JP4377560B2 - 電気機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を実装した回路基板を収納する容器内に樹脂を充填する電気機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
屋外環境で使用される電気機器には耐湿性が要求される。例えば照明器具の場合、電気機器である放電灯点灯装置は電子部品を実装した回路基板(プリント基板)を容器(ケース)に収納した構成をとり、そのケースを照明器具本体の中に収納するようにしているが、照明器具本体は水抜き穴等を必要とするために完全密閉構造ではなく、温度変化等の大きい屋外環境においては電気機器が結露する恐れがある。
【0003】
結露に対する対応は、充電部間の距離をある程度とる方法もあるが、さらに確実にしたものが第1の従来例として特開平6−53681号公報で提案されており、その処理手順を図7(a),(b)に示す。第1の従来例においては、電子部品1を実装したプリント基板2を、一端面が開口された直方体形状の金属製ケース3’内に取り付ける。そして、第2の樹脂21を主としてプリント基板2を埋没させるように注入し、次に第1の樹脂20を、電子部品1の上部寄りの部分を所定の層厚をもって被覆するように第2の樹脂21の上に注入する。
【0004】
すなわち図8,9に示すように、プリント基板2をケース3’内に収納した後、プリント基板2とケース3’の内底面との間には、周囲温度の影響によって生じる樹脂の体積変化に伴うストレスを低減して応力を緩和する目的で、低粘度、低硬度の第2の樹脂21を充填している。
【0005】
また、プリント基板2より上部の電子部品1部分には所定の層厚を確保する目的で低硬度(但し、第2の樹脂21に比べて高い硬度)、かつ高チクソ性の第1の樹脂20を被覆しており、電子部品1及びプリント基板2とケース3’との接続部も樹脂による十分な被覆が可能であるとともに、ケース3’内いっぱいに樹脂を満たす必要がないので使用材料の低減を図ることができる。例えば、放熱のためその一部がケース3’の内側面3a’に密着した状態で取り付けられる電子部品1hにあっては、ケース3’との接触面を除く部品の表面が第1の樹脂20により覆われることになる。
【0006】
なお、プリント基板2とケース3’との間の電気的接続については、図8に示すように、プリント基板2のグランドパターン23が取付孔の周囲にまで連続するように形成されて、この取付孔にビスNを挿通した後、ケース3’の底面に立設されたボスMの螺孔に螺合させるようにしたり、(なお、図ではビスNの頭部近辺を部分的に切欠いて示している)、あるいは図9に示すようにリード線Lを使って行うことができる。
【0007】
しかしながら、上記第1の従来例は実際には図10に示すように、電子部品1とプリント基板2との間に回り込んだ第1の樹脂20の温度変化による膨張、収縮により部品リード9を通してはんだ部8に力が加わり、はんだクラックが発生する恐れがあり、むしろ第1の樹脂20への応力F1の緩和に対する考慮がより重要になる。特に図11に示すように、電子部品1の本体とプリント基板2とが極めて近接するように部品実装するプリント基板直付け部品に対しては、プリント基板2自体の膨張、収縮F2を樹脂を介して直接電子部品1の本体に伝達させることにもなるため、はんだ部8に対するストレスは一段と大きなものになり、線膨張係数の大きな紙フェノールのプリント基板を使用したり、はんだ量が少なくなるリード径の小さい部品などは特にその影響が顕著となる。
【0008】
そこで、第2の従来例として、上記課題を解決した電気機器が図12に示す特願2000−331379号で提案されている。この第2の従来例によれば、発熱量の大きい電子部品1’をプリント基板2のはんだ面2bに表面実装し、他の電子部品1を実装面2aに実装するとともに、プリント基板2のはんだ面2bとケース3’の内底面との間にのみ樹脂22を充填しているので、樹脂22による放熱を効率良く行うことができるとともに、第1の従来例の課題を解決することができる。さらに、本構成をとることにより、小型部品が密集する制御回路部をはんだ面2bに表面実装しておけば、樹脂22により結露から保護することができるので、屋外環境でも使用できる可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電子部品1の中で一般的に用いられているアルミ電解コンデンサ1aは図13に示すような断面構造となっている。両端を開口した略円筒状の外装スリーブ10内に一端を開口した略円筒状のアルミケース11を装着し、アルミケース11の内部にはアルミ箔を巻回した内部素子12が収納されている。内部素子12の底面から引き出されたアルミリード線13は、リード部である錫メッキCP線(錫メッキ銅被覆鋼線)のリード線端子14と溶接されて、電極端子を構成している。アルミケース11の一端側のアルミリード線13周辺にはゴムブッシングからなる封口材15が設けられ、他端側は過熱、過電圧時に内部の圧力を外部に逃がすための圧力弁16を構成している。
【0010】
そして、アルミ電解コンデンサ1aのリード線端子14が突設しているリード部は、構造上封口材15(ゴムブッシング)の外部となり、水等が付着した場合、アルミと錫メッキCP線の標準電極電位の関係で水分等に含まれるイオンの介在で電池腐食が発生する恐れがある。特に屋外環境の中でも海岸沿い等の塩害地で使用されると、短期間で腐食によってリードが切断してしまう可能性があり、電気機器の故障につながるという課題がある。
【0011】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、屋外で用いても水分による電解コンデンサの腐食、及びはんだクラックを防止できる電気機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくとも電解コンデンサを含む電子部品が実装された回路基板と、前記回路基板を収納した容器とを備え、電子部品のうち発熱量の大きい電子部品は、回路基板の一方の面に表面実装されてはんだで固定され、回路基板の一方の面と容器の内底面とは互いに対向して配置されており、湾曲部を設けたクリンチリードに形成された電解コンデンサのリード部と当該リード部に続くコンデンサの本体の一部とを含む回路基板の他方の面上の電子部品の一部に、構造粘性比1.5以上で、粘度が10000mPa・s以上である第1の樹脂を被覆し、回路基板の一方の面と容器の内底面との間に熱伝導率が第1の樹脂より高い第2の樹脂を充填したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1の樹脂は前記第2の樹脂より硬度及び弾性率が小さいことを特徴とする
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記樹脂はウレタン樹脂であることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記電解コンデンサに被覆した樹脂は、弾性率が使用温度範囲の下限温度において20Mpa以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項2乃至4いずれかにおいて、前記第1の樹脂はフィラーを含まず、前記第2の樹脂はフィラーを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項2乃至5いずれかにおいて、前記回路基板の一方の面と前記容器の内底面との間、且つ前記回路基板の一方の面に表面実装された電子部品の放熱経路に影響を与えない部位に、第2の樹脂が充填されない空洞部を設け、前記回路基板は前記空洞部と連通して前記第1の樹脂が被覆,充填していない貫通孔を形成されることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、前記回路基板は紙フェノールからなることを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかにおいて、前記回路基板と電子部品とは放電灯を点灯させるための点灯回路を構成することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
参考例1
電気機器の構造の参考例1を、図1の破断斜視図に示す。本参考例は、アルミ電解コンデンサ1aを含む電子部品1を実装面2a上に実装したプリント基板2を、一端面が開口された直方体形状のケース3内に取り付けたものである。
【0022】
実装面2a上では、アルミ電解コンデンサ1aは互いに近接して配置されており、リード線端子が突設している本体底面を実装面2aに対向して実装されたり、あるいはリード線端子を屈曲させて本体側面を実装面2aに対向して実装されている。
【0023】
そして、アルミ電解コンデンサ1aのリード部とリード部に続く本体の一部とを樹脂4で被覆しており、樹脂4は構造粘性比1.5以上で、粘度が10000mPa・s以上の樹脂を用いているため、アルミ電解コンデンサ1aのリード部近傍を中心に樹脂4を注入すれば、他の電子部品1にまで広がることなく、アルミ電解コンデンサ1aのリード部とリード部に続く本体の一部とを樹脂充填することができる。
【0024】
つまり、アルミ電解コンデンサ1aのリード部を樹脂4で被覆しているので水分による電池腐食の発生を防止することができ、さらに、他の電子部品1には樹脂4が回り込まないため、樹脂4の膨張、収縮によるはんだクラックの危険性はない。またアルミ電解コンデンサ1aのリード部は湾曲部を設けたクリンチリードとしているので、アルミ電解コンデンサ1aのはんだ部へのストレスもかなり軽減されており、はんだクラックの発生はない。
【0025】
なお、樹脂4によってアルミ電解コンデンサ1aの本体をプリント基板2に固定できるという効果もある。
【0026】
参考例2
電気機器の構造の参考例2を、図2の破断斜視図に示し、参考例1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。本参考例は、アルミ電解コンデンサ1aが離れて配置されている場合に樹脂充填を行っており、プリント基板2の実装面2a上の一端側に3つのアルミ電解コンデンサ1aが互いに離れて実装されている。そして、FET1b、コンデンサ1c、ダイオード1gは最も中央よりに実装されたアルミ電解コンデンサ1a’の端部とほぼ同一直線上に、且つ他のアルミ電解コンデンサ1aを囲むように実装されている。プリント基板直付け部品である端子1dは実装面2a上の他端に実装され、同じくプリント基板直付け部品である電流ヒューズ1e,チョークコイル1f(ドラム型)は、アルミ電解コンデンサ1aに対して、FET1b、コンデンサ1c、ダイオード1gを挟んで、実装面2a上の他端側に実装されている。
【0027】
ここで使用する樹脂4は、構造粘性比1.5以上で、粘度が10000mPa・s以上のウレタン樹脂であり、ウレタン樹脂の特性として低温ほど硬度および弾性率が増加していくが、使用温度範囲の下限である−20℃程度で弾性率が20Mpa以下の極めて応力が小さい樹脂である。
【0028】
参考例においては、全てのアルミ電解コンデンサ1aのリード部とリード部に続く本体の一部とを樹脂4で被覆するためにアルミ電解コンデンサ1aが配置されている実装面2aの一端側から樹脂4を注入していく。なおこの時、場合によっては注入位置を移動させながら注入を行う。
【0029】
本参考例においても参考例1と同様に構造粘性比1.5以上で、粘度が10000mPa・s以上の樹脂4を用いているため、樹脂4の流動は小さく、しかもFET1b、コンデンサ1c、ダイオード1gが樹脂4が実装面2aの他端側に流れるのをせきとめる役目をするので、はんだクラックに対して極めて不利な電子部品である端子1d,電流ヒューズ1e,チョークコイル1fには樹脂4が回り込まないようになっている。
【0030】
つまり、アルミ電解コンデンサ1aをプリント基板2の実装面2a上の一端側に配置し、端子1d,電流ヒューズ1e,チョークコイル1f等のはんだクラックに対して不利なプリント基板直付け部品を実装面2a上の他端側に配置して、FET1b、コンデンサ1c、ダイオード1g等の他の電子部品でその間に境界を作るように部品配置を行っているので、樹脂充填の位置がアルミ電解コンデンサ1a周辺に固定されて、樹脂4の膨張、収縮によるプリント基板直付け部品のはんだクラックの発生を防止することができ、且つアルミ電解コンデンサ1aのリード部を樹脂4で被覆しているので水分による電池腐食の発生を防止することができる。
【0031】
また、アルミ電解コンデンサ1aは底面に設けているゴム系の封口材により応力緩和が可能であり、またリード部の端子の径は太く、はんだ量も多いため、プリント基板直付け部品よりもはんだクラックに対して有利であり、且つ極めて応力の小さい樹脂4を用いているのでアルミ電解コンデンサ1aのはんだクラック発生はない。
【0032】
実施形態1
本実施形態の電気機器の処理手順を、図3(a),(b),(c)の側面断面図に示し、参考例1,2と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。本実施形態では、発熱量の大きい電子部品1’をプリント基板2のはんだ面2b上に表面実装している。また、実装面2a上にはアルミ電解コンデンサ1a、コンデンサ1c,端子1d,チョークコイル1f等の電子部品1が実装され、アルミ電解コンデンサ1aは参考例1同様に互いに近接して配置されている。
【0033】
次に本実施形態の処理手順について説明する。まず図3(a)に示すように、一端面が開口された直方体形状の合成樹脂成形品のケース3の内底面の中央部に、周部よりも高くした形で樹脂5(第2の樹脂)を盛り上げて配置しておき、その後、図3(b)に示すように、電子部品1,1’を実装したプリント基板2のはんだ面2bとケース3の内底面とを対向させてケース3内に収納し、はんだ面2bで樹脂5を押し広げながら、プリント基板2のはんだ面2bとケース3の内底面との間にほぼ均一に樹脂5を広げて充填し、電子部品1’に樹脂5を密着させる。ケース3内の両端面には、底面に略平行に凹部Aが設けられており、凹部Aにプリント基板2の両端部が嵌合することによって、プリント基板2がケース3内に取り付けられる。そして、図3(c)に示すように参考例1と同様に、アルミ電解コンデンサ1aのリード部近傍を中心に樹脂4(第1の樹脂)を注入すれば、他の電子部品1にまで広がることなく、アルミ電解コンデンサ1aのリード部とリード部に続く本体の一部とを樹脂4で被覆することができる。
【0034】
第1の樹脂である樹脂4は、参考例1と同様に流動性の小さい樹脂を用い、第2の樹脂である樹脂5については、流動性が小さく(例えば構造粘性比、粘度が樹脂4と同程度)、且つ電子部品1’の放熱を行うために熱伝導率の比較的高い材料を用いる。
【0035】
本実施形態においても参考例1と同様にアルミ電解コンデンサ1a以外の電子部品1に樹脂4が回り込まないため、樹脂4の膨張、収縮によるはんだクラックの危険性はなく、且つアルミ電解コンデンサ1aのリード部を樹脂4で被覆しているので水分による電池腐食の発生を防止することができる。またアルミ電解コンデンサ1aのリード部は湾曲部を設けたクリンチリードとしているので、アルミ電解コンデンサ1aのはんだ部へのストレスもかなり軽減されており、はんだクラックの危険性はない。
【0036】
そして、プリント基板2とケース3との取付部に多少のクリアランスを設けておけば、樹脂5の膨張、収縮を吸収することができ、はんだ面2b上に実装した電子部品1’に対するストレスも回避できる。
【0037】
このような構成をとることにより、電子部品1のはんだ部に対するストレスを低減することができるため、プリント基板2に線膨張係数が大きい紙フェノール基板を用いることができ、コスト低減を図ることができる。
【0038】
また、本実施形態においてケース3は合成樹脂成形品を用いているが、電子部品1’の放熱効率をさらに高めるために金属製としてもよい。
【0039】
実施形態2
本実施形態の電気機器の構造を、図4の側面断面図に示し、参考例2、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。本実施形態では、参考例2と同様に、アルミ電解コンデンサ1aをプリント基板2の実装面2a上の一端側に配置し、端子1d,チョークコイル1f等のはんだクラックに対して不利なプリント基板直付け部品を実装面2a上の他端側に配置して、FET1b、ダイオード1g等の他の電子部品でその間に境界を作るように部品配置を行っているので、樹脂4(第1の樹脂)の充填位置がアルミ電解コンデンサ1a周辺に固定されて、はんだクラックに対して極めて不利な電子部品である端子1d,チョークコイル1f等には樹脂4が回り込まないようになって、樹脂4の膨張、収縮によるプリント基板直付け部品のはんだクラックの発生を防止することができ、且つアルミ電解コンデンサ1aのリード部を樹脂4で被覆しているので水分による電池腐食の発生を防止することができる。
【0040】
また、実施形態1と同様に、発熱量の大きい電子部品1’をプリント基板2のはんだ面2b上に表面実装して、はんだ面2bとケース3の内底面との間に熱伝導率の比較的高い樹脂5(第2の樹脂)を充填して、発熱量の大きい電子部品1’の放熱を行っている。
【0041】
そして、図4では、樹脂5がプリント基板の実装面2aにまではみ出して樹脂4と接触しており、この場合、樹脂4と樹脂5との相性が問題となるため、本実施形態では樹脂4と樹脂5ともにウレタン樹脂を用いている。これは、樹脂4に一般的に用いられる白金触媒の付加反応型シリコン樹脂を用い、樹脂5にウレタン樹脂を用いると界面で硬化阻害が発生してしまうからである。
【0042】
樹脂4のウレタン樹脂は他の実施例と同様に流動性が小さく、且つフィラーを含有しない極めて低硬度、低弾性率の樹脂を用い、樹脂5のウレタン樹脂は流動性が小さく(例えば構造粘性比、粘度が樹脂4と同程度)、且つフィラーを含有した熱伝導率の高い材料を用いる。これは、フィラーを含有しない場合は比較的低硬度、低弾性率となりやすく(放熱係数はあまり高くできない)、フィラーを含有した場合は硬度、弾性率は高くなるが、放熱係数も高くできることを利用したものであり、発熱量の大きい電子部品1’の放熱を効率良く行うことができる。
【0043】
本実施形態における部品面2a上の部品配置および樹脂4の充填・被覆方法は参考例2と同様であり、樹脂4の放熱係数があまり高くない(伝熱も低い)ことで、温度上昇を抑えておきたい部品であるアルミ電解コンデンサ1a等に対する発熱量の大きい電子部品1’からの熱伝達を抑制し、信頼性の低下を防止している。
【0044】
樹脂4、樹脂5を充填する方法は、実施形態1と略同様であるが、樹脂4と樹脂5とが混合しないように、図3(b)の状態で樹脂5を硬化させた後(例えば、ポリイソシアネートとポリオールとの化学反応によってウレタン結合を生成し、加熱することで硬化時間を短縮することができる)、樹脂4を充填する。
【0045】
このとき、樹脂4は流動性が小さい樹脂を用いているため、プリント基板2と電子部品1との隙間がある程度小さい場合、充填時に空気層が形成される。例えば、アルミ電解コンデンサ1aは本体下部まで樹脂4で被覆されることになるが、図13からわかるように外形は一般的に凹凸があり、この部分に樹脂4が回り込まずに空気層が形成されるのである。
【0046】
この空気層は応力緩和の面からは有利である可能性があるが、樹脂4を充填した後、加熱による硬化を行うと、空気層の膨張等により樹脂の表面から気泡が外気中に抜けることによりクレータ状の孔が形成され、プリント基板2及びアルミ電解コンデンサ1aのリード部が露出することになる。そこで本実施形態では、樹脂4に対しては常温硬化を行うことでこのような問題を回避している。
【0047】
実施形態3
本実施形態の電気機器の構造を、図5の側面断面図に示し、はんだ面2bとケース3の内底面との間で、プリント基板2のはんだ面2b上に表面実装した発熱量の大きい電子部品1’の放熱経路に影響しない端子1dの下部近傍に、樹脂5を充填しない空洞部6を設けるとともに、プリント基板2の空洞部6に対応する箇所に、空洞部6と実装面側2aとを連通させる貫通孔7を形成している点が実施形態2とは異なる点であり、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0048】
樹脂5として、ポリイソシアネートとポリオールとの化学反応によってウレタン結合を生成し、硬化するウレタン樹脂を用いた場合、硬化前のポリイソシアネートが反応性が高い材料であるので硬化前に水分が存在すると、水とポリイソシアネートとが反応して炭酸ガス(CO)が発生する。また、プリント基板2には微量の水分が含まれているので、このプリント基板2に含まれた水分によってプリント基板2と樹脂5との接触面に炭酸ガスが発生し、気泡ができて、結果的にプリント基板2やはんだ面2b上に表面実装した電子部品1’と樹脂5とが密着しなくなり、放熱性が低下することになる。
【0049】
そこで、図6に示すように発生した炭酸ガスGを矢印Cの方向、すなわち空洞部6に逃がすとともに、貫通孔7を通して外部に逃がすことによって、プリント基板2や電子部品1’と樹脂5との密着度の低下を防止している。
【0050】
樹脂4、樹脂5を充填する手順は実施形態2と略同様であるが、樹脂5を硬化させる条件として加熱しながら硬化させれば、プリント基板2の乾燥も併せて行うことができるので、プリント基板に含まれる水分を極力減少させることができる。
【0051】
つまり、樹脂4は常温硬化を行い、樹脂5は高温硬化を行うことにより、より信頼性の高い電気機器を提供することができる。
【0052】
なお、本実施形態の電気機器を放電灯点灯装置に用いた場合は、乾燥した場所での屋内使用が一般的であるため、樹脂4を充填、被覆しない状態で通常提供しておき、屋外での使用の場合に本実施形態の構成をとるようにしておけば、仮に屋外での使用の数量が少なくても製造上若干の工程を追加するだけでよく、製造コストの低減につながるという効果もある。
【0053】
【発明の効果】
請求項1の発明は、少なくとも電解コンデンサを含む電子部品が実装された回路基板と、前記回路基板を収納した容器とを備え、電子部品のうち発熱量の大きい電子部品は、回路基板の一方の面に表面実装されてはんだで固定され、回路基板の一方の面と容器の内底面とは互いに対向して配置されており、湾曲部を設けたクリンチリードに形成された電解コンデンサのリード部と当該リード部に続くコンデンサの本体の一部とを含む回路基板の他方の面上の電子部品の一部に、構造粘性比1.5以上で、粘度が10000mPa・s以上である第1の樹脂を被覆し、回路基板の一方の面と容器の内底面との間に熱伝導率が第1の樹脂より高い第2の樹脂を充填したので、電解コンデンサのリード部近傍を中心に樹脂を注入すれば、他の電子部品にまで広がることなく、電解コンデンサのリード部とリード部に続く本体の一部とを樹脂充填することができる。したがって、電解コンデンサのリード部を樹脂で被覆しているので水分による電池腐食の発生を防止し、さらに他の電子部品には樹脂が回り込まないため、樹脂の膨張、収縮によるはんだクラックの危険性はないという効果がある。また、樹脂によって電解コンデンサを回路基板に固定できるという効果もある。さらに、温度上昇を抑えておきたい部品である電解コンデンサに対する発熱量の大きい電子部品からの熱伝達を抑制し、信頼性の低下を防止でき、且つ発熱量の大きい電子部品は第2の樹脂によって放熱を行うことができるという効果がある。
【0054】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1の樹脂は前記第2の樹脂より硬度及び弾性率が小さいので、温度上昇を抑えておきたい部品である電解コンデンサに対する発熱量の大きい電子部品からの熱伝達を抑制し、信頼性の低下を防止でき、且つ発熱量の大きい電子部品は第2の樹脂によって放熱を行うことができるという効果がある。
【0055】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記樹脂はウレタン樹脂であるので、複数の樹脂が互いに混合した場合に界面での硬化阻害の発生を防ぐことができるという効果がある。
【0056】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記電解コンデンサに被覆した樹脂は、弾性率が使用温度範囲の下限温度において20Mpa以下であるので、使用温度範囲の下限で弾性率が20Mpa以下であれば極めて応力が小さい樹脂であり、電解コンデンサへのストレスを低減することができるという効果がある。
【0057】
請求項5の発明は、請求項2乃至4いずれかにおいて、前記第1の樹脂はフィラーを含まず、前記第2の樹脂はフィラーを含むので、フィラーを含有しない第1の樹脂は硬度、弾性率を低くすることができ、フィラーを含有した第2の樹脂は硬度、弾性率は高くなるが、放熱係数も高くできて発熱量の大きい電子部品の放熱を効率良く行うことができるという効果がある。
【0058】
請求項6の発明は、請求項2乃至5いずれかにおいて、前記回路基板の一方の面と前記容器の内底面との間、且つ前記回路基板の一方の面に表面実装された電子部品の放熱経路に影響を与えない部位に、第2の樹脂が充填されない空洞部を設け、前記回路基板は前記空洞部と連通して前記第1の樹脂が被覆,充填していない貫通孔を形成されるので、第2の樹脂の硬化時に発生する気泡を空洞部に逃がすとともに、貫通孔を通して外部に逃がすことによって、回路基板や電子部品と第2の樹脂との密着度の低下を防止して、放熱性を維持することができるという効果がある。
【0059】
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、前記回路基板は紙フェノールからなるので、コスト低減を図ることができるという効果がある。
【0060】
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかにおいて、前記回路基板と電子部品とは放電灯を点灯させるための点灯回路を構成するので、請求項1乃至7いずれかの構成を有する放電灯点灯装置を屋外で用いることができ、且つ請求項1乃至7と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1を示す破断斜視図である。
【図2】 本発明の参考例2を示す破断斜視図である。
【図3】 (a),(b),(c)本発明の実施形態1の処理手順を示す側面断面図である。
【図4】 本発明の実施形態2を示す側面断面図である。
【図5】 本発明の実施形態3を示す側面断面図である。
【図6】 本発明の実施形態3を示す部分断面図である。
【図7】 (a),(b)従来例の処理手順を示す側面断面図である。
【図8】 第1の従来例を示す破断斜視図である。
【図9】 第1の従来例を示す別の破断斜視図である。
【図10】 第1の従来例を示す部分断面図である。
【図11】 第1の従来例を示す拡大した部分断面図である。
【図12】 第2の従来例を示す側面断面図である。
【図13】 アルミ電解コンデンサの断面構造図である。
【符号の説明】
1 電子部品
1a アルミ電解コンデンサ
2 プリント基板
3 ケース
4 樹脂

Claims (8)

  1. 少なくとも電解コンデンサを含む電子部品が実装された回路基板と、前記回路基板を収納した容器とを備え、電子部品のうち発熱量の大きい電子部品は、回路基板の一方の面に表面実装されてはんだで固定され、回路基板の一方の面と容器の内底面とは互いに対向して配置されており、湾曲部を設けたクリンチリードに形成された電解コンデンサのリード部と当該リード部に続くコンデンサの本体の一部とを含む回路基板の他方の面上の電子部品の一部に、構造粘性比1.5以上で、粘度が10000mPa・s以上である第1の樹脂を被覆し、回路基板の一方の面と容器の内底面との間に熱伝導率が第1の樹脂より高い第2の樹脂を充填したことを特徴とする電気機器。
  2. 前記第1の樹脂は前記第2の樹脂より硬度及び弾性率が小さいことを特徴とする請求項1記載の電気機器。
  3. 前記樹脂はウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の電気機器。
  4. 前記電解コンデンサに被覆した樹脂は、弾性率が使用温度範囲の下限温度において20Mpa以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の電気機器。
  5. 前記第1の樹脂はフィラーを含まず、前記第2の樹脂はフィラーを含むことを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の電気機器。
  6. 前記回路基板の一方の面と前記容器の内底面との間、且つ前記回路基板の一方の面に表面実装された電子部品の放熱経路に影響を与えない部位に、第2の樹脂が充填されない空洞部を設け、前記回路基板は前記空洞部と連通して前記第1の樹脂が被覆,充填していない貫通孔を形成されることを特徴とする請求項2乃至5いずれか記載の電気機器。
  7. 前記回路基板は紙フェノールからなることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の電気機器。
  8. 前記回路基板と電子部品とは放電灯を点灯させるための点灯回路を構成することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の電気機器。
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