JP2000263143A - アングル材曲げ加工金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度良く逆曲げ加工ができ、また、曲げ加工
と逆曲げ加工の２種類の曲げ加工に対応できるアングル
材曲げ加工金型を提供する。 【解決手段】 雌型２の前面角部に突起部２ａを形成
し、後面角部に面取り部２ｂが設けられている。ベース
１には鉛直方向に段付穴１ａが設けられ、段付穴１ａ内
に段付シャフト７がスプリング８を介して回転自在に軸
支する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、油圧などの動力に
よりアングル材の曲げ加工を行うアングル材曲げ加工金
型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来技術を図９、図１０を用いて説明す
る。アングル材曲げ加工金型は図８に示すアングル材１
１の一辺にＶ字形切欠部１１ａを加工し、図９のように
Ｖ字形切欠部１１ａを正面にしてＶ形凹状の雌型２上に
載せ、Ｖ形凸状の雄型５が取付けられたホルダ６を下降
させ、アングル材１１をＶ字形切欠部１１ａの頂点を中
心に雄型５の凸部稜線５ａを押し付けて、図１０のよう
に曲げる。雌型２にはアングル材１１を精度良く曲げる
ためのガイドの働きとアングル材１１の位置決めをする
ための突起部２ａが設けられている。

【０００３】また、アングル材１１のＶ字形切欠部１１
ａの向きを曲げ加工時と上下逆に載せ、雌型２の端部平
面２ｃにアングル材１１の一辺の内面を接触させて、Ｖ
字形切欠部１１ａが雌型２側に変位するのを防止しなが
ら、図８（Ｃ）のように、Ｖ字形切欠部１１ａ側を開
く。この曲げ方を逆曲げ加工という。図１１のようなダ
クトの取付け枠１５や窓枠などを製作するときに行われ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、曲げ加工用の金
型で逆曲げ加工をすると、図１２のように、アングル材
１１の内側隅１１ｂが雌型２の突起部２ａに当たり、ア
ングル材１１を水平にセットすることができず、逆曲げ
加工ができなかった。逆曲げ加工に対応するために雌型
２の突起部２ａをなくすと、アングル材１１の内側隅１
１ｂが雌型２の角部稜線２ｄに当たるため、雌型２の端
部平面２ｃとアングル材１１の一辺の内面が接触しな
い。よって、アングル材１１の内面が端部平面２ｃに沿
って平行に曲げ加工されず、精度の良い逆曲げ加工がで
きなかった。

【０００５】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解消し、精度良く逆曲げ加工ができ、また、曲げ加
工と逆曲げ加工の２種類の曲げ加工に対応できるアング
ル材曲げ加工金型を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、Ｖ形凸状の
雄型と該雄型に対向するＶ形凹状の雌型を有する金型を
有し、雄型又は雌型のいずれか一方を移動自在にし、Ｖ
字形状に切欠かれたアングル材を曲げ加工するアングル
材曲げ加工金型において、前記雌型の片端に逃げ部を設
け、雌型の他端にアングル材の位置決め部材を突設し、
前記雌型の端部位置を切替え自在に固定する切替え手段
を設けることにより達成される。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図１〜図７を
用いて説明する。図１は加工金型の一部断面側面図、図
２は図１の側面図、図３は雌型を雄型側へ引張った状態
の一部断面側面図、図４は雌型を回転させたときの図３
のＡ方向から見た矢視図、図５は雌型の面取り部を正面
にセットしたときの加工金型の一部断面正面図、図６は
図５の側面図、図７はアングル加工機の斜視図である。

【０００８】図７において、Ｃ形形状のフレーム１２の
開口部の下側にアングル材１１を曲げ加工する曲げ加工
金型１０を設けている。フレーム１２に接続したフット
スイッチ１３を踏むことにより、フレーム１２内の図示
しない油圧ポンプが作動し、曲げ加工金型１０のホルダ
６を押し下げるラム１４がフレーム１２の開口部の上部
に設けられている。

【０００９】図１を用いて、曲げ加工金型１０の構成を
説明する。ベース１上にＶ形凹状の雌型２を設け、ベー
ス１の雌型２後方にシャフト３を立設している。シャフ
ト３上端にＶ形凸状の雄型５を有するホルダ６を上下動
自在に設け、シャフト３の外周にスプリング４を設ける
ことで、ホルダ６は上方に付勢されている。

【００１０】雌型２の前面角部に突起部２ａを形成し、
後面角部に逃げ部となる面取り部２ｂが設けられてい
る。なお、逃げ部を面取り部２ｂに代え、角Ｒでも構わ
ない。ベース１には鉛直方向に段付穴１ａが設けられ、
段付穴１ａ内に段付シャフト７がスプリング８を介して
回転自在に軸支されるとともに、雌型２にねじ嵌合して
いる。雌型２下面には切換え手段となるピン９が設けら
れ、ベース１内には、ピン９に対応する穴１ｂが設けら
れ、雌型２が目的の位置で保持されるようになってい
る。図３のように雌型２を上方へ引張り、ピン９をベー
ス１の穴１ｂから外すと、図４のように雌型２は、段付
シャフト７を中心に回転でき、雌型２の突起部２ａ又は
面取り部２ｂが正面になるとき、即ち図１及び図５のと
きのみピン９はベース１の穴１ｂに嵌合し、雌型２の位
置が固定される。

【００１１】上記構成において、通常の曲げ加工の操作
について説明する。なお、アングル材１１にはあらかじ
めＶ字形切欠部１１ａを設けている。図８（Ｂ）のよう
に通常の曲げ加工するときは、図２のように雌型２の突
起部２ａが正面になるよう雌型２をセットする。次に、
図７のようにアングル材１１を曲げ加工金型１０上に載
せて、突起部２ａにアングル１１材の側面を突き当て
る。フットスイッチ１３を踏むと、フレーム１２内の油
圧ポンプが作動してラム１４を下降させる。ラム１４は
ホルダ６とともに雄型５を押し下げ、雄型５の凸部稜線
５ａでアングル材１１を押圧してアングル材１１を曲げ
加工する。

【００１２】図８（Ｃ）のような逆曲げ加工をするとき
は、図３のように雌型２を持ち上げ、ベース１の穴１ｂ
からピン９を外し、雌型２を段付シャフト７を中心に回
転させ、雌型２の面取り部２ｂが正面になるとき、ピン
９をベース１の穴１ｂに嵌合させ、雌型２の位置を固定
する。次に、図６のようにアングル材１１を曲げ加工金
型１０上に載せる。このとき、面取り部２ｂによりアン
グル材１１の内側隅１１ｂが雌型２に当接することはな
く、アングル材１１の内面が雌型２の端部平面２ｃに接
触する。雄型５を押し下げ、凸部稜線５ａでＶ字形切欠
部１１ａの頂点を中心にアングル材１１を曲げる。この
とき、アングル材１１の一辺の内面は雌型２の端部平面
２ｃに沿って変形するので、Ｖ字形切欠部１１ａが内側
に変位するのを防ぎながら精度良く加工がされる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、雌型の一端に面取り、
かつ他端にアングル材位置決め用突起部を設け、雌型の
突起部と面取り部の位置を切替えることにより１つの金
型で、曲げ加工と逆曲げ加工が精度良くできるので、複
数個の曲げ加工金型を用意する必要がなく、初期導入費
用を低く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す加工金型の一部断面側
面図。

【図２】図１の正面図。

【図３】雌型を雄型側へ引張った状態を示す加工金型の
一部断面側面図。

【図４】雌型を回転させた状態を示す図３のＡ方向から
見た矢視図。

【図５】雌型の面取り部を正面にセットしたときの状態
を示す加工金型の一部断面側面図。

【図６】図５の正面図。

【図７】アングル加工機の全体斜視図。

【図８】アングル材の斜視図。

【図９】従来のアングル材曲げ加工金型の正面図。

【図１０】曲げ加工を行なった状態の正面図。

【図１１】逆曲げ加工のアングル材で製作した枠の斜視
図。

【図１２】従来のアングル材曲げ加工金型の一部断面側
面図。

【図１３】従来のアングル材曲げ加工金型の一部断面側
面図。

【符号の説明】

１…ベース、１ａ…段付穴、１ｂ…穴、２…雌型、２ａ
…突起部、２ｂ…面取り部、５…雄型、７…段付シャフ
ト、８…スプリング、９…ピン、１１…アングル材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｖ形凸状の雄型と該雄型に対向するＶ形
   凹状の雌型を有する金型を有し、雄型又は雌型のいずれ
   か一方を移動自在にし、Ｖ字形状に切欠かれたアングル
   材を曲げ加工するアングル材曲げ加工金型において、前
   記雌型の片端に逃げ部を設け、雌型の他端にアングル材
   の位置決め部材を突設し、前記雌型の端部位置を切替え
   自在に固定する切替え手段を設けたことを特徴とするア
   ングル材曲げ加工金型。