y 1 )に位置決めする。
【0024】
従って、本発明の構成によれば、金型26がクランプ回避領域21内にできるだけ入らないようにし、クランプ25が減速移動する距離を短くしてある。
【0025】
このため、本発明は、クランプを出来る限り減速せずに移動させることにより、クランプの移動時間を短くし、加工時間を短縮して生産性を向上させると共に、動作を早くして機敏性を向上させ、またクランプの回避動作回数を減らし、加工精度を向上させると共に、保守性を向上させ且つコストを低下させるように、作用する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、実施の形態により添付図面を参照して、説明する。
図1は本発明の実施形態を示す図である。
【0027】
図1に示す装置は、板材加工機2とNC装置1により、構成されている。
【0028】
板材加工機1は、従来と全く同様の構成を有し、上から見ると(図1)、Y軸方向には、Y軸モータMyに結合した上部Y軸ボールねじ28が配置され、既述したように、該上部Y軸ボールねじ28と同期回転する下部Y軸ボールねじ(図示省略)との協働により、パンチP(図示省略)とダイD(図示省略)から成る金型26が、Y軸方向に移動するようになっている。
【0029】
この金型26の移動方向に直交して、X軸モータMxに結合したX軸ボールねじ27が配置され、該X軸ボールねじ27には、キャリッジ24が螺合し、キャリッジ24にはワークWを把持するクランプ25が搭載され、これにより、クランプ25がX軸方向に移動するようになっている。
【0030】
また、板材加工機2には、クランプ回避領域21が設けられ、それぞれ既述したのと同様の機能を有する減速センサ22とクランプ回避センサ23が設置されている。この場合、クランプ回避領域21に関して、クランプ25と金型26の位置関係は、図2に示すように、大きく分けて4つ(図3〜図6)、細かく分けると7つある(▲1▼〜▲7▼)。
【0031】
一方、NC装置1は、板材加工機2に接続されていて、該板材加工機2を制御する。
【0032】
即ち、NC装置1は、データ記憶部1Aを有し、該データ記憶部1Aには、クランプ25と金型26に関して、その始点座標(X0 ,Y0 )、終点座標(X1 ,Y1 )、現在座標(X,Y)、クランプ退避Y座標Ya 、及び送り速度VOX,VOY、減速速度VGX,VGYが、それぞれ格納されている。
【0033】
クランプ退避Y座標Ya は、正確には、減速センサ22の外側であって(図1)、該減速センサ22の近傍に設定されており、金型26がこのクランプ退避Y座標Ya 上に位置する場合には、クランプ回避領域21外に退避していることになる。
【0034】
また、NC装置1は、板材加工機2の減速センサ22から減速センサ信号S1を、クランプ回避センサ23からクランプ回避センサ信号S2を、X軸モータMxからX軸現在位置信号S3を、Y軸モータMyからY軸現在位置信号S5をそれぞれ入力し、X軸モータMxへX軸サーボ信号S4を、Y軸モータMyへY軸サーボ信号S6をそれぞれ出力する。
【0035】
これにより、NC装置1は、図3〜図6に示す動作を制御する。
【0036】
以下、上記構成を有する本発明の動作を、図3〜図6に基づいて説明する。
【0037】
(1)金型26の始点Y0 が、クランプ回避領域21の外にある場合の動作
【0038】
▲1▼ 金型26の終点Y1 も、クランプ回避領域21の外にあるとき(図2、図3の▲1▼)。
先ず、図3のステップ101において、NC装置1は、データ記憶部1Aに格納されている金型26の始点Y0 と、クランプ退避Y座標Ya とを比較し、始点Y0 の方が大きければ(YES)、ステップ102へ進み、始点Y0 の方が小さければ(NO)、ステップ117(図4)へ進む。
【0039】
ステップ102へ進んだ場合は、NC装置1は、データ記憶部1Aに格納されている金型26の終点Y1 と、クランプ退避Y座標Ya とを比較し、終点Y1 の方が大きければ(YES)、ステップ103へ進み、終点Y1 の方が小さければ(NO)、ステップ105へ進む。
【0040】
ステップ103へ進んだ場合は、NC装置1は、X軸モータMxにX軸サーボ信号S4を、Y軸モータMyにY軸サーボ信号S6を送信することにより、クランプ25と金型26に対して、終点(X1 ,Y1 )へ移動するように、移動指令を出す。この場合のクランプ25と金型26の移動速度は、データ記憶部1Aに予め格納されている送り速度VOXとVOYであり、この送り速度VOXとVOYにより、クランプ25と金型26は終点(X1 ,Y1 )へ移動する。
【0041】
次いで、ステップ104において、NC装置1は、X軸モータMxからX軸現在位置信号S3を、Y軸モータMyからY軸現在位置信号S5を受信することにより、データ記憶部1Aに格納されている終点座標(X1 ,Y1 )と比較し、移動を完了したと判断した場合には(YES)、動作を終了する。
【0042】
このように、▲1▼の場合は、金型26の始点X0 も終点Y1 も、クランプ回避領域21の外にあるので、クランプ25と金型26の位置関係にかかわらず、両者とも減速せずに、予めデータ記憶部1Aに格納されている送り速度VOXとVOYにより、そのまま終点(X1 ,Y1 )まで移動して位置決めされる(ステップ103、104)。
【0043】
▲2▼ 金型26の終点Y1 が、クランプ回避領域21の内にあって、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |が、金型26の移動距離|Y1 −Ya |より大きいとき(図2、図3の▲2▼)。
【0044】
ステップ105において、NC装置1は、クランプ25の始点から終点までの移動距離|X1 −X0 |を、金型26のクランプ退避Y座標Ya から終点Y1 までの移動距離|Y1 −Ya |と比較し、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |の方が大きければ(YES)、ステップ106へ進み、小さければ、ステップ113へ進む。
【0045】
ステップ106へ進んだ場合には、NC装置1は、X軸モータMxにX軸サーボ信号S4を、Y軸モータMyにY軸サーボ信号S6を送信することにより、クランプ25と金型26に対して、(X1 ,Ya )へ移動するように、移動指令を出す。即ち、NC装置1は、クランプ25は終点X1 へ移動するが、金型26は終点Y1 より前のクランプ退避Y座標Ya へ移動するように、移動指令を出す。
【0046】
そして、ステップ107において、金型26がクランプ退避Y座標Ya へ移動を完了したか否かを判断し、移動完了の場合には(YES)、ステップ108において、クランプ25の終点X1 への移動を続行し、金型26をクランプ退避Y座標Ya に一旦停止させる。
【0047】
また、ステップ106〜108におけるクランプ25と金型26の移動速度は、送り速度VOXとVOYであって、まだ減速はしていない。
【0048】
次いで、ステップ109において、NC装置1は、クランプ25の現在位置から終点までの残りの移動距離|X1 −X|を、金型26のクランプ退避Y座標Ya から終点Y1 までの移動距離|Y1 −Ya |と比較し、クランプ25の残りの移動距離|X1 −X|の方が小さくなっていれば(YES)、ステップ110において、クランプ25と金型26に減速指令を出す。
【0049】
そして、クランプ25に対しては、減速速度VGXにより、そのまま終点X1 まで移動続行を命ずると共に、ステップ111において、クランプ退避Y座標Ya に一旦退避していた金型26に対しては、減速速度VGYにより、終点Y1 まで移動するように、移動指令を出し、ステップ112において、移動が完了した場合には(YES)、動作を終了する。
【0050】
このように、▲2▼の場合には、金型26を一旦クランプ退避Y座標Ya へ、即ちクランプ回避領域21外で待機させておいて(ステップ107)、クランプ25のみを、減速せずに送り速度VOXにより移動させ(ステップ108)、クランプ25の残りの移動距離|X1 −X|の方が、退避した金型26の移動距離|Y1 −Ya |より小さくなったときに(ステップ109のYES)、初めてクランプ25と金型26に減速指令を出し(ステップ110)、両者を減速速度VGXとVGYにより、終点(X1 ,Y1 )まで移動させて位置決めする。
【0051】
▲3▼ 金型26の終点Y1 が、クランプ回避領域21の内にあって、クランプ25の移動距離が、金型26の移動距離より小さいとき(図2、図3の▲3▼)。
【0052】
即ち、ステップ105において、クランプ25の始点から終点までの移動距離|X1 −X0 |を、金型26のクランプ退避Y座標Ya から終点Y1 までの移動距離|Y1 −Ya |と比較し、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |の方が小さければ(NO)、ステップ113へ進み、NC装置1は、X軸モータMxにX軸サーボ信号S4を、Y軸モータMyにY軸サーボ信号S6を送信することにより、クランプ25と金型26に対して、終点(X1 ,Y1 )へ移動するように、移動指令を出す。
【0053】
そして、ステップ114において、NC装置1は、減速センサ22からの減速センサ信号S1を受信することにより、減速センサ22がオンか否かを判断し、オンの場合には(YES)、金型26がクランプ回避領域21内に入ったので、ステップ115において、X軸とY軸に減速指令を出す。
【0054】
これにより、クランプ25と金型26は、減速速度VGXとVGYにより、終点
(X1 ,Y1 )を目指して移動し、ステップ116において移動完了の場合には(YES)、動作を終了する。
【0055】
このように、▲3▼の場合には、クランプ回避領域21の外に位置していた金型26がクランプ回避領域21内に入った場合に、クランプ25と金型26が、共に減速速度VGXとVGYにより、移動することにより、終点(X1 ,Y1 )に位置決めされる。
【0056】
(2)金型26の始点Y0 が、クランプ回避領域21の内にあり、終点Y1 が外にある場合の動作(図2、図4の▲4▼)。
【0057】
即ち、図3のステップ101において、NC装置1は、データ記憶部1Aに格納されている金型26の始点Y0 と、クランプ退避Y座標Ya とを比較し、始点Y0 の方が小さい場合は(NO)、図4のステップ117へ進み、更に、金型26の終点Y1 と、クランプ退避Y座標Ya とを比較し、終点Y1 の方が大きければ(YES)、ステップ118へ進み、小さければ(NO)、図5のステップ124へ進む。
【0058】
図3のステップ118へ進んだ場合には、X軸方向へ減速指令を出すと共に、ステップ119において、終点(X1 ,Y1 )へ移動するように、移動指令を出す。
【0059】
これにより、クランプ25は減速速度VGXにより、金型26は送り速度VOYにより、それぞれ移動する。
【0060】
次いで、ステップ120において、NC装置1は、減速センサ22からの減速センサ信号S1を受信することにより、減速センサ22がオフか否かを判断し、オフの場合には(YES)、金型26がクランプ25から遠ざかり、クランプ回避領域21外へ退出したことから、ステップ122において、X軸の減速指令を解除し、ステップ123において、クランプ25の終点X1 への移動が完了の場合には(YES)、動作を終了する。
【0061】
また、反対に、ステップ120において、減速センサ22がオフでない場合には(NO)、減速センサ22はオンのままであって、金型26が、未だクランプ回避領域21内に留まっているが、ステップ121において、クランプ25の方が、先に終点X1 への移動が完了した場合には(YES)、動作を終了する。
【0062】
このように、(2)の場合には(図2、図4の▲4▼)、金型26がクランプ回避領域21の内から外へ遠ざかる場合であり、金型26のクランプ回避領域21外への退出を待って(ステップ120のYES)、X軸の減速を解除し(ステップ122)、クランプ25を送り速度VOXで移動させることにより、終点X1 に位置決めする。
【0063】
(3)金型26の始点Y0 と終点Y1 が、共にクランプ回避領域21の内にあり、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |が、金型26の移動距離|Y1 −Ya |より大きい場合の動作(図2、図5の▲5▼)。
【0064】
即ち、図4のステップ117において、金型26の終点Y1 の方が、クランプ退避Y座標Ya より小さければ(NO)、図5のステップ124へ進み、NC装置1は、クランプ25の始点から終点までの移動距離|X1 −X0 |を、クランプ退避Y座標Ya まで退避した金型26が終点Y1 まで移動する距離|Y1 −Ya |と比較し、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |の方が大きければ(YES)、ステップ125へ進み、小さければ(NO)、図6のステップ133へ進む。
【0065】
ステップ125へ進んだ場合には、NC装置1は、X軸へ減速指令を出すと共に、ステップ126において、X軸モータMxにX軸サーボ信号S4を、Y軸モータMyにY軸サーボ信号S6を送信することにより、クランプ25と金型26に対して、(X1 ,Ya )へ移動するように、移動指令を出す。即ち、NC装置1は、クランプ25が減速速度VGXにより終点X1 へ移動するが、金型26が送り速度VOYによりクランプ退避Y座標Ya へ(図2の▲5▼)移動するように、移動指令を出す。
【0066】
そして、ステップ127において、金型26がクランプ退避Y座標Ya へ移動を完了したか否かを判断し、移動完了の場合には(YES)、ステップ128において、X軸の減速を解除する。これにより、クランプ25は、送り速度VOXにより終点X1 への移動を続行し、金型26は、クランプ退避Y座標Ya に一旦停止する。
【0067】
次いで、ステップ129において、NC装置1は、クランプ25の現在位置から終点までの残りの移動距離|X1 −X|を、金型26のクランプ退避Y座標Ya から終点Y1 までの移動距離|Y1 −Ya |と比較し、クランプ25の残りの移動距離|X1 −X|の方が小さくなっていれば(YES)、ステップ130において、クランプ25と金型26に減速指令を出す。
【0068】
そして、クランプ25に対しては、減速速度VGXにより、そのまま終点X1 まで移動続行を命ずると共に、ステップ131において、クランプ退避Y座標Ya に一旦退避していた金型26に対しては、減速速度VGYにより、終点Y1 まで移動するように、移動指令を出し、ステップ132において、移動が完了した場合には(YES)、動作を終了する。
【0069】
このように、(3)の場合(図2、図5の▲5▼)、クランプ25を減速移動させる間に(ステップ125)、金型26を一旦クランプ退避Y座標Ya へ退避させておいて(ステップ127)、X軸の減速を解除して(ステップ128)、クランプ25のみを送り速度VOXにより移動させ(ステップ128)、クランプ25の残りの移動距離|X1 −X|の方が、退避した金型26の移動距離|Y1 −Ya |より小さくなったときに(ステップ129のYES)、クランプ25と金型26に減速指令を出し(ステップ130)、両者を減速速度VGXとVGYにより、終点(X1 ,Y1 )まで移動させて位置決めする。
【0070】
(4)金型26の始点Y0 と終点Y1 が、共にクランプ回避領域21の内にあり、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |が、金型26の移動距離|Y1 −Ya |より小さい場合の動作(図2、図6の▲6▼と▲7▼)。
【0071】
即ち、図5のステップ124において、クランプ25の移動距離|X1 −X0 |が、金型26の移動距離|Y1 −Ya |より小さい場合は(NO)、図6のステップ133へ進み、NC装置1は、金型26の終点Y1 が始点X0 より小さいか否か、即ち金型26がクランプ25に近づくか(図2の▲6▼)、クランプ25から遠ざかるか(図2の▲7▼)を判断する。
【0072】
そして、金型26がクランプ25に近づく場合には(YES)、ステップ134において、NC装置1は、X軸とY軸に減速指令を出し、金型26がクランプ25から遠ざかる場合には(NO)、ステップ137において、X軸に減速指令を出し、ステップ135において、クランプ25と金型26が減速速度VGXとVGYにより終点(X1 ,Y1 )に移動するように、移動指令を出し、ステップ136において、移動完了の場合には(YES)、動作を終了する。
【0073】
このように▲6▼と▲7▼の場合には、当初からクランプ25の移動距離|X1 −X0 |が、金型26の移動距離|Y1 −Ya |より小さい場合であり、クランプ25と金型26は、いずれも減速速度VGXとVGYにより、終点(X1 ,Y1 )まで移動することにより、位置決めされる。
【0074】
【発明の効果】
上記のとおり、本発明によれば、クランプと金型の移動装置を、
クランプの始点座標から終点座標までの移動距離が、 金型の上記クランプ回避領域外に設定したクランプ退避Y座標から終点座標までの移動距離より大きい場合であって、
(1)金型が始点座標から終点座標に移動する場合に、クランプ回避領域外からクランプ回避領域内へ移動するときは、
金型を、クランプ回避領域外の上記クランプ退避Y座標で待機させておい
て、クランプを、減速及び回避させずに金型のクランプ退避Y座標から終点座標までの移動距離とクランプの残りの移動距離が同等になるまで移動させ、
その後は、クランプと金型を減速して移動させ、両者を終点座標に位置決めし、
又は、(2)金型が始点座標から終点座標に移動する場合に、クランプ回避領域内のみを移動するときは、
金型を、一旦クランプ回避領域外の上記クランプ退避Y座標に退避させておいて、クランプを、減速及び回避させずに金型のクランプ退避Y座標から終点座標までの移動距離とクランプの残りの移動距離が同等になるまで移動させ、
その後は、クランプと金型を減速して移動させ、両者を終点座標に位置決めすることを特徴とするように構成したことにより、金型を一旦クランプ回避領域外へ退避させておいてクランプをできる限り減速せずに移動させることにより、クランプの移動時間を短くし、加工時間を短縮して生産性を向上させると共に、動作を早くして機敏性を向上させ、またクランプの回避動作回数を減らし、加工精度を向上させると共に、保守性を向上させ且つコストを低下させるという技術的効果を奏することとなった。
【0075】
更に、本発明によれば、加工プログラムではなく、NC装置(図1)により、金型をクランプ回避領域外へ一旦退避させるように構成したことにより、クランプ回避領域の大きさが異なる板材加工機でも、退避動作に関する部分の加工プログラムの修正をせずに、ワークの加工ができるという効果もある。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明によるクランプと金型の位置関係を示す図である。
【図3】本発明による金型26の始点Y0 が、クランプ回避領域21の外にある場合の動作説明図である。
【図4】本発明による金型26の始点Y0 が、クランプ回避領域21の内にあり、終点Y1 がクランプ回避領域21の外にある場合の動作説明図である。
【図5】本発明による金型26の始点Y0 と終点Y1 が、共にクランプ回避領域21の内にあり、クランプ25の移動距離が金型26の移動距離より大きい場合の動作説明図である。
【図6】本発明による金型26の始点Y0 と終点Y1 が、共にクランプ回避領域21の内にあり、クランプ25の移動距離が金型26の移動距離より小さい場合の動作説明図である。
【図7】従来技術の構成図である。
【図8】従来技術におけるクランプと金型が接近する場合の説明図である。
【図9】従来技術におけるクランプの回避動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 NC装置
1A データ記憶部
2 板材加工機
21 クランプ回避領域
22 減速センサ
23 クランプ回避センサ
24 キャリッジ
25 クランプ
26 金型
27 X軸ボールねじ
28 Y軸ボールねじ
S1 減速センサ信号
S2 クランプ回避センサ信号
S3 X軸現在座標信号
S4 X軸サーボ信号
S5 Y軸現在座標信号
S6 Y軸サーボ信号
Claims (1)
- ワークを把持するクランプがX軸方向に移動可能に取り付けられていると共に、パンチとダイから成る金型がY軸方向に移動可能に取り付けられ、クランプと金型が互いに接近する領域であるクランプ回避領域を設け、このクランプ回避領域に金型が入った場合に、クランプと金型が共に減速して移動する機能を備えた板材加工機において、
クランプの始点座標から終点座標までの移動距離が、 金型の上記クランプ回避領域外に設定したクランプ退避Y座標から終点座標までの移動距離より大きい場合であって、
(1)金型が始点座標から終点座標に移動する場合に、クランプ回避領域外からクランプ回避領域内へ移動するときは、
金型を、クランプ回避領域外の上記クランプ退避Y座標で待機させておい
て、クランプを、減速及び回避させずに金型のクランプ退避Y座標から終点座標までの移動距離とクランプの残りの移動距離が同等になるまで移動させ、
その後は、クランプと金型を減速して移動させ、両者を終点座標に位置決めし、
又は、(2)金型が始点座標から終点座標に移動する場合に、クランプ回避領域内のみを移動するときは、
金型を、一旦クランプ回避領域外の上記クランプ退避Y座標に退避させておいて、クランプを、減速及び回避させずに金型のクランプ退避Y座標から終点座標までの移動距離とクランプの残りの移動距離が同等になるまで移動させ、
その後は、クランプと金型を減速して移動させ、両者を終点座標に位置決めすることを特徴とするクランプと金型の移動装置。
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