JP4376554B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定スクロール部品及び旋回スクロール部品を噛み合わせて圧縮室を形成し、旋回スクロール部品を旋回させてその圧縮室の容積を連続的に変えながら、吸入、圧縮、吐出を行うスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍空調用の密閉型圧縮機としては、レシプロ式、ロータリ式、スクロール式があり、いずれの方式も家庭用、業務用の冷凍空調分野で使用されてきている。現在では、コスト、性能面等でそれぞれの特徴を活かした開発が行われている。
中でも圧縮機構及び電動機構を容器に収納した圧縮機は、防音とメンテナンスフリーを意図したいわゆる密閉型圧縮機で代表され、スクロール圧縮機とロータリ圧縮機が主流となっている。スクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロール部品及び旋回スクロール部品を噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロール部品を自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行い、旋回スクロール部品の外周部及び渦巻きラップ背面に所定の背圧を潤滑用のオイルにより印加し、旋回スクロール部品が固定スクロール部品から離れて転覆しないようなことがないようにしている。
上記従来のスクロール圧縮機は、図4に示すように、各鏡板2b,4bから渦巻き状の各ラップ部2a,4aが立ち上がる固定スクロール部品2及び旋回スクロール部品4を噛み合わせて双方間に圧縮室5を形成し、旋回スクロール部品4を自転拘束機構22による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき、圧縮室5が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行う構成である。
即ち、吸入管1より吸い込まれた冷媒ガスは、ラップ部2aと鏡板2bからなる固定スクロール部品2の吸入空間3を経て、ラップ部4aと鏡板4bからなる旋回スクロール部品4と噛み合ってできる圧縮室5に閉じ込められ、中心に向かって圧縮されて、吐出ポート6より吐出される。
また、固定スクロール部品2と軸受部材7に囲まれて形成される背圧室8は、旋回スクロール部品4を固定スクロール部品2に押し付けるための背圧を常に有し、この背圧を常に一定に保つ手段として、背圧調整機構9が設けられている。
背圧調整機構9は、背圧室8から固定スクロール部品2の内部を通って吸入空間3に連通している連通路10に、バルブ11を設けたもので、背圧室8の圧力が設定圧力より高くなるとバルブ11が開き、背圧室8の潤滑油が吸入空間3へ供給され、背圧室8内を一定の中間圧に維持している。
一方、油溜まり29に溜められた潤滑油は、オイルポンプ31によりシャフト13内の通路23を通りシャフト13の上端部に導かれる。この上端部に導かれた潤滑油は、摺動面33及び摺動面34を潤滑する。潤滑油の一部は、旋回スクロール部品4内の通路24を経て絞り部12で減圧されて、背圧室8に供給される。また、吸入空間3に供給された潤滑油は、旋回運動とともに圧縮室5に供給され、圧縮室5間の漏れを防止し、圧縮効率の向上を図っている。
つまり、潤滑油によってシールすることで、圧縮効率を向上させている。例えば特許文献1に記載のスクロール圧縮機では、固定スクロール部品のインボリュート巻き終わりを吐出口の真上に位置させ、吸入口を吸入通路近傍に形成することによって、スクロール圧縮機の吸入抵抗を小さくして吸入効率を上げ、圧縮効率を向上させている。
ところで、図5は、冷媒としてR410Aを用いた場合と、二酸化炭素を用いた場合の、吸入した冷媒量に対する潤滑油の供給割合と成績係数比(COP比)の関係を示す線図である。二酸化炭素を用いた場合の線図は、吐出圧力9MPa、吸入圧力5MPa、回転周波数37Hzの条件で測定したものである。また、R410Aを用いた場合の線図は、二酸化炭素を用いた場合の条件と冷凍能力及び周波数がほぼ同等となるように設計されたスクロール圧縮機で測定したものである。図5から分るように、R410Aを用いた場合は、吸入した冷媒量に対する潤滑油の供給割合は少なければ少ないほど成績係数比は向上している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−110748号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示されたスクロール圧縮機のように、吸入抵抗を下げるだけでは、吸入空間に適切に潤滑油を供給することが困難であり、圧縮効率に影響して性能低下を引き起こすことになる。
即ち、吸入空間へ供給された潤滑油は、冷媒の流れに沿って押し流され、旋回スクロール部品の中心方向に形成される圧縮室に多く供給される。このため、旋回スクロール部品の外周方向に形成される圧縮室に供給される潤滑油が不足し、外周側圧縮室での漏れが増大して性能低下を招いてしまう。そして、この旋回スクロール部品の外周方向への給油不足を補うために、潤滑油の供給割合を増やすと、吸入過熱が起こり体積効率を低下させてしまう。
また、吸入空間に入ってくる冷媒は、圧縮室に閉じ込められるまでの間に大きく流路を曲げられる。その時、冷媒が壁面に衝突したり渦が形成されたりすることによって、圧力損失が発生して性能を低下させるという問題がある。
一方、成績係数を上げるために潤滑油の供給割合を少なくする制御方法としては、例えば、絞り部12の圧力損失を大きくする方法、または背圧室8の設定圧力を高くしてバルブ11を開き難くする方法がある。しかし、前者の場合には、絞り部12を小さくすると、コンタミによって絞り部12が閉塞される可能性が大きくなり、閉塞された場合は、圧縮室5に潤滑油が供給されなくなって、カジリや異常磨耗が発生して圧縮機の信頼性を大きく低下させることになる。また、後者の場合は、設定圧力を高くすると、旋回スクロール部品4を固定スクロール部品2に押し付ける力が、高負荷運転時に異常に大きくなり、その結果、押し付け面において、カジリや異常磨耗が発生して圧縮機の信頼性を大きく低下させることになるというように、潤滑油の供給割合を制御する方法に課題があった。
さらに、冷媒としてHFC系又はHCFC系の冷媒を用いた場合は、単位循環量当りの冷凍効果は二酸化炭素等と比べて小さいので、旋回スクロール部品4のラップ部4aは高くなる。このため、吸入過程で生じる渦によって圧力損失が発生し吸入効率が低下したり、冷媒と潤滑油が十分に混合されないために漏れ損失が増大したりする問題があった。
さらにまた、冷媒として二酸化炭素を用いた場合は、図5を見て分るように、吸入した冷媒量に対する潤滑油の供給割合に、成績係数比が最高になる最適値が存在している。しかしながら、これは、吐出圧力と吸入圧力の圧力差が、フロンを冷媒とする従来の冷凍サイクルの圧力差の約7〜10倍以上高いため、少しのシールオイル不足でも圧縮室の漏れが増大し、性能低下を招いてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、簡単で低コストを図るとともに、高効率及び高信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロール部品と旋回スクロール部品とを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール部品を自転拘束機構による自転拘束のもとに円軌道で旋回させて、前記圧縮室の容積を連続して変えながら冷媒を吸入、圧縮、吐出するスクロール圧縮機において、前記固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、前記吸入空間にオイル衝突部品を設け、前記オイル衝突部品と前記吸入空間の壁面の間に隙間を形成し、前記隙間を、前記オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、前記オイル供給通路から前記圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、前記第1の隙間を前記第2の隙間に対して大きくしたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明のスクロール圧縮機は、固定スクロール部品と旋回スクロール部品とを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール部品を自転拘束機構による自転拘束のもとに円軌道で旋回させて、前記圧縮室の容積を連続して変えながら冷媒を吸入、圧縮、吐出するスクロール圧縮機において、前記固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、前記吸入空間にオイル衝突部品を設け、前記オイル衝突部品と前記吸入空間の壁面の間に隙間を形成し、前記隙間を、前記オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、前記オイル供給通路から前記圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、前記第2の隙間を前記第1の隙間に対して大きくしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機において、前記オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を前記吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の前記端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鋭角になるように形成したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機において、前記オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を前記吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の前記端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鈍角になるように形成したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項3又は請求項4に記載のスクロール圧縮機において、前記オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を構成する端部の少なくとも一方をアール形状としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクロール圧縮機において、前記冷媒としてHFC系又はHCFC系の冷媒を用いることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクロール圧縮機において、前記冷媒として二酸化炭素を用いることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態によるスクロール圧縮機は、固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、吸入空間にオイル衝突部品を設け、オイル衝突部品と吸入空間の壁面の間に隙間を形成し、隙間を、オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、オイル供給通路から圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、第1の隙間を第2の隙間に対して大きくしたものである。本実施の形態によれば、潤滑油をオイル衝突部品に衝突させたときに発生する抵抗によって、圧縮室に供給されるオイル量をコントロールすることができる。即ち、吸入過熱を最小にしながら、シールオイルとして最低限必要なオイルを供給することができるので、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。また、オイル衝突部品に衝突した潤滑油は、この隙間を通って旋回スクロール部品の外周方向と中心方向に分かれて導かれるので、給油が旋回スクロール部品の中心方向に偏り、旋回スクロール部品の外周方向で潤滑油の不足を防止することができる。すなわち、旋回スクロール部品の外周方向への給油不足を補うためにオイル量(供給割合)を増やす必要がなく、吸入過熱を低減させながら、シールオイルを十分に供給することができ、より高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。また、潤滑油は、第1隙間に導かれて旋回スクロール部品の外周方向に多く供給されるので、高負荷の場合により高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明の第2の実施の形態によるスクロール圧縮機は、固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、吸入空間にオイル衝突部品を設け、オイル衝突部品と吸入空間の壁面の間に隙間を形成し、隙間を、オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、オイル供給通路から圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、第2の隙間を第1の隙間に対して大きくしたものである。本実施の形態によれば、潤滑油をオイル衝突部品に衝突させたときに発生する抵抗によって、圧縮室に供給されるオイル量をコントロールすることができる。即ち、吸入過熱を最小にしながら、シールオイルとして最低限必要なオイルを供給することができるので、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。また、オイル衝突部品に衝突した潤滑油は、この隙間を通って旋回スクロール部品の外周方向と中心方向に分かれて導かれるので、給油が旋回スクロール部品の中心方向に偏り、旋回スクロール部品の外周方向で潤滑油の不足を防止することができる。すなわち、旋回スクロール部品の外周方向への給油不足を補うためにオイル量(供給割合)を増やす必要がなく、吸入過熱を低減させながら、シールオイルを十分に供給することができ、より高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。また、潤滑油は、第2隙間に導かれて旋回スクロール部品の中心方向により多く供給されるので、低負荷の場合により高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態によるスクロール圧縮機において、オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鋭角になるように形成したものである。本実施の形態によれば、吸入側端部面を吸入空間の壁面延長上に形成することによって、冷媒の吸入過程における渦発生による圧力損失を最小にし吸入効率を高めることができる。また、交差角度を鋭角にすることによって、冷媒が中心側端部面で曲げられ旋回スクロール部品の外周方向に形成される圧縮室の方に滑らかに流されて、この外周側圧縮室の体積効率を高めることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態によるスクロール圧縮機において、オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鈍角になるように形成したものである。本実施の形態によれば、吸入側端部面を吸入空間の壁面延長上に形成することによって、冷媒の吸入過程における渦発生による圧力損失を最小にして吸入効率を高めることができる。また、交差角度を鈍角にすることによって、冷媒が中心側端部面に導かれ旋回スクロール部品の中心方向に形成される圧縮室に滑らかに流れて、この中心側圧縮室の体積効率を高めることができる。
本発明の第5の実施の形態は、第3または第4の実施の形態によるスクロール圧縮機において、オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を構成する端部の少なくとも一方をアール形状としたものである。本実施の形態によれば、両端部での冷媒流れの剥離を防止することができ、吸入効率を高めることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5の実施の形態によるスクロール圧縮機において、冷媒としてHFC系又はHCFC系の冷媒を用いるものである。HFC系又はHCFC系冷媒を用いた場合、単位循環量当りの冷凍効果を考慮したラップ部の高さが災いして性能低下を招くが、本実施の形態によれば、吸入過程での渦発生を抑えて吸入効率を高め、また冷媒と潤滑油を十分に混合してシール性を改善するので、性能低下を回避することが可能となる。従って、HFC系又はHCFC系冷媒を用いたスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1から第5の実施の形態によるスクロール圧縮機において、冷媒として二酸化炭素を用いるものである。二酸化炭素冷媒を用いた場合、圧縮室の差圧が大きいので、少しのシールオイル不足でも影響を受けて圧縮室の漏れによる性能低下を招くが、本実施の形態によれば、給油の偏りを回避するとともに冷媒と潤滑油を十分に混合して、シール性を改善するので、性能低下を回避することが可能となる。従って、二酸化炭素冷媒を用いたスクロール圧縮機を提供することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明による一実施例のスクロール圧縮機について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は、本発明による第1の実施例のスクロール圧縮機を示す断面図である。なお、図4に示す従来のスクロール圧縮機と同一構成については、同一の符号を付している。
本実施例のスクロール圧縮機は、密閉容器20内に圧縮機構部と電動機構部とを備えている。圧縮機構部は密閉容器20内の上方に配置され、電動機構部は圧縮機構部よりも下方に配置されている。密閉容器20の上部には、吸入管1と吐出管21が設けられ、密閉容器20内の下部には、潤滑油を溜める油溜まり29が設けられている。
【0009】
圧縮機構部は、固定スクロール部品2と旋回スクロール部品4とからなり、両部品が噛み合って、複数の圧縮室5を形成している。即ち、固定スクロール部品2は、鏡板2bから渦巻き状のラップ部2aが立ち上がって構成され、旋回スクロール部品4は、鏡板4bから渦巻き状のラップ部4aが立ち上がって構成されている。圧縮室5は、鏡板2bと鏡板4bとの間に、ラップ部2aとラップ部4aとが噛み合って形成される。旋回スクロール部品4は、自転拘束機構22によって自転が拘束され、円軌道に沿って旋回する。圧縮室5は、この旋回スクロール部品4の旋回動作によって容積を変えながら移動する。なお、旋回スクロール部品4の外周部及びラップ部背面に、所定の背圧を印加することで、旋回スクロール部品4が固定スクロール部品2から離れて転覆しないように構成している。
【0010】
また、電動機構部は、圧縮容器20の内側に固定された固定子25と、固定子25の内側に回転自在に支持された回転子26とから構成される。そして、回転子26にはシャフト13が嵌装され、このシャフト13は軸受部材7と、補助軸受部材27に保持された玉軸受28とで支持されている。
そして、吸入管1より吸い込まれた冷媒は、固定スクロール部品2の吸入空間3を経て、固定スクロール部品2と旋回スクロール部品4とが噛み合って形成される圧縮室5に閉じ込められ、固定スクロール部品2の中心に向かって圧縮され、吐出ポート6より圧縮容器20内の上部空間32に吐出される。
【0011】
また、固定スクロール部品2と軸受部材7に囲まれて形成される背圧室8は、旋回スクロール部品4が固定スクロール部品2から引き離されないだけの背圧を常に有する必要がある。この背圧を常に一定に保つための背圧調整機構9は、背圧室8から固定スクロール部品2の内部を通って吸入空間3へと連通しているオイル供給通路としての連通路10に、バルブ11を設けて構成されている。
そして、背圧室8の圧力が設定圧力より高くなるとバルブ11が開き、背圧室8の潤滑油が吸入空間3に供給され、背圧室内を一定の中間圧に維持する。旋回スクロール部品4の背面には前述の中間圧が印加され、運転中に転覆するのを抑えている。吸入空間3に供給された潤滑油は、旋回スクロール部品4の旋回運動とともに圧縮室5に移動し、圧縮室5間からの冷媒の漏れ防止に役立っている。
【0012】
また、密閉容器20の油溜まり29に溜まった潤滑油は、シャフト13の内部に形成された通路23を通って、オイルポンプ31によりシャフト13の上端部に導かれる。シャフト13の上端部に導かれた潤滑油は、シャフト13と旋回スクロール4との間の摺動面33及びシャフト13と軸受部材7との間の摺動面34を潤滑する。また、潤滑油の一部は、旋回スクロール部品4の内部に設けられた通路24を通り、この通路24に取り付けられた絞り部12で減圧された後、背圧室8に供給される。
そして、背圧室8に溜まった潤滑油は、背圧室8の圧力が設定圧力より高くなるとバルブ11が開き、背圧室8の潤滑油は連通路10を通って、オイル衝突部品14(図示せず)に衝突した後に吸入空間3に供給されて、固定スクロール部品と旋回スクロール部品の噛み合わせ部位の潤滑及びシールオイルとして作用する。
なお、本実施例を示す図1では、吸入管1及び吸入空間3と、背圧調整機構9及び連通路10とが重なるために、それらを便宜的にシャフト13を中心にして左右に分けて図示する。また、オイル衝突部品14は、図1では示さず図2にて図示する。
【0013】
次に、図2の固定スクロール部品と旋回スクロール部品が噛み合った状態を示す部分拡大断面図を参照して、第1の実施例の構成について説明する。尚、図2の断面は、図1のP−P矢視の部分断面である。
本実施例の固定スクロール部品2には、インボリュート溝部2c(以下、溝部2c)と吸入空間3が穿設されている。そして、溝部2cに旋回スクロール部品4のラップ部4aが挿入されて、固定スクロール部品2と旋回スクロール部品4が噛み合っている。また、吸入空間3は、冷媒を吸入する吸入管1に連通している。
さらに、吸入空間3には、背圧調整機構9のバルブ11を介して当該吸入空間3に潤滑油を供給するための連通路10が形成されている。そして、吸入空間3に開口している連通路10の出口に、当該連通路10から供給されてきた潤滑油を衝突させるためのオイル衝突部品14を設けている。
なお、第1の実施例のオイル衝突部品14は、平らな冷媒通路側面14aと、吸入空間3の壁面に沿った凸形状の潤滑油通路側面14bとによって形成される。また、冷媒通路側面14aは、吸入管1の壁面30aの延長上と一致するように形成される。
【0014】
上記第1の実施例のスクロール圧縮機では、潤滑油が背圧室8から連通路10を通って、吸入空間3に供給されるが、オイル衝突部品14に衝突させることによって、圧縮室5に供給されるオイル量(潤滑油の供給割合)を少なくすることができる。つまり、オイル衝突部品14を流路抵抗体として用い、圧縮室5に供給される潤滑油を、シールオイルとして必要最低限のオイル量に制御することにより、吸入過熱による体積効率の低下を防ぐことができるので、圧縮機の信頼性を損なうことなく、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
更に、本実施例では、オイル衝突部品14と吸入室3の壁面との間に、連通路10から吸入管1方向へ吸入空間3の壁面に沿って潤滑油を導く第1隙間15と、連通路10から旋回スクロール部品4の中心方向へ吸入空間3の壁面に沿って潤滑油を導く第2隙間16を形成し、連通路10を通って流れ出てきた潤滑油を二方向に分ける構成としている。
上記構成によって、第1隙間15を外周方向へ流れた一方の潤滑油は、旋回スクロール部品4の外周方向に供給されるため、圧縮室5に供給される前に、吸入管1から入ってきた冷媒と当該潤滑油とを十分に混合することができ、シール効果が大きくなる。そして混合された潤滑油は、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて外周方向に形成される圧縮室5の方に供給される。また、第2隙間16を旋回スクロール部品4の中心方向へ流れた他方の潤滑油は、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて中心方向に形成される圧縮室5の方に供給される。
このように構成したスクロール圧縮機では、オイル衝突部品14と吸入空間3の壁面との間で、潤滑油を二手に分流する第1隙間15と第2隙間16とを形成することによって、偏りのないバランスの取れた給油とし、圧縮室5に供給されるオイル量(潤滑油の供給割合)を少なくすることができる。つまり、吸入時の潤滑油による冷媒過熱を最小限にしながら、圧縮室5のシール効果を最大限に高めて、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
【0015】
上記第1の実施例では、第1隙間15と第2隙間16の大きさを略同一寸法にしたが、次のような各構成であってもよい。
すなわち、第1隙間15を第2隙間16に比べて大きくする構成(図示せず)であれば、連通路10から流れ出て大きな第1隙間15に導かれた潤滑油は、外周方向へ多く供給される。そして、その潤滑油と冷媒が混合されて、シール効果が大きくなる。従って、圧縮室5に供給されるオイル量をより少なくすることができ、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
特に、高負荷運転の場合には、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて外周方向に形成される圧縮室5のラップ方向(軸方向)の隙間が大きくなるので、第1隙間15を第2隙間16より大きくすることが望ましい。第1隙間15の方を大きくし、冷媒と十分に混合しシール効果を大きくした潤滑油を、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて外周方向に形成される圧縮室5の方に多く供給することができ、より効果的に漏れ損失を低減させることができる。
【0016】
一方、第2隙間16を第1隙間15に比べて大きくする構成(図示せず)であれば、大きな第2隙間16に導かれた潤滑油が、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて中心方向に形成される圧縮室5に多く供給されて、そのシール効果が大きくなる。従って、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
特に、低負荷運転の場合には、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて中心方向に形成される圧縮室5のラップ方向(軸方向)の隙間が大きくなるので、第2隙間16を第1隙間15より大きくすることが望ましい。第2隙間16の方を大きくし、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて中心方向に形成される圧縮室5の方に潤滑油を多く供給することができ、より効果的に漏れ損失を低減させることができる。
【0017】
次に、第2の実施例のスクロール圧縮機について、図3を参照して説明する。本実施例の構成は、第1の実施例とオイル衝突部品14の構成のみが異なるものであり、他の構成や動作の説明を省略する。図3は、本発明による第2の実施例の固定スクロール部品と旋回スクロール部品が噛み合った状態を示す部分拡大断面図である。
本実施例のオイル衝突部品14は、冷媒流れ方向に沿った凹形状の冷媒通路側面14aと、吸入空間3の壁面に沿った凸形状の潤滑油通路側面14bとによって、その断面が略三日月状に形成されている。また、冷媒通路側面14aは、吸入側端部17と、平らな吸入側端部面17aと、中心側端部18と、平らな中心側端部面18aと、両端部面17a,18aを凹部状曲面で結んだ中央部面19とから形成される。また、吸入側端部面17aは、吸入空間3に連通する吸入管1の壁面30aの延長上と一致するように形成される。そして、オイル衝突部品14の冷媒通路側面14aを、吸入側端部面17aの接線と中心側端部面18aの接線の交差する角度αが鋭角になる形状に形成している。
【0018】
上記構成のスクロール圧縮機であれば、吸入側端部面17aを吸入管1の壁面延長上に形成することによって、冷媒の流れを滑らかなものとし、冷媒の吸入過程で渦が発生することによる圧力損失を最小にして、吸入効率を高めることができる。また、交差角度αを鋭角にすることによって、冷媒流れ方向を旋回スクロール部品4の外周方向に向けることができるので、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて外周方向に形成される圧縮室5の方に冷媒と潤滑油がスムーズに流れることになり、この圧縮室5における体積効率を高めることができる。特に、この圧縮室5のラップ方向の隙間が大きくなる高負荷運転の場合に体積効率を高めることができ、より高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
また、図3に示すように、吸入側端部17をアール(曲線r1)形状とし、中心側端部18をアール(曲線r2)形状とした構成の場合には、各端部での流れの剥離や衝突を防ぐことができるので、冷媒がスムーズに流れ、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
【0019】
上記本実施例は、交差角度αを鋭角にしたが、交差角度αを鈍角にした構成であってもよい。
すなわち、オイル衝突部品14の冷媒通路側面14aを、吸入側端部面17aの接線と中心側端部面18aの接線との交差する角度αが鈍角になる形状に形成する。
この構成にすることによって、冷媒の吸入過程で渦が発生することによる圧力損失を最小にして吸入効率を高めることができる。また、交差角度αが鈍角であることから、旋回スクロール部品4のラップ部4aからみて中心方向に形成される圧縮室5に冷媒がスムーズに流れることになる。低負荷運転の場合、この圧縮室5のラップ方向の隙間が大きくなるが、この構成を用いることによって、この圧縮室5の体積効率を高めることができ、より高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
【0020】
なお、HFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いた場合、吸入過程で生じる渦や冷媒と潤滑油の混合不足が、圧力損失及び漏れ損失の増大に繋がっていたが、上記実施例にて提示した構成であれば、冷媒がスムーズに流れて渦の発生を抑えるので、また、圧縮される前に冷媒と潤滑油を十分に混合するので、圧力損失及び漏れ損失を防止することができる。
また、二酸化炭素冷媒は、吐出圧力と吸入圧力の圧力差が高いため、少しのシールオイル不足でも圧縮室の漏れが増大し、性能低下を招くが、上記実施例による構成であれば、給油の偏りによる給油不足の心配が無くなり、且つ、圧縮される前に冷媒と潤滑油を十分に混合してシール性を高めることができる。
【0021】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、本発明は、固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、吸入空間にオイル衝突部品を設けたものである。本発明によれば、潤滑油をオイル衝突部品に衝突させたときに発生する抵抗によって、圧縮室に供給されるオイル量をコントロールすることができる。即ち、吸入過熱を最小にしながら、シールオイルとして最低限必要なオイルを供給することができるので、高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
また本発明は、オイル衝突部品と吸入空間の壁面との間に隙間を形成したものである。本発明によれば、オイル衝突部品に衝突した潤滑油は、この隙間を通って旋回スクロール部品の外周方向と中心方向に分かれて導かれるので、給油が旋回スクロール部品の中心方向に偏り、旋回スクロール部品の外周方向で潤滑油が不足することを防止することができる。すなわち、旋回スクロール部品の外周方向への給油不足を補うためにオイル量(供給割合)を増やす必要がなく、吸入過熱を低減させながら、シールオイルを十分に供給することができ、より高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
また本発明は、隙間を、オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、オイル供給通路から圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、第1の隙間を第2の隙間に対して大きくしたものである。本発明によれば、潤滑油は、大きくした第1隙間に導かれて旋回スクロール部品の外周方向に多く供給されるので、高負荷の場合により高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
また本発明は、隙間を、オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、オイル供給通路から圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、第2の隙間を第1の隙間に対して大きくしたものである。本発明によれば、潤滑油は、大きくした第1隙間に導かれて旋回スクロール部品の中心方向により多く供給されるので、低負荷の場合により高効率なスクロール圧縮機を提供することができる。
また本発明は、オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鋭角になるように形成したものである。本発明によれば、吸入側端部面を吸入空間の壁面延長上に形成することによって、冷媒の吸入過程における渦発生による圧力損失を最小にして吸入効率を高めることができる。また、交差角度を鋭角にすることによって、冷媒が中心側端部面で曲げられ、旋回スクロール部品の外周方向に形成される圧縮室の方に滑らかに流されて、この外周側圧縮室の体積効率を高めることができる。
また本発明は、オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鈍角になるように形成したものである。本発明によれば、吸入側端部面を吸入空間の壁面延長上に形成することによって、冷媒の吸入過程における渦発生による圧力損失を最小にして吸入効率を高めることができる。また、交差角度を鈍角にすることによって、冷媒が中心側端部面に導かれ、旋回スクロール部品の中心方向に形成される圧縮室に滑らかに流れて、この中心側圧縮室の体積効率を高めることができる。
また本発明は、オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を構成する端部の少なくとも一方をアール形状としたものである。本発明によれば、両端部での冷媒流れの剥離を防止することができ、吸入効率を高めることができる。
また本発明は、冷媒としてHFC系又はHCFC系の冷媒を用いるものである。HFC系又はHCFC系冷媒を用いた場合、単位循環量当りの冷凍効果を考慮したラップ部の高さが災いし性能低下を招くが、本発明によれば、吸入過程での渦発生を抑えて吸入効率を高め、また冷媒と潤滑油を十分に混合してシール性を改善するので、性能低下を回避することが可能となる。従って、HFC系又はHCFC系冷媒を用いることのできるスクロール圧縮機を提供することができる。
また本発明は、冷媒として二酸化炭素を用いるものである。二酸化炭素冷媒を用いた場合、圧縮室の差圧が大きいので、少しのシールオイル不足でも影響を受けて圧縮室の漏れによる性能低下を招くが、本発明によれば、給油の偏りを回避するとともに冷媒と潤滑油を十分に混合して、シール性を改善するので、性能低下を回避することが可能となる。従って、二酸化炭素冷媒を用いることのできるスクロール圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第1の実施例のスクロール圧縮機を示す断面図
【図2】 図1に示す固定スクロール部品と旋回スクロール部品が噛み合った状態を示す部分拡大断面図
【図3】 本発明による第2の実施例の固定スクロール部品と旋回スクロール部品が噛み合った状態を示す部分拡大断面図
【図4】 従来例のスクロール圧縮機を示す断面図
【図5】 潤滑油/冷媒の供給割合と成績係数比の関係を示す線図
【符号の説明】
1 吸入管
2 固定スクロール部品
2a ラップ部
2b 鏡板
2c インボリュート溝部
3 吸入室
4 旋回スクロール部品
4a ラップ部
4b 鏡板
5 圧縮室
6 吐出ポート
7 軸受部材
8 背圧室
9 背圧調整機構
10 連通路
11 バルブ
12 絞り部
13 シャフト
14 オイル衝突部品
14a 冷媒通路側面
14b 潤滑油通路側面
15 第1隙間
16 第2隙間
17 吸入側端部
17a 吸入側端部面
18 中心側端部
18a 中心側端部面
19 中央部面
20 密閉容器
21 吐出管
22 自転拘束機構
23,24 通路
25 固定子
26 回転子
27 補助軸受部材
28 玉軸受
29 油溜まり
30 吸入空間
30a 壁面
31 オイルポンプ
32 上部空間
33,34 摺動面

Claims (7)

  1. 固定スクロール部品と旋回スクロール部品とを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール部品を自転拘束機構による自転拘束のもとに円軌道で旋回させて、前記圧縮室の容積を連続して変えながら冷媒を吸入、圧縮、吐出するスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、前記吸入空間にオイル衝突部品を設け、
    前記オイル衝突部品と前記吸入空間の壁面の間に隙間を形成し、
    前記隙間を、前記オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、前記オイル供給通路から前記圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、前記第1の隙間を前記第2の隙間に対して大きくしたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 固定スクロール部品と旋回スクロール部品とを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール部品を自転拘束機構による自転拘束のもとに円軌道で旋回させて、前記圧縮室の容積を連続して変えながら冷媒を吸入、圧縮、吐出するスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロール部品の吸入空間にオイル供給通路を開口し、前記吸入空間にオイル衝突部品を設け、
    前記オイル衝突部品と前記吸入空間の壁面の間に隙間を形成し、
    前記隙間を、前記オイル供給通路から吸入管方向に形成された第1の隙間と、前記オイル供給通路から前記圧縮室方向に形成された第2の隙間で構成し、前記第2の隙間を前記第1の隙間に対して大きくしたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 前記オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を前記吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の前記端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鋭角になるように形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を凹状の曲面で構成し、当該曲面の一方の端部面を前記吸入空間に接続された吸入管の延長面上に形成し、当該曲面の一方の前記端部面と、当該曲面の他方の端部面との接線が交差する角度が鈍角になるように形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記オイル衝突部品の冷媒通路側の側面を構成する端部の少なくとも一方をアール形状としたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記冷媒としてHFC系又はHCFC系の冷媒を用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記冷媒として二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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