JP4384913B2 - コア−シェルフルオロポリマー分散液 - Google Patents

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Description

本発明は、非溶融加工可能なフルオロポリマーの分散液および該分散液から形成されるコーティングに関する。
フルオロポリマーは、耐剥離性、耐薬品性、耐熱性、腐食防止、清浄性、低易燃性、および耐候性を付与するために多数の基材に適用される。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ホモポリマーおよび変性PTFEのコーティングは、フルオロポリマーのうちで最も高い熱安定性を提供するが、テトラフルオロエチレン(TFE)コポリマーとは異なり、溶融加工によりフィルムやコーティングを形成することができない。したがって、PTFEホモポリマーおよび変性PTFEのコーティングを適用するために、他の方法が開発されてきた。そのような方法の1つは、分散液の形態でフルオロポリマーを適用する分散液コーティング法である。分散液コーティング法では、典型的には、そのようなフルオロポリマー分散液を重合されたままの分散液よりも濃縮された形態で利用する。これらの濃縮分散液は、有意量の界面活性剤を含有する(たとえば、6〜8重量パーセント)。そのような分散液コーティング法は、スプレー法、ローラーコーティング法、またはカーテンコーティング法のような通常の技術により濃縮分散液を基材に適用する工程と、基材を乾燥させて揮発性成分を除去する工程と、基材をベーキングする工程とを含む。ベーキング温度が十分に高い場合、一次分散液粒子は融合し、凝集塊になる。粒子を融合させる高温でのベーキングは、しばしば焼結と呼ばれる。カーテンコーティング法またはセリグラフィー(seriography)法のようないくつかの分散液コーティング適用法では、濃縮分散液コーティングストリームの一部分を基材上に堆積させてストリームの残りの部分を再循環させる必要がある。再循環された部分は、連続処理に必要な後続の複数のポンプ移送操作や混合操作に耐えることができなければならない。そのような処理に好適な分散液は、剪断力を受けたとき容易に凝結するようであってはならない。分散液の耐早期凝結性は、ゲル化時間として知られるパラメーターにより測定することが可能であり、分散液の剪断安定性の指標である。
商用の分散液コーティングプロセスでは、典型的には、中程度の分子量を有するポリマーが使用されてきた。すなわち、約1.2×1010Pa・sの溶融クリープ粘度を有するポリマーが使用されてきた。PTFEコーテッド繊維ガラス布のようないくつかの用途では、工業用途および/または建築用途において屈曲寿命を改良し耐用年数を増大させるために、典型的に商用されてきたものよりも高分子量のポリマーを使用することが望ましい。しかしながら、ポリマーが顕著な剪断力を受ける商用プロセスでより高分子量のポリマーを使用すると、剪断安定性に悪影響を及ぼす。
フィブリル化性フルオロポリマーの高分子量コアと非フィブリル化性ポリマーの低分子量コアとからなる粒子を有するフルオロポリマーは公知である。これらのポリマー上には非常に低分子量の非フィブリル化性シェルが存在するため、これらのポリマーの樹脂粉末は、フィブリル化しないポリマーである。たとえば、米国特許公報(特許文献1)(野田(Noda)ら)には、コアが高分子量フィブリル化性PTFEで、シェルが非フィブリル化性PTFEであるコア−シェルフルオロポリマー粒子の分散液が開示されている。このポリマーのシェルは10,000〜800,000の分子量および102〜106ポアズの溶融粘度を有すると開示される。その発明の目的には、高分子量を有しかつ樹脂、エラストマー、ペイントなどへの良好なブレンディング性または分散性を有する微粒子または粉末および焼結PTFE粉末を提供することが含まれていた。(特許文献2)には、易燃性熱可塑性樹脂に滴下防止性を付与するための滴下防止剤として使用するための類似の組成物が開示されている。米国特許公報(特許文献3)(清水(Shimizu)ら)には、バッテリー電極用のバインダーとして使用するための類似のポリマーが開示されている。このポリマーは、フィブリル化性PTFEコアと、さまざまな非フィブリル化性フッ素含有ポリマーまたはコポリマーのうちのいずれかのシェルとを有する。
米国特許第5,324,785号明細書 欧州特許出願公開第0 758 010 A1号明細書 米国特許第5,707,763号明細書 米国特許第3,819,594号明細書 米国特許第3,037,953号明細書 米国特許第3,142,665号明細書 米国特許第4,837,267号明細書 1956年9月18日のACS集会でドーバン(Doban)らにより提出された論文 スペラティ(Sperati)およびスタークワザー(Starkwather),高分子研究の進歩(Fortschr.Hochpolym−Forsch.),第2巻,p.465−495(1961年)
上記の樹脂の粉末を他の材料とブレンディングするのに使用するには有利であるが、シェル中に非常に低分子量の非フィブリル化性ポリマーが存在すると、分散液コーティング用途では問題を生じる。高分子量PTFEの利点を提供すると同時に連続的商用分散液コーティングプロセスに必要な良好な剪断安定性を提供する高分子量PTFE分散液が必要とされている。
本発明は、水性媒質中の約2.225未満のSSGを有する非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子の分散液を提供する。フルオロポリマー粒子は、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有する高分子量ポリテトラフルオロエチレンのコアと、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルとを含む。シェルは、約9×109Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有しかつ約5〜約30重量%の粒子を含む。本発明による分散液中のフルオロポリマーはフィブリル化するものである。
好ましくは、シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度は、コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.1×1010Pa・s小さく、より好ましくは0.2×1010Pa・s小さい。最も好ましくは、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルは、約9×109Pa・s〜約1.3×1010Pa・sの平均溶融クリープ粘度を有する。好ましくは、シェルはポリテトラフルオロエチレンである。
本発明は、30〜約70重量%のフルオロポリマー粒子と界面活性剤とを含むコーティング組成物と、該組成物でコーティングされた基材とをさらに提供する。水性分散液を凝結し乾燥させることにより得られる非溶融加工可能なフルオロポリマー粉末をも提供する。
さらに、非溶融加工可能なフルオロポリマー分散液を作製するためのバッチ法を提供する。この方法には、水性媒質中、分散剤の存在下でテトラフルオロエチレンを重合して、2.225未満のSSGを有するフルオロポリマーを生成させる工程が含まれる。重合工程は、第1の量のフリーラジカル開始剤が添加される間の第1の段階ならびに第2の量のフリーラジカル開始剤およびテロゲン性試剤が添加される間の第2の段階で行われ、第1の量の開始剤は、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンを生成させ、第2の量の開始剤は、第1の量の少なくとも約10倍でありかつ全テトラフルオロエチレンの約95%が重合される前に添加される。第2の量の開始剤は、約9×109Pa・sよりも大きくかつコアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも小さい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを生成させる。
本発明によるコーティング組成物は、フルオロポリマー固形分含量が約60重量%で界面活性剤含量が約6重量%であるとき好ましくは700秒よりも長いゲル化時間を有する濃縮分散液を用いることにより高剪断安定性を有する。ガラスクロスのコーティングのときのようにコーティングが屈曲を受ける用途では、コーティングの屈曲寿命が改良される。本発明の分散液は、たて方向および/またはよこ方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有する。
本発明は、水性媒質中の非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子の分散液に関する。フルオロポリマー粒子は、高分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のコアと、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルとを含む。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とは、有意なコモノマーをまったく存在させることなく単独で重合されたテトラフルオロエチレンを意味する。変性PTFEとは、TFEと、得られるポリマーの融点が実質的にPTFEの融点未満に低下しないのような低濃度のコモノマーと、のコポリマーを意味する。そのようなコモノマーの濃度は、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満である。変性用コモノマーとしては、たとえば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、ペルフルオロ(エチルビニールエーテル)(PEVE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペルフルオロブチルエチレン(PFBE)、または分子中に側基を導入する他のモノマーを用いることができる。
フルオロポリマー粒子は、2.225未満、好ましくは2.220未満、より好ましくは2.180〜2.215の標準比重(SSG)を有する。SSGは、一般的には、PTFEまたは変性PTFEの分子量に反比例する。しかしながら、SSGだけでは分子量を規定することができない。なぜなら、SSGは、調整剤の存在、調整剤の量、および/またはDSPのような炭化水素開始剤による開始にも依存するからである。また、関係を表す適正な数学的形式に関して、一致はみられない。その関係を表す第1の表現は、(非特許文献1)に記されており、それによると、数平均分子量は、次式で与えられる。
Figure 0004384913
グラフデータは、(非特許文献2)に与えられている。この関係を表す他の表現は、米国特許公報(特許文献1)で野田(Noda)らにより次のように記述されている。
Log10n = 31.83−11.58×SSG
式中、Mnは平均分子量である。これらの式を用いた場合、同一のSSG値に対して異なる分子量が得られる。
分子量は、より一貫性をもたせてPTFEポリマーの溶融クリープ粘度(MCV)値に関連づけることが可能であり、本出願では、ポリマーの分子量を記述するために、溶融クリープ粘度を使用する。分子量は、次式で示されるように、Pa・s単位の溶融粘度の1/3.4乗と直線関係にある。
Figure 0004384913
本発明によるフルオロポリマーの溶融クリープ粘度は、好ましくは約1.4×1010Pa・sよりも大きく、より好ましくは約1.5×1010Pa・sよりも大きい。本願における溶融クリープ粘度は、米国特許公報(特許文献4)に記載のものに以下で論述した特定の変更を加えた手順により測定される。
本発明のフルオロポリマー分散液は、分散重合(乳化重合としても知られる)により作製される。分散重合の生成物は、場合により濃縮および/または当技術分野で公知の界面活性剤の添加による安定化を行った後、水性分散液として使用するか、または凝結、液体媒体からの単離、および乾燥を行うことができる。濃縮分散液は、コーティング用または含浸用組成物として、およびキャストフィルムの作製に、有用である。
本発明による分散液の製造時、分子量およびいくつかの実施形態では組成が重合の段階によって変化する粒子構造体が形成されるように、重合を行う。その変化から、粒子が個別層を有するものと考えることができる。「コア」および「シェル」の性質を分析法により独立に測定することはできないが、こうした考え方により、それぞれ、最初の重合段階およびより後の重合段階で形成されるポリマーに等しいとみなされる。この方法によれば、粒子のコアに、高分子量のPTFEが生成され、分散液粒子の表面近傍および/または表面位置に、より低分子量のPTFEまたは変性PTFEが生成される。以下で論述されるように、本明細書中では、コアとシェルとの区別は、重合の第1の(コア)段階および重合のより後の(シェル)段階で存在する開始剤の量ならびに導入されるテロゲン性試剤およびコモノマーの存在または不在に関連づけられる。
とくに、本発明のフルオロポリマーのコア−シェル特性に起因して、バッチ処理の終了時に測定される溶融クリープ粘度は、バッチ処理時に形成されたPTFEの溶融クリープ粘度の加重平均である。成長中の粒子では、各増分体積がその分子量で平均に寄与する。たとえば、分子量がバッチ処理時に増大する場合、各増分体積は、直前の増分体積よりも高分子量を有し、平均分子量は、最後の体積増分の分子量よりも常に小さい。体積増分の分子量は、瞬間分子量と呼ばれ、また、数平均分子量は、次式により与えられる。
Figure 0004384913
式中、Mniは瞬間分子量であり、ΔVは体積または重量の増分である。各体積増分の瞬間分子量は、上記の式の数値積分解がバッチ処理時の任意の時点で実験により求めた平均分子量になるように選択した値である。
本発明の目的では、Mniが最大である増分を含めてその増分から開始しバッチ処理の終了時に完了するように少なくとも5つの体積または重量の増分を使用し、数値積分によりシェルの平均分子量Mnを求める。同様に、重合の開始から始めてMniが最大である増分を含めてその増分で完了するように少なくとも30の体積または重量の増分を使用し、コアのMnを求める。次に、溶融クリープ粘度とMnとの関係を表す先に述べた式を用いて、平均溶融クリープ粘度を求める。
本発明によれば、粒子のコアは、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有する高分子量ポリテトラフルオロエチレンを含む。シェルは、約9×109Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するより低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを含む。好ましくは、シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度は、コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.1×1010Pa・s小さく、より好ましくは少なくとも0.2×1010Pa・s小さい。最も好ましくは、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルは、約9×109Pa・s〜約1.3×1010Pa・sの平均溶融クリープ粘度を有する。
本発明によるフルオロポリマーの場合、シェルは、約5〜約30重量%の粒子を含む。好ましくは、シェルは、粒子の約5〜約25重量%、最も好ましくは約5〜約20重量%の粒子を含む。好ましくは、粒子のシェルはポリテトラフルオロエチレンである。
本発明によるフルオロポリマーは、分散重合法により作製される公知のPTFEポリマーの一般的特徴を有する。分散液から単離し乾燥させた本発明の樹脂は、非溶融加工可能である。非溶融加工可能とは、溶融加工可能なポリマーに対する標準的溶融粘度測定手順により試験したとき、メルトフローが検出されないことを意味する。この試験は、ASTM D 1238−00に次のような変更を加えて行われる。シリンダー、オリフィス、およびピストンチップは、ハイネス・ステライト・カンパニー(Haynes Stellite Co.)製の耐食性合金ハイネス・ステライト(Haynes Stellite)19で作製する。372℃に保持された内径9.53mm(0.375インチ)のシリンダーに5.0gのサンプルを仕込む。サンプルをシリンダーに仕込んだ5分後、5000グラムの荷重(ピストン+錘り)を加えて、2.10mm(直径0.0825インチ)、長さ8.00mm(0.315インチ)の矩形エッジオリフィスにサンプルを通して押し出した。これは、44.8KPa(6.5ポンド毎平方インチ)の剪断応力に対応する。溶融体押出物は観察されない。
本発明によるフルオロポリマーはフィブリル化するものである。分散液から単離し乾燥させた微粉末樹脂は、ペースト押出法として知られる滑剤添加押出法により有用な物品の形態に成形することが可能である。樹脂に滑剤をブレンディングし、次に、押出法により造形する。得られるビードは凝集性であり、顕微鏡試験を行うと、融解温度よりも十分に低い温度で行われる手順であるにもかかわらず形成されたPTFEのフィブリルにより多くの粒子が連結されていることがわかる。ここで、「フィブリル化」とは、エクソンモービル・ケミカル(ExxonMobil Chemical)により商標アイソパー(Isopar(登録商標))Kとして販売されているイソパラフィン滑剤を18.4重量パーセントで用いて絞り比1600:1のダイに通して押し出したとき、滑剤添加樹脂が連続押出物を形成することを意味する。滑剤を揮発させた後で焼結することにより、フィブリル化により得られた「グリーン強度」よりもさらにビードを強化することができる。
本発明による好ましい分散液では、フルオロポリマー粒子の少なくとも約1.5重量%は、5よりも大きい長さ対直径比を有する実質的にロッド形の粒子を含む。ロッド形とは、粒子が細長く、5よりも大きい長さ対直径比を有することを意味する。ロッド形の粒子のいくつかは直線状に見え、いくつかのロッド形の粒子は屈曲して見える。好ましい実施形態では、フルオロポリマー粒子の約1.5〜約25重量%、より好ましくは少なくとも約1.5〜約20重量%、最も好ましくは約2〜約20重量%は、5よりも大きい長さ対直径比を有する実質的にロッド形の粒子からなる。本発明の好ましい実施形態では、少なくとも50%の本発明によるフルオロポリマー粒子は、一般的には、1.5よりも大きい長さ対直径比を有する円柱の形状である。より好ましくは、本発明による分散液中のフルオロポリマー粒子の少なくとも約90%は、ほぼ円柱の形状であり、ごく小数の粒子は、ほぼ球の形状である。好ましくは、生成される分散液粒子は、約220〜約500nmの数平均長さおよび約150〜約300nmの数平均直径を有する。好ましい実施形態では、分散液粒子は、約250〜約500nmの数平均長さおよび約150〜約250の数平均直径を有する。ロッド形の分散液粒子は、約150nm未満の数平均直径を有する。本発明の実施例に記載されているように、CCTは粒径と共に増大する。
本発明の好ましい形態に従った量でロッド形の粒子を含有する分散液は、本発明による分散液コーティング法に対して高いCCTを提供する。例示されるように、ロッドの存在量が少なすぎると、CCTは減少する。ロッド形の粒子の存在量が多すぎるとCCTに悪影響を及ぼすので、好ましくは、ロッド形の粒子の数は、25重量%を超えない。
コア−シェル粒子の存在により、本発明の分散液コーティング組成物の高剪断安定性が得られる。高剪断安定性のおかげで、これらのコーティングは、ポンプ移送および混合の操作で発生する剪断により加えられる力に耐えることができる。高剪断安定性は、多くの応用プロセスの連続操作に必要なコーティング材の内部再循環を容易にする。
本発明は、界面活性剤と約30〜約70重量%のフルオロポリマーとを含有する、水性媒質中の非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子の濃縮分散液を提供する。好ましくは、フルオロポリマー固形分含量が約60重量%で、界面活性剤含量が約8重量%であるとき、分散液は、24マイクロメートルよりも厚いCCTを有する。他の好ましい実施形態では、フルオロポリマー固形分含量が約60重量%で、界面活性剤含量が約6重量%であるとき、本発明の濃縮分散液は、20マイクロメートルよりも厚いCCTにより特性づけられる。
好ましくは、約60重量%のフルオロポリマーおよび約6重量%の界面活性剤を有する濃縮分散液は、700秒よりも長い、800秒よりも長い、最も好ましくは1000秒よりも長いゲル化時間を有する。
本発明によれば、非溶融加工可能な分散液を作製するためのバッチ重合法が提供される。重合法には、好ましくは、攪拌オートクレーブに脱イオン水を前仕込みする工程と、重合条件下で液体である12個を超える炭素原子が有する飽和炭化水素(好ましくはパラフィンワックス)および分散剤(フッ素化界面活性剤)(好ましくは6〜10個の炭素原子を有するペルフルオロカルボン酸)を前仕込みする工程とが含まれる。炭化水素は、重合法で安定剤として作用し、攪拌系における凝結ポリマーの形成を阻止するかまたは遅延させる。この方法にはさらに、脱酸素化することと、あらかじめ決められたレベルまでTFEでオートクレーブを加圧することと、攪拌することと、系を所望の温度(たとえば60〜100℃)にすることと、が含まれる。
コアを形成するために、第1の量のフリーラジカル開始剤および追加の分散剤(フッ素化界面活性剤)がオートクレーブに添加される間の第1の段階で重合を行う。第1の量の開始剤は、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンを生成させる。好ましくは、第1の量の開始剤は、全テトラフルオロエチレン(成長したポリマーの体積だけ蒸気空間から除かれたテトラフルオロエチレンを含む)の約30%が重合される前に約1.0×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンを生成させる。重合の第1の段階の間、好ましくは、テロゲン活性を提供する試剤の添加を最小限に抑え、最も好ましくは、テロゲン性試剤を添加することなく第1の段階を行う。本発明による好ましい形態では、これらの条件は、ロッド形の粒子の形成を促進する。すなわち、約5よりも大きい長さ対直径比を有する粒子の形成を促進する。さらに、これらの条件は、好ましくは、約1.5よりも大きい長さ対直径比を有するほぼ円柱状の粒子の大量の形成を促進する。重合を進行させ、追加のTFEを添加して圧力を保持する。次に、反応の第2の段階の間、第2の量のフリーラジカル開始剤を、テロゲン性試剤およびコモノマー(変性PTFEの場合)と共に、添加する。第2の量の開始剤は、約9×109Pa・sよりも大きくかつコアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも小さい平均溶融クリープ粘度を有するより低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを生成させる。好ましくは、シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度は、コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.1×1010Pa・s小さく、より好ましくは少なくとも0.2×1010Pa・s小さい。最も好ましくは、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェル用に生成されるポリマーは、約9×109Pa・s〜約1.3×1010Pa・sの平均溶融クリープ粘度を有する。開始剤の第2の量は、開始剤の第1の量の少なくとも約10倍、好ましくは第1の量の少なくとも約25倍、より好ましく第1の量の少なくとも約50倍、最も好ましくは第1の量の少なくとも約100倍である。全テトラフルオロエチレンの約95%が重合される前に、第2の量の開始剤およびテロゲン性試剤を添加する。好ましくは全TFEの少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約80%が重合される前に、第2の量の開始剤およびテロゲン性試剤を添加する。
反応の第1の段階の間、PTFEの高分子量コアを形成する。このコアは、好ましくはフルオロポリマー粒子の質量の少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約80%である。反応の第2の段階の間、低分子量PTFEまたは変性PTFEのシェルを形成する。好ましくは、このシェルは、相補的に、フルオロポリマー粒子の質量の約30%以下、より好ましくは約25%以下、最も好ましくは約20%以下である。
所望の量のTFEが消費されたとき、供給を停止し、反応器のガス抜きを行い、分散液をそのまま重合容器から排出する。上澄みパラフィンワックスを除去する。最終使用目的に応じて、分散液の凝結、安定化、または濃縮を行う。
本発明の実施形態による方法のグラフ表現を図1に示す。グラフは、本発明の好ましい分散重合法を用いたときの溶融クリープ粘度(MVC)の1/3.4乗をプロットしたものである。成長中のポリマーの平均MCVの1/3.4乗を、重合された全テトラフルオロエチレンのパーセントに対してプロットしてある。消費された全TFEのパーセントが生成した粒子の体積または重量の割合と類似していることに留意すべきである。
先に述べたように、MCVをポリマーの分子量に関連づけることができる。曲線Aは、バッチ重合の種々の完了段階におけるポリマーの平均MCVの1/3.4乗を表している。本願においてバッチ重合の完了%について言及する場合、成長したポリマーの体積だけ蒸気空間から除かれたテトラフルオロエチレンが含まれる。一般的には、全ポリマー生成の約88%で曲線の下降が始まるまで、バッチの分子量は増加する。平均MCVの増加(分子量の増加)は、重合の第1の段階でPTFEの高分子量コアが形成されることを示している。重合の終了に向かって平均MCVのわずかな減少(分子量の減少)が見られるのは、反応の第2の段階でより小さい分子のシェルが形成されることに起因する。この実施形態では、曲線Aから得られるポリマーの平均MCV値は、30%完了時で約1.3×1010Pa・sの平均MCV、88%完了時で約2.1×1010Pa・sの平均MCV、および100%完了時で約1.8×1010Pa・sの平均MCVを示す。最大平均MCV(最大分子量)は、テロゲン性試剤およびより多量の開始剤の添加ならびにシェルの形成の直前の約88%完了時に得られる。100%完了時の最終平均MCV値は、長屈曲寿命を達成するように使用されるPTFE分散液に望まれる高分子量を示唆する。
より鮮明な図が曲線Bにより表される。曲線Bは、バッチ重合の種々の完了段階におけるポリマーの「瞬間MCV」の1/3.4乗を示す理論上の図である。瞬間MCVは、先に定義したように、その瞬間に粒子の表面上で増大する体積増分に及ぼす処方条件変化の影響を示す。瞬間MCVおよび関連する瞬間分子量は、バッチのシェル部分が開始されるまでに増加する。瞬間MCVの急激な減少は、テロゲン性試剤および追加の開始剤の添加が反映されたことによる。この実施形態では、曲線Bから得られるポリマーの瞬間MCV値は、30%完了時で約2.0×1010Pa・sの瞬間MCV、88%完了時で約3.1×1010Pa・sの瞬間MCV、および100%完了時で約6.3×109Pa・sの瞬間MCVを示す。
この方法で使用される分散剤は、好ましくは、フッ素化界面活性剤である。好ましくは、分散剤は、6〜10個の炭素原子を有するペルフルオロカルボン酸であり、典型的には塩形で使用される。好適な分散剤は、ペルフルオロカルボン酸アンモニウム、たとえば、ペルフルオロカプリル酸アンモニウムまたはペルフルオロオクタン酸アンモニウムである。
本発明の方法で使用される開始剤は、好ましくは、フリーラジカル開始剤である。それらは比較的長い半減期を有するものであってよく、好ましくは、過硫酸塩、たとえば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムである。過硫酸塩開始剤の半減期を短くするために、重亜硫酸アンモニウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウムのような還元剤をFe(III)のような金属触媒塩と併用してまたは併用せずに使用することができる。
本発明に好適な長い半減期の過硫酸塩開始剤に加えて、凝塊を減少させるために、少量の短鎖ジカルボン酸、たとえば、コハク酸、またはジコハク酸ペルオキシド(DSP)のようにコハク酸を生成する開始剤を添加してもよい。
高分子量PTFEコアを生成させるために、好ましくは、反応の第1の段階ではテロゲン性試剤を添加しない。さらに、テロゲン活性を有する試剤の量を最小限に抑える。これに対して、反応の第2の段階では、より多量の開始剤に加えて、そのような試剤を添加することにより、コアで達されたよりも分子量を低下させる。本特許出願の目的では、テロゲン性試剤という用語は、広義に、早期に鎖成長を停止させる任意の試剤を意味し、連鎖移動剤として一般に知られるものを含む。連鎖移動という用語は、一方のポリマー鎖の成長を停止させ、他方のポリマー鎖の成長を開始させることを意味し、その際、成長するポリマーラジカルの数は、同数に保持され、重合は、より多量の開始剤を導入することなく同一の速度で進行する。テロゲン性試剤が不在のときよりも、存在するときの方が、低分子量のポリマーが生成し、成長するポリマー鎖ラジカルの数は、同数に保持されるかまたは減少する。実際には、ほとんどの試剤は、十分な量で存在する場合、ラジカルの数および最終的には重合速度を減少させる傾向がある。速度を保持するために、試剤の添加時またはその近傍で開始剤を添加することが望ましい。低分子量シェルを生成させるために本発明で使用されるテロゲン性試剤は、典型的には非極性であり、水素または1〜20個の炭素原子、普通は1〜8個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素もしくはハロカーボンもしくはアルコール、たとえば、エタンのようなアルカンまたはクロロホルムもしくはメタノールを包含しうる。このほかに有効なのは、ドデシルメルカプタンのようなメルカプタン類である。
変性PTFEのシェルを生成させる場合、反応の第2の段階で、テロゲン性試剤に加えてコモノマーを添加する。先に述べたように、典型的なコモノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、ペルフルオロ(エチルビニールエーテル)(PEVE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、およびペルフルオロブチルエチレン(PFBE)が挙げられる。
ロッド形の粒子を形成する際の因子としては、反応時に存在する開始剤の量、ならびにテロゲン、コモノマー、および特定の界面活性剤の存在または不在が挙げられる。高レベルの開始剤を用いるとロッド形の粒子の形成が抑制されるので、本発明の分散液の重合時、低レベルの開始剤を用いることが望ましい。同様に、テロゲン活性を有する物質およびPAVEのような特定のコモノマーを用いた場合にもロッド形の粒子の形成が抑制されるので、反応の第1の段階でポリマーコアを形成するとき、それらを存在させないことが望ましい。分散剤のような他の試剤は、ロッド形の粒子の割合を増大させるのに有益な役割を果たすこともあれば有害な役割を果たすこともあるので、注意深く選択しなければならない。たとえば、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)から入手可能なトリトン(Triton(登録商標))X−100のようなアルキルフェノールエトキシレートは、ロッド形の粒子の形成を抑制するので、重合の第1の段階の分散剤として使用することは避ける。
より長い屈曲寿命およびより大きい引張強度を得るために、高分子量のPTFEコーティングが望ましい。剪断安定性を提供する粒子のシェルは分子量が低いので、好ましくは、コアの分子量を実用可能な範囲でできるかぎり高くする。高分子量コアの生成に適した条件(すなわち、より低い開始剤濃度、ならびにテロゲン活性または連鎖移動活性のない試薬)はまた、厚いCCTを得るべく大きい粒径および所定の割合のロッド形の粒子を得るのに有利な条件をも生成する。
分散液濃縮を行う場合、未加工分散液に非イオン性濃縮用界面活性剤を添加し、非イオン性界面活性剤の曇り点を超える温度にポリマーを保持する。約30〜約70重量%のフルオロポリマー、好ましくは約45〜約65重量%のフルオロポリマーになるまで濃縮した後、上側の透明な上澄を除去する。必要に応じて、最終固形分濃度および界面活性剤のさらなる調整を行う。濃縮に関する特許の一例は、マークス(Marks)およびホイップル(Whipple)の米国特許公報(特許文献5)である。凝結のために、強力な攪拌(場合により電解質を添加する)による凝結または凍結および解凍による凝結のような方法を使用することができる。
分散液濃縮に一般に使用される非イオン性界面活性剤は、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)により供給されるトリトン(Triton(登録商標))X−100である。この界面活性剤は、オクチルフェノールエトキシレートとして記載される。しかしながら、優れたコーティング性能および剪断安定性を保持したままで環境上クリーンな製造プロセスを達成するために、本発明で使用される好ましい界面活性剤は、式:
R(OCH2CH2nOH
〔式中、Rは、8〜18個の炭素原子を有する分枝状アルキル、分枝状アルケニル、シクロアルキル、またはシクロアルケニル炭化水素基であり、nは、5〜18の平均値である。〕
で示されるアルコールエトキシレートまたはアルコールエトキシレートの混合物を含む。たとえば、本発明によるエトキシレートは、(1)分枝状アルキル、分枝状アルケニル、シクロアルキル、もしくはシクロアルケニルから選択される炭化水素基で構成される第一級アルコール、または(2)第二級もしくは第三級アルコールから作製されると考えることができる。いずれにせよ、本発明によるエトキシレートは芳香族基を含有しない。分子の親水性部分のエチレンオキシド単位の数は、典型的に供給されるような広いまたは狭い単一モード分布をなすものであってもよいし、ブレンディングにより得られるより広いまたは二モードの分布をなすものであってもよい。
本明細書に例示されている分散液は、高分子量および高剪断安定性を有する。分散液は、金属やガラス布のような基材用のコーティングを提供する。分散液は基材に適用され、そしてベーキングされて、基材上にベーキング層を形成する。ベーキング温度が十分に高い場合、一次分散液粒子は融合し、凝集塊になる。本発明による分散液のコーティング組成物は、ガラス、セラミックス、ポリマー、または金属の繊維、およびコンベヤーベルトまたは建築用布(たとえば、テント材料)のような繊維状構造体にコーティングを施すために使用することができる。金属基材にコーティングを施すために使用する場合、本発明のコーティングは、フライパンならびに他のクッキング用具およびベーキング用具のような調理用品さらにはグリルやアイロンのような小型家電製品にコーティングを施すうえで大きな有用性を有する。本発明によるコーティングはまた、ミキサー、タンク、およびコンベヤーのような化学処理産業で使用される装置、ならびにプリントおよびコピー装置用のロールに適用することもできる。
そのほかに、シーリング用途の繊維および濾過布に含浸させるために分散液を使用することもできる。さらに、本発明による分散液を支持体上に堆積させてから乾燥させ、熱により融合し、そして支持体から引き剥がすことにより、分散液からキャスティングした自立性フィルムを作製することができる。そのようなキャストフィルムは、金属、プラスチック、ガラス、コンクリート、布、および木材の基材を覆うためのラミネーション法に好適である。
分散液をガラス布上にコーティングしてベーキングした場合、生成品に長屈曲寿命を付与することができるので、建築用途に望ましいものとなる。好ましくは、本発明による分散液は、以下に記載の試験およびガラス布を用いたとき、たて方向に10,000サイクルよりも長いまたはよこ方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有する。より好ましい実施形態では、本発明による分散液は、たて方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有しかつよこ方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有する。
分散液の属性により、最終用途に有利な利点が得られると同時に製造の経済性が保持される。剪断安定性が高いので、より速い生産速度およびより低い製造コストを可能にするカーテンコーティングのような技術を用いる処理が可能になる。分子量が大きいので、良好な剥離特性を示す強靭な耐摩耗性PTFEコーティングフィルムが得られる。バッチ処理時間が短く、種々の分散液をブレンディングするという複雑さがなく、しかも保管する在庫の材料が減少して在庫費用が削減されるので、生産の経済性が向上する。
(試験方法)
(未加工分散液の性質:)
分散液の秤量されたアリコートを蒸発乾固させ、乾燥固体を秤量することにより、PTFEの未加工(重合されたままの)分散液の固形分含量を重量測定法で求める。固形分含量は、PTFEと水の合計重量を基準にして重量%で記載してある。そのほかに、浮き秤を用いて分散液の比重を測定してから比重と固形分含量とを関連づける表を参照することにより、固形分含量を求めることもできる。(この表は、水の密度および重合されたままのPTFEの密度から誘導される代数式から作成される。)未加工分散液の粒径(RDPS)は、光子相関分光法により測定される。
(界面活性剤含量:)
分散液の少量の秤量されたアリコートを一般的にはASTM D−4441に準拠して(ただし、水は蒸発するが界面活性剤は蒸発しない時間および温度を用いる)蒸発乾固させることにより、安定化された分散液の界面活性剤および固形分の含量を重量測定法で求める。次に、このサンプルを380℃まで加熱して界面活性剤を除去し、再秤量する。界面活性剤含量は、通常、PTFE固体を基準にして重量%で記載されている。
(樹脂の性質:)
PTFE微粉末樹脂の標準比重(SSG)は、ASTM D−4895の方法により測定される。界面活性剤が存在する場合、ASTM D−4895によりSSGを決定する前に、ASTM−D−4441の抽出手順により除去することができる。
溶融クリープ粘度(MCV)は、米国特許公報(特許文献4)に開示されている引張クリープ法の変法により380℃で測定される。その際、室温の成形型で200kg/cm2(19.6MPa)の成形圧力を用いてその成形圧力を2分間保持し、測定に好適なクリープ速度が得られるようにMVに応じて変化する荷重(サンプルスライバーから懸垂させる全重量)を使用し、そして荷重の適用後少なくとも30分間待って弾性応答を完了させてから、計算に使用する粘性応答(クリープ)データを選択する。
レオメーター圧力(押出圧力)は、商標アイソパー(Isopar(登録商標))K(エクソンモービル・ケミカルス(ExxonMobil Chemicals))として販売されている18.4重量%のイソパラフィン滑剤および1600:1の絞り比を有するダイを用いてASTM D−4895 Section 10.8の方法により測定される。
ビード品質は、米国特許公報(特許文献6)のときと同じように決定される。押出物の品質は、不連続押出物の場合には「F」、連続押出物の場合には0〜10(すなわち、非常に劣悪な品質から優れた品質で欠陥がないものまで)として、視覚的に等級づけされる。
(コポリマーの組成:)
変性PTFE樹脂のコモノマー含量は、米国特許公報(特許文献7)に開示されている方法を用いてフーリエ変換赤外分光法により決定される。PPVE変性PTFEの場合、検量線から誘導される0.97の乗法因子を用いて、995cm-1における吸光度と2365cm-1における吸光度との比を重量%単位のPPVE含量に変換する。
(熱的濃縮手順:)
臨界亀裂厚さおよび剪断安定性の両方を決定するために、重合されたままの未加工分散液(本発明による実施例では固形分約45%)を濃縮する。未加工分散液の比重を測定する。比重と固形分%との関係から、1キログラムの分散液中の水およびPTFE固体の重量を計算する。クエン酸の10重量%水溶液1.0ミリリットルを1キログラムの未加工分散液に添加する。分散液を緩やかに攪拌してクエン酸を混合する。次に、5ミリリットルの濃水酸化アンモニウム(28%)を添加し、続いて攪拌する。次に、非イオン性界面活性剤を添加する。本発明による実施例で使用される非イオン性界面活性剤は、別段の記載がないかぎり、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)により供給されるトリトン(Triton(登録商標))X−100である。この界面活性剤は、オクチルフェノールエトキシレートとして記載される。ニートな界面活性剤は、室温で液体であり、240cpsの粘度を有する。使用量は、1キログラムのサンプル中に存在する水の重量を基準にして6.0%または8.0%である。分散液を約40℃まで加熱し、次に、攪拌して界面活性剤を分散させる。1片のアルミニウム箔で分散液を覆い、80℃まで加熱する。濃縮が完了するまで、通常1時間、分散液を80℃に保持する。分散液を室温まで冷却させ、上側の透明上澄相を水流吸引器で除去する。濃縮された下側相を攪拌し、固形分%および界面活性剤%を先に記載した方法により決定する。次に、固形分%および界面活性剤%を、所望のレベルに、通常、PTFE固体の重量を基準にして固形分60%および界面活性剤6.0%または8.0%に調整する。
(臨界亀裂試験手順(CCT):)
実施例で使用されるCCT試験手順は、ガラス基材上にPTFE分散液をコーティングすることにより得られる最大フィルム厚さを試験する手順である。マイヤーロッドアプリケーターおよび固定パスアプリケーター(いずれも、フロリダ州ポンパノビーチのポール・ガードナー・アンド・カンパニー(Paul Gardner and Company of Pompano Beach Florida)から入手可能)を用いてプレートに分散液を適用する。
試験時、ガラスプレート(8インチ×12インチ)を個々に識別し、再利用する。特定のプレートから異常な結果のパターンが検出されたとき、異常であることが認識される。標準的な分散液(本願特許出願人からのテフロン(Teflon(登録商標))T−30)を使用し、#10マイヤーロッドを用いて、以下に記載の手順を踏んで、新たなプレートをコンディショニングする。プレートを使用した後、直刃カミソリで削り取り、水ですすぎ、払拭し、再利用に供する。
最終CCTを決定するために、CCT範囲の近似値を用いる。その近似値は、予備知識に基づくものであってもよいし、1、2、3、および4ミルの固定パスアプリケーターを用いて予備的に決定したものであってもよい。
標準として固形分60重量%の安定化分散液を用いて、マイヤーロッドアプリケーターおよび固定パスアプリケーター(いずれも、ポール・ガードナー・アンド・カンパニー(Paul Gardner and Company)から購入した)でプレートにコーティングすることにより得られた平均完成フィルム重量を次の表に与える。
Figure 0004384913
既知の近似範囲または分散液フィルムに対して決定された近似範囲に応じて、適切なマイヤーロッドアプリケーターおよび固定パスアプリケーターを用いて、濾過された分散液(5ミクロンシリンジフィルターまたは他の類似のサイズのフィルターを用いて)を、識別されたガラスプレートに適用する。プレートの上端を横切って上端から約2〜3インチの位置で水平に分散液を2回通過させ、約1.5〜2秒/プレートのできるかぎり一定した速度でマイヤーロッドまたは固定パスアプリケーターのいずれかを用いてドローダウンする。プレートを100℃で4分間乾燥させて水を除去し、380℃で9分間ベーキングして焼結させる。プレートをオーブンから取り出し、室温に達するまで放置する。冷却後、光に向けて各プレートをより薄いものからより厚いものまで順に上向きに保持し、5秒間検査して亀裂の存在を調べる。最初の亀裂を生じたフィルムを識別する。亀裂を生じたフィルムは、小さなウィスカーに似ている。直刃カミソリおよびテンプレートを用いて、最後の亀裂のないフィルムおよび最初に亀裂を生じたフィルムのそれぞれから2つの1平方インチの試料を切り取り、4つの試験試料を作製する。ピンセットを用いて試料を化学天秤に移し、秤量する。4つの試験試料の重量を平均し、0.737の係数を掛けてマイクロメートル単位で最終CCTを与える。
0.737マイクロメートル/g係数の誘導について以下に示す。これを厚さについて解く。
体積=L×W×T
T=CCT
V=測定フィルムのmg数/フィルムの比重
比重推定値=2.16g/mL=2.16×10-9mg/立方マイクロメートル
L=2.54×104マイクロメートル
W=2.54×104マイクロメートル
(剪断安定性:)
濃縮分散液の剪断安定性は、ゲル化時間試験により決定される。先に述べたように分散液を濃縮し、200mlの分散液をワーリング(Waring)製の商用耐爆発性ブレンダー(モデル707SB、1クオートサイズ、2段速、空気必要量−10scfm@10psi、コネチカット州ニューハートフォードのワーリング(Waring of New Hartford,Connecticut)から入手可能)中に配置し、分散液がゲル化するまで最高速度で攪拌する。ゲル化時間を秒単位で記録する。分散液がゲル化しない場合、30分後に試験を終了する。各ゲル化時間試験ごとに、ブレンダーを解体し十分に洗浄する。
(粒子のモルホロジーおよび分布:)
日立(Hitachi)S−4700電界放出走査型電子顕微鏡を用いて700ボルトの加速電圧で分散液画像を得る。分散液の1000倍水希釈により、サンプルを作製する。VCRGroup IBS/TM2005イオンビームスパッタラーを用いて、希薄分散液の1液を1つの被研磨シリコンウェーハ上に配置し、水を蒸発させ、次に、15分間かけて2ナノメートルのイリジウムでゆっくりとコーティングする。画像を視覚的に検査し、粒子を手作業でカウントする。カウントされた粒子を高さが長軸で直径が短軸である円柱としてモデリングする。定規を用いて粒子寸法をmm単位で測定し、SEM画像に示された目盛を用いてnm単位に変換する。
(MIT屈曲寿命:)
試験方法は、ASTM D−2176(MIT試験機による紙の耐折強度の標準試験法)の変法である。分散液コーテッドガラス布の屈曲寿命を求めるように試験を適合化する。試験により、屈曲、折曲、および折畳の繰返しに耐える布の能力がわかる。ガラス糸の平織基布(たて糸−EC3 408テックス(34×4×3)、8.1エンド/cm;よこ糸−EC3 408テックス(34×4×3)、7.5エンド/cm)のロール上に分散液をコーティングする。布は、約650g/m3の重量および約0.027インチ(0.68mm)の厚さを有する。(記号表記EC3において、Eは、電気グレードガラスを示し、C3は、3マイクロメートルのフィラメント直径を有する連続フィラメント糸を示す。)基布は、サウジアラビア国ジュバイル・インダストリアル・シティー(Jubail Industrial City,Saudi Arabia)に位置するファイバーテック・カンパニー(Fibertech Company)からC1028原布として入手可能である。布はまた、ニューハンプシャー州メリマック(Merrimack,NH)に位置するセイント・ゴバイン(Saint Gobain)からも入手可能である。1500g/m2のコーティング重量になるように基布に浸漬コーティングする。コーテッド布を200°F(93℃)の温度で乾燥させ、次に、750°F(399℃)の温度でベーキングして焼結させる。
ASTM D−2176に記載されている標準的MIT耐折強度試験機を用いて、本明細書に記載したような変更を加えて、コーテッドガラス布(1/2インチ×5インチ、1.27cm×12.5cm)のサンプルを試験する。標準的MIT屈曲試験機(耐折強度試験装置)は、ペンシルバニア州ウィローグルーブのティニウス・オルセン・テスティング・マシーン・カンパニー(Tinius Olsen,Testing Machine Co.of Willow Grove Pa)から入手可能である。試験装置は#8スプリングを備えており、5ポンドの荷重がスプリングに加えられる。
たて方向(マシーン方向)およびよこ方向(クロスマシーン方向)の両方で試験を行う。9つの試験の結果を平均する。試験結果は、サンプル布片を破壊するのに必要な二つ折の回数を示す。
(剥離強度:)
熱および圧力により融着一体化されたテフロン(Teflon(登録商標))FEPフィルムの中間層を有する分散液コーテッドガラス布の2つの基材間でマシーン方向およびクロスマシーン方向の両方について結合の強度を測定する。ASTM−D4851(布へのコーティングの固着試験)に記載されているように50±3mm/分(2.0±0.1インチ/分)で操作される定速伸長型引張試験機インストロン・モデル(Instron Model)No.4532(マサチューセッツ州カントンのインストロン・コーポレーション(Instron Corporation,Canton,MA))を用いて、結合ラミネートを冷却状態のときに180°剥離で引き剥がす。試験結果は、0.2N/cm(0.1lbf/インチ幅)として報告されている。記録された最初の1インチの結合サンプル分離は無視する。剥離強度は、次の3インチのサンプル分離における5つの最高ピークおよび5つの最低ピークの平均である。
別段の記載がないかぎり、溶液濃度は、溶質と溶媒水の合計重量を基準にして重量%単位で示されている。
(実施例1)
この実施例では、PTFEの高分子量コアとPTFEの低分子量シェルとを併せ持つ本発明によるフルオロポリマー粒子を作製するためのTFEの重合について示す。水平攪拌機および240重量部の水容量を有するポリケットルに、123.5部の脱塩水およびエクソン(Exxon)により供給される5.82部のパラフィンワックスを仕込む。排気されたポリケットル中に、0.0616部のペルフルオロオクタン酸アンモニウムを含有する溶液3.24部を仕込む。ポリケットルの内容物を50rpmで攪拌する。温度を90℃まで上昇させる。次に、圧力が2.72MPaになるまで、TFEを添加する。次に、水1部あたり0.01部のジスクシニルペルオキシド(DSP)および0.00005部の過硫酸アンモニウム(APS)を含む新たな開始剤溶液1.29部を0.129部/分の速度で添加する。圧力が0.1MPaだけ低下したら、バッチは反応開始したとみなされる。圧力を2.72MPaに保持するのに十分な速度でTFEを添加する。開始時点から8.81部のTFEが反応したら、2.46重量%のアンモニウムペルフルオロオクトネート溶液6.47部を毎分0.324部の速度で添加する。最初にTFEで加圧してから88.1部のTFEを添加した後、水1部あたり0.005部のAPSおよび0.06部のメタノールを含む追加の3.24部の溶液を0.647部/分の速度で添加する。96.9部のTFEを添加した後、TFEの供給を停止し、ポリケットル圧力を0.79MPaまで減少させ、その後、攪拌を停止する。開始から第2の開始剤添加までの時間は68分間であり、攪拌停止までの時間は87分間である。未加工分散液の固形分含量は45.8重量%であり、平均RDPSは263nmである。未加工分散液粒子の典型的な粒子形状は、末端が丸みを帯びた円柱の形状として記述することができる。ごく小数の粒子は球状である。あるいは、起こりうることとして、粒子が直立して配置されれば、見かけの外観が球状になる。未加工分散液から得られるサンプルのSEM画像の230個の粒子を手作業でカウントし、長軸および短軸の分布を明らかにする。いくつかの粒子は100nm未満の短軸を有するが、長軸が5〜20倍の長さであり、ロッド形として記述することができる。軸比が5よりも大きい粒子は、数換算で、カウントした粒子の10%を含む。カウントした粒子を高さが長軸で直径が短軸である円柱としてモデリングすれば、これらの粒子の重量パーセントは2.8%である。手作業の測定によれば、ロッド形の粒子は、長さ900nmおよび直径68nmの平均寸法を有する。全粒子の平均長さは413nmであり、平均直径は183nmである。樹脂粒子のコアの平均溶融クリープ粘度は、2.13×1010Pa・sであり、樹脂粒子のシェルの平均溶融クリープ粘度は、9.3×109Pa・sである。コアは、88.3重量%の粒子を含み、シェルは、11.7重量%を含む。得られたPTFE樹脂は、2.1917のSSGおよび19.5×109Pa・sの溶融クリープ粘度を有する。6重量%のトリトン(Triton(登録商標))の濃縮分散液は、29.1マイクロメートルのCCTおよび991秒のゲル化時間を有する。8重量%のトリトン(Triton(登録商標))では、CCTは42.5マイクロメートルに改良される。
(実施例2)
最初に仕込まれるペルフルオロオクタン酸アンモニウムの濃度を水1部あたり0.1部に増大させ、ポンプ移送されるペルフルオロオクタン酸アンモニウム溶液の濃度を1重量%に減少させること以外は実施例1のときと同一の手順および本質的に等しい量の成分を使用する。未加工分散液の固形分含量は45.5%であることがわかり、RDPSは268nmであることがわかる。SEM画像から得られる328個の粒子の手作業による測定から、平均長さ325および直径195のピル形およびロッド形の粒子であることがわかる。長さが直径の5倍よりも長い粒子は、770nmの平均長さおよび78nmの直径を有する。ロッド形の粒子の部分は、4.9%を含み、円柱幾何学形状を仮定すれば、重量基準で1.9%である。得られるPTFE樹脂は、2.2217のSSGを有する。乾燥樹脂は、自由流動性粉末である。1600:1の絞り比および29.4MPaの押出圧力で樹脂をペースト押出しすると、連続押出物が得られる。ビード品質は、視覚的に2に等級づけされる。6重量%のトリトン(Triton(登録商標))の濃縮分散液は、23.9マイクロメートルのCCTおよび1800秒のゲル化時間を有する。8重量%のトリトン(Triton(登録商標))では、CCTは42.3マイクロメートルに改良される。
(実施例3)
最初に仕込まれるペルフルオロオクタン酸アンモニウムの濃度を水1部あたり0.08部に減少させ、ポンプ移送されるペルフルオロオクタン酸アンモニウム溶液の濃度を2重量%に増大させること以外は実施例2のときと同一の手順および本質的に等しい量の成分を使用する。未加工分散液の固形分含量は45.3%であることがわかり、RDPSは283nmであることがわかる。得られるPTFE樹脂は、2.209のSSGを有する。6重量%のトリトン(Triton(登録商標))の濃縮分散液は、22.9マイクロメートルのCCTおよび1800秒よりも長いゲル化時間を有する。8重量%のトリトン(Triton(登録商標))では、CCTは34.5マイクロメートルに改良される。
(実施例4)
この実施例では、PTFEの高分子量コアと変性PTFEの低分子量シェルとを併せ持つ本発明によるフルオロポリマー粒子を作製するためのTFEの重合について示す。高剪断安定性および良好なCCTを有する分散液が生成される。第2の開始剤に加えて0.097部のPPVEを0.097部/分の速度で同時に添加すること以外は実施例1のときと同一の手順および本質的に等しい量の成分を使用する。未加工分散液の固形分含量は45.5重量%であることがわかり、RDPSは260nmであることがわかる。図5のSEM画像から得られる92個の粒子の手作業による測定から、5.4%がロッド形の粒子であり、円柱幾何学形状を用いると重量基準で14.6重量%のサンプルを含むことがわかる。ロッド形の粒子の平均長さは1242nmであり、直径は125nmである。全粒子の平均長さは308nmであり、直径は177nmである。得られるPTFE樹脂は、2.1889のSSG、14.0×109Pa・sの溶融クリープ粘度、および0.025重量%PPVEのPPVE含量を有する。6重量%のトリトン(Triton(登録商標))の濃縮分散液は、21.6マイクロメートルのCCTおよび1380秒のゲル化時間を有する。8重量%のトリトン(Triton(登録商標))におけるCCTは、21マイクロメートルであることがわかる。
(実施例5)
この実施例では、PTFEの高分子量コアとPTFEの低分子量シェルとを併せ持つフルオロポリマー粒子を、分枝状第一級アルコール界面活性剤から作製されるアルコールエトキシレートの好ましい界面活性剤で濃縮することについて示す。コンデア・ビスタ・コーポレーション(Condea Vista Corporation)から入手可能なノーベル(Novel)II TDA 9.4を用いて未加工分散液を熱的に濃縮すること以外は実施例1の手順に従って分散液を作製する。ニートな界面活性剤は、室温で液体であり、100cpsの粘度を有する。固形分を60%に調整し、かつPTFE固体を基準にして界面活性剤を6%に調整した後、1597秒のゲル化時間が測定される。
(実施例6)
この実施例では、建築用途でコーティングおよびラミネート構造体に使用したときの本発明による分散液の性能特性を示す。実施例では、本発明による分散液が市販のPTFE分散液と比較したとき高分子量PTFE分散液に関連づけられる卓越した性能特性を有することを示す。
実施例1に記されたジスクシニルペルオキシド(DSP)の量の2倍量を使用すること以外は実施例1に記載されている手順に従ってコア/シェル分散液を作製する。60%のPTFE固体およびPTFE固体を基準にして6%のトリトン(Triton)X−100(ダウ・ケミカル(Dow Chemical))を含有する本願特許出願人から入手可能な市販のPTFE樹脂分散液であるテフロン(Teflon(登録商標))30を使用して、第2の分散液を作製する。
(MIT屈曲寿命)
各分散液を用いてガラス布にコーティングを施し、先に記載したMIT屈曲寿命試験に付す。結果を表2に報告する。
Figure 0004384913
剥離強度試験−テフロン(Teflon(登録商標))FEPフィルム(8 1/4×7 1/4±1/8インチ、厚さ0.005インチ)(21cm×18.4cm±0.32cm、厚さ0.013cm)を用いて、たて方向(マシーン方向)に平行に8インチ(20.3cm)の寸法をそれぞれ有するMIT屈曲寿命試験用に作製されたコーテッド布の2つの矩形片(7×8インチ±1/8インチ)(17.8cm×20.3cm±0.32cm)を、表面と裏面を対向させて融着一体化させる。テフロン(Teflon(登録商標))FEPは、本願特許出願人から入手可能である。360℃、5分間、245psi(1.69MPa)の条件で、2つの布片をプレスして一体化させる。先に述べたように結合ラミネートを冷却状態のときに定速伸長型試験機により180°剥離で引き剥がす。表3に報告されている結果は、5つのラミネートサンプルの平均である。
Figure 0004384913
本出願は、以下の発明を包含する。
(1) 約2.225未満のSSGを有する非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子を水性媒質中に含む分散液であって、前記フルオロポリマー粒子が、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有する高分子量のポリテトラフルオロエチレンのコアと、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルとを含み、前記シェルが、約9×109Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有しかつ約5〜約30重量%の前記粒子を含み、前記フルオロポリマーがフィブリル化するものであることを特徴とする分散液。
(2) 前記シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度が、前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.1×1010Pa・s小さいことを特徴とする(1)に記載の分散液。
(3) 前記シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度が、前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.2×1010Pa・s小さいことを特徴とする(1)に記載の分散液。
(4) より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの前記シェルが、約9×109Pa・s〜約1.3×1010Pa・sの平均溶融クリープ粘度を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(5) 前記粒子の前記シェルがポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする(1)に記載の分散液。
(6) 前記粒子が約250〜約300nmの数平均粒径を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(7) 約60重量%のフルオロポリマーおよび約6重量%の界面活性剤で約700秒よりも長いゲル化時間を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(8) 前記フルオロポリマーが約1.4×1010Pa・sよりも大きい溶融クリープ粘度を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(9) 前記シェルが約5〜約25重量%の前記粒子を含むことを特徴とする(1)に記載の分散液。
(10) 前記シェルが約5〜約20重量%の前記粒子を含むことを特徴とする(1)に記載の分散液。
(11) たて方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(12) よこ方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(13) たて方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有しかつよこ方向に10,000サイクルよりも長いコーテッドガラス布のMIT屈曲寿命を有することを特徴とする(1)に記載の分散液。
(14) (1)に記載の水性分散液を凝結し乾燥させることにより得られることを特徴とする非溶融加工可能なフルオロポリマー粉末。
(15) 界面活性剤を含有する水性媒質中の2.225未満のSSGを有する非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子の濃縮分散液を含むコーティング組成物であって、前記分散液が約30〜約70重量%のフルオロポリマーを含有し、前記フルオロポリマー粒子が、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するフィブリル化可能な高分子量ポリテトラフルオロエチレンのコアと、より低分子量のフィブリル化可能なポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルとを含み、前記シェルが、約9×109Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有しかつ約5〜約30重量%の前記粒子を含み、前記フルオロポリマーがフィブリル化するものであることを特徴とするコーティング組成物。
(16) 前記シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度が、前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.1×1010Pa・s小さいことを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(17) 前記シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度が、前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.2×1010Pa・s小さいことを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(18) より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの前記シェルが、約9×109Pa・s〜約1.3×1010Pa・sの平均溶融クリープ粘度を有することを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(19) 前記粒子の前記シェルがポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(20) 前記粒子が約250〜約300nmの数平均粒径を有することを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(21) 約60重量%のフルオロポリマーおよび約6重量%の界面活性剤で約700秒よりも長いゲル化時間を有することを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(22) 前記フルオロポリマー粒子が約1.4×1010Pa・sよりも大きい溶融クリープ粘度を有することを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(23) 前記シェルが約5〜約25重量%の前記粒子を含むことを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(24) 前記シェルが約5〜約20重量%の前記粒子を含むことを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(25) ベーキングされた層の形態であることを特徴とする(15)に記載のコーティング組成物。
(26) (25)に記載の組成物でコーティングされていることを特徴とする基材。
(27) 前記基材が金属であることを特徴とする(26)に記載の基材。
(28) 前記基材がガラス布であることを特徴とする(26)に記載の基材。
(29) (1)に記載の分散液からキャスティングされたものであることを特徴とする自立性フィルム。
(30) 非溶融加工可能なフルオロポリマー分散液を作製するためのバッチ法であって、水性媒質中、分散剤の存在下でテトラフルオロエチレンを重合して、2.225未満のSSGを有するフルオロポリマーを生成させる工程を含み、前記重合工程が、第1の量のフリーラジカル開始剤が添加される間の第1の段階ならびに第2の量のフリーラジカル開始剤およびテロゲン性試剤が添加される間の第2の段階で行われ、前記第1の量の開始剤が、約1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンを生成させ、前記第2の量の開始剤が、前記第1の量の少なくとも約10倍でありかつ全テトラフルオロエチレンの約95%が重合される前に添加され、前記第2の量の開始剤が、約9×109Pa・sよりも大きくかつ前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも小さい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを生成させることを特徴とするバッチ法。
(31) 前記第2の量の開始剤が、前記第1の段階間に生成されるポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.1×1010Pa・s小さい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを生成させることを特徴とする(30)に記載の方法。
(32) 前記第2の量の開始剤が、前記第1の段階の間に生成されるポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも少なくとも0.2×1010Pa・s小さい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを生成させることを特徴とする(30)に記載の方法。
(33) 前記第2の量の開始剤が、約9×109Pa・s〜約1.3×1010Pa・sの平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを生成させることを特徴とする(30)に記載の方法。
(34) 前記第1の量の開始剤が、全テトラフルオロエチレンの約30%が重合される前に約1.0×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンを生成させることを特徴とする(30)に記載の方法。
(35) 生成される前記フルオロポリマーがフィブリル化するものであることを特徴とする(30)に記載の方法。
(36) 前記第2の段階の重合がポリテトラフルオロエチレンを生成することを特徴とする(30)に記載の方法。
(37) 全テトラフルオロエチレンの少なくとも約70%が重合されたときに前記第2の量の開始剤および前記テロゲン性試剤が添加されることを特徴とする(30)に記載の方法。
(38) 全テトラフルオロエチレンの少なくとも約75%が重合されたときに前記第2の量の開始剤および前記テロゲン性試剤が添加されることを特徴とする(30)に記載の方法。
(39) 全テトラフルオロエチレンの少なくとも約80%が重合されたときに前記第2の量の開始剤および前記テロゲン性試剤が添加されることを特徴とする(30)に記載の方法。
(40) 前記第1の段階の前記重合工程が、テロゲン性試剤を添加することなく行われることを特徴とする(30)に記載の方法。
(41) 前記分散剤が、6〜10個の炭素原子を含有するペルフルオロカルボン酸を含むことを特徴とする(30)に記載の方法。
(42) 前記第2の量の開始剤が、前記第1の量の少なくとも約25倍であることを特徴とする(30)に記載の方法。
(43) 前記第2の量の開始剤が、前記第1の量の少なくとも約50倍であることを特徴とする(30)に記載の方法。
本発明によるプロセス時に形成されたポリマーの平均溶融クリープ粘度(MCV)および瞬間溶融クリープ粘度(いずれも1/3.4乗)をバッチ完了パーセントに対して示したグラフである。

Claims (6)

  1. 2.225未満の標準比重(以下、「SSG」と表示)を有する非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子を水性媒質中に含む分散液であって、前記フルオロポリマー粒子が、1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有する高分子量のポリテトラフルオロエチレンのコアと、より低分子量のポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルとを含み、前記シェルが、9×109Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有し、前記シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度は前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも小さく、かつ、前記シェルが、前記粒子の5〜30重量%を占め、前記フルオロポリマーがフィブリル化するものであることを特徴とする分散液。
  2. 請求項1に記載の水性分散液を凝結し乾燥させることにより得られることを特徴とする非溶融加工可能なフルオロポリマー粉末。
  3. 界面活性剤を含有する水性媒質中の2.225未満のSSGを有する非溶融加工可能なフルオロポリマー粒子の濃縮分散液を含むコーティング組成物であって、前記分散液が30〜70重量%のフルオロポリマーを含有し、前記フルオロポリマー粒子が、1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するフィブリル化可能な高分子量ポリテトラフルオロエチレンのコアと、より低分子量のフィブリル化可能なポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのシェルとを含み、前記シェルが、9×109Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有し、前記シェルのポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度は前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも小さく、かつ、前記シェルが、前記粒子の5〜30重量%を占め、前記フルオロポリマーがフィブリル化するものであることを特徴とするコーティング組成物。
  4. ベーキングされた層の形態である請求項3に記載のコーティング組成物でコーティングされていることを特徴とする基材。
  5. 請求項1に記載の分散液からキャスティングされたものであることを特徴とする自立性フィルム。
  6. 非溶融加工可能なフルオロポリマー分散液を作製するためのバッチ法であって、水性媒質中、分散剤の存在下でテトラフルオロエチレンを重合して、2.225未満のSSGを有するフルオロポリマーを生成させる工程を含み、前記重合工程が、第1の量のフリーラジカル開始剤が添加される間の第1の段階ならびに第2の量のフリーラジカル開始剤およびテロゲン性試剤が添加される間の第2の段階で行われ、前記第1の量の開始剤が、1.5×1010Pa・sよりも大きい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンのコアを生成させ、前記第2の量の開始剤が、前記第1の量の少なくとも10倍でありかつ全テトラフルオロエチレンの95%が重合される前に添加され、前記第2の量の開始剤が、9×109Pa・sよりも大きくかつ前記コアのポリテトラフルオロエチレンの平均溶融クリープ粘度よりも小さい平均溶融クリープ粘度を有するポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンであって、前記粒子の5〜30重量%を占めるシェルを生成させることを特徴とするバッチ法。
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