JP4384344B2 - レーザ反射光による粒状斑点模様を利用した血液凝固時間測定方法とその装置 - Google Patents

レーザ反射光による粒状斑点模様を利用した血液凝固時間測定方法とその装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、血液凝固過程を非接触で血液凝固予測時間および血液凝固時間の計測を可能とする方法およびその装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
この発明は、指向性、高輝度、直進性および単色光であるレーザ光を血液に照射すると、反射光あるいは透過光として粒状斑点模様が発生する。この粒状斑点模様はレーザ光の発光波長と血液中の有形成分の大きさに基づくものであり、レーザ照射位置の血液固有のものである。血液を採取し、スライドガラスに一滴のせると凝固が始まり、正常血液であれば3〜7分で凝固する。
このとき、スライドガラスに適宜なビーム径のレーザ光を照射しておき、照射範囲より広くなるように血液を垂らすと、当初は粒状斑点模様が激しく動き、経過時間に従って、粒状斑点模様の動きも次第にゆっくりとなり、血液凝固によりその動きが静止する。この粒状斑点模様を標識として光学的に直接撮像し、この標識の動きを演算処理することにより血液凝固予測時間ならびに血液凝固時間として、表示出力するものである。粒状斑点模様の動きは、血液成分である赤血球の運動に基づくものであり、レーザの発光波長と赤血球の大きさに関係している。
照射レーザ光の光軸上に、近接する微細な穴を2つあけて2分光とすると、粒状斑点模様の中に縦あるいは横の干渉縞が現れる。微細な2つ穴を横にした場合は干渉縞は縦に現れ、2つ穴を縦にすると干渉縞は横に現れる。この干渉縞は、粒状斑点模様の動きを、さらに精度よく現す特徴がある。
【0003】
【従来の技術】
従来は、血液凝固時間をLee−White法で計測している。
その方法は2本の小試験管を37℃の恒温槽中に保温しておく。ディスポーザブルの21G注射針をつけた乾燥滅菌注射器を用い、肘正中静脈を穿刺し、血液が注射器内に流入した瞬間に秒時計を始動する。血液約2.5mlを採取し、加温した2本の小試験管にそれぞれ1mlずつ入れ、37℃恒温槽中に放置する。血液の分注時には注射針をはずし、管壁に沿って静かに注入する。3分間静置した後に、1本の小試験管を30秒ごとに傾斜させて血流の流動性を観察する。流動性がなくなり凝固したら、第2小試験管について同様の操作を行う。第2小試験管の流動性がなくなったときに秒時計を停止して、その時間を読み凝固時間とする。正常値(ガラス試験管法)は10分±2分である。より精確を求める場合は、シリコン塗布試験管によるLee−White法があり、正常値は20〜35分である。
また、減衰振動型レオメータはトーションワイヤーに血液を垂らし、微小変位させた後にリリースし、発生する減衰振動曲線の変位から対数減衰率を求め血液凝固過程の解析を行い粘弾性などの情報を得る方法がある。
この全血凝固時間の計測は、外科手術を行う場合に必ず行うものであり、計測方法の簡素化・簡便さ・自動化が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記したLee−White法は採血した瞬間から計時測定を行い、10分から35分の時間的な拘束と30秒毎の流動性観察を行い、経験と熟練が必要である。血友病患者の血液においては拘束時間がさらに延長される。
また、減衰振動型装置は、検査毎にトーションワイヤーに導く試料ホルダーおよびワイヤーの取り替えが必要であり、ランニングコストのアップや廃棄処理の問題が生ずる。血液凝固は採血した時点から即座に始まるため、血液凝固測定は迅速に行う必要があり、採取した血液を試料ホルダーに注入し、トーションワイヤーに導くのに時間を要するなどの課題がある。
【0005】
本発明は、従来技術における、構成技術、計測環境などの諸条件による制約等、数多くの要求事項を解消し、かつこれに対応すべく、計測方法ならびにその装置における各手段の簡素化、制約範囲の拡大可能な開発を目的とするものである。
また、従来技術よりも計測方法が非常に簡便であり、血液凝固時間も容易に予測でき、血液凝固の瞬間が明確である。
【0006】
【問題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するための方法と手段にあって、37℃に温度設定されたスライドガラスに採血した血液を少量のせ、当該血液にレーザ光を照射することにより反射光あるいは透過光に粒状斑点模様が発生する。この粒状斑点模様を一般事務所程度の環境下で容易な方法で直接撮像し、血液凝固過程とレーザ反射光が描く粒状斑点模様あるいは干渉縞の定量的な相対関係から課題を解決するものである。
方法の発明は非接触で微量の血液により凝固過程を計測する方法にあって、血液にレーザ光を照射すると粒状斑点模様が現れ、この模様を標識として光学的に認識し、かつ、血液の凝固過程に伴う粒状斑点模様の変化を撮像素子の該認識画素に対応させて演算処理し、血液凝固時間の予測および血液凝固の実質時間を求めて表示出力するものである。
【0007】
血液凝固の瞬間を明確にするための方法として、同一レーザ光をスリット板により2分光して血液に照射すると、粒状斑点の中に縦または横の干渉縞が現れる。
この干渉縞は、粒状斑点模様の動きよりも高精度で動くため、血液凝固の瞬間がより明確に判定できる。なお、干渉縞は照射レーザ光に対して、スリット板の穴が横の場合に縦に現れ、穴が縦の場合には横に現れる。
【0008】
また、手段である装置の発明として、非接触で血液凝固を測定する装置にあって、採取した血液の有形成分である赤血球の動きに基ずく粒状斑点模様を描かせるレーザ投光機と、粒状斑点模様を標識として容易に直接撮影できる暗視筒を装備した撮像素子と、撮像素子からのアナログ信号を演算処理装置の入力とするためにディジタル変換するA/D変換器と、ディジタル信号化した粒状斑点模様の映像から血液凝固時間の予測演算ならびに血液凝固時間を算出する演算処理装置と、演算処理装置による血液凝固予測時間および血液凝固時間を表示出力する表示出力装置とからなるものである。
ここで、粒状斑点模様は血液の有形成分として、赤血球を一例として挙げた。
実験に使用した赤色レーザ光は発光波長630nmであり、この波長で粒状斑点模様が発生する有形成分は7ミクロンの大きさを持つ赤血球である。血小板は2から3ミクロンであり、発光波長の短い青あるいは緑色レーザ光を使用することにより粒状斑点模様が発生する。
【0009】
【作用】
この発明は、大別すると4要素がある。
【0010】
その第1は、採取した血液に対してレーザ光を照射する要素。
【0011】
その第2は、血液に照射したレーザ光の反射光あるいは透過光に存在する粒状斑点模様を一般事務所程度の環境下で直接撮像する要素。
【0012】
第3は、経過時間による血液凝固と撮像した粒状斑点模様あるいは干渉縞の動きを定量化する要素。
【0013】
その第4は、撮像した粒状斑点模様を撮像素子の画素に対応せさ、粒状斑点模様あるいは干渉縞の動く速度、あるいは前画面と次画面の一致度を演算して血液凝固時間の予測および実質的な血液凝固時間を表示出力する要素である。
【0014】
上記した各要素を集約し、かつ、これらを総合的に要約する。
採血した血液をスライドガラスに数滴のせ、レーザ光を血液に直接照射する。
レーザ光の発光波長(実験では630nmを使用)に基づき血液の有形成分である赤血球により乱反射が生じる。この乱反射したものが粒状斑点模様である。
この粒状斑点模様を直視することはできないが、照射レーザ光以外の外来光を遮蔽する暗視筒を撮像素子の前方に取付ることにより撮像することができる。
血液中の有形成分の一つである赤血球が血液中を浮遊する動きに基づいて粒状斑点模様が動き、血液凝固にともない粒状斑点模様の動きも緩慢となる。この粒状斑点模様の動きを、定量的に解析し、血液凝固時間を予測し、さらに血液凝固により粒状斑点模様の動きが静止し、その瞬間が血液凝固時間である。
レーザ光を2分光し、血液に照射すると粒状斑点模様の中に干渉縞が現れ、この干渉縞の動く速度あるいは前画面と更新画面との一致度から血液凝固時間の予測、および血液凝固の瞬間を正確に判断することができる。
【0015】
本発明の目的を達成させるために、その計測装置として、半導体レーザ投光機、外光を遮り反射光あるいは透過光である粒状斑点模様や干渉縞を通過させる暗視筒を装備した撮像素子、撮像素子で撮像した映像信号を2分岐する映像信号分岐装置、撮像素子で撮像した映像信号を表示するモニタ装置、A/D(ANALOG/DIGITAL)変換器、コンピュータによる演算処理装置、移動量を表示出力する表示出力装置より構成するものである。
【0016】
採取した血液をスライドガラスに数滴のせ、血液上に非常に干渉性が高いレーザ光を照射すると、血液中の有形成分の大きさに対応して、レーザ光が干渉し合うために粒状斑点模様が発生する。
使用したレーザ投光機の発光波長は630nmであり、血液中の赤血球に対応した粒状斑点模様が発生する。発光波長が短い緑あるいは青色レーザ投光機を使用することにより赤血球ならびに白血球や血小板に対応した粒状斑点模様が発生するものと考える。
【0017】
ここで、採血時の赤血球は血液中を激しく移動するため、粒状斑点模様も激しく動き、経過時間に従って血液がゲル化するために粒状斑点模様の動きも緩慢となり、血液凝固により粒状斑点模様も静止する。
【0018】
この粒状斑点模様の動きを標識として、撮像素子で連続して撮像し、A/D変換機によりアナログ信号をディジタル信号に変換して演算処理装置の入力とし、粒状斑点模様の動きの変化から、凝固時間の予測ならびに凝固時間を演算し、演算結果を血液凝固予測時間あるいは血液凝固時間として表示出力する。
【0019】
【実施】
次に、本発明の方式を達成するための計測装置として各部位の仕様および機能を説明する。計測方式には、大別すると反射型と透過型があり、それぞれ単一レーザビーム光と2光束レーザビーム光による方法の4種類がある。
【0020】
1はレーザ投光機から出力するレーザビーム光の光軸を示すレーザ光軸中心線、2は撮像器の視野中心部を示す撮像視野中心線、3はレーザビーム光を放つレーザ投光機、4はレーザ投光機から出力したレーザビーム光、5はレーザビーム光をスリット板で2分光した一方の2光束レーザビーム光A、6はレーザビーム光をスリット板で2分光した他方の2光束レーザビーム光B、7はレーザビーム光を2分光するために2つの穴を開けたスリット板、8はスリット板に開けた穴の一方のスリットA、9はスリット板に開けた穴の他方のスリットB、10は粒状斑点模様を直接撮像する撮像器、11は撮像素子(CCD:電荷結合素子)、12は粒状斑点模様以外の外来光を遮蔽する暗視筒、13は採血した血液をのせるスライドガラス、14はスライドガラスを支え、かつ、血液をのせる部分がくり抜かれた基台、15は血液、16は撮像器で撮像した粒状斑点模様を2分割する映像信号分岐装置、17は撮像器で撮像した粒状斑点模様の映像信号を演算処理装置に入力するためのA/D変換器、18は粒状斑点模様を標識として血液凝固予測時間ならびに血液凝固時間を演算する演算処理装置、19は血液凝固予測時間ならびに血液凝固時間を表示する表示出力装置、20は撮像器で撮像した粒状斑点模様を表示出力するモニタ装置である。
【0021】
図1は、反射型レーザビーム方式を示す。
レーザ投光機3よりレーザビーム光4をスライドガラス13上の血液15に照射すると、反射光として図6ビーム方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過に示す粒状斑点模様が現れ、反射光以外の外光を遮蔽する暗視筒12を通して、撮像器10の撮像素子11で撮像することができる。
採血直後の血液15は血液中の赤血球が激しく動き回っており粒状斑点模様も激しく変化する。経過時間に従って次第に凝固が進行し、赤血球の動きが緩慢となり粒状斑点模様の動きも緩慢なる。やがて赤血球の動きが停止し血液が凝固し、粒状斑点模様の動きも停止する。
この粒状斑点模様の動きを撮像器10で連続して撮像し、映像信号分岐装置16を介してモニタ装置20で表示すると共に、A/D変換器17でアナログ信号をディジタル信号に変換し、画像処理装置18の入力とする。
画像処理装置18に取り込まれた粒状斑点模様の動きを解析し、経過時間に伴う粒状斑点模様の動きの変化率から血液凝固による粒状斑点模様の停止時間を予測することがてきる。また、粒状斑点模様の動きが停止した時が血液凝固の瞬間である。
【0022】
図2は、反射型レーザ2光束方式を示す。
レーザ投光機3から出力したレーザビーム光4は、近接した2つの微細な穴を開けたスリット板7により2分光する。スリット板7を通したレーザ光は2光束レーザビーム光A5と2光束レーザビーム光B6はスライドガラス13上の血液15に照射され、図7の2光束方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過に示す粒状斑点模様が現れ、反射光以外の外光を遮蔽する暗視筒12を通して、撮像器10の撮像素子11で撮像することができる。2光束方式は、粒状斑点模様のなかに干渉縞が現れる。この干渉縞は粒状斑点模様の動きをさらに正確に現す特徴がある。血液凝固に基づく粒状斑点模様の動きは前記の図1の現象と同一であり、ここでは2光束方式による干渉縞について説明する。
採血直後の血液15は血液中の赤血球が激しく動き回っており粒状斑点模様の中の干渉縞も激しく変化する。経過時間に従って次第に凝固が進行し、赤血球の動きが緩慢となり、干渉縞の動きも緩慢なる。やがて赤血球の動きが停止し血液が凝固し、干渉縞の動きも停止する。
この粒状斑点模様および干渉縞の動きを撮像器10で連続して撮像し、映像信号分岐装置16を介してモニタ装置20で表示すると共に、A/D変換器17でアナログ信号をディジタル信号に変換し、画像処理装置18の入力とする。
画像処理装置18に取り込まれた粒状斑点模様ならびに干渉縞の動きを解析し、血液凝固の進行にともなう粒状斑点模様ならびに干渉縞の停止時間を予測することがてきる。また、粒状斑点模様ならびに干渉縞の動きが停止した瞬間が血液凝固の瞬間である。
【0023】
図3は、2光束方式を示す。
レーザ投光機3から出力したレーザビーム光4は、スリット板7に開けられた近接したスリットA8およびスリットB9を介して、2光束レーザビーム光A5と2光束レーザビーム光B6に2分割されスライドガラス13上の血液15に照射される。実験ではスリット板7は黒紙を用い、間隔0.5mmで直径0.5mm程度の穴を二つ開けたものを使用した。
2光束方式の特徴は、粒状斑点模様の内部に干渉縞が現れる。この干渉縞は粒状斑点模様の動きをさらに正確にしたものであり、粒状斑点模様の動きが停止した状態でも、赤血球がわずかでも動いている場合は、鋭敏に干渉縞の動きに現れる。従って、2光束方式は、血液凝固の時間をより正確に計測する場合には最適である。
【0024】
図4は、透過型レーザビーム方式を示す。
レーザ投光機3よりレーザビーム光4をスライドガラス13上の血液15に照射すると、透過光として図6ビーム方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過に示す粒状斑点模様が現れ、透過光以外の外光を遮蔽する暗視筒12を通して、撮像器10の撮像素子11で撮像することができる。
採血直後の血液15は血液中の赤血球が激しく動き回っており粒状斑点模様も激しく変化する。経過時間に従って次第に凝固が進行し、赤血球の動きが緩慢となり、粒状斑点模様の動きも緩慢なる。やがて赤血球の動きが停止し血液が凝固し、粒状斑点模様の動きも停止する。
この粒状斑点模様の動きを撮像器10で連続して撮像し、映像信号分岐装置16を介してモニタ装置20で表示すると共に、A/D変換器17でアナログ信号をディジタル信号に変換し、画像処理装置18の入力とする。
画像処理装置18に取り込まれた粒状斑点模様の動きを解析し、経過時間に伴う粒状斑点模様の動きの変化率から血液凝固による粒状斑点模様の停止時間を予測することができる。また、粒状斑点模様の動きが停止した時が血液凝固の瞬間である。
【0025】
図5は、透過型レーザ2光束方式を示す。
レーザ投光機3から出力したレーザビーム光4は、近接した2つの微細な穴を開けたスリット板7により2分光する。スリット板7を通したレーザ光は2光束レーザビーム光A5と2光束レーザビーム光B6はスライドガラス13上の血液15に照射され、図7の2光束方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過に示す粒状斑点模様が現れ、反射光以外の外光を遮蔽する暗視筒12を通して、撮像器10の撮像素子11で撮像することができる。2光束方式は、粒状斑点模様のなかに干渉縞が現れ、この干渉縞は粒状斑点模様の動きをさらに正確に現す特徴がある。血液凝固に基づく粒状斑点模様の動きは前記の図1の現象と同一であり、ここでは2光束方式による縦の干渉縞について説明する。
採血直後の血液15は血液中の赤血球が激しく動き回っており粒状斑点模様の中の縦の干渉縞も激しく変化する。経過時間に従って次第に凝固が進行し、赤血球の動きが緩慢となり、干渉縞の動きも緩慢なる。やがて赤血球の動きが停止し血液が凝固し、干渉縞の動きも停止する。
この粒状斑点模様および縦の干渉縞の動きを撮像器10で連続して撮像し、映像信号分岐装置16を介してモニタ装置20で表示すると共に、A/D変換器17でアナログ信号をディジタル信号に変換し、画像処理装置18の入力とする。
画像処理装置18に取り込まれた粒状斑点模様ならびに縦の干渉縞の動きを解析し、血液凝固の進行にともなう粒状斑点模様ならびに縦の干渉縞の停止時間を予測することができる。また、粒状斑点模様ならびに縦の干渉縞の動きが停止した瞬間が血液凝固した瞬間である。
【0026】
図6は、ビーム方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過を示すものである。
本図は、反射型および透過型で見られるレーザビーム光4を血液15に照射した場合の粒状斑点模様を時系列に示したものである。
図6−aは採血直後の粒状斑点模様を示し、図6−bは凝固中の粒状斑点模様を示している。血液凝固まで、撮像器10で撮像する粒状斑点模様は刻一刻毎に変化し、凝固するまで変化がランダムに続く。図6−cは、図6−bに近似し、血液凝固が相当に進んだ状態を示している。
図6−cと図6−dは粒状斑点模様がほとんど同一である。血液が凝固した場合は同一の粒状斑点模様が継続して撮像される。この粒状斑点模様の動きの速度変化あるいは前画面と更新画面の一致度から、血液凝固時の粒状斑点模様の停止までを予測する。また、前画面の粒状斑点模様と更新画面の粒状斑点模様との比較照合を行い、不一致の場合は凝固中であり、一致した場合は血液が凝固した状態を示す。
【0027】
図7は、2光束方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過を示すものである。
本図は、反射型および透過型における2光束方式で見られるものである。レーザビーム光4をスリット板7に照射し、スリットA8、スリットB9により2光束レーザビーム光A5、2光束レーザビーム光B6に分光し、血液15に照射する。血液中の赤血球に二つのレーザ光を照射することにより、粒状斑点模様と粒状斑点模様の中に縦の干渉縞が現れる。この干渉縞は2光束レーザビーム光が横に2分光した場合に造り出したものであり、粒状斑点模様の変化に比べて干渉縞の動きは高倍率な変化を示す。血液凝固時間を精確に計測する場合は、2光束法の干渉縞の動きを観測することにより、精度の向上を図ることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、これまでのように熟練者を計測時間中に拘束することなく、少量の血液で計測することができるために採血の労力ならびに患者負担の軽減、スライドガラスによるコスト低減、試験後の廃棄物もわずかであり、粒状斑点模様あるいは干渉縞の動きから凝固時間を予測することができ、粒状斑点模様あるいは干渉縞の動きが停止したことにより凝固時点が明確であり、正確な計測結果を得ることができる。
【0029】
なお、本方式を応用することにより、液体やゲル状から固体状、固体状からゲル状や液体への転移過程の計測などを実現することがでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型レーザビーム方式
【図2】透過型レーザビーム方式
【図3】反射型レーザ2光束方式
【図4】透過型レーザ2光束方式
【図5】2光束方式
【図6】ビーム方法に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過
【図7】2光束方式に基づく血液凝固と粒状斑点模様の経過
【符号の説明】
【1】レーザ光軸中心線
【2】撮像視野中心線
【3】レーザ投光機
【4】レーザビーム光
【5】2光束レーザビーム光A
【6】2光束レーザビーム光B
【7】スリット板
【8】スリットA
【9】スリットB
【10】撮像器
【11】撮像素子
【12】暗視筒
【13】スライドガラス
【14】基台
【15】血液
【16】映像信号分岐装置
【17】A/D変換器
【18】画像処理装置
【19】表示装置
【20】モニタ装置

Claims (4)

  1. 非接触で血液凝固時間を測定する方法にあって、血液にレーザ光を照射し、その反射光あるいは透過光である粒状斑点模様を標識として光学的に直接撮像し、かつ、該認識画素に対応させて粒状斑点模様の動きから血液凝固予測時間の演算および粒状斑点模様の静止を血液凝固時間として表示出力させてなることを特徴とするレーザ反射光あるいは透過光による粒状斑点模様を利用した血液凝固予測時間および血液凝固時間の測定方法。
  2. 非接触で血液凝固時間を測定する方法にあって、2分光したレーザ光を血液に照射し、その反射光あるいは透過光である粒状斑点模様の中に縦あるいは横の干渉縞を発生させ、この干渉縞を標識として光学的に直接撮像し、かつ、該認識画素に対応させて干渉縞の一致度から血液凝固予測時間の演算および干渉縞の静止を血液凝固時間として表示出力させてなることを特徴とする2光束レーザ反射光あるいは透過光による干渉縞を利用した血液凝固予測時間および血液凝固時間の測定方法。
  3. 非接触で血液凝固時間を測定する方法にあって、血液中の成分である例えば7ミクロンの大きさをもつ赤血球に対応した粒状斑点模様を描かせる赤色レーザ投光機と、前記粒状斑点模様を標識として直接撮像する撮像素子(CCD素子:電荷結合素子)と、撮像素子からのアナログ映像信号をディジタル信号に変換するA/D変換機と、A/D変換したディジタル信号から撮像素子の画素間隔に対応させ、粒状斑点模様の動く速度変化あるいは前画面と更新画面との一致度から血液凝固予測時間の算出および粒状斑点模様の静止から血液凝固時間を演算する演算処理装置による血液凝固予測時間および血液凝固時間を表示出力する表示出力装置と、からなることを特徴とするレーザ光を利用した粒状斑点模様による血液凝固予測時間および血液凝固時間の測定装置。
  4. 非接触で血液凝固時間を測定する方法にあって、血液中の成分である例えば7ミクロンの大きさがある赤血球に対応した粒状斑点模様を発生させる赤色レーザ投光機と、レーザ投光機から出力されたレーザ光を2分光させるスリット板と、前記粒状斑点模様を標識として直接撮像する撮像素子(CCD素子:電荷結合素子)と、撮像素子からのアナログ映像信号をディジタル信号に変換するA/D変換機と、A/D変換したディジタル信号から撮像素子の画素間隔に対応させ、粒状斑点模様の変化あるいは前画面と更新画面との一致度から血液凝固予測時間の算出および干渉縞の静止から血液凝固時間を演算する演算処理装置による血液凝固予測時間および血液凝固時間を表示出力する表示出力装置と、からなることを特徴とするレーザ光を利用した粒状斑点模様による血液凝固予測時間および血液凝固時間の測定装置。
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