JPH06256254A - 2−アルキルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法 - Google Patents
2−アルキルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法Info
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- JPH06256254A JPH06256254A JP5061477A JP6147793A JPH06256254A JP H06256254 A JPH06256254 A JP H06256254A JP 5061477 A JP5061477 A JP 5061477A JP 6147793 A JP6147793 A JP 6147793A JP H06256254 A JPH06256254 A JP H06256254A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
(57)【要約】
【目的】 生理活性物質や機能性有機化合物等の合成原
料、或いは光学分割剤として有用な2-アルキルオキシ-
3,3,3-トリフルオロプロピオン酸、特にはその光学
活性体を容易かつ安価に製造する方法を提供すること。 【構成】 下記一般式化1 【化1】 (式中Rは置換基を有することもあるメチル基を示す)
で表される2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-
1-プロパノール、特にはトリフルオロメチル基とアル
キルオキシ基とが結合しているメチン炭素上に不斉中心
を持つ光学活性体を触媒量の銅を添加した硝酸を用いて
酸化することからなる2-アルキルオキシ-3,3,3-ト
リフルオロプロピオン酸、特にはその光学活性体の製造
方法。
料、或いは光学分割剤として有用な2-アルキルオキシ-
3,3,3-トリフルオロプロピオン酸、特にはその光学
活性体を容易かつ安価に製造する方法を提供すること。 【構成】 下記一般式化1 【化1】 (式中Rは置換基を有することもあるメチル基を示す)
で表される2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-
1-プロパノール、特にはトリフルオロメチル基とアル
キルオキシ基とが結合しているメチン炭素上に不斉中心
を持つ光学活性体を触媒量の銅を添加した硝酸を用いて
酸化することからなる2-アルキルオキシ-3,3,3-ト
リフルオロプロピオン酸、特にはその光学活性体の製造
方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬や農薬等の生理活
性物質、液晶や界面活性剤等の機能性有機化合物の原料
化合物、或いは光学分割剤として有用な2-アルキルオ
キシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸、特にはその
光学活性体の製造方法に関する。
性物質、液晶や界面活性剤等の機能性有機化合物の原料
化合物、或いは光学分割剤として有用な2-アルキルオ
キシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸、特にはその
光学活性体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、機能性或いは生理活性を有する
既知化合物の水素をフッ素に置き換えた化合物は、その
フッ素原子の特異的な電子効果により、その機能や生理
活性が強化され、或いは新しい機能や生理活性を獲得す
ることが知られている。そのため既知化合物の原料中間
体の特定の水素原子等をフッ素と置換した構造を持つ含
フッ素ビルディングブロックが多数設計され合成されて
きている〔例えば、「90年代のフッ素系生理活性物
質」石川延男監修 CMC社刊(1991);「Fluorine inBioor
ganic Chemistry」J.T.Welch,S.Eswarakrishnan著, Joh
n Wiley & Sons社刊 (1991)〕。
既知化合物の水素をフッ素に置き換えた化合物は、その
フッ素原子の特異的な電子効果により、その機能や生理
活性が強化され、或いは新しい機能や生理活性を獲得す
ることが知られている。そのため既知化合物の原料中間
体の特定の水素原子等をフッ素と置換した構造を持つ含
フッ素ビルディングブロックが多数設計され合成されて
きている〔例えば、「90年代のフッ素系生理活性物
質」石川延男監修 CMC社刊(1991);「Fluorine inBioor
ganic Chemistry」J.T.Welch,S.Eswarakrishnan著, Joh
n Wiley & Sons社刊 (1991)〕。
【0003】本発明の2-アルキルオキシ-3,3,3-ト
リフルオロプロピオン酸は反応性の高いカルボキシル基
を持つ化合物であり、含フッ素ビルディングブロックと
して広い用途が期待できる。特に、この化合物はトリフ
ルオロメチル基の結合しているメチン炭素が不斉炭素で
あるため、その光学活性体はフッ素原子と光学活性中心
とを同時に導入するためのビルディングブロックとして
の価値が高い。また、この化合物は光学分割剤として広
く用いられているMTPA(α-メトキシ-α-トリフル
オロメチル フェニル酢酸)に類似の構造を持つ化合物
であり、MTPA同様に光学分割剤としての用途も期待
される。
リフルオロプロピオン酸は反応性の高いカルボキシル基
を持つ化合物であり、含フッ素ビルディングブロックと
して広い用途が期待できる。特に、この化合物はトリフ
ルオロメチル基の結合しているメチン炭素が不斉炭素で
あるため、その光学活性体はフッ素原子と光学活性中心
とを同時に導入するためのビルディングブロックとして
の価値が高い。また、この化合物は光学分割剤として広
く用いられているMTPA(α-メトキシ-α-トリフル
オロメチル フェニル酢酸)に類似の構造を持つ化合物
であり、MTPA同様に光学分割剤としての用途も期待
される。
【0004】本発明者は、トリフルオロプロペンオキシ
ドを硫酸触媒を用いて加水分解し、さらに再結晶操作に
より光学純度100%eeの3,3,3-トリフルオロプロ
パン-1,2-ジオールを製造する方法(特願平3-276
42号明細書)、さらに、この光学純度100%eeの3,
3,3-トリフルオロプロパン-1,2-ジオールの2級水
酸基を選択的にアルキル化することにより光学純度10
0%eeの2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-1
-プロパノ-ルを製造する方法(特願平4-298152号
明細書)を開発した。
ドを硫酸触媒を用いて加水分解し、さらに再結晶操作に
より光学純度100%eeの3,3,3-トリフルオロプロ
パン-1,2-ジオールを製造する方法(特願平3-276
42号明細書)、さらに、この光学純度100%eeの3,
3,3-トリフルオロプロパン-1,2-ジオールの2級水
酸基を選択的にアルキル化することにより光学純度10
0%eeの2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-1
-プロパノ-ルを製造する方法(特願平4-298152号
明細書)を開発した。
【0005】一方、この化合物の1級水酸基を酸化する
ことにより目的物である2-アルキルオキシ-3,3,3-
トリフルオロプロピオン酸を製造する方法については未
だ知られておらず、当然ながらこの光学活性体を酸化し
た場合にその光学活性が保持されるか否かについても予
測することも困難であった。
ことにより目的物である2-アルキルオキシ-3,3,3-
トリフルオロプロピオン酸を製造する方法については未
だ知られておらず、当然ながらこの光学活性体を酸化し
た場合にその光学活性が保持されるか否かについても予
測することも困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状に鑑みてなされたもので、本発明の目的は生理活
性物質や機能性有機化合物等の合成原料、或いは光学分
割剤として有用な2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフ
ルオロプロピオン酸、特にはその光学活性体を容易かつ
安価に製造する方法を提供することにある。
な現状に鑑みてなされたもので、本発明の目的は生理活
性物質や機能性有機化合物等の合成原料、或いは光学分
割剤として有用な2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフ
ルオロプロピオン酸、特にはその光学活性体を容易かつ
安価に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式化
2
2
【化2】 で表される2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-
1-プロパノール、特にはトリフルオロメチル基とアル
キルオキシ基とが結合しているメチン炭素上に不斉中心
を持つ光学活性体を触媒量の銅を添加した硝酸を用いて
酸化することからなる2-アルキルオキシ-3,3,3-ト
リフルオロプロピオン酸、特にはその光学活性体の製造
方法である。
1-プロパノール、特にはトリフルオロメチル基とアル
キルオキシ基とが結合しているメチン炭素上に不斉中心
を持つ光学活性体を触媒量の銅を添加した硝酸を用いて
酸化することからなる2-アルキルオキシ-3,3,3-ト
リフルオロプロピオン酸、特にはその光学活性体の製造
方法である。
【0008】上記発明の原料物質である2-アルキルオ
キシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールはトリフ
ルオロプロペンを微生物酸化することにより得られる
(特公昭61-14798号公報参照)3,3,3-トリフル
オロプロペンオキシドを、まず硫酸触媒下に加水分解す
ることにより3,3,3-トリフルオロプロパン-1,2-ジ
オールとし、これの2級水酸基を選択的にアルキル化す
る方法(特願平4-298152号明細書参照)により得
ることができる。上記微生物酸化により得られる3,3,
3-トリフルオロプロペンオキシドは絶対配座S体で光
学純度75%eeの光学活性体であり、これを用いた中間
体の3,3,3-トリフルオロプロパン-1,2-ジオールの
光学純度もトリフルオロプロペンオキシドと同じく75
%eeであるが、再結晶を行なうことによりその光学純度
をほぼ100%eeにまで高めることができる(特願平3-
27642号明細書参照)。この100%eeの3,3,3-
トリフルオロプロパン-1,2-ジオールをアルキル化し
た場合は、ほぼ100%eeの光学純度を持つ2-アルキ
ルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールを得
ることができる。
キシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールはトリフ
ルオロプロペンを微生物酸化することにより得られる
(特公昭61-14798号公報参照)3,3,3-トリフル
オロプロペンオキシドを、まず硫酸触媒下に加水分解す
ることにより3,3,3-トリフルオロプロパン-1,2-ジ
オールとし、これの2級水酸基を選択的にアルキル化す
る方法(特願平4-298152号明細書参照)により得
ることができる。上記微生物酸化により得られる3,3,
3-トリフルオロプロペンオキシドは絶対配座S体で光
学純度75%eeの光学活性体であり、これを用いた中間
体の3,3,3-トリフルオロプロパン-1,2-ジオールの
光学純度もトリフルオロプロペンオキシドと同じく75
%eeであるが、再結晶を行なうことによりその光学純度
をほぼ100%eeにまで高めることができる(特願平3-
27642号明細書参照)。この100%eeの3,3,3-
トリフルオロプロパン-1,2-ジオールをアルキル化し
た場合は、ほぼ100%eeの光学純度を持つ2-アルキ
ルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールを得
ることができる。
【0009】上記一般式化2中のRは置換基を有するこ
ともあるメチル基を示し、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基等の1級のアルキル基一
般、あるいはメトキシエチル基等の含ヘテロ原子1級ア
ルキル基などを例示することができるが、これらに特に
制限されるものではない。ただし、立体的に大きなアル
キル基では原料合成が難しく、特にRが2級アルキル基
の化合物は立体障害が大きくなるのであまり好ましくな
い。
ともあるメチル基を示し、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基等の1級のアルキル基一
般、あるいはメトキシエチル基等の含ヘテロ原子1級ア
ルキル基などを例示することができるが、これらに特に
制限されるものではない。ただし、立体的に大きなアル
キル基では原料合成が難しく、特にRが2級アルキル基
の化合物は立体障害が大きくなるのであまり好ましくな
い。
【0010】本発明のポイントは、原料化合物である2
-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノ
ールの1級水酸基の結合しているメチレン部分の酸化で
ある。この化合物のように、分子内にフッ素原子、特に
トリフルオロメチル基を持つ化合物は、その強い電子吸
引能により酸化反応を受けにくい。このような基質を酸
化するためには、置換基、例えばアルキルスルフィニ
ル基などを導入しメチレン位を活性化する方法〔例え
ば、P.Bravo, M.Frigerio, G.Resnati, J.Org.Chem., 5
5, 4216 (1990).〕、強い酸化剤を用いて強引に酸化
する方法の2つの方法が考えられ、本発明は後者の範疇
に入るものである。
-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノ
ールの1級水酸基の結合しているメチレン部分の酸化で
ある。この化合物のように、分子内にフッ素原子、特に
トリフルオロメチル基を持つ化合物は、その強い電子吸
引能により酸化反応を受けにくい。このような基質を酸
化するためには、置換基、例えばアルキルスルフィニ
ル基などを導入しメチレン位を活性化する方法〔例え
ば、P.Bravo, M.Frigerio, G.Resnati, J.Org.Chem., 5
5, 4216 (1990).〕、強い酸化剤を用いて強引に酸化
する方法の2つの方法が考えられ、本発明は後者の範疇
に入るものである。
【0011】本反応の酸化剤としては、金属触媒存在化
の酸素、クロム酸類、過マンガン酸類、二酸化マンガ
ン、四酢酸鉛、セリックアンモンイウムナイトレート、
次亜塩素酸塩類、硝酸等を用い得ることが予想される
が、廃液処理、反応操作、あるいは生成物の収率等の点
から硝酸に触媒料の銅を添加した酸化剤が最も好ましい
ことが分かった。ここで硝酸に対する銅の添加量は0.
1〜10モル%量を用いえるが、1〜3モル%量が好ま
しい結果を与える。また基質に対する酸化剤の使用量
は、この基質1分子の酸化に4分子の硝酸が消費される
ことを鑑みて4モル当量以上を用いることが必要である
が、実際には5〜10モル当量程度が反応操作の点、反
応後処理点等から好ましい。
の酸素、クロム酸類、過マンガン酸類、二酸化マンガ
ン、四酢酸鉛、セリックアンモンイウムナイトレート、
次亜塩素酸塩類、硝酸等を用い得ることが予想される
が、廃液処理、反応操作、あるいは生成物の収率等の点
から硝酸に触媒料の銅を添加した酸化剤が最も好ましい
ことが分かった。ここで硝酸に対する銅の添加量は0.
1〜10モル%量を用いえるが、1〜3モル%量が好ま
しい結果を与える。また基質に対する酸化剤の使用量
は、この基質1分子の酸化に4分子の硝酸が消費される
ことを鑑みて4モル当量以上を用いることが必要である
が、実際には5〜10モル当量程度が反応操作の点、反
応後処理点等から好ましい。
【0012】本反応に用いる反応溶媒は、硝酸中に含ま
れる水をもって溶媒とすることにより良好な結果を与え
る。また、反応温度は、0℃から溶媒の沸点で反応を行
なうことが可能であるが、この反応が発熱的な酸化反応
でありしかも誘導期間を必要とするラジカル反応である
ことを勘案すると、温和な反応条件、具体的には室温で
反応を進めることが安全上好ましい。
れる水をもって溶媒とすることにより良好な結果を与え
る。また、反応温度は、0℃から溶媒の沸点で反応を行
なうことが可能であるが、この反応が発熱的な酸化反応
でありしかも誘導期間を必要とするラジカル反応である
ことを勘案すると、温和な反応条件、具体的には室温で
反応を進めることが安全上好ましい。
【0013】反応の終了は、通常の分析手段、例えばガ
スクロマトグラフ法、或いはNMR法などに寄り確認す
ることができる。特に硝酸酸化の場合には反応において
副成する二酸化窒素、一酸化窒素などの気体の発生の終
了により反応の終了を確認できる。
スクロマトグラフ法、或いはNMR法などに寄り確認す
ることができる。特に硝酸酸化の場合には反応において
副成する二酸化窒素、一酸化窒素などの気体の発生の終
了により反応の終了を確認できる。
【0014】反応終了後は、シリカゲルを用いたカラム
クロマトグラフ法、あるいは蒸留など通常の方法が用い
て、単離、精製することができる。
クロマトグラフ法、あるいは蒸留など通常の方法が用い
て、単離、精製することができる。
【0015】
【参考例1】光学純度75%eeの3,3,3-トリフルオ
ロプロパン-1,2-ジオール6.5g(50mmol)を50ml
のテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、それを水素化
ナトリウム2.1g(50mmol)をTHF190mlに混合し
たものの中に0℃から室温の温度条件下でゆっくりと滴
下した。その後、この粘稠な反応溶液を一晩の間、室温
で撹拌した。室温でヨウ化メチル10g(70mmol)を5m
lのジエチルエーテルに溶かしたものを滴下し、その
後、油浴温度80℃で8時間加熱した。反応溶液を室温
まで冷却した後に2規定の塩酸水溶液を加え30分撹拌
し、その溶液からエーテルで抽出した後に、エーテル相
をチオ硫酸ナトリウム水溶液、続けて飽和食塩水溶液で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水、乾燥した。
この溶液を常圧蒸留することにより溶媒、未反応のヨウ
化メチルに続き、沸点70〜90℃の留分約4.0gを得
た。この留分は次の理化学的性質を有しており、3,3,
3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノールであること
が確認され、収率は約56%と算出された。
ロプロパン-1,2-ジオール6.5g(50mmol)を50ml
のテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、それを水素化
ナトリウム2.1g(50mmol)をTHF190mlに混合し
たものの中に0℃から室温の温度条件下でゆっくりと滴
下した。その後、この粘稠な反応溶液を一晩の間、室温
で撹拌した。室温でヨウ化メチル10g(70mmol)を5m
lのジエチルエーテルに溶かしたものを滴下し、その
後、油浴温度80℃で8時間加熱した。反応溶液を室温
まで冷却した後に2規定の塩酸水溶液を加え30分撹拌
し、その溶液からエーテルで抽出した後に、エーテル相
をチオ硫酸ナトリウム水溶液、続けて飽和食塩水溶液で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水、乾燥した。
この溶液を常圧蒸留することにより溶媒、未反応のヨウ
化メチルに続き、沸点70〜90℃の留分約4.0gを得
た。この留分は次の理化学的性質を有しており、3,3,
3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノールであること
が確認され、収率は約56%と算出された。
【0016】沸点:95〜100℃/1atm.1 H-NMR(CDCl3)δ:3.2(br,1H)、3.4〜3.9(m,6H)p
pm.13 C-NMR(CDCl3)δ:60.0(s)、60.7(s)、80.2
(q)、124.4(q)ppm. IR(neat):3300cm-1. MS(rel.Int.):51(30)、63(20)、94(100)、95
(15)、113(10).
pm.13 C-NMR(CDCl3)δ:60.0(s)、60.7(s)、80.2
(q)、124.4(q)ppm. IR(neat):3300cm-1. MS(rel.Int.):51(30)、63(20)、94(100)、95
(15)、113(10).
【0017】この化合物を光学分割ガスクロマトグラフ
法によりその光学純度を求めたところ、光学純度75.
4%eeであることが確認された。
法によりその光学純度を求めたところ、光学純度75.
4%eeであることが確認された。
【0018】
【参考例2】光学純度99.5%ee以上の3,3,3-トリ
フルオロプロパン-1,2-ジオール6.5g(50mmol)を
参考例1と同様の反応に供したところ、目的物である
3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノール3.8
g(収率53%)を得た。
フルオロプロパン-1,2-ジオール6.5g(50mmol)を
参考例1と同様の反応に供したところ、目的物である
3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノール3.8
g(収率53%)を得た。
【0019】この化合物を光学分割ガスクロマトグラフ
法によりその光学純度を検討して見たところ、光学純度
約99.5%eeであることが確認された。
法によりその光学純度を検討して見たところ、光学純度
約99.5%eeであることが確認された。
【0020】
【実施例1】銅粉30mgを溶かした濃硝酸(1.38d,
60%)40ml中に、参考例1で得られた光学純度75
%eeの3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノー
ル4.0g(28mmol)を、0℃で滴下した。この反応溶液
を室温で10日間撹拌し反応を行なった後、反応混液に
炭酸ナトリウムを加え液をアルカリ性にし、約30分間
撹拌した。その後、濃塩酸を加えて液を酸性にし、この
水溶液からエーテル抽出を行なった。エーテル相を炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて無水硫酸ナトリ
ウムを用いて乾燥した。得られた溶液から溶媒を除き、
残渣物3.9gを得た。この残渣物は次に示す物性を有し
ており、2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオ
ン酸であることが確認された。収率は89%であった。
60%)40ml中に、参考例1で得られた光学純度75
%eeの3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノー
ル4.0g(28mmol)を、0℃で滴下した。この反応溶液
を室温で10日間撹拌し反応を行なった後、反応混液に
炭酸ナトリウムを加え液をアルカリ性にし、約30分間
撹拌した。その後、濃塩酸を加えて液を酸性にし、この
水溶液からエーテル抽出を行なった。エーテル相を炭酸
水素ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて無水硫酸ナトリ
ウムを用いて乾燥した。得られた溶液から溶媒を除き、
残渣物3.9gを得た。この残渣物は次に示す物性を有し
ており、2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオ
ン酸であることが確認された。収率は89%であった。
【0021】沸点:70〜80℃/100mmHg.1 H-NMR(CDCl3)δ:3.62(s,3H)、4.19(q,1H)、6.
51(br,1H) ppm. IR(neat):3450、1730cm-1. MS(rel.Int.):51(45)、63(65)、79(20)、94(3
0)、108(15)、113(100)、128(65).
51(br,1H) ppm. IR(neat):3450、1730cm-1. MS(rel.Int.):51(45)、63(65)、79(20)、94(3
0)、108(15)、113(100)、128(65).
【0022】この化合物をエーテル溶媒中、ジアゾメタ
ンと反応させることにより、次のような分光学的性質を
持つ2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸
メチルエステルへと変換した。
ンと反応させることにより、次のような分光学的性質を
持つ2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸
メチルエステルへと変換した。
【0023】1H-NMR(CDCl3)δ:3.59(s,3H)、3.8
7(s,3H)、4.19(q,1H)ppm. IR(neat):1750cm-1. MS(rel.Int.):59(65)、63(60)、94(35)、113
(100)、142(70)、173(Tr).
7(s,3H)、4.19(q,1H)ppm. IR(neat):1750cm-1. MS(rel.Int.):59(65)、63(60)、94(35)、113
(100)、142(70)、173(Tr).
【0024】光学分割ガスクロマトグラフ法によりこの
メチルエステル体の光学純度を検討してところ、光学純
度約75%eeであることが確認された。
メチルエステル体の光学純度を検討してところ、光学純
度約75%eeであることが確認された。
【0025】
【実施例2】参考例2で合成した光学純度99.5%ee
の3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノール3.
8g(26mmol)を実施例1と同様の反応に供したとこ
ろ、2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン
酸、約3.8g(24mmol)を収率90%で得た。
の3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシプロパノール3.
8g(26mmol)を実施例1と同様の反応に供したとこ
ろ、2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロプロピオン
酸、約3.8g(24mmol)を収率90%で得た。
【0026】実施例1と同様にこの化合物をジアゾメタ
ンでメチルエステル化した後に光学分割ガスクロマトグ
ラフ法によりその光学純度を検討して見たところ、光学
純度は原料と同様に99.5%ee以上であることが確認
された。
ンでメチルエステル化した後に光学分割ガスクロマトグ
ラフ法によりその光学純度を検討して見たところ、光学
純度は原料と同様に99.5%ee以上であることが確認
された。
【0027】
【発明の効果】本発明は、産業上有用な含フッ素化合物
を合成するための原料、あるいは光学分割剤として有用
である光学活性な2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロ
プロピオン酸、特にはその光学活性体を簡便かつ安価に
製造できるという効果を奏する。従って、本発明により
従来入手困難であった2-メトキシ-3,3,3-トリフル
オロプロピオン酸、特にはその光学活性体を容易に入手
することができるようになり、この化合物を原料とする
従来合成が困難であったより含フッ素有機化合物の製造
が可能になり、またこの試薬を用いた新規光学分割法が
可能になるという格別の効果も有する。
を合成するための原料、あるいは光学分割剤として有用
である光学活性な2-メトキシ-3,3,3-トリフルオロ
プロピオン酸、特にはその光学活性体を簡便かつ安価に
製造できるという効果を奏する。従って、本発明により
従来入手困難であった2-メトキシ-3,3,3-トリフル
オロプロピオン酸、特にはその光学活性体を容易に入手
することができるようになり、この化合物を原料とする
従来合成が困難であったより含フッ素有機化合物の製造
が可能になり、またこの試薬を用いた新規光学分割法が
可能になるという格別の効果も有する。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式化1 【化1】 (式中Rは置換基を有することもあるメチル基を示す)
で表される2-アルキルオキシ-3,3,3-トリフルオロ-
1-プロパノールを触媒量の銅を添加した硝酸を用いて
酸化することを特徴とする2-アルキルオキシ-3,3,3
-トリフルオロプロピオン酸の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の2-アルキルオキシ-
3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールとしてトリフ
ルオロメチル基とアルキルオキシ基とが結合しているメ
チン炭素上に不斉中心を持つ光学活性な2-アルキルオ
キシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノールを用いる
ことを特徴とする光学活性な2-アルキルオキシ-3,3,
3-トリフルオロプロピオン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5061477A JPH06256254A (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 2−アルキルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5061477A JPH06256254A (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 2−アルキルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256254A true JPH06256254A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=13172192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5061477A Pending JPH06256254A (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 2−アルキルオキシ−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06256254A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999062859A1 (fr) * | 1998-06-03 | 1999-12-09 | Daikin Industries, Ltd. | Procede de production d'acide fluoroalkylcaboxylique |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP5061477A patent/JPH06256254A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999062859A1 (fr) * | 1998-06-03 | 1999-12-09 | Daikin Industries, Ltd. | Procede de production d'acide fluoroalkylcaboxylique |
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