JP4381201B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は車両用シートに係り、特に、巻取り式のシーベルトを備えた車両用シートに関する。
従来、自動車や産業車両等の車両用シートには、衝突時の乗員保護や姿勢の安定的保持等のためにシートベルトが装備されている。シートベルトは、バックルとタングとを係合させることにより連結される。バックルとタングはそれぞれ、帯状のベルトの一方の端部に取り付けられており、他方の端部はシートまたは車両に取り付けられている。
このようなタイプのシートベルトは、非使用時にバックルやタングが車両本体やシートに当たって傷をつけたり、ドアに挟まったり、乗降時に邪魔になったりする不都合がある。
これに対して、ベルトを巻き取ることができる巻取装置を備え、非使用時にはベルトを巻き取って収納できるタイプのシートベルトがあり、このような収納可能なシートベルトを備えた車両用シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、2点式のシートベルトが装備された車両用シートが記載されている。この車両用シートは着座部の左右の一方にバックルが固定されており、他方にベルトを巻き取るための巻取装置が配設されている。ベルトの端部にはタングが取付られており、ベルトは巻取装置によって巻取り方向に引張力を受けている。
巻取装置は着座部のクッション内に形成された収容部内に配設されている。この収容部の上方は開口しており、この開口はガイド部材によって塞がれている。ガイド部材には着座部の中央側に向けてスリット状のベルト引出口が形成されており、ベルトはこのベルト引出口を通して円滑に引き出し可能となっている。
ベルトは不使用時には、巻取装置に巻き取られた状態となるので、タングが車両本体やシートに当たって傷をつける等の不都合がない。
特開平11−199190号公報(第3−6頁、図1−4)
しかしながら、上記特許文献1に記載の車両用シートは、ベルトが巻取装置によって常に巻取り方向に引っ張られているため、タングをバックルから解放すると、引張力によってタングが勢いよく巻取装置側へ巻き取られてしまう場合がある。
このようにタングが勢いよく巻き取られると、タングがベルト引出口と当接してしまい、ベルト引出口が破損または傷付いてしまうおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シートベルトを巻き取る巻取装置を備えた車両用シートにおいて、巻取装置側にベルトが勢いよく巻き取られることによって、巻取装置側が破損または傷付いたりすることを防ぐことができる車両用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、ボトムプレートと、該ボトムプレート上に配設されたクッション材と、該クッション材を上方から覆う表皮材とを有する着座部に着座した乗員を保護するためのシートベルトを備えた車両用シートであって、先端部に係合部が取付けられたベルトと、前記係合部と係合して該係合部を保持するための被係合部と、カバー体に覆われ前記ベルトをベルト巻取部に巻き取る巻取装置と、を備え、前記カバー体は、前記ボトムプレートの左右端部側が隆起して露出した隆起部と、外側から前記隆起部に嵌め込まれて一体となる合成樹脂製のサイドカバーとから構成され、前記カバー体には、前記ベルトを引き出すためのベルト引出部が形成され、該ベルト引出部は、前記被係合部側から延出する一方の部材の端部辺と、前記被係合部側へ延出する他方の部材の端部辺とによって前記ベルトを引き出すための隙間が形成され、
前記一方の部材は、前記ボトムプレートの端部であり、前記他方の部材の端部辺は、前記一方の部材の端部辺よりも前記巻取装置に近い位置に形成されると共に、前記一方の部材の端部辺から前記ベルト巻取部へ引いた接線よりも前記被係合部側に位置するように形成されることにより解決される。
このように本発明の車両用シートは、ベルトを巻き取る巻取装置がカバー体に覆われ、カバー体に形成されたベルト引出部からベルトが引き出されるように構成されている。このベルト引出部は、被係合部側から延出する一方の部材の端部辺と、被係合部側へ延出する他方の部材の端部辺とによって形成されるベルトを引き出すための隙間を有する。
そして、この他方の部材の端部辺は、一方の部材の端部辺よりも巻取装置に近い位置に形成されると共に、一方の部材の端部辺からベルト巻取部へ引いた接線よりも被係合部側に位置するように形成される。これにより、被係合部から外されたベルトが巻取装置の巻取力によって引き込まれるとき、ベルトは端部辺と摺接しながら引き込まれる。
したがって、乗員がシートベルトを外した後、ベルトから手を離しても、ベルトは端部辺との摺接により引き込み速度が減速されるので、係合部が勢いよく巻取装置側と当接してしまうことを防ぐことができる。このような簡単な構成により、係合部が勢いよく当接することによって巻取装置側が破損したり、傷付いたりすることを防止することができるので好適である。
また、着座部は、ボトムプレートと、ボトムプレート上に配設されたクッション材と、クッション材を上方から覆う表皮材とにより構成されている。上記巻取装置を覆うカバー体は、着座部を構成するボトムプレートの左右端部側が隆起して露出した隆起部と、外側から隆起部に嵌め込まれて一体となる合成樹脂製のサイドカバーとから構成され、上記引出部の一部を構成する一方の部材を、ボトムプレートの端部としている。このように構成すると、ベルトと摺接する端部を別部材とすることがなく、着座部を構成するボトムプレートと一体に形成することができる。これにより、部品点数や製造工程を増加させることなく、ベルトの引き込みを減速させる機構を備えた車両用シートを製造することができる。
本発明によれば、ベルトを巻き取る巻取装置を備えた車両用シートにおいて、巻取装置側にベルトが勢いよく巻き取られることによって、巻取装置側が破損または傷付いたりすることを防ぐことができ、また、部品点数や製造工程を増加させることなく製造することが可能な車両用シートを提供することができる。
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1から図6は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はシートの斜視図、図2はシートの平面図、図3はシートの着座部の断面図、図4はベルト引出部の拡大図、図5はベルト引出部の断面図、図6はベルト引出部の説明図である。また、図7は他の実施例に係るベルト引出部の説明図である。
以下に、本発明を産業車両に装備するのに好適な車両用シート1に適用した例を示す。図1,図2に示すように車両用シート1は、着座部10と、背もたれ部30を有して構成されている。背もたれ部30は、着座部10に対して傾動可能に連結されると共に、不図示のリクライニング機構によって着座部10に対する角度が複数段階で調整可能となっている。
着座部10の後方部分の両脇には、合成樹脂製の支持部18が形成されている。支持部18の前側にはクッション材13を覆う表皮材11が延出しており、本例の車両用シート1の着座部10は、支持部18を含めて全体として略一定の幅を有して構成されている。支持部18は、着座部10を構成するボトムプレート14が一部延出して形成されており、表皮材11で覆われた着座部10の他の部位よりも隆起している。左右の支持部18には、合成樹脂製の中空円弧状の肘掛部50が配設されている。
支持部18には、2点式のシートベルト60が配設されている。シートベルト60は、端部に金属製のタング65が取り付けられた帯状のベルト63と、一方の支持部18内に配設された巻取装置90と、他方の支持部18に配設されたバックル62とを備えて構成されている。タング65はバックル62内に挿入されることにより係合して保持される。また、バックル62の解除ボタンを押下することにより係合が外れ、タング65をバックル62から解放することができる。
この着座部10は、車両本体に支持レールを備えたスライド機構およびサスペンション機構上に固定されている。スライド機構は、着座部10を前後方向へスライド可能であって、所定ピッチごとに固定することができる。
本例の着座部10は、前方右側部に凹部10bが形成され、一部が欠落したように左右非対称に構成されている。この凹部10bに位置するように、サスペンション機構の調整用の操作ダイヤル71が配設されている。さらに、サスペンションの調整度合いを表示する表示部100が着座部10の右側側部に形成されている。また、スライド機構のスライドレバー81は、その先端が凹部10bに臨むように操作ダイヤル71付近に配設されている。
図3は、着座部10の断面図である。図中、左側が着座部10の前方に当たる。着座部10は、ポリプロピレン等の合成樹脂性のボトムプレート14上に、所定形状に形成されたウレタン等のクッション材13および表皮材11を載置して、表皮材11の端部をボトムプレート14にタッカー等によって固定することにより形成されている。クッション材13は、表皮材11と一体に発泡させて形成されている。
ボトムプレート14の前側は下部に空間を形成するように凹部5が形成されており、凹部5の前側端部には下方へ立ち下がる立下り部5aが形成されている。立下り部5aの前面にもクッション材13および表皮材11が配設されている。
図3に示すように、着座部10は、乗員の腿が当接する前方部分よりも、乗員の臀部が当接する後方部分が低くなるように全体として傾斜して形成されている。また、乗員の臀部が当接する後方部分では、全体として左右方向の中央が低くなるように傾斜して形成されている。
また、着座部10には、後述する溝12cの後方に沿ってランバーサポート部10aが連続して形成されている。ランバーサポート部10aは、背もたれ部30と連続するように着座部10の他の表面から隆起するように形成されており、着座部10と背もたれ部30との外観上の一体感が図られている。
着座部10の表面には、図2,図3に示すように、溝12が形成されている。溝12は、溝12a〜12cからなる。溝12aは、前方部分と後方部分を分離するように着座部10の奥行き方向の中央部付近に左右方向に延びるように形成されている。溝12aは中央部が低くなるように傾斜が設けられて形成されている。
溝12bは、着座部10の後方部分の左右方向の中央に奥行き方向に延びるように形成されている。そして、溝12bの前側端部,後側端部は、それぞれ溝12aの中央部,溝12cの中央部と連結している。溝12bは、後方側が低くなるように傾斜が設けられて形成されている。
溝12cは、着座部10の後方部分の後側に左右方向に延びるように形成されている。溝12cは、左右端部側が前方に湾曲するように形成され、中央部が低くなるように傾斜が設けられて形成されている。
溝12bと溝12cが交わる部位には、後述する排水部20が突出するように配設されている。また、溝12aと溝12cの左右端部は、着座部10の表面と連続するように徐々に溝の深さが浅くなるように形成されている。
このように排水部20が溝12bと溝12cが交わる部位に形成されているので、排水部20は、溝12のうち最も低い部位に位置する。
このように形成された排水部20を有する本例の車両用シート1に雨天時に雨が降り注いだ場合、着座部10に降り注いだ雨水は、着座部10の表面から低い位置にある溝12に自然と流れ込み、さらに溝12に流れ込んだ雨水は傾斜にしたがって、溝12の中で最も低い位置にある排水部20に導かれ、排水部20内に流れ込んでボトムプレート14の裏面へ排出される。
また、背もたれ部30に降り注いだ雨水は、背もたれ部30の前面を流れ落ちて、着座部10のランバーサポート部10aを経由して溝12cに流れ込み、排水部20から外部へ排出されるようになっている。
このように、本発明の車両用シート1では、車両用シート1に雨水等がかかったときに、雨水は溝12に流れ込んで、さらに排水部20から外部へ排出されるように構成されており、水が溜まって着座部10が汚れたり、内部に水がしみ込んだりすることがない。この溝12によって水を排水部20へ導き、効率よく水を排水することができる。
次に、図4に支持部18の部分拡大図を示す。支持部18は、ボトムプレート14の左右端部側が上側に隆起して露出した隆起部15と、外側から隆起部15に嵌め込まれて一体となる合成樹脂製のサイドカバー19とから構成される。支持部18の内部は中空であって、内部にシートベルト60の巻取装置90を収容している。隆起部15とサイドカバー19は、巻取装置90を覆うカバー体を構成する。支持部18には、ベルト引出部3が形成されている。
本例のシートベルト60は、帯状のベルト63の先端部に係合部としてのタング65が取り付けられており、このタング65は被係合部としてのバックル62に係合して保持される。しかし、巻取装置90を収容する支持部18と反対に位置する他方の支持部18側にベルト63の端部を固定できれば、係合部と被係合部はタングとバックルの組み合わせに限らない。
タング65は合成樹脂製の取付部材65aに一体に形成されている。この取付部材65aは細長いリング状の部材である。ベルト63の先端は取付部材65aのリング内に通されて折り返され、折り返し部分がベルト63に縫製されることにより、ベルト63にタング65が取付けられている。
図5にベルト引出部3付近の断面説明図を示す。図5に示すように、ボトムプレート14の右側端部が上側に隆起して上面に露出し、隆起部15が形成されている。
ボトムプレート14には、隆起部15の基部にスリット状の係止孔14aが開口されている。クッション材13を覆う表皮材11は、ボトムプレート14が上側へ隆起する隆起部15の基部において隆起部15に沿って下側に入り込み、表皮材11の端部の一部が係止孔14aに引き込まれている。係止孔14aから隆起部15内に引き込まれた表皮材11の端部は、隆起部15の内面にタッカー止めされている。これにより、隆起部15の境界部で表皮材11が浮き上がってしまうことが防止される。
サイドカバー19は、ベルト引出部3付近では断面がコ字に近い形状となっている。このサイドカバー19を隆起部15に組付けることにより、ベルト引出部3において支持部18には内部に空間が形成される。この空間にサスペンション機構やスライド機構を構成する金属製の支持枠110や、この支持枠110に取り付けられた巻取装置90等が収容されている。支持枠110に巻取装置90をボルト等により固定し、ベルト63を引き出した状態で、隆起部15の外側にサイドカバー19を取り付けることにより支持部18を構成することができる。
巻取装置90は円筒形状のベルト巻取部91を備えており、ベルト巻取部91はゼンマイばねによって通常時巻取り方向に回転力が掛かるように構成されている。このベルト巻取部91にベルト63の基端側が取り付けられており、不使用時にはベルト63は上記回転力によってベルト巻取部91に巻き取られて収容されている。
ベルト引出部3には、一方の部材としての隆起部15(ボトムプレート14)の端部辺Aと他方の部材としてのサイドカバー19の端部辺Bとによって、ベルト63を通すことのできる隙間3aが形成されている。端部辺A,Bはともに着座部10の奥行き方向に延出する直線状の辺であり、これらは対向して略平行に形成されている。この隙間3aを通ってベルト63が外部へ引き出されている。
本例では、端部辺Aの方が、端部辺Bよりも巻取装置90から離れて位置する。そして、端部辺Bは、端部辺Aから断面略円形のベルト巻取部91へ引いた接線よりも着座部10の中央側、すなわち引出し方向側に位置するように形成されている。
次に、ベルト63を引き出すときの動作について説明する。
図6(A)はベルト63が巻取装置90に略巻き取られた状態を示している。一方、図6(B)はベルト63が引き出された状態を示している。図中、L1,L2は、それぞれ端部辺Aからベルト巻取部91へ引いた接線を表している。図6(A),(B)から接線L1,L2よりもバックル62側に端部辺Bが位置していることが分かる。
乗員が着座部10に着座してシートベルト60を使用するときは、タング65を持ってベルト63を引出し、タング65をバックル62に挿入することによりタング65はバックル62に保持される。このとき、ベルト63は巻取装置90によって巻取り方向に所定の張力で引っ張られているので、ベルト63は適度な拘束力で乗員の腰周りと当接した状態となる。
本例の車両用シート1では、ベルト引出部3およびバックル62が着座部10のすぐ両脇に形成されている支持部18に配設されており、ベルト引出部3およびバックル62が乗員の腰部に近い位置に設定されている。これにより、乗員の腰部をシートベルト60によって安定的に保持することができる。
乗員がバックル62の解除ボタンを押下してタング65を外すと、ベルト63およびタング65は巻取装置90の回転力によって巻取装置90側に引き込まれていく。
しかし、上述のような位置関係で端部辺A,B、巻取装置90が配設されているので、巻取装置90の回転力による巻取力がベルト63にそのまま伝わらず、ベルト引出部3によって低減される。すなわち、ベルト63が巻取装置90へ引き込まれていくときに、端部辺A,Bがベルト63の内外側面と摺接するので、ベルト63に摩擦力が与えられ、巻取力に所定のブレーキ力が働く。端部辺A,B部分の端面がベルト63と線接触または面接触する。
これにより、本例の車両用シート1では、ベルト63およびタング65が勢いよく巻取装置90へ引き込まれず、引き込み速度が減速されるので、金属製のタング65が支持部18のベルト引出部3等に当って、これらを破損させたり、傷付けたりすることを防ぐことができる。
このように、本例の車両用シート1では、ベルト63の引き込み速度を調整することができるが、これは巻取装置90に減速部材を設けるのではなく、ベルト引出部3の形状を改変することにより簡単な構成で実現されている。したがって、部品点数や製造工程が増加することがない。
また、ベルト63と摺接して引き込み速度を低減させる端部辺A,Bのうち、端部辺Aはボトムプレート14の端部辺である。すなわち、本例のボトムプレート14は、着座部10全体に掛かる重量等を支持すると共に、支持部18の一部を構成し、なおかつベルト引き込みの減速機能をも兼ね備えている。このように、ボトムプレート14を構成したので、部品点数および製造コストの増加を抑えることができる。
図7に本発明の他の実施例を示す。図7(A)はベルト引出部3において、サイドカバー19の形状を異ならせた例である。図7(A)の例では、サイドカバー19は、隆起部15との間に所定の間隙を形成する延出部19aと、延出部19aの下側に形成され延出部19aと略平行に延出する摺接部19bとが形成されている。延出部19aは、隆起部15の端部と上面が略面一に形成されている。この例では、隆起部15の外側端部が端部辺Aに相当し、サイドカバー19の摺接部19bの内側端部が端部辺Bに相当する。端部辺Aと端部辺Bとの間には、隙間3aが形成されている。
この例でも端部辺Bは、端部辺Aからベルト巻取部91へ引いた接線よりも着座部10の中央側に位置するように形成されているので、ベルト63が巻取装置90に巻き取られるとき、端部辺A,Bがベルト63と摺接してベルト63の引き込み速度を減速させることができる。
図7(B)に示す例は、サイドカバー19に延出部19aと摺接部19bが形成され、隆起部15に延出部15aと摺接部15bが形成された例である。延出部15aと延出部19aは、略面一に形成されている。摺接部15bは、延出部15aの下側に形成され延出部15aと略平行に延出して形成されている。
隆起部15の摺接部15bの外側端部が端部辺Aに相当し、サイドカバー19の摺接部19bの内側端部が端部辺Bに相当する。端部辺Aと端部辺Bとの間には、隙間3aが形成されている。
この例でも端部辺Bは、端部辺Aからベルト巻取部91へ引いた接線よりも着座部10の中央側に位置するように形成されているので、ベルト63が巻取装置90に巻き取られるとき、端部辺A,Bがベルト63と摺接してベルト63の引き込み速度を減速させることができる。
図7(A),(B)のように、隆起部15,サイドカバー19の外観を構成する端部の先端辺をそれそれ端部辺A,Bとするのではなく、ベルト63と摺接させるために部材を一部、延出させて端部辺A,Bを構成してもよい。
この図7の例においても、摺接部15b,19bは樹脂成形においてボトムプレート14,サイドカバー19と一体に形成することができるので、別部品を追加することがないので好適である。
本発明の実施例に係る車両用シートの斜視図である。 本発明の実施例に係る車両用シートの平面図である。 本発明の実施例に係る車両用シートの着座部の断面図である。 本発明の実施例に係るベルト引出部の拡大図である。 本発明の実施例に係るベルト引出部の断面図である。 本発明の実施例に係るベルト引出部の説明図である。 本発明の他の実施例に係るベルト引出部の説明図である。
符号の説明
1 車両用シート、3 ベルト引出部、3a 隙間、5 凹部、5a 立下り部、10 着座部、10a ランバーサポート部、10b 凹部、11 表皮材、12 溝、13 クッション材、14 ボトムプレート、14a 係止孔、15 隆起部、15a 延出部、15b 摺接部、18 支持部、19 サイドカバー、19a 延出部、19b 摺接部、20 排水部、30 背もたれ部、50 肘掛部、60 シートベルト、62 バックル、63 ベルト、65 タング、65a 取付部材、71 操作ダイヤル、81 スライドレバー、90 巻取装置、91 ベルト巻取部、100 表示部、110 支持枠、A,B 端部辺、L1,L2 接線

Claims (1)

  1. ボトムプレートと、該ボトムプレート上に配設されたクッション材と、該クッション材を上方から覆う表皮材とを有する着座部に着座した乗員を保護するためのシートベルトを備えた車両用シートであって、
    先端部に係合部が取付けられたベルトと、前記係合部と係合して該係合部を保持するための被係合部と、カバー体に覆われ前記ベルトをベルト巻取部に巻き取る巻取装置と、を備え、
    前記カバー体は、前記ボトムプレートの左右端部側が隆起して露出した隆起部と、外側から前記隆起部に嵌め込まれて一体となる合成樹脂製のサイドカバーとから構成され、
    前記カバー体には、前記ベルトを引き出すためのベルト引出部が形成され、
    該ベルト引出部は、前記被係合部側から延出する一方の部材の端部辺と、前記被係合部側へ延出する他方の部材の端部辺とによって前記ベルトを引き出すための隙間が形成され、
    前記一方の部材は、前記ボトムプレートの端部であり、
    前記他方の部材の端部辺は、前記一方の部材の端部辺よりも前記巻取装置に近い位置に形成されると共に、前記一方の部材の端部辺から前記ベルト巻取部へ引いた接線よりも前記被係合部側に位置するように形成されたことを特徴とする車両用シート。
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