JP4384016B2 - シュガーレスソフトキャンディ及びその製造方法 - Google Patents
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1.水に糖アルコールを添加し加熱溶解する。糖アルコールの溶解を効率的に進めるため、130℃近くまで加熱し煮詰めても良い。
2.完全に糖アルコールが水に溶解したら、水溶液を冷却し、約80℃程度になった時点で、油脂、乳化剤、酒石酸塩、種結晶用糖アルコール粉末を添加し、十分に攪拌する。
3.攪拌終了後、ゼラチン水溶液を加え、さらに1分間、十分に攪拌する。
4.約40℃の恒温装置の中で12〜24時間熟成させる。
5.適当な形に成形する。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その1)
結晶性糖アルコールとしてキシリトール(商品名:キシリット、東和化成工業株式会社製)120g、非結晶性糖アルコールとして固形分含有量70重量%の還元澱粉糖化物(商品名:PO−20、東和化成工業株式会社製)128.6g(固形物換算重量90.0g)、非結晶性糖アルコールとして粉末還元澱粉糖化物(商品名:PO−10、東和化成工業株式会社製)90gの糖アルコールを用いて、水30gを添加して約130℃まで加熱し糖アルコールを溶解させた後、室温で放冷し、ソフトキャンディ原料液(糖アルコール水溶液)を得た。
油脂としてショートニング(商品名:コルディー30、日清オイリオ株式会社製)27.6gを用い、そこに乳化剤としてレシチン(試薬鹿1級:関東化学株式会社製)0.4gとグリセリン脂肪酸エステル(商品名:SYグリスターTS−5S、坂本薬品工業株式会社製)1.0gを加えて60℃に加温して溶解させた。次いでこの溶液に、酒石酸塩として酒石酸水素カリウム(試薬SAJ特級、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)0.30g、種結晶用の糖アルコール粉末としてキシリトール粉末(商品名:キシリット微粉、東和化成工業株式会社製)50gを添加し、攪拌してスラリー状にしたものを60℃に加温し、これを上述の糖アルコール水溶液の温度が80℃になった時点で、徐々に添加しよく混合して、ソフトキャンデイ原料液を調製した。
次いで、ゲル化剤としてゼラチン(商品名:AP−100、新田ゼラチン株式会社製)4.0gを用い、それに水6.0gを加えて60℃に加温したゼラチン水溶液を調製し、それをソフトキャンデイ原料液中に添加し、ミキサー(品名:ケンミックスアイコーA−907D型、株式会社愛工舎製作所製)を用いて1分間攪拌した。
攪拌した上記ソフトキャンディ原料液を、内表面にラップフィルムが敷き詰められた半球状の容器(ボール)内に流し込み、周囲のラップフィルムで原料液を包み、これをボールから取り出して、室温下で約1時間放冷した。
放冷後、ラップフィルムに包まれた状態のまま40℃の恒温層に入れて24時間静置し、可塑性のソフトキャンディが得られた。包んでいたラップフィルムを取り外し、可塑性のソフトキャンディを3gづつ取り出して、専用のスタンピング方式による型抜き機に押し込んでスタンピングし、直径18.9mm、厚さ10.0mmの円盤状のシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品1とした。
型枠及び成形時の詳細は以下の通りである。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その2)
溶解してソフトキャンディ原料液として使用するキシリトールの使用量を142.5gに変更し、非結晶性糖アルコールであるPO−20の使用量を67.5g(固形物換算重量47.3g)に、非結晶性糖アルコールであるPO−10の使用量を110.3gにそれぞれ変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品2とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その3)
酒石酸塩として酒石酸水素カリウムに代わって酒石酸カリウムナトリウム四水和物(試薬特級、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)0.403g(固形物換算重量0.30g)を用いた他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品3とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その4)
酒石酸水素カリウムの添加量を0.038gに変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品4とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その5)
酒石酸水素カリウムの添加量を3.83gに変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品5とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その6)
酒石酸水素カリウムの添加量を11.5gに変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品6とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その7)
溶解してソフトキャンディ原料液として使用するキシリトールの使用量を135gに変更し、種結晶用に使用するキシリトール粉末の使用量を35gに変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品7とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その8)
ゲル化剤として使用するゼラチンの使用量を3.5gに変更し、別のゲル化剤としてカラギーナン0.5gを使用した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品8とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その9)
実施例1で使用した結晶性糖アルコールであるキシリトールをマルチトールに変更し、溶解してソフトキャンディ原料液として使用するマルチトール(商品名:アマルティMR50、東和化成工業株式会社製)の使用量を170g、種結晶用に使用するマルチトール粉末(商品名:レシス微粉、東和化成工業株式会社製)の使用量を90gに変更し、非結晶性糖アルコールであるPO−20の使用量を64.3g(固形物換算重量45.0g)に、非結晶性糖アルコールであるPO−10の使用量を45gにそれぞれ変更し、酒石酸水素カリウムの使用量を0.80gに変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品9とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その10)
実施例1で使用した結晶性糖アルコールであるキシリトールをソルビトールに変更し、溶解してソフトキャンディ原料液として使用するソルビトール(商品名:ソルビットDP50、東和化成工業株式会社製)の使用量を160g、種結晶用に使用するソルビトール粉末(商品名:ソルビットDP50、東和化成工業株式会社製)の使用量を60gに変更し、非結晶性糖アルコールであるPO−20の使用量を92.9g(固形物換算重量65.0g)に、非結晶性糖アルコールであるPO−10の使用量を65gにそれぞれ変更し、酒石酸水素カリウムの使用量を0.60gに変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品10とした。なお、種結晶用に使用したソルビトールは、50メッシュ篩を通過した粉末である。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その11)
実施例1で使用した結晶性糖アルコールであるキシリトールをラクチトールに変更し、溶解してソフトキャンディ原料液として使用するラクチトール一水和物(商品名:ミルヘン、東和化成工業株式会社製)の使用量を157.8g(固形物換算重量150.0g)、種結晶用に使用するラクチトール粉末(商品名:ミルヘン微粉、東和化成工業株式会社製)の使用量を21.04g(固形物換算重量20.0g)に変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品11とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その12)
実施例1で使用した結晶性糖アルコールであるキシリトールをマンニトールに変更し、溶解してソフトキャンディ原料液として使用するマンニトール(商品名:マンニットS、東和化成工業株式会社製)の使用量を80g、種結晶用に使用するマンニトール粉末(商品名:マンニットP、東和化成工業株式会社製)の使用量を10gに変更し、非結晶性糖アルコールであるPO−20の使用量を185.7g(固形物換算重量130.0g)に、非結晶性糖アルコールであるPO−10の使用量を130gにそれぞれ変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品12とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その13)
実施例1で使用した結晶性糖アルコールであるキシリトールを還元パラチノースに変更し、溶解してソフトキャンディ原料液として使用する還元パラチノース一水和物(商品名:パラチニットPNタイプ、新三井製糖株式会社製)の使用量を147.3g(固形物換算重量140.0g)、種結晶用に使用する還元パラチノース粉末(商品名:パラチニットPNPタイプ、新三井製糖株式会社製)の使用量を21.04g(固形物換算重量20.0g)に変更し、非結晶性糖アルコールであるPO−20の使用量を135.7g(固形物換算重量95.0g)に、非結晶性糖アルコールであるPO−10の使用量を95gにそれぞれ変更した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品13とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その14)
実施例1で使用した結晶性糖アルコールであるキシリトールをエリスリトールに変更し、溶解してソフトキャンディ原料液として使用するエリスリトール(商品名:エリスリトール、三菱化学フーズ株式会社製)の使用量を100g、種結晶用に使用するエリスリトール粉末(商品名:エリスリトール微粉、三菱化学フーズ株式会社製)の使用量を20gに変更し、非結晶性糖アルコールであるPO−20の使用量を164.3g(固形物換算重量115.0g)に、非結晶性糖アルコールであるPO−10の使用量を115gにそれぞれ変更した他は、実施例1と同一の方法で、シュガーレスソフトキャンディを調製し、これを実施品14とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その15)
溶解してソフトキャンディ原料液として使用するキシリトールの使用量を135gに変更し、種結晶用に使用するキシリトール粉末の使用量を35gに変更し、酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品1とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その16)
溶解してソフトキャンディ原料液として使用するキシリトールの使用量を135gに変更し、種結晶用に使用するキシリトール粉末の使用量を35gに変更し、酒石酸水素カリウムに代わってクエン酸(SAJ一級、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)0.30gを使用した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品2とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その17)
溶解してソフトキャンディ原料液として使用するキシリトールの使用量を135gに変更し、種結晶用に使用するキシリトール粉末の使用量を35gに変更し、酒石酸水素カリウムに代わって酒石酸(試薬特級、ナカライテスク株式会社製)0.30gを使用した他は、実施例1と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品3とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その18)
酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例9と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品4とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その19)
酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例10と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品5とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その20)
酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例11と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品6とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その21)
酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例12と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品7とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その22)
酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例13と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品8とした。
シュガーレスソフトキャンディの調製(その23)
酒石酸水素カリウムを使用しなかった他は、実施例14と同一の方法でシュガーレスソフトキャンディを調製し、これを比較品9とした。
実施例及び比較例で調製される各々のシュガーレスソフトキャンディについて、成形性を評価した。成形性とは、ソフトキャンディ原料に全ての成分を配合して調製された後の型抜きを行う際の加工性について評価した。評価は、◎:ベトつかず型抜きが容易であり非常に良好な成形性を備えている、○:ベトつきが少なく型抜きが容易であり良好な成形性を備えている、△:ベトつきがあり型抜きは容易でなく成形性は好ましくない、×:非常にベトついており型抜きには困難を要し成形性は悪い、以上の基準で評価した。
実施例及び比較例で調製される各々のシュガーレスソフトキャンディを噛んだ時の歯つきについて、訓練された専門のパネリストにより評価した。評価は、◎:噛んでも歯にくっつかず極めて良好な噛み心地を有する、○:初期は噛んでも歯つきが少なく暫く噛み続けると若干歯つきを感じる程度であり良好な噛み心地を有する、△:噛んだ時に歯つき感を感じ噛み心地が良くない、×:噛んだ時に歯つき感が強く噛み心地が悪い、以上の基準で評価した。
各実施例及び比較例で調製された、スタンピング工程前の段階で得られる可塑性のソフトキャンディを、平らな台の上に置き、それをローラーで厚さ10mmの均一な板状になるまで引延ばした。厚さ10mmの板状に引延ばした可塑性のソフトキャンディに、直径40mmの円形の型枠を押し込む型抜きを行い、直径40mm、厚さ10mm、1個の平均重量が15gの円盤状物を得て、これをソフトキャンディのダレを測定するサンプルとした。
各実施例及び比較例で調製された測定用サンプルを5個づつ用意し、それぞれを温度40℃、相対湿度65%に設定した恒温恒湿器内(型番:ETAC−FX210P、楠本化成株式会社製)に14日間保存し、保存前と保存後でのシュガーレスソフトキャンディの直径の変化を測定し、直径増加分を保存前の直径で除した値を増加率として、5個の増加率の平均値を%で表した。ダレの評価としては、増加率が25%以下であれば許容される範囲のダレの少なさであると判定され、好ましくは23%以下、特に好ましくは20%以下、最も好ましくは18%以下である。一方、増加率が30%を越えるとダレの評価としては好ましくないものと判定される。
各実施例及び比較例で調製された、1個の平均重量が3gで、直径18.9mm、厚さ10.0mmの円盤状のシュガーレスソフトキャンディを5個づつ用意し、それらをレオメーターにより鉛直方向に対象サンプル厚さの90%(9mmに相当する距離)までプランジャーを侵入させる方法で破断強度測定を行い、柔らかさを評価した。測定装置及び測定条件は以下の通りである。
○測定装置
レオメーター(型番:RE−33005−1、RE−33005−2、株式会社山電製)
プランジャー(型番:No.49、くさび型)
荷重センサー(20kgfロードセル、型番:LC−3305−2K、株式会社山電製)
サンプル厚さ計(型番:HC−3305−01、株式会社山電製)
○測定条件
格納ピッチ0.05秒
プランジャー進入速度1mm/sec
測定歪み率90%
解析用ソフトウェア(破断強度解析 BAS-3305W Ver.1.0004)、
酒石酸塩を添加することにより、固化に要する時間がどの程度改善されるかを確認するため、酒石酸塩を添加して調製される実施品1と、酒石酸塩を添加せずに調製される比較品1をサンプルとして、固化に要する時間を測定した。シュガーレスソフトキャンディの調製では、使用される原料全てを配合し、それを放冷した後、内表面にラップフィルムが敷き詰められた半球状の容器(ボール)内にソフトキャンディ原料液を流し込んで、これをボールから取り出して、室温下で約1時間放冷した。放冷後、ラップフィルムに包まれた状態のまま40℃の恒温層に入れ静置した。本発明では、ソフトキャンディ原料液を恒温層内に設置した時点を起点として固化に要する時間を測定した。固化の判定は、ラップフィルムに包まれたシュガーレスソフトキャンディの表面を指で直接触った時に、ベトついた感覚が完全になくなった時点で固化したものとみなした。
Claims (4)
- 非結晶性糖アルコールと結晶性糖アルコールとの混合物を主成分とし、固形物換算で0.001〜5.000重量%の酒石酸塩を含有するシュガーレスソフトキャンディ。
- 非結晶性糖アルコールと結晶性糖アルコールとの比率が5:95〜95:5である混合物を固形物換算で60.0〜99.9重量%含有する、請求項1に記載のシュガーレスソフトキャンディ。
- 非結晶性糖アルコールと結晶性糖アルコールとの混合液から、酒石酸塩の存在下で結晶性糖アルコールの晶出を行うことを特徴とするシュガーレスソフトキャンディの製造方法。
- 固形物含有量が80重量%以上になるまで非結晶性糖アルコールと結晶性糖アルコールとの混合液を煮詰め、油脂、乳化剤、酒石酸塩、粉末状の結晶性糖アルコールを添加し、次いでゲル化剤を加え、熟成後、成形することを特徴とするシュガーレスソフトキャンディの製造方法。
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