JP4382790B2 - 電子放出ディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は電子放出ディスプレイに係り、より詳しくは、電子放出部から放出された電子ビームを集束する集束電極が改善された電子放出ディスプレイに関するものである。
一般的に、電子放出素子(electron emission element)は、電子源の種類によって熱陰極(hot cathode)を利用する方式と、冷陰極(cold cathode)を利用する方式とに分類することができる。
ここで、冷陰極を利用する方式の電子放出素子には、電界放出アレイ(Field Emitter Array;FEA)型、表面電導エミッション(Surface−Conduction Emission;SCE)型、金属−絶縁層−金属(Metal−Insulator−Metal;MIM)型、及び金属−絶縁層−半導体(Metal−Insulator−Semiconductor;MIS)型などが知られている。
この中でFEA型電子放出素子は、電子放出部と、この電子放出部の電子放出を制御する駆動電極として、一つのカソード電極と一つのゲート電極を備え、電子放出部の構成物質として仕事関数が低いか又は縦横比が大きい物質、例えば、モリブデン(Mo)又はシリコン(Si)などを主材質にする先端の尖っているチップ構造物や、炭素ナノチューブと黒鉛及びダイアモンド状カーボンのような炭素系物質を使用して、真空中で電界によって容易に電子が放出される原理を利用する。
一方、電子放出素子は、一つの基板にアレイを成して形成されて電子放出デバイスを構成し、電子放出デバイスは、蛍光層とアノード電極などからなる発光ユニットが備えられた他の基板と結合して、電子放出ディスプレイ(electron emission display device)を構成する。
つまり、通常の電子放出デバイスは、電子放出部と共に、走査電極とデータ電極で機能する複数の駆動電極を備えて、電子放出部と駆動電極の作用により画素別電子放出のオン/オフと電子放出量を制御する。そして、電子放出ディスプレイは、電子放出部から放出した電子により蛍光層を励起させて、所定の発光又は表示作用を果たす。
電子放出ディスプレイは、真空容器を構成する両基板の間隔を維持させるように、内部に多数のスペーサを備える。このスペーサは、電子の流れが持続的に発生する真空の内部空間に露出されて、電子放出部から放出される電子と衝突してチャージングされる。
チャージングされたスペーサは、電子放出部から放出される電子を一側に押したり引き寄せて電子ビームの経路を歪曲させ、そのために蛍光層の非発光領域を増加させる。
このようなスペーサによる電子ビームの歪曲現象を防止するために、スペーサ表面にコーティング層を付加したり、スペーサと電極とを連結する構造が開示されたことがあるが、これは、スペーサにチャージングされた電荷を電極を通して外部に放電(dischargine)させる構造である。
しかし、このようなスペーサは、電極との接触不良などによってチャージングされた電荷を効率的に放電させるには限界があり、そのために電子ビームの直進性を確保することが難しい。
したがって、本発明はこのような問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、電子ビーム周囲の等電位線を変化させて、スペーサのチャージングによる電子ビームの走査歪曲現象を補償できる電子放出ディスプレイを提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明の実施例による電子放出ディスプレイは、互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板上に提供される駆動電極と、前記駆動電極によって制御される電子放出部と、前記電極と絶縁して前記駆動電極上に位置し、電子ビーム通過のための開口部を形成する集束電極と、前記第2基板の一面に形成される蛍光層と、前記蛍光層のある一面に形成されるアノード電極と、及び前記第1基板と前記第2基板の間隔を維持させる複数のスペーサとを含み、前記集束電極は、ポテンシャルウエルを形成する電位制御部を備え、前記電位制御部とスペーサが、前記開口部を隔てて互いに対応する位置に配置される。
また、前記電位制御部は、前記集束電極の一部を除去することによって形成されることができる。
また、前記電位制御部は、前記集束電極の下部に形成された絶縁層を前記真空容器の内部空間に露出させるまた他の開口部からなることができる。
また、前記集束電極は単一の本体からなり、この時、前記スペーサは前記集束電極上に位置することができる。
また、前記スペーサは壁体型に形成されることができ、この時、前記電位制御部は、前記スペーサの長さ方向に沿って一体に形成されたり、その長さ方向に沿って少なくとも二つ以上に分離形成されることができる。
本発明の実施例による電子放出ディスプレイは、集束電極にポテンシャルウエルを形成する電位制御部を備えることによって、スペーサのチャージングによって発生する電子ビームの歪曲現象を除去し、したがって、蛍光層の非発光領域を減らすことができるので、高画質の映像を実現することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は色々な相違した形態に実現でき、ここで説明する実施例に限られない。
図1は、本発明の一実施例による電子放出ディスプレイの部分分解斜視図であり、図2は、図1に示された電子放出ディスプレイの部分断面図であり、図3は、図1に示された電子放出デバイスの部分平面図である。
図面を参照すれば、本発明の一実施例による電子放出ディスプレイ1は、所定の間隔をおいて平行に対向配置される第1基板2と第2基板4を含む。第1基板2と第2基板4の周縁には密封部材(図示せず)が配置されて両基板を接合させ、内部空間がほぼ10−6torrの真空度に排気されて、第1基板2と第2基板4及び密封部材が真空容器を構成する。
前記第1基板2の第2基板4との対向面には、電子放出素子がアレイを成して配置されて、第1基板2と共に電子放出デバイス100を構成し、電子放出デバイス100が第2基板4及び第2基板4に提供された発光ユニット200と結合して、電子放出ディスプレイ1を構成する。
まず、第1基板2の上には、第1駆動電極であるカソード電極6が第1基板2の一方向(図1でy軸方向)に沿って帯状パターンに形成され、カソード電極6を覆いながら、第1基板2全体に第1絶縁層8が形成される。第1絶縁層8の上には、第2駆動電極であるゲート電極10がカソード電極6と直交する方向(図1でx軸方向)に沿って帯状パターンに形成される。
前記カソード電極6とゲート電極10の交差領域が単位画素を成し、カソード電極6の上に、各単位画素ごとに電子放出部12が形成される。そして、第1絶縁層8とゲート電極10には、各電子放出部12に対応する開口部82、102が形成されて、第1基板2上に電子放出部12が露出されるようにする。
電子放出部12は、真空中で電界が加えられると電子を放出する物質、例えば、炭素系物質又はナノメートルサイズの物質からなることができる。電子放出部12は、炭素ナノチューブ(CNT)、黒鉛、黒鉛ナノファイバー、ダイヤモンド、ダイアモンド状カーボン(DLC)、フラーレン(C60)、シリコンナノワイヤー又はこれらの組み合わせ物質を含むことができる。
他方、電子放出部は、モリブデン(Mo)又はシリコン(Si)などを主材質にする先端が尖っているチップ構造物からなることができる。
電子放出部12は、各単位画素でカソード電極6とゲート電極10のうちのいずれか一つの電極、例えば、カソード電極6の長さ方向に沿って一列に位置することができ、円形の平面形状を有するように形成されることができる。単位画素別電子放出部12の配列形状と電子放出部12の平面形状は示した例に限定されず、多様に変形可能である。
また、前記では、第1絶縁層8を隔ててゲート電極10がカソード電極6の上部に位置する構造について説明したが、ゲート電極が第1絶縁層を隔ててカソード電極の下部に位置する構造も可能であり、この場合、電子放出部は、第1絶縁層の上でカソード電極の側面に形成されることができる。
そして、ゲート電極10と第1絶縁層8の上に集束電極14が形成される。集束電極14の下部には第2絶縁層16が位置して、ゲート電極10と集束電極14を絶縁させ、集束電極14と第2絶縁層16にも、電子ビーム通過のための開口部142、162が各々備えられる。
集束電極14の開口部142は、単位画素ごとに一つずつ形成されて、集束電極14が一つの単位画素から放出される電子を包括的に集束したり、各ゲート電極10の開口部102ごとに一つずつ形成されて、各電子放出部12から放出される電子を個別的に集束することができる。図面では、一例として前者の場合を示した。
また、集束電極14は、第1基板2全体に単一の本体を成して形成されたり、所定のパターンに分けて複数に分離形成されることができる。
次に、第1基板2に対向する第2基板4の一面には、蛍光層18、一例として赤色、緑色、及び青色の蛍光層18R、18G、18Bが互いに任意の間隔をおいて形成され、各蛍光層18の間に、画面のコントラスト向上のための黒色層20が形成される。蛍光層18は、第1基板2に設定された単位画素ごとに一つの蛍光層18が対応するように配置されることができる。
そして、蛍光層18と黒色層20の一面には、アルミニウム(Al)のような金属膜からなるアノード電極22が形成される。アノード電極22は、外部から電子ビームの加速に必要な高電圧の印加を受けて蛍光層18を高電位状態に維持させ、蛍光層18から放射された可視光の中、第1基板2に向かって放射された可視光を第2基板4側に反射させて、画面の輝度を高める。
一方、アノード電極は、金属膜でないインジウムスズ酸化物(ITO)のような透明導電膜からなることができる。この場合、アノード電極は、第2基板4に向かった蛍光層18と黒色層20の一面に位置する。また、アノード電極は、前述の透明導電膜と金属膜を同時に使用する構造も可能である。
そして、第1基板2と第2基板4との間には、真空容器に加えられる圧縮力を支持し、両基板の間隔を一定に維持させるスペーサ24が配置される。スペーサ24は、蛍光層18を侵さないように黒色層20に対応して位置する。スペーサ24は、壁体型、円柱型などの多様な形状を有することができるが、図1では、一例として壁体型スペーサを示した。
本実施例で集束電極14は、電子ビームの直進性を付与するように、ポテンシャルウエル(potential well)を形成する電位制御部を備える。電位制御部は図1に示されているように、集束電極14の一部が除去されて第2絶縁層16を第1基板2の上に露出させるまた他の開口部144からなることができる。以下では、便宜上、電子ビーム通過のための開口部を第1開口部といい、電位制御部を構成する開口部を第2開口部という。
第2開口部144は、集束電極14の表面に沿って形成される等電位線を、周囲より低い電位を有するように、第2基板4に向かって凹むように形成されたポテンシャルウエル(E)を形成する。このポテンシャルウエル(E)は、第2基板4に向かって進行する電子ビームを引き寄せて、直進できずにポテンシャルウエル(E)から遠くなろうとする電子ビームを引き寄せ、電子ビーム経路の直進性を向上させる機能をする。
第2開口部144は、第1開口部142を隔ててスペーサ24と対応する位置に形成されることができる。これは2次電子放出などによって、例えば、陽電荷にチャージングされたスペーサ24が第1開口部142を通過する電子ビームを引き寄せて電子ビームの経路を歪曲させること(図2の実線矢印方向状態のように電子ビームの経路が曲がった状態)を防止するためのである。つまり、第1開口部142を中心に、スペーサ24と対向する位置にポテンシャルウエル(E)を形成して、スペーサ24が第1開口部142を通過する電子ビームを引き寄せる力とポテンシャルウエル(E)によって引き寄せる力とが互いに均衡を成し、電子ビームの直進性(図2の点線矢印状態)を維持するようにする。
図3は、壁体型スペーサ24の長さ方向に沿ってポテンシャルウエルが形成されるように、第2開口部144が一体に形成された例を示す。第2開口部144は図3に示されているように、長方形に形成されることができる。
図4は、本発明の他の実施例による電子放出デバイスの部分平面図であって、集束電極14’の第2開口部146がスペーサ24’の長さ方向に沿って多数分離形成されたことを示す。この時、第2開口部146は、第1開口部142’と互いに一対一対応しながら形成されることができる。
図5は、本発明のまた他の実施例による電子放出デバイスの部分平面図である。
図5を参照すれば、柱型、例えば、円柱型スペーサ24”が配置された場合にも、集束電極14”は前記壁体型スペーサ24と同様に、第1開口部142”を中心に、円柱型スペーサ24”と対応する位置に電位制御部である第2開口部148を備えることができる。
図4及び図5において、符号12’、12”は電子放出部を示す。
前述のように第2開口部の形状、位置、配列及び大きさは、スペーサの形状、チャージングされた電荷の種類、電子ビームの歪曲程度などによって多様に変更できる。
前記構成の電子放出ディスプレイは、外部からカソード電極6、ゲート電極10、集束電極14、及びアノード電極22に、所定の電圧を供給して駆動する。
一例として、カソード電極6とゲート電極10のうちのいずれか一方の電極が走査駆動電圧の印加を受けて走査電極として機能し、他方の電極がデータ駆動電圧の印加を受けてデータ電極として機能する。そして、集束電極14は集束に必要な電圧、例えば、0V又は数乃至数十ボルトの陰の直流電圧の印加を受け、アノード電極22は、電子ビーム加速に必要な電圧、例えば、数百乃至数千ボルトの陽の直流電圧の印加を受ける。
そうすれば、カソード電極6とゲート電極10との間の電圧差が臨界値以上である単位画素で、電子放出部12の周囲に電界が形成されて、これから電子が放出される。放出された電子は、集束電極14の第1開口部142を通過しながら電子ビーム束の中心部に集束され、アノード電極22に印加された高電圧に引き寄せられて、対応する単位画素の蛍光層18に衝突することによってこれを発光させる。
前述の駆動過程において、スペーサ24が陽電荷にチャージングされて第1開口部142を通過する電子ビームを引き寄せても、その反対側に第2開口部144、146、148がポテンシャルウエルを形成して電子ビームを引き寄せるので、スペーサ24が作用する引力とポテンシャルウエルが作用する引力とが互いに相殺され、電子ビームはいずれか一方に偏らず、本来の電子ビーム経路を維持することができる。
本発明の実施例による電子放出ディスプレイは電界放出アレイ(FEA)型に対してのみ適用されたが、これに限定されず、表面電導エミッション(SCE)型、金属−絶縁層−金属(MIM)型、及び金属−絶縁層−半導体(MIS)型など、多様に適用される。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施するのが可能であり、これもまた本発明の範囲に属する。
本発明の一実施例による電子放出ディスプレイの部分分解斜視図である。 図1に示された電子放出ディスプレイの部分断面図である。 図1に示された電子放出デバイスの部分平面図である。 本発明の他の実施例による電子放出デバイスの部分平面図である。 本発明のまた他の実施例による電子放出デバイスの部分平面図である。
符号の説明
1 電子放出ディスプレイ
2 第1基板
4 第2基板
6 カソード電極
8 第1絶縁層
10 ゲート電極
12、12’、12” 電子放出部
14、14’、14” 集束電極
16 第2絶縁層
18 蛍光層
20 黒色層
22 アノード電極
24、24’、24” スペーサ
82、102、142、142’、142”、144、146、148、162 開口部
100 電子放出デバイス
200 発光ユニット

Claims (13)

  1. 互いに対向配置されて真空容器を構成する第1基板及び第2基板;
    前記第1基板上に提供される駆動電極;
    前記駆動電極によって制御される電子放出部;
    前記駆動電極と絶縁して前記駆動電極上に位置し、電子ビーム通過のための開口部を形成する集束電極;
    前記第2基板の一面に形成される蛍光層;
    前記蛍光層のある一面に形成されるアノード電極;及び
    前記第1基板と第2基板の間隔を維持させる複数のスペーサ;を含み、
    前記集束電極は、ポテンシャルウエルを形成する電位制御部を備え、
    前記電位制御部と前記スペーサが、前記開口部を隔てて互いに対応する位置に配置される電子放出ディスプレイ。
  2. 前記電位制御部は、前記集束電極の一部が除去されることによって形成される、請求項1に記載の電子放出ディスプレイ。
  3. 前記電位制御部は、前記集束電極の下部に形成された絶縁層を前記真空容器の内部空間に露出させるまた他の開口部からなる、請求項2に記載の電子放出ディスプレイ。
  4. 前記集束電極は単一の本体からなり、
    前記スペーサが前記集束電極上に位置する、請求項3に記載の電子放出ディスプレイ。
  5. 前記スペーサが壁体型に形成される、請求項3に記載の電子放出ディスプレイ。
  6. 前記電位制御部が、前記スペーサの長さ方向に沿って一体に形成される、請求項5に記載の電子放出ディスプレイ。
  7. 前記電位制御部が、前記スペーサの長さ方向に沿って少なくとも二つ以上に分離形成される、請求項5に記載の電子放出ディスプレイ。
  8. 前記電位制御部が前記開口部と互いに一対一対応しながら形成される、請求項7に記載の電子放出ディスプレイ。
  9. 前記スペーサが柱型に形成される、請求項3に記載の電子放出ディスプレイ。
  10. 前記電位制御部が長方形に形成される、請求項3に記載の電子放出ディスプレイ。
  11. 前記駆動電極が、前記絶縁層を隔てて互いに異なる層に位置しながら互いに交差する方向に沿って形成されるカソード電極とゲート前極を含み、
    前記電子放出部が、前記カソード電極と前記ゲート電極の交差領域ごとに、前記カソード電極上に形成される、請求項3に記載の電子放出ディスプレイ。
  12. 前記開口部が、前記カソード電極とゲート電極の交差領域ごとに一つずつ形成される、請求項11に記載の電子放出ディスプレイ。
  13. 前記電子放出部が、炭素ナノチューブ、黒鉛、黒鉛ナノファイバー、ダイヤモンド、ダイアモンド状炭素、フラーレン(C60)、及びシリコンナノワイヤーからなる群より選択された少なくとも一つの物質を含む、請求項11に記載の電子放出ディスプレイ。
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