JP4378581B2 - 紙綴じ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙に形成した孔に紙綴じ用のローラリングを挿入して組付けるための紙綴じ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図24に示すように所定の大きさの紙1、例えば、A4やB5の規格紙を綴じる場合、プラスチック製の紙綴じ用のローラリング(ローラバインド用リング)2を利用することがある。ローラリング2は、図27に示すように、円盤部3の外周に断面半円状のリング4(図28参照)を一体に設けたものである。リング4は内周面が円盤部3と直交したフラット部4aになっており、外周面が湾曲部4bになっている。なお、図25は、紙綴じ用のローラリング2で紙1を綴じたときの態様を示し、図26はローラリング2と紙1との掛合状態を示したものである。上記ローラリング2は径の異なるものが数種類(例えば、径が略25mm前後、略19mm前後、略13mm前後、略6mm前後のもの)あり、紙の厚さに応じて選択して使用している。
【0003】
ローラリング2で紙1を綴じる場合、先ず、ローラリング2の円盤部3が机等の上面に直交するように手で立てて支持し、このローラリング2の上側または下側に紙1に明けた茸状の孔5(この孔5は、図26に示すように、半円状の孔5aとスリット5bとから形成されている)を当接させて強く押込むように挿入するか、または、紙1を手で保持し、紙1の孔5、特にスリットにローラリング2を強く押付けて挿入するようにしている。
【0004】
なお、紙1に孔5が明けられていない場合は、図29に示すように、紙位置決め装置6及び孔明けパンチ7を利用して茸状の孔5を明けている。紙位置決め装置6は、紙1を載置する平板部8aを備えた紙載置部8の前側部位に紙1を押さえる紙押え部9と、紙1の端部が当接する段部10を備えたガイドプレート11とを回動可能に取り付けたものである。
【0005】
上記紙位置決め装置6によって紙1に孔5を明ける場合、紙押え部9を起立させて紙載置部8の平板部8aの上面に紙1を載置し、紙1の先端部をガイドプレート11の段部10に当接させて位置決めし、その後、紙押え部9を紙載置部8側に回動させて紙押え部9と平板部8aとで紙1を挟持する。紙載置部8の平板部8aには長細い鋼板(図示なし)が装着され、紙押え部9の前記鋼板と対向する面にはマグネット(図示なし)が装着されているので、鋼板及びマグネットが互に吸着して紙1が強く挟持される。次に、ガイドプレート11を紙載置部8の裏面側に折返し、紙押え部9に形成された凹部12に孔明けパンチ7の中央に設けた凸部13を順次嵌合させながらパンチングを行う。この作業によって、紙1の綴じ側に茸状の孔5が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来技術においては、紙綴じ用のローラリングで紙を綴じる場合、手で立たせたローラリングに紙の孔部分を強く押付けて、ローラリングを孔に挿入したり、また、手で保持した紙の孔にローラリングを強引に押込むようにしていたので、紙がずれて孔が不揃いとなりローラリングが挿入しにくかった。このため、かみがずれる度に紙を揃え直さなければならずその作業が煩雑であった。
【0007】
また、紙位置決め装置及び孔明けパンチによって紙に孔を明けた場合、紙は紙載置部材と紙押え部とによって挟持されて揃ってはいるが、孔を明けた状態では紙の先端が保持されずに自由状態となっているため、ローラリングが挿入しにくい問題があった。また紙の端部を位置決めするガイドプレートを位置決めしたときと同じ状態になるように紙側に折返して紙を保持したしても、ガイドプレートとローラリングとが干渉してローラリングが孔に挿入できない問題があった。
【0008】
本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、紙位置決め装置の紙を位置決めするガイドプレートにローラリング挿入用の手段を付加し、これによって孔明けを行った状態で、紙を揃え直すこともなく、ローラリングの位置決めが行われ、そのまま紙にローラリングが挿入できると共に、作業の煩雑さをなくした紙綴じ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の紙綴じ装置は、平板状のベース面を有する紙載置部材の両側部前側に、紙を位置決めするスケール部を回動可能に取付け、前記紙載置部材の、前記スケール部の取付位置よりも前側に、前記ベース面に載置した前記紙を押さえるパンチガイド板を備えた、紙押え部を回動可能に取付け、前記スケール部に、前記紙を当接させて位置決めする縦壁部を、前記紙載置部材の前縁に沿わせて設け、前記縦壁部に、前記紙に明けた孔に対応し、かつ、紙綴じ用のローラリングを前記縦壁部及び前記孔に嵌入させる切欠部を間隔を開けて複数個形成したことを特徴とする。
したがって、前記スケール部に紙載置部材の前縁に沿わせた縦壁部を設け、この縦壁部に紙載置部材に載置した紙の先端を当接させて紙の位置決めを行うと共に、紙を紙載置部材と紙押え部とによって挟持した後、スケール部を紙載置部材の裏面側に反転させ、紙押え部のパンチガイド板でガイドした孔明けパンチにより紙の孔明けを行う。孔明けが完了した後、紙を挟持したまま、スケール部を紙を位置決めしたときの状態に再度反転させる。すると、紙の孔と、縦壁部に間隔を明けて設けた切欠部とが対応するので、この切欠部にローラリングを嵌入させると共に、ローラリングを紙孔に挿入させて紙綴じを行う。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の紙綴じ装置は、板体の端部に紙を位置決めする縦壁部を設け、該縦壁部に紙綴じ用のローラリングを嵌入させる切欠部を形成したスケール板を設け、該スケール板に紙押さえ部材を設けたことを特徴とする。
したがって、スケール板の板体の端部に設けた、切欠部を有する縦壁部に板体に載置した紙の端部を当接させて紙の位置決めを行うと共に、切欠部に紙孔を対応させて紙孔の位置決めを行った後、紙を板体と紙押え部材とで挟持する。この状態で、切欠部にローラリングを嵌入させて紙孔にローラリングを挿入させて紙を綴る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明に係る紙綴じ装置は、従来の紙1の位置決め装置6のガイドプレート11(いずれも図29参照)にローラリング2を挿入させる手段を付加したものである。先ず、図1及び図2を用いて紙綴じ装置21の概要について説明する。なお、図24乃至図29と同一の部材には同一の符号を付す。また、図1及び図2において、符号F及びRは、説明の便宜上付した紙綴じ装置21の前方及び後方を示している。
【0012】
紙綴じ装置21の紙載置部材22の幅方向の両側部にはガイド板23が一体に設けられている。このガイド板23の略前側の下部には、紙1(図24参照)を位置決めし、かつ、紙綴じ用のローラリング2(図24参照)を嵌入させるためのスケール部24(図1参照)が回動可能に取付けられている。さらに、ガイド板23の前端近傍の下部で、スケール部24の取付位置よりも前側には、紙載置部材22のベース面22aに載置した紙1を押える、後述するパンチガイド板38を備えた紙押え部25が回動可能に取付けられている。
【0013】
以下、夫々の部分について更に詳細に説明する。図3に示すものは前述した紙載置部材22に回動可能に取付けられた略コ字形のスケール部24の平面図であり、図4に示すものは図3の正面図(図3のB矢視図)である。また、図5に示すものは図3の底面図を示している。図において、スケール部24の床面部26の長手方向には紙載置部材22の前縁に沿った縦壁部27が設けられている(図7及び図8をも参照)。縦壁部27の内側面には綴じる紙1の端部が当接して紙1の位置決めが行われる。
【0014】
縦壁部27は、図8の断面図で示すように、紙綴じ用のローラリング2を横から保持できるように厚み(スケール部24の短手方向に沿う厚み)Xを有している。また、図3に示すように、縦壁部27には紙1に明けた孔5に対応し、かつ、ローラリング2を縦壁部27及び紙孔5に嵌入させるための切欠部28が複数個等間隔に形成されている。本実施の形態においては、切欠部28は11個形成されている。
【0015】
切欠部28と切欠部28との間の幅(スケール部24の長手方向に沿う幅)Yは、図3に示すように、ローラリング2のリング部4の厚さより少し長めに形成されている。また、切欠部28は縦壁部27の上端面より床面部26の幅の中程を越えて切欠かれ、ローラリング2が紙1の孔5に嵌入できるようになっている。さらに、スケール部24の両脚部24aには、図6乃至図9に示すように、軸受部29が形成され、軸受部29には軸受孔30が設けられている。
【0016】
図10は紙載置部材22の平面図であり、図11は図10の背面図(図10のH矢視図)である。また、図12は紙載置部材の側面図である。紙載置部材22の両側部にはガイド板23が紙載置部材22の前後方向に一体に設けられている。ガイド板23の前側内壁面には軸31が突設されている。また、ガイド板23の内側にはガイド板23に沿う補助板23aが設けられており(図13及び図14をも参照)、この補助板23aの前端近傍には軸部31Aが突設されている。この軸部31Aに前述したスケール部24の軸受孔30(図3参照)が回動可能に嵌合する。
【0017】
スケール部24の両脚部24aは、紙載置部材22のベース面22aの前側の凹み部32に嵌込まれて取付けられる。なお、図10及び図13において、符号33で示すものは、ベース面22aに装着された鋼板であり、符号34で示すものは、ベース面22aの前側裏面に設けられた補強用のリブである。
【0018】
図15は上記紙押え部25の平面図であり、図16は正面図である。また、図17は図15のM−M線に沿う断面図である。この紙押え部25は上面視略コ字形をしたもので、その脚部25aの先端側外側には、図18乃至図21に示すように、軸受部35が設けられ、軸受部35には軸受孔36が設けられている(図18及び20参照)。この軸受孔36に紙載置部材22の軸31(図10参照)を嵌合させて紙押え部25を回動可能に取付ける。
【0019】
また、図15において、脚部25aの内側部には孔明けパンチ7(図29参照)の凸部13が嵌合する位置決め用の凹部37を備えたパンチガイド板38が装着されている。このパンチガイド板38に沿わせて孔明けパンチ7を移動させれば、紙1に例えば、茸状の孔5を明けることができる。この紙押え部25の紙1と対向する面には、図19に示すように、マグネット33Aが取付けられている。このマグネット33Aと、紙載置部材22の鋼板33とが互いに吸着し合ってベース面22aに載置した紙1を挟持する。
【0020】
以上のように構成した本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の紙綴じ装置21は、紙1に孔5を明けるために、紙1を位置決めして挟持する機能と、孔5を明けた紙1に紙綴じ用のローラリング2を組付ける機能の二つを備えている。先ず、紙1に孔5を明ける機能について説明する。この場合は、従来技術の図29で説明した孔明け作業と略同じなので説明を簡単にする。
【0021】
図1において、紙綴じ装置21の紙載置部材22から紙押え部25が離れるように回動させて起立させ、この状態で紙載置部材22のベース面22aに紙1を載置し、コ字形の紙押え部25をくぐらせて紙1の先端をスケール部24の縦壁部27に当接させ紙1の位置決めをした後に、紙押え部25を元のように傾倒させることにより、位置決めした紙1は紙押え部25と、紙載置部材22のベース面22aとによって挟持され、マグネット33Aにより強く保持される(図22及び図23参照)。
【0022】
その後、スケール部24を紙載置部材22の軸部31A(図10参照)を回動中心にして回動させて紙載置部材22の裏面側に折返し、スケール部24の縦壁部27で位置決した紙1の先端を紙載置部材22の前縁から突出した状態にする。そして、従来技術の図29で示すように、孔明けパンチ7の位置決め用の凸部13を紙押え部25のパンチガイド板38の位置決め用の凹部37に嵌合させて孔明けパンチ7の位置決めをし、パンチガイド板38で孔明けパンチ7をガイドしながら位置をずらし、紙1に茸状の孔5を明けていく。
【0023】
次に、孔明けされた紙1を紙綴じ用のローラリング2にて綴じる場合について説明する。紙1に孔5を明けているときは、紙載置部材22と紙押え部25とによって紙1を挟持しているので、この挟持した状態でスケール部24を再度、反転させて紙1を位置決めした元の位置に戻す。すると、図22及び図23に示すように、紙1の端部が縦壁部27に当接すると共に、図22に示すように、紙1に形成した茸状の孔5が切欠部28の位置に対応する。この状態でローラリング2を切欠部28に押込んでいけば、ローラリング2のリング部4がスリット5bより孔5に挿入される。このようにして次々とローラリング2を切欠部28より孔5に挿入すれば、紙1を綴じることができる。
【0024】
本実施の形態に係る紙綴じ装置21は、紙載置部材22と、紙押え部25と、紙1の位置決めの機能及び、ローラリング2を挿入させる機能を兼用するスケール部24とから構成されるものであるが、スケール部24の機能だけを独立させたスケール板を形成してもよい。これは紙1と略同形の板体を設け、この板体の端部に紙1を位置決めする縦壁部を設け、この縦壁部及び板体の一部にローラリング2を嵌入させる切欠部を設けると共に、板体に載置した紙を挟持する磁石等によって形成される紙押え部材を設けたものである。このスケール板を使用するときは、板体に紙1を載置し、切欠部に紙1の孔5を対応させて板体と紙押え部材とによって紙1を挟持し、切欠部より位置決めした紙1の孔5にローラリングを挿入して紙を綴じるものである。
【0025】
【発明の効果】
本実施形態によれば、ベース面を備えた紙載置部材の略両側部前側近傍にスケール部を回動可能に取付けたので、スケール部によって紙載置部材のベース面に載置した紙の先端の位置決めを行うことができる。この位置決めをした紙を紙載置部材と紙押え部とによって挟持して保持し、スケール部を紙載置部材側に折り返し、パンチガイド板で孔明け用のパンチをガイドすれば、紙に孔を明けることができる。また、孔を明けた後、紙を挟持したままスケール部を元の位置に反転させれば、紙を移載することなく挟持したままスケール部により紙に明けた孔にローラリングを挿入することができ、紙を確実に綴じることができる。したがって、ローラリング取付けの煩雑さを回避することができる。
【0026】
また、スケール部に紙載置部材の前縁に沿わせて縦壁部を設けたので、この縦壁部に紙載置部材のベース面に載置した紙の先端を当接させれば紙の位置決めすることができる。紙の位置決めの後、スケール部を紙載置部材の裏面側に反転させ、紙押え部のパンチガイド板によりガイドすれば、位置決めした紙の孔明けをすることができる。孔明け後、スケール部を紙の位置決めをしたときと同じ位置に反転させれば、縦壁部に設けた複数個の切欠部と、紙の孔とを対応させることができる。この状態で、切欠部にローラリングを嵌入させれば、紙を移動することなく紙の孔にローラリングを容易に挿入することができ、孔明け作業と、ローラリング挿入作業とを連続して行うことができる。
【0027】
さらに、スケール板の板体の端部に設けた、切欠部を有する縦壁部に紙の端部を当接させると共に、切欠部に紙の孔を対応させることにより紙及び紙孔を位置決めすることができる。この状態で紙を板体と紙押え部材とで挟持し、切欠部にローラリングを嵌入すれば、ローラリングを紙孔に容易に挿入することができて紙を綴じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の要部を模式的に示した斜視図である。
【図2】 図1に示すもののA−A線に沿う断面図である。
【図3】 図1に示すスケール部の平面図である。
【図4】 図3に示すもののB矢視図である。
【図5】 図3に示すものの底面図である。
【図6】 図3に示すもののC矢視図である。
【図7】 図3に示すもののD−D線に沿う一部断面図である。
【図8】 図3に示すもののE−E線に沿う断面図である。
【図9】 図3に示すもののG−G線に沿う断面図である。
【図10】 図1に示す紙載置部材の平面図である。
【図11】 図10に示すもののH矢視図である。
【図12】 図10に示すもののI矢視図である。
【図13】 図10に示すもののJ−J線に沿う断面図である。
【図14】 図10に示すもののK−K線に沿う断面図である。
【図15】 図1に示す紙押え部の平面図である。
【図16】 図15に示すもののL矢視図である。
【図17】 図15に示すもののM−M線に沿う断面図である。
【図18】 図15に示すもののN矢視図である。
【図19】 図15に示すもののO−O線に沿う断面図である。
【図20】 図15に示すもののP−P線に沿う断面図である。
【図21】 図15に示すもののQ−Q線に沿う断面図である。
【図22】 本発明の紙綴じ装置に紙を設置したところを示す平面図である。
【図23】 本発明の紙綴じ装置によって明けた紙孔にローラリングを挿入したところを模式的に示した断面図である。
【図24】 従来のものを示し、紙をローラリングで閉じたところを示す斜視図である。
【図25】 図24に示すもののS−S線に沿う斜視図である。
【図26】 図25に示すもののT−T線に沿う断面図である。
【図27】 ローラリングを説明するための正面図である。
【図28】 図27に示すもののU−U線に沿う断面図である。
【図29】 従来の紙位置決め装置と孔明けパンチとで紙に孔を明けているところを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 紙、2 ローラリング、5 孔、21 紙綴じ装置、22 紙載置部材、22a ベース面、24 スケール部、25 紙押え部、27 縦壁部、28 切欠部
Claims (2)
- 平板状のベース面を有する紙載置部材の両側部前側に、紙を位置決めするスケール部を回動可能に取付け、
前記紙載置部材の、前記スケール部の取付位置よりも前側に、前記ベース面に載置した前記紙を押さえるパンチガイド板を備えた、紙押え部を回動可能に取付け、
前記スケール部に、前記紙を当接させて位置決めする縦壁部を、前記紙載置部材の前縁に沿わせて設け、
前記縦壁部に、前記紙に明けた孔に対応し、かつ、紙綴じ用のローラリングを前記縦壁部及び前記孔に嵌入させる切欠部を間隔を開けて複数個形成したことを特徴とする紙綴じ装置。 - 板体の端部に紙を位置決めする縦壁部を設け、該縦壁部に紙綴じ用のローラリングを嵌入させる切欠部を形成したスケール板を設け、該スケール板に紙押さえ部材を設けたことを特徴とする紙綴じ装置。
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