JP3375481B2 - 乗物用座席 - Google Patents

乗物用座席

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JP3375481B2
JP3375481B2 JP06204596A JP6204596A JP3375481B2 JP 3375481 B2 JP3375481 B2 JP 3375481B2 JP 06204596 A JP06204596 A JP 06204596A JP 6204596 A JP6204596 A JP 6204596A JP 3375481 B2 JP3375481 B2 JP 3375481B2
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敬史 沼口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗物用座席に関
し、特に所謂三点式のシートベルトがビルトインされ
て、主にバス等の大型乗物の運転手が使用するのに適し
た乗物用座席に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗物におけるシートベルトは、乗物の衝
突時等において、乗員がフロントガラスにたたき付けら
れたり、車外にほうり出されないようにして、乗員の保
護を行うものとして非常に重要なものであることは周知
のことである。このようなシートベルトは、腰部拘束用
ラップベルトと、上胴部拘束用ショルダベルトとを連続
的なものとするとともに、腰部の両側と一方の肩部上方
で固定する所謂三点式のものが主流となってきている。
【0003】このような三点式シートベルトは、特開平
4−303054号公報にても報告されている通り、そ
のリトラクタ(平常時はシートベルトの出入を自由とし
て乗員が動き易いようにするとともに、衝突等の緊急時
にはシートベルトの動きを規制して乗員を座席に拘束さ
せる装置)を、ピラー等の車体側に固定したものと、座
席そのものに組み込んだ「ビルトインタイプ」のものと
がある。このような、リトラクタを座席側にビルトイン
したタイプのものは、シートバックの傾斜度合や、シー
トクッションの前後方向及び高さ方向の位置変更に拘ら
ず、乗員に対するシートベルトの相対的位置関係が変化
しないため、前述したリトラクタを車体のピラー等に取
付けたものより利点の多いものとなっている。
【0004】このような利点の多いビルトインタイプの
三点式シートベルトではあるが、前述した特開平4−3
03054号公報の発明者は、「乗員の体格は千差万別
にも拘らず、ベルト位置を平均体格に合わせたものとし
てその位置変更ができないものとなっているため、体格
の小さい人はショルダベルトが肩に沿わず、また体格の
大きい人はラップベルトが腰に喰い込むといった不具合
が生ずる」という点に着目して、「シートバックフレー
ムの一側に設けたショルダベルトアンカー部と該アンカ
ー部と同じ側であって且つシートクッションの一側部に
設けたラップベルトアンカー部と該ラップベルトアンカ
ー部とは反対側のシートクッションの側部に設け且つタ
ングプレートを受けるバックルを有しショルダベルトア
ンカー部をラップベルトアンカー部により内側に位置さ
せているベルト一体シート装置」という発明を提案して
いる。
【0005】しかしながら、本発明者等の考察による
と、普通道路での事故ならまだしも、例えば高速道路で
の高速走行時の衝突事故において運転手である乗員に重
大なる結果をもたらすケースでは、乗員が着座している
座席そのものが衝突時等の大きな加速度によって座席と
床との固着具(支持台)の破損により床から離れてしま
う場合があり、前述した従来技術である発明によるビル
トインタイプの三点式シートベルトを使用していても、
このシートベルト自体が、支持台から外れ重大な結果を
もたらすことになる座席と一体(ビルトインされてい
る)であるため、何等の役に立たないことになってしま
うのである。
【0006】また、本発明者等は、この種の三点式シー
トベルトについて、次のような種々な要望があることを
見出している。
【0007】三点式シートベルトの装着は、その中程
に設けてあるタングをシートフレーム側に取付けてある
固定具に差し込むことにより行うのであるが、固定具が
シートクッションの右にあるか左にあるかによってショ
ルダベルトの方向が決ってしまう。例えば、ワンマンバ
スの運転手の場合、ショルダベルトは左上から右下に向
くようにした方が、右手で乗客との応待をするのに都合
がよい。逆に、乗客との直接的な応待は少ないけれど
も、座席の左側にある種々なスイッチ操作を頻繁に行わ
なければならない、例えば観光バスの運転手にしてみれ
ば、ショルダベルトは右上から左下に向くようにしてあ
った方がよい。また、車室内の壁や通路の配置状況によ
っても、右上からかけるか左上からかけるかが決ってく
る場合があり得るのであり、そのようなシートベルトの
掛け方はできれば両方共できるようにしておいた方がよ
い。つまり、そのようなシートベルトの掛け方変更が自
由に行える座席であるとよいのである。
【0008】ビルトインタイプの三点式シートベルト
は、前述したように、背もたれのリクライニングやシー
トクッションの前後または上下調整を行っても、使用者
の身体に合う利点を有しているものであるが、さらにそ
れを効果的かつ有効なものとする必要がある。
【0009】シートベルトを平常時には自由に、また
衝突等の緊急時には固定するリトラクタは、安定化され
た場所に配置すべきである。そうしないと、イザという
ときに十分な機能を発揮してくれないことになる場合が
あるからである。
【0010】リトラクタから引き出されたシートベル
トは、円滑に案内されなければならない。その理由は、
シートベルトは頻繁に使用されるものであるだけでな
く、イザというときに使用者の命を守るためのものだか
らである。
【0011】以上のようなシートベルトやこれを固定
するものは勿論、座席を構成する各部品は共通して使用
されるものである。つまり、ある型式の座席について、
シートベルトやシートフレームの案内レール等をそれぞ
れの型式に合わせて言わば特注することは極めて希であ
り、多くの共通部品を使用することが行われている。部
品を共通化することにより、座席の製造工程を簡単にす
るとともに、コストを低減させることができるからであ
る。
【0012】以上の各種要望を満たしながら、しかも、
乗員を守るというシートベルト本来の役割を十分発揮す
るようにするためには、座席側で工夫すべきものは何か
と、本発明者等が種々検討を重ねてきた結果、本発明が
完成されたのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、三点式シートベルトをビルトインする座席に
ついて、衝突等の際の衝撃に十分耐え得る構造のものと
するとともに、この補強構造を前提としながら三点式シ
ートベルトの使用性能をより一層高めることである。
【0014】すなわち、まず請求項1に係る発明の目的
とするところは、座席に必要なシートクッションの上下
・前後の調整機能を損なわないようにしながら、衝突時
等における衝撃にも十分耐え得る乗物用座席を提供する
ことにある。
【0015】また、請求項2及び請求項3に係る発明の
目的とするところは、上記請求項1の目的を達成するこ
とを前提としながら、それぞれ次の目的、すなわち、 請求項2の発明の目的;車室内の状況あるいは使用者の
必要に応じて、ショルダベルトの方向を無理なく自由に
変更できるようにすること。 請求項3の発明の目的;シートクッションの上下または
前後調整、及び背もたれのリクライニングには殆ど影響
を受けないようにしながら、シートベルトをリトラクタ
内へ案内するようにすること。シートベルトの引き出し
及び収納が頻繁に行われることになるリトラクタを、そ
の機能を常に安定的に発揮できるようにすること。 を達成することのできる乗物用座席を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1に係る発明の採った手段は、以下の
実施形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「乗物の床面上に取付けられて高さ調整自在な支持台1
0に対して、前後方向の案内レール30を介して支持す
ることにより前後動可能としたシートフレーム20と、
このシートフレーム20に対してリクライニング可能に
支持したシートバック40と、このシートバック40側
に設けた肩部アンカー53に一部が案内されてリトラク
タ60に対して出入自在とした三点式シートベルト50
とを有する乗物用座席であって、支持台10を構成し、
かつ案内レール30の下側レール32が固着される上枠
12の少なくとも一側面に、当該上枠12の補強をも行
う案内部材15を一体化するとともに、この案内部材1
5を一端にて覆う緊急係合部材21の他端をシートフレ
ーム20側に固着したことを特徴とする乗物用座席10
0」である。
【0017】すなわち、この請求項1に係る乗物用座席
100では、シートベルト50を収納するためのリトラ
クタ60を支持台10等に取付けるとともに、シートベ
ルト50を案内するための肩部アンカー53をシートバ
ック40に取付けて、シートベルト50を所謂ビルトイ
ンしたものであるが、このシートベルト50を介して当
該乗物用座席100に加わる衝突時等の衝撃に十分耐え
られる乗物用座席100としたものである。
【0018】つまり、この乗物用座席100は、例えば
図1及び図2に示すように、シートクッション22を支
持しているシートフレーム20を、案内レール30を介
して支持台10上に組付けたものである点では、従来一
般に採用されている座席と略同じなのであるが、この乗
物用座席100では、シートクッション22を支持して
いるシートフレーム20が、支持台10上に次の点で十
分な補強がされていることになって、当該乗物の衝突時
の大きな加速度によっても、乗員がシートフレーム20
毎前方へ飛び出すようなことはないのである。
【0019】まず、支持台10を構成している上枠12
の側面には、図4に示すように、前後方向となる案内部
材15が一体化してある。この案内部材15は、言わば
角柱状のものであり、案内レール30を構成している上
側レール31の後部が前後動する全ての範囲にわたって
延在し得る長さを有している。この案内部材15の側方
は、特に図1及び図4の(イ)にて示したように、断面
略コ字状の緊急係合部材21の一端によって覆ってあ
り、この緊急係合部材21の他端はシートフレーム20
側に一体化してある。
【0020】この緊急係合部材21は、図4の(イ)に
示したように、通常は案内部材15に近接した状態にあ
るだけで、当該案内部材15と機械的には何等つながっ
ていない。シートフレーム20を前後調整するにあたっ
て、この緊急係合部材21が邪魔になってはならないか
らであり、常に支持台10側の案内部材15の側方に単
に位置しているだけである。なお、この緊急係合部材2
1は、例えば図2に示すように、長尺な案内部材15に
対して十分短いものであり、シートフレーム20の前後
調整をどのように行っても、その全体が常に案内部材1
5の側方のどこかに位置するようにしてある。
【0021】通常時には何等の機能も持っていない緊急
係合部材21であるが、衝突時には次のような重要な働
きをなすものである。すなわち、まず、当該乗物用座席
100を搭載した車両が高速道路での高速走行時に衝突
したとすると、乗物用座席100に着座していた運転手
の前方への慣性力がシートベルト50を介して乗物用座
席100に大きく加わることになり、シートフレーム2
0は支持台10から引き離されようとする。
【0022】ところで、一般に、シートフレーム20と
支持台10とは案内レール30を介して連結されてお
り、案内レール30は比較的薄い金属板を曲げて形成し
た上側レール31及び下側レール32を互いに前後動自
在となるように組み合わせて形成したものであるから、
シートベルト50を介して加わる運転者等の前方への大
きな慣性力に対しては弱いものである。また、シートフ
レーム20に対するシートバック40の連結は、シート
バック40内のシートバックフレームを構成している左
右二本のアームによって行われているのであるが、シー
トバック40をリクライニング可能なものとしなければ
ならない関係上、左右いずれかのアームの連結強度が弱
い。
【0023】従って、乗物の衝突によって、シートフレ
ーム20が支持台10から引き離されようとする場合の
力は、シートフレーム20の後部を持ち上げる方向の力
となるか、あるいは、シートフレーム20を支持台10
に対して回転させながら引き離そうとする力となるので
ある。いずれの場合の力に対しても、案内レール30の
構造だけでは持ちこたえられないのであるが、そのとき
に緊急係合部材21が案内部材15に係合するのであ
る。
【0024】これにより、シートフレーム20は、それ
以上の回転や後部の持ち上げがなされず、支持台10側
に保持されたままとなるのであり、このシートフレーム
20に対して慣性力がシートベルト50を介して加わっ
たとしても、シートフレーム20が運転者とともに乗物
の前面ガラスを衝き破って車外に飛び出してしまうこと
はないのである。
【0025】また、上記課題を解決するために、請求項
2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に係る乗物
用座席100について、そのリトラクタ60を、支持台
10を構成する下枠11の背面中央に取付けたことであ
る。
【0026】すなわち、この請求項2に係る乗物用座席
100は、シートベルト50を図1中の実線にて示した
方向は勿論、仮想線にて示した方向にも取付変更ができ
るようにしたものであり、そのように変更したとして
も、リトラクタ60が常時安定的に機能し得るようにし
たものである。換言すれば、この種の乗物用座席100
にシートベルト50をビルトインするに際しては、従来
の技術の項で述べたように、そのショルダベルトの方向
を左右変更する必要があるが、この乗物用座席100で
は、例えば支持板61の角度調整穴62を選択すること
により、リトラクタ60の方向を自由に変えることがで
きるのである。そして、この乗物用座席100は、その
リトラクタ60を支持台10の背面中央に配置すること
により、いずれでもその機能を十分発揮させることがで
きるようにしたものなのである。
【0027】特に、リトラクタ60を、支持台10を構
成している下枠11の背面に取付けたことは重要であ
る。何故なら、この下枠11は床面に直接固定されるも
のであるから、衝突によっては破損しにくい部分・場所
であるため、リトラクタ60そのものの保護を十分行え
るからである。もし、衝突と同時にリトラクタ60が破
損してしまうと、シートベルト50が自由に動かなくな
って運転者をシートフレーム20上のシートクッション
22にしばり付けたままとなることがある。その場合に
は、折角前方への飛び出しが防止されて助かった運転者
も、今後は車両火災の際に素早く逃げ出すことができな
くなってしまう可能性があるが、リトラクタ60が無事
だとそのようなことにはならないのである。
【0028】そして、上記課題を解決するために、請求
項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または2
の乗物用座席100について、三点式シートベルト50
のリトラクタ60に近接する部分を、支持台10を構成
する上枠12の背面中央に後方へ案出させたガイド70
により案内するようにしたことである。
【0029】すなわち、乗物用座席100においては、
シートベルト50のショルダベルトは、シートバック4
0の左または右背面に設けた肩部アンカー53によって
案内することにより、使用者の上半身の前方斜めに位置
するようにされるものなのであるし、またこの肩部アン
カー53を取付けたシートバック40は、例えば図3に
示したように、シートフレーム20に対して種々な角度
でリクライニングされるものであるが、シートバック4
0の背面に位置することになるシートベルト50は種々
な角度に位置することになる。勿論、シートベルト50
の角度変動は、シートフレーム20の前後調整によって
も生ずる。一方、リトラクタ60は、どのような場合で
も、その取付位置は固定的であるから、角度が種々変更
されるシートベルト50の収納や引き出しは、場合によ
っては安定的に行えないこともあり得る。
【0030】ところが、この請求項3の乗物用座席10
0では、上述したように構成することによって、リトラ
クタ60とガイド70との位置を常に一定のものとする
のであり、このガイド70によってシートベルト50の
リトラクタ60への収納は勿論、リトラクタ60からの
引き出しをも常に一定の状態で行うようにしているので
ある。これにより、リトラクタ60は常に安定的に作動
するのであり、その機能がシートフレーム20の前後調
整やシートバック40のリクライニングによって損なわ
れることはないのである。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、各請求項の発明について、
図面に示した実施の形態である乗物用座席100に従っ
て説明するが、この実施形態に係る乗物用座席100
は、上記請求項の発明の全てを含むものであるから、以
下ではこの実施形態の乗物用座席100を中心に説明し
ていくことにする。
【0032】図1及び図2には、本発明に係る乗物用座
席100の正面図と側面図とが示してあるが、これらの
図に示した乗物用座席100では、その使用者すなわち
運転者が直接着座することになるシートクッション22
をシートフレーム20上に組み付けて、このシートフレ
ーム20を、乗物の床面上に固定される支持台10上
に、案内レール30を介して組み付けてある。また、シ
ートフレーム20に対しては、シートバック40がリク
ライニング可能に支持してあり、このシートバック40
の左背面(運転者が着座したときに、運転者からみて左
後方)には肩部アンカー53が固定してある。そして、
運転者の保護を行うシートベルト50は、その一端をシ
ートフレーム20の左側に固着するとともに、他端を支
持台10側に取付けたリトラクタ60内に収納・引き出
し自在とし、シートクッション22の右側(図1では図
示左側)に配置してある固定具52に固定すべきタング
51は、図1に示したように、肩部アンカー53の前面
側に配置される。運転者が着座時にタング51を固定具
52に挿入するとき、肩部アンカー53は回動し、シー
トベルト50が運転者の体型にフィットするようになっ
ている。
【0033】支持台10は、床面上に固定される下枠1
1と、後述の案内レール30を介してシートフレーム2
0が連結される上枠12とを、リフトアーム13によっ
て高さ調整可能に組付けたものである。本実施形態の支
持台10では、上枠12とリフトアーム13との間にス
プリング14を介装することにより、上枠12が常に上
動するように構成してあり、下方への動きは例えば運転
者が体重を掛けることによりなされるようにしてある。
勿論、支持台10の高さ調整後の位置は、例えば下枠1
1内に組み込んだガススプリング等の規制手段を上枠1
2側に設けてある高さ調整レバー16によって操作する
ことにより固定でき、また自由に上下動し得るようにさ
れるものである。
【0034】特に、支持台10を構成している上枠12
は、図3及び図4に示したように長方形の枠状のものに
形成してある。すなわち、乗物の前後方向に位置するこ
とになる二本の長辺杆12aを横方向のパイプ材等で補
強しながら長方形状にしたのがこの上枠12なのである
が、各長辺杆12aにはリフトアーム13を連結した
り、リフトアーム13の端部を摺動自在に案内できるよ
うな構造にしてある。そして、これら各長辺杆12aの
上面には、後述する案内レール30の下側レール32が
固着されることになるのである。
【0035】また、各長辺杆12aの外側面には、図3
及び図4に示したように、略四角柱状の案内部材15が
一体化してある。この案内部材15の長さは、案内レー
ル30を構成している上側レール31の後端部が移動す
る範囲の全てをカバーできるようなものとしてある。す
なわち、後述するシートフレーム20は、運転者の体格
や好みに応じて上枠12上をスライドされるのである
が、そのスライド範囲の全てにわたって、この案内部材
15が延在しているのである。換言すれば、これら各案
内部材15は、図4の(ロ)に示したように、上枠12
の後端から前方側へ約2/3程度の長さを有していれば
十分なのである。
【0036】一方、運転者が直接着座することになるシ
ートクッション22を支持しているシートフレーム20
は、一般的な構造を有するものであり、シートバック4
0をリクライニング可能に支持したり、シートベルト5
0の固定具52を固定したりするものである。このシー
トフレーム20は、その下面に案内レール30を構成し
ている上側レール31が固着されることになるものであ
り、またそのようにするのに十分強度を有したものとし
て形成してある。
【0037】本発明に係る乗物用座席100のシートフ
レーム20で重要なことは、図1及び図2に示したよう
に、その下部後方両側に緊急係合部材21がそれぞれ一
体化してあることである。この緊急係合部材21は、図
4の(イ)中の仮想線にて示したように、正面が略コ字
状のものとなっているものであり、その一端が支持台1
0側の案内部材15を覆うことになるものである。すな
わち、この緊急係合部材21は、通常時は上枠12側の
案内部材15とは何等の関係もなくその外側に位置して
いて、シートフレーム20の前後調整には全く影響がな
いようになされているものである。ところが、一旦衝突
事故が発生してシートフレーム20が支持台10から離
れようとすると、これらの緊急係合部材21はそのどち
らかが案内部材15に直ちに係合することになり、シー
トフレーム20の支持台10からのそれ以上の遊離を防
止するのである。
【0038】案内レール30は、支持台10を構成して
いる上枠12の各長辺杆12a上に固定される下側レー
ル32と、シートフレーム20の下面に固定される上側
レール31とを、例えば玉軸受等を利用することにより
互いに前後動のみ自在に組付けて構成したものであり、
機能部品として一般的に市販されているものである。な
お、この案内レール30においては、図示しない爪を上
側レール31及び下側レール32間に係合することによ
り、両者の相対移動を停止させるようにしたものである
が、その爪を操作するのが、図1等に表れている前後調
整レバー33なのである。
【0039】以上の通りであるから、運転者は、自らが
着座しているシートクッション22の前後方向の位置を
調整したい場合には、上述した前後調整レバー33を操
作するのであるし、またシートクッション22の高さ調
整を行いたい場合には、別の高さ調整レバー16を操作
すればよいのである。なお、シートバック40のリクラ
イニングをしたい場合には、図2に示したリクライニン
グ操作レバー41を操作すればよいのである。
【0040】シートフレーム20にリクライニング可能
に連結されるシートバック40も従来より採用されてい
る一般的なものではあるが、本実施形態では、表装材の
上側から肩部アンカー53を取付けられるように、当該
シートバック40のフレームには取付板が左右一対内蔵
してある。すなわち、このシートバック40において
は、肩部アンカー53を、図示したような左上背面で
も、また図1の仮想線にて示したように、右上背面でも
自由に選択して取付けられるようにしてあるのである。
このシートバック40のリクライニング操作は、図2に
示したリクライニング操作レバー41を利用してなされ
る。
【0041】さて、この乗物用座席100においては、
シートベルト50はこれにビルトインされている。すな
わち、シートベルト50の一端がシートフレーム20に
固着してあって、その途中はシートバック40に取付け
た肩部アンカー53によって案内されているのである
が、このシートベルト50の他端は、図2に示したよう
に、支持台10を構成している下枠11の後面に取付け
たリトラクタ60内に収納、またはこれから引き出し自
在としてある。これらのシートベルト50及びリトラク
タ60は一般的なものであり、所謂市販品を採用して、
使用者が一般的な知識で使用できるものである。
【0042】本発明において重要なことは、リトラクタ
60の乗物用座席100に対する取付け位置として、支
持台10を構成している下枠11の背面中央を選択した
ことである。すなわち、この乗物用座席100において
は、図1及び図2に示したように、下枠11の背面中央
に支持板61を略垂直に立設固定しておいて、この支持
板61にリトラクタ60が取付けてある。このリトラク
タ60の取付角度は、シートベルト50のショルダベル
トを左上から右下へ、または右上から左下へ掛けられる
ようにする、すなわち肩部アンカー53をシートバック
40の左上または右上側に取付けるのに応じて変化する
が、その場合のリトラクタ60に対するシートベルト5
0の方向を略まっすぐになるようにしなければならない
から、変更しなければならない。そのために、このリト
ラクタ60を取付ける支持板61には、図6にも示した
ように、複数の角度調整穴62が形成してあって、リト
ラクタ60の取付けをこの角度調整穴62を選択するこ
とにより、最適な角度で行えるようにしてある。
【0043】また、シートバック40は、図5中の仮想
線にて示したように、後方に大きくリクライニングされ
ることになるものであり、その場合には、シートベルト
50のための肩部アンカー53も大きく後方に移動する
ことになる。しかも、シートクッション22が取付けて
あるシートフレーム20は、図2中の実線の位置から図
2中の仮想線に示した位置まで上下及び前後動されるの
であるから、これらのことによってもシートベルト50
のリトラクタ60に対する出入方向が大きく変化する。
本発明の乗物用座席100においては、そのようなシー
トベルト50の方向変化がリトラクタ60の作動に影響
を与えないようにするために、例えば図5に示すよう
に、シートベルト50のためのガイド70が設けてある
のである。
【0044】各ガイド70は、リトラクタ60の上方に
位置して、シートクッション22の前後調整やシートバ
ック40のリクライニングによっては変化しない場所、
本実施形態においては、支持台10の上枠12背面に設
けてある。勿論、この上枠12は、上下動されることに
なるものであるが、リトラクタ60に対するシートベル
ト50の出入方向については上枠12が上下動しても殆
んど変化しないから、この上枠12の背面にガイド70
を設けても何等問題はない。勿論、これらのガイド70
は、リトラクタ60のための支持板61側に一体的に設
けるようにして実施してもよいものである。
【0045】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に係る発明
においては、上記実施形態において例示した如く、「乗
物の床面上に取付けられて高さ調整自在な支持台10に
対して、前後方向の案内レール30を介して支持するこ
とにより前後動可能としたシートフレーム20と、この
シートフレーム20に対してリクライニング可能に支持
したシートバック40と、このシートバック40側に設
けた肩部アンカー53に一部が案内されてリトラクタ6
0に対して出入自在とした三点式シートベルト50とを
有する乗物用座席であって、支持台10を構成し、かつ
案内レール30の下側レール32が固着される上枠12
の少なくとも一側面に、当該上枠12の補強をも行う案
内部材15を一体化するとともに、この案内部材15を
一端にて覆う緊急係合部材21の他端をシートフレーム
20側に固着したこと」にその構成上の特徴があり、こ
れにより、座席に必要なシートクッションの上下・前後
の調整機能を損なわないようにしながら、衝突時等にお
ける衝撃にも十分耐え得る乗物用座席を提供することが
できるのである。
【0046】また、請求項2に係る発明においては、上
記請求項1に係る乗物用座席100について、そのリト
ラクタ60を、支持台10を構成する下枠11の背面中
央に取付けたことにその構成上の特徴があり、上記請求
項1と同様な効果を発揮することは勿論のこと、車室内
の状況あるいは使用者の必要に応じて、ショルダベルト
の方向を無理なく自由に変更できるようにすることがで
きるのである。すなわち、この請求項2に係る乗物用座
席100によれば、車室内の状況あるいは使用者の必要
に応じて、ショルダベルトの方向を無理なく自由に変更
できるようにすることをも可能とすることができるので
ある。
【0047】さらに、請求項3に係る発明においては、
上記請求項1または2に係る乗物用座席100につい
て、三点式シートベルト50のリトラクタ60に近接す
る部分を、支持台10を構成する上枠12の背面中央に
後方へ案出させたガイド70により案内するようにした
ことにその構成上の特徴があり、これにより、請求項1
または2の発明と同様な効果を発揮することができる
他、シートクッションの上下または前後調整、及び背も
たれのリクライニングには殆ど影響を受けないようにし
ながら、シートベルト50をリトラクタ60内へ案内す
るようにすることができて、シートベルト50の引き出
し及び収納が頻繁に行われることになるリトラクタ60
の機能を常に安定的に発揮できるようにすることができ
るのである。
【0048】すなわち、この請求項3に係る乗物用座席
100によれば、特に、シートクッション22の上下ま
たは前後調整、及びシートバック40のリクライニング
には殆ど影響を受けないようにしながら、シートベルト
50をリトラクタ60内へ案内するようにすることがで
きるのであり、しかも、シートベルト50の引き出し及
び収納が頻繁に行われることになるリトラクタ50を、
その機能を常に安定的に発揮できるものとすることがで
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗物用座席の正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同乗物用座席を構成している支持台の上枠の斜
視図である。
【図4】同上枠を示すもので、(イ)は拡大正面図、
(ロ)は平面図である。
【図5】本発明に係る他の乗物用座席を示す側面図であ
る。
【図6】同乗物用座席にビルトインされたシートベルト
を示すもので、(イ)はその正面図、(ロ)は側面図、
(ハ)は(イ)の1−1線に沿ってみた肩部アンカーの
拡大断面図である。
【符号の説明】
100 乗物用座席 10 支持台 11 下枠 12 上枠 12a 長辺杆 13 リフトアーム 14 スプリング 15 案内部材 16 高さ調整レバー 20 シートフレーム 21 緊急係合部材 22 シートクッション 30 案内レール 31 上側レール 32 下側レール 40 シートバック 50 シートベルト 51 タング 52 固定具 53 肩部アンカー 60 リトラクタ 61 支持板 62 角度調整穴 70 ガイド

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗物の床面上に取付けられて高さ調整自在
    な支持台に対して、前後方向の案内レールを介して支持
    することにより前後動可能としたシートフレームと、こ
    のシートフレームに対してリクライニング可能に支持し
    たシートバックと、このシートバック側に設けた肩部ア
    ンカーに一部が案内されてリトラクタに対して出入自在
    とした三点式シートベルトとを有する乗物用座席であっ
    て、 前記支持台を構成し、かつ前記案内レールの下側レール
    が固着される上枠の少なくとも一側面に、当該上枠の補
    強をも行う案内部材を一体化するとともに、この案内部
    材を一端にて覆う緊急係合部材の他端を前記シートフレ
    ーム側に固着したことを特徴とする乗物用座席。
  2. 【請求項2】前記リトラクタを、前記支持台を構成する
    下枠の背面中央に取付けたことを特徴とする請求項1に
    記載の乗物用座席。
  3. 【請求項3】前記三点式シートベルトのリトラクタに近
    接する部分を、前記支持台を構成する上枠の背面中央に
    後方へ案出させたガイドにより案内するようにしたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載に乗物用座席。
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