JP4383847B2 - 易開封性複合フィルム - Google Patents

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Description

本発明は主に食品容器用イージーピール蓋材に関するもので、例えばゼリー用等のPP/EVOH/PP容器等のPPをシール層とする高酸素バリアー容器の蓋材として、良好な酸素バリアー性、イージーピール性を兼ね備えた有効なフィルムを提案するものである。また本発明はレトルト殺菌処理が可能なフィルムを提供するものである。
近年、食品容器用の蓋材は開封性を考慮しイージーピール性を付与したタイプが主に使用されている。しかし現在のイージーピールフィルムは、イージーピールの性能のみを有するだけのもので、酸素バリアー性、突き刺し強度等はそれぞれ他のフィルムを貼合せることにより対応していた。代表例としてはONy//EVOH//イージーピールの3種のフィルムをそれぞれドライラミネートしたものが挙げられる。また、本明細書では“/”は共押出で、//はドライラミネションで層を接着させることを意味する。
また、特許文献−1には、PET//EVOH/Ny/接着層/PP/イージピールの構成のフィルムが開示されている。しかしこのフィルムは、シール層に耐熱性の低いポリオレフィンを配合しているため、耐熱性が低くボイルした湯を使用する用途には適さない。また、PETはボイルしても収縮しないため素材の張りが悪くて好ましくない。
特開平11−34245号公報 特開平4−304253号公報 特開平6−345919号公報
従来品のONy//EVOH//イージーピール構成では、EVOHフィルムの厚さがその製膜性のため最小12μmとそれ以上薄いフィルムの製膜が困難であるため、必要以上に酸素バリアー性の高いフィルムを使用しなければならず、コスト高となっていた。またラミネートを2回行わなければならないため、生産性が悪く更にコストを引き上げていた。さらには従来の対PP用のイージーピール材はシール温度が高く、夾雑物が存在するとシールの付きが甘く、輸送中等に破袋が発生する場合があり、挟雑物シール性に劣っていた。
逆に低温シール性を上げたホットメルトタイプの樹脂をシール層に用いたタイプでは、ホットタック性が悪くシール直後力がかかると剥離してしまったり、パック後ボイル・レトルト殺菌を行うと剥離してしまうという問題があった。また、EVOH//イージーピールの層間をドライラミネートするため、残留溶剤がバリアー性の低いイージーピール材を透過して内容物である食品に移行して臭いを吸着させたり風味を損ねたり内容物を汚染する可能性があった。
本発明は上記問題点を解消できる易開封性複合フィルムを見出したものであり、前記の目的は以下の手段によって達成される。
[1]少なくともポリアミド層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着性樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側に二軸延伸ポリアミドフィルム(以下ONy)をドライラミネートした、レトルト用の易開封性複合フィルムであって、前記接着樹脂層が、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂よりなり、前記イージーピール層が、融点120〜140℃のポリプロピレン系樹脂40〜80質量%、密度が0.910以上、0.940以下である低密度のポリエチレン60〜20質量%の範囲でブレンドされている樹脂組成物よりなることを特徴とする易開封性複合フィルム。
[2]前記イージーピール層に用いる前記ポリプロピレン系樹脂が、シングルサイト系触媒により重合されたことを特徴とする[1]記載の易開封性複合フィルム。
[3]少なくともポリアミド層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着性樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側に二軸延伸ポリアミドフィルム(以下ONy)をドライラミネートした、レトルト用の易開封性複合フィルムであって、前記接着樹脂層が、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂よりなり、前記イージーピール層が、結晶性ポリブテン樹脂40〜80質量%、密度が0.910以上、0.940以下である低密度のポリエチレン60〜20質量%の範囲でブレンドされている樹脂組成物よりなることを特徴とする易開封性複合フィルム。
[4]中間層の前記ポリアミド樹脂が、6ナイロン又は6−66Nyであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
[5]前記ONyのラミネート面側に印刷を施したことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
[6]前記イージーピール層の厚さが1〜7μmであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
[7]前記ONyの熱水中での収縮率が0.5〜3%(100℃×30分)であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
[8]容器のポリプロピレン層と接着させた状態で、温度120℃以下、時間120分以下のレトルト殺菌を行っても層間で剥離することがないことを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の易開封性複合フィルムを蓋材として用い、容器のポリプロピレン層と接着させたレトルト用包装体。
本発明によって、高酸素バリアー容器の蓋材として、良好な酸素バリアー性、イージーピール性を兼ね備えた有効なフィルムを提供することが可能となった。また本発明はレトッルト殺菌処理が可能なフィルムを提供するものである。
本発明におけるフィルムは少なくともエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側にONyをドライラミネートすることを特徴とする。さらに前記共押出フィルムとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層側にさらにポリアミド樹脂層を含むポリアミド層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着性樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層を用い、該ポリアミド層に二軸延伸ポリアミドフィルム(以下ONy)をドライラミネートしたことを特徴とする易開封性複合フィルム。
ここでエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂の種類は特に限定されないがエチレン含有量29〜47モル%(好ましくは32〜44モル%)、ケン化度が90モル%以上(好ましくは95モル%以上)のものが共押出適性、フィルムの強度の点で好適に使用できる。また、レトルト用の場合では耐熱水性を向上しレトルト後の白化を防止した特許文献−2及び特許文献−3の特許請求の範囲や実施例に記載されているような特殊なタイプのEVOHを使用することが有効である。
特許文献−2の特許請求の範囲にはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とポリアミド樹脂混合物に有機酸を0.2〜2重量%添加した組成物が開示され、特許文献−3の特許請求の範囲にはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、末端変性したポリアミド樹脂、ヒンダードフェノール系化合物及び脂肪酸のアルカリ金属塩よりなる組成物が開示されているが、これ等を本願発明におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物として使用することができる。
ポリアミド樹脂の種類も特に限定されないが、強度及び接着性樹脂との接着強度の点で6ナイロン及び6−66共重合ナイロンが好適に使用できる。当該2種のナイロンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層との層間接着強度も強く好ましい。また、ポリアミド層を2層使用する場合には同一のものを用いると、レトルト中の収縮挙動等の物性が一致するので好ましい。
接着性樹脂はポリアミド樹脂層とポリプロピレン樹脂層を必要な強度に接着することができれば特に限定されないが、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂が好適に用いられ、かかる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。またこれら不飽和カルボン酸のエステルや無水物も用いることができ、更に誘導体としてアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム等を用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、およびこれらの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等を使用することができる。この中ではポリプロピレンに前記不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合したものが好ましく用いられる。例えば、三井化学(株)製、商品名アドマーが市販されており、これを使用するのが好ましい。この中でも特にポリアミドとポリプロピレンとの接着であるので、ポリプロピレンをベースとしたものが特に好ましい。
ポリプロピレン樹脂層に用いるポリプロピレンは特に限定されず、ホモタイプ、エチレンとのランダムコーポリマータイプ、エチレンとのブロックコーポリマータイプ、シングルサイト触媒系、例えばメタロセン系触媒を用いて重合したプロピレン(コ)ポリマー等が使用できるが、透明性の点ではエチレンとのランダムコーポリマータイプまたはメタロセン系触媒を用いて重合したプロピレン(コ)ポリマーが有用であるが、高温シール時のイージーピール強度安定性の点からは、融点が高く剛性のあるホモタイプが好適に使用できる。
イージーピール層はイージーピール強度安定性の点から凝集破壊タイプであることが好ましく、プロピレン系樹脂をベースに凝集力を低下させる樹脂を添加することにより得ることができる。凝集破壊層の配合物は特に限定されないが、ポリプロピレンと低密度のポリエチレンのブレンドタイプ等が有用である。
特に低温シール性、夾雑物シール性を向上させるために、融点120℃〜140℃(更に好ましくは120〜130℃)のプロピレン系樹脂、例えばプロピレン−エチレンランダム共重合タイプ、プロピレン−エチレン−ブテンの三元共重合タイプ等が用いられ、特にシングルサイト触媒系、例えばメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン系樹脂が好ましい。
メタロセン系触媒に代表される触媒系は、従来の塩化チタン系触媒とは異なって重合の活性点の構造が1種であることからシングルサイト系触媒と言われており、特にオレフィン同士の共重合の場合には組成の均一な共重合体が生成するので結晶性分布が狭く、低融点でありながら耐熱性が良好な共重合体が得られるので本発明では特に好ましい。
本発明のイージーピール層は、該ポリプロピレン系樹脂40〜80質量%、低密度のポリエチレン60〜20質量%の範囲でブレンドされた組成物が好適に使用できる。
ここでポリプロピレンの融点が120℃以上ではシール直後のホットタック性が十分で破袋を起こしにくく、パック後のボイル・レトルト殺菌時に破袋が発生しないので好ましい。また融点が140℃以下ではシール温度が適当で、夾雑物シール性も良好で好ましい。
またポリプロピレンの比率が40質量%を超えると容器であるポリプロピレンとのシール性が良好で、融点の低い低密度ポリエチレンの比率が適当で、耐熱性の問題が発生しない。また、逆に80質量%未満では凝集破壊強度が適当で、イージーピール強度が適当で好ましい。
本発明で使用できる低密度のポリエチレンとしては、密度が0.91〜0.94、好ましくは0.91〜0.93であるものが、限定されずに使用でき、例えば高圧法低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体であるLLDPE等が使用できる。この中では、高圧法低密度ポリエチレンが少量の添加でPPの凝集力を効果的に低下させることができるので耐熱性を維持しやすいので特に好ましい。
イージーピール層のベースレジンとしては上記ポリプロピレン系樹脂の他にも、容器であるポリプロピレンとの接着性(シール性)の良好な結晶性ポリブテン樹脂を使用することもできる。
これらの中でも、シングルサイト触媒を用いて重合したプロピレン(コ)ポリマーと低密度のポリエチレンの組み合わせが低温シール性、夾雑物シール性も良好で更にはホットタック性も良好であるため、好適に使用できる。
イージーピール層の厚さは1〜7μm(より好ましくは1〜5μm)であることが好ましい。これは凝集破壊タイプのイージーピール材はイージーピール層の厚さが厚くなるほどケバ立ちが発生し易くなるためで、7μmを越えるとケバ立ちが発生し易くなる。逆に1μm未満ではシール時の熱と圧力でイージーピール層が無くなってしまい、イージーピール強度が不安定となる。イージーピール層の隣接層のポリプロピレン層が表面に出てくると容器シーラントのPPと完全にくっついてしまい非常に重たいシールとなってしまう。
イージーピール強度は4.9〜19.6N/15mm幅より好ましくは7.8〜17.6N/15mm幅、更に好ましくは9.8〜14.7N/15mm幅が好適であるが、これは4.9N/15mm幅未満ではイージーピール強度が弱く輸送中に破袋の危険性が高くなるためで、逆に19.6N/15mm幅を越えるとイージーピール強度が重たくなり過ぎ開封性が悪くなる。ここでイージーピール強度とは、500μmのPP単層シートと本発明のフィルムを最も好適と思われるシール温度でシールを行い、15mm幅の短冊状に切り取った試料を引張試験機で、凝集破壊層で剥離(引張速度200mm/min)したときの強度のことである。
本発明においてフィルムの構成は少なくともエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側にONyをドライラミネートするものとなっているが、ここで共押出フィルムは基本的の当該順序であることが理想的である。バリアー層のEVOHを外層としたのは表面の濡れ性が良好であるため、ONyとドライラミネートをする場合接着剤とのなじみが良く、コロナ処理等の表面処理なしで良好な接着強度が得られるためである。強度層として用いられるNyはEVOHと共押出すると非常になじみが良好で強い層間接着性が得られる。またEVOHに比べNyの方が接着性樹脂との接着強度が出やすいため好適である。接着性樹脂にPP系のものを用いればPP樹脂層との層間強度も非常に強固となり、さらにはイージーピール層のベースレジンにもPP系のものを用いれば共押出フィルム及びONyとドライラミネートした本発明のフィルム全体の層間強度が強固となるため、非常に有用である。共押出フィルムの層間強度が弱いと、イージーピールによる剥離時イージーピール層ではなく共押出フィルムの層間で剥離が発生してしまうため、良好なイージーピール性が得られないという致命的欠陥を引き起こしてしまうことになる。従って本発明の少なくともエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側にONyをドライラミネートしたフィルムは全体の層間強度が非常に強固であり、イージーピール層によるスムーズな剥離が得られることになる。
レトルト用の場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層(EVO層)/ポリアミド樹脂層/接着樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムを用いて、外側のEVO層側にONyをドライラミネートしたフィルムはレトルト時にEVOH層が軟らかくなった状態でONyが収縮した場合、ONyとEVOHの層間で剥離が発生する可能性が高くなるが、ポリアミド樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層(EVO層)/ポリアミド樹脂層/接着樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層を用いればEVOHは耐熱性の高い無延伸ポリアミド樹脂層で挟みこまれた形となるため、レトルト中の層剥離を防止することができる。
イージーピール層以外の層の厚さは適宜、目的によって決定されるが、例えば以下の厚さのものが好ましくまたは特に好ましく用いられる。

好ましい 特に好ま
しい
厚さ 厚さ
(μm) (μm)
ポリアミド層 1〜10 1〜5
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン 3〜15 3〜5
化物樹脂層
ポリアミド樹脂層 5〜10 10〜20
接着性樹脂層 5〜10 5〜8
ポリプロピレン樹脂層 10〜40 10〜30
イージーピール層 1〜7 1〜5
本発明のフィルムが使用される分野は主に食品の容器包装用蓋材であるが、代表的な容器としてはPP/EVOH/PPの共押出シートをカップ状に熱成形したものが挙げられる。内容物としてはゼリー、水羊羹等が考えられる。従来当該蓋材にはONy//EVOH//イージーピール構成が使用されていたが、このフィルムはONy、EVOH、イージーピールフィルムの3種のフィルムをそれぞれドライラミネートすることにより製造されていたためいくつかの問題があった。ひとつにはEVOH単層フィルムの製膜が難しく、最も薄いものでも12μmと酸素バリアー性を過剰に配することを余儀なくされた。またEVOH//イージーピールの層間もドライラミネートされているため、残留溶剤がバリアー性のほとんどないイージーピール材を透過して内容物の食品に臭いを吸着させたり、味覚を損ねたり特にレトルト殺菌時等の熱処理後に問題となることがあった。さらにはドライラミネートを2度行わなければならないため加工に手間がかかるという問題もあった。本発明のフィルムはEVOHを単層ではなく、Nyやイージーピール層と共押出しているためEVOHを必要最小限に配することが可能で、またEVOHの内側にはドライラミネートが行われないため内容物への溶剤の移行が防止できる。さらにはドライラミネートの回数を1回に減らすことが可能なため、生産性も向上、コストも削減できる。
本発明で共押出フィルムの外側に貼り合わせる基材としてONyを使用しているが、これは熱水による収縮性のためで、パック後ボイル、レトルト殺菌が行われることにより蓋材フィルムが若干収縮し、蓋材の張りがよくなることを目的としている。ONyはボイル用では熱水収縮率タテ1.8%、ヨコ3.6%程度(沸騰水×30分)の通常品が使用できるが、レトルト用の場合は熱水収縮率がタテ1.4%、ヨコ2.7%程度の低収縮タイプを使用することが好ましい。またONyの厚さは一般的な15μm品を使用できるが25μm品を使用した方が蓋材としての腰が出て好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下に示す実施例1〜4は本発明に関連する参考例であり、以下に示す実施例5〜8が本発明の範囲に含まれる実施例である。
実施例1〜4および比較例1〜7のフィルムを共押出法または共押出法とドライラミネート法の組み合わせにて製膜し、評価を行った。(/は共押出、//はドライラミネート)。
実施例及び比較例で用いた原料を下記に示す。
ONy :サニトール SNR、(商品名:三菱樹脂(株)社製)
収縮率が(100℃×30分)がタテ1.8%、ヨコ2.3%である。
EVOH:ソアノール ET3803(商品名:日本合成化学工業(株)
社製)
6Ny :ノバミッド 1030(商品名:三菱エンジニアリングプラ
スチックス社(株)製)
6−66Ny:ノバミッド 2030(商品名:三菱エンジニアリング
プラスチックス(株)社製)
AD :アドマーQF551(商品名:三井化学(株)社製)
PP :ノバテックPP FG3D(商品名:日本ポリケム(株)
社製)
メタロセンPP:メタロセン触媒を用いて重合したアイソタクティックプロピレン/エチレンランダム共重合体で融点125℃
LDPE:ノバテックLD LF240(商品名:日本ポリケム(株)
社製)
イージーピールフィルム:CMPS013C、CMPS017C(商品
名:東セロ(株)社製)
ポリエステル(PET):ダイアホイル H500(商品名:三菱化学
ポリエステルフィルム(株)社製)
2軸延伸PP(OPP):トレファンB2545(商品名:東レ(株)
社製)
VMPET:テックバリアV(商品名:三菱樹脂(株)社製)
(VMPET:透明蒸着PET)
実施例を以下に示す。
(実施例1)
ONy//EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
15 10 10 5 40 5
(数値は各層の厚さμmを示す。)
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(実施例2)
ONy//EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
25 7 10 5 33 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(実施例3)
ONy//EVOH/6−66Ny/AD/PP/イージーピール
25 5 20 8 24 3
イージーピール層
ランダムPP(65質量%)
LDPE (35質量%)
(実施例4)
ONy//EVOH/6−66Ny/AD/PP/イージーピール
25 8 10 5 30 7
イージーピール層
ポリブテン−1(70質量%)
LLDPE (30質量%)
比較例を以下に示す。
(比較例1)
ONy//EVOH//CMPS013C)
25 15 50
(比較例2)
ONy//EVOH//CMPS017C
25 15 50
(比較例3)
PET//EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
12 10 10 5 40 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例4)
OPP//EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
20 10 10 5 40 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例5)
ONy//EVOH/AD/PP/イージーピール
25 15 10 30 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例6)
ONy//6Ny/EVOH/AD/PP/イージーピール
25 10 10 10 25 5
イージーピール
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例7)
ONy//VMPET//CMPS017C
25 12 50
実施例、比較例のフィルムを蓋材として用いた場合の評価方法を以下に示す。
<評価方法>
上記各フィルムを用いて、PP/EVOH/PPのカップにゼリーを入れ、各々の蓋材で最も適切と考えられるシール温度でヒートシールを行った後、90℃×20分間のボイルを行った。
・最低シール温度:シール温度を徐々に上げて、シールの界面での剥離から、凝集破壊層で完全に剥離するようになった最低シール温度。
・開封性:良好なものを○、蓋材層間でのデラミが発生したものを×とした。
・蓋材の張り:ボイル後の蓋材の張りの良いものを○、悪いものを×とした。
・耐レトルト適性:レトルト後蓋材にデラミが生じているものを×、デラミの発生が無かったものを○とした。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004383847
実施例5〜8および比較例8〜15のフィルムを共押出法または共押出法とドライラミネート法の組み合わせにて製膜し、評価を行った。
(以下レトルト用のフィルムです。)
(実施例5)
ONy//6Ny/EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
15 10 10 10 5 30 5
イージーピール層
メタロセンPP(75質量%)
LDPE (25質量%)
(実施例6)
ONy//6Ny/EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
25 5 7 5 5 33 5
イージーピール層
メタロセンPP(75質量%)
LDPE (25質量%)
(実施例7)
ONy//6Ny/EVOH/6−66Ny/AD/PP/イージーピール
25 5 5 10 5 32 3
イージーピール層
ランダムPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(実施例8)
ONy//6−66Ny/EVOH/6−66Ny/AD/PP/イージーピール
25 10 10 5 5 23 7
イージーピール層
ポリブテン−1(75質量%)
LLDPE (25質量%)
(比較例8)
ONy//EVOH//CMPS013C(東セロ(株)社製)
25 15 50
(比較例9)
ONy//EVOH//CMPS017C(東セロ(株)社製)
25 15 50
(比較例10)
PET//EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
12 10 10 5 40 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例11)
OPP//EVOH/6Ny/AD/PP/イージーピール
20 10 10 5 40 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例12)
ONy//EVOH/AD/PP/イージーピール
25 15 10 30 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例13)
ONy//6Ny/EVOH/AD/PP/イージーピール
25 10 10 10 25 5
イージーピール層
メタロセンPP(70質量%)
LDPE (30質量%)
(比較例14)
ONy//VMPET//CMPS017C
25 12 50
Figure 0004383847

Claims (9)

  1. 少なくともポリアミド層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着性樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側に二軸延伸ポリアミドフィルム(以下ONy)をドライラミネートした、レトルト用の易開封性複合フィルムであって、
    前記接着樹脂層が、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂よりなり、
    前記イージーピール層が、融点120〜140℃のポリプロピレン系樹脂40〜80質量%、密度が0.910以上、0.940以下である低密度のポリエチレン60〜20質量%の範囲でブレンドされている樹脂組成物よりなることを特徴とする易開封性複合フィルム。
  2. 前記イージーピール層に用いる前記ポリプロピレン系樹脂シングルサイト系触媒により重合されたことを特徴とする請求項に記載の易開封性複合フィルム。
  3. 少なくともポリアミド層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/ポリアミド樹脂層/接着性樹脂層/ポリプロピレン樹脂層/イージーピール層からなる共押出フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層側に二軸延伸ポリアミドフィルム(以下ONy)をドライラミネートした、レトルト用の易開封性複合フィルムであって、
    前記接着樹脂層が、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂よりなり、
    前記イージーピール層が、結晶性ポリブテン樹脂40〜80質量%、密度が0.910以上、0.940以下である低密度のポリエチレン60〜20質量%の範囲でブレンドされている樹脂組成物よりなることを特徴とする易開封性複合フィルム。
  4. 中間層の前記ポリアミド樹脂が6ナイロン又は6−66Nyであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
  5. 前記ONyのラミネート面側に印刷を施したことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
  6. 前記イージーピール層の厚さが1〜7μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
  7. 前記ONyの熱水中での収縮率が0.5〜3%(100℃×30分)であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
  8. 容器のポリプロピレン層と接着させた状態で、温度120℃以下、時間120分以下のレトルト殺菌を行っても層間で剥離することがないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の易開封性複合フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の易開封性複合フィルムを蓋材として用い、容器のポリプロピレン層と接着させたレトルト用包装体。
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