JP4384275B2 - 荷電ビームによる加工方法およびその加工システム並びに荷電ビームによる観察方法およびその観察システム - Google Patents
荷電ビームによる加工方法およびその加工システム並びに荷電ビームによる観察方法およびその観察システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に平坦化処理された半導体装置等に対して好適な不良解析・補修・特性評価・等を目的とした集束イオンビーム等の荷電ビーム(荷電粒子ビーム)による加工方法およびその加工システム並びに電子ビーム等の荷電ビーム(荷電粒子ビーム)による観察方法およびその観察システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
配線等の微細化・多層化により高密度化の進む半導体装置において、任意の配線を切断あるいは接続して不良解析や部分補修を迅速に行うことができれば、その開発期間短縮に大きな効果が有る。
これを可能にする従来技術として、例えば、『月刊 Semiconductor World』1987年9月号27頁〜32頁に記載の集束イオンビーム(Focused Ion Beam:以下、FIBと略記)を用いた加工および成膜の方法が知られている。
荷電ビームによる加工のうち、例えば、FIB加工は、FIBによるスパッタリング作用を応用したものである。
【0003】
先ず、Ga等のイオン源から引き出されたイオンビームを静電レンズにより真空中に置かれた半導体装置上に0.5μm以下のスポット径に集束・照射し、デフレクタにより2次元的に走査する。これにより、半導体装置表面から2次電子や2次イオンが発生する。この2次電子または2次イオンをディテクタで検出し、走査電子顕微鏡と同様に上記走査に同期して検出強度に応じた輝度変調信号でCRT上に走査イオン顕微鏡像(以下、SIM(=Scanning Ion Microscope)画像と呼ぶ)として表示する。
従って、このSIM画像は、走査電子顕微鏡と同様に半導体装置の表面形状を反映している。そして、その解像度は、照射するFIBのスポット径に依存しており、スポット径が小さいほど、微細な表面状態を表すことが可能である。
【0004】
作業者は、先ずSIM画像で半導体装置内のアライメントマーク等の特定パターンを捜す。次いで、この座標データに基づいて該特定パターンから加工位置まで半導体装置を載置したステージを移動させ、再びSIM画像を観察しながら加工位置の設定を行う。
加工位置設定後、加工寸法(=FIBの走査領域)を設定し、所定時間あるいは上記2次電子あるいは2次イオンの変化を見ながらFIBを照射する。このFIB照射により、半導体装置を構成する保護膜・層間絶縁膜やAl配線は表面から順次スパッタリング除去され、接続用窓あけや配線切断等の加工が行われる。
【0005】
一方、成膜は化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:以下、CVDと略記)を応用したもので、CVDガス分解のエネルギ源にFIBを用いており、FIB−CVDとも呼ばれている。この方法は、上記方法による位置合わせ後、成膜領域(=FIBの走査領域)を設定する。次いで、ノズルよりCVDガスを半導体装置上に吹き付けてCVDガス雰囲気を形成し、所定時間FIBを照射・走査する。これにより半導体装置表面に吸着したCVDガスは分解し、金属等の膜が形成されて成膜加工が行われる。
上記従来技術では、上記FIB加工およびFIB−CVDを2層配線構造のECLゲートアレイや1MDRAMの電気的特性評価に適用し、その有用性を述べている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の半導体装置の配線構造はより一層、微細かつ多層になっている。そして、この複雑な配線構造を実現するためにCMP(=Chemical& Mechanical Polishing:メカノケミカルポリッシング)技術等を用いて各層間絶縁膜に平坦化処理が施されている。そのため、半導体装置の保護膜には、最上層の配線パターンのみしか段差として反映されず、例えばFIB加工装置においてSIM画像を観察した場合、最上層の配線パターンのみが反映された保護膜の段差しか見ることができないことになる。
従って、例えば、FIB加工装置において、半導体装置の保護膜表面に形成されたアライメントマーク等からの座標データに基いて半導体装置を搭載したステージを移動させて位置決めを行った場合、各配線層間のずれや半導体装置の平面上の傾きやステージ精度のばらつき等によって位置ずれが生じることになり、SIM画像で観察したとしても、層間絶縁膜の下層を加工対象として特定することができず、その結果、FIBによる高精度の微細加工は不可能となる。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、平坦化処理が施された層間絶縁膜を有する多層の配線層を有し、動作試験が可能なようにほぼ完成された半導体装置に対して、層間絶縁膜の下層を加工対象としてFIB等の荷電ビーム(荷電粒子ビーム)による微細な加工を高精度に行って不良解析、補修、特性評価等を実現できるようにした荷電ビームによる加工方法およびその加工システムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、表面に微細で、且つ複雑なパターンが形成された対象物に対して電子ビーム等の荷電ビーム(荷電粒子ビーム)による観察位置を探し出すことを容易にし、荷電ビームによる操作時間の大半な短縮を図ることができるようにした荷電ビームによる観察方法およびその観察システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、試料の最上面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビーム(荷電粒子ビーム)の加工位置の近傍に付与する基準マーク付与工程と、該基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を光学顕微鏡によって撮像し、該撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する光学測定工程と、前記基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定工程で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す加工工程とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工方法である。
また、本発明は、平坦化された層間絶縁膜を有する多層の配線層からなる半導体装置の保護膜面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビーム(荷電粒子ビーム)の照射位置の近傍に付与する基準マーク付与工程と、該基準マーク付与工程で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を光学顕微鏡によって撮像し、該撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する光学測定工程と、前記基準マーク付与工程で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定工程で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す加工工程とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工方法である。
【0009】
また、本発明は、前記荷電ビームによる加工方法において、前記半導体装置は、動作試験が可能なようにほぼ完成されたものであることを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電ビームによる加工方法における前記基準マーク付与工程において、微量の液状材料(例えば金属錯体溶液あるいは金属の微粒子分散液)を局所塗布し、加熱焼成して基準マークを付与することを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電ビームによる加工方法における前記基準マーク付与工程において、微量の液状材料(例えば金属錯体溶液あるいは金属の微粒子分散液)を局所塗布し、加熱焼成し、この加熱焼成された膜の一部を、エネルギービームである例えばレーザビームを照射することによって除去して得られた除去跡を基準マークとすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記荷電ビームによる加工方法における前記基準マーク付与工程において、付与される基準マークが、金属あるいは金属酸化膜あるいは珪素化合物あるいは珪素化合物と色素あるいは半導体用不純物との混合物の何れかからなることを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電ビームによる加工方法における前記基準マーク付与工程において、金属あるいは金属酸化膜あるいは珪素化合物あるいは珪素化合物と色素あるいは半導体用不純物との混合物の何れかからなる局部膜を形成し、該局部膜の一部を、エネルギービームである例えばレーザビームを照射することによって除去して得られた除去跡を基準マークとすることを特徴とする。
また、本発明は、試料の最上面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与工程と、該基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの照射位置とを含む光学画像を光学顕微鏡によって撮像し、該撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離を測定する光学測定工程と、前記基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定工程で測定された基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して照射領域から得られる2次荷電粒子画像を観察する観察工程とを有することを特徴とする荷電ビームによる観察方法である。
【0011】
また、本発明は、前記荷電ビームによる観察方法における前記基準マーク付与工程において、微量の液状材料(例えば金属錯体溶液あるいは金属の微粒子分散液)を局所塗布し、加熱焼成して基準マークを付与することを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電ビームによる観察方法における前記基準マーク付与工程において、微量の液状材料(例えば金属錯体溶液あるいは金属の微粒子分散液)を局所塗布し、加熱焼成し、この加熱焼成された膜の一部を、エネルギービームである例えばレーザビームを照射することによって除去して得られた除去跡を基準マークとすることを特徴とする。また、本発明は、前記荷電ビームによる観察方法における前記基準マーク付与工程において、付与する基準マークとして、金属あるいは金属酸化膜あるいは珪素化合物あるいは珪素化合物と色素あるいは半導体用不純物との混合物の何れかからなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、試料の最上面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの加工位置の近傍に付与する基準マーク付与装置と、該基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を撮像する光学顕微鏡、および該光学顕微鏡によって撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する測定手段を有する光学測定装置と、前記基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定装置の測定手段で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す荷電ビーム加工装置とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工システムである。
また、本発明は、平坦化された層間絶縁膜を有する多層の配線層からなる半導体装置の保護膜面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与装置と、該基準マーク付与装置で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を撮像する光学顕微鏡、および該光学顕微鏡によって撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する測定手段を有する光学測定装置と、前記基準マーク付与装置で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定装置の測定手段で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す荷電ビーム加工装置とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工システムである。
【0013】
また、本発明は、前記荷電ビームによる加工システムにおいて、前記半導体装置は、動作試験が可能なようにほぼ完成されたものであることを特徴とする。また、本発明は、前記荷電ビームによる加工システムにおいて、前記基準マーク付与装置は、微量の液状材料を局所塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された微量の液状材料を加熱焼成する加熱手段とを有することを特徴とする。また、本発明は、前記荷電ビームによる加工システムにおいて、前記加熱手段は、除去加工も可能なレーザ光照射手段で構成したことを特徴とする。
また、本発明は、試料の最上面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与装置と、該基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの照射位置とを含む光学画像を撮像する光学顕微鏡、および該光学顕微鏡によって撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離を測定する測定手段を有する光学測定装置と、前記基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定装置の測定手段で測定された基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して照射領域から得られる2次荷電粒子画像を観察する荷電ビーム観察装置とを有することを特徴とする荷電ビームによる観察システムである。
【0014】
また、本発明は、前記荷電ビームによる観察システムにおける基準マーク付与装置は、微量の液状材料(例えば金属錯体溶液あるいは金属の微粒子分散液)を局所塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された微量の液状材料を加熱焼成する加熱手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、試料または半導体装置の最上面に形成した膜の一部をレーザ光あるいは荷電ビームを用いて除去加工し、得られた除去跡を基準マークとすることを特徴とする。
また、本発明は、一つの処理室に荷電ビーム光学系と、測長機能を有する光を用いた顕微鏡とを備え、且つ該処理室内に試料を載置するステージと、上記顕微鏡の対物レンズとを備えたことを特徴とする荷電ビーム照射装置である。
また、本発明は、荷電ビーム光学系、光を用いた測長機能を有する顕微鏡、真空チャンバ、真空排気系、防振架台、試料を載置するステージ、電源、コントローラ、表示装置からなる荷電ビーム装置において、同一真空チャンバ内に該荷電ビーム光学系と、該顕微鏡とを装備したことを特徴とする荷電ビーム装置である。
【0015】
また、本発明は、荷電ビーム光学系、光を用いた測長機能を有する顕微鏡、真空チャンバ、試料を載置するステージ、表示装置からなる荷電ビーム装置において、同一真空チャンバ内に該荷電ビーム光学系と、該顕微鏡とを装備し、該顕微鏡からの画像を入力して格納する記憶装置と、格納した該画像から該試料上に形成したパターンの特定位置の該画像内での座標を計測する画像処理機能を有する処理装置と、該計測値に従い該荷電ビーム光学系を制御する処理装置を装備したことを特徴とする荷電ビーム装置である。
【0016】
また、本発明は、荷電ビーム光学系、光を用いた測長機能を有する顕微鏡、真空チャンバ、真空排気系、試料を載置するステージ、表示装置からなる荷電ビーム装置において、同一真空チャンバ内に該荷電ビーム光学系と、該顕微鏡とを装備し、該顕微鏡からの画像を入力して格納する記憶装置と、格納した該画像から該試料上に形成したパターンの特定位置の該画像内での座標を計測する画像処理機能を有する処理装置と、該計測値に従い該荷電ビーム光学系を制御する処理装置と、該コントローラに外部から該試料のレイアウトデータを入力して格納する記憶装置とを備え、該顕微鏡画像と該荷電ビームによる該試料の表面凹凸像と該レイアウトデータから形成されるレイアウト像の内の1種類以上を表示する表示装置を装備したことを特徴とする荷電ビーム装置である。
また、本発明は、荷電ビーム光学系、光を用いた測長機能を有する顕微鏡、真空チャンバ、真空排気系、試料を載置するステージ、表示装置からなる荷電ビーム装置において、同一真空チャンバ内に該荷電ビーム光学系と、該顕微鏡とを装備し、該顕微鏡からの画像を入力して格納する記憶装置と、該顕微鏡画像を表示する表示装置と、該表示装置上で指定した該荷電ビームの照射位置を記憶する記憶装置と、該荷電ビームによる試料表面の凹凸像を表示する表示装置と、該表示装置上で指定した該試料表面の特定位置を記憶する記憶装置と、該荷電ビーム照射位置と該特定位置との位置関係を計算する処理装置と、該計算値に従い該荷電ビーム光学系を制御する処理装置を装備したことを特徴とする荷電ビーム装置である。
【0017】
また、本発明は、荷電ビーム光学系、光を用いた測長機能を有する顕微鏡、真空チャンバ、真空排気系、試料を載置するステージ、表示装置からなる荷電ビーム装置において、同一真空チャンバ内に該荷電ビーム光学系と、該顕微鏡とを装備し、該顕微鏡からの画像を入力して格納する記憶装置と、該画像内の特定パターンの画像内座標を計測する画像処理装置と、該顕微鏡画像を表示する表示装置と、該表示装置上で指定した該荷電ビームの照射位置を記憶する記憶装置と、該荷電ビームによる試料表面の凹凸像を表示する表示装置と、該凹凸像内の特定パターンの画像内座標を計測する画像処理装置と、該特定位置を記憶する記憶装置と、記憶した該荷電ビーム照射位置と計測した該特定位置との位置関係を計算する処理装置と、該計算値に従い該荷電ビーム光学系を制御する処理装置を装備したことを特徴とする荷電ビーム装置である。
【0018】
以上説明したように、前記構成によれば、平坦化処理が施された層間絶縁膜を有する多層の配線層を有し、動作試験が可能なようにほぼ完成された半導体装置に対して、層間絶縁膜の下層を加工対象としてFIB等の荷電ビーム(荷電粒子ビーム)による微細な加工を高精度に行って不良解析、補修、特性評価等を実現することができる。
また、前記構成によれば、表面に微細で、且つ複雑なパターンが形成された対象物に対して電子ビーム等の荷電ビーム(荷電粒子ビーム)による観察位置を探し出すことを容易にし、荷電ビームによる操作時間の大半な短縮を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。
まず、本発明に係る原理について説明する。
配線等の微細化・多層化により高密度化の進み、テスタにより動作試験が可能なようにほぼ完成された半導体装置(IC素子)に対して、任意の配線を切断あるいは任意の配線間を接続したり、不良個所に大きな開口を形成することによって得られる断面をSIMまたはSEM観察したりして、不良解析や部分補修や特性評価等を行って、開発期間の短縮が要求されている。
また、半導体装置等において、高集積化に伴って、プロセス装置によるサブミクロンのオーダの微小異物の付着が問題となり、この微小異物について電子ビームを用いたオージェ分光分析、イオンビームを用いたSIM分析等で元素分析を行って微小異物を発生原因(発生工程)を究明する必要が生じている。しかしながら、微小異物が露出していない場合にはFIB(Focused Ion Beam)を用いて微小異物を覆っている膜を除去して露出させる必要がある。
【0020】
更に、最近の半導体装置(IC素子)の配線構造は、より一層、微細かつ多層になってきている。そして、この複雑な配線構造を実現するためには、CMP(Chemical & Mechanical Polishing:メカノケミカルポリシング)技術等を用いて各層間絶縁膜に平坦化処理が施され、図1に示すように、ほぼ完成した半導体装置(IC素子)の表面の保護膜105には最上層の配線パターン103dしか反映されない状況にある。
図1(a)は、テスタによって動作試験が可能なほぼ完成した半導体装置(IC素子)の一実施例である断面を示すものである。101はSi等の基板、102は基板101上に形成された酸化膜である。その上に、第1層から第3層までのAl等の配線パターン103a、103b、103c、103dとCMP技術等により平坦化された層間絶縁膜104a、104b、104cとが形成され、その表面に保護膜105が形成される。このように層間絶縁膜104a、104b、104cの上面は、CMP技術等により平坦化されるため、表面の保護膜105には最上層の配線パターン103dしか反映されないことになる。従って、このような構造の半導体装置100のSIM画像38は、図1(b)に示すように、最上層のAl配線103dの情報を示す段差パターン109しか得られないことになる。そのため、FIB加工をする際、SIM画像38を見ながら、下層のAl等の配線パターン103a、103b、103cに対して高精度の加工位置決めを行うことができなくなる。この理由は、アライメントマーク等からの座標データに基いて半導体装置100を搭載したステージを移動させて位置決めを行った場合、配線層間における各配線パターンのズレや半導体装置100の傾きやステージ精度のばらつき等によって位置ズレが生じるからである。もし、この状態でFIB加工をした場合、加工対象とする配線パターンに隣接した配線パターンも加工してしまう等の不具合が生じてしまうことになる。
【0021】
しかしながら、上記保護膜105や層間絶縁膜104a、104b、104cは、光学的に透明なため、加工対象の内部の配線パターン103a、103b、103c、103dや異物等を光学顕微鏡を用いて観察することができる。従って、図2に示すように、半導体装置100の表面である保護膜105上において、FIB加工すべき位置1を求めることができるSIM画像38の視野内に、光学顕微鏡によって認識することが可能な金属製の局部膜から形成された微細な基準マーク11を付与し(図2(a)に示す工程1)、該微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を光学顕微鏡による光学画像35によって計測し(図2(b)に示す工程2)、この計測された2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)とSIM画像によって検出される微細な基準マークの位置情報とに基いて、加工すべき個所(加工位置)のFIB走査領域(加工領域)2を特定し(図2(c)に示す工程3)、この特定された箇所のFIB走査領域(加工領域)2にFIBを照射することによってFIB加工を施すことができる。
なお、110は、加工すべき個所(加工位置)1を有する例えば下層の配線パターンを示す。
【0022】
また、任意の配線を切断あるいは任意の配線間を接続したり、不良個所に大きな開口を形成することによって得られる断面をSIMまたはSEM観察したりする場合、FIB加工すべき位置は、テスタまたはテスタで検査されたデータを取り込んだCADシステムにおいて、テスタによって検査された動作不良に基づいて修正すべき個所を推定し、該推定された修正すべき個所と設計データ(CADデータ)に基づく描画データ(レイアウトデータ)との照合により加工すべき配線パターンの個所(加工位置)1が求まり、アライメントマーク等からの座標データとして算出されることになる。
また、異物の元素分析等を行って異物の発生するプロセス工程を推定するために、埋もれた異物を露出させる場合、FIB加工すべき位置は、異物検査装置によって検出されるアライメントマーク120等からの座標データとして算出されることになる。
また、半導体装置100の表面である保護膜105上に付与する微細な基準マーク11は、光学顕微鏡で検出される光学画像およびSIM画像共に位置を高精度に検出できるように光学的に不透明な材料(例えば金属材料)で、しかも凹凸形状を有するように形成する必要がある。
【0023】
次に、本発明に係る半導体装置100の表面である保護膜105上に、微細な基準マーク11を付与し、該微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を光学画像35によって計測する基準マーク付与・計測装置とFIB加工装置とを備えたFIB加工システムの第1の実施例について、図3〜図9を用いて説明する。
この第1の実施例の基準マーク付与・計測装置は、図3に示すように、半導体装置100を載置するXYZθテーブル26と、微量の液状材料10を、半導体装置100の表面上の局部に塗布する塗布装置230と、該塗布装置230で塗布された微量の液状材料10を加熱して硬化させる加熱手段220と、観察若しくは検出される光学画像35に基づいて微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を算出し、更に塗布装置230であるピペット21またはピン31の先端の位置合わせと半導体装置100の表面に形成されたアライメントマーク120の検出と用いる光学顕微鏡210と、これらを制御するコントローラ201とで構成される。XYZθテーブル26は、半導体装置100をXYZの各方向に任意量移動可能に構成され、更にZ軸を中心としてXY平面(θ方向)に回転可能に構成される。特に、XYZθテーブル26においてZ方向に移動可能に構成するのは、光学顕微鏡210が半導体装置100から鮮明な画像信号を得るために自動焦点制御を行うためである。
【0024】
塗布装置230は、微量の液状材料を吐き出すピペット21と、コントローラ202の指令で圧力を付与する液状材料の供給源232と、該液状材料の供給源232とピペット21とを繋ぐ配管231と、ピペット21を取り付けてXYZ方向に位置決めする移動機構22とで構成される。この塗布装置230で塗布される液状材料として、Ag、Au、Cu、Cr、Pt、Pd、等と言った各種金属の何れかの錯体溶液あるいはそれらの微粒子を各種溶剤に分散させた液等が用いられる。
ピペット21の第1の実施例21aとしては、図4(a)に示すように、材質が金属またはガラスまたは各種樹脂等から成る先端径20μm以下に成形した管であり、内部に予め上記液状材料10を充填しておく。そして、図4(b)に示すように、ピペット21aは、所定の角度で移動機構22に保持されると共に、移動機構22によりXYZの各方向に任意量移動できるように構成される。また、ピペット21aの後端は、加圧手段232に配管231により接続されており、該加圧手段232により空気あるいはArやN2等の不活性ガスが任意の圧力で任意時間供給できる。これにより液状材料10はピペット21aの先端より任意量吐出されることになる。
【0025】
ピペット21の第2の実施例21bとしては、図5(a)に示すように、材質が金属またはガラスまたは各種樹脂等から成る先端径20μm以下に成形した管の先端部を適当な角度αに曲げて成形し、内部に予め上記液状材料10を充填しておく。そして、図5(b)に示すように、ピペット21bは、半導体装置100の被加工面に対して角度βで移動機構22に保持されると共に、移動機構22によりXYZの各方向に任意量移動できるように構成される。また、ピペット21bの後端は、加圧手段232に配管231により接続されており、該加圧手段232により空気あるいはArやN2等の不活性ガスが任意の圧力で任意時間供給できる。これによりピペット21bの先端と半導体装置100の保護膜105の表面との接触角は、ピペット21bの先端曲げ角αとピペット21bの保持角βとの和となり、垂直もしくはそれに近い値が得られる。従って、ピペット21bの先端より任意量吐出される液状材料10として、図5(b)に示すようにX方向の寸法x2がY方向の寸法y2に略等しい円形の塗布形状が得られる。
また、塗布装置230として、図6に示すように、ピン31を用いて構成しても良い。ここで用いるピン31は、図6(a)に示すように、金属またはガラスまたは各種樹脂の何れかを先端径10μm以下に成形したものである。即ち、塗布装置230は、図6(b)に示すように、微量の液状材料を表面張力等により先端に付着させるピン31と、該ピン31を保持してXYZ方向に位置決めし、更に回転動作もできる移動機構32と、内部に液状材料10を充填しておき、塗布等の必要な時以外は蓋34を閉じて乾燥を防止する容器33とによって構成される。ピン31の先端を容器33内に充填された液状材料10に浸すことによって、ピン31の先端に微量の液状材料10を付着させる。次に、このピン31を移動機構32により回転させ、先端に付着した微量の液状材料10を半導体装置100の保護膜105の表面と接触させることによって塗布することが可能となる。
【0026】
加熱手段220は、塗布装置230によって半導体装置100の加工位置1の近傍に微量塗布された液状材料10を加熱処理して焼成するもので、レーザ光222を出射するレーザ発振器221、パワー調整手段223、可変アパーチヤ224、ハーフミラー225、パワーを測定するパワーメータ226、シャッタ227、レーザ光を反射させるダイクロイックミラー215、および対物レンズ25とから構成される。当然、加熱手段220は、焼成された液状材料11に対して、可変アパーチヤ224で整形されたレーザ光束を投影することによって、基準マークとすべく、X,Y軸方向に線対称若しくは点対称に整形したり、または図7(a)および図8(a)〜(d)に示すようにX軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン(基準マーク)12a〜12eを刻むように除去加工を施すことも可能である。
なお、レーザ発振器221としては、例えば、パルス発振のYAGレーザ光(基本波、各種高調波)、Arレーザ光(基本波、第2高調波)等のレーザ光を出射するものも使用可能である。
また、上記除去加工の形状については、円形でも矩形でも構わない。また、図7(a)においては金属膜11の中心に除去跡12aを1箇所形成しているが、これに限らない。例えば、図8(a)に示すように、金属膜11の中心を外れた位置に除去跡12bを十字状に配しても良い。また、図8(b)に示すように矩形の除去跡12cを十字状に配しても良い。また、図8(c)に示すように十字形の除去跡12dを形成しても良い。また、図8(d)に示すように菱形の除去跡12eを形成しても良い。
【0027】
このように、基準マークとしての除去跡12b〜12dの形態が図8に示すような場合、同図の右の示すようにクロスカーソル36bがより合わせ易くなる。また、上記実施例において、除去跡12b〜12dの中心にクロスカーソル36bを合わせているが、除去跡12b〜12dのエッジに合わせても差し支えない。この場合、次工程でのクロスカーソル36bを合わせる時においても、エッジに合わせることは当然である。
光学顕微鏡210は、観察若しくは検出される光学画像35に基づいて微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を算出し、更に塗布装置230であるピペット21またはピン31の先端の位置合わせと半導体装置100の表面に形成されたアライメントマークの検出と用いられる。この光学顕微鏡210は、白色光に近い複数の波長成分を持った照明光213を出射する光源214と、ハーフミラー212と、対物レンズ25と、画像を受光して画像信号に変換するカメラ等から構成されるイメージセンサ211と、イメージセンサ211から得られる画像信号を画像処理して記憶させる画像メモリの機能を有する画像処理部204と、コントローラ201、モニタ203、ネットワークや記録媒体等から構成される入力手段202、ネットワークや記録媒体等から構成される出力手段205、記憶装置206等から構成される。なお、216は光学鏡筒である。
【0028】
まず、光学顕微鏡210は、半導体装置100の保護膜105の表面に対して塗布装置230による微量の液状材料10の塗布位置決めに使用される。
ところで、アライメントマーク120を基準とした加工すべき位置(加工位置)1の概略位置座標情報は、テスタまたはテスタで検査されたデータを取り込んだCADシステムからネットワーク又は記録媒体等の入力手段202を用いてコントローラ201に入力されて記憶装置206に記憶される。なお、設計データ(CADデータ)に基づく描画データ(レイアウトデータ)もコントローラ201に入力して記憶装置206に記憶させ、モニタ203に表示することによって加工位置を特定しやすくすることが可能となる。また、後述するFIB加工装置からは、SIM画像の視野38に関するデータが、ネットワーク又は記録媒体等の入力手段202を用いてコントローラ201に入力されて記憶装置206に記憶される。
【0029】
これにより、まず、コントローラ201は、ステージ26を移動制御させて半導体装置100の表面に形成された第1のアライメントマーク120の光像を光学顕微鏡210の視野38内に位置付ける。光学顕微鏡210により、半導体装置100上に形成された第1のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を光学的に撮像し、該撮像された第1のアライメントマーク120の画像を、図10に示すようにモニタ203に表示する。このモニタ203上の画面において、第1のアライメントマーク120とクロスカーソル36とを合わせる。次いで、コントローラ201は、ステージ26を移動制御させて半導体装置100の表面に形成された第2のアライメントマーク120の光像を光学顕微鏡210の視野38内に位置付ける。そして光学顕微鏡210により、半導体装置100上に形成された第2のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を光学的に撮像し、該撮像された第2のアライメントマーク120の画像を、図10に示すようにモニタ203に表示する。このモニタ203上の画面において、第2のアライメントマーク120とクロスカーソル36とを合わせる。その結果、コントローラ201は、第1および第2のアライメントマーク120のステージ座標から半導体装置100の傾きθを求め、光学顕微鏡210に対する半導体装置100を載置したステージ26の傾きθを修正(調整)する。そして、コントローラ201は、光学顕微鏡210によって検出された第1または第2のアライメントマーク120の位置を基準にして上記入力して記憶された加工すべき位置(加工位置)1の概略位置座標情報に基づいてステージ26を駆動制御させて加工すべき位置(加工位置)1をモニタ203の画面上に表示されるように位置付ける。
【0030】
次いで、コントローラ201は、記憶装置206からSIM画像の視野38に関するデータを読みだして矩形カーソル38としてモニタ203の画面上にクロスカーソルに加えて表示する。この矩形カーソル38は、後述するFIB加工装置に設けたモニタ117の2次荷電粒子像による観察領域(視野)を示すもので、FIB加工時の最終位置合わせ時の観察領域(視野)を示す。該観察領域(視野)38の大きさは、10μm程度四角〜100μm程度四角であり、キーボードやマウス等の入力手段202を用いて、加工対象とする半導体装置100の配線パターンの寸法等に応じて切り換える。
【0031】
次に、コントローラ201は、モニタ203に表示される加工位置1を例えば矩形カーソル38の中心(クロスカーソル36の交点)付近に位置させるべく、クロスカーソル36またはキーボードやマウス等の入力手段202から得られる位置情報に基づいてステージ26を制御する。
次に、コントローラ201は、移動機構22を制御して塗布装置230のピペット21又はピン31を移動し、該ピペット21又はピン31の先端を、矩形カーソル38内の加工位置1の近傍における半導体装置100の保護膜105の表面に接触させ、図2(a)に示すように、加工すべき位置1の近傍に微量の液状材料10を局所塗布する。
なお、予めピペット21又はピン31の先端の画像を光学顕微鏡210により撮像してモニタ203に表示し、マニュアルで移動機構22を制御してピペット21又はピン31の先端の位置をカーソル線36等を用いて光学顕微鏡210の光軸から所定の距離離れた位置に合わせておく。従って、コントローラ201において、加工すべき位置(加工位置)1は、光学顕微鏡210の光軸に設定される。逆に、ピペット21又はピン31の先端の位置をカーソル線等を用いて光学顕微鏡210の光軸に合わせ、加工すべき位置(加工位置)1を光学顕微鏡210の光軸から所定の距離離した位置に設定することも可能である。
なお、テスタまたはCADシステムから入力手段202を用いて得られるアライメントマーク120を基準とした加工すべき位置(加工位置)1の情報は、概略位置情報につき、コントローラ201が、描画データ(レイアウトデータ)に基づく画像をモニタ203に表示することによって、加工すべき位置1の設定や特定をしやすくすることができる。
【0032】
次に、パワー調整手段223により除去加工がされない程度にパワーを下げた状態にして、塗布された微量の液状材料10に対してレーザ光を照射することによって、加熱焼成して金属製の凸状の局部膜からの微細な基準マーク11を半導体装置100の保護膜105上に形成することができる。
また、焼成された液状材料(金属製の凸状の局部膜)11に対して、基準マークとすべく、X,Y軸方向に線対称若しくは点対称に整形したり、または図7(a)および図8(a)〜(d)に示すようにX軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン12a〜12eを刻むように除去加工を施す場合には、パワー調整手段223により除去加工ができる程度にパワーを上げた状態にして、焼成された液状材料11に対して可変アパーチヤ224で整形されたレーザ光束を投影することによって実現することが可能となる。
【0033】
次に、光学顕微鏡210によって半導体装置100からの光学画像を撮像し、この光学画像を画像メモリ204に格納する。コントローラ201は該画像メモリ204に格納された光学画像を読み出してモニタ203に表示すると、図2(b)、図7(b)に示す光学画像が得られる。即ち、光学顕微鏡210の視野35には、加工すべき個所1を有する配線パターン103a、103b、103cの画像と、塗布装置230によって塗布されて加熱手段220で加熱焼成された微細な基準マーク11の画像とがSIM画像の視野38内に検出されることになる。
そこで、測長機能を有する光学顕微鏡(レーザ顕微鏡も含む。)210を用いて上記微細な基準マーク11と半導体装置100内の加工位置1との間の相対位置関係(δx,δy)を測定する。この測定手順は、先ず、必要があれば、図2(a)、図7(a)に示す工程1と同様に、半導体装置100上に形成された第1および第2のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を用いて、光学顕微鏡210に対する半導体装置100のθ方向の傾きを再調整する。
【0034】
次いで、コントローラ201は、ステージ26を移動制御し、図2(b)、図7(b)に示すように、光学顕微鏡210で撮像されて画像メモリ204に格納される加工位置1を含む領域35の光学画像をモニタ203上に表示する。そして、コントローラ201は、図2(b)、図7(b)に示すように、モニタ203において、第1のクロスカーソル36aを表示し、該第1のクロスカーソル36aを移動させて加工位置1にその交点を合わせ、第1のクロスカーソル36aの位置座標から加工位置1の位置座標を取得する。次いで、コントローラ201は、図2(b)、図7(b)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)に示すように、モニタ203において、第2のクロスカーソル36bを表示し、該第2のクロスカーソル36bを移動させて第2のクロスカーソル36bの交点と微細な基準マーク11の中心とを合わせ、第2のクロスカーソル36bの位置座標から微細な基準マーク11の位置座標を取得する。そして、コントローラ201は、モニタ203の画面上における取得された両カーソル36a、36bの位置関係から、微細な基準マーク11と加工位置1との相対的な距離(δx、δy)を求め、この求められた微細な基準マーク11と加工位置1との相対的な距離(δx、δy)をメモリ(記憶装置)206に記憶させる。なお、図7(a)および図8(a)〜(d)には、モニタ203において、第2のクロスカーソル36bの交点と、X軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン12a〜12eの中心とを合わせる場合を示す。なお、上記第1および第2のクロスカーソル36a、36bは、同一のクロスカーソルを用いることができる。
【0035】
以上は、半導体装置100に対して1個所FIB加工する場合について説明した。
実際には、半導体装置100に対して、複数個所についてFIB加工をする必要があるため、上記動作を繰り返して行うことによって、半導体装置100の保護膜105の表面には、夫々の加工位置の近傍に微細な基準マーク11が塗布して加熱焼成された形成され、更にメモリ(記憶装置)206には、各微細な基準マーク11と各加工位置1との相対的な距離(δx、δy)が記憶されることになる。従って、コントローラ201は、夫々の加工位置に対して、各加工位置1と各微細な基準マーク11との相対的な距離(δx、δy)をメモリ(記憶装置)206から読み出して出力手段205から出力することによってFIB加工装置に対して提供することができる。更に、コントローラ201は、光学顕微鏡210によって検出されて画像メモリ204に記憶された光学画像データを読み出して出力手段205から出力することによってFIB加工装置に対して提供することができる。
【0036】
また、図3に示す基準マーク付与・計測装置の実施例において、コントローラ201内のCPUが画像処理することによって、更に自動化を進めた場合について説明する。
即ち、コントローラ201内のCPUは、画像メモリ204に格納された光学画像を読み出し、この読み出された光学画像を基に画像処理の手法の一つであるテンプレート処理等を用いて、画像信号の中での基準マーク11、12a〜12dの中心座標をオペレータのカーソルによる指定によらず求める。加工位置1については、モニタ203に表示された光学画像に対してオペレータが指定するのが最も容易であるが、記憶装置206に格納しておいたレイアウトデータに基づくレイアウト画像を光学画像と同一の倍率でモニタ117に表示すると、オペレータによる位置指定の確度が向上する。さらには、光学画像とレイアウト画像とで場所を指定するカーソルが対応する箇所で同時に移動できるようにしておけば、位置指定精度はさらに向上する。または、倍率を合わせた上で互いに画像が認識できる程度に透明な画像にして両者の画像を重ね合わせて、位置を指定しても良い。以上のプロセスで基準マーク11に対する加工位置1の設定が終了し、基準マーク11と加工位置1との位置関係(δx,δy)が記憶装置206に格納され、FIB加工装置に提供することが可能となる。
【0037】
次に、半導体装置100の保護膜105の表面に形成した微細な基準マーク11に対する加工位置1のデータ(δx,δy)の提供を受けるFIB加工装置について、図9を用いて説明する。
51は、処理室(試料室)で、内部に半導体装置100を載置するXYZθ方向に移動可能なステージ52を設けている。処理室51の側面には半導体装置100を導入するための扉53が設けてあり、処理室51の下部には処理室51内を排気するための真空ポンプ54がバルブ55を介して配管接続されている。
【0038】
処理室51の上部には、半導体装置100を観察・加工するためのFIB56を発生させる鏡筒61が設けられている。この鏡筒61内には、イオン源62と、該イオン源62から出射されたイオンビームを引き出すアパーチヤ63と、イオンビームを集束させる荷電粒子光学系64と、ブランキング電極65と、ブランキングアパーチヤ66と、偏向電極67とが内蔵され、集束されたイオンビーム68を半導体装置100に対して照射するように構成される。更に、処理室51の上部には、FIB68の照射によって生じた2次荷電粒子(2次イオンあるいは2次電子)58を検出するための2次荷電粒子ディテクタ59が設けられている。そして、該ディテクタ59には、その検出信号を、光学系コントローラ118から得られるFIB56の走査(偏向電極67に印加する偏向信号)に同期して各種画像処理するための画像処理装置60が接続される。この画像処理装置60によって2次荷電粒子画像(SIM画像と称する。)がA/D変換されて画像メモリ114に記憶される。そして、コントローラ124は、画像メモリ114に記憶された2次荷電粒子画像(SIM画像)をモニタ117に表示することが可能となる。
【0039】
119は、ステージコントローラで、コントローラ124からの指令に基づいてステージ52を制御するものである。
121は、ネットワークまたは記録媒体等から構成される入力手段で、図3に示す基準マーク付与・計測装置の出力手段205に接続され、夫々の加工位置に対して、各加工位置1と各微細な基準マーク11との相対的な距離(δx、δy)に関する情報を入力して記憶装置131に記憶させるものである。更にこの入力手段121は、テスタまたはCADシステムから得られるアライメントマークを基準とした加工すべき位置(加工位置)1の概略位置情報をも入力して記憶装置131に記憶させるものである。また入力手段121によって、テスタまたはCADシステムから得られる描画データ(レイアウトデータ)に基づく画像データまたは基準マーク付与・計測装置の光学顕微鏡210で検出される光学画像データを入力させても良い。
このように、記憶装置131には、半導体装置100の表面に形成されたアライメントマークを基準とした加工すべき位置(加工位置)1の概略位置情報と、半導体装置100の保護膜105の表面に、夫々の加工位置の近傍に形成された各微細な基準マーク11に対する各加工位置1の相対的な距離(δx、δy)とが記憶されることになる。更に、記憶装置131には、描画データ(レイアウトデータ)に基づく画像データまたは基準マーク付与・計測装置の光学顕微鏡210で検出された光学画像データも記憶されている。
【0040】
次に、上記FIB加工装置の動作について説明する。
まず、半導体装置100を扉53を開いて処理室51内のステージ52上に導入する。そして、基準マーク付与・計測装置の光学顕微鏡210と同様に、コントローラ124は、SIM画像で半導体装置100上のアライメントマークや配線パターンを観察し、この観察されるアライメントマークや配線パターンを参照してステージコンローラ119に対して制御指令を与えることによってθステージを駆動制御することによって半導体装置100のθ方向の傾きを調整する。次いで、コントローラ124は、ステージコンローラ119に対して制御指令を与えることによってSIM画像の視野内に半導体装置100上のアライメントマークを位置付けし、このアライメントマークの位置を2次荷電粒子検出器59で検出し、そのSIM画像を画像メモリ114に記憶させてアライメントマークの位置を算出する。更に、コントローラ124は、該算出されたアライメントマークの位置を基準として、記憶装置131に記憶されたアライメントマークの位置を基準とした加工すべき位置(加工位置)1の概略位置情報座標データに基づき、半導体装置100を載置したステージ52を移動してSIM画像の視野38内に微細な基準マーク11及び加工位置1を位置付ける。この位置付けした状態で、FIB68を走査照射して2次荷電粒子検出器59で半導体装置100の表面からの2次荷電粒子58に基づく画像を検出して画像メモリ114に記憶させる。そして、コントローラ124は、画像メモリ114から読みだしてモニタ117に表示すると、図2(c)または図7(c)に示すごとく、微細な基準マーク11と保護膜105の段差とに基づくSIM画像が表示される。
【0041】
次に、コントローラ124は、モニタ117上にクロスカーソル39を表示し、その交点を微細な基準マーク11の中心に合わせる。すると、コントローラ124は、図2(c)または図7(c)に示すごとく、記憶装置131に記憶された各微細な基準マーク11に対する各加工位置1の相対的な距離(δx、δy)を読み出して上記交点から距離(δx、δy)の位置に予め設定していた加工時のFIB走査領域(FIB加工領域)を示すボックス2をモニタ117上に表示することによって、加工時のFIB走査領域(FIB加工領域)が設定されることになる。更に、コントローラ124は、記憶装置131に記憶された描画データ(レイアウトデータ)に基づく画像データまたは基準マーク付与・計測装置の光学顕微鏡210で検出された光学画像データをSIM画像に対応するように拡大若しくは縮小してモニタ117に表示することによって、設定されたFIB走査領域(FIB加工領域)が適切であるか否かを確認することが可能となる。
【0042】
次に、コントローラ124は、上記設定されたFIB走査領域に適合するイオンビーム径、イオンビーム電流、偏向量、およびドーズ量を定め、これら定められた各種の加工条件に基づいて光学系コントローラ118を介して各光学系を制御してFIB68をFIB走査領域(FIB加工領域)に照射してFIB加工を開始する。
以上の操作により、半導体装置100を構成する保護膜105及び層間絶縁膜104及びAl配線103は表面から順次スパッタリング除去され、接続用の窓開けやAl配線103の切断や断面観察するための開口や埋もれた異物を露出させると言った加工が行われる。特に、光学系コントローラ118における加工深さの制御については、時間監視でも、2次荷電粒子検出器59で検出される2次荷電粒子信号変化等で行うことができる。
【0043】
また、図9に示すFIB加工装置の実施例において、コントローラ124内のCPUが画像処理することによって、更に自動化を進めた場合について説明する。
【0044】
即ち、FIB加工装置において、SIM画像として観察できるのは平坦化が進んだ半導体装置100の場合には基準マーク11および最上層の配線パターン103dを反映した保護膜105の段差パターンのみである。従って、SIM画像はこの段階でモニタ117に表示される。基準マーク11、12a〜12dの中心は上記の手法と同じようにオペレータが指定してもよいが、ここでもやはりオペレータの負担を軽減すると共に、オペレータごとの中心設定のばらつきを回避するために、コントローラ124内のCPUは、画像メモリ114に格納されたSIM画像を読み出し、この読み出されたSIM画像を基に画像処理の手法の一つであるテンプレート処理等を用いて、自動で基準マーク11、12a〜12dの中心座標を求める。更に、コントローラ124内のCPUは、提供を受けてメモリ131に格納された基準マーク11、12a〜12dと加工位置1との位置関係(δx,δy)を引き出すことによって、基準マーク11、12a〜12dの中心座標からFIB加工位置1に対して加工領域2を自動的に設定し、モニタ117にSIM画像38と共に表示することができる。即ち、コントローラ124内のCPUは、半導体装置100の保護膜105の表面に対して、FIB加工領域2を示す矩形、あるいは、特殊な形状が設定され、その結果をモニタ117に表示することができる。更に、コントローラ124は、メモリ131内にFIBの加工条件が格納されている場合にはそれを呼び出し、この加工条件に適合する指令を光学系コントローラ118に与え、ブランキング電極65をONにすることによって半導体装置100上の加工領域2に対してFIB加工が開始される。メモリ131にFIB加工条件が格納されていない場合には、コントローラ124は、その段階でメモリ131等に格納されている加工条件設定画面を呼び出してモニタ117等に表示し、キーボードやマウス等の入力手段121を用いてFIB加工条件を入力し、該入力されたFIB加工条件に適合する指令を光学系コントローラ118に与えてFIB加工を開始させる。以上の操作で、自動加工に近いFIB加工が実現できる。
【0045】
以上説明したようにSIM画像の視野内に、SIM画像および光学画像により観察が可能な各微細な基準マーク11と各加工位置1とが存在するように、半導体装置100の保護膜105の表面上に各微細な基準マーク11を各加工位置1の近傍に形成し、各微細な基準マーク11と各加工位置1との位置関係を光学的に測定することによって、上面がCMPによって平坦化される層間絶縁膜104a、104b、104cの下に存在する配線パターンや異物等に対してFIB加工する際、加工位置1の特定が容易且つ正確に行うことが可能となる。
【0046】
以上説明した第1の実施の形態では、図3に示す基準マーク付与・計測装置のコントローラ201、入力手段202、モニタ203、および記憶装置206と、図9に示すFIB加工装置のコントローラ124、入力手段121、モニタ117、および記憶装置131とを別にした場合について説明したが、共通のコントローラ、入力手段、モニタ、および記憶装置で構成することも可能である。
【0047】
以上説明した第1の実施の形態では、FIB加工すべき個所(加工位置)1に対してその近傍に一つの微細な基準マーク11を半導体装置100の保護膜105上に付与する場合について説明したが、図11に示すように、FIB加工すべき個所(加工位置)1に対してその近傍に複数の微細な基準マーク11を半導体装置100の保護膜105上に形成し、それらからの距離(δx1、δy1)及び(δx2、δy2)を求め、その結果に基づいて加工位置1を特定しても良い。これにより、全体の処理時間は長くなるが、加工位置合わせ精度を向上させることができる。また、半導体装置100を、基準マーク付与・計測装置のステージ26からFIB加工装置のステージ52に載せ替える操作が入った場合、半導体装置100は夫々のステージ26、52に対して概略位置決めされて載置されるが、平面的に僅かθ方向(回転方向)にずれることになる。この場合、半導体装置100のθ方向(回転方向)のずれを両ステージに設けられたθステージで合わせても良いが、図11に示すように、微細な基準マーク11を加工位置1の近傍に複数付与することによって、これら複数の微細な基準マーク11を基準にして加工位置1を距離(δx1、δy1)及び(δx2、δy2)によって設定することができ、しかも距離(δx1、δy1)及び(δx2、δy2)によって平面的な傾き(θ方向のずれ量)も計算することができ、この計算された平面的な傾き(θ方向のずれ量)に合わせて例えば矩形形状の加工領域2を設定することが可能となり、傾きを合わせる操作が必要なくなり、煩雑さをさけることができる。
【0048】
また、焼成された微細な基準マーク11そのものを用いるよりも、図7および図8に示す如く、微細な加工が施されたパターン12a〜12dを用いた方が微細で、且つエッジが急峻なため、FIB加工の際SIM画像へのカーソル合わせにおける誤差を小さくすることができ、その結果位置決め精度の良いFIB加工を実現することが可能となる。
また、上記実施の形態において、微細な基準マーク11をAuやPd等の金属膜で形成しているが、光学顕微鏡210の光学画像やFIB加工装置におけるSIM画像による観察において、半導体装置100表面の保護膜105と判別が付くものならば何れでも良い。例えば、Cr2O3等の金属酸化膜、各種色素あるいはBやP等の不純物を添加したSiO2あるいはSi3N4、等で形成しても良い。
【0049】
次に、本発明に係る半導体装置100の表面である保護膜105上に、微細な基準マーク11を付与する基準マーク付与装置と、該基準マーク付与装置によって付与された微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を光学像35によって計測し、該計測された2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を参照してSIM画像に基づいて位置決めしてFIB加工を行う基準マーク計測・FIB加工装置とを備えたFIB加工システムの第2の実施の形態について、図3〜図8、図12を用いて説明する。
即ち、基準マーク付与装置を図3に示す如く構成する。光学顕微鏡210は、半導体装置100の表面である保護膜105上に、微細な基準マーク11を付与する際の塗布装置230を構成するピペット21若しくはピン31の先端の位置決めに使用する。
【0050】
まず、コントローラ201は、ステージ26を移動制御させて半導体装置100の表面に形成された第1のアライメントマーク120の光像を光学顕微鏡210の視野38内に位置付ける。光学顕微鏡210により、半導体装置100上に形成された第1のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を光学的に撮像し、該撮像された第1のアライメントマーク120の画像を、図10に示すようにモニタ203に表示する。このモニタ203上の画面において、第1のアライメントマーク120とクロスカーソル36とを合わせる。次いで、コントローラ201は、ステージ26を移動制御させて半導体装置100の表面に形成された第2のアライメントマーク120の光像を光学顕微鏡210の視野38内に位置付ける。そして光学顕微鏡210により、半導体装置100上に形成された第2のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を光学的に撮像し、該撮像された第2のアライメントマーク120の画像を、図10に示すようにモニタ203に表示する。このモニタ203上の画面において、第2のアライメントマーク120とクロスカーソル36とを合わせる。その結果、コントローラ201は、第1および第2のアライメントマーク120のステージ座標から半導体装置100の傾きθを求め、光学顕微鏡210に対する半導体装置100を載置したステージ26の傾きθを修正(調整)する。そして、コントローラ201は、光学顕微鏡210によって検出された第1または第2のアライメントマーク120の位置を基準にして上記入力して記憶された加工すべき位置(加工位置)1の概略位置座標情報に基づいてステージ26を駆動制御させて加工すべき位置(加工位置)1をモニタ203の画面上に表示されるように位置付ける。
【0051】
次いで、コントローラ201は、記憶装置206からSIM画像の視野38に関するデータを読みだして矩形カーソル38としてモニタ203の画面上にクロスカーソルに加えて表示する。この矩形カーソル38は、後述するFIB加工装置に設けたモニタ117の2次荷電粒子像による観察領域(視野)を示すもので、FIB加工時の最終位置合わせ時の観察領域(視野)を示す。
【0052】
次に、コントローラ201は、モニタ203に表示される加工位置1を例えば矩形カーソル38の中心(クロスカーソル36の交点)付近に位置させるべく、クロスカーソル36またはキーボードやマウス等の入力手段202から得られる位置情報に基づいてステージ26を制御する。
次に、コントローラ201は、移動機構22を制御して塗布装置230のピペット21又はピン31を移動し、該ピペット21又はピン31の先端を、矩形カーソル38内の加工位置1の近傍における半導体装置100の保護膜105の表面に接触させ、図2(a)に示すように、加工すべき位置1の近傍に微量の液状材料10を局所塗布する。
【0053】
なお、予めピペット21又はピン31の先端の画像を光学顕微鏡210により撮像してモニタ203に表示し、マニュアルで移動機構22を制御してピペット21又はピン31の先端の位置をカーソル線36等を用いて光学顕微鏡210の光軸から所定の距離離れた位置に合わせておく。従って、コントローラ201において、加工すべき位置(加工位置)1は、光学顕微鏡210の光軸に設定される。逆に、ピペット21又はピン31の先端の位置をカーソル線等を用いて光学顕微鏡210の光軸に合わせ、加工すべき位置(加工位置)1を光学顕微鏡210の光軸から所定の距離離した位置に設定することも可能である。
次に、パワー調整手段223により除去加工がされない程度にパワーを下げた状態にして、塗布された微量の液状材料10に対してレーザ光を照射することによって、加熱焼成して金属製の凸状の局部膜からの微細な基準マーク11を半導体装置100の保護膜105上に形成することができる。
また、焼成された液状材料(金属製の凸状の局部膜)11に対して、X,Y軸方向に線対称若しくは点対称に整形したり、または図7(a)および図8(a)〜(d)に示すようにX軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン12a〜12eを刻むように除去加工を施す場合には、パワー調整手段223により除去加工ができる程度にパワーを上げた状態にして、焼成された液状材料11に対して可変アパーチヤ224で整形されたレーザ光束を投影することによって実現することが可能となる。
【0054】
以上説明したように、図3に示す基準マーク付与装置によって、半導体装置100において、微細な基準マーク11を、FIB加工すべき位置(加工位置)1の近傍の保護膜105上に付与することが可能となる。
次に、図3に示す基準マーク付与装置によって付与された微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を光学像35によって計測し、該計測された2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を参照してSIM画像に基づいて位置決めしてFIB加工を行う基準マーク計測・FIB加工装置について、図12を用いて説明する。図12は、基準マーク計測・FIB加工装置の一実施例を示す構成図である。即ち、基準マーク計測・FIB加工装置は、図9に示すFIB加工装置のFIB加工光学系(鏡筒)61に、基準マーク計測用の光学顕微鏡70を並設したものである。基準マーク計測用の光学顕微鏡70は、レーザ顕微鏡によって構成され、観察光源となるレーザ光72を出射するレーザ発振器71と、レーザ光72を走査するためのレーザ光走査手段73と、レーザ光72の光路を曲げるハーフミラー74等の光学素子を納めた光学鏡筒75と、処理室51内にレーザ光72を導入するためのレーザ光導入窓76と、レーザ光72を半導体装置100上に集光・照射すると共にその反射光を集光するための対物レンズ79と、内部にピンホールと光検出器とを備えたディテクタ(イメージセンサ)77と、該ディテクタ77からの検出信号をレーザ光72の走査に同期して各種画像処理して図2(b)または図7(b)に示す光学画像35を得るための、画像メモリを有する画像処理装置78とから構成されている。そして、該画像処理装置78の画像メモリに記憶された光学画像35を、モニタ117に表示できるようにコントローラ124に提供される。ところで、対物レンズ79を処理室51内に設置している理由は、高倍率・高開口数(高NA)の対物レンズ(作動距離は小さくなる。)79を用いることで、高解像度の観察を可能にし、微細な基準マーク11と加工位置1との距離(δx,δy)を精度良く測定したいためである。もし、レーザ光導入窓76を介しても高解像度の観察が可能ならば、対物レンズ79を処理室51の外に配置しても差し支えない。また、もしもレーザ顕微鏡(画像処理装置78を除く。)が真空中で使用可能ならば、レーザ顕微鏡自体を処理室51中に設けることで、レーザ光導入窓76による解像度低下等の影響をなくすことができる。
【0055】
さらに、処理室(試料室)51の内部には、半導体装置100を載置してXYZθ方向に移動可能なステージ52が納められている。処理室51の側面には、半導体装置100を投入するための扉53が設けられている。処理室51の下部には、処理室51内を排気するための真空ポンプ54がバルブ55を介して配管接続されている。
【0056】
次に、動作について説明する。
まず、図3に示す基準マーク付与装置によって、微細な基準マーク11が付与された半導体装置100を扉53から投入してステージ52上に載置する。そして、コントローラ124からの指令に基づくステージコントローラ119の駆動制御により、ステージ52を矢印で示すように移動して半導体装置100を対物レンズ79の直下に位置させる。そして、上記第1の実施の形態の基準マーク付与・計測装置と同様に、θ方向の傾きを調整し、光学顕微鏡(レーザ顕微鏡)70によって半導体装置100からの光像を撮像してモニタ117に表示すると、図2(b)、図7(b)に示す画像が得られる。即ち、光学顕微鏡70の視野35には、加工すべき個所1を有する配線パターン103a、103b、103cの画像と、微細な基準マーク11の画像とがSIM画像の視野38内に検出されることになる。
【0057】
そこで、測長機能を有する光学顕微鏡70を用いて上記微細な基準マーク11と半導体装置100内の加工位置1との間の相対位置関係(δx,δy)を測定する。この測定手順は、先ず、必要があれば、図2(a)、図7(a)に示す工程1と同様に、半導体装置100上に形成された第1および第2のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を用いて、光学顕微鏡70に対する半導体装置100のθ方向の傾きを再調整する。次いで、コントローラ124はステージ52を移動制御し、図2(b)、図7(b)に示すように、光学顕微鏡70で撮像される加工位置1を含む領域35の光学画像をモニタ117上に表示する。そして、コントローラ124は、図2(b)、図7(b)に示すように、モニタ117において、第1のクロスカーソル36aを表示し、該第1のクロスカーソル36aを移動させて加工位置1にその交点を合わせ、第1のクロスカーソル36aの位置座標から加工位置1の位置座標を取得する。次いで、コントローラ124は、図2(b)、図7(b)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)に示すように、モニタ117において、第2のクロスカーソル36bを表示し、該第2のクロスカーソル36bを移動させて第2のクロスカーソル36bの交点と微細な基準マーク11の中心とを合わせ、第2のクロスカーソル36bの位置座標から微細な基準マーク11の位置座標を取得する。そして、コントローラ201は、モニタ203の画面上における取得された両カーソル36a、36bの位置関係から、微細な基準マーク11と加工位置1との相対的な距離(δx、δy)を求め、この求められた微細な基準マーク11と加工位置1との相対的な距離(δx、δy)をメモリ(記憶装置)131に記憶させる。なお、図7(a)および図8(a)〜(d)には、モニタ117において、第2のクロスカーソル36bの交点と、X軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン12a〜12eの中心とを合わせる場合を示す。なお、上記第1および第2のクロスカーソル36a、36bは、同一のクロスカーソルを用いることができる。
以上は、半導体装置100に対して1個所FIB加工する場合について説明した。
【0058】
実際には、半導体装置100に対して、複数個所についてFIB加工をする必要があるため、上記動作を繰り返して行われ、メモリ(記憶装置)131には、各微細な基準マーク11と各加工位置1との相対的な距離(δx、δy)が記憶されることになる。
次いで、コントローラ124は、ステージコンローラ119に対して制御指令を与えることによってステージ52を移動させてSIM画像の視野38内に半導体装置100上のアライメントマークを位置付けし、このアライメントマークの位置を2次荷電粒子検出器59で検出し、そのSIM画像を画像メモリ114に記憶させてアライメントマークの位置を算出する。更に、コントローラ124は、該算出されたアライメントマークの位置を基準として、記憶装置131に記憶されたアライメントマークの位置を基準とした加工すべき位置(加工位置)1の概略位置情報座標データに基づき、半導体装置100を載置したステージ52を移動してSIM画像の視野38内に微細な基準マーク11及び加工位置1を位置付ける。この位置付けした状態で、FIB68を走査照射して2次荷電粒子検出器59で半導体装置100の表面からの2次荷電粒子58に基づく画像を検出して画像メモリ114に記憶させる。そして、コントローラ124は、画像メモリ114から読みだしてモニタ117に表示すると、図2(c)または図7(c)に示すごとく、微細な基準マーク11と保護膜105の段差とに基づくSIM画像が表示される。
【0059】
次に、コントローラ124は、モニタ117上にクロスカーソル39を表示し、その交点を微細な基準マーク11の中心に合わせる。すると、コントローラ124は、図2(c)または図7(c)に示すごとく、記憶装置131に記憶された各微細な基準マーク11に対する各加工位置1の相対的な距離(δx、δy)を読み出して上記交点から距離(δx、δy)の位置に予め設定していた加工時のFIB走査領域(FIB加工領域)を示すボックス2をモニタ117上に表示することによって、加工時のFIB走査領域(FIB加工領域)が設定されることになる。更に、コントローラ124は、記憶装置131に記憶された描画データ(レイアウトデータ)に基づく画像データまたは基準マーク付与・計測装置の光学顕微鏡210で検出された光学画像データをSIM画像に対応するように拡大若しくは縮小してモニタ117に表示することによって、設定されたFIB走査領域(FIB加工領域)が適切であるか否かを確認することが可能となる。
【0060】
次に、コントローラ124は、上記設定されたFIB走査領域に適合するイオンビーム径、イオンビーム電流、偏向量、およびドーズ量を定め、これら定められた各種の加工条件に基づいて光学系コントローラ118を介して各光学系を制御してFIB68をFIB走査領域(FIB加工領域)に照射してFIB加工を開始する。
以上の操作により、半導体装置100を構成する保護膜105及び層間絶縁膜104及びAl配線103は表面から順次スパッタリング除去され、接続用の窓開けやAl配線103の切断や断面観察するための開口や埋もれた異物を露出させると言った加工が行われる。特に、光学系コントローラ118における加工深さの制御については、時間監視でも、2次荷電粒子検出器59で検出される2次荷電粒子信号変化等で行うことができる。
【0061】
以上説明した第2の実施の形態では、図3に示す基準マーク付与装置のコントローラ201、入力手段202、モニタ203、および記憶装置206と、図12に示すFIB加工装置のコントローラ124、入力手段121、モニタ117、および記憶装置131とを別にした場合について説明したが、共通のコントローラ、入力手段、モニタ、および記憶装置で構成することも可能である。
また、以上説明した第2の実施の形態では、FIB加工すべき個所(加工位置)1に対してその近傍に一つの微細な基準マーク11を半導体装置100の保護膜105上に付与する場合について説明したが、図11に示すように、FIB加工すべき個所(加工位置)1に対してその近傍に複数の微細な基準マーク11を半導体装置100の保護膜105上に形成し、それらからの距離(δx1、δy1)及び(δx2、δy2)を求め、その結果に基づいて加工位置1を特定しても良い。これにより、上記第1の実施例と同様に、全体の処理時間は長くなるが、加工位置合わせ精度を向上させることができ、しかも半導体装置100のθ方向の傾き調整を不要にすることが可能となる。
【0062】
また、図12に示す光学顕微鏡付FIB加工装置の実施例において、コントローラ124内のCPUが画像処理することによって、更に自動化を進めた場合について説明する。まず、ステージ52上に載置された半導体装置100のFIB加工位置1を含む基準マーク11の光学画像を光学顕微鏡(例えばレーザ顕微鏡)70により観察し、その後ステージ52をFIB加工光学系61の下に移動させる。FIB加工装置において、光学顕微鏡70で観察した領域と同等の領域を2次荷電粒子ディテクタ59で検出した2次荷電粒子58から形成したSIM画像で観察する。この場合、通常、ステージ52は一定の移動精度でしか移動できず、完全に光学顕微鏡70で検出される光学画像と一致した位置にステージ52が停止するとは限らない。そこで、偏向電極67によるFIBの偏向でビーム照射位置を補正することも可能であるが、そのためにはステージ52の移動量を正確に計測できるレーザゲージ(レーザ測長器)等の高精度の計測機器を搭載する必要がある。しかしながら、レーザゲージ(レーザ測長器)等を付けると装置価格が上昇することになる。
なお、コントローラ124内のCPUが実行する光学顕微鏡70から得られる光学画像に対する画像処理は、図3に示す実施例と同様である。またコントローラ124内のCPUが実行するFIB加工装置から得られるSIM画像に対する画像処理も、図9に示す実施例と同様である。
【0063】
また、第2の実施の形態においては、図7(a)および図8(a)〜(d)に示す如く、基準マーク12a〜12eとすべく除去加工を加熱装置(レーザ加工装置)220で行うように説明したが、図12に示す如く、基準マーク計測装置を備えたFIB加工装置の場合には、処理室51に投入されてステージ52に載置された半導体装置100の保護膜105上に付与された局所膜11に対してFIB加工装置においてFIBを照射することによっても、基準マーク12a〜12eを除去加工することが可能となる。除去すべきパターンについては、入力手段124を用いてコントローラ124に入力すればよい。
また、光学顕微鏡70を備えたFIB加工装置を用いることによって、基準マーク付与装置における光学顕微鏡210の観察精度を落とすことが可能となる。それ故、例えば、図4(c)に示すように、光学顕微鏡210の光軸を傾け、塗布装置230のピペット21aやピン31を垂直にして下降させることが可能となる。
【0064】
また、上記第1および第2の実施の形態では、加熱手段220として除去加工も可能なレーザ加工装置を用いた場合について説明したが、加熱手段220として加熱のみである場合には、この外、ヒータ加熱、ランプ加熱、これらの組み合わせ等で構成することが可能である。
即ち、加熱手段80として、図13に示すように構成することが可能である。この加熱手段80は、半導体装置100を載せた搬送プレート82が載置され、ヒータ85を内蔵して加熱されるホットプレート83と、ヒータ85によって加熱されたホットプレート83の温度を検知するための熱電対等から構成された温度検知器84と、該温度検知器84で検知される温度に基づいてヒータ85の加熱を調節する温度調節器86と、ホットプレート83で加熱される半導体装置100等を覆うカバー81とで構成される。この加熱手段80を用いる場合には、塗布装置230で微量の液状材料10が塗布された半導体装置100を、図3に示すステージ26から取外し、搬送プレート82に載せてホットプレート83上に載置させる必要がある。上記構成から、搬送プレート82に載せた半導体装置100をホットプレート83上に載置することによって、半導体装置100が加熱されて塗布された微量の液状材料10が加熱焼成されて金属膜からなる基準マーク11が半導体装置100の保護膜105上に得られる。
【0065】
次に、本発明に係る半導体装置100の表面である保護膜105上に、微細な基準マーク11を付与し、該微細な基準マーク11と加工すべき個所(加工位置)1との間の2次元的な距離(相対的な位置関係)(δx,δy)を光学画像35によって計測する基準マーク付与・計測装置とFIB加工装置とを備えたFIB加工システムの第3の実施例について、図4〜図9、図14を用いて説明する。図14は、基準マーク付与・計測装置の他の実施例を示した構成図である。図14に示す構成において、図3に示す基準マーク付与・計測装置と相違するのは、塗布装置230の代わりにレーザCVDによって微細な基準マーク11を半導体装置100の表面である保護膜105上に付与する点である。
即ち、半導体装置100を載置したステージ26を試料室90内に設ける。試料室90は、光を透過させる窓91と、CVD材料ガスを納めたCVDガス用ボンベ92からバルブ93を介して接続されたガス導入配管94、およびバルブ95を介して図示しない真空排気装置に接続された排気用配管96からなるガス供給排気系とを有する。更に、上記ステージ26は、半導体装置100を載置し、レーザ光および観察光との焦点合わせのため半導体装置100を光軸方向に移動させるためのZステージと、半導体装置100を上記光軸に垂直な平面内で移動させるXYステージと、θ方向の調整を行うためのθステージとから構成される。ステージコントローラ97は、コントローラ201からの指令に基づいて、ステージ26を駆動制御すると共にレーザ光の光路を開閉するシャッタ227の駆動を制御するものである。
【0066】
レーザ光源221として、例えばArレーザの基本波(波長514.5nm)や第2高調波(波長257nm)を出射するように構成する。また、CVD材料ガスとして、金属膜(Mo,Cr,W,Ni等)を析出するために、Mo(CO)6,Cr(CO)4,W(CO)4,Ni(CO)4等の金属カルボニル化合物ガスや金属アルキル化合物ガス等を用いることができる。
以上の構成から、上記第1の実施の形態と同様に、まず、コントローラ201は、ステージ26を移動制御させて半導体装置100の表面に形成された第1のアライメントマーク120の光像を光学顕微鏡210の視野38内に位置付ける。光学顕微鏡210により、半導体装置100上に形成された第1および第2のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を光学的に撮像し、該撮像された第1および第2のアライメントマーク120の画像を、図10に示すようにモニタ203に表示する。このモニタ203上の画面において、第1および第2のアライメントマーク120とクロスカーソル36とを合わせる。その結果、コントローラ201は、第1および第2のアライメントマーク120のステージ座標から半導体装置100の傾きθを求め、光学顕微鏡210に対する半導体装置100を載置したステージ26の傾きθを修正(調整)する。そして、コントローラ201は、光学顕微鏡210によって検出された第1または第2のアライメントマーク120の位置を基準にして上記入力して記憶された加工すべき位置(加工位置)1の概略位置座標情報に基づいてステージコントローラ97を介してステージ26を駆動制御させて加工すべき位置(加工位置)1をモニタ203の画面上に表示されるように位置付ける。
【0067】
次いで、コントローラ201は、記憶装置206からSIM画像の視野38に関するデータを読みだして矩形カーソル38としてモニタ203の画面上にクロスカーソルに加えて表示する。
次に、コントローラ201は、モニタ203に表示される加工位置1を例えば矩形カーソル38の中心(クロスカーソル36の交点)付近に位置させるべく、クロスカーソル36またはキーボードやマウス等の入力手段202から得られる位置情報に基づいてステージコントローラ97を介してステージ26を制御する。
【0068】
次に、モニタ203の画面上で、上記加工位置1に近傍に基準マーク11を付与する微細領域を指定する。するとコントローラ201は、この指定に基づいてステージコントローラ97を介して光軸に対するステージ26の位置を制御する。その結果、レーザ光が照射される微細領域が加工位置1の近傍に形成されることになる。
【0069】
従って、バルブ95を開けて試料室90内を真空排気装置で10~6Torr以上の真空度になるまで排気する。しかる後、バルブ95を閉じてバルブ93を開いてCVD用ガスを所望の圧力(例えばMo(CO)6の場合0.1Torr)になるまで試料室90内に供給し、CVDガスの雰囲気を形成する。その後、レーザ光源221からレーザ光222を出射させ、シャッタ227を開いて半導体装置100の表面にレーザ光を対物レンズ25で集光させて照射する。その結果、CVDガスはレーザ光の熱エネルギーにより分解され、図2(a)に示すように、加工すべき位置1の近傍に微量の金属膜11が析出される。
また、析出された微量の金属膜(金属製の凸状の局部膜)11に対して、X,Y軸方向に線対称若しくは点対称に整形したり、または図7(a)および図8(a)〜(d)に示すようにX軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン12a〜12eを刻むように除去加工を施す場合には、パワー調整手段223により除去加工ができる程度にパワーを上げた状態にして、微量の金属膜11に対して可変アパーチヤ224で整形されたレーザ光束を投影することによって実現することが可能となる。
【0070】
次に、光学顕微鏡210によって半導体装置100からの光像を撮像してモニタ203に表示すると、図2(b)、図7(b)に示す画像が得られる。即ち、光学顕微鏡210の視野35には、加工すべき個所1を有する配線パターン103a、103b、103cの画像と、塗布装置230によって塗布されて加熱手段220で加熱焼成された微細な基準マーク11の画像とがSIM画像の視野38内に検出されることになる。
そこで、測長機能を有する光学顕微鏡(レーザ顕微鏡も含む。)210を用いて上記微細な基準マーク11と半導体装置100内の加工位置1との間の相対位置関係(δx,δy)を測定する。この測定手順は、先ず、必要があれば、図2(a)、図7(a)に示す工程1と同様に、半導体装置100上に形成された第1および第2のアライメントマーク(特定パターンでも良い。)120を用いて、光学顕微鏡210に対する半導体装置100のθ方向の傾きを再調整する。
【0071】
次いで、コントローラ201はステージ26を移動制御し、図2(b)、図7(b)に示すように、光学顕微鏡210で撮像される加工位置1を含む領域35の光学画像をモニタ203上に表示する。そして、コントローラ201は、図2(b)、図7(b)に示すように、モニタ203において、第1のクロスカーソル36aを表示し、該第1のクロスカーソル36aを移動させて加工位置1にその交点を合わせ、第1のクロスカーソル36aの位置座標から加工位置1の位置座標を取得する。次いで、コントローラ201は、図2(b)、図7(b)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)に示すように、モニタ203において、第2のクロスカーソル36bを表示し、該第2のクロスカーソル36bを移動させて第2のクロスカーソル36bの交点と微細な基準マーク11の中心とを合わせ、第2のクロスカーソル36bの位置座標から微細な基準マーク11の位置座標を取得する。そして、コントローラ201は、モニタ203の画面上における取得された両カーソル36a、36bの位置関係から、微細な基準マーク11と加工位置1との相対的な距離(δx、δy)を求め、この求められた微細な基準マーク11と加工位置1との相対的な距離(δx、δy)をメモリ(記憶装置)206に記憶させる。なお、図7(a)および図8(a)〜(d)には、モニタ203において、第2のクロスカーソル36bの交点と、X軸およびY軸方向に線対称若しくは点対称なパターン12a〜12eの中心とを合わせる場合を示す。
【0072】
そして、半導体装置100の保護膜105の表面に形成した微細な基準マーク11に対する加工位置1のデータ(δx,δy)の提供を受けるFIB加工装置について、第1の実施の形態と同様になる。
以上説明したように、第1、第2、および第3の実施の形態の何れにおいても、塗布焼成された微細な基準マークやレーザCVD成膜された微細な基準マーク11そのものよりは、図7および図8に示すように、基準マークに対して微細なパターン12a〜12dを施した方が、光学画像に基づく位置座標計測およびSIM画像に基づく加工領域2の設定共に高精度を実現することができる。
【0073】
次に、FIB加工における加工位置決め以外の適用する場合の実施の形態について説明する。即ち、SEMでの観察位置決めにおいても有効である。通常SEMで観察する対象は、表面に凹凸が現れているため、微細な基準マーク11が無い場合でも観察位置をSEM画像中心に移動させることは可能である。しかし、多数の繰り返しパターンの中の特定パターンを観察したい場合には、その位置までステージを移動させて、観察対象を探し出すのはオペレータに多大の労力を要求する。半導体装置100であれば、チップ周辺に元々形成されているマークパターンを基準に観察位置へ移動する方式も可能であるが、半導体装置100がメモリセルのように微細なパターンではステージの精度にもよるが数セルずれた位置にステージが移動する可能性もあり、観察対象が細かなSEM画質調整しないと観察困難な微かな凹凸であった場合には、観察位置を探し出すことにやはり労力を要する。そこで、観察対象と同じSEM画像の画面内に微細な基準マーク11を付与しておけば、上記と同様の手法で観察対象へのアクセスが容易となる。さらに、観察対象が半導体装置100のようにSEM内に導入可能な場合であれば、まだ半導体装置自身のマークパターンから観察対象近傍にステージを移動させることも可能であるが、例えば、観察対象がTFTのように大きなフラットパネルディスプレイのような場合には、観察するためにパネルを切り出すことになり、切片全面が単純な繰り返しパターンとなる。この場合には顕微鏡を観察しながら観察対象近傍に微細な基準マーク11を付与して、それを基準に観察位置へアクセスする本手法を採用しないと、観察位置を探し出す時間がSEM操作時間の大半を占める事態にもなりかねない。
【0074】
また、SEM装置においても、レイアウトデータをCADシステムやテスタ等からネットワーク等を介して取得することによって、SEM観察位置をより正確に設定することが可能となる。
次に、半導体装置100の保護膜105上に付与した金属膜からなる基準マーク11を、FIB加工やSEM観察の位置決めに使用した後、半導体装置100の特性評価用パッドとして用いる場合について、図15を用いて説明する。図15は、基準マークとして形成した金属膜11を特性評価用パッドとするための工程図である。上記第1あるいは第2の実施の形態で説明した方法により、半導体装置100の内部配線110上に加工領域2からなる接続用窓3を形成して内部配線110の一部を露出させる(図15(a))。次に、FIBの走査領域2を接続用窓3の寸法より広く設定後、該走査領域にW(CO)6あるいはMo(CO)6等のCVDガスを接続用窓3上に吹き付けてCVDガス雰囲気を形成し、所定時間FIBを照射・走査する。これにより、CVDガスは分解して接続用窓3を含む領域にWあるいはMo等の金属4が析出し、接続用窓3を充填する(図15(b))。次いで、該充填部4と金属膜11とを結ぶようにFIB走査領域を設定する。該設定後、再び前記CVDガスを吹き付け、所定時間FIBを照射・走査する。これにより、走査領域にはWあるいはMo等が析出し、充填部4と金属膜11を結ぶ配線5が形成される(図15(c))。
また、本発明の適用対象は、保護膜105まで形成した半導体装置100に限らず、製造工程の途中で抜き取った半導体装置100も含むことは当然である。特に、CMP処理等により層間絶縁膜104が平坦化された半導体装置100に対しては、適用効果が大きくなる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、層間絶縁膜に対してCMP等によって平坦化されて製造され、動作試験が行えるほぼ完成した半導体装置において、その保護膜(絶縁膜)等の表面に、FIB等のSIM画像および光学顕微鏡の光学画像共に確認が可能な微細な基準マークを、FIB等の加工位置の近傍に付与形成することによって、前記層間絶縁膜の下層にある配線パターンや異物等をFIB等の加工対象とするFIB等の加工位置の特定を容易、且つ正確に実行することができ、その結果、前記層間絶縁膜の下層にある配線パターンや異物等をFIB等の加工対象として正確にFIB等の荷電粒子ビームによる微細加工(配線切断加工、保護膜上を介しての配線間の接続成膜加工、SIMまたはSEM観察するための断面加工、配線や異物を露出させる加工等)を施すことによって、不良解析や部分補修や特性評価等を行って開発期間の短縮を実現することができる効果を奏する。
また、本発明によれば、半導体装置の保護膜等の表面に、微細な基準マークを、SIM画像視野内においてFIB等の加工位置の近傍に付与形成することによって、基準マーク確認後からの加工位置合わせがFIB等の偏向走査系の操作のみで良く、ステージにレーザ測長器等の高精度の計測器を設けることなく、高精度なFIB等の荷電粒子ビーム加工が可能となる。
【0076】
また、本発明によれば、基準マークとなる膜を導電性の材質で形成することにより、基準マークとして使用後、特性評価のパッドとしても用いることができるため、特性評価時の加工時間の短縮を実現することができる。
また、本発明によれば、微細なパターンが形成された対象物に対してSEM観察する場合においても、観察対象と同じSEM等の画像の画面内に微細な基準マークを付与することによって、SEM等の観察位置を探し出すことを容易にし、SEM等の操作時間の大半な短縮を図ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平坦化処理された層間絶縁膜を有する多層の配線層を有し、動作試験がテスタによって可能なようにほぼ完成された半導体装置を示す図で、(a)は(b)に示すA−A断面図、(b)は保護膜の上から見た平面図である。
【図2】本発明に係る基準マークの付与工程1、光学画像に基づく光学測定工程2、SIM画像に基づくFIBによる加工工程3を説明するための図である。
【図3】本発明に係る基準マーク付与・計測装置または基準マーク付与装置の一実施例を示す構成図である。
【図4】本発明に係る液状材料の塗布装置の実施例を示す図である。
【図5】本発明に係る液状材料の塗布装置の図4とは異なる実施例を示す図である。
【図6】本発明に係る液状材料の塗布装置の図4および図5とは異なる実施例を示す図である。
【図7】図2とは異なる本発明に係る基準マークの付与工程1、光学画像に基づく光学測定工程2、SIM画像に基づくFIBによる加工工程3を説明するための図である。
【図8】半導体装置の保護膜上に形成した局所膜に対して基準マークとすべく、図7とは異なる各種のパターンを除去加工した場合を示す図である。
【図9】本発明に係るFIB加工装置の一実施例を示す構成図である。
【図10】本発明に係る半導体装置の表面の周辺部に設けられたアライメントマークを示す図である。
【図11】本発明に係る基準マークを加工位置の近傍に複数付与した場合を示す図である。
【図12】本発明に係る基準マーク計測(光学顕微鏡)・FIB加工装置の一実施例を示す構成図である。
【図13】塗布された微量の液状材料を加熱焼成するための加熱装置の一実施例を示す断面図である。
【図14】本発明に係る基準マーク付与・計測装置の他の一実施例を示す構成図である。
【図15】本発明に係る特性評価用半導体装置の加工工程を示す図である。
【符号の説明】
1…加工位置、2…加工領域(表示ボックス)、3…接続用窓、4…金属充填部、5…接続配線、10…液状材料、11…金属膜(基準マーク)、12a〜12e…除去跡(基準マーク)、21、21a、21b…ピペット、22…移動機構、25…対物レンズ、26…テーブル(ステージ)、31…ピン、32…移動機構、33…容器、34…蓋、35…光学画像、36a…第1のクロスカーソル、36b…第2のクロスカーソル、38…SIM画像、39…クロスカーソル、51…処理室、52…ステージ、53…扉、54…真空ポンプ、55…バルブ、59…2次粒子ディテクタ、60…画像処理装置、61…FIB加工光学系(鏡筒)、62…イオン源、64…荷電粒子光学系、67…偏向電極、68…イオンビーム(FIB)、70…光学顕微鏡(レーザ顕微鏡)、71…レーザ発振器、73…レーザ光走査手段、75…光学鏡筒、77…ディテクタ、78…画像処理装置、79…対物レンズ、100…半導体装置、101…基板、102…酸化膜、103a〜103d…配線パターン、104a〜104c…層間絶縁膜、105…保護膜、110…加工対象配線、114…画像メモリ、117…モニタ、119…ステージコントローラ、121…入力手段、124…コントローラ、131…記憶装置(メモリ)、201…コントローラ、202…入力手段、203…モニタ、204…画像処理部(画像メモリ)、205…出力手段、206…記憶装置(メモリ)、210…光学顕微鏡、211…イメージセンサ、214…光源、220…加熱装置、221…レーザ光源、223…パワー調整手段、224…可変アパーチヤ、230…塗布装置、232…液状材料の供給源(加圧手段)、231…配管
Claims (9)
- 試料の最上面に、微量の液状材料を局所塗布して加熱焼成することにより、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの加工位置の近傍に付与する基準マーク付与工程と、
該基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を光学顕微鏡によって撮像し、該撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する光学測定工程と、
前記基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定工程で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す加工工程とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工方法。 - 平坦化された層間絶縁膜を有する多層の配線層からなる半導体装置の保護膜面に、微量の液状材料を局所塗布して加熱焼成することにより、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与工程と、
該基準マーク付与工程で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を光学顕微鏡によって撮像し、該撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する光学測定工程と、
前記基準マーク付与工程で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定工程で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す加工工程とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工方法。 - 前記半導体装置は、動作試験が可能なようにほぼ完成されたものであることを特徴とする請求項2記載の荷電ビームによる加工方法。
- 試料の最上面に、微量の液状材料を局所塗布して加熱焼成することにより、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与工程と、
該基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの照射位置とを含む光学画像を光学顕微鏡によって撮像し、該撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離を測定する光学測定工程と、
前記基準マーク付与工程で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定工程で測定された基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して照射領域から得られる2次荷電粒子画像を観察する観察工程とを有することを特徴とする荷電ビームによる観察方法。 - 微量の液状材料を局所塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された微量の液状材料を加熱焼成する加熱手段とを有し、試料の最上面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの加工位置の近傍に付与する基準マーク付与装置と、
該基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を撮像する光学顕微鏡、および該光学顕微鏡によって撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する測定手段を有する光学測定装置と、
前記基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定装置の測定手段で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す荷電ビーム加工装置とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工システム。 - 微量の液状材料を局所塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された微量の液状材料を加熱焼成する加熱手段とを有し、平坦化された層間絶縁膜を有する多層の配線層からなる半導体装置の保護膜面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与装置と、
該基準マーク付与装置で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークと前記荷電ビームの加工位置とを含む光学画像を撮像する光学顕微鏡、および該光学顕微鏡によって撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離を測定する測定手段を有する光学測定装置と、
前記基準マーク付与装置で付与された半導体装置の保護膜面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定装置の測定手段で測定された基準マークと荷電ビームの加工位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して加工を施す荷電ビーム加工装置とを有することを特徴とする荷電ビームによる加工システム。 - 前記半導体装置は、動作試験が可能なようにほぼ完成されたものであることを特徴とする請求項6記載の荷電ビームによる加工システム。
- 前記加熱手段は、除去加工も可能なレーザ光照射手段で構成したことを特徴とする請求項5又は6記載の荷電ビームによる加工システム。
- 微量の液状材料を局所塗布する塗布手段と、該塗布手段で塗布された微量の液状材料を加熱焼成する加熱手段とを有し、試料の最上面に、光および荷電粒子を用いて観察可能な基準マークを荷電ビームの照射位置の近傍に付与する基準マーク付与装置と、
該基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークと前記荷電ビームの照射位置とを含む光学画像を撮像する光学顕微鏡、および該光学顕微鏡によって撮像された光学画像に基づいて基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離を測定する測定手段を有する光学測定装置と、
前記基準マーク付与装置で付与された試料の最上面における基準マークに荷電ビームを照射して前記基準マークの2次荷電粒子画像を検出し、該検出される基準マークの2次荷電粒子画像に対して、前記光学測定装置の測定手段で測定された基準マークと荷電ビームの照射位置との相対距離に基いて荷電ビームの照射領域を特定し、該特定された照射領域に荷電ビームを照射して照射領域から得られる2次荷電粒子画像を観察する荷電ビーム観察装置とを有することを特徴とする荷電ビームによる観察システム。
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