JP2008274877A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】低廉にして潤滑油の滞留なく冷媒流路内における冷媒の圧力損失を極力低減可能な密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】固定スクロール(36)の背面(36b)に吐出孔(56,57)の一端及び連通孔(52)の一端を覆う吐出カバー(60)は、吐出孔の一端と連通孔の一端との間で作動流体の圧力損失が所定値以下となるよう作動流体の流路の断面積が設定され構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、密閉型圧縮機に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機に好適な密閉型圧縮機に関する。
この種の密閉型圧縮機、例えばスクロール型圧縮機には冷媒(作動流体)の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットが密閉容器内に備えられている。詳しくは、このユニットは互いに噛み合う固定及び可動の各スクロールを備えており、可動スクロールの背面にはボスが形成され、このボスには回転軸と一体形成されたクランクピンが連結されている。可動スクロールは、ボスを介して回転軸に連結され、回転軸が駆動モータにより駆動されることにより、自転することなく主軸フレームに支持されながら固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動する。これにより、各スクロールの渦巻きラップ間に形成される圧縮室の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。
ところで、このような密閉型圧縮機では、冷媒が吐出される際には冷媒の脈動等によって大きな騒音、振動が発生することから、吐出された冷媒を密閉容器内で回すようにして消音を図っており、同時に、冷媒に潤滑油を混入させ、当該潤滑油を含む冷媒を密閉容器内で循環させるようにし、これにより密閉容器内のスクロールユニットや駆動モータの回転子等の各部の潤滑をも行うようにしている。
詳しくは、固定スクロールの中央部分の適宜位置には鏡板を貫通して上記圧縮室と連通する吐出孔が穿設される一方、固定スクロールの周縁部の適宜位置には鏡板を貫通して駆動モータの回転子側の空間と連通する連通孔が穿設されており、さらに固定スクロールの背面側にはこれら吐出孔及び連通孔を覆うように吐出カバーが設けられており、潤滑油を含む冷媒は、スクロールユニット内を潤滑しつつ上記圧縮室から吐出孔を通って吐出した後、当該吐出カバー内の空間を経て連通孔に流入し、駆動モータの回転子を潤滑しつつ流下する。そして、潤滑油については回収されて新たに吸入される冷媒とともに循環し、冷媒のみが吐出室を経て密閉容器から外部に取り出される。
また、このように吐出カバーを設けると、上述したように冷媒が吐出孔から吐出される際には冷媒の脈動等によって大きな騒音、振動が発生するところ、当該吐出カバーが拡張室型の消音器(マフラ)としても機能し、このような騒音、振動が解消されることにもなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−48064号公報
上記特許文献1によれば、吐出カバーを積極的に拡張室型の消音器として機能させるようにしている。
しかしながら、このように吐出カバーを積極的に拡張室型の消音器として機能させるようにすると、吐出カバー内の容積をある程度大きくせざるを得ず、基本的に、吐出カバーが大きくなり、製造コストが嵩むという問題がある。
また、このように吐出カバー内の容積を大きくすると、冷媒が断面積の狭い吐出孔から一旦断面積の広い吐出カバー内空間に膨出した後、再び断面積の狭い連通孔に収縮して流入することになり、冷媒流路内において冷媒に非常に大きな圧力損失が生じるという問題がある。このように冷媒に非常に大きな圧力損失が生じることになると、騒音や振動の問題以前に全体として冷媒の圧縮効率が低下することになり、密閉型圧縮機の性能が大幅に低下し兼ねず、好ましいことではない。
さらに、吐出カバー内空間の断面積が吐出孔や連通孔の断面積よりも広くなっていると、冷媒の流れに澱みが生じ、当該澱み部分に潤滑油が滞留し堆積するという問題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低廉にして潤滑油の滞留なく冷媒流路内における冷媒の圧力損失を極力低減可能な密閉型圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1の密閉型圧縮機は、密閉容器内に設けられ、固定スクロール、及び、該固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールを有し、該可動スクロールの公転旋回運動により該可動スクロールの渦巻きラップを前記固定スクロールの渦巻きラップに互いに噛み合わせ、これら渦巻きラップ間に形成される圧縮室の容積を増減させながら作動流体の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットと、一端が前記固定スクロールを貫通して該固定スクロールの背面に開口するとともに他端が前記圧縮室と連通して設けられ、前記スクロールユニットにより圧縮された作動流体を前記固定スクロールの背面側に吐出させる一または複数の吐出孔と、
一端が前記固定スクロールの周縁部に該固定スクロールの背面側に開口するとともに他端が該固定スクロールを貫通して所定の面で開口して設けられ、前記吐出孔から吐出された作動流体を前記所定の面側に導く一または複数の連通孔と、前記固定スクロールの背面に前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端を覆うよう設けられ、前記固定スクロールの背面との間に作動流体の流路を形成して前記吐出孔の一端から吐出した作動流体を前記連通孔の一端に導く吐出カバーとを備え、前記吐出カバーは、前記吐出孔の一端と前記連通孔の一端との間で作動流体の圧力損失が所定値以下となるよう前記作動流体の流路の断面積を設定し構成されていることを特徴とする。
また、請求項2の密閉型圧縮機では、請求項1において、前記吐出カバーは、前記作動流体の流路の断面積が前記吐出孔及び前記連通孔のうちのいずれかの孔の横断面積と略等しくなるよう構成されていることを特徴とする。
また、請求項3の密閉型圧縮機では、請求項1または2において、前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端は全て略一直線上に並んで位置しており、前記吐出カバーは、前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端の全てを最短距離で覆うよう直線的に延びて設けられていることを特徴とする。
また、請求項4の密閉型圧縮機では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記吐出カバーは、両端部が前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端のいずれかに対応して位置しており、少なくとも該両端部の角部分にR処理が施されていることを特徴とする。
請求項1の密閉型圧縮機によれば、吐出カバーが固定スクロールの背面に吐出孔の一端及び連通孔の一端を覆うよう設けられており、当該吐出カバーと固定スクロールの背面との間に作動流体の流路が形成されることで吐出孔の一端から吐出した作動流体が連通孔の一端に導かれ、固定スクロールの所定の面側に送給される。これにより、例えば吐出孔から吐出される際に作動流体の脈動等に因り騒音や振動が生じても吐出カバーの作用に加え作動流体を密閉容器内で回すようにして消音が図られ、また、作動流体に潤滑油を混入させるようにすれば、当該潤滑油を含む作動流体を密閉容器内で循環させて密閉容器内のスクロールユニットや駆動モータの回転子等の各部の潤滑を好適に行うことができる。
そして、本発明では、吐出カバーは吐出孔の一端と連通孔の一端との間で作動流体の圧力損失が所定値以下となるよう作動流体の流路の断面積を設定して構成されているので、作動流体の流路において生じる作動流体の圧力損失を低減することができる。
これにより、消音や潤滑を十分に行いながらも、密閉型圧縮機による作動流体の圧縮効率の低下を防止でき、密閉型圧縮機の性能を高く維持することができる。
請求項2の密閉型圧縮機によれば、吐出カバーは作動流体の流路の断面積が吐出孔及び連通孔のうちのいずれかの孔の横断面積と略等しくなるよう構成されているので、少なくとも、吐出孔の一端から作動流体が吐出する際に流路が急拡大しないように、或いは、連通孔の一端に作動流体が流入する際に流路が急縮小しないようにでき、作動流体の流路において生じる作動流体の圧力損失を極力低減することができる。
また、このようにすれば、少なくとも吐出孔の一端近傍及び連通孔の一端近傍の一方に作動流体の流れの澱みを作らないようにでき、作動流体に潤滑油を混入させる場合であっても、作動流体の流路内での潤滑油の滞留ひいては潤滑油の堆積を防止するようにできる。
請求項3の密閉型圧縮機によれば、吐出孔の一端及び連通孔の一端は全て略一直線上に並んで位置しており、吐出カバーは吐出孔の一端及び連通孔の一端の全てを最短距離で覆うよう直線的に延びて設けられているので、作動流体を流路内で抵抗少なく流すようにして作動流体の圧力損失を良好に低減することができるとともに、吐出カバーを極力小さく低廉に構成することができる。
請求項4の密閉型圧縮機によれば、吐出カバーは両端部が吐出孔の一端及び連通孔の一端のいずれかに対応して位置しており、少なくとも該両端部の角部分にR処理が施されているので、吐出孔から或いは連通孔へ作動流体を抵抗少なく滑らかに流すようにでき、作動流体の圧力損失をより一層良好に低減することができる。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る密閉型圧縮機の縦断面図を示す。
密閉型圧縮機(以下、圧縮機)1は冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれる縦置きタイプのスクロール型圧縮機であって、当該回路は、作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
同図に示すように、この圧縮機1はハウジング(密閉容器)2を備え、ハウジング2の胴部4は、その上側及び下側が上蓋6及び下蓋8によってそれぞれ気密に嵌合されており、胴部4の内部が密閉され、高圧の吐出圧が作用している。また、胴部4には上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置には、ハウジング2内の圧縮冷媒を上記回路へ送出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。また、回転軸16の上端側は軸受17を介して主軸フレーム18に回転自在に支持されている。
一方、回転軸16の下端側は軸受20を介して副軸フレーム22に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ24が装着されており、ポンプ24は下蓋8の内側、すなわちハウジング2の底部に形成された貯油室26内の潤滑油Lを吸引する。この潤滑油Lは、回転軸16の内部に軸線方向に沿って穿設される給油路(油路)28を経て各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールとして機能する。
なお、貯油室26の潤滑油Lの油面には冷媒の吐出圧が作用しており、この冷媒の吐出圧が潤滑油Lの油面に作用することも給油路28における潤滑油Lの上昇に寄与する。これより、給油路28の出口においては冷媒の吐出圧に略等しい高圧環境となる。
また、副軸フレーム22の適宜位置には潤滑油Lの導入口32が形成されており、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油Lは、導入口32を介して貯油室26に貯留される。
スクロールユニット30は、胴部4内においてモータ14の上方に配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、当該スクロールユニット30は、可動スクロール34及び固定スクロール36から構成され、各スクロール34,36には、それぞれ対峙する鏡板面に渦巻きラップ34a、36aが各々一体に立設されており、これら渦巻きラップ34a、36a間に圧縮室を形成している。これより、固定スクロール36に対して可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34a、36aが互いに噛み合い、協働して可動スクロール34の外周側に形成された吸入室37から吸入管10を介して冷媒が当該圧縮室に吸入され、圧縮室が渦巻きラップ34a、36aの中心に向けて移動しながらその容積が減少され、冷媒の圧縮が行われる。
詳しくは、可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34a、36aの側面が微少隙間を有して噛み合うとともに渦巻きラップ34aの頂面と固定スクロール36の鏡板面及び渦巻きラップ36aの頂面と可動スクロール34の鏡板面が微少隙間を有して噛み合いながら圧縮室の容積が増減され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスが実施される。
上述した可動スクロール34に旋回運動を付与するため、可動スクロール34の背面34bにはボス38が凸設して形成され、このボス38は軸受け44を介してクランクピン42に連結されている。このクランクピン42は、回転軸16の上端側に一体形成され、回転軸16の回転に伴い主軸フレーム18上にて可動スクロール34を公転旋回運動させる。
一方、可動スクロール34の自転は自転阻止ピン62により阻止されている。当該ピン62は可動スクロール34の背面34bに突設され、主軸フレーム18に形成される有底状のホール64に遊嵌されている。即ち、可動スクロール34の背面34bと主軸フレーム18との間の空隙45には、いわゆるピン−ホール式の回転阻止機構60が形成されている。詳しくは、回転阻止機構60は、例えば4組のピン62及びホール64を有して構成されている。
固定スクロール36は主軸フレーム18に固定され、上蓋6に形成される吐出室54側と圧縮室側とを仕切っている。詳しくは、主軸フレーム18には回転軸16と同心円状に円筒状の外周壁19が固定スクロール36に向けて延びており、固定スクロール36は当該外周壁19の上縁に接合されている。
上記空隙45は給油路28の出口に連通するとともに吸入室37と連通しており、高圧の潤滑油Lは空隙45を介して低圧の吸入室37に供給される。これにより、潤滑油Lは吸入室37において冷媒に混入し、固定スクロール36と可動スクロール34の各部位が潤滑油Lにより潤滑されるとともに、噛み合い面である渦巻きラップ34a、36aの側面間や渦巻きラップ34aの頂面と固定スクロール36の鏡板面間及び渦巻きラップ36aの頂面と可動スクロール34の鏡板面間の微少隙間が潤滑油Lによりシールされる。
また、固定スクロール36には、一端が背面36bで開口するとともに他端が圧縮室と連通するようにして、中央部分の適宜位置に主吐出孔56が穿設され、さらに中央部分以外の適宜位置に複数の副吐出孔57が貫通して穿設されており、これら主吐出孔56、副吐出孔57は固定スクロール36の背面36b側に配置された吐出弁(リーフ弁)58、59により圧力に応じてそれぞれ開閉される。
また、固定スクロール36の周縁部には、一端が背面36bで開口するとともに他端が下面(所定の面)で開口するようにして一対の連通孔52、52が固定スクロール36を貫通して穿設され、主軸フレーム18の周縁部には、一対の連通孔52、52とそれぞれ連通するようにして一対の連通孔53、53が主軸フレーム18を貫通して穿設されており、連通孔53、53は主軸フレーム18の下面で電動モータ14側に開放されている。
そして、固定スクロール36の背面36b側には、連通孔52、52や上記主吐出孔56、副吐出孔57の背面36b側の一端及び吐出弁58、59を覆うようにして吐出カバー60が配設されている。
図2に図1のA−A線に沿う横断面を示すように、吐出カバー60は、周縁にフランジ62を有し、当該フランジ62が複数のボルト64により締結されることで固定スクロール36の背面36bに固定されている。
そして、同図に示すように、連通孔52、52や上記主吐出孔56、副吐出孔57の背面36b側の一端は全て平面視で略一直線上に並ぶように穿設されており、吐出カバー60は、これら連通孔52、52、主吐出孔56及び副吐出孔57の一端の全てを最短距離で覆うよう直線的に延びて配設されている。
詳しくは、吐出カバー60は、連通孔52、52間に直線的に延びて渡されるとともに、図2に示すように吐出弁58、59を覆う部分66を除いて幅方向の内寸dが連通孔52の直径d’より若干大きめの寸法(例えば、d=√2・d’)に設定され、図3に図2のB−B線に沿う縦断面を示すように背面36bで開口する連通孔52、52の一端に対応する両端部68の角部分にR処理が施され、図4、5に図2のC−C線及びD−D線に沿う縦断面をそれぞれ示すように、横断面が全体として弧状に成型され、吐出弁58、59を覆う部分66については吐出弁58、59の形状に合わせて拡幅して構成されている。
ここで、例えば吐出カバー60の横断面の内周側の弧の直径については、具体的には上記内寸dと等しくされている。
これより、吐出カバー60は、内部空間が連通孔52、52間で直線的に延びるとともに、固定スクロール36の背面36bとの間の空間(以下、内部空間ともいう)の断面積、即ち冷媒の流路の断面積(以下、流路面積S)が、吐出弁58、59を覆う部分66の拡幅量を最小限に抑えつつ、連通孔52の横断面積に略等しくなるように構成されている(例えば、π・(d’/2)=1/2・π・(d/2))。換言すれば、吐出カバー60は、後述するように、冷媒の圧力損失が所望の所定値以下となるように流路面積Sが設定されて構成されている。
また、例えば吐出カバー60の両端部68の内周側のR処理の半径Rについては、具体的には上記内寸dを直径としてd/2とされている。
以下、このように構成された本発明に係る密閉型圧縮機の作用について説明する。
上述した圧縮機1によれば、電動モータ14により回転軸16が回転すると、可動スクロール34が公転旋回運動を開始する。この可動スクロール34の公転旋回運動は、吸入管10から冷媒をスクロールユニット30の内部に向けて吸入し、冷媒に潤滑油Lを混入させつつ、圧縮室の容積を縮小させながら当該冷媒を圧縮する。そして、このように圧縮された高圧の冷媒は、吐出弁58、59の開弁(図3、図5中の破線位置)により主吐出孔56及び副吐出孔57から吐出される。なお、冷媒は主として主吐出孔56から吐出され(図3中の実線矢印)、圧縮途中で圧力が十分に高い場合に副吐出孔57からも吐出される(図3中の破線矢印)。
主吐出孔56及び副吐出孔57から吐出された冷媒は、図1中に矢印で示すように、吐出カバー60の内部空間を通り、連通孔52、52に流入した後、連通孔53、53を経て電動モータ14側に流下する。これにより、冷媒が主吐出孔56や副吐出孔57から吐出される際に冷媒の脈動等によって大きな騒音、振動が発生するところ、吐出カバー60の作用に加え冷媒をハウジング2内で回すことで消音が図られ、同時に、電動モータ14の回転子等が潤滑油Lにより潤滑される。
そして、潤滑油Lについては貯油室26に回収されて新たに吸入される冷媒とともに再循環し、冷媒のみが図1中に実線矢印及び破線矢印で示すように、電動モータ14の外周をハウジング2の胴部4に沿い上昇して吐出室54側に抜けた後、吐出管12を経て圧縮機外へ送出される。
ところで、本発明に係る密閉型圧縮機では、上述したように、吐出カバー60は、連通孔52、52間に直線的に渡されて内部空間が連通孔52、52間で直線的に延び、内部空間の断面積は連通孔52の横断面積に略等しくなるように構成されている。
このように吐出カバー60が構成されていると、冷媒を内部空間内で抵抗少なく流すようにできるとともに、吐出カバー60の内部空間から連通孔52、52に流路面積の急縮小なく、即ち冷媒流量が変化しないようにして流入させるようにできる。これにより、少なくとも吐出カバー60の内部空間と連通孔52、52との間の冷媒の圧力差を解消でき、吐出カバー60の内部空間における冷媒の圧力損失を極力低減することができる。即ち、冷媒の圧力損失を所望の所定値以下に抑えることができる。
なお、この場合、内部空間は比較的狭く構成されることになるので、冷媒を主吐出孔56及び副吐出孔57から吐出カバー60の内部空間に流路面積のそれほど大きな急拡大もなく流出させるようにでき、主吐出孔56及び副吐出孔57と吐出カバー60の内部空間との間の冷媒の圧力差をできるだけ小さくでき、これによっても吐出カバー60の内部空間における冷媒の圧力損失を極力低減することが可能である。
また、吐出カバー60が内部空間から連通孔52、52に流路面積の急縮小なく冷媒を流入可能に構成されていると、少なくとも背面36bで開口する連通孔52、52の一端近傍では冷媒の流れに澱みが生じなくなり、冷媒に含まれる潤滑油Lが吐出カバー60の内部空間に滞留しないようにでき、ひいては内部空間における潤滑油Lの堆積を防止することができる。
また、連通孔52、52の一端に対応する吐出カバー60の両端部68にR処理が施されていることで、冷媒を吐出カバー60の内部空間から連通孔52、52に抵抗少なく滑らかに導くことができ、より一層圧力損失を低減し、潤滑油Lの滞留を防止することができる。
また、吐出カバー60を小さくコンパクトに構成できるので、製造コストを低廉に抑えることが可能である。
また、吐出カバー60を冷媒の圧力損失が低くなるように構成することにより、主吐出孔56及び副吐出孔57と連通孔52、52間で冷媒の圧力差によって生じる騒音や振動を低減でき、吐出カバー60による消音を助長可能でもある。
このように、本発明に係る密閉型圧縮機によれば、低廉でありながら潤滑油Lの滞留を防止しつつ吐出カバー60の内部空間における冷媒の圧力損失、即ち冷媒流路内における圧力損失を極力低減することができる。従って、消音や潤滑を十分に行いながらも、全体として圧縮機1による冷媒の圧縮効率の低下を防止でき、圧縮機1の性能を高く維持することが可能である。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、吐出弁58、59をリーフ弁で構成したが、これに限られるものではなく、圧力に応じて開閉する弁であれば如何なる弁であってもよく、コイルスプリングを用いて吐出弁をよりコンパクトに構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、吐出カバー60を内部空間の断面積、即ち流路面積Sが連通孔52の横断面積に略等しくなるように構成したが、これに限られず、主吐出孔56或いは副吐出孔57の横断面積に略等しくなるように構成するようにしてもよい。
この場合には、冷媒を主吐出孔56或いは副吐出孔57から吐出カバー60の内部空間に流路面積の急拡大なく流出させるようにでき、少なくとも主吐出孔56或いは副吐出孔57と吐出カバー60の内部空間との間の冷媒の圧力差を解消でき、上記同様に吐出カバー60の内部空間における冷媒の圧力損失を極力低減することができる。
また、吐出カバー60が主吐出孔56或いは副吐出孔57から吐出カバー60の内部空間に流路面積の急拡大なく冷媒を流出可能に構成されていると、少なくとも背面36bで開口する主吐出孔56或いは副吐出孔57の一端近傍では冷媒の流れに澱みが生じなくなり、やはり冷媒に含まれる潤滑油Lが吐出カバー60の内部空間に滞留しないようにでき、内部空間における潤滑油Lの堆積を防止することができる。
また、上記実施形態では、吐出カバー60の両端部68は背面36bで開口する連通孔52、52の一端に対応しており、当該連通孔52、52の一端に対応する両端部68にR処理を施すようにしたが、R処理を施す両端部68は背面36bで開口する主吐出孔56或いは副吐出孔57の一端に対応していてもよく、この場合には、冷媒を主吐出孔56或いは副吐出孔57から吐出カバー60の内部空間へ抵抗少なく滑らかに導くことができる。
本発明の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図である。 図1のA−A線に沿う横断面図であって、本発明に係る吐出カバーの平面図である。 図2のB−B線に沿う縦断面である。 図2のC−C線に沿う縦断面である。 図2のD−D線に沿う縦断面である。
符号の説明
1 密閉型圧縮機
2 ハウジング(密閉容器)
30 スクロールユニット
34 可動スクロール
36 固定スクロール
60 吐出カバー
68 両端部
S 流路面積
L 潤滑油

Claims (4)

  1. 密閉容器内に設けられ、固定スクロール、及び、該固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールを有し、該可動スクロールの公転旋回運動により該可動スクロールの渦巻きラップを前記固定スクロールの渦巻きラップに互いに噛み合わせ、これら渦巻きラップ間に形成される圧縮室の容積を増減させながら作動流体の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットと、
    一端が前記固定スクロールを貫通して該固定スクロールの背面に開口するとともに他端が前記圧縮室と連通して設けられ、前記スクロールユニットにより圧縮された作動流体を前記固定スクロールの背面側に吐出させる一または複数の吐出孔と、
    一端が前記固定スクロールの周縁部に該固定スクロールの背面側に開口するとともに他端が該固定スクロールを貫通して所定の面で開口して設けられ、前記吐出孔から吐出された作動流体を前記所定の面側に導く一または複数の連通孔と、
    前記固定スクロールの背面に前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端を覆うよう設けられ、前記固定スクロールの背面との間に作動流体の流路を形成して前記吐出孔の一端から吐出した作動流体を前記連通孔の一端に導く吐出カバーとを備え、
    前記吐出カバーは、前記吐出孔の一端と前記連通孔の一端との間で作動流体の圧力損失が所定値以下となるよう前記作動流体の流路の断面積を設定し構成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記吐出カバーは、前記作動流体の流路の断面積が前記吐出孔及び前記連通孔のうちのいずれかの孔の横断面積と略等しくなるよう構成されていることを特徴とする、請求項1記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端は全て略一直線上に並んで位置しており、
    前記吐出カバーは、前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端の全てを最短距離で覆うよう直線的に延びて設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記吐出カバーは、両端部が前記吐出孔の一端及び前記連通孔の一端のいずれかに対応して位置しており、
    少なくとも該両端部の角部分にR処理が施されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の密閉型圧縮機。
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