JP4376747B2 - 脂質抗原感作ラテックス試薬の製造方法 - Google Patents

脂質抗原感作ラテックス試薬の製造方法 Download PDF

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本発明は、脂質抗原として少なくともカルジオリピンを感作したラテックス試薬[すなわち、抗脂質抗体分析用(好ましくは測定用)ラテックス試薬]の製造方法、及びその製造方法で製造された脂質抗原感作ラテックス試薬に関する。本発明の脂質抗原感作ラテックス試薬は、例えば、梅毒感染の検査試薬として使用することができる。
カルジオリピン、レシチン及びコレステロールは、動物、植物、及び細菌界に広く分布する脂質の1種である。カルジオリピンを始めとする脂質に対する抗脂質抗体は、感染症にしばしば見られるが、その検査方法は未だ充分でない。例えば、抗脂質抗体症候群の診断において、ラジオイムノアッセイ(RIA)法又はELISA法が確立され、広く用いられているが、これらの方法は操作が煩雑であり、迅速性や簡便性に問題点が残されている。
迅速性や簡便性に優れた方法としてラテックス凝集法があり、抗リン脂質抗体を分析するためのカルジオリピン等を感作したラテックス試薬の製造方法(特許文献1)、カリジオリピン等を感作したラテックス試薬(特許文献2)が公知である。前記特許文献1には、カルジオリピン等のリン脂質を有機溶媒に溶解させた液を、ラテックス粒子を懸濁した水性溶媒中に添加することによりラテックス粒子に固定化させて抗リン脂質抗体測定用試薬を製造する方法が開示されており、その固定化時の有機溶媒含有量を60〜93%(V/V)とするというものである。ラテックス粒子としては、例えば、ポリスチレンラテックス、合成によって得られるあらゆる種類のラテックス粒子、ゼラチン粒子、動物の赤血球、カオリン、炭素末等が挙げられ、特にポリスチレンの共重合体で、その粒径は、0.05μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜1μmを推奨している。
一方、前記特許文献2に記載の公知のカルジオリピン感作ラテックス試薬では、例えば、カルジオリピン等(レシチン及びコレステロールも含む)と不溶性担体とを特定の割合で配合し、当該工程における反応温度を30〜55℃で行うものである。この時使用される不溶性担体は、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、又は酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体等で、特に、ポリスチレン又はスチレン−スチレンスルホン酸共重合体が推奨されている。
これらの公知の方法では、脂質抗原とラテックス粒子とを混合・懸濁することにより、ラテックス粒子への抗原の固定化を実施した後、遠心分離を利用する洗浄操作により、未反応の脂質抗原の除去を行っている。しかし、カルジオリピンは、複合リン脂質であり、単純な抗原ではなく、これらの方法を用いても、いまだ測定感度は充分とはいえず、また、感作時に煩雑な温度コントロールを行うことは大量製造には不向きである。
特開平7−244048号公報 特開平10−239315号公報
従って、本発明の目的は、従来技術のこれらの欠点を解消し、調製が容易で大量生産に適しており、且つ、高感度に測定することができる脂質抗原感作ラテックス試薬の製造方法と、その製造方法により製造されるラテックス試薬を提供することにある。
前記課題は、本発明による、脂質抗原として少なくともカルジオリピンを固定化した脂質抗原感作ラテックス試薬の製造方法であって、
(1)前記脂質抗原を有機溶媒に溶解して脂質抗原溶液を調製する工程、
(2)前記工程(1)で調製した脂質抗原溶液とラテックス粒子懸濁液とを混合する工程
3)前記工程(2)で得られた混合液中の有機溶媒を留去する工程、及び
(4)前記工程(3)の後に、アルブミン溶液を加えて懸濁し、撹拌する工程、
を含むことを特徴とする、前記製造方法により解決することができる。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば
5)前記工程(4)の後、ラテックス粒子を分離し、緩衝液に懸濁する工程
を更に含む。
また、本発明の製造方法の別の好ましい態様によれば、前記脂質抗原として、更にレシチン又はコレステロールを使用する。
また、本発明は、前記製造方法で製造された、脂質抗原感作ラテックス試薬に関する。
本発明の製造方法は、調製が簡易であり、しかも大量生産に対応することができる。また、本発明により得られる脂質抗原感作ラテックス試薬によれば、高感度且つ迅速に、定量的な陽性又は陰性の判定が行えるので、感染の有無や治療状況の確認が可能である。また、本発明により得られる脂質抗原感作ラテックス試薬は、低濃度領域、例えば、カットオフ値の近辺の感度が向上している。
カルジオリピンは、生体内に広く存在しているジホスファチジルグリセロールであり、例えば、高等動物の臓器等から抽出精製することができる。特に、梅毒血清反応の抗原物質でワッセルマン抗原の本態として周知で、例えば、血液の凝固を促進する作用がある。
レシチンは、動植物、微生物等生体に広く分布し、特に脳、肝臓、卵黄、大豆等に多く含まれているリン脂質で、動脈硬化症の治療及び/又は予防にも使われる。
更に、コレステロールは多くの動植物に含まれており、牛の脳や魚油、羊毛脂の不ケン化物から得られる。
以下、本発明を各工程に添って説明する。
(1)脂質抗原溶液調製工程:
本工程では、脂質抗原を有機溶媒に溶解して脂質抗原溶液を調製する。
本発明の製造方法では、前記脂質抗原として、少なくともカルジオリピンを使用する。また、所望により、前記カルジオリピンと共に、例えば、レシチン及び/又はコレステロールを使用することができる。
本発明の製造方法で用いることのできる有機溶媒は、カルジオリピンを可溶化し、更に、カルジオリピンと一緒に用いる脂質抗原(例えば、レシチン又はコレステロール)を可溶化することができ、且つ担体を溶解又は変性させないものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、エーテル、クロロホルム、又はアセトン等を挙げることができる。また、水混和性有機溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)の場合は、抗原物質を溶解可能な含有量であれば、水との混合液として用いることもできるが、有機溶媒のみで用いることが好ましい。
有機溶媒に溶解する脂質抗原の濃度は、ラテックス粒子への抗原感作が可能な濃度である限り、特に限定されるものではないが、例えば、有機溶媒及び脂質抗原の種類に応じて適宜決定することができる。用いる脂質抗原溶液における脂質抗原濃度が適当か否かは、例えば、後述の実施例1に記載の手順に従って、脂質抗原感作ラテックスの調製及び評価を実施することにより、容易に判断することができる。
例えば、有機溶媒としてエタノールを用いる場合、カルジオリピン濃度は、通常、0.05〜2.0mg/mL、好ましくは0.2〜0.8mg/mLであり、レシチン濃度は、通常、0.0〜2.0mg/mL、好ましくは0.5〜1.5mg/mLであり、コレステロール濃度は、通常、0.0〜1.0mg/mL、好ましくは0.1〜0.5mg/mLである。
本工程は、室温(例えば、20〜40℃)で行うことができる。
(2)感作工程
本工程では、前記脂質抗原溶液調製工程で調製した脂質抗原溶液とラテックス粒子懸濁液とを混合し、所望により撹拌することにより、ラテックス粒子への脂質抗原の感作を実施することができる。
本工程は、室温(例えば、20〜40℃)により、所定時間(例えば、数秒〜10時間、好ましくは2秒〜2時間)行うことができる。
脂質抗原溶液とラテックス粒子懸濁液との混合量又は混合比は、感作反応が充分に達成される濃度である限り、特に限定されるものではない。例えば、感作反応系におけるラテックス粒子濃度及び脂質抗原濃度は、通常の公知ラテックス製造方法で用いる濃度範囲で実施することもできるが、本発明の製造方法によれば、ラテックス粒子への脂質抗原の固定化量が向上するため、通常の濃度範囲よりも低濃度で実施することも可能である。感作反応系における脂質抗原濃度は、その総量として、例えば、0.1〜2mg/mLであることが好ましく、0.25〜1mg/mLであることがより好ましく、0.5mg/mLであることが特に好ましい。
本発明の製造方法で用いるラテックス粒子としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、又はスチレン−アクリルアミド共重合体を挙げることができ、好ましくポリスチレンの共重合体である。
本発明で使用されるラテックスの粒子の粒径は、通常の公知ラテックス製造方法で用いられる粒子径であれば特に限定されるものではない。例えば、後述の実施例1に記載の調製及び評価方法と同じ条件下において実施した粒径範囲、具体的には、0.31〜0.6nmの範囲において、全て、良好なラテックス試薬を調製可能であることを確認している。
(3)有機溶媒留去工程:
本工程では、前記感作工程で得られた混合液中の有機溶媒を留去することにより、脂質抗原感作ラテックス粒子残さを得ることができる。
本発明の製造方法において、有機溶媒を留去する方法としては、周知の手段、例えば、常圧下加熱又は減圧下蒸発を用いることができる。常圧下で加熱する場合、例えば、混合液の入った容器を有機溶媒が蒸発する程度の温度に加温(例えば、40〜60℃の水浴中に放置)することにより、有機溶媒を留去することができる。減圧下蒸発の場合、例えば、混合液をフラスコに移してエバポレーターを用いて減圧下におくことにより、あるいは、シャーレに移した混合液を、デシケーターに入れ、減圧下におくことにより、有機溶媒を留去することができる。
本工程で得られた脂質抗原感作ラテックス粒子残さには、ラテックスに固定化されなかった未反応の脂質抗原が含まれるため、適当な洗浄操作[例えば、洗浄液(例えば、水又は緩衝液)に懸濁した後、遠心操作により上清を除去]によって未反応の脂質抗原を除去した後、適当な緩衝液に懸濁することによって、脂質抗原感作ラテックス試薬を得ることができる。なお、緩衝液への懸濁は、後述の緩衝液懸濁工程と同様にして実施することができる。
本発明の製造方法では、本工程に続いて、以下の工程を実施することが好ましい。
(4)アルブミン溶液処理工程:
本工程では、前記有機溶媒留去工程の後に、アルブミン溶液を加えて懸濁し、撹拌する。
本発明の製造方法で用いるアルブミン溶液におけるアルブミンとしては、天然アルブミン若しくはリコンビナントアルブミン、又はそれらの変性アルブミンを挙げることができる。天然アルブミンとしては、例えば、ヒト血清アルブミン又はウシ血清アルブミンを用いることができ、ウシ血清アルブミンが好ましい。変性アルブミンとしては、アルブミンを熱又はアルカリで変性させたものを用いることができる。
アルブミン溶液中のアルブミン濃度は、0.05〜2.0%であることが好ましく、0.1〜0.5%であることがより好ましい。
また、アルブミン溶液を加えた後の撹拌は、ラテックス粒子の分散方法として公知の手法、例えば、撹拌子による撹拌、振盪、又は超音波処理等を、所定時間(例えば、10分間〜10時間、好ましくは30分間〜2時間)行うことにより、実施することができる。好ましくは超音波処理である。
これらの操作も室温(例えば、20〜40℃)で行うことができる。
(5)緩衝液懸濁工程:
本工程では、前記アルブミン溶液処理工程の後、ラテックス粒子を分離し、緩衝液に懸濁することにより、脂質抗原感作ラテックス試薬を調製することができる。
ラテックス粒子の分離は、例えば、フィルトレーション、デカンテーション、又は遠心分離等の公知の手法を用いることにより実施することができる。分離したラテックス粒子は、緩衝液、例えば、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、又はトリス緩衝液等で数回洗浄し、その緩衝液に再懸濁(粒子が分散しやすいように、撹拌又は超音波処理を行うことが好ましい)することにより、脂質抗原感作ラテックス試薬を調製することができる。
ラテックス試薬中のラテックス粒子濃度は、通常のラテックス試薬と同様の濃度に設定することができ、例えば、0.01〜2.0%であることが好ましく、0.1〜1.0%であることがより好ましい。
これらの操作も室温(例えば、20〜40℃)で行うことができる。
このように調製した脂質抗原感作ラテックス試薬は、分散性や反応性を良くするため、あるいは、保存安定性を良くするために、従来周知の技術、例えば、非イオン性界面活性剤や殺菌剤等を添加することができる。
本発明の製造方法により得られる脂質抗原感作ラテックス試薬は、通常のラテックス試薬と同様にして使用することができる。例えば、抗脂質抗原抗体、例えば、抗カルジオリピン抗体を含有する可能性のある被検試料(例えば、ヒト血清若しくは血漿、又は動物血清若しくは血漿)と前記ラテックス試薬とを混合することにより、前記ラテックスは、抗原抗体反応により凝集反応を起こし、その凝集を目視的に観察するか、あるいは、より迅速に定量をするために、分光学的にその凝集反応速度を計測し、その速度より定量的に抗体濃度を知ることができる。
本発明の製造方法によれば、ラテックス粒子への脂質抗原の固定化量の増量と安定化が可能となり、従来法と比べて、高感度及び高安定性の脂質抗原感作ラテックス試薬を得ることができる。その理由は、現段階では明らかでないが、有機溶媒を留去する過程で、脂質抗原がミセルを形成し、ラテックス粒子に固定化されるためと考えている。また、アルブミン溶液に懸濁することで、脂質抗原が安定した形状で維持されることも前記効果に貢献しているものと考えている。なお、これらの推論は、本発明の範囲を限定するものではない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:脂質抗原感作ラテックスの調製及び評価》
(1)脂質抗原感作ラテックスの調製
本実施例では、脂質抗原として、カルジオリピン、レシチン、及びコレステロールの各種混合物を使用し、以下の手順に従って脂質抗原感作ラテックスを調製した。
2mL容のプラスチックチューブに、表1に示す濃度となるように調製した各種脂質抗原のエタノール溶液1.2mLと、平均粒径0.45μmのポリスチレンラテックス懸濁液[10%懸濁液,G24103(日本合成)]0.12mLとを添加し、撹拌した。その混液1.1mLをナス形フラスコに分取し、エバポレーターで減圧し、エタノールを留去した。ここに0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)溶液2mLを加え、懸濁しながら超音波処理(15秒間)した後、室温で30分間撹拌した。再び超音波処理した後、遠心分離(1600rpm,10℃,30分間)により上清を除去した。残さに10mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.0)1mLを加えて洗浄し、遠心分離(1600rpm,10℃,30分間)により上清を除去した。この洗浄操作を再度繰り返した後、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.0)4mLを加え、脂質抗原ラテックス試薬(0.25%懸濁液)を調製した。
《表1》
カルジオリピン レシチン コレステロール
試験1 0.2-0.4mg/mL 1mg/mL 未添加
試験2 0.2mg/mL 0-1.5mg/mL 未添加
試験3 0.1-0.3mg/mL 1mg/mL 200μg
(2)脂質抗原感作ラテックスによる血清の測定
前記実施例1(1)で調製した脂質抗原感作ラテックス試薬を用いて、ラテックス近赤外線免疫比濁法による凝集反応の測定を実施した。前記反応は、全自動免疫血清検査システム(LPIA−200;三菱化学)により反応速度の平均値を以下の方法によって測定した。
キュベットに、
サンプルとして標準血清の希釈列30μL、
0.1%アジ化ナトリウム(NaN)を含有する10mmol/L−Tris緩衝液(pH8.0)50μL、
0.1%NaN及び0.5%BSAを含有する10mmol/L−Tris緩衝液(pH8.0)180μL、並びに
脂質抗原感作ラテックス試薬40μL
を、この順序で添加した。そして、この混合溶液を1回/12秒で10分間測定し、50プロット記録した。
なお、標準血清として、試験1及び試験2では、市販のRPR(Rapid Plasma Reagin)陽性ヒト血清[RPR標準血清;極東製薬工業(発売)、積水化学工業(製造)]を使用し、試験3ではウサギ血清を使用した。
試験1〜試験3の結果を、それぞれ、図1〜図3に示す。
図1において、曲線a、b、c、及びdは、それぞれ、カルジオリピン濃度が0.40mg/mL、0.30mg/mL、0.25mg/mL、及び0.20mg/mLの場合の結果である。RPR標準血清における単位「R.U.」は、抗脂質抗体価の単位「RPR UNITS」の略称である。
図2において、曲線a、b、c、及びdは、それぞれ、レシチン濃度が1.5mg/mL、1.0mg/mL、0.5mg/mL、及び0mg/mLの場合の結果である。
図3において、曲線a、b、c、及びdは、それぞれ、カルジオリピン濃度が0.30mg/mL、0.20mg/mL、0.15mg/mL、及び0.10mg/mLの場合の結果である。
図1〜図3に示すように、充分な反応速度が観察され、ラテックス粒子への脂質抗原の感作が充分に達成されていることが確認された。
また、データは具体的に示さないが、同様の調製及び評価方法により、カリジオリピン濃度として0.1〜0.4mg/mL、レシチン濃度として0〜1.5mg/mL、コレステロール濃度として0〜0.5mg/mLの濃度範囲において、全て、良好なラテックス試薬を調製可能であったことが確認された。
《実施例2:カットオフ値近辺の測定感度の評価》
本実施例では、カットオフ値近辺の測定感度が、公知ラテックス試薬と比較して良好であることを示すために、実施例1(1)においてカルジオリピン濃度が0.2mg/mL、レシチン濃度が1.0mg/mLである脂質抗原エタノール溶液を用いて調製した脂質抗原感作ラテックス試薬と、比較用の市販の梅毒検査用ラテックス試薬[メディエースRPR;極東製薬]とを用いて、実施例1(2)に記載の測定を実施した。
なお、梅毒検査用ラテックス試薬は、抗原としてカルジオリピン及びレシチンが感作されている。
結果を図4に示す。図4において、曲線aは、本発明方法で調製した脂質抗原感作ラテックス試薬の結果であり、曲線bは、比較用の梅毒検査用ラテックス試薬の結果である。また、直線Aは、カットオフ値を示す。
これらのラテックス試薬では、RPR標準血清が1〜2R.U.で弱陽性、3R.U.以上で強陽性であり、カットオフ値は約1R.U.である。図4に示すとおり、本発明方法で調製した脂質抗原感作ラテックス試薬は、比較用梅毒検査用ラテックス試薬と比較して、カットオフ値である1R.U.近辺で良好な感度を示すことが判明した。
《実施例3:血清検体の測定》
本実施例では、実施例2で用いた脂質抗原感作ラテックス試薬を用いて、健常者及び抗脂質抗体患者由来の血清の測定を実施した。測定は、実施例1(2)に記載の方法により実施した。結果を表2に示す。なお、表2に記載の従来法としては、炭末凝集法(ヤトロン)を使用した。表2に示すとおり、陽性検体と陰性検体について、良好な結果が得られた。
《表2》
検体 従来法による判定 脂質抗原感作ラテックス試薬
による測定値(R.U.)
1 陽性 5.8
2 陽性 4.0
3 陽性 6.1
4 陰性 0.1
5 陰性 0.7
本発明の製造方法は脂質抗原感作ラテックス製造の用途に、本発明のラテックス試薬は抗脂質抗体分析の用途に適用することができる。
本発明の脂質抗原感作ラテックス(カルジオリピン濃度=0.2〜0.4mg/mL)を用いた血清測定の結果を示すグラフである。 本発明の脂質抗原感作ラテックス(レシチン濃度=0〜1.5mg/mL)を用いた血清測定の結果を示すグラフである。 本発明の脂質抗原感作ラテックス(カルジオリピン濃度=0.1〜0.3mg/mL)を用いた血清測定の結果を示すグラフである。 本発明の脂質抗原感作ラテックスにおけるカットオフ値近辺の測定感度を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 脂質抗原として少なくともカルジオリピンを固定化した脂質抗原感作ラテックス試薬の製造方法であって、
    (1)前記脂質抗原を有機溶媒に溶解して脂質抗原溶液を調製する工程、
    (2)前記工程(1)で調製した脂質抗原溶液とラテックス粒子懸濁液とを混合する工程
    3)前記工程(2)で得られた混合液中の有機溶媒を留去する工程、及び
    (4)前記工程(3)の後に、アルブミン溶液を加えて懸濁し、撹拌する工程、
    を含むことを特徴とする、前記製造方法。
  2. 5)前記工程(4)の後、ラテックス粒子を分離し、緩衝液に懸濁する工程
    を更に含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記脂質抗原として、更にレシチン又はコレステロールを使用する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で製造された、脂質抗原感作ラテックス試薬。
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