JP4373178B2 - 遊技台 - Google Patents

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Description

本発明はスロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関する。
近年、スロットマシンは益々多様化が進み、例えば、特許文献1に記載のスロットマシンのように内部当選したボーナスをストックするものも提案されている。このようなストックタイプのスロットマシンでは、ストック期間内はボーナスへの入賞が規制され、ストック期間の終了後にストックされたボーナスに入賞することが可能となる(ストックの放出)。従って、ストック期間の終了後には短期間により多くの利益を遊技者が得られる反面、ストック期間が長期化する傾向にある。このため、ストック期間を制限するために、ストック期間中の遊技回数に天井を設定し、この天井回数に至った場合には一律にストック期間を終了することも提案されている。
特開2002−346054号公報
上述したように、ストックタイプのスロットマシンでは、ストック期間の終了が遊技者の利益に大きく影響するため、遊技者の関心は専らストック期間の終了に集中し易い。つまり、遊技者の期待感はストック期間の終了を待つだけとなり、ボーナスのような特定の入賞役の当選に対する期待感という、スロットマシン本来の醍醐味が薄れるつつある。また、ストック期間に天井が設定されている場合、遊技回数が天井回数に近い程、遊技者にとって有利である。このため、遊技を行う台を選択するにあたり、遊技者は現在の遊技回数のみを意識し、遊技回数が天井回数にほど遠い台を敬遠する傾向にある。このことは、遊技場における台の稼働率を低下する要因にもなる。
従って、本発明の目的は、ストックタイプでありながら、スロットマシン本来の醍醐味を楽しめ、しかも、ストック期間の天井に対する遊技者の意識を低減する遊技台を提供することにある。
本発明によれば、複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台であって、所定の前記入賞役に対する入賞が許容される放出モードと、前記所定の入賞役に対する入賞が規制されると共に当該所定の入賞役に前記内部当選した回数が記録されるストックモードと、を有する遊技モードの移行を制御する遊技モード制御手段と、前記ストックモードにおいて、予め定めた条件の成立を契機として、前記所定の入賞役に内部当選した当選回数をカウントするカウント手段と、を備え、前記ストックモードは、終了条件となる遊技回数が個別に設定され、かつ、移行順位が設定された複数のサブモードから構成され、最下位の前記サブモードの終了条件となる前記遊技回数は、他の前記サブモードの終了条件となる前記遊技回数よりも、多く設定され、前記カウント手段は、各々の前記サブモードにおいて、予め定めた条件の成立を契機として、前記所定の入賞役に内部当選した当選回数をカウントし、前記遊技モード制御手段は、各々の前記サブモードにおいて、終了条件となる前記遊技回数が消化された場合は、当該サブモードから前記放出モードへ移行し、当該放出モードの次の遊技モードとして、前記移行順位に従って、前記放出モードへの移行前の前記サブモードよりも下位の前記サブモードを選択し、各々の前記サブモードにおいて、前記カウント手段によりカウントされた前記当選回数が所定値に達した場合は、各々の前記サブモードから前記放出モードへ移行可能とし、当該放出モードの次の遊技モードとして、前記放出モードへの移行前の前記サブモードよりも上位の前記サブモードを選択することを特徴とする遊技台が提供される。
この遊技台によれば、前記カウント手段によりカウントされた前記当選回数が所定値に達した場合に、前記遊技モードが前記ストックモードから前記放出モードへ移行可能とされるため、スロットマシン本来の醍醐味である入賞役の当選に対する期待感が維持される。また、ストックモードにおける遊技回数が天井回数に達しなくても放出モードへ移行可能であるので、ストック期間の天井に対する遊技者の意識を低減し、従来のように遊技回数が天井回数に近いスロットマシンを遊技者が選り好みすることが抑制される。
なお、前記カウント手段によりカウントされた前記当選回数が所定値に達して、前記遊技モードを前記ストックモードから前記放出モードへ移行する場合、直ち前記放出モードに移行するようにしてもよいし、前記ストックモードにおける遊技を数回消化した後に移行するようにしてもよい。
以上述べた通り、本発明によれば、ストックタイプでありながら、スロットマシン本来の醍醐味を楽しめ、しかも、ストック期間の天井に対する遊技者の意識を低減することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す正面図である。
<全体の構成>
図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(赤7、青7、白7、ベル等:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体101の内部で回転駆動されるように構成されている。前面扉102には、リール表示窓113が設けられており、リール110乃至112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110乃至112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110乃至112が回転駆動され、適宜なタイミングで各リール110乃至112が停止されると、様々な絵柄の組合せが表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。各リール110乃至112の裏側には、リール表示窓上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、各遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン上に揃った絵柄の組合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。告知ランプ123は、後述するビッグボーナス(BB)に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技者にメダルの投入が可能であることを知らせるランプである。
払出枚数表示器125は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器126は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器127は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ128は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。メダル投入ボタン130、131は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン130(いわゆるマックスベットボタン)と、1枚メダル投入ボタン131を有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器127に表示される。メダル投入口ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させる契機となる操作を行うためのレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、上記リール110〜112に夫々対応するストップボタン137、138、139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、押下することによって対応するリール110乃至112を停止させるボタン型のスイッチである。各ストップボタン137乃至139の内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、各ストップボタン137乃至139が押下されるごとに消灯する。精算ボタン132は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン132は、遊技者がメダル投入口ブロック134から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、精算ボタン132が押下されると精算処理が行われて非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン132が押下されると貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。メダル返却ボタン133は、詰まったメダルを返却するためのボタンである。
キー孔140は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉102を開けることができる。メダル排出口156は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿500に溜まるようになっている。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受け皿ランプ(メダルの受け皿に構成)500は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。液晶表示装置170は、遊技に関する各種の情報(遊技を盛り上げる演出情報、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー情報など)を表示することができる。もちろん、液晶表示装置170のかわりに、複数のLEDを2次元に配置したドットマトリックス式表示装置等、他の表示手段を用いても良い。上部スピーカの音孔160と、中央スピーカの音孔161は、装飾が施されたスピーカーカバーが装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
<制御部>
図2を参照してスロットマシン100の制御部の構成について説明する。本実施形態における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、液晶表示装置170を制御する液晶表示制御部(図示省略)で構成されている。
<主制御部300>
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。乱数発生器311は、乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。乱数値は、複数種類存在し、それぞれ処理内容に応じて使用される。MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入口ブロック134の投入口より投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、ストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、及び、メダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323、精算ボタン133の押下に伴なって動作する精算ボタンスイッチ324が接続されている。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、後述する各種テーブルデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。本実施形態では、このようにROM及びRAMを採用しているが、他の記憶手段も採用可能であることはいうまでもない。この点は後述する副制御部においても同様である。また、リール110乃至112の回転駆動を行うモーター(図示省略)を制御するモーター制御部330、及び、メダル払出装置(いわゆるホッパー:図示省略)を制御するホッパー制御部331が、入出力インターフェース332及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。演出用ランプ・表示器類340とは、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器125、遊技回数表示器126等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース342およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種の主制御コマンドを副制御部400の入力インターフェース440へ送信する。
<副制御部400>
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース440およびバス430を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。バックライト420は、リールの絵柄を照らすライトで、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用ランプ421は、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受け皿ランプ500をまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライト420および演出用ランプ421は、出力インターフェース422を介してバス430を経てSubCPU410と接続されている。楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカ(具体的には上部スピーカ及び中央スピーカ)462から音として出力される。出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データを液晶表示制御部(図示省略)へ送信する。この制御データに基づいて、液晶表示制御部は、液晶表示制御装置170を制御する。
<絵柄配列>
図3は、各リール110〜112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110乃至112には、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。なお、同図では、各絵柄を簡略化して文字で示しているが、実際には、各種デザイン、例えば、「ベル」ならば、黄色のベルを模した絵図等が描かれている。同図において「ブランク」は、入賞役に関係の無い絵柄を示す。また、同図の左端に示した番号0乃至20は、各リール110〜112上の絵柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマにはベルの絵柄、中リール111の番号1のコマには赤7の絵柄、右リール112の番号2のコマには青7の絵柄、がそれぞれ配置されている。また、スロットマシン100内部の各リール110〜112夫々の近傍には、各リール110〜120の回転位置を検出する検出手段が設けられている。この検出手段は、例えば、投光部と受光部から成る光学式センサで構成され、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、各リール110〜112に設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。この光学式センサによる遮光片の検出結果に基づいて、各リール110〜112上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
<入賞役の種類>
入賞役の種類は任意に採用することができるが、本実施形態では以下の入賞役を採用している。
(1)通常遊技
図4は、通常遊技における入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率(メダル3枚投入時)とを示した図である。内部当選確率は設定1〜設定6まで存在し、遊技場の係員等はいずれかを任意に選択することができる。但し、入賞役の内部当選確率に関しては設定1〜設定6まで全て共通である。なお、内部当選確率は、説明をわかりやすくするために記載した説明上のデータであり、具体的には、次の通りである。すなわち、入賞役の内部抽選時に取得される乱数値の範囲(0〜65535)はあらかじめいくつかの領域(各内部当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の内部当選やはずれが対応付けられている。これらの情報は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。後で述べる各抽選データについても同様な方式を採用する。
・ビッグボーナス(BB):
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態では、入賞時に所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しも行う。対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「赤7−赤7−赤7」と「青7−青7−青7」と「白7−白7−白7」である。本実施形態ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つが(RAM313の所定のエリア内に記憶される)、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
・小役
入賞により所定数のメダルが払い出される役で、本実施形態の場合、小役は、ベル、チェリーである。対応する絵柄組合せや払出枚数は、同図に示す通りである。「チェリー」の場合、中リール111と右リール112の絵柄は、どの絵柄でもよいことを示している。
・再遊技(リプレイ)
入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。また、再遊技の抽選データは2種類用意されており、後述する遊技モード(RT0とRT1)とで異なる。
(2)BBゲーム
BBゲームにおいては、図示しないが、上述した小役の他に以下の入賞役が設定されている。なお、BBゲーム中における小役についてはそのメダル払い出し枚数や内部当選確率を通常遊技とは異なるものとすることができる。
・シフトレギュラーボーナス(SRB)
入賞によりシフトレギュラーボーナスゲーム(SRBゲーム)が開始される入賞役である。入賞時には所定数(例えば15枚)のメダルの払い出しも行う。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
・役物
SRBゲーム中にのみ入賞する入賞役であって、入賞により所定数(例えば、15枚)のメダルが払い出される。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「リプレイ―リプレイ―リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技とBBゲームとに大別される。また、BBゲームはBB一般遊技とSRBゲームとに大別される。以下、BBゲームとSRBゲームとについて説明する。
・BBゲーム
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。また、本実施形態の場合、BB一般遊技を予め定めた回数(本実施形態では30回)行うか、あるいは、SRBゲームを予め定めたセット回数(本実施形態では2回)行うかのいずれかの条件が成立することでBBゲームが終了する。すなわち、たとえば、SRBゲームが終了するとBB一般遊技に戻るか、或いは、BBゲームが終了する(BB一般遊技の30回目にSRBに入賞してSRBが開始された場合)こととなる。
・SRBゲーム
SRBゲームは、予め定めた回数(本実施形態では12回)の役物遊技を行うか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施形態では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することを終了条件とするゲームである。
<遊技モード>
本実施形態では、通常遊技における遊技モードとして、RT0モードとRT1モードとが設定されている。RT1モードは、所定の入賞役に対する入賞が規制されると共に当該所定の入賞役に内部当選した回数が記録されるストックモードであり、本実施形態の場合、所定の入賞役がBBである。RT0モードは、所定の入賞役であるBBに対する入賞が許容される放出モードである。RT1モードは、更に、終了条件となる遊技回数が個別に設定され、かつ、移行順位が設定された複数のサブモード1〜n(n≧2)から構成される。サブモードの数nは任意に設定できる。また、移行順位は各サブモードの番号の順となる。つまり、本実施形態においてサブモードnは移行順位が最上位のモードであり、サブモード1は移行順位が最下位のモードとなる。本実施形態では、RT0モードとRT1モードとの間で遊技モードを交互に移行する。つまり、いずれかのサブモードが終了すると一旦RT0モードへ移行し、RT0モードの次の遊技モードは再びいずれかのサブモードとなる。
本実施形態の場合、RT0モードはBBに1回入賞することで終了する。また、各サブモードは、原則として、当該サブモードについて設定された遊技回数が消化されると終了する。そして、遊技回数の消化によりRT0モードへ移行した場合、RT0モードの次の遊技モードとして、上述した移行順位に従って、移行前のサブモードより下位のサブモードが選択される。例えば、サブモード10からRT0モードへ移行した場合、次の遊技モードはサブモード9となる。更に、サブモード9からRT0モードへ移行した場合、次の遊技モードはサブモード8となる。このようにして、サブモードが順次移行していくことになり、本実施形態では1段ずつ移行する。なお、移行順位が最下位であるサブモード1からRT0モードへ移行した場合、次の遊技モードは再びサブモード1となる。
各サブモードの終了条件となる遊技回数は、本実施形態の場合、いずれのサブモードについても可変とし、抽選で定めるようにしている。これらは固定的な遊技回数としてもよいが、少なくとも一部のサブモードについてRT遊技回数を抽選で定めるようにした方が、現在どのサブモードなのかを遊技者に悟られ難くすることができる。ここで、本実施形態では、各サブモードの終了条件となる遊技回数を設定するにあたり、サブモード1の遊技回数が他のサブモードの遊技回数よりも多く設定される。つまり、サブモード1にストックモードの天井となる遊技回数が設定される。他のストックモードの遊技回数は、サブモード1の最大の遊技回数に対して、1/5以内、好ましくは1/10以内若しくは1/20以内に設定される。この結果、サブモード1は終了しにくくなり、他のサブモードは終了し易くなる。そして、各サブモードの終了後にはRT0モードへ移行するので、サブモード1がいわゆるはまりのモードとなり、他のサブモードがBB入賞の連荘を期待させるモードとなる。つまり、本実施形態ではストックモードにおいては、より上位のサブモードに設定されている方が遊技者にとって有利となる。
一方、本実施形態においては、各サブモードにおいて、予め定めた条件の成立を契機にストックの対象となるBBの内部当選回数がカウントされる。BBの内部当選回数のカウントの契機となる条件とは、本実施形態の場合、各サブモードにおいて最初にBBに内部当選した時であり、次のBBの内部当選からカウントの対象となる。尤も、この条件は必ずしも最初にBBに内部当選した時である必要はなく、例えば、最初のBBの内部当選からカウントしてもよいし、或いは、2回目にBBに内部当選した時を条件成立としてもよい。さて、本実施形態では、このカウント値が所定値(以下、放出条件値という。)に達するとサブモードからRT0モードへ移行可能となる。本実施形態では、カウント値が放出条件値に達すると、次の遊技から強制的にRT0モードへ移行する。つまり、サブモードからRT0モードへの移行条件はサブモード毎に設定された遊技回数の消化か、BBの内部当選回数が放出条件値に達するかのいずれかになる。本実施形態の場合、放出条件値は可変とし、抽選により定められる。
そして、BBの内部当選回数が放出条件値に達することにより、RT0モードへ移行した場合は、次の遊技モードとして、本実施形態の場合、上述した移行順位ではなく、移行前のサブモードよりも上位のサブモードが選択される。つまり、BB入賞の連荘回数の可能性を増加させ、遊技者に有利となるように移行先となるサブモードが選択される。しかも、本実施形態の場合、放出条件値に応じてサブモードの移行数(以下、モード移行数という)が決定され、放出条件値が大きい程、サブモードの移行数もより多く設定され得る。つまり、放出条件値が大きい場合は、サブモードからRT0モードへ移行するのは難しくなるが、その反面、放出条件値をクリアすればより上位のサブモードへ移行することが可能となり、BB入賞の連荘回数が多くなることが期待できる。モード移行数は、BBゲーム終了時に抽選により決定する。
<リールの停止制御>
次に、リール110乃至112の停止制御について説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御テーブルに基づき行う。リール停止制御テーブルは主制御部300のROM312に格納されている。図11は、通常遊技時のリール停止制御用選択テーブルの説明図である。この選択テーブルには、リール停止制御テーブルの選択条件及び選択確率の概略が示されている。なお、BBゲーム時のリール停止制御テーブル及びその選択テーブルも存在するがここでは省略する。同図において、「テーブル番号」、「テーブル名称」は各リール停止制御テーブルを識別するための識別番号、又は、識別名称である。「テーブル名称」は本実施形態の説明の便宜のために付されたものであり、実際には「テーブル番号」のみにより各リール停止制御テーブルが識別される。「絵柄組合せ」には、そのリール停止制御テーブルが選択されたことにより、入賞ライン114上に揃って表示されることが許容され入賞役が示されている。例えば、テーブル番号0は、ビッグボーナスに対応する絵柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容するリール停止制御テーブルであり、適切なタイミングで各ストップボタン137乃至139を操作すればビッグボーナスに入賞することが可能となる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137乃至139を操作するタイミングが悪ければ対応する絵柄組合せが揃わないことになる。尤も、リール110乃至112における絵柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。また、テーブル番号8は、ハズレでありいずれの入賞役の絵柄組合せも揃わないことを示している。なお、BBに入賞するためにはテーブル番号0、6又は7のリール停止制御テーブルが選択されることが必要となるが、このテーブルはRT0モードの場合のみ選択可能となる。つまり、リール停止制御テーブルの選択により、RT1〜3モードの場合には、BBに入賞することが規制されることになる。
<遊技の基本的制御>
図5は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この遊技処理について説明する。電源投入が行われると、まず、S101で各種の初期化処理が実行される。S102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。S103では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、S104で有効な入賞ライン114を確定する。S105では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。
S106では、S104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。また、BBに内部当選した場合、RAM313上の所定のエリアに設定されたBB内部当選回数カウンタが一つインクリメントされる。この内部当選回数カウンタはBBのストック数を示すことになる。なお、S105で取得した乱数値は、入賞役内部抽選のほかにも、リール停止制御テーブルを選択するときの抽選等にも使用する。S107では主として上述した放出条件値に関する設定等を行う遊技モード制御処理1を行う。詳細は後述する。S108では、遊技モード制御処理2を行う。ここでは主として放出条件値をクリアした場合にサブモードからRT0モードへ遊技モードを移行する処理を行う。詳細は後述する。
S109では、全リール110乃至112の回転を開始させる。この際、S105の内部抽選結果等に基づき、図11で示したリール停止制御テーブル用選択テーブルを参照し、いずれか一つのリール停止制御テーブルを選択する。S110では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかを、S109で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。S111では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされ、BB入賞時の場合、更に、BB内部当選回数カウンタが一つデクリメントされる。S112では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
S113では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBBゲーム又はSRBゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。なお、BBゲームの終了時にBB内部当選回数カウンタが1以上であれば、BBの内部当選フラグがONとなる。S114では、遊技モード制御処理3を実行する。ここでは、放出条件値をクリアしてサブモードからRT0モードへ移行した後、RT0モードからRT1モードへ移行する場合の処理や、サブモードの遊技回数を消化した場合の遊技モードの移行処理等を行う。詳細は後述する。以上により1ゲームが終了し、以降S102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<遊技モード制御処理1>
次に、図6を参照してS107の遊技モード制御処理1について説明する。S201では、S106の入賞役内部抽選の結果がBBに内部当選か否かを判定する。BB内部当選の場合、S202へ進み、そうでない場合はS210へ進む。S202ではモードカウンタが0か否かを判定し、0の場合はS203へ進み、そうでない場合はS210へ進む。モードカウンタは、現在の遊技モードを示すカウンタであり、RAM313上の所定のエリアに記憶される。モードカウンタが0の場合、遊技モードはRT0モード(つまり放出モード)である。モードカウンタが1〜nの場合、現在の遊技モードはRT1モード(つまりストックモード)であり、また、その数値がサブモードの番号となる。例えば、モードカウンタが1の時はサブモード1であることになる。次に、S203〜S205は、BB内部当選のストックがない状態でBBに内部当選した場合の処理であり、遊技モードをRT0モードからRT1モードへ移行する処理である。S203ではモードカウンタが1に設定される。つまり、サブモード1となる。S204ではRT遊技回数の抽選が行われる。RT遊技回数とは、各サブモードの終了条件となる遊技回数であり、RAM313上の所定のエリアに記憶される。S204の場合、S203においてモードカウンタが1に設定されるので、これから開始されるサブモード1のRT遊技回数が抽選で設定されることになる。図9(b)は各サブモードにおいて抽選で定められるRT遊技回数の範囲を示した図であり、図に示された範囲の中から抽選でRT遊技回数が決定される。抽選確率は例えば均等とされる。サブモード1の場合、RT遊技回数は2000回〜2500回の範囲で選択される。S205では遊技モードとしてRT1モードをセットする(サブモードはサブモード1)。これにより、リール制御テーブルの選択がRT1モードの場合からの選択となりストックモードとなる。
次に、S206〜S209では放出条件値の設定に関する処理を行う。S206では放出条件判断用カウンタを0にする。放出条件判断用カウンタとは、各サブモードにおいてBB内部当選回数が放出条件値に達したか否かを判定するために、BB内部当選回数をカウントするカウンタであり、RAM313上の所定のエリアに記憶される。S207では今回の放出条件値を抽選により決定する。図9(c)は放出条件値の選択率の例を示す図である。同図に示すように本実施形態では、放出条件値として0〜10のいずれかが選択される。なお、放出条件値として0が選択された場合には、これからBBに内部当選しなくても条件クリアとなる。S208ではS207で決定した放出条件値をRAM313上の所定のエリアに記憶する。S209では放出条件判断フラグをONにし、その後、処理が終了する。放出条件判断フラグは、放出条件値が設定されていることを示すフラグであり、RAM313上の所定のエリアに記憶される。S210及びS211は、サブモード中におけるBB内部当選回数が放出条件値に達するか否かの判断の前提となる処理である。S210では放出条件判断フラグがONか否かを判定し、ONの場合はS211へ進み、OFFの場合はS206へ進む。S211では放出条件判断用カウンタを1つ加算する。
<遊技モード制御処理2>
次に、図7を参照してS108の遊技モード制御処理2について説明する。この遊技モード制御処理2は、放出条件値をクリアした場合にサブモードからRT0モードへ遊技モードを移行する処理を行う。S301では、放出条件判断用カウンタのカウント値と放出条件値とを比較して、放出条件値をクリアしたか否かを判定する。カウント値が放出条件値に達している場合、クリアと判定する。クリアした場合、S302へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S302では放出条件成立フラグをONにする。放出条件成立フラグは、放出条件値をクリアしたことを示すフラグでありRAM313上の所定のエリアに記憶される。S303では遊技モードをRT0モードにセットして処理を終了する。
<遊技モード制御処理3>
次に、図8を参照してS114の遊技モード制御処理3について説明する。遊技モード制御処理3は、放出条件値をクリアしてRT1モードからRT0モードへ移行した後、RT0モードからRT1モードへ移行する場合の処理や、サブモードの遊技回数を消化した場合の遊技モードの移行処理を行う。S401では現在の遊技モードがRT1モードか否かを判定する。RT1モードの場合、S415へ進み、そうでない場合はS402へ進む。S402では今回の遊技がBBゲーム終了時の遊技か否かを判定する。BB終了時の遊技の場合、S403へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S403では放出条件判断フラグをOFFにする。S404では放出条件成立フラグがONか否かを判定する。ONの場合S405へ進み、OFFの場合はS412へ進む。S405〜S411では、モード移行数の設定と遊技モードの移行に関する処理を行う。概説すると、S404でYesの場合は、放出条件値をクリアすることによりRT1モードからRT0モードへ移行した場合であり、Noの場合はRT遊技回数の消化によりRT1モードからRT0モードへ移行した場合を示す。
S405ではモード移行数の抽選を行う。つまり、移行先となるサブモードの移行数を抽選で決定する。図9(a)はモード移行数の選択率を示す図である。同図に示すように、本実施形態では、放出条件値0〜10に応じてモード移行数が設定されおり、かつ、放出条件値が大きい程、より多くのモード移行数が設定され易いように設定されている。S406ではS405で決定したモード移行数をモードカウンタに加算する。つまり、直前のサブモードよりも上位のサブモードが移行先として設定されることになる。S407では放出条件成立フラグをOFFにセットする。S408では、モードカウンタが0より大きいか否かを判定する。0より大きい場合、S409へ進み、そうでない場合はS413へ進む。S409では、各サブモード、つまり、今回移行したサブモードの終了条件となるRT遊技回数を抽選で決定する。RT遊技回数の抽選は上述した通り、図9(b)に示した、サブモード毎の回数の範囲の中から抽選により選択される。S410では、RT遊技回数カウンタにS409で決定したRT遊技回数をセットする。RT遊技回数カウンタはサブモードでの遊技が1回消化される毎に1つずつ減算され、終了条件であるRT遊技回数を消化したか否かを判定するためのカウンタであり、RAM313上の所定のエリアに記憶される。S411では遊技モードをRT1モードにセットして、処理が終了する。
次に、S412ではモードカウンタを一つ減算する。S412の処理が実行される場合は、上述した通り、RT遊技回数の消化によりRT1モードからRT0モードへ移行した場合である。次に、S413及びS414はモードカウンタが0以下となった場合の処理である。S413ではモードカウンタを1にする。S414ではS413でモードカウンタを1にした結果として移行するサブモード1のRT遊技回数を抽選で決定する。RT遊技回数の抽選は上述した通り、図9(b)に示した、サブモード毎の回数の範囲の中から抽選により選択される。
次に、S415〜S419は、サブモードにおけるRT遊技回数の消化による遊技モードの移行に関する処理である。S415では、RT遊技回数カウンタを1つ減算する。S416ではRT遊技回数カウンタが0か否かを判定する。0でない場合は処理を終了し、0の場合はS417へ進む。S417では、サブモードの終了条件であるRT遊技回数が消化されたため、遊技モードをRT0モードにセットする。S418ではBB内部当選回数カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合は処理を終了し、そうでない場合はモードカウンタを0とする。その後、処理が終了する。
<遊技の進行例>
図10は本実施形態における遊技の進行例を示す図であり、遊技は左から右へ、また、上から下へ進行する場合を想定している。まず、同図の例では最初に遊技モードがRT0モード、BB内部当選回数カウンタが0(ストックなし)である他、各条件が初期値の状態にある。この状態でBBに内部当選すると、その遊技ではBBに入賞できず、遊技モードがRT1モードへ移行し、モードカウンタ及びBB内部当選回数カウンタがそれぞれ1にセットされる(サブモード1の状態)。そして、放出条件値として5が、RT遊技回数として2000回が、それぞれ設定されている。つまり、この後、5回BBに内部当選するか、遊技回数を2000回消化すればRT0モードへ移行することが可能となる。さて、同図に示すように、BBに内部当選する度に放出条件判断用カウンタが加算され、また、遊技の消化に伴ってRT遊技回数が減算されていく。しかし、同図の例では、BBに5回内部当選する前にRT遊技回数である2000回を消化してRT0モードへ移行している。このため、BBゲームの終了後のRT1モードでは再びサブモード1が選択され、RT遊技回数が2000回となっている。
次に、RT遊技回数が1800の時にBBに内部当選し、放出条件値として2が設定され、放出条件判断用カウンタが0にクリアされている。その後、今回のサブモード1の遊技では、RT遊技回数を消化する前にBBに2回内部当選し、放出条件値をクリアしている。このため、遊技モードがRT0モードへ移行し、BBゲーム終了時にモード移行数の抽選が行われ、モード移行数3が設定されている。そして、BBゲーム終了後のRT1モードではモード移行数3がモードカウンタに加算されて、サブモード4に移行している。このサブモード4での遊技では、BBに一度も内部当選することなく、RT遊技回数が全て消化されて終了し、RT0モードへ移行してBBゲームを消化した後、モードカウンタが1つ減算されてサブモード3へ移行している。このサブモード3では、BBに1回内部当選して放出条件値1が設定されたが、放出条件値をクリアできずにRT遊技回数の消化により終了しRT0モードへ移行している。そして、BBゲーム終了後には、モードカウンタが1つ減算されてサブモード2へ移行している。このサブモード2では、BBに内部当選して放出条件値1が設定され、放出条件値をクリアしている。このため、RT0モードへ移行し、BBゲームの終了時にモード移行数抽選が行われ、モード移行数5が設定されている。このため、BBゲームの終了後にはモードカウンタが5つ加算されてサブモード7へ移行している。
<本実施形態の特色>
このように本実施形態では、BBの内部当選回数が放出条件値に達することがストックモードから放出モードへの移行条件の一つとなるので、スロットマシン本来の醍醐味であるBB入賞に対する期待感が維持される。また、ストックモードにおける遊技回数が天井回数に達しなくても放出モードへ移行可能であるので、ストック期間の天井に対する遊技者の意識を低減し、従来のように遊技回数が天井回数に近いスロットマシンを遊技者が選り好みすることが抑制される。
また、各サブモードのRT遊技回数或いはその範囲の調整により、様々な遊技を提供できる。まず、本実施形態ではサブモード1がいわゆるはまりモードとなり、RT遊技回数が2000〜2500に設定され、これが天井となる。すると、遊技回数が天井近傍でBBに入賞した場合、遊技者には以下のような期待感及び不安感が生じると考えられる。つまり、遊技回数が天井の手前のあたりでBBに入賞した場合、放出条件値が高めに設定されており、これをクリアしてBBに入賞したと予想できる。この場合、モード移行数もより大きくなり得ることから大連荘が期待できる。他方、天井を超えたあたりでBBに入賞した場合、単にRT遊技回数の消化によりRT0モードへ移行し、BBに入賞したという不安もよぎる。この場合、遊技者としては確認のため、更に一定程度、遊技を継続することになろう。
また、上述した通り、サブモード1以外の他のサブモードは、BB入賞の連荘を期待させるモードとなるが、当該他のサブモードのRT遊技回数は最大で250回であるため、遊技者は遊技回数が250回までは連荘の期待感を持続できる。遊技回数が250回を超えてた場合、遊技者としては現在の遊技モードがサブモード1であると予想することになるが、本実施形態の放出条件値の範囲の場合、確率的には遊技回数が600回程度で放出条件値のクリアとなる確率が比較的高いため、遊技回数が250回を超えても、なお、放出条件値のクリアに対する期待感を持続させることができる。
更に、サブモード1以外の他のサブモードのRT遊技回数について、本実施形態では、RT遊技回数が少なくなる場合と多くなる場合とを移行順序に従って交互に設定している。たとえば、サブモード2〜5、7〜10及び12以上ではRT遊技回数が1〜50の範囲でより少なめに設定され、その谷間となるサブモード6及び11ではRT遊技回数が50〜250の範囲でより多めに設定される。このため、RT遊技回数が少なめのサブモードでは、短期間でBBに連荘する一方、谷間となるサブモード6や11では最大で250回の遊技を行わなければならない場合もあり得るため、サブモード1に戻ったのではないか、という不安感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する期待感及び不安感を継続することができる。このように、サブモードのRT遊技回数の範囲の設定如何で様々な遊技を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す正面図である。 スロットマシン100の制御部の構成例を示すブロック図である。 各リール110〜112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。 通常遊技における入賞役の種類と、対応する絵柄組合せと、メダルの払い出し枚数と、内部当選確率(メダル3枚投入時)とを示した図である。 遊技の基本的制御の例を示すフローチャートである。 遊技モード制御処理1の例を示すフローチャートである。 遊技モード制御処理2の例を示すフローチャートである。 遊技モード制御処理3の例を示すフローチャートである。 (a)はモード移行数の選択率を示す図、(b)は各サブモードにおいて抽選で定められるRT遊技回数の範囲を示した図、(c)は放出条件値の選択率の例を示す図である。 遊技の進行例を示す図である。 通常遊技時のリール停止制御用選択テーブルの説明図である。
符号の説明
100 スロットマシン

Claims (5)

  1. 複数種類の絵柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
    複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、
    前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
    各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
    停止時の前記リールにより表示された前記絵柄の組合せが、予め定めた絵柄の組合せであるか否かに基づいて入賞を判定する入賞判定手段と、
    を備えた遊技台であって、
    所定の前記入賞役に対する入賞が許容される放出モードと、前記所定の入賞役に対する入賞が規制されると共に当該所定の入賞役に前記内部当選した回数が記録されるストックモードと、を有する遊技モードの移行を制御する遊技モード制御手段と、
    前記ストックモードにおいて、予め定めた条件の成立を契機として、前記所定の入賞役に内部当選した当選回数をカウントするカウント手段と、
    を備え、
    前記ストックモードは、終了条件となる遊技回数が個別に設定され、かつ、移行順位が設定された複数のサブモードから構成され、
    最下位の前記サブモードの終了条件となる前記遊技回数は、他の前記サブモードの終了条件となる前記遊技回数よりも、多く設定され、
    前記カウント手段は、
    各々の前記サブモードにおいて、予め定めた条件の成立を契機として、前記所定の入賞役に内部当選した当選回数をカウントし、
    前記遊技モード制御手段は、
    各々の前記サブモードにおいて、終了条件となる前記遊技回数が消化された場合は、当該サブモードから前記放出モードへ移行し、当該放出モードの次の遊技モードとして、前記移行順位に従って、前記放出モードへの移行前の前記サブモードよりも下位の前記サブモードを選択し、
    各々の前記サブモードにおいて、前記カウント手段によりカウントされた前記当選回数が所定値に達した場合は、各々の前記サブモードから前記放出モードへ移行可能とし、当該放出モードの次の遊技モードとして、前記放出モードへの移行前の前記サブモードよりも上位の前記サブモードを選択することを特徴とする遊技台。
  2. 前記他のサブモードの終了条件となる前記遊技回数は、前記最下位のサブモードの終了条件となる前記遊技回数の1/5以内であることを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
  3. 複数の前記サブモードの少なくとも一部の終了条件となる前記遊技回数は、抽選により決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技台。
  4. 記所定値が、各々の前記サブモードについて個別に設定され、
    前記遊技モード制御手段は、
    々の前記サブモードにおいて、前記カウント手段によりカウントされた前記当選回数が所定値に達した場合は、各々の前記サブモードから前記放出モードへ移行可能とし、当該放出モードの次の遊技モードとして、前記放出モードへの移行前の前記サブモードよりも、前記所定値に応じた上位の前記サブモードを選択することを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
  5. 前記所定値が抽選により決定されることを特徴とする請求項に記載の遊技台。
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