JP4381800B2 - パンクシーリング剤の使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チューブレスタイヤ用パンク修理キット等に適用されるパンクシーリング剤の使用方法に関する。
チューブレスタイヤ用パンク修理キットは、主に、コンプレッサーと補修液とにより構成される(例えば特許文献1参照)。従来の補修液は主に、NR(天然ゴム)、NBR(ニトリルゴム)などのゴムラテックス;低温特性向上のためのエチレングリコール、プロピレングリコールなどの凍結防止剤;注入性を向上させるためのメチルセルロース;パンクシール性を向上させるための短繊維;等の配合剤が含有されている。
補修液に配合されるこれらの配合剤は各々の比重が違うこと、安定化されたゴムラテックスに対し、第3成分を添加することにより、ゴムラテックスが凝集すること等が原因により、自動車の車内等に長期保存すると、繊維等の配合剤が分離してしまったり、さらにひどい時はゴムラテックスがゲル化してしまって、補修液として使用できなくなる等の問題があった。
特許3210863号公報
以上から、本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、長期に保存しても配合剤の分離等が発生せずに実用上問題無く使用することができるパンクシーリング剤の使用方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、少なくともゴムラテックスと増粘剤と短繊維とを含有するパンクシーリング剤の使用方法であって、前記パンクシーリング剤の保存時は、前記ゴムラテックスを含有するゴムラテックス溶液と前記増粘剤及び前記短繊維を含有する増粘剤溶液とを分離して保存し、使用前に前記ゴムラテックス溶液と前記増粘剤溶液とを混合して用いることを特徴とするパンクシーリング剤の使用方法である。
本発明のパンクシーリング剤の使用方法では、下記の態様が少なくとも1つ適用されていることが好ましい。
(1)第1の態様は、前記ゴムラテックス溶液と前記増粘剤溶液とを混合した後の−20℃〜50℃における粘度が、3〜6000mPa・sである態様である。
(2)第2の態様は、前記増粘剤溶液に短繊維が含有されている態様である。
(3)第3の態様は、前記短繊維の長さ(L)、直径(D)が、それぞれ、下記の範囲にある態様である。
長さ(L):0.05≦L≦10mm、
直径(D):1≦D≦100μm。
(4)前記短繊維の長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が5≦L/D≦2000の範囲にある態様である。
本発明によれば、長期に保存しても配合剤の分離等が発生せずに実用上問題無く使用することができるパンクシーリング剤の使用方法を提供することができる。
本発明は、ゴムラテックスを含有するゴムラテックス溶液と増粘剤及び短繊維を含有する増粘剤溶液とを、使用前に混合して用いるパンクシーリング剤の使用方法である。
種々の配合剤を含有する従来のパンクシーリング剤は、自動車の車内等に長期保存すると、繊維等の配合剤が分離してしまったり、さらにひどい時はゴムラテックスがゲル化してしまって、補修液として使用できなくなる。そこで、本発明におけるパンクシーリング剤では、配合剤の分離やゴムラテックスのゲル化等を引き起こす成分をそれぞれ分離した状態としておき、使用時にこれらを混合して使用することで、上記問題を解消し実用的で、高い保存性を実現したものである。
ゴムラテックス溶液と増粘剤溶液との混合は使用直前に行うことが好ましいが、直前でなくても、混合から使用時までに既述の分離やゲル化が生じない期間内であれば、予め混合しておいてもよい。
混合方法しては、特に限定されるものではないが、使用前に、所定の容器にこれらの溶液を添加し混合すればよい。
ゴムラテックス溶液としては、例えば、ゴムラテックス、水、凍結防止剤を含有する溶液を使用することができる。また、増粘剤溶液としては、増粘剤、水、凍結防止剤、短繊維、粒子を含有する溶液を使用することができる。以下、これらの溶液を例として詳細に説明する。
(ゴムラテックス溶液)
ゴムラテックス溶液に含有されるゴムラテックスとしては、種々のゴムラテックスを使用することができるが、−40℃以下で凍らないようにするため、NR(天然ゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴムラテックス)、SBR(スチレンブタジエン)ゴムラテックス、MBR(アクリルゴム)ラテックス、カルボキシ変性したNBR、SBRもしくはMBRゴムラテックス等を使用することが好ましい。これらは2種以上の組み合わせて使用してもよい。
ゴムラテックスの含有量は、凍結防止剤と水との混合物100質量部に対して、10〜200質量部とすることが好ましく、20〜150質量部とすることがより好ましい。
10質量部未満だとラテックスが少なすぎてパンクシール性が十分に得られないことがあり、200質量部を超えると凍結防止剤の量が少なくて低温での耐凍結性が低下してしまうことがある。
凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等を使用することが好ましい。凍結防止剤の含有量は、ゴムラテックス溶液に含有される水100質量部に対して30〜200質量部とすることが好ましく、40〜160質量部とすることがより好ましく、50〜120質量部とすることがさらに好ましい。
30質量部未満だと凍結防止効果が十分に得られないことがあり、200質量部を超えると、ゴムラテックスの安定性が低下することがある。
(増粘剤溶液)
増粘剤溶液については、ゴムラテックス溶液を混合した後(パンクシーリング剤とした後)の−20℃〜50℃における粘度が3〜6000mPa・sであることが好ましい。
その他に種々の添加剤を添加してもよい。なお、増粘剤溶液およびパンクシーリング剤の粘度は、B型粘度計を用いて測定することができる。
増粘剤としては、メチルセルロース系、クレイ系等の増粘剤が挙げられる。
その含有量はゴムラテックス溶液と増粘剤溶液とを混合した時の粘度が3〜6000mPa・sになるように配合量を適宜決定して使用する。
短繊維は、液安定性や保存性を考慮して、増粘剤溶液に含有させる。短繊維としては、下記の条件を満たすことが好ましい。すなわち、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)、および長さと直径との比(L/D)は、それぞれ、下記の範囲とすることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8未満では、短繊維が上に浮いてしまって長期の分離安定性が低くなることがあり、1.4を超えると、短繊維が下に沈んでしまって長期の分離安定性が低くなることがある。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm、さらに好ましくは、0.1≦L≦6mm)。
長さが0.05mm未満では、短繊維がパンクによる欠陥部に目詰まりを生じさせてシール性を向上させる効果を十分に発揮させることができない場合があり、10mmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、100μmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、2000を超えると、短繊維の絡み合いによるダマが発生し、シール性および注入容易性の低下を引き起こすことがある。
なお、短繊維は、後述する一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
短繊維は、その材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンおよびこれらの複合体のいずれかからなることが好ましく、ポリエチレン、ナイロンおよびこれらの複合体のいずれかからなることがより好ましい。かかる短繊維を使用することで、より良好な分離安定性が得られる。
短繊維は、その一部もしくは全部を、高級アルコール系誘導体および/またはベタイン系活性剤等の溶剤で処理しておくことが好ましい。当該処理は、パンクシーリング剤に含有させる前でも後でもよい。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。溶剤の添加量としては、短繊維質量の0.2〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜6%であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると、短繊維の十分な分散効果が得られずに当該処理が不十分となることがあり、多すぎても、それ以上の効果の向上が期待できない。
短繊維の添加量は、ゴムラテックス溶液と増粘剤溶液との混合液(パンクシーリング剤)に対し、0.3〜4質量%とすることが好ましく、0.5〜3質量%とすることがより好ましい。
増粘剤溶液だけで考えた場合、0.3〜15質量%であることが好ましく、0.6〜8質量%であることがより好ましい。0.3質量%未満だと十分なシール性が得られないことがあり、15質量%を超えると、混合液としたときに分散しにくくなることがある。
凍結防止剤と水との混合比は、増粘剤溶液だけで考えた場合で、凍結防止剤10〜90質量部に対して水は90〜10質量部であることが好ましい。凍結防止剤10質量部未満だと充分な凍結防止効果が得られないことがある。90質量部を超えると短繊維などの添加剤が分散不良を起こし、ダマになることがある。
酸化防止剤、粘性付与剤などのその他の成分は、ゴムラテックス溶液および増粘剤溶液のいずれか、または両方にに含有させても構わないが、不安定なゴムラテックスの入っていない増粘剤溶液の方に含有させることが好ましい。
ゴムラテックス溶液と増粘剤溶液との質量混合比(ゴムラテックス溶液/増粘剤溶液)は、0.5/9.5〜9.5/0.5であることが好ましく、3/7〜7/3であることがより好ましく、3.5/6.5〜6.5/3.5であることがさらに好ましい。0.5/9.5未満だと、A、Bを混合した時に均一な分散が得られにくいことがある。また、9.5/0.5を超えると、同じく均一に分散し難くなることがある。
以上のような本発明におけるパンクシーリング剤は、以下に説明するようにして、使用する。まず、ゴムラテックスを含有する既述のゴムラテックス溶液と増粘剤を含有する既述の増粘剤溶液とを、使用前に混合してパンクシーリング剤とする。その後、当該パンクシーリング剤をタイヤ内部に注入すればよい。
ここで、混合した後のパンクシーリング剤は、下記態様の保管・注入容器に充填し、タイヤ内に注入して使用することが好ましい。以下、当該保管・注入容器(本明細書において、液剤ボトルともいう)について説明する。
図1及び図2には、本発明の本実施形態に係る液剤ボトルが適用されたシーリング・ポンプアップ装置が示されている。シーリング・ポンプアップ装置は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものであり、図1に示されるシーリング剤注入ユニット12及び図2に示されるポンプアップユニット60により構成されている。
図1(A)に示されるように、シーリング剤注入ユニット12は、樹脂製の液剤ボトル18と注液ホース14とを備えている。液剤ボトル18の内部空間は本発明におけるパンクシーリング剤(以下、単に「シーリング剤」ということがある)16の収容室とされており、この収容室にはシーリング・ポンプアップ装置により修理すべきタイヤ32の種類毎に規定された量のシーリング剤16が収容されている。図3に示されるように、液剤ボトル18の頂部にはパイプ状の閉栓部20が一体的に形成されており、この閉栓部20の先端には液剤ボトル18内へ連通した注入口22が開口している。また閉栓部20の外周面にはねじ溝24が形成されている。閉栓部20には、その外周側にカップ状に形成されたキャップ26が取り付け可能とされている。キャップ26には、その内周面にねじ溝24に対応するねじ山(図示省略)が形成されており、このキャップ26を閉栓部20の外周側にねじ込むことにより、キャップ26が閉栓部20に取り付けられ、キャップ26により注入口22が密閉状態となるように塞がれる。
図1に示されるように、注液ホース14には、その基端部にカップ状のボトルアダプタ28が設けられると共に、先端部にバルブアダプタ30が設けられている。ボトルアダプタ28は、キャップ26が外された閉栓部20にねじ止めにより接続可能とされており、またバルブアダプタ30はタイヤ32のタイヤバルブ34の外周側へねじ止めにより接続可能とされている。
ここで、液剤ボトル18はPE(ポリエチレン)を素材として成形されており、図3(A)〜(B)に示されるように、全体形状が略直方体状とされ、その高さ方向(矢印H方向)と直交する断面形状が幅方向(矢印W方向)へ広く、奥行き方向(矢印D方向)へ狭い略長方形とされている。この液剤ボトル18は、奥行き方向に沿った側面部分が蛇腹構造を有する容積縮小部36とされており、この容積縮小部36は、液剤ボトル18に奥行き方向に沿った圧縮荷重が加えられることにより、図3(C)に示されるように、奥行き方向に沿って圧縮変形可能とされている。
液剤ボトル18は、容積縮小部36が図3(B)に示される注入前状態から図3(C)に示される注入完了状態まで圧縮変形することにより、その内容積がタイヤ32の種類毎に規定されたシーリング剤16の注入量以上縮小する。このとき、作業者が容積縮小部36を圧縮変形させるために必要となる圧縮荷重(押圧力)は、このような容積縮小部36が設けられていない同一容量のPE製の液剤ボトルを圧縮変形させるために必要となる押圧力よりも十分に小さくなっている。この容積縮小部36を圧縮変形させるための押圧力は、容積縮小部36を構成する凸部38及び凹部40の大きさ、すなわち断面における曲率半径を調整すると共に、これら凸部38及び凹部40の肉厚を調整することにより広い範囲で調整可能となる。ここで、液剤ボトル18の肉厚は、シーリング剤16の収容量等に応じて0.2mm〜2mmの範囲で設定されるが、この範囲内で容積縮小部36の肉厚を他の部分の肉厚とは異なるものに(好ましくは薄く)しても良い。
ここで、液剤ボトル18の肉厚を0.2mmよりも薄くすると、強度が不足してパンク修理時等の外力により破裂するおそれがあり、また容積縮小部36の肉厚を2mmよりも厚くすると、圧縮方向の剛性が高くなりすぎ、低温環境下で容積縮小部36を圧縮変形させることが困難になる。
なお、容積縮小部36の初期形状を注入完了状態に近い形状に成形しておき、シーリング剤16が充填されたときに、シーリング剤16の液圧により容積縮小部36が注入前状態に変形するようにすれば、容積縮小部36の復元力が圧縮方向へのバイアス力となって容積縮小部36を縮小するための押圧力を更に低減できる。
図3(A)の断面部分に示されるように、液剤ボトル18の内面には、アルミニウム又はアルミナからなる蒸着膜42が形成されている。このような蒸着膜42は、酸素及び水蒸気に対する遮断性に優れているので、液剤ボトル18が酸素及び水蒸気の透過性を有するPEにより成形されていても、酸素及び水蒸気が液剤ボトル18を透過することを防止できるので、シーリング剤16を液剤ボトル18内に保管している間に、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16が酸化により劣化したり、シーリング剤16中の水分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止できる。またキャップ26の内面にも、アルミニウム又はアルミナにより蒸着膜を形成しておけば、更に効果的にシーリング剤16の酸化劣化及び水蒸気の蒸発を防止できるようになる。
また液剤ボトル18は、その製造ラインでシーリング剤16の充填完了後に、図3(A)に示される外装袋44内に挿入されて密閉状態とされた後に、図3(C)に示される保管容器54内に収納され、図3に示されるように外装袋44及び保管容器54により外装された状態で出荷される。ここで、外装袋44は、図3(B)の拡大図に示されるように、内側から順にPEからなるインナー層48、アルミ箔からなる金属層50及びPET(ポリエチレンテレフタレート)からなるアウター層52が積層されて構成されたラミネートフィルム46を基材として成形され、その上端側の開口部が液剤ボトル18の収納後に融着等により気密状態となるように熱融着等により閉止される。また保管容器54は、断熱性及び衝撃に対する緩衝性に優れた発砲スチロールを素材として成形されている。
上記のようにシーリング剤16が充填された液剤ボトル18を外装袋44内に密閉状態となるように収納したことにより、外装袋44が酸素及び水蒸気に対して高い遮断性を有するので、液剤ボトル18の内面に形成された蒸着膜42だけでは酸素及び水蒸気に対する遮断効果が不十分である場合でも、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16が酸化により劣化したり、シーリング剤中の水分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止できる。なお、外装袋44は、パンク修理時まで液剤ボトル18からキャップ26が外されることを防止する役目もある。またシーリング剤16の使用保証期間等に応じて液剤ボトルの蒸着膜42及び外装袋44の一方を省略するようにしても良い。また外装袋44内にヘリウム等の不活性ガスを充填しておけば、シーリング剤16の酸化を更に効果的に防止できるようになる。また気密性が保証されるならば、外装袋44の代わりに、液剤ボトル18をラミネートフィルム46によりシュリンク包装するようにしても良い。
また、図4(C)に示されるように、液剤ボトル18を発砲スチロール製の保管容器54内に収納して保管することにより、保管容器54が高い断熱性を有するので、低温環境下でタイヤ32に対するパンク修理作業を行う際に、シーリング剤16の注入直前に液剤ボトル18を保管容器54内から取り出すようにすれば、液剤ボトル18及びシーリング剤16の温度が低下することを抑制できるので、温度低下に伴う液剤ボトル18の硬化及びシーリング剤16の増粘を抑制でき、液剤ボトル18を圧縮変形させてシーリング剤16をタイヤ32へ注入する際の作業性の低下を効果的に抑制できる。
図2に示されるように、ポンプアップユニット60は、タイヤ32へ供給する加圧空気を発生するためのエアコンプレッサ62を備えている。エアコンプレッサ62は電源ケーブル64を備えており、例えば、電源ケーブル64を自動車におけるシガレットライターのソケットに差し込むことにより、自動車のバッテリからエアコンプレッサ62に電源が供給可能となる。またエアコンプレッサ62には加圧空気の供給口(図示省略)が設けられており、この供給口には耐圧ホース66の基端部が接続されている。耐圧ホース66の先端部には、タイヤ32のタイヤバルブ34にねじ止め可能とされたバルブアダプタ68が配置されている。
次に、シーリング・ポンプアップ装置を用いてパンクしたタイヤ32を修理する作業手順を説明する。
タイヤ32にパンクが発生した際には、先ず、液剤ボトル18の閉栓部20からキャップ26を取り外し、閉栓部20に注液ホース14のボトルアダプタ28を接続すると共に、タイヤ32におけるタイヤバルブ34にシーリング剤注入ユニット12のバルブアダプタ22をねじ止めし、注液ホース14を通して液剤ボトル18をパンクしたタイヤ32内へ連通させる。次いで、作業者は、液剤ボトル18を閉栓部20を下方へ向けた状態としつつ、図1(B)で示されるように、液剤ボトル18に奥行き方向に沿った圧縮荷重を加えて容積縮小部36を注入前状態から注入完了状態まで圧縮変形させる。これにより、液剤ボトル18内に収容されたシーリング剤16の液圧及び気層部分の気圧が上昇し、上昇した液圧及び気圧の作用及び自重の作用によってシーリング剤16が液剤ボトル18から注液ホース14内へ吐出される。注液ホース14内へ吐出されたシーリング剤16は、液剤ボトル18内からの加圧力によりバルブアダプタ30側へ流通し、バルブアダプタ30内を通ってタイヤ32内へ注入される。
上記のようにしてタイヤ32内へ所定量のシーリング剤16の注入が完了すると、作業者は、シーリング剤注入ユニット12のバルブアダプタ30をタイヤバルブ34から取り外して注液ホース14をタイヤ32から切り離す。次いで、作業者は、タイヤバルブ34にバルブコアを挿入した後、ポンプアップユニット60のバルブアダプタ68をタイヤバルブ34にねじ止めし、耐圧ホース66をタイヤ32に接続する。この状態で、エアコンプレッサ62を作動させ、エアコンプレッサ62からの加圧空気を耐圧ホース66及びタイヤバルブ34を通してタイヤ32内へ供給し、タイヤ32を規定圧で膨張させる。これが終わると、作業者は、バルブアダプタ68をタイヤバルブ34から取外し、エアコンプレッサ62を止める。この直後に、作業者は、シーリング剤16が注入されたタイヤ32を用いて一定距離に亘って予備走行し、タイヤ32内部にシーリング剤16を均一に拡散しつつ、シーリング剤16によりパンク穴を閉塞(シール)した後、ポンプアップユニット60のエアコンプレッサ62を再びタイヤ32に接続してタイヤ32を規定圧までポンプアップする。
以上説明した本実施形態に係る液剤ボトル18では、その内容積を縮小するように所定の圧縮方向(奥行き方向)に沿って圧縮変形可能とされた蛇腹構造の容積縮小部36を設けたことにより、作業者が容積縮小部36へ圧縮荷重を作用させて圧縮変形すれば、シーリング剤16を収容した液剤ボトル18の内容積を縮小できるので、液剤ボトル18の容積縮小量に対応する量のシーリング剤16を注入口22から吐出させ、このシーリング剤16を注液ホース14を通してタイヤ32内へ注入できる。
ここで、蛇腹構造の容積縮小部36によれば、液剤ボトル18を成形した素材であるPEが温度低下により硬化しても、このような容積縮小部36が設けられていない液剤ボトルを押し潰して内容積を縮小させる場合と比較し、液剤ボトル18を変形させて内容積を縮小するために必要となる圧縮荷重(押圧力)の増加を小さくできるので、タイヤ32内へシーリング剤を注入する際の作業性が低温環境下で低下することを効果的に抑制できる。
(液剤容器の変形例)
図5〜図9には、それぞれ図3に示される液剤ボトル18に代えて本実施形態に係るシーリング剤注入ユニット12に適用可能な液剤ボトル70,80,90,100,110が示されている。なお、これらの液剤ボトル70,80,90,100,110で液剤ボトル18と共通な部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図5に示される液剤ボトル70は、液剤ボトル18と同様に、PE(ポリエチレン)を素材として成形されており、全体形状が略円筒状に形成されている。液剤ボトル70は、その外周部分が蛇腹構造を有する容積縮小部72とされており、この容積縮小部72は、液剤ボトル70に高さ方向に沿った圧縮荷重が加えられることにより、図5(B)に示されるように、高さ方向に沿って圧縮変形可能とされている。
液剤ボトル70は、容積縮小部72が図5(A)に示されるタイヤへの注入前状態から図5(B)に示される注入完了状態まで圧縮変形することにより、その内容積がタイヤ32の種類毎に規定されたシーリング剤16の注入量以上縮小する。このとき、作業者が容積縮小部72を圧縮変形させるために必要となる圧縮荷重(押圧力)は、このような容積縮小部72が設けられていない同一容量のPE製の液剤ボトルを押し潰すために必要となる押圧力よりも十分に小さくなっている。この容積縮小部72を圧縮変形させるための押圧力は、容積縮小部72を構成する凸部74及び凹部76の大きさを調整すると共に、これら凸部74及び凹部76の肉厚を調整することにより広い範囲で調整可能となる。ここで、液剤ボトル70の肉厚は、液剤ボトル18と同様の理由により、0.2mm〜2mmの範囲で設定される。
液剤ボトル70の内面にも、酸素及び水蒸気を遮断するためにアルミニウム又はアルミナからなる蒸着膜が形成されている。また液剤ボトル70も、液剤ボトル18と同様に、酸素及び水蒸気の遮断性を高めるために、外装袋44(図4(A)参照)により密閉状態で外装されると共に、外部からの衝撃かの保護及び温度低下の防止のために、保管容器54(図4(B)参照)内に収納されて出荷される。
以上説明した図5に示される液剤ボトル70でも、その内容積を縮小するように所定の圧縮方向(高さ方向)に沿って圧縮変形可能とされた蛇腹構造の容積縮小部72を設けたことにより、作業者が容積縮小部72へ圧縮荷重を作用させて圧縮変形すれば、シーリング剤16を収容した液剤ボトル70の内容積を縮小できるので、液剤ボトル70の容積縮小量に対応する量のシーリング剤16を注入口22から吐出させ、このシーリング剤16を注液ホース14を通してタイヤ32内へ注入できる。
ここで、蛇腹構造の容積縮小部72によれば、液剤ボトル70を成形した素材であるPEが温度低下により硬化しても、このような容積縮小部72が設けられていない液剤ボトルを押し潰して内容積を縮小させる場合と比較し、液剤ボトル70を変形させて内容積を縮小するために必要となる圧縮荷重(押圧力)の増加を小さくできるので、タイヤ32内へシーリング剤を注入する際の作業性が低温環境下で低下することを効果的に抑制できる。
図6に示される液剤ボトル80も、液剤ボトル18と同様に、PE(ポリエチレン)を素材として成形されており、図6(A)に示されるように、全体形状が略直方体状とされ、その高さ方向(矢印H方向)と直交する断面形状が幅方向(矢印W方向)へ広く、奥行き方向(矢印D方向)へ狭い略長方形とされている。液剤ボトル80には、液剤ボトル80の閉栓部20を除く隔壁部における奥行き方向に沿った中央に直線的な主折癖部82が形成され、また頂面部に各コーナー部から対角方向に沿って副折癖部84が形成されると共に、底面部の各コーナー部からコーナー部を略2等分する方向に沿って副折癖部86が形成されている。これにより、図6(A)に示される注入前状態の液剤ボトル80は、所定の圧縮方向(奥行き方向)に沿った圧縮荷重を受けると、主折癖部82及び副折癖部84,86を起点として図6(B)に示される注入完了状態まで折畳まれ、その内容積がタイヤ32の種類毎に規定されたシーリング剤16の注入量以上縮小する。
このとき、作業者が液剤ボトル80を折畳むために必要となる圧縮荷重(押圧力)は、このような主折癖部82及び副折癖部84,86が形成されていない同一容量のPE製の液剤ボトルを押し潰すために必要となる押圧力よりも十分に小さくなっている。この液剤ボトル80を折畳んで圧縮変形させるための押圧力は、主折癖部82及び副折癖部84,86の癖の強さ、すなわちその座屈強度と液剤ボトル80の隔壁部を図6(A)に示される略平面の形状から図6(B)に示される折れ曲がった形状に変形させるようとする弾性的な力(復元力)とをそれぞれ調整することにより広い範囲で調整可能となる。
ここで、液剤ボトル80の肉厚は、液剤ボトル18と同様の理由により、0.2mm〜2mmの範囲で設定されるが、例えば、主折癖部82及び副折癖部84,86の肉厚を他の部分よりも局部的に薄くしておけば、主折癖部82及び副折癖部84,86の座屈強度を低下させ、液剤ボトル80の隔壁部を容易に折り曲げることが可能になる。また液剤ボトル80の初期形状を図6(B)に示される注入完了状態又は注入前状態と注入完了状態との中間形状に成形しておけば、主折癖部82及び副折癖部84,86による弾性的な復元力を大きくすることができるので、液剤ボトル80を折畳むために必要な押圧力を効果的に低減できる。
液剤ボトル80の内面にも、酸素及び水蒸気を遮断するためにアルミニウム又はアルミナからなる蒸着膜が形成されている。また液剤ボトル80も、液剤ボトル18と同様に、酸素及び水蒸気の遮断性を高めるために、外装袋44(図4(A)参照)により密閉状態で外装されると共に、外部からの衝撃かの保護及び温度低下の防止のために、保管容器54(図4(B)参照)内に収納されて出荷される。
以上説明した図6に示される液剤ボトル80では、その内容積を縮小するように液剤ボトル80を折畳み可能とする主折癖部82及び副折癖部84,86を設けたことにより、液剤ボトル80へ所定の圧縮方向に沿った圧縮荷重を作用させ、主折癖部82及び副折癖部84,86を起点として液剤ボトル80を折り畳めば、シーリング剤16を収容した液剤ボトル80の内容積を縮小できるので、液剤ボトル80の容積縮小量に対応する量のシーリング剤16を注入口22から吐出させ、このシーリング剤16をタイヤ32内へ注入できる。
ここで、主折癖部82及び副折癖部84,86が設けられた液剤ボトル80によれば、液剤ボトル80を成形したPEが温度低下により硬化しても、このような主折癖部82及び副折癖部84,86が設けられていない液剤ボトルを押し潰して内容積を縮小させる場合と比較し、液剤ボトル80を変形させて収容室の容積を縮小するために必要となる圧縮荷重の増加を小さくできるので、タイヤ32内へシーリング剤16を注入する際の作業性が低温環境下で低下することを抑制できる。
図7に示される液剤ボトル90も、液剤ボトル18と同様に、PE(ポリエチレン)を素材として成形されており、図7(A)及び(B)に示されるように、各コーナー部付近が滑らかな湾曲面状となるように面取りされた略直方体状とされ、その高さ方向(矢印H方向)と直交する断面形状が幅方向(矢印W方向)へ広く、奥行き方向(矢印D方向)へ狭い略楕円状とされている。液剤ボトル90には、奥行き方向に沿った両側の側壁部にそれぞれ逆U字状の折癖部92が形成されており、この折癖部92及び液剤ボトル90における底面部と側壁部とのエッジ部とにより区画された部分が加圧押出部94とされている。この加圧押出部94は、図7(A)及び(B)に示される注入前状態では、奥行き方向外側へ向かって凸状となるように湾曲した形状になっているが、シーリング剤16の注入時に奥行き方向に沿った圧縮荷重を受けると、図7(C)に示される奥行き方向内側へ向かって凸状に変形した注入完了状態まで変形し、液剤ボトル90の内容積をタイヤ32の種類毎に規定されたシーリング剤16の注入量以上縮小する。
このとき、作業者が加圧押出部94を注入前状態から注入完了状態まで変形させるために必要となる圧縮荷重(押圧力)は、このような加圧押出部94が形成されていない同一容量のPE製の液剤ボトルを押し潰すために必要となる押圧力よりも十分に小さくなっている。加圧押出部94を注入前状態から注入完了状態まで変形させるための押圧力は、折癖部92の癖の強さ、すなわちその座屈強度と加圧押出部94を注入前状態から注入完了状態へ変形させるようとする弾性的な力(復元力)とをそれぞれ調整することにより広い範囲で調整可能となる。
ここで、液剤ボトル90の肉厚は、液剤ボトル18と同様の理由により、0.2mm〜2mmの範囲で設定されるが、例えば、折癖部92の肉厚を他の部分よりも局部的に薄くしておけば、折癖部92の座屈強度を低下させ、加圧押出部94を容易に変形させることが可能になる。また加圧押出部94の初期形状を図6(C)に示される注入完了状態又は注入前状態と注入完了状態との中間形状に成形しておけば、折癖部92による弾性的な復元力を大きくすることができるので、加圧押出部94を注入完了状態へ変形させるために必要な押圧力を効果的に低減できる。
液剤ボトル90の内面にも、酸素及び水蒸気を遮断するためにアルミニウム又はアルミナからなる蒸着膜が形成されている。また液剤ボトル90も、液剤ボトル18と同様に、酸素及び水蒸気の遮断性を高めるために、外装袋44(図4(A)参照)により密閉状態で外装されると共に、外部からの衝撃かの保護及び温度低下の防止のために、保管容器54(図4(B)参照)内に収納されて出荷される。
以上説明した図7に示される液剤ボトル90では、その奥行き方向に沿った両側の側壁部にそれぞれ奥行き方向外側へ向かって凸状となると共に、液剤ボトル90の残りの一部から折癖部92により区画された加圧押出部94を設けたことにより、この加圧押出部94へ圧縮方向(奥行き方向)に沿った圧縮荷重を作用させ、奥行き方向内側へ向かって凸状となるように変形されば、シーリング剤16を収容した液剤ボトル90の内容積を縮小できるので、その容積縮小量に対応する量のシーリング剤16を注入口22から吐出させ、このシーリング剤16をタイヤ32内へ注入できる。
ここで、加圧押出部94が設けられた液剤ボトル90によれば、液剤ボトル90を成形したPEが温度低下により硬化しても、このような加圧押出部94が設けられていない液剤ボトルを押し潰して内容積を縮小させる場合と比較し、液剤ボトル90を変形させて内容積を縮小するために必要となる圧縮荷重(押圧力)の増加を小さくできるので、タイヤ32内へシーリング剤16を注入する際の作業性が低温環境下で低下することを抑制できる。
図8に示される液剤ボトル100も、液剤ボトル18と同様に、PE(ポリエチレン)を素材として成形されており、図8(A)及び(B)に示されるように、その全体形状が略直方体状とされ、その高さ方向(矢印H方向)と直交する断面形状が幅方向(矢印W方向)へ広く、奥行き方向(矢印D方向)へ狭い略長方形とされている。液剤ボトル100には、幅方向に沿った両側の側壁部における奥行き方向中央に高さ方向へ延在すると共に、幅方向外側へ突出したヒンジ部102がそれぞれ形成されている。このヒンジ部102は、液剤ボトル100の底面部より僅かに上側から頂面部まで形成されており、その幅方向に沿った断面形状が略半円状に湾曲しており、その肉厚中心の曲率半径が5mm〜10mmの範囲から適宜選択された寸法とされている。
液剤ボトル100は、シーリング剤16の注入前には図8(A)及び(B)に示される注入前状態となっているが、シーリング剤16の注入時に幅方向に沿った圧縮荷重を受けると、図8(C)に示されるようにヒンジ部102を中心として側壁部が折り曲げられつつ、奥行き方向へ押し潰され、その内容積がタイヤ32の種類毎に規定されたシーリング剤16の注入量以上縮小する。
このとき、作業者が液剤ボトル100を注入前状態から注入完了状態まで押し潰すために必要となる圧縮荷重(押圧力)は、このようなヒンジ部102が形成されていない同一容量のPE製の液剤ボトルを押し潰すために必要となる押圧力よりも十分に小さくなっている。液剤ボトル100を注入前状態から注入完了状態まで変形させるための押圧力は、ヒンジ部102の揺動方向に沿った剛性を調整することにより広い範囲で調整可能となる。ここで、液剤ボトル100の肉厚は、液剤ボトル18と同様の理由により、0.2mm〜2mmの範囲で設定されるが、例えば、ヒンジ部102の肉厚を他の部分よりも局部的に薄くしておけば、ヒンジ部102の剛性を低下させ、液剤ボトル100を容易に押し潰すことが可能になる。
液剤ボトル100の内面にも、酸素及び水蒸気を遮断するためにアルミニウム又はアルミナからなる蒸着膜が形成されている。また液剤ボトル100も、液剤ボトル18と同様に、酸素及び水蒸気の遮断性を高めるために、外装袋44(図4(A)参照)により密閉状態で外装されると共に、外部からの衝撃かの保護及び温度低下の防止のために、保管容器54(図4(B)参照)内に収納されて出荷される。
以上説明した図8に示される液剤ボトル100では、その幅方向に沿った両側の側壁部にそれぞれ高さ方向へ延在するヒンジ部102をそれぞれ形成したことにより、液剤ボトル100へ奥行き方向に沿った圧縮荷重を作用させれば、ヒンジ部102を中心として液剤ボトル100の側壁部を折り曲げつつ液剤ボトル100を押し潰し、その内容積を縮小できるので、液剤ボトル100の容積縮小量に対応する量のシーリング剤16を注入口22から吐出させ、このシーリング剤16をタイヤ32内へ注入できる。
ここで、ヒンジ部102が形成された液剤ボトル100によれば、液剤ボトル100を成形したPEが温度低下により硬化しても、このようなヒンジ部102が形成されていない液剤ボトルを押し潰して内容積を縮小させる場合と比較し、液剤ボトル100を押し潰して内容積を縮小するために必要となる押圧力の増加を小さくできるので、タイヤ32内へシーリング剤16を注入する際の作業性が低温環境下で低下することを抑制できる。
図9に示される液剤ボトル110には、その頂部からボトル内部へ挿入された注液管112が設けられている。液剤ボトル110は、図9(B)に示されるように、内側から順にPE(ポリエチレン)からなる樹脂膜116、アルミ箔からなる金属膜118及びPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる樹脂膜120が張合わされたラミネートフィルム114を基材として袋状に形成されている。また注液管112はオレフィン系樹脂を素材として成形されており、その先端には注入口122が開口している。また注液管112の外周面における先端側にはねじ溝124が形成されており、液剤ボトル18の閉栓部20と同様に、キャップ26が着脱可能とされている。このような液剤ボトル110は、所謂、ボトルドパウチ構造と呼称されるものであり、一般的には、液剤ボトル110の立体形状に対応する平面形状に裁断されたラミネートフィルム114における端部同士を熱融着により接合して成形される。
ここで、ラミネートフィルム114の外層を構成する樹脂膜120は、その厚さを5μm〜100μmの範囲から選択した値に設定することが好ましい。すなわち、樹脂膜120の厚さが5μmよりも薄いと、液剤ボトル110の強度が不足し、パンク修理時にシーリング剤16の液圧により破裂するおそれがあり、また100μmよりも厚いと、パンク修理時にシーリング剤16を収容した液剤ボトル110を押し潰しための力が過大になり、シーリング剤16の注入時の作業性が低下する。
またラミネートフィルム114の内層を構成する樹脂膜116は、その厚さを5μm〜200μmの範囲から選択した値に設定することが好ましい。すなわち、樹脂膜116の厚さが5μmよりも薄いと、ラミネートフィルム114の端部同士を熱融着した接合部の強度が不足し、また200μmよりも厚いと、ラミネートフィルム114の端部同士を熱融着する際の熱伝達が悪くなり、ラミネートフィルム114の熱融着性が低下する。
またラミネートフィルム114の中間層を構成する金属膜118は、その厚さを5μm以上とすることが好ましい。すなわち、金属膜118の厚さが5μmよりも薄いと、金属膜118に生じたピンホールの影響により酸素及び水蒸気に対する遮断性が低下するおそれがあると共に、ラミネートフィルム114の変形に伴って金属膜118が破断するおそれもある。また注液管112は、その内径を3mm以上とすることが好ましい。すなわち、注液管112の内径が3mmよりも小さいと、シーリング剤16の流通抵抗が過大になり、液剤ボトル110を押し潰してシーリング剤16を注液管112から吐出させることが困難になる。
液剤ボトル110は、シーリング剤16の注入前には図9(A)に示される注入前状態となっているが、シーリング剤16の注入時に主として奥行き向に沿った圧縮荷重を作用させると、奥行き方向へ容易に押し潰し、その内容積をタイヤ32の種類毎に規定されたシーリング剤16の注入量以上縮小することができる。このとき、作業者が注入前状態の液剤ボトル110を押し潰すために必要となる圧縮荷重(押圧力)は、従来の同一容量のPE製液剤ボトルを押し潰すために必要となる押圧力よりも十分に小さくなる。また液剤ボトル110も、液剤ボトル18と同様に、酸素及び水蒸気の遮断性を高めるために、外装袋44(図4(A)参照)により密閉状態で外装されると共に、外部からの衝撃かの保護及び温度低下の防止のために、保管容器54(図4(B)参照)内に収納されて出荷される。
以上説明した図9に示される液剤ボトル110では、液剤ボトル110がラミネートフィルム114を基材として成形されていることから、それ液剤ボトル110自体が柔軟な構造とすることができることに加え、PE等の樹脂を素材として液剤ボトルを成形した場合と比較し、温度が低下しても硬化が少なく、かつ酸素及び水蒸気の遮断性も高いので、低温環境下でも、液剤ボトル110を変形させて内容積を縮小するために必要となる圧縮荷重の増加を小さくでき、タイヤ32内へシーリング剤16を注入する際の作業性の低下を抑制できると共に、液剤ボトル110内に収容されたシーリング剤16が酸化により劣化したり、シーリング剤16中の水分が蒸発して固形成分が生成されることを長期間に亘って防止できる。
以上のような本発明のパンクシーリング剤の使用方法は、自動車用タイヤ以外にも、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。例えば、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
ゴムラテックス溶液と増粘剤溶液とを質量比1:1で混合し、パンクシーリング剤を作製した。作製したパンクシーリング剤を図1に示す容器に充填し、当該容器を使用して、パンクしたタイヤの修理を行い、パンク穴のシール性の評価を行った。結果を下記表1に示す。
なお、ゴムラテックス溶液および増粘剤溶液の組成は、以下の通りである。
(1)ゴムテックス溶液:ゴムラテックス(NBR/水(質量比)=4/6)50質量%、エチレングリコール40質量%、残りはpH調整剤および水。
(2)増粘剤溶液:エチレングリコール50質量%、ナイロン製の短繊維(長さ4mm、直径30μm)2.0質量%、増粘剤(メチルセルロース系)1.5質量%、残りは水。なお、−20℃〜50℃におけるパンクシーリング剤の粘度は3〜6000mPa・sであった。
(比較例)
ゴムラテックス(NBR/水(質量比)=4/6)25質量%、エチレングリコール45質量%、短繊維1.25質量%、増粘剤0.65質量%、残りはpH調整剤および水、であるパンクシーリング剤(材料については実施例と同様)を用いた以外は実施例と同様にパンクの修理を行い、パンク穴のシール性の評価を行った。結果を下記表1に示す。
また、実施例のゴムラテックス溶液および増粘剤溶液、比較例のパンクシーリング剤のそれぞれについて、下記のようにして分離安定性および不凍性の評価を行った。
(1)分離安定性:
それぞれの溶液を、70℃の雰囲気で100日間保存し、含有物の分離やゲル化の有無を目視にて観察した。結果を下記表1に示す。
(2)不凍性:
それぞれの溶液を、室温から−40℃まで、一定速度で降温し凍結の有無を目視にて観察した。結果を下記表1に示す。
Figure 0004381800
上記表1において「シール性」は、比較例のパンクシーリング剤によりパンク穴がシールされるまでの走行距離を100とした場合の比較値で評価した。
具体的には、実施例および比較例のパンクシーリング剤(600ml)それぞれをパンク穴(直径1.5mm)を1つ有するタイヤに注入し、時速40kmで走行して行った。なお、走行スタート時の空気圧は2.0kgf/cm2とし、1.3kgf/cm2以下になったら、2.0kgf/cm2まで昇圧して再走行した。
表1の結果から、実施例のパンクシーリング剤は、従来のパンクシーリング剤(比較例)と同等のシール性および不凍性を有していることから、実用上問題無く使用できることが確認された。また、分離安定性については、比較例よりも良好であり、長期保存性に優れていることが確認された。
本発明の実施形態に係る液剤ボトルが適用されたシーリング剤注入ユニットの構成を示す構成図である。 図1に示されるシーリング剤注入ユニットと共にシーリング・ポンプアップ装置を構成するポンプアップユニットの構成を示す構成図である。 図1に示される液剤ボトルを示す図であり、(A)は液剤ボトルの正面図、(B)は注入前状態の液剤ボトルの側面図、(C)は注入完了状態の液剤ボトルの側面図である。 (A)は外装袋内に密封された液剤ボトルを示す正面図、(B)は保管容器内に収納された液剤ボトルを示す斜視図である。 図3に示される液剤ボトルに代えてシーリング剤注入ユニットに適用可能な液剤ボトルを示す図であり、(A)は注入前状態の液剤ボトルの正面図、(B)は注入完了状態の液剤ボトルの正面図である。 図3に示される液剤ボトルに代えてシーリング剤注入ユニットに適用可能な液剤ボトルを示す図であり、(A)は注入前状態の液剤ボトルの斜視図、(B)は注入完了状態の液剤ボトルの斜視図である。 図3に示される液剤ボトルに代えてシーリング剤注入ユニットに適用可能な液剤ボトルを示す図であり、(A)は液剤ボトルの正面図、(B)は注入前状態の液剤ボトルの側面図、(C)は注入完了状態の液剤ボトルの側面図である。 図3に示される液剤ボトルに代えてシーリング剤注入ユニットに適用可能な液剤ボトルを示す図であり、(A)は液剤ボトルの正面図、(B)は注入前状態の液剤ボトルの側面図、(C)は注入完了状態の液剤ボトルの側面図である。 図3に示される液剤ボトルに代えてシーリング剤注入ユニットに適用可能な液剤ボトルを示す図であり、(A)は注入前状態の液剤ボトルの斜視図、(B)は液剤ボトルの基材であるラミネートフィルムの構成を示す断面図である。
符号の説明
12 シーリング剤注入ユニット
16 シーリング剤
18 液剤ボトル(容器本体)
32 タイヤ(空気入りタイヤ)
36 容積縮小部
42 蒸着膜
44 外装袋
46 ラミネートフィルム
54 保管容器
70 液剤ボトル(容器本体)
72 容積縮小部
80 液剤ボトル(容器本体)
82 主折癖部
84 副折癖部
86 副折癖部
90 液剤ボトル(容器本体)
92 折癖部
94 加圧押出部
100 液剤ボトル(容器本体)
102 ヒンジ部
110 液剤ボトル(容器本体)
112 注液管
114 ラミネートフィルム
116 金属膜
116 樹脂膜
118 金属膜(金属箔)
120 樹脂膜

Claims (4)

  1. 少なくともゴムラテックスと増粘剤と短繊維とを含有するパンクシーリング剤の使用方法であって、前記パンクシーリング剤の保存時は、前記ゴムラテックスを含有するゴムラテックス溶液と前記増粘剤及び前記短繊維を含有する増粘剤溶液とを分離して保存し、使用前に前記ゴムラテックス溶液と前記増粘剤溶液とを混合して用いることを特徴とするパンクシーリング剤の使用方法。
  2. 前記ゴムラテックス溶液と前記増粘剤溶液とを混合した後の−20℃〜50℃における粘度が、3〜6000mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載のパンクシーリング剤の使用方法。
  3. 前記短繊維の長さ(L)、直径(D)が、それぞれ、下記の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパンクシーリング剤の使用方法。
    長さ(L):0.05≦L≦10mm、
    直径(D):1≦D≦100μm。
  4. 前記短繊維の長さ(L)と直径(D)との比(L/D)が5≦L/D≦2000の範囲にあることを特徴とする請求項に記載のパンクシーリング剤の使用方法。
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