JP4374667B2 - エレベーターの群管理制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数台のエレベーターを一群として管理制御するエレベーターの群管理制御システムに関するものであり、特に、アップピーク時やダウンピーク時に効率的な輸送を可能とする群管理制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大規模なオフィスビルなどにおいては、出勤時や退勤時等に、ビル内の居住者が集中的に移動することによりエレベーターが混雑する。一般に出勤時には、主階床(通常1階)から上方への移動がピークとなってアップピークが、また、退勤時には、中間階から主階床への移動が集中してダウンピークが発生する。そのため、従来からエレベーターの管理システムでは、このような混雑時において、混雑階に対する呼び戻しや戸開待機など、通常運転時とは異なる特殊な制御動作を行うことにより、乗客を効率的に運搬するよう図られている。
【0003】
例えば、特開昭63−218484号公報には、アップピーク時の混雑を緩和するため、主階床に行先階を登録する行先階コール登録装置とかごのサービス階床を表示する表示器装置を設置し、同一行先階の乗客を同一のかごに誘導するとともに、各かごに割り当てられる行先階の最大値をサービス階床数/かご台数に設定し、この最大値の範囲内で、かごの優先順位に従って順次行先階を割り当てる割り当て装置が提案されている。
【0004】
また、例えば、ダウンピーク時については、特開平9−194151号公報に、ダウンピーク時において、各かごに割り当てられている乗り場呼びの数を検出し、割り当てられた乗り場呼びの数が規定値以上のかごを割り当て制限かごとし、この割り当て制限かご以外のかごについて、到着予測時間を演算・評価し、最も早く到着できそうなかごを選定する装置が開示されている。
【0005】
さらに、他の従来装置として、特公平1−24711号公報には、ダウンピーク時に、各かごに割り当てられる乗り場呼び(乗客の乗り込みのための停止階)の数を制限するとともに、乗り込み率に応じて乗り場呼びの数の上限値を変更することにより、運搬効率を向上させる装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のエレベーターの群管理システムにおいては、それぞれ、以下に示すような問題点があった。すなわち、特開昭63−218484号公報に開示された装置においては、各かごに割り当てられる行先階の最大値がサービス階床数/かご台数に固定されているため、例えば、交通状況(エレベーター利用者の混雑状況)が緩和しても上記の最大値以上の行先階を各かごに割り当てることができず、この結果、混雑状況の変動に追従した最適な制御ができず、運転効率が低下することがあった。
【0007】
また、特開平9−194151号公報に開示された装置においては、割り当て制限かご以外のかごについて、到着予測時間を演算・評価し、最も早く到着できそうなかごを選定しているが、かごを選定する際の評価値が乗り場に到着するまでの予測時間のみであるため、選定したかごが満員となって通過し、下方の階の乗客がサービスが受けられなくなるといった問題点があった。
【0008】
また、特公平1−24711号公報に開示された装置では、平均乗り込み人数に基いて、各かごに割り当てることが可能な乗り場呼びの数の制限値を変更することにより輸送能力の向上を図っているが、乗り場呼びが発生した順序で機械的に各かごに停止階を割り当てるよう構成しているため、利用者の交通流のランダム性が強く、各階に発生する乗り場呼びの発生順序に規則性がないエレベーターの場合には、例えば、あるかごが乗り場呼び数の制限値までの呼びにすでに応答した後、近くに新たな呼びが発生したとしても応答することができず、かえって輸送効率の低下を招くといった問題点があった。
【0009】
また、上記の従来の装置では、いずれも、アップピーク時またはダウンピーク時のいずれか一方のみに対応するよう構成されているため、アップピーク時とダウンピーク時の両方に対応するためには、これらの制御を組み合せる必要があり、システム構成が複雑になるとともに、コスト低減も困難といった問題点があった。
【0010】
この発明は、従来装置の上記のような問題点を解消するためになされたもので、この発明の第1の目的は、アップピーク時やダウンピーク時において、より輸送効率の高い運行制御が行えるとともに、混雑による満員や長待ちなどの発生が少ないエレベーターの群管理制御システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、この発明の第2の目的は、ビル内のエレベータ利用者の交通流や混雑度の変動に柔軟かつ迅速に対応でき、輸送効率の高い運行制御が可能なエレベーターの群管理制御システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明の第3の目的は、アップピーク時やダウンピーク時あるいは通常運転時で処理をできるだけ共通化することにより、システムの簡素化が可能なエレベーターの群管理制御システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、上記の目的を達成するために、複数台のかごを一群として制御するエレベーターの群管理制御システムにおいて、各かごに割り当てられる呼び数制限値と長待ち制限値および満員制限値を設定する制限値設定手段と、新規の呼びが登録された時点で、各かごに割り当てられている未応答の呼びの数を検出し、前記未応答の呼び数が前記制限値設定手段によって設定された呼び数制限値以下となる呼び数制限候補かごを選定する呼び数候補かご選定手段と、各かごの運行状況を予測し、前記制限値設定手段によって設定された長待ち制限値と満員制限値を満たす長待ち満員制限候補かごを選定する長待ち満員候補かご選定手段と、前記呼び数制限候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定する割り当てかご決定手段とを備えたものである。
【0014】
また、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、前記呼び数候補かご選定手段が、各かごに割り当てられている乗り場呼びと行先呼びの合計数に基いて呼び数制限候補かごを選定するものである。
【0015】
また、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、前記呼び数候補かご選定手段が、各かごに割り当てられているDOWN呼びの数に基いて呼び数制限候補かごを選定するものである。
【0016】
さらに、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、アップピーク時とダウンピーク時で、前記未応答呼び数の算出に異なる算式を用いるものである。
【0017】
また、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、前記割り当てかご決定手段が評価値演算手段によって算出された評価値に基いて前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成したものである。
【0018】
また、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、前記呼び数制限候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごが存在しない場合に、前記制限値設定手段により設定された呼び数制限値、長待ち制限値または満員制限値のうち少なくともひとつの制限値を修正する制限条件緩和手段を設けたものである。
【0019】
さらに、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、ビル内の交通流を判別する交通流判別手段を設け、前記制限値設定手段が、呼び数制限値、長待ち制限値または満員制限値のうち少なくともひとつの初期値を、前記交通流判別手段での判別結果に基いて設定するよう構成したものである。
【0020】
また、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、主階床からの行先呼びに応答するかごと、中間階からの乗り場呼びに応答するかごとを分離し、中間階呼び候補かごを選定する呼び分離手段を設け、前記割り当てかご決定手段が前記中間階呼び候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成したものである。
【0021】
また、この発明に係るエレベーターの群管理制御システムは、UP呼びに応答するかごと、DOWN呼びに応答するかごとを分離し、UP呼び候補かごを選定する呼び分離手段を設け、前記割り当てかご決定手段が前記UP呼び候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるエレベーターの群管理制御システムの全体構成を表すブロック図であり、また、図2はこの群管理制御システムを構成する乗り場に設置される行先呼び登録・サービス号機表示装置の構成図である。
【0023】
図1において、1は複数台のかごの運行を効率的に管理制御するための群管理制御装置、2は群管理制御装置1により統括管理されながら、それぞれ各かごの運転を制御する各台制御装置、3は主階床(以下、主階床は1Fと仮定する)の各かごの乗り場に設置され主階床からの乗り場呼び(乗り込みのための呼び)と行先呼び(降車する階の設定)を登録する行先呼び登録・サービス号機表示装置、4は中間階の各かごの乗り場に設置され、乗り場呼びと行先方向を登録するUP/DOWNボタン式の乗り場呼びボタンであり、行先呼び登録・サービス号機表示装置3は、図2に示すように、乗客が行先を登録するための行先階ボタン3Aと登録された行先階に対する割り当て号機(かご)を表示するサービス号機表示パネル3Bから構成され、この図2の例では、A号機が2階に、B号機が4階に、C号機が7階に割り当てられた場合について例示している。
【0024】
なお、以下では行先呼び登録・サービス号機表示装置3を主階床のみに設置した場合について説明するが、主階床の他、混雑階に設置してもよく、さらには、中間階や全階床に設置しても差し支えない。また、図1では、各かご毎に行先呼び登録・サービス号機表示装置3を設置した例を示したが、1台の行先呼び登録・サービス号機表示装置3を複数のかごで共用するよう構成してもよい。
【0025】
以下、図1により、この実施の形態1の群管理制御装置1の構成について詳細に説明する。図1において、1Aは各かごに割り当てられる呼び数制限値、長待ち制限値、満員制限値などの各種制限値を設定する制限値設定手段、1Bは各台制御装置2との通信を行う通信手段、1Cは各かごの各階への到着予測時間や各階でのかご内予測負荷(乗車率)など、エレベーターの運行状況から各種の予測演算を行う予測演算手段、1Dは各かごに割り当てられている未応答の乗り場呼びと行先呼びの合計数を検出する未応答呼び数検出手段、1Eは制限値設定手段1Aによって設定された呼び数制限値と未応答呼び数検出手段1Dの検出結果に基づいて新規呼びに対する呼び数制限候補かごを選定する呼び数制限手段、1Fは制限値設定手段1Aにより設定された長待ち制限値および満員制限値と予測演算手段1Cの予測演算結果に基いて新規呼びに対する長待ち満員候補かごを選定する長待ち満員制限手段、1Gは長待ち満員制限手段1Fと呼び数制限手段1Eの選定結果から最終的な新規呼びに対する割り当て候補かごを選定する候補かご選定手段、1Hは制限値設定手段1Aにより設定された制限値を満たす割り当て候補かごがない場合に制限値を緩和する制限条件緩和手段、1Jは予測演算手段1Cによって予測された到着予測時間やかご内予測負荷から、待ち時間評価などの各種評価項目の演算を行う評価値演算手段、1Kは候補かご選定手段1Gによって選定された割り当て候補かごと評価値演算手段1Jによる演算結果から新規呼びに対する最適な割り当てかごを決定し、割り当て指令を出力する割り当てかご決定手段、1Lは割り当てかご決定手段1Kからの割り当て指令に基づきエレベーター全般の運転を制御する運転制御手段である。
【0026】
なお、この実施の形態1では、群管理制御装置1を構成する上記の1A〜1Lの各手段は、全てマイクロコンピューター上のソフトウェアによって構成されている。
【0027】
次に、この実施の形態1の動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3において、この群管理制御システムが起動されると、まず、ステップS101で、制限値設定手段1Aが、各かごに割り当てられる呼び数の制限値(上限値)、長待ち時間の制限値、満員制限値などの初期値の設定を行う。ここで、呼び数の制限は、混雑階(通常主階床)からの行先呼びや混雑階への乗り場呼びに対し、各かごに割り当てられる呼び数を制限することにより、各かごの周回時間(Round Trip Time:所定の階を出発し、その階に戻るまでの1周の時間。以下、RTTと表記する)を早め、混雑階に対するサービスを高めるものであり、この実施の形態1では、下式(1)を用いて設定している。
呼び数制限値=F/NI (1)
F :中間階の階床数
NI:制限パラメーター(1≦NI≦かご台数)
【0028】
なお、一般に、オフィスビルでは早朝や夜間の閑散状態から出勤時や退勤時の最大ピーク時まで比較的短時間(通常1時間程度)の間に交通量が大きく変動するため、この時間帯を閑散時からピーク時までいくつかのパターンに分け、交通流が少ない閑散時にはかごが全中間階への行先呼びに応答可能な通常運転(NI=1)を、また混雑度が強まるアップピーク時間帯やダウンピーク時間帯にはピークの度合いによってNIを最大かご台数まで徐々に増加させ、各かごに割り当てられる呼び数を減少させていけばよい。すなわち、出勤時や退勤時などのように、混雑する時間帯とその混雑度が予め予測される場合は、この混雑度に応じたNIの値をマイコン内に予め記憶させておき、マイコンのタイマー機能と連動させて時間帯毎にNIを変更するように構成しておけばよい。
【0029】
また、長待ち制限値と満員制限値は、待ち時間およびかご内負荷(乗車率)の上限値を設定するもので、この実施の形態1では、以下のように設定されている。
長待ち制限値:
第1制限=60秒、第2制限=90秒、…(以下30秒きざみ)
満員制限値:
第1制限=かご内負荷50%、第2制限=60%、…(以下10%きざみ)
【0030】
ここで、制限値を第1制限、第2制限のように複数設定するのは、交通流によってはこれらの制限値を満たすかごが1台もなくなる場合に備え、制限値を緩和していくためのものであり、その詳細は後に説明する。また、上記ステップS101の制限値の設定は、1分〜5分毎の頻度で定期的に再設定され、後で説明する制限値の緩和と連動して、交通流の変化に対応して、常に最適な制限値が設定されるよう構成されている。
【0031】
ステップS101で各種制限値が設定されると、以後、新規の呼び(行先呼びおよび乗り場呼びを総称)が発生する毎に、以下のようにして最適なかごが割り当てられる。すなわち、まず、ステップS102で、行先呼び登録・サービス号機表示装置3および乗り場呼びボタン4からの新規の乗場呼びまたは主階床からの行先呼びの発生が検知されると、ステップS103で予測演算手段1Cが、各かごをこの新規呼びに割り当てた場合と割り当てない場合について、各かごの各階への到着予測時間と、それから計算される各未応答呼びに対する予測待ち時間、および各階でのかご内の予測負荷とそれから計算される満員確率を予測演算する。
【0032】
ステップS103で予測演算が完了すると、次にステップS104に移行し、未応答呼び数検出手段1Dがこれまでに各かごに登録されている未応答の呼び数を各かご毎に算出する。なお、この実施の形態1では、未応答呼び数を、新規呼びが発生した時点での新規呼びを含めて未応答である乗り場呼びおよび行先呼びの合計の数で算出しており、各かごの一周あたりに割り当てられた呼び数とは異なるものである。また、乗り場呼びと行先呼びが一致する場合は一つの呼びとみなしている。たとえば、1号機のかごにすでに、
行先呼び(主階床は1F):1F→3F、1F→5F、1F→8F
中間階乗り場呼び:7F(DOWN)
が割り当てられており、新規呼びが5F(UP)の乗り場呼びである場合は、未応答呼び数は、
行先呼び3個(3F、5F、8F)
+中間階乗り場呼び2個(5F、7F)×2
−乗り場呼びと行先呼びの一致分1個(5F)
=6個
と計算する。ここで、中間階乗り場呼びの個数を2倍としているのは、その乗り場呼びによって発生する行先呼びの数(乗り場呼びで停止した場合、その階で待っていた乗客がかごに乗り込み、新たに行先呼びを平均的に1つ登録すると仮定する)を考慮したものである。
【0033】
こうして、ステップS104で未応答呼び数が算出されると、ステップS105では、呼び数制限手段1Eが、ステップS104で算出された各かごの未応答呼び数とステップS101で設定された呼び数制限値とを比較し、呼び数制限値以下の未応答呼び数を有するかごを呼び数制限候補かごとして選定する。
【0034】
次に、ステップS106では、長待ち満員制限手段1Fが、ステップS103で計算された各かごの各未応答呼びに対する予測待ち時間と満員確率に関する予測演算結果とステップS101で設定された長待ち制限値および満員制限値の第1制限とを比較し、この制限値を越えないかごを選定し、長待ち満員制限候補かごとする。
【0035】
ステップS106で長待ち満員制限候補かごが選定されると、ステップS107では、候補かご選定手段1Gが、ステップS106の呼び数に基いて選定された呼び数制限候補かごと、ステップS106により選定された長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごをこの新規呼びに対する最終的な割り当て候補かごとして選定する。
【0036】
そして、ステップS108では、ステップS107で選定された候補かごが存在するかどうかの判定が行われ、候補かごがある場合は、ステップS109に移行して、評価値演算手段1Jが、上記のステップで選定された最終的な割り当て候補かごに対して、いわゆる、待ち時間(乗り場呼びに対して、かごが応答するまでの時間の総和)評価や乗車時間評価、予報はずれ(乗り場呼びに対して最初に割り当てたかご以外のかごが応答する確率)評価などの周知の評価値演算を行なった後、ステップS110で、割り当てかご決定手段1KがステップS109で計算された各種評価値を総合的に評価し、最良となるかごを割り当てかごとして決定し、さらに、この割り当てかごの情報を運転制御手段1Lに伝達する。なお、運転制御手段1Lはこの割り当てかごの情報に基いてかごを割り当てるとともに、各かごの運転制御を行う。
【0037】
一方、ステップS108において、制限値設定手段1Aで設定された制限値を満たす候補かごが存在しなかった場合、この実施の形態1では、ステップS111の制限値の緩和処理に移行し、以下の手順で制限条件緩和手段1Hが制限値設定手段1Aで初期設定された制限値を緩和した後、ステップS105に移行する。
【0038】
以下では、このステップS111の制限条件の緩和の手順について、図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。上記ステップS108で制限値設定手段1Aで設定された制限値を満たす候補かごが存在しない場合、図4のステップS112に移行し、まず、未応答呼び数検出手段1Dによって各かごに割り当てられている未応答呼び数の最大値が検出される。そして、ステップS113で、現在設定されている呼び数の制限値を、例えば、1だけ増加させた数を新しい呼び数の制限値として設定し、ステップS114でこの新しい呼び数の制限値が上記の各かごに割り当てられている未応答呼び数の最大値と比較され、この最大値以下の場合は、ステップS105に戻って、以下ステップS105〜ステップS108までのステップを繰り返す。こうして、ステップS108で割り当て候補かごが選定されるまで、順次呼び数制限値を増加させていき、ステップS105〜ステップS108までの手順を繰り返す。
【0039】
一方、このように、呼び数制限値を増加しても、割り当て候補かごが選定できない場合は、最終的に、ステップS114からステップS115に移行することとなり、この場合、ステップS115では、いったん呼び数制限値をステップS101で設定した初期値に戻した上で、ステップS116で長待ちと満員制限値を第2制限値に設定し、上記のステップS105に移行してステップS105〜ステップS108の手順を繰り返す。そして、それでも割り当て候補かごが選定されない場合は、同様にステップS116で長待ちと満員制限を第3制限→第4制限→へと順に制限値を緩和していき、割り当て候補かごが選定されるまでこの手順を繰り返す。
【0040】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、呼び数制限手段1Eと長待ち満員制限手段1Fが、制限値設定手段1Aによって設定された呼び数制限値と長待ち制限値および満員制限値を満足する候補かごを選定し、割り当てかご決定手段1Kがこれらの候補かごの中から新規呼びに対応するかごを選択して割り当てるよう構成したため、各かごの周回時間が速くなって輸送量や運搬効率が向上するとともに、長待ちや満員によるサービスの低下を防止できる効果がある。
【0041】
また、割り当てかご決定手段1Kがこれらの候補かごの中から評価値演算手段1Jでの評価結果に基いて最適なかごを選択して新規呼びに割り当てるよう構成したため、種々の評価値を評価し、最適なかごを割り当てることができ、利用者に対するサービスが一層向上する効果がある。
【0042】
また、呼び数制限値、長待ち制限値および満員制限値を満足するかごが存在しない場合に、これらの制限値を緩和する制限条件緩和手段1Hを設けたため、かごを確実に割り当てることができるとともに、交通流に応じて柔軟にかごの呼び数制限値を変更することができ、運搬効率が向上する効果がある。
【0043】
また、制限値設定手段1Aによって設定される呼び数制限値、長待ち制限値および満員制限値を一定時間毎に再設定するよう構成したため、閑散時からピーク時まで交通流に応じてかごを割り当てることができ、運搬効率が向上する効果がある。
【0044】
さらに、未応答呼び数の算出方法として、行き先呼びと乗り場呼びの合計の数を算出するよう構成しているため、アップピーク時およびダウンピーク時で全く同じアルゴリズムで処理することができ、アップピーク時とダウンピーク時で2つ以上の制御アルゴリズムを併用する場合に比べてシステムや処理プログラムが簡素化される効果がある。
【0045】
また、未応答呼び数の算出において、乗り場呼びと行先呼びが一致する場合は一つの呼びとみなすとともに、中間階乗り場呼びによって発生する行先呼びの数を考慮しているため、呼び数の算定がより精密になり、かごの選定がより適正になる効果がある。
【0046】
なお、上記実施の形態1では、ステップS107において、ステップS105で選定された呼び数制限候補かごとステップS106で選定された長待ち満員制限候補かごの両方に含まれる候補かごを抽出し、割り当て候補かごを選定するよう構成した例を示したが、ステップS105で選定された呼び数制限候補かごの中から長待ち制限値および満員制限値を満足するかごを直接抽出することにより、割り当て候補かごを選定するよう構成してもよく、さらに、ステップS103の予測演算はステップS106の長待ち満員制限候補かごの選定以前であれば、図3に示した位置でなくともよい。
【0047】
また、上記実施の形態1では、未応答呼び数の算出方法を、アップピーク時とダウンピーク時で同一とした例を示したが、アップピーク時とダウンピーク時で算出方法を変えてもよく、例えば、ダウンピーク時において、呼び数制限値および未応答呼び数をDOWN呼び(乗り場呼びボタン4により、下方階への移動が登録された乗り場呼び)の数から算出するよう構成すれば、ダウンピーク時においては、中間階での乗り場呼びによって発生する行先呼びがほぼ主階床行きとなり、途中降車が少ないため、個数を2倍とした場合よりも、未応答呼び数の算出が正確になり、各ピークの特性に応じた呼び数制限値および未応答呼び数に基いて呼び数制限候補かごを選定することができるため、割り当て候補かごの選定が一層精密になる効果がある。
【0048】
また、この実施の形態1では、行先呼び登録・サービス号機表示装置3として、乗客が行先を登録するための行先階ボタン3Aと登録された行先階に対する割り当て号機(かご)を表示するサービス号機表示パネル3Bから構成した例を示したが、登録された行先階に対する割り当て号機(かご)を表示するサービス号機表示パネル3Bは、行先階を乗客に知らせ、同一階への乗客を同一かごに誘導することによって一層の運搬効率の向上を図るものであり、上記のような制御を行なうためには、乗客が行先を登録するための行先階ボタン3Aのみがあれば良い。
【0049】
さらに、上記実施の形態1では、アップピーク時およびダウンピーク時の両方において、NIの値を変更し、ピーク時の処理を行なうよう構成した例を示したが、アップピーク時およびダウンピーク時のどちらか一方のみでこの処理を行なうよう構成してもよいことはもちろんである。
【0050】
実施の形態2.
図5には、この発明の実施の形態2である群管理制御システムの構成を表すブロック図を示す。図5に示すように、この実施の形態2は、特徴的な構成要素としてビル内に発生している交通流を判別する交通流判別手段1Mと、呼び分離を行なう場合に、呼び分離用の割り当て候補かごの選定を行う呼び分離手段1Nを備えており、この交通流判別手段1Mおよび呼び分離手段1N以外の構成要素は図1に示した実施の形態1と全く同様であるため、図中、図1と同一または相当部分は同一記号を付し、説明を省略する。なお、この実施の形態2においても、群管理制御装置1を構成する上記の1A〜1Nの各手段は、全てマイクロコンピューター上のソフトウェアによって構成されている。
【0051】
以下、この実施の形態2の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6において、この群管理制御システムが起動されると、まず、ステップS201で、交通流判別手段1Mが、行先呼び登録・サービス号機表示装置3や乗り場呼びボタン4によって各台制御装置2および通信手段1Bを介して登録された行先呼びおよび乗り場呼びの状況から、ビル内の各エレベーター乗り場での交通流を把握するとともに、アップピークやダウンピークの発生が検知される。
【0052】
なお、交通流を検出する方法としては、上記した行先呼び登録・サービス号機表示装置3や乗り場呼びボタン4による呼び登録の状況を検出する他、エレベーター乗り場に超音波センサ等の人感センサやTVカメラを設置し、画像処理等によりエレベーター乗り場の混雑度等を検出してもよい。また、交通流を判別する具体的な方法としては、例えば、乗車人数の総数や主階床の混雑度を用いた方法、あるいはニューラルネット技術を用いてパターン判別を行う方法等が従来から知られている。
【0053】
こうして、ステップS201で、交通流が検知されると、ステップS202に移行し、交通流判別手段1Mによって検出された交通流に基いて、制限値設定手段1Aが、各かごに割り当てられる呼び数の制限値、長待ち時間の制限値、満員制限値などの初期値を設定し、さらに、呼び分離の要否の決定を行う。
【0054】
ここで、この実施の形態2においては、アップピーク時とダウンピーク時とで呼び数制限値の初期値の算出式を変えており、交通流判別手段1Mによってアップピークが検出された場合は、実施の形態1と同様に
呼び数制限値=F/NI (2)
F :中間階の階床数
NI:制限パラメーター(1≦NI≦かご台数)
また、ダウンピーク時は、
呼び数制限値=F/N (3)
F:中間階の階床数
N:かご台数
により設定している。
【0055】
なお、上記以外のダウンピーク時の呼び数の制限値の算出方法として、例えば、特公平1−24711号公報に開示された
呼び数制限値=√((F/N*(F*H/V+t+L))/(H/2V+t))
H:階高
V:かご速度
t:1停止損失時間
L:1階降車人数
等を用いてもよい。
【0056】
また、長待ち制限値と満員制限値は、実施の形態1と同様に
長待ち制限値:
第1制限=60秒、第2制限=90秒、…(以下30秒きざみ)
満員制限値:
第1制限=かご内負荷50%、第2制限=60%、…(以下10%きざみ)により設定される。
【0057】
また、呼び分離は、ピークがさらに強くなった場合に周回時間(RTT)を一層早めるために、アップピーク時においては、中間階からの呼びに応答するかごと主階床からの行先呼びに応答するかごを、また、ダウンピーク時においては、アップ呼びに応答するかごとダウン呼びに応答するかごとを分離(分担)するものであり、この実施の形態2では、交通流判別手段1Mによって検出された交通流に基いて、閑散時または弱ピーク時には呼び分離を行わないよう設定されている。
【0058】
以上のように、この実施の形態2では、交通流判別手段1Mがアップピークやダウンピークを判別するとともに、この交通流判別手段1Mによって検出された交通流に応じて、制限値設定手段1Aが各かごに割り当てられる呼び数制限値、長待ち時間制限値および満員制限値の初期設定値を変更するよう構成されており、上記ステップS101の交通流の判別とステップS102の制限値の設定は、5分毎に定期的に判別・再設定が行われ、交通流の変化に対応して、常に最適な制御が選択・実行される。
【0059】
ステップS202で各種の制限値が設定されると、以後、新規の呼び(行先呼びおよび乗り場呼び)が発生する毎に、以下のようにして最適なかごが割り当てられる。すなわち、まず、ステップS203で、行先呼び登録・サービス号機表示装置3や乗り場呼びボタン4からの新規の乗場呼びまたは主階床からの行先呼びの発生が検知されると、ステップS204で予測演算手段1Cが、各かごをこの新規呼びに割り当てた場合と割り当てない場合について、各かごの各階への到着予測時間と、それから計算される各未応答呼びに対する予測待ち時間、および各階でのかご内の予測負荷とそれから計算される満員確率を予測演算する。
【0060】
次に、ステップS204で予測演算が完了すると、ステップS205に移行し、ステップS202で呼び分離が設定されているか否か、また、アップピーク処理であるか、ダウンピーク処理であるかが判定され、呼び分離が設定されていない場合はステップS206に、呼び分離が設定されアップピーク処理を行なう場合はステップS207に、また、呼び分離が設定されダウンピーク処理を行なう場合はステップS208に分岐する。
【0061】
以下、呼び分離が設定されていない場合について説明する。ステップS202で呼び分離が設定されていない場合、ステップS205からステップS206に分岐し、未応答呼び数検出手段1Dがこれまでに各かごに登録されている未応答の呼び数を各かご毎に算出する。なお、この実施の形態2では、未応答呼び数の算出式をアップピーク時とダウンピーク時で変えており、アップピーク時は実施の形態1と同様に新規呼びが発生した時点での新規呼びを含めて未応答である乗り場呼びおよび行先呼びの合計の数で、また、ダウンピーク時は、新規呼びが発生した時点での新規呼びを含めて未応答であるDOWN呼びの数から算出している。例えば、ダウンピーク時に、あるかごに15F、14F、13F(いずれもDOWN方向)の呼びが割り当てられ、15Fの呼びに応答した後の当該かごの未応答呼び数は2個となる。
【0062】
こうして、ステップS206で未応答呼び数が算出されると、ステップS209では、呼び数制限手段1Eが、ステップS206で算出された各かごの未応答呼び数とステップS202で設定された呼び数制限値とを比較し、呼び数制限値以下の未応答呼び数を有するかごを呼び数制限候補かごとして選定する。
【0063】
一方、ステップS205において、呼び分離が設定されアップピーク処理を行なう場合はステップS207に分岐し、ステップS207で主階床からの行先呼びである場合は上記のステップ206に移行し、それ以外の場合はステップS210に移行して、呼び分離手段1Nが中間階からの呼びに応答するかごを分離し、中間階呼び用の割り当て候補かごの選定を行なう。なお、中間階呼び候補かごの選定は、主階床行先呼びが割り当てられておらず、かつ、新規呼びが背後呼びとならないかごを、中間階呼び候補かごとすることによって行われる。ここで、背後呼びとは当該かごが新規呼びと同方向に走行中で、新規呼びが進行方向の後方に発生している場合、あるいは、この先で方向反転が予定されている場合、その階床よりさらに先方に生じた呼び等を意味する。また、上記の条件を満たすかごが存在しない場合は、管理内の応答可能な全かごを対象に中間階呼び候補かごとして選定する。
【0064】
また、ステップS205において、呼び分離が設定されダウンピーク処理を行なう場合はステップS208に分岐し、ステップS208でDOWN呼びである場合は上記のステップ206に移行し、UP呼び(乗り場呼びボタン4により、上方階への移動が登録された乗り場呼び)の場合はステップS211に移行して呼び分離手段1NがUP呼びに応答するかごを分離し、UP呼び用の割り当て候補かごの選定を行なう。なお、UP呼び候補かごの選定は、DOWN方向未応答呼びが割り当てられておらず、かつ、新規呼びが背後呼びとならないかごを、UP呼び候補かごとすることによって行われる。ここで、背後呼びとは当該かごがUP方向に走行中、または、DOWN方向に走行中であるがUP方向に所定階で反転予定で、新規呼びがその所定階より下方に発生している場合を意味する。また、上記の条件を満たすかごが存在しない場合は、管理内の応答可能な全かごを対象にUP呼び候補かごとして選定する。
【0065】
こうして、ステップS209、ステップS210、ステップS211により、候補かごが選定されると、次に、ステップS212において、長待ち満員制限手段1Fが、ステップS204で計算された各かごの各未応答呼びに対する予測待ち時間と満員確率に関する予測演算結果とステップS202で設定された長待ち制限値および満員制限値の第1制限とを比較し、この制限値を越えないかごを選定し、長待ち満員制限候補かごとする。
【0066】
次に、ステップS212で長待ち満員制限候補かごが選定されると、ステップS213では、候補かご選定手段1Gが、ステップS209、ステップS210、ステップS211のいずれかで選定された候補かごとステップS212により選定された候補かごの両方を満たすかごをこの新規呼びに対する最終的な割り当て候補かごとして選定する。
【0067】
そして、ステップS214では、ステップS213で選定された候補かごが存在するかどうかの判定が行われ、候補かごがある場合は、ステップS215に移行して、評価値演算手段1Jが、上記のステップで選定された最終的な割り当て候補かごに対して、待ち時間評価や乗車時間評価、予報はずれ評価などの周知の評価値演算を行なった後、ステップS216で、割り当てかご決定手段1KがステップS215で計算された各種評価値を総合的に評価し、最良となるかごを割り当てかごとして決定し、さらに、この割り当てかごの情報を運転制御手段1Lに伝達する。なお、運転制御手段1Lはこの割り当てかごの情報に基いてかごを割り当てるとともに、各かごの運転制御を行う。
【0068】
一方、ステップS214において、制限値設定手段1Aで設定された制限値を満たす候補かごが存在しなかった場合、ステップS217の制限値の緩和処理に移行し、以下の手順で制限条件緩和手段1Hが制限値設定手段1Aで初期設定された制限値を緩和した後、呼び分離の有無に応じてそれぞれ、ステップS212またはステップS209に移行する。
【0069】
以下、このステップS217の制限条件緩和の手順について、図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。上記ステップS214で制限値設定手段1Aで設定された制限値を満たす候補かごが存在しない場合、図7のステップS218に移行し、まず、呼び分離が設定されているか否か、また、アップピーク処理であるか、ダウンピーク処理であるかが判定され、呼び分離が設定されていない場合はステップS219に、呼び分離が設定されアップピーク処理が行なわれている場合はステップS220に、また、呼び分離が設定されダウンピーク処理が行なわれている場合はステップS221に分岐する。
【0070】
呼び分離が設定されていない場合、ステップS219では未応答呼び数検出手段1Dによって各かごに割り当てられている未応答呼び数の最大値が検出され、ステップS222で、現在設定されている呼び数の制限値を、例えば、1だけ増加させた数を新しい呼び数の制限値として設定し、ステップS223でこの新しい呼び数の制限値が上記の各かごに割り当てられている未応答呼び数の最大値と比較され、この最大値以下の場合は、ステップS209に戻って、以下ステップS209〜ステップS214までのステップを繰り返す。こうして、ステップS214で割り当て候補かごが選定されるまで、順次呼び数制限値を増加させていき、ステップS209〜ステップS214までの手順を繰り返す。
【0071】
一方、このように、呼び数制限値を増加しても、割り当て候補かごが選定できない場合は、最終的に、ステップS223からステップS224に移行することとなり、この場合、ステップS224では、いったん呼び数制限値をステップS202で設定した初期値に戻した上で、ステップS225で長待ちと満員制限値を第2制限値に設定し、上記のステップS209に移行してステップS209〜ステップS214の手順を繰り返す。そして、それでも割り当て候補かごが選定されない場合は、同様にステップS225で長待ちと満員制限を第3制限→第4制限→へと順に制限値を緩和していき、割り当て候補かごが選定されるまでこの手順を繰り返す。
【0072】
また、ステップS218において、呼び分離が設定されアップピーク処理が行われている場合はステップS220に分岐し、新規呼びが中間階床呼びでない場合はステップS219に、中間階床呼びの場合はステップS226に移行し、ステップS226で長待ちと満員制限値が第2制限値に設定された後、上記のステップS212に移行してステップS212〜ステップS214の手順を繰り返す。そして、それでも割り当て候補かごが選定されない場合は、同様にステップS226で長待ちと満員制限を第3制限→第4制限→へと順に制限値を緩和していき、割り当て候補かごが選定されるまでこの手順を繰り返す。
【0073】
さらに、ステップS218において、呼び分離が設定されダウンピーク処理が行われている場合はステップS221に分岐し、新規呼びがUP呼びでない場合はステップS219に、UP呼びの場合はステップS227に移行し、ステップS227で長待ちと満員制限値が第2制限値に設定された後、上記のステップS212に移行してステップS212〜ステップS214の手順を繰り返す。そして、それでも割り当て候補かごが選定されない場合は、同様にステップS227で長待ちと満員制限を第3制限→第4制限→へと順に制限値を緩和していき、割り当て候補かごが選定されるまでこの手順を繰り返す。
【0074】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に輸送量や運搬効率の向上、長待ちや満員による乗客へのサービス低下を防止できる効果があるとともに、交通流判別手段1Mを設け、実際の交通流に応じて制限値設定手段1Aが呼び数制限値の初期値を設定するよう構成したため、呼び数制限値を実際の交通流の変動に対応した適切な値に速やかに設定できる効果がある。
【0075】
また、交通流判別手段1Mが実際の交通流を監視することによりアップピークやダウンピークの発生を自動的に検知し、制限値設定手段1Aが呼び数制限値を設定するよう構成したため、タイマーによって時間帯を判断し、初期設定値を設定する場合に比べて、例えば、会議等によって臨時的に交通流が集中するような場合でも、柔軟にピーク負荷に対応することができ、輸送量や運搬効率の向上、長待ちや満員による乗客へのサービス低下を防止できる効果がある。
【0076】
また、呼び分離手段1Nを設け、交通流判別手段1Mでの判別結果により呼び分離を行なうよう構成したため、ピーク時の混雑度がさらに強くなった場合にもこの呼び分離を行なうことにより各かごの周回時間(RTT)を一層早めることができ、輸送量や運搬効率の向上が図られる効果がある。
【0077】
また、アップピーク時とダウンピーク時とで未応答呼び数の算出式を変更したため、各ピーク時の特性に応じた制御を行なうことができ、輸送量や運搬効率を一層向上できる効果がある。
【0078】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0079】
複数台のかごを一群として制御するエレベーターの群管理制御システムにおいて、各かごに割り当てられる呼び数制限値と長待ち制限値および満員制限値を設定する制限値設定手段と、新規の呼びが登録された時点で、各かごに割り当てられている未応答の呼びの数を検出し、前記未応答の呼び数が前記制限値設定手段によって設定された呼び数制限値以下となる呼び数制限候補かごを選定する呼び数候補かご選定手段と、各かごの運行状況を予測し、前記制限値設定手段によって設定された長待ち制限値と満員制限値を満たす長待ち満員制限候補かごを選定する長待ち満員候補かご選定手段と、前記呼び数制限候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定する割り当てかご決定手段とを備えたため、ピーク時における各かごの周回時間が速くなって輸送量や運搬効率が向上するとともに、長待ちや満員によるサービスの低下を防止できる効果がある。
【0080】
また、前記呼び数候補かご選定手段が、各かごに割り当てられている乗り場呼びと行先呼びの合計数に基いて呼び数制限候補かごを選定するよう構成したため、特にアップピーク時において、より適切なかごを割り当てることができ、輸送量や運搬効率が向上する効果がある。
【0081】
また、前記呼び数候補かご選定手段が、各かごに割り当てられているDOWN呼びの数に基いて呼び数制限候補かごを選定するよう構成したため、特にダウンピーク時において、より適切なかごを割り当てることができ、輸送量や運搬効率が向上する効果がある。
【0082】
さらに、アップピーク時とダウンピーク時で、前記未応答呼び数の算出に異なる算式を用いるよう構成したため、アップピーク時とダウンピーク時の特性に合わせた制御を行なうことができ、各ピーク時における各かごの周回時間が速くなって輸送量や運搬効率が一層向上するとともに、長待ちや満員によるサービスの低下を防止できる効果がある。
【0083】
また、前記割り当てかご決定手段が評価値演算手段によって算出された評価値に基いて前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成したため、種々の評価値を評価し、最適なかごを割り当てることができ、利用者に対するサービスが一層向上する効果がある。
【0084】
また、前記呼び数制限候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごが存在しない場合に、前記制限値設定手段により設定された呼び数制限値、長待ち制限値または満員制限値のうち少なくともひとつの制限値を修正する制限条件緩和手段を設けたため、かごを確実に割り当てることができるとともに、交通流に応じて柔軟にかごの呼び数制限値を変更することができ、運搬効率が向上する効果がある。
【0085】
さらに、ビル内の交通流を判別する交通流判別手段を設け、前記制限値設定手段が、呼び数制限値、長待ち制限値または満員制限値のうち少なくともひとつの初期値を、前記交通流判別手段での判別結果に基いて設定するよう構成したため、呼び数制限値を実際の交通流の変動に対応した適切な値に速やかに設定でき、運搬効率が向上する効果があるとともに、会議等で臨時的に交通流が集中するような場合でも、柔軟にピーク負荷に対応することができる効果がある。
【0086】
また、主階床からの行先呼びに応答するかごと、中間階からの乗り場呼びに応答するかごとを分離し、中間階呼び候補かごを選定する呼び分離手段を設け、前記割り当てかご決定手段が前記中間階呼び候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成したため、アップピーク時の混雑度がさらに強くなった場合にもこの呼び分離を行なうことにより各かごの周回時間(RTT)を一層早めることができ、輸送量や運搬効率の向上が図られる効果がある。
【0087】
また、UP呼びに応答するかごと、DOWN呼びに応答するかごとを分離し、UP呼び候補かごを選定する呼び分離手段を設け、前記割り当てかご決定手段が前記UP呼び候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成したため、ダウンピーク時の混雑度がさらに強くなった場合にもこの呼び分離を行なうことにより各かごの周回時間(RTT)を一層早めることができ、輸送量や運搬効率の向上が図られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のエレベーターの群管理制御システムの構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1のエレベーターの群管理制御システムの行先呼び登録・サービス号機表示装置を示す図。
【図3】 この発明の実施の形態1のエレベーターの群管理制御システムの動作を示すフローチャート。
【図4】 この発明の実施の形態1のエレベーターの群管理制御システムの制限条件の緩和手順を示すフローチャート。
【図5】 この発明の実施の形態2のエレベーターの群管理制御システムの構成を示すブロック図。
【図6】 この発明の実施の形態2のエレベーターの群管理制御システムの動作を示すフローチャート。
【図7】 この発明の実施の形態2のエレベーターの群管理制御システムの制限条件の緩和手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 群管理制御装置
1A 制限値設定手段
1B 通信手段
1C 予測演算手段(長待ち満員候補かご選定手段)
1D 未応答呼び数検出手段(呼び数候補かご選定手段)
1E 呼び数制限手段(呼び数候補かご選定手段)
1F 長待ち満員制限手段(長待ち満員候補かご選定手段)
1G 候補かご選定手段
1H 制限条件緩和手段
1J 評価値演算手段
1K 割り当てかご決定手段
1L 運転制御手段
1M 交通流判別手段
1N 呼び分離手段
2 各台制御装置
3 行先呼び登録・サービス号機表示装置
3A 行先階ボタン
3B サービス号機表示パネル
4 乗り場呼びボタン

Claims (7)

  1. 複数台のかごを一群として制御するエレベーターの群管理制御システムにおいて、
    各かごに割り当てられる呼び数制限値と長待ち制限値および満員制限値を設定する制限値設定手段と、
    新規の呼びが登録された時点で、各かごに割り当てられている未応答の呼びの数を検出し、前記未応答の呼びの数が前記制限値設定手段によって設定された呼び数制限値以下となる呼び数制限候補かごを選定する呼び数候補かご選定手段と、
    各かごの運行状況を予測し、前記制限値設定手段によって設定された長待ち制限値と満員制限値を満たす長待ち満員制限候補かごを選定する長待ち満員候補かご選定手段と、
    前記呼び数制限候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定する割り当てかご決定手段と
    前記呼び数制限候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごが存在しない場合に、前記制限値設定手段により設定された呼び数制限値の制限を緩和し、更にこの緩和した呼び数制限値と前記長待ち満員制限候補かごとの両方の要件を満たすかごが存在しない場合には前記制限値設定手段により設定された長待ち制限値および満員制限値の制限を緩和する制限条件緩和手段と
    を備えたことを特徴とするエレベーターの群管理制御システム。
  2. ビル内の交通流を判別する交通流判別手段を設け、
    前記制限値設定手段が、呼び数制限値、長待ち制限値または満員制限値のうち少なくともひとつの初期値を、前記交通流判別手段での判別結果に基いて設定するよう構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの群管理制御システム。
  3. 前記呼び数候補かご選定手段が、各かごに割り当てられているDOWN呼びの数に基いて呼び数制限候補かごを選定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの群管理制御システム。
  4. アップピーク時とダウンピーク時で、前記未応答呼び数の算出に異なる算式を用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエレベーターの群管理制御システム。
  5. 前記割り当てかご決定手段が評価値演算手段によって算出された評価値に基いて前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの群管理制御システム。
  6. 主階床からの行先呼びに応答するかごと、
    中間階からの乗り場呼びに応答するかごとを分離し、中間階呼び候補かごを選定する呼び分離手段を設け、前記割り当てかご決定手段が前記中間階呼び候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの群管理制御システム。
  7. UP呼びに応答するかごと、
    DOWN呼びに応答するかごとを分離し、UP呼び候補かごを選定する呼び分離手段を設け、前記割り当てかご決定手段が前記UP呼び候補かごと前記長待ち満員制限候補かごの両方を満たすかごの中から、前記新規呼びを割り当てるかごを決定するよう構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの群管理制御システム。
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