JP4376387B2 - シアノベンジル化合物の製造方法 - Google Patents

シアノベンジル化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シアノベンジル化合物の製法に関する。特に一般式(II)で表わされるシアノベンジル化合物の製法に関する。シアノベンジル化合物は医薬、農薬、液晶、機能性高分子用モノマーなどの重要な中間体である。
【0002】
【従来の技術】
シアノベンジル化合物の製法はいくつか知られている。
1.シアノベンジルアルコール化合物
ここでは代表例としてp−シアノベンジルアルコールの製法をあげる。
【0003】
p−シアノベンジルアルコールは、p−シアノ安息香酸エステルおよびp−シアノベンズアルデヒドを水素化ホウ素ナトリウムなどのハイドライド系の還元剤で還元することにより合成されている(Kikugawa,Y.,Chem.Pharm.Bull,24(1976)1059:Hilborn,J.W.,et al.,J.Am.Chem.Soc.,116(1994)3337)。また、p−シアノベンズアルデヒドをポリマーに担持したロジウムのクラスター触媒の存在下、水性ガスシフト反応により還元する方法(Kaneda,K.,et al.,Tetrahedron Letters,38(1997)3005)がある。
2.シアノベンジルハライド化合物
ここでは代表例としてp−シアノベンジルクロライドの製法をあげる。
【0004】
p−シアノベンジルクロライドは、p−トルニトリルのモノ塩素化などで合成されている。(L.Blicke,J.Am.Chem.Soc.,65(1943)2282)
3.シアノベンジルアシルオキシ化合物
ここでは代表例としてp−シアノベンジルアセテートの製法をあげる。
【0005】
p−シアノベンジルアセテートは、アルコール溶媒中p−シアノベンジルクロリドと酢酸ナトリウムとの反応で合成されている(Banse,Chem.Ber.,27p2171(1894))。また、p−シアノベンジルアルコールのアセチル化(A.L.Baumstark,et al.,Tetrahedron Letters,25p169(1984))などで合成されている。
【0006】
上記のp−シアノベンジル化合物の合成法の問題点として以下のことがあげられる。
1.p−シアノベンジルアルコール
ハイドライド系の還元剤を用いる方法では、還元剤を化学量論量以上必要とするため廃棄物が多い。水素還元による方法では、高価なロジウムを用いるため経済的方法ではない。
2.p−シアノベンジルクロライド
p−トルニトリルの塩素化による方法は、毒性の強い塩素ガスを使用し、また、モノクロル化の選択性が十分な方法ではない。
3.p−シアノベンジルアセテート
原料のp−シアノベンジルクロライドまたはp−シアノベンジルアルコールは、汎用の原料ではないので入手し難いという問題がある。
【0007】
このように、p−シアノベンジル化合物は、従来知られている技術では合成が繁雑で高純度体を得るのが困難であり、また原料のp−シアノ安息香酸エステル、p−シアノベンズアルデヒド、p−トルニトリルなどの入手も容易ではないという問題があり、シアノベンジル化合物を工業的に高収率、高純度に製造する方法としては未だ十分なものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、比較的容易に入手可能なベンゼン環にシアノ基を含有するシアノベンジルアミンまたはその塩素原子もしくはフッ素原子等による核置換体(以下、併せて「シアノベンジルアミン化合物」ともいう。)から、温和な条件でシアノベンジル化合物を得る工業的に有利な製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、シアノベンジルアミン化合物を出発原料として、ベンゼン環上のシアノ基を損なうことなくアミノメチル基(−CH2NH2)をヒドロキシメチル基、ハロゲノメチル基、アシルオキシメチル基に変換させることにより上記目的を達成しうることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
(1) シアノベンジルアミン化合物のベンゼン環上のシアノ基を損なうことなく、アミノメチル基からヒドロキシメチル基、ハロゲノメチル基または、アシルオキシメチル基に変換させることを特徴とするシアノベンジル化合物の製造方法。
(2) アミノメチル基をヒドロキシメチル基、ハロゲノメチル基、またはアシルオキシメチル基に変換させる反応に、ニトロソニウムイオンを用いることを特徴とする(1)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(3) ニトロソニウムイオンを発生させるため、酸性条件下で亜硝酸塩を用いる(2)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(4) ニトロソニウムイオンを発生させるため、窒素酸化物を用いる(2)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(5) 反応を、極性溶媒の存在下でおこなわせる(1)〜(4)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
【0011】
(6) シアノベンジル化合物が下記一般式(I)
【化3】
Figure 0004376387
(式中、CH2NH2と−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CH2NH2は−CNのm位あるいはp位であり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)のシアノベンジルアミン化合物であり、シアノベンジル化合物が、下記一般式(II)
【化4】
Figure 0004376387
(式中、−Xと−CH2Yはベンゼン環上の置換基を表わし、−CH2Yは−CNのm位あるいはp位である。Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。Yは、ヒドロキシル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアシルオキシ基(−OCOR:RはC1〜C8のアルキル基、アルケニル基、アリール基を示す。)を示す。)で表わされる(1)〜(5)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(7) 一般式(I)のシアノベンジルアミン化合物がp−シアノベンジルアミンまたはm−シアノベンジルアミンであり、一般式(II)のシアノベンジル化合物が対応するp−シアノベンジルアルコールまたはm−シアノベンジルアルコールである(6)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(8) 一般式(I)のシアノベンジルアミン化合物がp−シアノベンジルアミンまたはm−シアノベンジルアミンであり、一般式(II)のシアノベンジル化合物が対応するp−シアノベンジルクロライド、p−シアノベンジルブロマイド、または、m−シアノベンジルクロライド、m−シアノベンジルブロマイドである(6)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(9) 一般式(I)のシアノベンジルアミン化合物がp−シアノベンジルアミンまたはm−シアノベンジルアミンであり、一般式(II)のシアノベンジル化合物が対応するp−シアノベンジルアセテート、または、m−シアノベンジルアセテートである(6)に記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
(10) (1)〜(9)に記載の製造方法により製造されるシアノベンジル化合物。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における反応方法は、溶媒、シアノベンジルアミン化合物、亜硝酸塩または窒素酸化物、及び必要であれば(シアノベンジルアルコール化合物製造の際は酸性条件下で)求核種を反応容器に仕込み、撹拌下に反応温度まで上昇させ、所定の時間まで加熱、攪拌することによりおこなわれる。
反応に用いる容器の材質は、一般にガラス、耐酸金属容器が適する。反応圧力は特に制限がないが、一般に大気圧下で行う。
【0013】
本発明において考えられる反応経路について反応の態様を説明する。代表例としてp−シアノベンジルアミンからp−シアノベンジル化合物への反応を説明する。本発明における他の化合物の反応経路についての反応の態様も同様に理解されるべきである。
【0014】
p−シアノベンジルアミン化合物(III)とニトロソニウムイオン(NO+-)との反応によりジアゾニウム化合物(IV)が生成する。(反応式[1]:本反応を「ジアゾ化反応」という。)。
【化5】
Figure 0004376387
反応系内に存在する求核種(MY)とジアゾニウム化合物(IV)が反応し、p−シアノベンジル化合物(V)が生成する(反応式[2]:本反応を本発明では「置換反応」という。)。
【化6】
Figure 0004376387
【0015】
更に、シアノベンジルアミン化合物からシアノベンジルアルコール化合物、シアノベンジルハライド化合物及びシアノベンジルアシルオキシ化合物それぞれへの考えられる反応経路につき詳細に説明する。
【0016】
求核種(MY)のMが水素原子であり、Yがヒドロキシル基の場合、すなわち水であれば、p−シアノベンジルアルコールが生成する。(反応式[3])
【化7】
Figure 0004376387
求核種(MY)のMが水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり、Yがハロゲン原子であれば、シアノベンジルハライド化合物が生成する。(反応式[4])
【化8】
Figure 0004376387
また、求核種(MY)のMが水素原子、Yがアシルオキシ基(RCOO)の場合、すなわちカルボン酸(RCOOH)であれば、シアノベンジルアシルオキシ化合物が生成する。(反応式[5])
【化9】
Figure 0004376387
本反応においては、用いられる溶媒が目的とするシアノベンジル化合物を合成するのに適した求核種としての効果を有している場合は、必ずしもあらたに求核種を加える必要はない。
【0017】
また、ジアゾニウム化合物(IV)のカウンターアニオン(Z-)がハライドやアシルオキシアニオン(RCOO-)の場合には、該アニオンが求核種となり分子内で反応し、各々、シアノベンジルハライド化合物、シアノベンジルアシルオキシ化合物が副生する可能性が有る。該アニオンは本反応に副原料として用いる酸に由来するので、用いる酸の種類は目的のシアノベンジル化合物の種類により選択する必要がある。
【0018】
また、シアノベンジルアルコール化合物を合成する際には、シアノベンジルアミン化合物とニトロソニウムイオンとの反応を、極性の有機溶媒中、酸の存在下で反応を行うか、水溶液中硫酸、リン酸、硝酸などの求核性の低い酸の存在下で反応をおこなう必要がある。
【0019】
本反応の原料であるシアノベンジルアミン化合物について説明する。無置換のシアノベンジルアミン化合物は、p−シアノベンジルアミン、m−シアノベンジルアミンが好適であり、それぞれテレフタロニトリルおよびイソフタロニトリルの片側ニトリル基の還元反応(特公昭40−10133号公報)で容易に合成できる。
【0020】
次に置換体について説明する。置換基としては特に制限はないが、本発明の反応において不活性であればよく、アルキル基(C1〜C6が好ましい。)、アルコキシ基(C1〜C6が好ましい。)などが挙げられる。その中でも好適な例として、ハロゲンで置換されたシアノベンジルアミン化合物について説明する。4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンジルアミンなどの塩素化シアノベンジルアミン化合物はテレフタロニトリルおよびイソフタロニトリルの塩素化により得られるテトラクロロテレフタロニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル化合物およびテトラクロロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタロニトリル化合物の片側ニトリル基の還元反応で容易かつ大量に合成できる。4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンジルアミンなどのフッ素化シアノベンジルアミン化合物はテトラクロロテレフタロニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル化合物およびテトラクロロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタロニトリル化合物のフッ素化反応で得られるテトラフルオロテレフタロニトリルなどのフッ素テレフタロニトリル化合物およびテトラフルオロイソフタロニトリルなどのフッ素化イソフタロニトリル化合物の片側ニトリル基の還元反応で容易に合成できる。
【0021】
本反応で用いるニトロソニウムイオンについて説明する。
本反応では、ニトロソニウムイオンを発生させる工程に制限はない。ニトロソニウムイオンを別途合成してもよいし、反応系で用事発生させてもよい。
【0022】
比較的安定で組成が知られているニトロソニウムイオンはイオン性の結晶固体のニトロソニウム塩化合物で、NOClO4、NOSO3F、NOHSO4、NOSCN、NOBF4、NOPF4、NOAsF4、NOSbF4、NOFeCl4、NOMoF6などがあり、これらのニトロソニウム塩は直接反応に用いることができる。
本発明で使用するニトロソニウム塩化合物の量は、シアノベンジルアミン化合物に対してモル比で1〜5が好ましい。
ニトロソニウムイオンの発生源として、亜硝酸塩や、窒素酸化物を用いることができる。亜硝酸塩を用いる場合は、酸の存在下で本発明の反応をおこなう。
【0023】
本反応のニトロソニウムイオンの発生源として、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩を用いる方法について説明する。亜硝酸塩の量は、シアノベンジルアミン化合物に対してモル比で1〜10が好ましい。ニトロソニウム塩を発生させるために用いる酸の量は亜硝酸塩に対して少なくとも当モル以上、好適には2倍モル以上用いる。使用される酸としては、無機または有機のプロトン酸である。無機酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素などを用いることができる。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸を用いることができ、溶媒を兼ねることができる酢酸、トリフルオロ酢酸などの低沸点のカルボン酸が好適である。
【0024】
本反応のニトロソニウムイオンの発生源として、窒素酸化物を用いる場合について説明する。本発明でいうところの窒素酸化物とは窒素と酸素のみからなる化合物である。窒素酸化物としては、一酸化窒素、三酸化二窒素、二酸化窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素である。また、一酸化二窒素と二酸化窒素の混合物などのようにこれら窒素酸化物の混合物を用いることができる。また、ナイロン工業においてシクロヘキサンを硝酸で酸化する際に生じる膨大な窒素酸化物の排ガスも本発明では用いることができ、経済的に有利なプロセスを組み立てることができる。窒素酸化物の量は、シアノベンジルアミン化合物に対してモル比で少なくとも1以上必要である。
【0025】
本反応で、ジアゾニウム化合物(IV)の置換反応に用いる求核種について説明する。
シアノベンジルアルコール化合物を合成する際には求核種として水を用いる。この場合、シアノベンジルアミン化合物とニトロソニウム塩との反応により水が副生するので、求核種として、必ずしも水をあらたに加える必要はない。
【0026】
シアノベンジルハライド化合物を合成する際には、求核種としてハロゲンイオン化合物を用いる。ハロゲンイオン化合物として、塩化水素、臭化水素のようなハロゲン化水素、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウム、臭化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などを用いることができる。ハロゲンイオン化合物の量はシアノベンジルアミン化合物に対して少なくとも当モル量以上必要である。また、塩酸水溶液のように溶媒と求核種を兼ねて用いてもよい。
【0027】
シアノベンジルアシルオキシ化合物を合成する際には、求核種としてカルボン酸化合物を用いる。カルボン酸化合物として、酢酸、プロピオン酸などのC1〜C8のアルキル基を有する脂肪族カルボン酸、メタクリル酸などのアルケニル基を有するカルボン酸、安息香酸、トルイル酸などのアリール基を有する芳香族カルボン酸類を用いることができる。カルボン酸化合物の量はシアノベンジルアミン化合物に対して少なくとも当モル量以上必要である。また、酢酸など溶媒と求核種を兼ねることができる脂肪族カルボン酸がとくに好適である。
【0028】
本反応で用いられる溶媒系は、均一溶媒で反応させる場合、極性溶媒が好適であり、水または極性の有機溶媒、および水/極性有機溶媒の混合溶媒などを用いることができる。用いることができる有機溶媒としては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどの極性アミド系、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含イオウ系、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジオンなどのイミダゾリドン系、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライムなどのエーテル系、無水酢酸、無水プロピオン酸などの酸無水物系、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸などの有機カルボン酸系などが用いられる。
【0029】
また、本発明は、水相と有機相の二相系の溶媒系で反応させることもできる。この場合、用いる有機溶媒は、原料であるシアノベンジルアミン化合物及び生成物であるシアノベンジル化合物を溶解する溶媒であればよい。この水相と有機相の二相系の溶媒系を用いる反応方法は、シアノベンジルハライド化合物、シアノベンジルアシルオキシ化合物を得る反応に好ましい。
【0030】
本反応の溶媒量は、シアノベンジルアミン化合物の重量の5〜100倍が好適である。
反応温度は、−30℃〜200℃が好ましく、さらに好ましくは0℃〜130℃である。
本反応の反応時間は、溶媒の組成によるが、10分〜10時間が好適である。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を用いてさらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例に使用する分析方法は下記の方法を用いる。
【0032】
Figure 0004376387
【0033】
実施例1
p−シアノベンジルアミン26.2g、亜硝酸ナトリウム20.8g、ジメチルスルホキシド200mlを混合し室温にて激しく攪拌した。トリフルオロ酢酸45.6gを1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに100℃で1時間反応させた。反応溶液を高速液体クロマトグラフで分析すると、主要な反応生成物のモル比は、p−シアノベンジルアルコール:p−シアノベンズアルデヒド:p−シアノ安息香酸=72:18:10であった。ジメチルスルホキシドを真空下留去し、残査に水300mlを加え、炭酸ナトリウムを加えてpH=8にし、水溶液をトルエンで抽出した(300ml×2回)。トルエンを減圧下留去し、続いて真空下減圧蒸留し、p−シアノベンジルアルコール(bp.175−178℃/1.5kPa)16.2g(p−シアノベンジルアミン基準収率61%)で得た。純度は98%であった。
【0034】
実施例2
m−シアノベンジルアミン13.2g、亜硝酸ナトリウム10.4g、ジメチルホルムアミド100mlを混合し室温にて激しく攪拌した。トリフルオロ酢酸22.8gを1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに100℃で1時間反応させた。以下実施例1と同様の操作で、m−シアノベンジルアルコール(bp.128−130℃/400Pa)を6.9g(m−シアノベンジルアミン基準収率52%)で得た。純度は98%であった。
【0035】
実施例3
p−シアノベンジルアミン13.2g、水54g、トルエン20gを混合し氷冷下攪拌し、濃硫酸14.7gをくわえた。20質量%濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液44.9gを1時間かけて滴下した。4時間同温で攪拌した。以下実施例1と同様の操作で、p−シアノベンジルアルコールを6.8g(p−シアノベンジルアミン基準収率51%)で得た。純度は98%であった。
【0036】
実施例4
p−シアノベンジルアミン13.2g、臭化カリウム23.8g、水18g、塩化メチレン18gを混合し氷冷下攪拌し、濃硫酸29.4gをくわえた。20質量%濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液51.8gを1時間かけて滴下した。4時間同温で攪拌し、チオ硫酸ナトリウムを添加し、室温で1時間攪拌した。ガスクロマトグラフの分析によりp−シアノベンジルブロマイドの収率はp−シアノベンジルアミン基準64%であった。
【0037】
実施例5
m−シアノベンジルアミン13.2g、臭化カリウム23.8g、水18g、塩化メチレン18gを混合し氷冷下攪拌し、濃硫酸29.4gをくわえた。20質量%濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液51.8gを1時間かけて滴下した。4時間同温で攪拌し、チオ硫酸ナトリウムを添加し、室温で1時間攪拌した。ガスクロマトグラフの分析によりm−シアノベンジルブロマイドの収率はm−シアノベンジルアミン基準57%であった。
【0038】
実施例6
p−シアノベンジルアミン13.2g、塩化ナトリウム11.7g、水18g、1,2−ジクロロエタン25gを混合し氷冷下攪拌し、濃硫酸29.4gをくわえた。20質量%濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液51.8gを1時間かけて滴下した。4時間同温で攪拌し、チオ硫酸ナトリウムを添加し、室温で1時間攪拌した。ガスクロマトグラフの分析によりp−シアノベンジルクロライドの収率はp−シアノベンジルアミン基準48%であった。
【0039】
実施例7
p−シアノベンジルアミン13.2g、水18g、塩化メチレン18gを混合し氷冷下攪拌し、酢酸18gを添加した。20質量%濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液51.8gを1時間かけて滴下した。4時間同温で攪拌した。塩化メチレンで抽出後、有機溶媒を濃縮し、さらに水を加えて有機溶媒を留去し、p−シアノベンジルアセテートを14.7g(p−シアノベンジルアミン基準収率84%)で得た。純度は98%であった。
【0040】
実施例8
m−シアノベンジルアミン13.2g、水18g、1,2−ジクロエタン22gを混合し氷冷下攪拌し、酢酸18gを添加した。20質量%濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液51.8gを1時間かけて滴下した。4時間同温で攪拌した。1,2−ジクロロエタンで抽出後、有機溶媒を濃縮し、さらに水を加えて有機溶媒を留去し、m−シアノベンジルアセテートを13.7g(m−シアノベンジルアミン基準収率78%)で得た。純度は97%であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、フタロニトリル化合物から容易に得られるシアノベンジルアミン化合物とニトロソニウム塩から簡便にシアノベンジルアルコール化合物、シアノベンルハライド化合物、シアノベンジルアシルオキシ化合物などのシアノベンジル化合物を収率、純度よく製造することができる。

Claims (6)

  1. p− シアノベンジルアミンまたはm− シアノベンジルアミンのアミノメチル基ヒドロキシメチル基に変換させる反応に、ニトロソニウムイオンを用いることを特徴とするシアノベンジル化合物の製造方法。
  2. p− シアノベンジルアミンまたはm− シアノベンジルアミンのアミノメチル基をハロゲノメチル基に変換させる反応に、ニトロソニウムイオンを用いることを特徴とするシアノベンジル化合物の製造方法。
  3. p− シアノベンジルアミンまたはm− シアノベンジルアミンのアミノメチル基をアシルオキシメチル基に変換させる反応に、ニトロソニウムイオンを用いることを特徴とするシアノベンジル化合物の製造方法。
  4. ニトロソニウムイオンを発生させるため、酸性条件下で亜硝酸塩を用いる請求項1〜3のいずれかに記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
  5. ニトロソニウムイオンを発生させるため、窒素酸化物を用いる請求項1〜3のいずれかに記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
  6. 反応を、極性溶媒の存在下で行わせる請求項1〜5のいずれかに記載のシアノベンジル化合物の製造方法。
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