JPH05149274A - スクロール式圧縮機 - Google Patents

スクロール式圧縮機

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Publication number
JPH05149274A
JPH05149274A JP31034991A JP31034991A JPH05149274A JP H05149274 A JPH05149274 A JP H05149274A JP 31034991 A JP31034991 A JP 31034991A JP 31034991 A JP31034991 A JP 31034991A JP H05149274 A JPH05149274 A JP H05149274A
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JP
Japan
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wing
eccentric
oil
scroll
boss
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Application number
JP31034991A
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English (en)
Inventor
Akira Morishima
明 森嶋
Toshitsune Inoue
年庸 井上
Satoru Oikawa
覚 及川
Yutaka Sasahara
豊 笹原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、給油ポンプの位置を変更して、旋回
スクロール翼に対するモーメント荷重を低減して、機械
効率の向上を得られ、旋回スクロール翼ボス部周囲の隙
間への高圧の冷媒ガスの侵入を許容しながら、給油路に
対する影響を阻止し、給油信頼性の向上を図ったスクロ
ール式圧縮機を提供する。 【構成】各摺動部に給油する給油ポンプ42の位置を、
旋回スクロール翼31のボス部36を枢支する支持フレ
ーム21の枢支ボス部22上端とし、固定スクロール翼
30との圧縮空間Sから離間させた。および、旋回スク
ロール翼ボス部の先端もしくはボス部先端と対向する回
転軸偏心部内周面部位に、圧縮空間から吐出される高圧
の被圧縮ガスを一旦受け入れて圧力を低減させる凹陥部
47を備え、各摺動部に潤滑油を導く給油路46に対す
る影響をなくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば空気調和機の
冷凍サイクルを構成する圧縮機として用いられるスクロ
ール式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、空気調和機の冷凍サイクルを
構成する圧縮機においては、通常のロータリ式圧縮機と
比較して、運動騒音が極めて低く、かつ吸込弁や吐出弁
など不要で部品点数が少なくてすみ、しかも圧縮性能の
よいスクロール式圧縮機が多用される傾向にある。
【0003】この種の圧縮機は、密閉ケース内上部に電
動機部を配備し、下部にスクロール圧縮機構部を配置し
て、互いに回転軸で連結してなる。密閉ケースの内底部
には潤滑油を集溜する油溜り部が形成され、圧縮作動に
ともなって圧縮機構部の各摺動部に給油できるようにな
っている。上記スクロール圧縮機構部は、従来、図6に
示すようになっている。
【0004】図中1は、図示しない電動機部から延出さ
れる回転軸2の下端偏心部であり、この偏心部1下端面
から偏心穴3が設けられる。偏心部1の周面は、図示し
ない密閉ケースに取付け固定される支持フレーム4の枢
支ボス部4aに回転自在に枢支される。
【0005】上記偏心穴3には、旋回スクロール翼5の
ボス部6が回転自在に掛合され、回転軸偏心部1が偏心
回転することにより、偏心穴3とボス部6を介して旋回
スクロール翼5は旋回運動をなす。
【0006】上記旋回スクロール翼5は、鏡板部7の上
面側にボス部6が一体に突設され、かつ下面側に渦巻状
の翼部8が一体に設けられ、固定スクロール翼9の翼部
10に噛合する。固定スクロール翼9の翼部10を一体
に備えた鏡板部11周端部は、上記支持フレームに図示
しない固定具を介して取付け固定される。
【0007】上記旋回,固定スクロール翼5,9の鏡板
部7,11および翼部8,10で囲繞される圧縮空間S
が形成される。旋回スクロール翼5の旋回運動にともな
って、圧縮空間Sの外側から被圧縮ガスである冷媒ガス
が吸い込まれ、この圧縮空間が中心部方向に移動し、か
つ空間容量が減少することにより圧縮される。
【0008】旋回スクロール翼鏡板部7略中央からボス
部6軸心に沿って、所定圧に圧縮された冷媒ガスが吐出
案内される吐出ポート12が開口され、ボス部6が掛合
する上記偏心穴3に連通する。また、偏心穴3上端部と
偏心部1周面とに亘ってガスガイド孔13が設けられ、
吐出ポート12を導かれる冷媒ガスを密閉ケース内に放
出するようになっている。
【0009】一方、支持フレーム4上面に油導入路14
の上端が開口する。この油導入路14の下端は、旋回ス
クロール翼鏡板部7背面側と摺接する支持フレーム4の
スラスト受け部4bと、旋回スクロール翼ボス部6、鏡
板部7および偏心部1下端面とが囲繞する空間部である
油室15に開口される。
【0010】上記油室15に位置する支持フレーム4に
は、容積形の給油ポンプ16が設けられる。この給油ポ
ンプ16は、旋回スクロール翼ボス部6の旋回運動にと
もなって油溜り部17の潤滑油を油導入路14から油室
15に吸込み、偏心穴3の周面に設けられる油溝、偏心
穴3から偏心部1周面に亘って設けられる複数の横穴お
よび少なくとも一つの横穴を介して連通する枢支ボス部
4aに設けられる油溝等からなる給油路18に吐出する
ようになっている。
【0011】給油路18に給油された潤滑油は、旋回ス
クロール翼鏡板部7とスラスト受け部4b、旋回スクロ
ール翼ボス部6と偏心穴3、偏心部1と枢支ボス部4a
等の各摺動部に導かれ、再び油溜り部17に戻される。
【0012】なお、旋回スクロール翼ボス部6上端直径
と偏心穴3直径とは極く僅かな寸法差に形成され、これ
らの隙間で被圧縮ガスの漏れを阻止するシール対策をな
している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このようにして構成さ
れるスクロール式の圧縮機構部であるが、以下に述べる
ような不具合があった。
【0014】すなわち、旋回スクロール翼5を無理な
く、円滑に回転自在に掛合するために、旋回スクロール
翼ボス部6と回転軸偏心穴3との掛合長さは、必要にし
て最低の長さを確保しなければならない。
【0015】ところが、上記回転軸偏心部1下端に給油
ポンプ16が設けられるために、その分、ボス部6の全
長を長くして、偏心穴3に対する掛合長さを確保してい
る。一方、上記圧縮空間Sを基準にすると、ここから旋
回スクロール翼5の枢支位置が上方に延びることにな
る。
【0016】したがって、圧縮空間Sからボス部6に対
して大きなモーメント荷重が生じ、ボス部6の金属疲労
を促進させ、かつ旋回スクロール翼5の円滑な旋回運動
性が損なわれる。
【0017】一方、ボス部6外周面と偏心穴3との間に
狭小の隙間を形成し、この隙間で被圧縮ガスの漏れを阻
止し、シールをなす構造である。しかしながら、被圧縮
ガスは高圧であるので、一部は隙間に侵入してしまい、
上記給油路18の潤滑油の円滑な導通を阻止する。その
結果、各摺動部の潤滑性が損なわれ、極端な場合は焼損
事故に繋がる。
【0018】上記隙間をさらに狭くして数μmに形成す
れば、高圧の被圧縮ガスの侵入を阻止することも可能で
あるが、その反面、加工コストが上昇し、組立作業性が
低下する。
【0019】互いの隙間を無理のない程度に設定し、こ
れらの間にバリシールリングやテフロンリングなどのシ
ール部材を介在させ、シール性を確保することも考えら
れる。しかしながら、今度は新らたに、シール部材と旋
回スクロール翼ボス部6先端とが摺動し、ここには充分
な潤滑油の供給がなされず、摩耗ロスが発生する。当
然、部品点数が多くなって、コスト面で不利になる。
【0020】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その第1の目的とするところは、給油ポンプの
位置を変更して、旋回スクロール翼の枢支位置を圧縮空
間側に移動させ、旋回スクロール翼に対するモーメント
荷重を低減して、この機械効率の向上を得られるスクロ
ール式圧縮機を提供しようとするものである。
【0021】第2の目的は、旋回スクロール翼ボス部周
囲の隙間への高圧の被圧縮ガスの侵入を許容しながら、
この圧力の低下を図り、給油路に対する影響を阻止し
て、給油信頼性の向上を図ったスクロール式圧縮機を提
供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を満足す
るため第1の発明は、内底部に潤滑油の油溜り部が形成
された密閉ケース内上部に電動機部を設け、この電動機
部によって回転駆動される偏心部外周面を支持フレーム
で枢支し、この支持フレームに固定スクロール翼を取付
け固定して、この固定スクロール翼と噛合するとともに
回転軸偏心部に掛合して旋回運動自在な旋回スクロール
翼で、圧縮空間を形成するものにおいて、上記支持フレ
ームに偏心部を回転自在に枢支する枢支ボス部を一体に
設け、この枢支ボス部上端に油溜り部の潤滑油を枢支ボ
ス部、偏心部等の各摺動部に給油する給油ポンプとを備
えたことを特徴とするスクロール式圧縮機である。
【0023】第2の目的を満足するため第2の発明は、
旋回スクロール翼鏡板部にボス部を一体に突設して回転
軸偏心部内周面に回転自在に掛合し、このボス部、偏心
部内周面、支持フレームおよび旋回スクロール翼等の各
摺動部に亘り油溜り部の潤滑油を導く給油路を設け、上
記ボス部の先端もしくはボス部先端と対向する偏心部内
周面部位に、圧縮空間から吐出される高圧の被圧縮ガス
を一旦受け入れて圧力を低減させ上記給油路への被圧縮
ガスの侵入を阻止する凹陥部を備えたことを特徴とする
スクロール式圧縮機である。
【0024】
【作用】第1の発明では、給油ポンプの位置を圧縮空間
から遠ざけて、これらの間に旋回スクロール翼ボス部を
枢支したから、旋回スクロール翼の枢支位置が圧縮空間
に近くなって、ボス部に対するモーメント荷重が低減す
る。
【0025】第2の発明では、ボス部先端と偏心部内周
面との隙間から高圧の被圧縮ガスを凹陥部に導入し、こ
の圧力を低下させて、給油路に対する影響を無くし、潤
滑油は給油路を円滑に導かれる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面にもとづい
て説明するに、スクロール式圧縮機は冷凍サイクル装置
に用いられることとする。
【0027】図1に示すように、図中20は密閉ケース
であり、この密閉ケース20内下部に支持フレーム21
が設けられ、その枢支ボス部22に、回転軸23の下端
部に一体に設けられる偏心部24を、軸受けメタル22
aを介して回転自在に枢支している。
【0028】上記回転軸23の偏心部24には、後述す
るスクロール圧縮機構部25が連結され、かつこの上部
の主軸部26には、ステータ27とロータ28とからな
る電動機部29が設けられる。
【0029】上記スクロール圧縮機構部25は、上記支
持フレーム21に取付け固定される固定スクロール翼3
0および上記偏心部24に枢支される旋回スクロール翼
31と、旋回スクロール翼31の自転を規制し旋回運動
のみ行わせるオルダム機構Dから構成される。
【0030】上記固定スクロール翼30および旋回スク
ロール翼31はともに、鏡板部32,33と、この鏡板
部32,33に一体的に設けられる渦巻状の翼部34,
35とから構成される。これら翼部34,35相互は噛
合されるとともに、上記鏡板部32,33相互とで囲繞
される圧縮空間Sが形成される。
【0031】旋回スクロール翼鏡板部33略中央からボ
ス部36が一体に突設される。このボス部36は、上記
偏心部24の下端面から所定位置まで設けられる偏心穴
37に回転自在に掛合する。
【0032】また、旋回スクロール翼鏡板部33略中央
からボス部36軸芯に沿って、所定圧に圧縮された冷媒
ガスを吐出案内する吐出ポート38が開口され、ボス部
36が掛合する上記偏心穴37に連通する。
【0033】偏心穴37上端部と偏心部24周面とに亘
ってガスガイド孔39が設けられ、吐出ポート38を導
かれる冷媒ガスを密閉ケース20内に放出案内できるよ
うになっている。
【0034】一方、上記密閉ケース20の内底部には潤
滑油を集溜する油溜り部40が形成されている。固定ス
クロール翼30周端部下面から上端面に貫通し、さらに
支持フレーム21の下端面からこの肉厚を貫通し、枢支
ボス部22上端面に亘る油導入路41が設けられる。こ
の油導入路41に対向する枢支ボス部22の上端には、
後述する給油ポンプ42が設けられる。
【0035】旋回スクロール翼鏡板部33背面側と摺接
する支持フレーム21のスラスト受け部43と、鏡板部
33背面内周部、ボス部36下端周面および偏心部24
と軸受けメタル22a下端面とで囲繞される空間室を、
油室44と称する。
【0036】図4(A)に拡大して示すように、給油ポ
ンプ42の給油方向に対向して、軸受けメタル22a上
端に設けられる油ガイド用切欠、偏心部24外周面に沿
って設けられる油溝を介して上記油室44があり、さら
にこの油室44から偏心部24内周面に沿って設けられ
る油溝を介して、偏心穴37から偏心部24周面に亘っ
て開口する油抜き孔45からなる給油路46が設けられ
る。
【0037】また、旋回スクロール翼ボス部36上端と
偏心穴37とは、加工に無理のない程度に隙間が形成さ
れる。そしてさらに、ボス部36上端周面に圧力低減用
の凹陥部47が設けられる。この凹陥部47と対向する
偏心穴37部位から偏心部24周面に亘ってガス抜き孔
48が貫通して設けられる。
【0038】枢支ボス部22周面にはマフラ49の下端
部が嵌着される。このマフラ49は、偏心部24を囲繞
し、かつ上端部は、偏心部24周面とある程度の間隙を
存している。この内周壁で、上記ガス抜き孔48と油抜
き孔46の開口部相互間に対向する位置に、分離板50
が設けられる。さらに、分離板50の下方部位に、油逃
がし孔51が開口する。
【0039】上記密閉ケース20側部には、蒸発器と連
通する吸込管(いずれも図示しない)が貫通していて、
上記固定スクロール翼30の側部を貫通し、圧縮空間S
の外周側に対向している。密閉ケース20の上端部に
は、凝縮器と連通する吐出管(いずれも図示しない)が
接続される。つぎに、上記給油ポンプ42構造を、図2
(A)にもとづいて説明する。
【0040】支持フレーム21の枢支ボス部22上端に
切欠部52が設けられ、ここにポンプ仕切板53が嵌合
する。すなわち、ポンプ仕切板53は切欠部52に嵌合
する突起部53aを一体に備えたリング状の平板体であ
り、枢支ボス部22上端内周面に設けられる段部54に
載置される。
【0041】また、ポンプ仕切板53の突起部53a上
にはポンプブレード55が載置され、上記切欠部52に
対してスライド自在に嵌合される。切欠部52と軸心を
介して対称側の枢支ボス部22周面にポンプバネ56の
一端部が固定され、これは枢支ボス部22半周面に沿っ
て半円状に曲成される。
【0042】ポンプバネ56の他端部は切欠部52外周
側で折曲され、かつポンプブレード55の外周面に掛合
する。このことから、ポンプブレード55はポンプバネ
56によって常に切欠部52内周側、すなわち枢支ボス
部22軸心側に移動するよう弾性的に押圧される。
【0043】ポンプブレード55の内周側は、平面視で
半円状に形成され、ポンプバネ56によって押圧される
ところから、偏心部24に設けられるポンプローラ57
周面に弾性的に当接する。同図(B)に示すように、上
記ポンプローラ57は偏心部24とは別体に形成される
偏心リングであって、回り止めピン58を介して嵌着固
定される。
【0044】再び同図(A)に示すように、段部54周
面で、かつ切欠部52の両側は、それぞれ半円状に切欠
加工されていて、その一方をポンプ入口59、他方をポ
ンプ出口60と称する。ポンプ入口59は、図1および
図4(A)で示す油導入路41の端末に連通し、ポンプ
出口60は給油路46の始端側に連通する。
【0045】しかして、このようにして構成されるスク
ロール式圧縮機において、電動機部29に通電してスク
ロール圧縮機構部25を駆動すると、吸込管から被圧縮
ガスである低圧の冷媒ガスが導入され、固定スクロール
翼30と旋回スクロール翼31との圧縮空間Sの外周側
に吸込まれる。
【0046】上記圧縮空間Sに吸込まれた冷媒ガスは、
旋回スクロール翼31の旋回運動にともなって圧縮され
る。所定圧まで上昇したところで、吐出ポート38へ吐
出され、さらに偏心穴37、ガスガイド孔39を介して
密閉ケース20内に充満する。この高圧の冷媒ガスは、
吐出管を介して外部の凝縮器に導かれる。上記電動機部
29は、負荷に応じた最適な運転周波数に制御され、最
適な条件での空気調和をなす。
【0047】上記給油ポンプ42は、回転軸23の回転
にともなって油溜り部40の潤滑油を強制的に油導入路
41に導入し、さらに給油路46に吐出して圧縮機構部
25の各摺動部に給油する。つぎに、給油ポンプ42の
作動を、図3から説明する。
【0048】ポンプローラ角度0°では、ポンプローラ
57の段部54内周面転接部位がポンプブレード55当
接位置と一致する。この状態で、上記ポンプローラ57
と段部54内周面とで囲繞する空間部であるポンプ室R
aに、ポンプ入口59から導かれた潤滑油が充満し、ポ
ンプローラ57の偏心回転にともなって徐々に加圧され
る。
【0049】ポンプローラ57が90°回動したポンプ
ローラ角度90°の位置では、ポンプブレード55によ
って仕切られる別のポンプ室Rbが形成され、ここにポ
ンプ入口59から潤滑油が吸込まれる。既に形成される
ポンプ室Raは、ポンプ室出口60に連通し、加圧され
た潤滑油がポンプ室出口60から上記給油路46へ吐出
される。
【0050】ポンプローラ角度180°の位置では、新
たなポンプ室Rbの容積がさらに増大して、潤滑油の吸
込が継続される。既に形成されるポンプ室Raの加圧さ
れた潤滑油は継続してポンプ室出口60から吐出され
る。
【0051】ポンプローラ角270°では、ポンプ室入
口59からポンプ室Rbへ吸込まれる潤滑油は最大とな
る一方、ポンプ室Rbの加圧された潤滑油は、ほとんど
がポンプ室出口60から吐出される。
【0052】ポンプローラ角360°(0°)では、ポ
ンプ室出口60から吐出される潤滑油はなく、ポンプ室
入口59からポンプ室Rbへ吸込まれる潤滑油の加圧作
用のみとなる。以下、上述したような作用を繰り返す。
このようにして、給油ポンプ42の給油特性は保証さ
れ、各摺動部に対して充分な量の潤滑油を給油し、円滑
な摺動作用を得られる。
【0053】また、吐出ポート38から偏心穴37に吐
出された高圧の冷媒ガスは、その大部分はガスガイド孔
39から密閉ケース20内に放出されるが、ボス部36
周面と偏心穴37との間に隙間があるところから、その
一部は上記隙間へ侵入することは避けられない。
【0054】しかしながら、隙間に侵入した冷媒ガス
は、一旦、凹陥部47に溜められる。小さい容積の隙間
から、大きな容積の凹陥部47に冷媒ガスが導かれるこ
とにより、この圧力がある程度低減する。そしてこの冷
媒ガスは、凹陥部47からガス抜き孔48を介して密閉
ケース20内に放出される。
【0055】上記凹陥部47からガス抜き孔48に導か
れる間に、ボス部36と偏心穴37との隙間が存在し、
かつ給油路46が位置するが、冷媒ガスは圧力が低下し
ているので侵入しない。したがって、給油路46を導か
れる潤滑油は冷媒ガスの影響を受けることがなく、円滑
に導かれる。
【0056】また、上記給油ポンプ42を枢支ボス部2
2上端に備えたから、その分、油室44を形成するのに
必要な間隔を残して、可能な限り回転軸偏心部24下端
を旋回スクロール翼鏡板部33背面側に接近させ得る。
【0057】したがって、上記圧縮空間Sと旋回スクロ
ール翼ボス部36の枢支位置との間隔が従来のものより
も短縮されることになり、ボス部36が受けるモーメン
ト荷重が低減し、それによる金属疲労の影響が軽減し
て、旋回スクロール翼31の機械効率が向上する。
【0058】なお上記実施例においては、圧力低減用の
凹陥部47をボス部36の上端に設けたが、これに限定
されるものではない。たとえば第5図に示すように、ボ
ス部36Aはストレート状とし、この上端に対向する偏
心穴37の全周面に亘って凹陥部47Aを設ける。ガス
抜き孔48の端部は、上記凹陥部47Aの一部に開口す
ることになる。(なお、上記実施例と同一部品は同番号
を付して新たな説明を省略する。)
【0059】このような構成であっても、高圧の冷媒ガ
スが凹陥部47Aに導かれることにより圧力が低下し、
しかる後、ガス抜き孔48から放出される。ボス部36
Aと偏心穴37との隙間には冷媒ガスが侵入しないとこ
ろから、給油路46を導かれる潤滑油に対する影響がな
く、潤滑性を確保できることは同様である。
【0060】この他、給油ポンプ構造は、本発明の要旨
を越えない範囲内で種々変形実施可能であり、かつ圧縮
機は必ずしも冷凍サイクルを構成する機器に備えられる
ものに限定されず、他の種類の冷媒ガスもしくは空気を
圧縮する場合にも用いることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、支持フレームに回転軸偏心部を回転自在に枢支する
枢支ボス部を一体に設け、この枢支ボス部上端に油溜り
部の潤滑油を各摺動部に給油する給油ポンプとを備えた
から、給油ポンプの位置が変更して、旋回スクロール翼
の枢支位置が圧縮空間側に移動することになり、旋回ス
クロール翼に対するモーメント荷重が低減して、旋回ス
クロール翼の機械効率の向上を得られる効果を奏する。
【0062】第2の発明によれば、旋回スクロール翼ボ
ス部の先端もしくはボス部先端と対向する回転軸偏心部
内周面部位に凹陥部を備えたから、圧縮空間から吐出さ
れる高圧の被圧縮ガスがボス部周囲の隙間へ侵入して
も、凹陥部で一旦受け入れて圧力を低減させ、給油路に
対する被圧縮ガスの影響を阻止して、給油信頼性の向上
を図れる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、スクロール式圧縮機
要部の縦断面図。
【図2】(A)は、同実施例の、給油ポンプの平面図
と、これを分解した斜視図。(B)は、給油ポンプ要部
を分解した斜視図。
【図3】同実施例の、給油ポンプの作動を順に説明する
図。
【図4】(A)は、同実施例の、圧縮機構部を拡大した
縦断面図。(B)は、旋回スクロール翼の一部斜視図。
【図5】他の実施例を示す、圧縮機構部の一部縦断面
図。
【図6】本発明の従来例を示す、圧縮機構部の一部縦断
面図。
【符号の説明】
40…油溜り部、20…密閉ケース、29…電動機部、
24…偏心部、23…回転軸、21…支持フレーム、3
0…固定スクロール翼、31…旋回スクロール翼、33
…(旋回スクロール翼の)鏡板部、22…枢支ボス部、
46…給油路、42…給油ポンプ、36…(旋回スクロ
ール翼の)ボス部、47…凹陥部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹原 豊 静岡県富士市蓼原336番地 株式会社東芝 富士工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内底部に潤滑油の油溜り部が形成された密
    閉ケースと、この密閉ケース内上部に設けられる電動機
    部と、この電動機部によって回転駆動され電動機部から
    下方に突出する偏心部を有する回転軸と、この回転軸の
    偏心部外周面を枢支する上記密閉ケースに取付け固定さ
    れる支持フレームと、この支持フレームに取付け固定さ
    れ鏡板部および渦巻状の翼部とからなる固定スクロール
    翼と、この固定スクロール翼の翼部と噛合する渦巻状の
    翼部およびこれらで圧縮空間を形成する鏡板部からなり
    上記回転軸偏心部に掛合され旋回運動自在な旋回スクロ
    ール翼とを具備したスクロール式圧縮機において、上記
    支持フレームに一体に設けられ上記回転軸偏心部を回転
    自在に枢支する枢支ボス部と、この枢支ボス部上端に設
    けられ上記油溜り部の潤滑油を支持フレーム枢支ボス
    部、回転軸偏心部等の各摺動部に給油する給油ポンプと
    を備えたことを特徴とするスクロール式圧縮機。
  2. 【請求項2】内底部に潤滑油の油溜り部が形成された密
    閉ケースと、この密閉ケース内上部に設けられる電動機
    部と、この電動機部によって回転駆動され電動機部から
    下方に突出する偏心部を有する回転軸と、この回転軸の
    偏心部外周面を枢支する上記密閉ケースに取付け固定さ
    れる支持フレームと、この支持フレームに取付け固定さ
    れ鏡板部および渦巻状の翼部とからなる固定スクロール
    翼と、この固定スクロール翼の翼部と噛合する渦巻状の
    翼部およびこれらで圧縮空間を形成する鏡板部からなり
    上記回転軸偏心部に掛合され旋回運動自在な旋回スクロ
    ール翼とを具備したスクロール式圧縮機において、上記
    旋回スクロール翼鏡板部に一体に突設され回転軸偏心部
    内周面に回転自在に掛合されるボス部と、このボス部、
    回転軸偏心部内周面、支持フレームおよび旋回スクロー
    ル翼等の各摺動部に亘って設けられ油溜り部の潤滑油を
    導く給油路と、上記旋回スクロール翼ボス部の先端もし
    くはボス部先端と対向する回転軸偏心部内周面部位に設
    けられ圧縮空間から吐出される高圧の被圧縮ガスを一旦
    受け入れて圧力を低減させ上記給油路への被圧縮ガスの
    侵入を阻止する凹陥部を備えたことを特徴とするスクロ
    ール式圧縮機。
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