JP4371448B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の面画像を重畳することにより1つの画像を形成する画像形成装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来カラー画像データを印刷するカラー画像形成装置として、レーザービームプリンタ(LBP)が知られている。このLBPはレーザ照射光を回転多面鏡(ポリゴンミラー)で反射させることで感光体上を走査し、画像の1ラインに相当する潜像を感光体上に順次形成し、複数ライン分の潜像(1画面分の潜像)に例えばマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)等の何れか1つの現像剤(トナー)を付着させることにより1色分の面画像を形成するものである。感光体上に形成された1色分の面画像は転写ドラム上に固定された用紙上に転写される。これで1色分の印刷が完了する。続いて残りの3色分の印刷処理を最初から順次行うことにより、4色で表現されるカラー画像を印刷することが可能となる。
【0003】
また、感光体上に形成された各色の面画像を、一旦中間転写体上に4色分重畳してから、この中間転写体上のカラー画像を一括して用紙に転写する印刷方式もある。
【0004】
これらの装置は、複数の面画像を副走査方向に駆動しながら順次重畳している。具体的に説明すると、感光体、転写体、中間転写体は主走査方向に直交する方向(副走査方向)に一定速度で駆動されている。前段の感光体から後段の転写体、中間転写体に各面画像が重畳される際には、転写体或は中間転写体が1回転する毎に発生する副走査開始信号に同期して感光体上の面画像を後段の転写体、中間転写体に順次転写する。これにより、各面画像の位置ずれを少なくすることができる。
【0005】
一方、感光体上で形成された1色分の面画像を後段に転写することなく、更に、この感光体上に潜像を形成し、1色分の面画像を形成する様にすることで、4色分の面画像を感光体上に形成することも可能である。この場合には、感光体上に既に形成されたカラー画像を後段の転写体(用紙)へ一括して転写される。
【0006】
上述した各種のカラー画像形成技術において、最終的に印刷されるカラー画像の画質を良好にするためには、カラー原稿画像を各色毎に複数回読み取る際に、各色の面画像ができるだけ少ない位置ずれ量で読み取られ、更に、各色の面画像ができるだけ少ない位置ずれ量で重畳されることが望ましい。
【0007】
そして、従来より各色の面画像を読み取る際の位置ずれ量を少なくするために、レーザービームで感光体上を走査をするためレーザービームを反射させる回転多面鏡(ポリゴンミラー)を回転駆動すると共に主走査同期制御の基準となる主走査開始信号(BD信号)を発生するスキャナモータと、感光体である感光ドラムを回転駆動すると共に副走査同期制御の基準となる副走査開始信号(ITOP信号)を発生するドラムモータとの夫々の回転精度を上げると共に、カラー原稿を読み取る原稿読取装置における原稿読み取り用のラインセンサによる読み取り走査を駆動する光学モータと、前記ドラムモータとを同速度に制御する方法がとられていた。
【0008】
図16は、従来のカラー画像形成装置におけるスキャナモータ、ドラムモータの駆動系の一構成例を示した図である。
【0009】
図16において、105は感光ドラムであり、駆動ベルト116を介して回転駆動モータ115によって回転駆動されている。転写ドラム108は感光ドラムに当接し、感光ドラム105に従動して回転している。109は転写紙であり転写ドラム上の所定の位置に吸着され感光ドラム上に潜像形成されたトナー像が転写される。110はITOPセンサであり、フラグ111で遮光されることにより転写ドラム108つまり感光ドラム105の回転位置に同期したITOP信号を発生する。
【0010】
一方、106はスキャナモータであり、発振器112から出力されるクロックを分周回路113により分周することにより与えられる基準クロックをもとに、PLL回路114により定速回転制御され、ポリゴンミラー103を回転駆動し、レーザ102より照射されるレーザビームをレンズ104を介して感光体105の面上にライン走査している。
【0011】
そして、前記発振器112から出力されるクロックを分周回路119により分周することにより与えられるクロックを、感光ドラム105を回転駆動する回転駆動モータ115の定速制御を行うPLL回路118の基準クロックとして使用することで、スキャナモータ106と回転駆動モータ115の回転を発振器112及び分周回路113,119の精度により合わせている。
【0012】
この構成により感光ドラムとポリゴンミラーは夫々決められた定速度で回転するように制御されるため、感光ドラムの回転に同期したITOP信号とポリゴンミラーの回転に同期したBD信号は夫々所定の周期で発生されることになり、ITOP信号をもとに原稿読取装置のラインセンサによる読み取り走査を駆動する光学モータの開始タイミングやラインセンサの読み取り開始タイミングと感光ドラムに対する各色の面画像の書き込みタイミングとを制御することにより、各色の面画像の読み取り位置と書き込み位置とを合わせている。
【0013】
以下、上記図16に示した従来の構成の動作について、図17及び図18を用いて説明する。
【0014】
図17は、1色目〜4色目のITOP信号、1色目及び2色目のITOP信号、BD信号、光学モータのスタートタイミング、ラインセンサ読み取り開始信号及びレーザ書き込み開始信号の関係を示した図である。
【0015】
図17において、主走査開始信号であるBD信号は、スキャナモータの回転に同期して周期Tで発生している。ここで感光ドラムの回転位置を示す信号であるITOP信号は、BD信号とは非同期の関係にあり、BD周期内の任意のタイミングで発生する(すなわち、図17は、BD周期の中間のタイミングでITOP信号の立ち下がりが発生する場合を示している。)。このITOP信号がハイ(H)レベルからロー(L)レベルになったタイミングから予め決められた所定時間TS後に光学モータをスタートさせる。ラインセンサのデータの読み込みは、ITOP信号が発生してからn個目のBD信号に同期して開始され、その後、所定の読み取りライン数だけBD信号に同期して1ライン毎に読み取りを行っていく。つまり、BD周期をTとすると、n×T+(T/2)時間後にデータの読み取りが開始される。
【0016】
次に、図18を用いてラインセンサの読み取り動作について説明する。
【0017】
図18において、ラインセンサの光蓄積/転送制御信号はBD信号に同期して、所定時間光蓄積(データ取り込み)した後(制御信号がHレベルの期間)、所定時間で光蓄積したデータを転送部に送る(制御信号がLレベルの期間)。転送部に送られたデータは、次の光蓄積中に転送され、光蓄積とはpライン(p×BD周期)遅れて書き込みデータとして出力される。
【0018】
具体的には、ラインセンサの光蓄積/転送制御信号はBD周期に同期して図の様に光蓄積と転送部への移送を繰り返している。光蓄積/転送制御信号の▲1▼の部分は光蓄積部であり、この時、ラインセンサは、現在ラインセンサで走査中の原稿のデータつまり図中の“読み取りデータ1”を蓄積している。
【0019】
次に、光蓄積/転送制御信号の▲2▼の部分では、▲1▼の部分で読み取ったデータを転送部へ移送する。また、光蓄積/転送制御信号が再度Hレベルになる光蓄積/転送制御信号の▲3▼の部分では、ラインセンサで走査中の原稿のデータつまり図中の“読み取りデータ2”を蓄積すると共に、転送部に移送された“読み取りデータ1”を“書き込みデータ1”として出力する。光蓄積/転送制御信号の▲4▼の部分以降も同様な動作を繰り返し、BD信号に同期して1ラインずつ読み取り、不図示のレーザ駆動部へ出力していく。
【0020】
次に、読み取りデータを記録する際のタイミングを図17を用いて説明する。
【0021】
ラインセンサで読み取られた画像データは、階調補正等の画像処理が適宜行われ、レーザ書き込みデータとして不図示のレーザ駆動部に転送され、ITOP信号からm個目のBD信号に同期して、BD周期に同期した1ライン毎に感光ドラム上に記録される。つまり、ITOP信号が発生してからm×T+(T/2)時間後から感光ドラム上に記録を開始している。これにより第1色目の読み取り書き込み動作としては、ITOP信号発生後、n×T+(T/2)時間後に読み取ったデータをm×T+(T/2)時間後に感光ドラムに書き込んでいる。第2色目以降の読み取り書き込みも同様に行っていく際に、ITOP信号とBD信号とは非同期であるために、ITOP信号とBD信号の発生位相が第1色目とは異なり、例えば、図17に示すように、第2色目は1/4ラインずれたとする。この場合、光学モータは、第1色目と同様にITOP信号が入力されてから実時間TS後にスタートし、ラインセンサの読み取り開始はITOP信号が入力されてからn×T+(T/4)時間後、レーザの書き込み開始はm×T+(T/4)時間後となる。
【0022】
ここで、第1色目と第2色目を重ねた画像を考えると、第1色目はn×T+(T/2)時間後から順次BD信号に同期して読み取られた画像を、m×T+(T/2)時間後から順次BD信号に同期して書き込んで画像を形成し、第2色目はn×T+(T/2)時間後から順次BD信号に同期して読み取られた画像を、m×T+(T/2)時間後から順次BD信号に同期して書き込んで画像形成する。ここで、ラインセンサによる原稿の読み取り走査及び感光ドラムの回転はITOP信号の発生に対して実時間で同速度Vsで動作するため、第1色目と第2色目での原稿の読み取り走査位置と感光ドラムの回転位置はITOP信号の発生からの実時間では同じとなる。しかし、読み取り開始位置及び書き出し位置はBD同期で行われるため、ITOP信号とBD信号の位相が影響し、第1色目と第2色目の読み取り開始位置及び書き出し位置は、それぞれ図19に示すように、それぞれで距離dだけずれることになる。このずれ量はn×T+(T/2)時間とn×T+(T/4)時間の差分のT/4に、ラインセンサの走査速度=感光ドラムの回転周速度=Vsを乗算した距離d(=Vs×T/4)となる。
【0023】
第1色目を基準に考えると、第2色目は第1色目より距離dだけ前から読み取ったデータを第1色目の距離dだけ前から書き出すことになり、読み取ったデータを対応する位置の感光ドラム上に書き込んでいる。
【0024】
第3色目以降のITOP信号とBD信号の位相差が、α×T(α<1)であった場合も同様である。
【0025】
このように、従来のカラー画像形成装置では、ITOP信号を基準にしてラインセンサによる原稿の読み取り走査を開始させるとともに、データの読み取りタイミング及び感光ドラムへの書き込みタイミングをITOP信号を基準としてBD信号と同期をとることにより、各色毎の読み取り位置、書き込み位置を合わせていた。
【0026】
また、更に、ラインセンサによる読み取り位置は、ITOP信号が入力されてから実時間で決定されるのに対し、ラインセンサのデータ蓄積、転送、転送されたデータの画像処理、データ記録等の処理は、ITOP信号が入力されからのライン単位で行われることにより第1色目、第2色目でITOP信号とBD信号の位相が異なる場合には、前述したように各色毎の読み取り時のMTF(Modulation Transform Function)がばらついてしまい、例えば細線の再現性が色毎に変わってしまうことや文字部等のエッジ判定が色毎に変わってしまう可能性があった。
【0027】
以下、上述の現象について詳細に説明する。
【0028】
図20に、細線を含む原稿と第1色目、第2色目のラインセンサのライン読み取り位置の関係を示す。
【0029】
図20は、原稿の一部分を拡大し、第1色目及び第2色目のBD信号と、ITOP信号の位相関係及び各色毎の読み取り開始位置及び読み取りデータを示した図である。ここで用いる原稿は、原稿先端より1画素毎に桝目で区切られ、各桝目の中は各画素の濃度データを示すものとする。なお、実際は、第1色目、第2色目では読み取る色データが異なるため、各画素の濃度データは基本的には異なるが、本例では便宜上、第1色目、第2色目の画素は同じ濃度データを示すものとする。
【0030】
まず、第1色目について説明する。
【0031】
図20に示すように、第1色目のBD信号とITOP信号との位相関係は、ITOP信号の立ち上がりの発生がBD信号の発生周期の中心であり、ITOP信号発生後n個目のBD信号に同期して1ライン毎に原稿の読み取りが行われれるため、図に示すように、第1色目の読み取りデータは、原稿上の桝目と1/2ラインずれて、第1ライン目、第2ライン目と読み取られ、記録されていく。そして、読み取りデータは図示の如く第1ライン目から“50”、“50”、“0”、“0”というようになる。
【0032】
次に第2色目について説明する。
【0033】
図20に示すように、第2色目のBD信号とITOP信号との位相関係は、ITOP信号の立ち上がりの発生がBD信号の発生タイミングとほぼ同じであるため、この位置では第1色目のITOP信号とBD信号の位相に比べて1/2ラインずれていることになる。そして、ITOP信号発生後n個目のBD信号に同期して1ライン毎に原稿の読み取りが行われれるため、図に示すように、第2色目のの読み取りデータは、原稿上の桝目と同じように、第1ライン目、第2ライン目と読み取られ、記録されていく。そして、読み取りデータは図示の如く第1ライン目から“0”、“100”、“0”、“0”というようになる。
【0034】
図21に、第1色目に読み取られた画像データ及びその位置と第2色目に読み取られた画像データ及びその位置とを示し、更に、読み取られたデータに基づいて再現された再現画像と原稿画像との関係を示す。
【0035】
図21に示すように、第2色目に読み取られた画像データは、前記図20に示すようにBD信号とITOP信号との位相が同じであるため、図示のように原稿画像と同じ濃度値の画像データとして読み取られるが、第1色目に読み取られた画像データは、前記20図に示すようにBD信号がITOP信号と1/2ラインずれているため、図示のように濃度値が“100”の原稿画像の画素は、夫々の濃度値が“50”の2画素の画像データとして読み取られることになる。
【0036】
すなわち、実際の原稿においては濃度値が“100”で1画素分の幅を持つ細線は、第1色目では濃度値が“50”に下がった2画素分の幅を持つやや太い線として読み取られ、解像度がやや低下することになるのに対し、第2色目では原稿と同じ細線としてに読み取られることになる。
【0037】
そして、読み取られた第1色目、第2色目の画像データを用いて、画像形成を行う場合には、第1色目の画像と第2色目の画像とを重ねることにより画像を再現するので、これら画像により再現される再現画像としては、上述のように第1色目の画像はややぼけた画像で第2色目の画像がシャープな画像であるといった具合に各色毎に画像の再現性が異なる場合には、実際の原稿画像に比べて画像の細線部分ににじみが生じた画像になってしまう。
【0038】
また、読み取られた第1色目、第2色目の画像データを用いて、エッジ判定等を行う場合には、上述のように第1色目の画像はややぼけた画像で第2色目の画像がシャープな画像であるといった具合に各色毎に画像の再現性が異なる場合には、各色毎にエッジの判定位置が変わってしまうといったこともある。
【0039】
これは、第1色目と第2色目とでBD信号とITOP信号との位相関係が異なるため、読み取られた画像のMTFが各色毎に異なることに起因している。
【0040】
また、従来より各色の面画像を重畳する際の位置ずれ量を少なくするために、感光体である感光ドラムが1回転し副走査開始信号(ITOP信号)が発生される間に、整数個の主走査開始信号(BD信号)が得られるように構成し、感光ドラムの回転を駆動するドラムモータの回転と、レーザビームを走査させる回転多面鏡の回転を駆動するスキャナモータの回転との同期をとる方法が種々考えられている。
【0041】
以下、この方法について詳細に説明する。
【0042】
図22(a)は、感光ドラムが1回転する間に得られる主走査開始信号(BD信号)の数が整数でなく(本例は、n+0.5個)、感光ドラムが2回転し第2色目の第3ラインまでの潜像が形成される様子を示した図で、図示の如く、感光ドラム801が1回転する毎に所定の位置で副走査開始信号(ITOP信号)がITOPセンサ802から発生されるように構成されており、感光ドラムが1回転する毎(つまり、ITOPセンサ802からITOP信号が発生される毎)に、第1色目の第1ラインと第2色目の第1ラインは0.5ライン分のずれを生じることになり、同様に第3色目、第4色目と各色の面画像を重ねる度に各色の面画像におけるラインの位置は0.5ライン分ずれてしまうことになる。
【0043】
これに対し、図22(b)は、感光ドラムが1回転する間に得られる主走査開始信号(BD信号)の数が整数であり(本例は、n個)、感光ドラムが2回転し第2色目の第3ラインまでの潜像が形成される様子を示した図で、図示の如く、感光ドラム801が何回転としても、各色の面画像における各ラインの位置(例えば、第1色目の第1ラインと第2色目の第1ラインの位置)は理論上完全に一致することになる。
【0044】
そして、ドラムモータの回転とスキャナモータの回転との同期をとる具体的な構成として、例えば、ドラムモータの回転を制御する際に使用する基準クロックをBD信号を分周した信号にする構成や、ドラムモータの回転を制御する際に使用する基準クロックとスキャナモータの回転を制御する際に使用する基準クロックとを共通の発振器より発生されるクロックから生成する構成がある。
【0045】
まず、ドラムモータの回転を制御する際に使用する基準クロックをBD信号を分周した信号にする構成例を図23に示す。
【0046】
図23において、901は感光ドラムで、駆動ベルト908を介してドラムモータ907によって回転駆動されている。
【0047】
一方、902はスキャナモータで、該スキャナモータ902は発振器911より発生される基準クロックCLKに基づいてPLL(Phase Locked Loop)回路910によりポリゴンミラー903を定速で回転させるように制御されている。
【0048】
そして、不図示の原稿読取装置より供給される画像データに基づいて、レーザ904より照射されるレーザビームは、ポリゴンミラー903の各面(8面)において反射され、レンズ905を介して感光ドラム901上に潜像を形成するように構成することにより、ポリゴンミラー903が1回転すると8ライン分の潜像が前記感光ドラム901上に形成されることになる。
【0049】
ところで、感光ドラム901上の画像形成領域外の部分には、ビームディテクトセンサ906が配置されており、該ビームディテクトセンサ906はレーザの照射を検知し、レーザが1ライン走査される毎に主走査開始信号(BD信号)を発生する。すなわち、前記ビームディテクトセンサ906からは、前記ポリゴンミラー903が1回転する間に8個のBD信号が発生され、発生されたBD信号は、ドラムモータ907を定速回転させているPLL回路909の基準クロックとして供給されており、この構成により、スキャナモータ902の回転とドラムモータ907の回転との同期がとられている。
【0050】
次に、ドラムモータの回転を制御する際に使用する基準クロックとスキャナモータの回転を制御する際に使用する基準クロックとを共通の発振器より発生されるクロックから生成する構成例を図24に示す。
【0051】
図24において、1001は感光ドラムで、駆動ベルト1008を介してドラムモータ1007によって回転駆動されており、該ドラムモータ1007は発振器1011より発生される基準クロックに基づいてPLL回路1009によって前記感光ドラム1001を定速で回転させるように制御されている。
【0052】
一方、1002はスキャナモータで、該スキャナモータ1002の回転を制御しているPLL回路910には、前記発振器1011より発生される基準クロックが供給されており、該PLL回路910は前記発振器1011から供給される基準クロックに従ってポリゴンミラー1003を定速で回転させるように前記スキャナモータ1002の回転を制御している。
【0053】
そして、不図示の原稿読取装置より供給される画像データに基づいて、レーザ1004より照射されるレーザビームは、上述のようにして回転が制御されているスキャナモータ1002により定速で回転されているポリゴンミラー1003の各面において反射され、レンズ1005を介して感光ドラム1001上に潜像を形成するように構成されている。
【0054】
以上のように、スキャナモータ1002の回転を制御しているPLL回路910とドラムモータ1001の回転を制御しているPLL回路1009の両方の基準クロックを同一発振器より発生されるクロックから生成するように構成することにより、スキャナモータ1002の回転とドラムモータ1001の回転の同期がとられている。
【0055】
上述のように、感光ドラムが1回転し副走査開始信号(ITOP信号)が発生される間に、整数個の主走査開始信号(BD信号)が得られるように構成されたカラー画像形成装置において、上述の何れかの構成を用いてスキャナモータの回転とドラムモータの回転との同期をとることにより、各色の面画像を感光体である感光ドラム上に位置がずれることなく重畳することができ、質の良いカラー画像を形成することができるものである。
【0056】
ところで、各色の面画像を重畳する際の位置ずれ量を制御する方法としては、上述の方法に限らず、感光体である感光ドラムが1回転し副走査開始信号(ITOP信号)が発生される間に得られる主走査開始信号(BD信号)の数が整数ではなくても良い方法もあり、以下その方法の具体的な構成例について詳細に説明する。
【0057】
図25は、従来のカラー画像形成装置におけるスキャナモータ、ドラムモータの駆動系の一構成例を示した図である。
【0058】
図25において、1101は感光ドラムで、駆動ベルト1108を介してドラムモータ1107によって回転駆動されており、該ドラムモータ1107は発振器1114より発生される基準クロックに基づいてPLL回路1109によって前記感光ドラム1101を定速で回転させるように制御されている。
【0059】
そして、ITOPセンサ1115は、感光ドラム1101が1回転する毎にセンサフラグ1116で遮光されることによりITOP信号を発生しており、発生されたITOP信号を基準として感光ドラム1101上の各色の面画像における1ライン目の書き出し位置を決定している。
【0060】
一方、1102はスキャナモータで、該スキャナモータ1102は、位相合わせ回路1112により発振器1113より発生される基準クロックの位相を前記ITOPセンサ1115より発生されるITOP信号の位相と合わせるように位相同期をとり、該位相合わせ回路1112から出力される前記ITOP信号と位相同期がとられた基準クロックにしたがってPLL回路1110により定速で回転させるように制御されている。
【0061】
そして、位相合わせ回路1112によってITOP信号の位相とスキャナモータ1102の回転を制御する基準クロックの位相とを合わせることにより、ITOP信号が発生される度にスキャナモータ1102の回転位相が常に同じなるように同期がとられるため、該スキャナモータ1102により回転駆動されるポリゴンミラー1103がITOP信号に同期して回転するように制御され、レーザ1104より照射されるレーザビームをレンズ1105を介して感光体1101の面上にライン走査することにより、各色の面画像におけるレーザビームの走査開始タイミングとITOP信号の発生タイミングとを一致させている。
【0062】
図26は、感光ドラム上の主走査ラインと副走査開始信号(ITOP信号)の発生タイミングとの関係を図示したものである。
【0063】
図26に示すように、例えば、感光ドラム1601が1回転する毎に、n+0.5ラインの主走査が行われ、ITOPセンサ1602からは感光ドラム1601が1回転する毎に所定のタイミングでITOP信号が発生される構成になっており、この構成では、感光ドラムが1回転する間にn+0.5ラインの主走査が行われるため、そのままの状態では、感光ドラムの1回転目(第1色目)の第1ラインと2回転目(第2色目)の第1ラインとは0.5ライン分ずれを生じることになるが、上記図25に示した構成においては、位相合わせ回路1112により、スキャナモータ1102の回転位相を制御する基準となる基準クロックの位相をITOP信号の位相と合わせ、位相合わせが行われた基準クロックにしたがってスキャナモータ1102の回転位相を制御ようにしたことにより、図26に示すように、感光ドラムの各回転毎に第1ラインの走査が開始されるタイミングを合わせることができ、感光ドラムが何回転しても該感光ドラム上において各色の面画像の主走査ラインがずれないように、各色の面画像を重畳することができるようになる。
【0064】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、感光ドラムやポリゴンミラーの回転は、ドラムモータやスキャナモータ等の負荷変動やギア等の機械的な駆動伝達系のバックラッシュ等の影響により若干の変動を生じる。そして、感光ドラムやポリゴンミラーの回転の変動に起因して主走査開始信号(BD信号)と副走査開始信号(ITOP信号)の位相関係に変動が生じると、前述の如く、原稿から各色毎に読み取られる画像のMTFにばらつきが発生し、更に、感光ドラム上に各色の面画像を形成する際には、該変動分が各色毎に感光ドラム上に形成された面画像の位置ずれとなって現れ、各色の面画像を重畳することにより形成される画像における画質の劣化やエッジ判定時における誤判定を引き起こす原因となっていた。
【0065】
上述の主走査開始信号(BD信号)と副走査開始信号(ITOP信号)の位相関係の変動は、ドラムモータやスキャナモータ等の負荷変動を最小に抑えたり、ギア等の機械的な駆動伝達系の精度を向上させたりすることにより、1ライン期間以下に抑え込むことが可能であるが、例えば、図27に示すように、感光ドラム上に各色の面画像を形成する際におけるITOP信号の発生タイミングが、当該色の面画像の形成期間における第1のBD信号の発生タイミングの前後であった場合には、ITOP信号の発生タイミングと第1のBD信号の発生タイミングとのずれは、1ライン期間以下であるものの、各色の面画像を重ねることにより形成されるカラー画像上においては1ライン分の位置ずれとなってしまう。
【0066】
図27は、上述のように、感光ドラムの1回転目において該感光ドラム上に形成される第1色目の面画像の第1ラインの走査開始タイミング(すなわち、BD信号の発生タイミング)の直前にITOP信号が発生し、感光ドラムの2回転目において該感光ドラム上に形成される第2色目の面画像の第1ラインの走査開始タイミングの直後にITOP信号が発生した場合を示した図である。
【0067】
図27に示すように、感光ドラム1201が回転し、不図示のITOPセンサがセンサフラグ1202で遮光されることにより、該ITOPセンサからはITOP信号が発生される。そして、感光ドラムの1回転目においては、ITOP信号は第1色目の面画像の第1ラインの走査開始タイミングを示すBD信号▲1▼より少し前に発生するため、該ITOP信号が発生した後に最初に発生するBD信号(すなわち、この場合はBD信号▲1▼)に同期して第1ラインの走査を開始し、BD信号▲2▼に同期して第2ラインの走査を開始し・・・という具合に感光ドラム上をレーザビームにより走査し、第1色目の面画像を形成するが、感光ドラムの2回転目においては、ITOP信号は第2色目の面画像の第1ラインの走査開始タイミングを示すBD信号▲1▼より少し後に発生するため、該ITOP信号が発生した後に最初に発生するBD信号(すなわち、この場合はBD信号▲1▼ではなくBD信号▲2▼)に同期して第1ラインの走査を開始し、BD信号▲3▼に同期して第2ラインの走査を開始し・・・という具合に感光ドラム上をレーザビームにより走査し、第2色目の面画像を形成するので、感光ドラムの1回転目と2回転目とでは、原稿の読み取り位置及び感光ドラムへの書き込み位置に1ライン分のずれが生じてしまうことになる。
【0068】
本発明は、上述の問題を解決するために、像担持体や回転多面鏡の回転の変動に起因して、主走査開始信号と副走査開始信号の位相関係が微少に変動しても、主走査開始信号と副走査開始信号の位相関係に実際の変動以上のずれが生じることを防止することができ、原稿の読み取り時における各読み取り画像毎のMTFの差の発生を抑制し、画像の重畳ずれやエッジ誤判定による画質の劣化のない高品位な画像を形成する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0069】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明の画像形成装置は、複数の面画像を重畳することにより1つの画像を形成する画像形成装置であって、原稿をラインセンサで複数回読取走査し、各読取走査毎に原稿画像データを出力する原稿読取手段と、前記原稿読取手段より出力される原稿画像データに基づいて、光ビームを発生する光ビーム発生手段と、像担持体を回転駆動させる像担持体駆動手段と、回転しながら前記光ビーム発生手段より発生される光ビームを反射することにより、前記像担持体駆動手段により回転する像担持体上を走査する回転多面鏡と、前記回転多面鏡の回転に応じて主走査開始信号を発生する主走査開始信号発生手段と、前記像担持体の回転に応じて副走査開始信号を発生する副走査開始信号発生手段と、発生タイミングが前記主走査開始信号の発生周期の中心となるように前記副走査開始信号を遅延させる遅延手段と、前記主走査開始信号発生手段より発生される前記主走査開始信号及び前記遅延手段によって遅延された前記副走査開始信号に従って、前記原稿読取手段における前記ラインセンサによる原稿の読取走査と、前記回転多面鏡による前記像担持体上への光ビーム走査とを制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0072】
(作用)
上述の構成により、像担持体や回転多面鏡の回転の変動に起因して、主走査開始信号と副走査開始信号の位相関係が微少に変動しても、主走査開始信号と副走査開始信号の位相関係に実際の変動以上のずれが生じることを防止することができ、原稿の読み取り時における各読み取り画像毎のMTFの差の発生を抑制し、画像の重畳ずれやエッジ誤判定による画質の劣化のない高品位な画像を形成することができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を本発明の実施の形態に基いて説明する。
【0074】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の実施の形態であるカラー画像形成装置の構成を示した図で、図1において201は原稿の読み取りを行うイメージスキャナ部で、200はイメージスキャナ部201において読み取られた原稿に対応した画像データや不図示のコンピュータ等の外部装置から送られて来る画像データに対応した画像を記録用紙にフルカラーでプリント出力するプリンタ部である。
【0075】
イメージスキャナ部201において、202は原稿圧板で、原稿台ガラス203上の原稿204を原稿ガラス203上に押圧する。205はハロゲンランプで、原稿台ガラス203上の原稿204に光を照射する。
【0076】
210は3ラインセンサ(以下、CCD(Charge Coupled Device)と称す)で、レッド(R)センサ210−1、グリーン(G)センサ210−2、ブルー(B)センサ210−3で構成され、該原稿204からの反射光をミラー206、207、遠赤外カットフィルタ231を備えるレンズ208を介してCCDに結像される光情報を色分解して、フルカラー情報のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)成分を読み取る。209は信号処理部で、R、G、Bセンサ210−1〜210−3により読み取られたR、G、B信号を電気的に処理し、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の各成分に分解し、プリンタ部200に送る。
【0077】
211は標準白色板で、R、G、Bセンサ210−1〜210−3により標準白色板211の反射光を読み取り、データの補正データを発生する。この標準白色板211は、可視光から赤外光に対してほぼ均一の反射特性を示し、可視では白色を有している。この標準白色板を用いてR、G、Bセンサ210−1〜210−3の可視センサの出力データの補正を行う。また、230は光センサで、フラグ板229と共に画像先端信号VTOPを作り出す。
【0078】
プリンタ部200において、101は画像書き出しタイミング制御回路で、イメージスキャナ部201や不図示のコンピュータ等の外部装置より入力されるマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の画像信号に基いて半導体レーザ102を変調駆動する。103はポリゴンミラーで、ポリゴンモータ106により回転駆動され、半導体レーザ102から照射されるレーザ光を反射し、f−θレンズ104、折り返しミラー216を介して、感光ドラム105上を走査する。
【0079】
感光ドラム105は、ポリゴンミラー106によるレーザ走査により感光ドラム105上に形成される静電潜像を保持する。107はBDセンサで、レーザ光の1ラインの走査開始位置近傍に設けられ、レーザ光のライン走査を検出し、同一周期の各ラインの走査開始信号(BD信号)を作り出す。
【0080】
219はマゼンダ(M)現像器、220はシアン(C)現像器、221はイエロー(Y)現像器、222はブラック(BK)現像器であり、それぞれ感光ドラム105上の静電潜像を現像し、トナー画像を形成する。108は転写ドラムで、用紙カセット224又は225より給送される記録用紙107を吸着搬送し、感光ドラム105に形成されたトナー像を記録用紙109に転写する。
【0081】
110はセンサで、転写ドラム108内に備えられ、転写ドラム108の回転により転写ドラム108内に固定されたフラグ111の通過を検知して、各色毎のITOP信号(転写ドラム108上に吸着される記録用紙の先端位置を表わす)を生成する。226は定着ユニットで、転写ドラム108により記録用紙上に転写されたトナー像を定着する。
【0082】
以下、各部の動作について説明する。
【0083】
原稿台ガラス203上の原稿204は、ハロゲンランプ205の光で照射され、原稿204からの反射光はミラー206、207に導かれ、レンズ208によりCCD210上に像を結ぶ。次に、CCD210は原稿204からの光情報を色分解して、フルカラー情報レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)成分を読み取り、信号処理部209に送る。なお、ハロゲンランプ205、ミラー206は速度Vで、ミラー207は速度V/2でラインセンサの電気的走査方向(以下、主走査方向と称す)に対して垂直方向(以下、副走査方向と称す)に機械的に動くことにより、原稿全面を走査する。
【0084】
また、標準白色版211を用いてR、G、Bセンサ210−1〜210−3の可視センサによる出力データの補正を行う。更に、光センサ230は、フラグ板229と共に画像先端信号VTOPを作り出す。信号処理部209では読み取られたR、G、B信号を電気的に処理し、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の各成分に分解し、プリンタ部200に送る。
【0085】
なお、イメージスキャナ部201における1回の原稿走査(スキャン)につき、M、C、Y、BKの内の何れか1つの成分のデータがプリンタ部200に送られ、計4回のスキャンにより1つのフルカラー画像のプリントが行われることになる。
【0086】
また、イメージスキャナ部201や不図示のコンピュータ等の外部装置より送られてくる画像信号が、画像書き出しタイミング制御回路101に送られる。画像書き出しタイミング制御回路101はマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の画像信号に応じ、半導体レーザ102を変調駆動する。半導体レーザ102より照射されるレーザ光は回転するポリゴンミラー103に反射され、f−θレンズ104によってfθ補正され、折り返しミラー216を反射して、感光ドラム105上を走査し、感光ドラム105上に静電潜像を形成する。
【0087】
更に、感光ドラム105が4回転する間に4つの現像器219〜222が交互に感光ドラム105に接し、感光ドラム105上に形成されたM、C、Y、BKの静電潜像に対応するトナーで現像する。用紙カセット224又は225より給紙された記録用紙109は転写ドラム108に巻き付けられ、現像器で現像されたトナー像のM、C、Y、BKの4色が順次転写された後に、記録用紙は定着ユニット226を通過して排紙される。
【0088】
図2は、図1に示したカラー画像形成装置のイメージスキャナ部201及びプリンタ部200の構成を説明する図である。なお、図2において図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0089】
図2において、112は発振器で、所定の周波数のクロックを出力する。113は分周回路で、発振器112から出力されるクロックを所定の分周比で分周してポリゴンモータ駆動用パルス(基準CLK−P)を発信する。114はPLL回路で、ポリゴンモータ106の回転に伴って出力されるモータFGパルスと基準CLK−Pの位相が合うように、FGパルスと基準CLK−Pの位相差及び周波数偏差を検出し、それらを比較してポリゴンモータ106への駆動電圧を制御するPLL制御を行う。
【0090】
121は発振器で、所定の周波数のクロックを出力する。120はレーザ点灯信号生成回路で、発振器121からのクロックを入力し、レーザ点灯信号を出力する。117はORゲートで、画像書き出しタイミング制御回路101からの画像信号又はレーザ点灯信号生成回路120からのレーザ点灯信号を半導体レーザ102に出力し、半導体レーザ102を変調駆動する。
【0091】
119は分周回路で、BDセンサ107からのBD信号を所定の分周比で分周して感光ドラムモータ駆動用パルス(基準CLK)を発信する。118はPLL回路で、感光ドラムモータ115の回転に伴って出力されるモータFGパルスと基準CLKの位相が合うように、FGパルスと基準CLKの位相差及び周波数偏差を検出し、それらを比較して感光ドラムモータ115への駆動電圧を制御するPLL制御を行う。
【0092】
126は位相調整回路で、不図示のコントローラの指示にしたがってセンサ110から出力されるITOP信号の位相をBDセンサ107から出力されるBD信号の位相に合うように調整し、位相が調整されたITOP信号を画像書き出しタイミング制御回路101、光学モータ駆動制御回路122及びCCDセンサ駆動制御回路124に出力する。なお、該位相調整回路126におけるITOP信号とBD信号との位相調整に関しての説明は後述する。
【0093】
122は光学モータ駆動制御回路で、不図示のベルトを介して図1のハロゲンランプ205、ミラー206、207等を含む光学系を駆動する光学モータ123を駆動することにより原稿の走査の開始を制御している。
【0094】
124はCCD210の駆動の開始を制御するCCD駆動制御回路である。
【0095】
図3は図1及び図2に示した構成の動作を説明するためのタイミングチャートで、以下、図3を用いて図1及び図2に示した構成の各部の動作について説明する。
【0096】
図1で示したイメージスキャナ部201又は不図示のコンピュータ等の外部装置より転送される画像信号が、画像書き出しタイミング制御回路101に送られ、画像書き出しタイミング制御回路101はORゲート117を通してマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の画像信号に応じ、半導体レーザ102を変調駆動する。レーザ光は回転するポリゴンミラー103に反射され、f−θレンズ104によってfθ補正され、折り返しミラー216(図1に示した)を反射して、感光ドラム105上を走査し、感光ドラム105上に静電潜像を形成する。
【0097】
ポリゴンモータ106は、発振器112のクロックを分周回路113で分周して生成されるポリゴンモータ駆動用パルス(基準CLK−P)がPLL回路114に送られてくることで回転駆動する。PLL回路114は、ポリゴンモータ106からのモータFGパルスと基準CLK-Pの位相が合うように、FGパルスと基準CLK−Pの位相差及び周波数偏差を検出し、それらを比較してポリゴンモータ106への駆動電圧を制御するPLL制御を行う。
【0098】
レーザ光の1ラインの走査開始位置近傍に設けられたBDセンサ107は、レーザ光のライン走査を検出し、後述する図3に示すような同一周期の各ラインの走査開始信号(BD信号)を生成する。
【0099】
また、転写ドラム108内のセンサ110が、転写ドラム108の回転により転写ドラム108内に固定されたフラグ111を検知して後述する図3に示すような各色毎のITOP信号(転写ドラム108上の記録用紙109の先端位置を表わす信号)を生成する。
【0100】
更に、感光ドラムモータ115は、BDセンサ107からのBD信号を分周回路119で分周したモータ駆動用パルス(基準CLK)がPLL回路118に送られることで回転駆動される。
【0101】
PLL回路118は、感光ドラムモータ115からのモータFGパルスと基準CLKの位相が合うように、FGパルスと基準CLKの位相差及び周波数偏差を検出し、それらを比較して感光ドラムモータ115への駆動電圧を制御するPLL制御を行う。そして、感光ドラム105は感光ドラム駆動モータ115によってギアベルト116を介して矢印の方向に回転駆動され、転写ドラム108は感光ドラム105と不図示のギアを介しているため感光ドラム105と同期して等速で矢印(副走査)方向に回転駆動する。
【0102】
ところで、BDセンサ107からのBD信号と位相調整回路126からのITOP信号は、画像書き出しタイミング制御回路101に入力され、例えば以下のようなタイミングで画像信号を半導体レーザ102に送り出す。すなわち、画像書き出しタイミング制御回路101は、位相調整回路126からのITOP信号の立ち下がりを検知してからBDセンサ107からのn個目のBD信号の立ち上がりに同期して、図3に示すようにレーザの書き込みを開始させ、イメージスキャナ部201又は不図示のコンピュータ等の外部装置より転送される画像信号をレーザ変調光として感光ドラム105上に照射させる。
【0103】
一方、位相調整回路126から出力されるITOP信号は光学モータ駆動制御回路122に入力され、該光学モータ駆動制御回路122は図3に示すように位相調整回路126から出力されるITOP信号が入力されてからTS時間後に光学モータ123の駆動を開始する。これにより光学モータ123は不図示のベルトを介してハロゲンランプ205、ミラー206、207等を含む光学系の駆動を行い原稿の走査を開始する。
【0104】
また、位相調整回路126から出力されるITOP信号とBDセンサ107から出力されるBD信号とはCCD駆動制御回路124に入力され、該CCD駆動制御回路124は図3に示すように位相調整回路126から出力されるITOP信号が入力されてからm個目のBD信号の立ち上がりに同期してCCD210の駆動を開始する。そして、CCD210は光学系によって導かれ結像された原稿画像を光電変換し、形成された画像信号を画像書き出しタイミング制御回路101に出力する。
【0105】
以上の動作により、図3に示すように、ITOP信号の立ち下がりが検知されてからTS時間後からハロゲンランプ205、ミラー206、207等を含む光学系の駆動を開始し、ITOP信号の立ち下がりが検知されてからm個目のBD信号の立ち上がりに同期してCCD210により光学系により走査された原稿画像をライン単位で光電変換し、形成された画像信号を画像書き出しタイミング制御回路101に転送し、ITOP信号の立ち下がりが検知されてからn個目のBD信号の立ち上がりに同期して画像書き出しタイミング制御回路101によりイメージスキャナ部201より転送される画像信号をレーザ変調光として感光ドラム105上に照射するといったシーケンスで、光学系の駆動、原稿の読み取り、レーザによる感光ドラムへの画像の書き込みが行われることになる。
【0106】
ところで、本発明では、感光ドラムが回転する毎に、レーザが常に同じ位置を走査するように、感光ドラムが1回転する間に発生するBD信号が、ちょうど整数個出力されるような構成としている。
【0107】
例えば、本実施の形態では、プロセススピードと画像の解像度とから決まる感光ドラムが1回転する間に発生されるBD信号の数を8192個とし、感光ドラムを1回転させるために感光ドラムモータが64回転するようなギア比が設定され、更に、該感光ドラムモータは1回転当たりに発生するFGパルスの数を32個とすると、該感光ドラムモータを1回転させるのに必要な基準クロックのパルス数は32個であるので、感光ドラムを1回転させのに必要な基準クロックのパルス数は2048個(=64回転×32個)となる。
【0108】
そして、図2において、BDセンサ107から発生されるBD信号を分周回路119で1/4に分周した信号を感光ドラムモータ115の基準CLKとしてPLL回路118に供給するようにすることで、BD信号が8192個発生されると感光ドラム105がちょうど1回転するように制御されることになる。なお、上記ギア比は自然数になるように構成されているが、これは感光ドラム105が1回転する間に感光ドラムモータ115及び不図示の減速ギアを整数回転させることにより、該感光ドラムモータ115のモータ軸及び減速ギアの編心の影響が感光ドラム105の各回転毎に常に同じになるようにし、これら感光ドラムモータ115のモータ軸及び減速ギアの偏心の影響による感光ドラムの回転とBD信号の発生との位相のずれを零にするためのものである。
【0109】
以上の構成により、感光ドラムの1回転目の第1主走査開始信号(第1BD信号)に同期して該感光ドラム上に形成されるレーザ光による走査線と、2回転目の第1主走査開始信号に同期して該感光ドラム上に形成されるレーザ光による走査線とは重なるため、感光ドラムが回転する毎に形成される走査線の位置はずれずに重なるようになる。
【0110】
以下、本実施の形態としてのカラー画像形成装置の位相調整回路におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作について説明する。
【0111】
本実施の形態における位相調整回路126の具体的な構成例を図4に示し、該回路の動作タイミングチャートを図5に示し、該回路の動作フローチャートを図6に示し、各図を用いてITOP信号とBD信号との位相調整動作の一例について説明する。
【0112】
図4において、立ち上りエッジ検出回路1301は、転写ドラム108内に備えられたセンサ110から供給されるITOP信号の立ち上りを検出する。一方、アップカウンタ1302はBDセンサ107から供給されるBD信号が入力される毎にカウント値が“0”にクリアされるフリーランカウンタで、該アップカウンタ1302のカウント値がBD信号の発生周期となる。また、ラッチ回路1303は立ち上りエッジ検出回路1301の出力のタイミングでアップカウンタ1302から出力されるカウント値をラッチし、ラッチされたカウント値を示すカウントデータは、BD信号の発生周期内においてITOP信号の立ち上りが検出されるまでの時間を示すデータ(すなわち、ITOP信号の立ち上りタイミングとBD信号との位相差を示すデータ)として次段の引き算回路1308に供給される。
【0113】
ところで、ラッチ回路1303のラッチイネーブル端子LEには、立ち上りエッジ検出回路1301の出力と不図示のコントローラ(CPU)により設定されるラッチイネーブル信号とが供給されるANDゲート1305からの出力が供給されており、該ラッチイネーブル信号がLレベルの期間中は、ITOP信号の立ち上りエッジが検出されても前記アップカウンタ1302におけるカウント値をラッチしないように構成されている。
【0114】
そして、ラッチ回路1303によりラッチされたカウントデータは、引き算回路1308に入力され、該引き算回路1308では不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その1.5倍の3T/2を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生周期の中心までの遅延量を示すデータとして算出され、算出されたデータは、次段のダウンカウンタ1312のデータ端子Dに入力される。例えば、図5に示すように、BD信号の発生周期のカウント値Tを“100”とし、アップカウンタ1302におけるカウント値が“80”の時に立ち上りエッジ検出回路1301においてITOP信号の立ち上りエッジが検出されたとすると、“70”(=3T/2−80)カウント分だけITOP信号を遅らせることにより、BD信号の発生周期の中心でITOP信号が発生するように調整することができる。
【0115】
一方、ダウンカウンタ1312のロード端子Lには、前記立ち上りエッジ検出回路1301の出力が基準クロックCLKとのタイミングがフリップフロップ1307によって合わせられて供給されており、該ダウンカウンタ1312は該フリップフロップ1307の出力のタイミングで前記引き算回路1308からのデータをロードし、ロードされたデータが示すカウント値から基準クロックCLKに同期したカウントダウンを開始し、カウント値が“0”になったタイミングで出力端子RCから次段のJKフリップフロップ1313にカウント終了信号を出力する。なお、ダウンカウンタ1312によってカウントダウンが行われている時間が、後述するITOP信号とBD信号との位相を調整するためのITOP信号の遅延時間となる。
【0116】
JKフリップフロップ1313は基準クロックCLKに同期して動作し、前記フリップフロップ1307の出力のタイミング(すなわち、ITOP信号の立ち上り)でリセットされ、出力端子Qより出力されるITOPDLY信号をLレベルとし、ダウンカウンタ1312の出力タイミングでセットされるまでLレベルの状態を保持する。つまりITOP信号の立ち上りから遅延時間が経過するまでの間、ITOPDLY信号はLレベルに保持されることになる。
【0117】
そして、JKフリップフロップ1313から出力されるITOPDLY信号と、BD信号との位相調整のため3CLK遅延回路1306により所定時間(本実施の形態では、基準クロックCLKの3クロック分)遅延されたITOP信号とをANDゲート1314を介して出力することにより、BD信号の発生周期の中心にITOP信号が発生されるように調整することができる。
【0118】
ところで、本実施の形態では、感光ドラムの1回転目には、不図示のCPUによりラッチイネーブル信号をHレベルに設定し、BD信号とITOP信号との位相差を検出し、BD信号の発生周期の中心にITOP信号が発生されるように、ITOP信号を遅延する時間を設定し、感光ドラムの2回転目以降は、該ラッチイネーブル信号をLレベルに設定し、感光ドラムの1回転目に設定されたITOP信号の遅延時間を保持するように構成することにより、感光ドラムの1回転目にBD信号の発生周期の中心でITOP信号が発生されるように調整され、感光ドラムの2回転目以降にはこのITOP信号とBD信号の位相差が保持されるため、ITOP信号とBD信号との位相差の変動は、ドラムモータ115の回転精度等による変動分だけに起因して発生することになる。
【0119】
次に、図6に示す動作のフローチャートを用いて、図4に示した位相調整回路126の動作の流れについて説明する。
【0120】
図6において、カラー画像形成動作のシーケンスが開始されると、不図示のCPUは図2の感光ドラム105の回転が開始されてから、図2のセンサ110から最初に発生されたITOP信号であるかどうかを判定し(図6の15−1)、最初に発生されたITOP信号でない場合には、前記ラッチイネーブル信号をLレベルに設定し、最初に発生されたITOP信号である場合には、前記ラッチイネーブル信号をHレベルに設定する(図6の15−2及び15−3)。
【0121】
そして、ITOP信号の立ち上りエッジが図4の立ち上りエッジ検出回路1301により検出されると(図6の15−4)、ラッチイネーブル信号の状態を判別し(図6の15−5)、ラッチイネーブル信号が不許可状態(すなわち、Lレベル)である場合には、図6の15−8に移行し、ラッチイネーブル信号が許可状態(すなわち、Hレベル)である場合には、BD信号発生周期内においてITOP信号の立ち上りが検出されるまでの時間を示すデータを図4のラッチ回路1303によりラッチさせ(図6の15−6)、図4の減算回路1308において、不図示のCPUによって設定された値(例えば、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとした場合、その1.5倍の3T/2)からラッチされたカウントデータが示すカウント値を減算することにより算出されるデータをITOP信号の遅延量とする(図6の15−7)。
【0122】
そして、図6の15−7において算出されたITOP信号の遅延量を示すデータは、図4のダウンカウンタ1312にロードされ、ロードされた遅延量に基づきITOP信号の遅延処理が行われ、図2の位相調整回路126からは遅延されたITOP信号が出力される(図6の15−8及び15−9)。すなわち、ラッチイネーブル信号が不許可状態である場合には、既に設定されている遅延量に基づいてITOP信号の遅延処理が行われ出力されることになる。
【0123】
なお、上述の動作は、カラー画像形成動作のシーケンスが終了するまで繰り返される(図6の15−10)。
【0124】
以下、図7を用いて本実施の形態におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作の他の例について説明する。
【0125】
図7は、図4に示した位相調整回路126を、感光ドラムの1回転目において最初に発生するBD信号よりも前にITOP信号が発生するような場合でも、該ITOP信号の立ち上りエッジが検出できるように、不図示のCPUによって感光ドラムの1回転目における最初のBD信号の発生タイミングよりも前からラッチイネーブル信号をHレベルに設定するように構成した場合の動作タイミングチャートを示した図である。
【0126】
図7に示すように、カラー画像形成動作シーケンスが開始されると、不図示のCPUにおいては、感光ドラムの1回転目における最初のBD信号の発生タイミングよりも前からラッチイネーブル信号をHレベルに設定されており、該ラッチイネーブル信号がHレベルの期間中にITOP信号の遅延量Aが算出され、位相調整回路126からは、算出されたITOP信号の遅延量Aに基づいて遅延された1回転目のITOP信号が出力される。なお、ITOP信号の遅延量の算出方法については、図5及び6を用いて説明した前述の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0127】
そして、感光ドラムの2回転目に発生するITOP信号は、図7に示すように感光ドラムの2回転目において最初に発生するBD信号よりも少し後に発生するが、この時は不図示のCPUによりラッチイネーブル信号はLレベルに設定されているため、感光ドラムの2回転目におけるITOP信号の遅延量の算出は行われず、位相調整回路126からは、既に算出され保持されているITOP信号の遅延量Aに基づいて遅延された2回転目のITOP信号が出力される。
【0128】
また、感光ドラムのn回転目においても同様に、位相調整回路126からは、1回転目に算出されているITOP信号の遅延量Aに基づいて遅延されたn転目のITOP信号が出力される。
【0129】
以上、説明したように、本実施の形態においては、感光ドラムの各回転において発生するITOP信号の立ち上りタイミングが、各回転の最初のBD信号の発生タイミングの前後で変動したとしても、感光ドラムの1回転目においてITOP信号とBD信号との位相差を検出し、検出した位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を遅延するように構成することにより、感光ドラムの各回転におけるITOP信号の発生タイミングの変動がBD信号の発生タイミング付近ではなくBD信号の発生周期の中心付近において発生させるようにすることができるので、感光ドラムの回転の変動(すなわち、ドラムモータの回転むら等によって生じる変動)に対する余裕度を上げることができ、感光ドラムの1回転目に形成される面画像とそれ以降の回転において形成される面画像とのずれの発生を、ドラムモータ及び感光ドラムの駆動機構における回転精度を上げることで十分に抑え込み、装置の高画質化を図ることが可能となり、また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムに対する各色の面画像の書き出しを開始するように構成することにより、ITOP信号とBD信号との位相差は各回転毎に一定の関係となるので、第1色目から第n色目までの各色の面画像の書き出し位置を正確に合わせることができ、色ずれのない高品位なカラー画像を形成することができる。
【0130】
また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムへの各色の面画像の書き出しを制御するだけでなく、イメージスキャナ部における原稿読み取り光学系による原稿の走査及びCCDによる原稿の読み取りも制御するように構成することにより、第1色目から第n色目までの原稿の読み取り位置と感光ドラムに対する各色の面画像の書き出し位置とを正確に合わせることができ、各色毎の画像のMTFの差の発生を抑制することができ、色のにじみやエッジの誤判定による画質の劣化の無い高品位なカラー画像を形成することができるようになる。
【0131】
〔第2の実施の形態〕
なお、上述の第1の実施の形態において、感光ドラムの回転とポリゴンの回転との同期を合わせるための手法として、感光ドラムが1回転する間に該感光ドラム上に形成される主走査記録ラインの数が整数本になるように構成し、更に感光ドラムを回転駆動する感光ドラムモータの基準クロックとポリゴンを回転駆動するポリゴンモータの基準クロックとに共通のクロックを用いるように構成することによっても同様の効果を得ることができる。
【0132】
〔第3の実施の形態〕
なお、上述の第1の実施の形態において、感光ドラムの回転とポリゴンの回転との同期を合わせるための手法として、感光ドラムの回転に伴って副走査開始信号(ITOP信号)が発生する毎に、検出された主走査開始信号(BD信号)の位相を該副走査開始信号(ITOP信号)の位相と合わせるように構成することによっても同様の効果を得ることができる。
【0133】
〔第4の実施の形態〕
また、感光ドラムが1回転する間に、該感光ドラムに対して複数の面画像を形成すると共に、副走査開始信号(ITOP信号)が複数個発生されるように構成されている装置おいて本発明を適用する場合には、感光ドラムが1回転する間に発生される複数のITOP信号のそれぞれについてITOP信号の遅延量を独立して算出し、算出されたそれぞれの遅延量に基づいて各々のITOP信号を遅延するように構成し、イメージスキャナ部における光学系による原稿のスキャン動作やCCDの読み取り動作、及びプリンタ部における該イメージスキャナ部において読み取られた原稿画像信号に基づくレーザ光による感光ドラム上の走査を、前記第1の実施の形態に示したような手法によってBD信号と位相同期が取られたITOP信号を基準として開始させるように構成することにより、感光ドラムが1回転する間に複数の潜像形成及び転写を行うように構成されたカラー画像形成装置においても、第1色目から第n色目までの原稿の読み取り位置と感光ドラムに対する各色の面画像の書き出し位置とを正確に合わせることができ、各色毎の画像のMTFの差の発生を抑制することができ、色のにじみやエッジの誤判定による画質の劣化の無い高品位なカラー画像を形成することができるようになる。
【0134】
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態における位相調整回路126の具体的な構成例を図8に示し、以下、本実施の形態におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作について説明する。
【0135】
図8において、立ち上りエッジ検出回路1701は、転写ドラム108内に備えられたセンサ110から供給されるITOP信号の立ち上がりを検出する。一方、アップカウンタ1702はBDセンサ107から供給されるBD信号が入力される毎にカウント値が“0”にクリアされるフリーランカウンタで、該アップカウンタ1702のカウント値がBD信号の発生周期となる。また、ラッチ回路1703は立ち上りエッジ検出回路1701の出力のタイミングでアップカウンタ1702から出力されるカウント値をラッチし、ラッチされたカウント値を示すカウントデータは、BD信号の発生周期内においてITOP信号の立ち上りが検出されるまでの時間を示すデータ(すなわち、ITOP信号の立ち上りタイミングとBD信号との位相差を示すデータ)として次段のコンパレータ1708、第1引き算回路1709、第2引き算回路1710にそれぞれ供給される。
【0136】
ところで、ラッチ回路1703のラッチイネーブル端子LEには、立ち上りエッジ検出回路1701の出力と不図示のコントローラ(CPU)により設定されるラッチイネーブル信号とが供給されるANDゲート1705からの出力が供給されており、該ラッチイネーブル信号がLレベルの期間中は、ITOP信号の立ち上りエッジが検出されても前記アップカウンタ1702におけるカウント値をラッチしないように構成されている。
【0137】
そして、ラッチ回路1703によりラッチされたカウントデータは、コンパレータ1708、第1引き算回路1709、第2引き算回路1710にそれぞれ入力される。
【0138】
コンパレータ1708では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その0.5倍のT/2を設定する。)とカウントデータが示すカウント値と大小を比較することにより、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値よりも小さいもしくは等しい場合にはHレベルの信号を出力し、大きい場合にはLレベルの信号を出力する。すなわち、該コンパレータ1708からHレベルの信号が出力される場合は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも前もしくは等しいタイミングで検出されたことを示し、Lレベルの信号が出力される場合は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも後のタイミングで検出されたことを示している。
【0139】
第1引き算回路1709では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その1.5倍の3T/2を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも後のタイミングで検出された場合において、ITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生周期の中心までの遅延量を示すデータとして算出される。例えば、BD信号の発生周期のカウント値Tを“100”とし、アップカウンタ1702におけるカウント値が“80”の時に立ち上りエッジ検出回路1701においてITOP信号の立ち上りエッジが検出されたとすると、“70”(=3T/2−80)カウント分だけITOP信号を遅らせることにより、BD信号の発生周期の中心でITOP信号が発生するように調整することができる。
【0140】
第2引き算回路1710では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その0.5倍のT/2を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも前もしくは等しいタイミングで検出された場合において、ITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生周期の中心までの遅延量を示すデータとして算出される。
【0141】
そして、第1引き算回路1709、第2引き算回路1710の出力は、セレクタ回路1711にそれぞれ入力され、セレクタ回路1711では、コンパレータ1708からの出力に基づいて第1引き算回路1709、第2引き算回路1710の出力のうちの一方を選択し、ダウンカウンタ1712のデータ端子Dに出力する。つまり、コンパレータ1708からの出力がLレベルの場合(すなわち、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも後のタイミングで検出された場合)は第1引き算回路1709の出力を選択し、コンパレータ1708からの出力がHレベルの場合(すなわち、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも前もしくは等しいタイミングで検出された場合)は第2引き算回路1710の出力を選択し、ダウンカウンタ1712のデータ端子Dに出力する。
【0142】
ここで、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の中心よりも前のタイミングで検出された場合と、後のタイミングで検出された場合とにおけるITOP信号とBD信号との位相調整動作の違いについて図9を用いて説明する。
【0143】
図9(a)は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の前半に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは、図中のAに示す期間の位相差を持ち、しかも、A<(T/2)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生周期の前半にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時にはまだBD信号の発生周期の半分の期間が経過していないので、ITOP信号の立ち上りエッジの検出信号を(T/2−A)期間だけ遅延することにより、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを当該BD信号の発生周期の中心に合わせることができる。
【0144】
図9(b)は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の後半に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは図中のBに示す期間の位相差を持ち、しかも、B>(T/2)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生周期の後半にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時にはもうBD信号の発生周期の半分の期間が経過してしまっているので、ITOP信号の立ち上りエッジ検出信号を(3T/2−B)期間だけ遅延することにより、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを次のBD信号の発生周期の中心に合わせることができる。
【0145】
以上のように、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の前半に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、ITOP信号の立ち上りエッジ検出信号を当該BD信号の発生周期の中心のタイミングまで遅延し、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の後半に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、ITOP信号の立ち上りエッジ検出信号を次のBD信号の発生周期の中心のタイミングまで遅延し、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングをBD信号の発生周期の中心に合わせるようにすることにより、短時間でITOP信号とBD信号との位相差を調整し、形成される面画像の欠落を最小限に抑えることができる。
【0146】
一方、ダウンカウンタ1712のロード端子Lには、前記立ち上りエッジ検出回路1701の出力が基準クロックCLKとのタイミングがフリップフロップ1707によって合わせられて供給されており、該ダウンカウンタ1712は該フリップフロップ1707の出力タイミングで前記セレクタ回路1711からのデータをロードし、ロードされたデータが示すカウント値から基準クロックCLKに同期してカウントダウンを開始し、カウント値が“0”になったタイミングで出力端子RCから次段のJKフリップフロップ1713にカウント終了信号を出力する。なお、ダウンカウンタ1712によってカウントダウンが行われている時間が、後述するITOP信号とBD信号との位相を調整するためのITOP信号の遅延時間となる。
【0147】
JKフリップフロップ1713は基準クロックCLKに同期して動作し、前記フリップフロップ1707の出力タイミング(すなわち、ITOP信号の立ち上がり)でリセットされ、出力端子Qより出力されるITOPDLY信号をLレベルとし、ダウンカウンタ1712の出力タイミングでセットされるまでLレベルの状態を保持する。つまりITOP信号の立ち上りから遅延時間が経過するまでの間、ITOPDLY信号はLレベルに保持されることになる。
【0148】
そして、JKフリップフロップ1713から出力されるITOPDLY信号と、BD信号との位相調整のため3CLK遅延回路1706により所定時間(本実施の形態では、基準クロックCLKの3クロック分)遅延されたITOP信号とをANDゲート1714を介して出力することにより、BD信号の発生周期の中心にITOP信号が発生されるように調整することができる。
【0149】
以上説明したように、本実施の形態においては、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の前半に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を当該BD信号の発生周期の中心のタイミングまで遅延し、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生周期の後半に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を次のBD信号の発生周期の中心のタイミングまで遅延するように構成することにより、短時間でITOP信号とBD信号との位相差を調整し、形成される面画像の欠落を最小限に抑えることができ、感光ドラムの1回転目において最初に検出されるBD信号にしたがって行われる感光ドラム上のレーザ光の最初の走査位置と、2回転目以降の各回転において最初に検出されるBD信号にしたがって行われる感光ドラム上のレーザ光の最初の走査位置とが重なるようになる。
【0150】
更に、本実施の形態においては、感光ドラムの各回転におけるITOP信号の発生タイミングの変動がBD信号の発生タイミング付近ではなくBD信号の発生周期の中心付近において発生させるようにすることができるので、感光ドラムの回転の変動(すなわち、ドラムモータの回転むら等によって生じる変動)に対する余裕度を上げることができ、感光ドラムの1回転目に形成される面画像とそれ以降の回転において形成される面画像とのずれの発生を、ドラムモータ及び感光ドラムの駆動機構における回転精度を上げることで十分に抑え込み、装置の高画質化を図ることが可能となり、また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムに対する各色の面画像の書き出しを開始するように構成することにより、ITOP信号とBD信号との位相差は各回転毎に一定の関係となるので、第1色目から第n色目までの各色の面画像の書き出し位置を正確に合わせることができ、色ずれのない高品位なカラー画像を形成することができる。
【0151】
また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムへの各色の面画像の書き出しを制御するだけでなく、イメージスキャナ部における原稿読み取り光学系による原稿の走査及びCCDによる原稿の読み取りも制御するように構成することにより、第1色目から第n色目までの原稿の読み取り位置と感光ドラムに対する各色の面画像の書き出し位置とを正確に合わせることができ、各色毎の画像のMTFの差の発生を抑制することができ、色のにじみやエッジの誤判定による画質の劣化の無い高品位なカラー画像を形成することができるようになる。
【0152】
〔第6の実施の形態〕
ここでは、ITOP信号とBD信号との位相差がBD信号の発生周期の1/3以下である場合におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作について説明する。
【0153】
図10(a)は、ITOP信号とBD信号との位相関係を示した図である。
【0154】
まず、感光ドラムの1回転目においてITOP信号が図中の▲1▼のタイミングで検出された場合には、ITOP信号の立ち上りエッジは最初のBD信号の発生タイミングよりも少し後で検出され、ITOP信号とBD信号とは図中のAに示す期間の位相差を持っており、例えば、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとは最大でBD信号の発生周期Tの1/3の期間ずれる可能性があるとすると、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングは、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを基準に前後T/3ずつの範囲(つまり、図中のBで示した期間)内の任意のタイミングに発生する。そして、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差AはT/3の期間よりも小さいため、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングとは、図中のBD信号BD1をまたいで発生する可能性があることになる。そして、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが1回転目と2回転目以降とでBD信号BD1をまたいで発生した場合、1回転目はBD信号BD2の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始するのに対して、2回転目以降はBD信号BD1の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始することになり、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差はBD信号の発生周期の1/3以下であるにも係らず、感光ドラム上に形成される各面画像は最大でBD信号の発生周期T(すなわち、レーザ光の1走査線)分のずれを生じてしまうことになる。
【0155】
また、同様に、感光ドラムの1回転目においてITOP信号が図中の▲2▼のタイミングで検出された場合には、ITOP信号の立ち上りエッジは2番目のBD信号の発生タイミングよりも少し前で検出され、ITOP信号とBD信号とは図中のA'に示す期間の位相差を持っており、例えば、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとは最大でBD信号の発生周期Tの1/3の期間ずれる可能性があるとすると、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングは、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを基準に前後T/3ずつの範囲(つまり、図中のB'で示した期間)内の任意のタイミングに発生する。そして、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差AはT/3の期間よりも小さいため、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングとは、図中のBD信号BD2をまたいで発生する可能性があることになる。そして、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが1回転目と2回転目以降とでBD信号BD2をまたいで発生した場合、1回転目はBD信号BD2の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始するのに対して、2回転目以降はBD信号BD3の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始することになり、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2番目のBD信号の発生タイミングとの位相差はBD信号の発生周期の1/3以下であるにも係らず、感光ドラム上に形成される各面画像は最大でBD信号の発生周期T(すなわち、レーザ光の1走査線)分のずれを生じてしまうことになる。
【0156】
そして、上述したようにITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが1回転目と2回転目以降とでBD信号をまたいで発生しないようするためには、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングがその前或は後のBD信号の発生タイミングとT/3以上は離れていれば良い。すなわち、図10(b)に示す斜線で示した期間Cの間に1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが発生するようにすることにより、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが例え最大T/3期間で前後に振れたとしても、BD信号をまたぐことはなくなる。
【0157】
ここで、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過するまでの間に検出された場合と、2T/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過後に検出された場合とにおけるITOP信号とBD信号との位相調整動作の違いについて図11を用いて説明する。
【0158】
図11中の▲1▼は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過するまでの間に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは、図中のAに示す期間の位相差を持ち、しかもA<(2T/5)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生タイミングから2T/5の期間経過するまでの間にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時にはまだ前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間が経過していないので、ITOP信号の立ち上りエッジの検出信号を例えば(2T/5−A)期間だけ遅延することによりITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後にすることができる。
【0159】
図11中の▲2▼は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングから2T/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過後に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは、図中のA'に示す期間の位相差を持ち、しかもA'>(2T/5)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生タイミングから2T/5の期間経過後にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時にはもう前のBD信号の発生タイミングから2T/5の期間が経過してしまっているので、ITOP信号の立ち上りエッジの検出信号を例えば(7T/5−A)期間だけ遅延することによりITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後にすることができる。
【0160】
以下、本実施の形態における位相調整回路126の具体的な構成を図12に示し、本実施の形態におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作について説明する。
【0161】
図12において、立ち上りエッジ検出回路1901は、転写ドラム108内に備えられたセンサ110から供給されるITOP信号の立ち上がりを検出する。一方、アップカウンタ1902はBDセンサ107から供給されるBD信号が入力される毎にカウント値が“0”にクリアされるフリーランカウンタで、該アップカウンタ1902のカウント値がBD信号の発生周期となる。また、ラッチ回路1903は立ち上りエッジ検出回路1901の出力のタイミングでアップカウンタ1902から出力されるカウント値をラッチし、ラッチされたカウント値を示すカウントデータは、BD信号の発生周期内においてITOP信号の立ち上りが検出されるまでの時間を示すデータ(すなわち、ITOP信号の立ち上りタイミングとBD信号との位相差を示すデータ)として、次段のコンパレータ1908、第1引き算回路1909、第2引き算回路1910にそれぞれ供給される。
【0162】
ところで、ラッチ回路1903のラッチイネーブル端子LEには、立ち上りエッジ検出回路1901の出力と不図示のコントローラ(CPU)により設定されるラッチイネーブル信号とが供給されるANDゲート1905からの出力が供給されており、該ラッチイネーブル信号がLレベルの期間中は、ITOP信号の立ち上りエッジが検出されても前記アップカウンタ1902におけるカウント値をラッチしないように構成されている。
【0163】
そして、ラッチ回路1903によりラッチされたカウントデータは、コンパレータ1908、第1引き算回路1909、第2引き算回路1910にそれぞれ入力される。
【0164】
コンパレータ1908では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期をカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その2/5倍の2T/5を設定する。)とカウントデータが示すカウント値と大小を比較することにより、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値よりも大きいもしくは等しい場合にはHレベルの信号を出力し、小さい場合にはLレベルの信号を出力する。すなわち、該コンパレータ1908からLレベルの信号が出力される場合は、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値(2T/5)よりも小さいため、前記図11の▲1▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOP信号の立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の2/5の期間経過していないうちに検出されたことを示し、Hレベルの信号が出力される場合は、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値(2T/5)と等しいかもしくは大きいため、前記図11の▲2▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOP信号の立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の2/5の期間経過してから検出されたことを示している。
【0165】
第1引き算回路1909では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その2/5倍の2T/5を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生タイミングとは2T/5(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングまでの遅延量を示すデータとして算出される。例えば、BD信号の発生周期のカウント値Tを“100”とし、アップカウンタ1902におけるカウント値が“20”の時に立ち上りエッジ検出回路1901においてITOP信号の立ち上りエッジが検出されたとすると、“20”(=2T/5−20)カウント分だけITOP信号を遅らせることにより、次のBD信号の発生タイミングから2T/5の期間(Tは、BD信号の発生周期)離れたタイミングでITOPが発生するように調整することができる。
【0166】
第2引き算回路1910では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その7/5倍の7T/5(=T+2T/5)を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生タイミングとは2T/5(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングまでの遅延量を示すデータとして算出される。例えば、BD信号の発生周期のカウント値Tを“100”とし、アップカウンタ1902におけるカウント値が“80”の時に立ち上りエッジ検出回路1901においてITOP信号の立ち上りエッジが検出されたとすると、“60”(=7T/5−80)カウント分だけITOP信号を遅らせることにより、次のBD信号の発生タイミングから2T/5の期間(Tは、BD信号の発生周期)離れたタイミングでITOPが発生するように調整することができる。
【0167】
そして、第1引き算回路1909、第2引き算回路1910の出力は、セレクタ回路1911にそれぞれ入力され、セレクタ回路1911では、コンパレータ1908からの出力に基づいて第1引き算回路1909、第2引き算回路1910の出力のうちの一方を選択し、ダウンカウンタ1912のデータ端子Dに出力する。つまり、コンパレータ1908からの出力がLレベルの場合は第1引き算回路1909の出力を選択し、コンパレータ1908からの出力がHレベルの場合は第2引き算回路1910の出力を選択し、ダウンカウンタ1912のデータ端子Dに出力する。
【0168】
一方、ダウンカウンタ1912のロード端子Lには、前記立ち上りエッジ検出回路1901の出力が基準クロックCLKとのタイミングがフリップフロップ1907によって合わせられて供給されており、該ダウンカウンタ1912は該フリップフロップ1907の出力タイミングで前記セレクタ回路1711からのデータをロードし、ロードされたデータが示すカウント値から基準クロックCLKに同期してカウントダウンを開始し、カウント値が“0”になったタイミングで出力端子RCから次段のJKフリップフロップ1913にカウント終了信号を出力する。なお、ダウンカウンタ1912によってカウントダウンが行われている時間が、後述するITOP信号とBD信号の位相を調整するためのITOP信号の遅延時間となる。
【0169】
JKフリップフロップ1913は基準クロックCLKに同期して動作し、前記フリップフロップ1907の出力タイミング(すなわち、ITOPの立ち上り)でリセットされ、出力端子Qより出力されるITOPDLY信号をLレベルとし、ダウンカウンタ1912の出力タイミングでセットされるまでLレベル状態を保持する。つまりITOP信号の立ち上りから遅延時間が経過するまでの間、ITOP信号はLレベルに保持されることになる。
【0170】
そして、JKフリップフロップ1913から出力されるITOPDLY信号と、BD信号との位相調整のため3CLK遅延回路1906により所定時間(本実施の形態では、基準クロックCLKの3クロック分)遅延されたITOP信号とをANDゲート1914を介して出力することにより、BD信号の発生タイミングから2T/5(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたBD信号の発生周期の中心付近にITOP信号が発生されるように調整することができる。
【0171】
ところで、本実施の形態では、感光ドラムの1回転目には、不図示のCPUによりラッチイネーブル信号をHレベルに設定し、BD信号とITOP信号との位相差を検出し、BD信号の発生周期の中心にITOP信号が発生されるように、ITOP信号を遅延する時間を設定し、感光ドラムの2回転目以降は、該ラッチイネーブル信号をLレベルに設定し、感光ドラムの1回転目に設定されたITOP信号の遅延時間を保持するように構成することにより、感光ドラムの1回転目にBD信号の発生周期の中心でITOP信号が発生されるように調整され、感光ドラムの2回転目以降にはこのITOP信号とBD信号の位相差が保持されるため、ITOP信号とBD信号との位相差の変動は、ドラムモータ115の回転精度等による変動分だけに起因して発生することになる。
【0172】
なお、本実施の形態では、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前或は次のBD信号の発生タイミングから2T/5(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングまで遅延する場合を例として示したが、これに限らずITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前或は次のBD信号の発生タイミングからT/3〜T/2の期間離れたタイミングまで遅延するように構成することにより、同様の効果を得ることができる。すなわち、ITOP信号とBD信号との位相差が最大でT/n(Tは、BD信号の発生周期、nは2以上の整数)の期間以下であっても、T/nからT/2までの期間の何れかの期間を任意に選択し、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前或は次のBD信号の発生タイミングから選択された期間だけ離れたタイミングまで遅延するように構成することにより、同様の効果を得ることができる。
【0173】
また、本実施の形態では、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間が経過するまでの間に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延するようにしたが、次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0174】
以上説明したように、本実施の形態においては、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間が経過するまでの間に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延し、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングから2T/3の経過後に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延するように構成することにより、短時間でITOP信号とBD信号との位相差を調整し、形成される面画像の欠落を最小限に抑えることができ、感光ドラムの1回転目において最初に検出されるBD信号にしたがって行われる感光ドラム上のレーザ光の最初の走査位置と、2回転目以降の各回転において最初に検出されるBD信号にしたがって行われる感光ドラム上のレーザ光の最初の走査位置とが重なるようになる。
【0175】
更に、本実施の形態においては、感光ドラムの各回転におけるITOP信号の発生タイミングの変動がBD信号の発生タイミング付近ではなくBD信号の発生タイミングからT/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングにおいて発生させるようにすることができるので、感光ドラムの回転の変動(すなわち、ドラムモータの回転むら等によって生じる変動)に対する余裕度を上げることができ、感光ドラムの1回転目に形成される面画像とそれ以降の回転において形成される面画像とのずれの発生を、ドラムモータ及び感光ドラムの駆動機構における回転精度を上げることで十分に抑え込み、装置の高画質化を図ることが可能となり、また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムに対する各色の面画像の書き出しを開始するように構成することにより、ITOP信号とBD信号との位相差は各回転毎に一定の関係となるので、第1色目から第n色目までの各色の面画像の書き出し位置を正確に合わせることができ、色ずれのない高品位なカラー画像を形成することができる。
【0176】
また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムへの各色の面画像の書き出しを制御するだけでなく、イメージスキャナ部における原稿読み取り光学系による原稿の走査及びCCDによる原稿の読み取りも制御するように構成することにより、第1色目から第n色目までの原稿の読み取り位置と感光ドラムに対する各色の面画像の書き出し位置とを正確に合わせることができ、各色毎の画像のMTFの差の発生を抑制することができ、色のにじみやエッジの誤判定による画質の劣化の無い高品位なカラー画像を形成することができるようになる。
【0177】
〔第7の実施の形態〕
ここでは、ITOP信号とBD信号との位相差がBD信号の発生周期の1/4以下である場合におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作について説明する。
【0178】
図13は、ITOP信号とBD信号との位相関係を示した図である。
【0179】
まず、感光ドラムの1回転目においてITOP信号が図中の▲1▼のタイミングで検出された場合には、ITOP信号の立ち上りエッジは最初のBD信号の発生タイミングよりも少し後で検出され、ITOP信号とBD信号とは図中のA1に示す期間の位相差を持っており、例えば、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとは最大でBD信号の発生周期Tの1/4の期間ずれる可能性があるとすると、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングは、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを基準に前後T/4ずつの範囲(つまり、図中のB1で示した期間)内の任意のタイミングに発生する。そして、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差AはT/4の期間よりも小さいため、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングとは、図中のBD信号BD1をまたいで発生する可能性があることになる。そして、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが1回転目と2回転目以降とでBD信号BD1をまたいで発生した場合、1回転目はBD信号BD2の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始するのに対して、2回目以降はBD信号BD1の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始することになり、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差はBD信号の発生周期の1/4以下であるにも係らず、感光ドラム上に形成される各面画像は最大でBD信号の発生周期T(すなわち、レーザ光の1走査線)分のずれを生じてしまうことになる。
【0180】
また、感光ドラムの1回転目においてITOP信号が図中の▲2▼のタイミングで検出された場合には、ITOP信号の立ち上がりエッジは2番目のBD信号の発生タイミングよりも少し前で検出され、ITOP信号とBD信号とは図中のA2に示す期間の位相差を持っており、例えば、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとは最大でBD信号の発生周期Tの1/4の期間ずれる可能性があるとすると、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングは、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを基準に前後T/4ずつの範囲(つまり、図中のB2で示した期間)内の任意のタイミングに発生する。そして、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差A2はT/4の期間よりも小さいため、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングとは、図中のBD信号BD2をまたいで発生する可能性があることになる。そして、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが1回転目と2回転目以降とでBD信号BD2をまたいで発生した場合、1回転目はBD信号BD2の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始するのに対して、2回目以降はBD信号BD3の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始することになり、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2番目のBD信号の発生タイミングとの位相差はBD信号の発生周期の1/4以下であるにも係らず、感光ドラム上に形成される各面画像は最大でBD信号の発生周期T(すなわち、レーザ光の1走査線)分のずれを生じてしまうことになる。
【0181】
更に、感光ドラムの1回転目においてITOP信号が図中の▲3▼のタイミングで検出された場合には、ITOP信号の立ち上りエッジは最初のBD信号の発生タイミングよりもBD信号の発生周期Tの1/4の期間経過後に検出され、ITOP信号とBD信号とは図中のA3に示す期間の位相差を持っており、例えば、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとは最大でBD信号の発生周期Tの1/4の期間ずれる可能性があるとすると、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングは、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを基準に前後T/4ずつの範囲(つまり、図中のB3で示した期間)内の任意のタイミングに発生する。そして、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差A3はT/4の期間よりも大きいため、1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングとは、図中のBD信号BD1をまたいで発生することはないので、1回転目はBD信号BD2の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始するのに対して、2回目以降も同様にBD信号BD2の検出タイミングにしたがって感光ドラムに対するレーザ光の走査を開始することになり、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングと最初のBD信号の発生タイミングとの位相差はBD信号の発生周期の1/4以上であれば、感光ドラム上に形成される各面画像にずれが生じることはない。
【0182】
そして、上述したようにITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが1回転目と2回転目以降とでBD信号をまたいで発生しないようにするためには、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングがその前或は後のBD信号の発生タイミングとT/4以上離れていれば良い。すなわち、図13にCで示した安全領域の間に1回転目のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが発生するようにすることにより、2回転目以降のITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが例え最大T/4期間で前後に振れたとしても、BD信号をまたぐことはなくなる。もちろん、1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングが図中の安全領域C内で発生していれば特別な位相調整を行う必要はない。
【0183】
ここで、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過するまでの間に検出された場合と、3T/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過後に検出された場合とにおけるITOP信号とBD信号との位相調整動作の違いについて図15を用いて説明する。
【0184】
図15中の▲1▼は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過するまでの間に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは、図中のA1に示す期間の位相差を持ち、しかもA1<(T/4)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生タイミングからT/4の期間経過するまでの間にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時にはまだ前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間が経過していないので、ITOP信号の立ち上りエッジの検出信号を例えば(T/3−A1)期間だけ遅延することによりITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後にすることができる。
【0185】
図15中の▲2▼は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングから3T/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過後に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは、図中のA2に示す期間の位相差を持ち、しかもA2>(3T/4)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生タイミングから3T/4の期間経過後にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時にはもう前のBD信号の発生タイミングから2T/3の期間が経過してしまっているので、ITOP信号の立ち上りエッジの検出信号を例えば(4T/3−A2)期間だけ遅延することによりITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後にすることができる。
【0186】
図15中の▲3▼は、ITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間経過後に検出された場合の例を示した図で、ITOP信号の立ち上りエッジとBD信号とは、図中のA3に示す期間の位相差を持ち、しかも(T/4)<A3<(3T/4)(Tは、BD信号の発生周期)であるため、BD信号の発生タイミングからT/4〜3T/4の期間までの間にITOP信号の立ち上りエッジが検出されたものと判断される。そして、この時には前のBD信号の発生タイミングからもうT/4の期間が経過しているが、まだ3T/4の期間が経過していないので、ITOP信号の立ち上りエッジの検出信号を遅延しなくてもITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングは前のBD信号の発生タイミングからT/4の期間経過後(すなわち、図中の安全領域内)に発生することになる。
【0187】
以下、本実施の形態における位相調整回路126の具体的な構成を図14に示し、本実施の形態におけるITOP信号とBD信号との位相調整動作について説明する。
【0188】
図14において、立ち上りエッジ検出回路2201は、転写ドラム108内に備えられたセンサ110から供給されるITOP信号の立ち上がりを検出する。一方、アップカウンタ2202はBDセンサ107から供給されるBD信号が入力される毎にカウント値が“0”にクリアされるフリーランカウンタで、該アップカウンタ2202のカウント値がBD信号の発生周期となる。また、ラッチ回路2203は立ち上りエッジ検出回路2201の出力のタイミングでアップカウンタ2202から出力されるカウント値をラッチし、ラッチされたカウント値を示すカウントデータは、BD信号の発生周期内においてITOP信号の立ち上りが検出されるまでの時間を示すデータ(すなわち、ITOP信号の立ち上りタイミングとBD信号との位相差を示すデータ)として、次段の第1コンパレータ2208、第2コンパレータ2215、第1引き算回路2209、第2引き算回路2210にそれぞれ供給される。
【0189】
ところで、ラッチ回路2203のラッチイネーブル端子LEには、立ち上りエッジ検出回路201の出力と不図示のコントローラ(CPU)により設定されるラッチイネーブル信号とが供給されるANDゲート2205からの出力が供給されており、該ラッチイネーブル信号がLレベルの期間中は、ITOP信号の立ち上りエッジが検出されても前記アップカウンタ2202におけるカウント値をラッチしないように構成されている。
【0190】
そして、ラッチ回路2203によりラッチされたカウントデータは、第1コンパレータ2208、第2コンパレータ2215、第1引き算回路2209、第2引き算回路2210にそれぞれ入力される。
【0191】
第1コンパレータ2208、第2コンパレータ2215では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期をカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その1/4倍のT/4を第1コンパレータ2208に設定し、その3/4倍の3T/4を第2コンパレータ2215に設定する。)とカウントデータが示すカウント値と大小を比較することにより、第1コンパレータ2208からはカウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値T/4よりも大きい場合にはHレベルの信号を、小さい場合にはLレベルの信号を次段のセレクタ回路2211及びANDゲート2216に出力し、第2コンパレータ2215からはカウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値3T/4よりも小さい場合にはHレベルの信号を、大きい場合にはLレベルの信号を次段のANDゲート2216に出力する。
【0192】
すなわち、第1コンパレータ2208からLレベルの信号が出力される場合は、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値(T/4)よりも小さいため、前記図15の▲1▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOP信号の立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の1/4の期間経過していないうちに検出されたことを示し、第2コンパレータ2215からLレベルの信号が出力される場合は、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値(3T/4)よりも大きいため、前記図15の▲2▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOP信号の立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の3/4の期間経過してから検出されたことを示し、更に、第1コンパレータ2208、第2コンパレータ2215から共にHレベルの信号が出力される場合は、カウントデータが示すカウント値がCPUにより設定された値(T/4)よりも大きく、(3T/4)よりも小さいため、前記図15の▲3▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOP信号の立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の1/4〜3/4の期間の間に検出されたことを示している。
【0193】
第1引き算回路2209では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その1/3倍のT/3を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生タイミングとはT/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングまでの遅延量を示すデータとして算出される。例えば、BD信号の発生周期のカウント値Tを“100”とし、アップカウンタ2202におけるカウント値が“20”の時に立ち上りエッジ検出回路2201においてITOP信号の立ち上りエッジが検出されたとすると、“13”(=T/3−20)カウント分だけITOP信号を遅らせることにより、次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間(Tは、BD信号の発生周期)離れたタイミングでITOPが発生するように調整することができる。
【0194】
第2引き算回路2210では、不図示のCPUにより設定される値(本実施の形態においては、BD信号の発生周期を示すカウント値(装置のプロセススピードと画像の解像度とから一義的に決まる既知の数値)をTとすると、その4/3倍の4T/3(=T+T/3)を設定する。)からカウントデータが示すカウント値を引き算することにより、該引き算処理の結果がITOP信号の立ち上りエッジが検出されてから次のBD信号の発生タイミングとは4T/3(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングまでの遅延量を示すデータとして算出される。例えば、BD信号の発生周期のカウント値Tを“100”とし、アップカウンタ2202におけるカウント値が“80”の時に立ち上りエッジ検出回路2201においてITOP信号の立ち上りエッジが検出されたとすると、“53”(=4T/3−80)カウント分だけITOP信号を遅らせることにより、次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間(Tは、BD信号の発生周期)離れたタイミングでITOPが発生するように調整することができる。
【0195】
そして、第1引き算回路2209の出力は、セレクタ回路2211にそれぞれ入力され、セレクタ回路2211では、第1コンパレータ2208からの出力に基づいて第1引き算回路2209、第2引き算回路2210の出力のうちの一方を選択し、ダウンカウンタ2212のデータ端子Dに出力する。つまり、第1コンパレータ2208からの出力がLレベルの場合は第1引き算回路2209の出力を選択し、第1コンパレータ2208からの出力がHレベルの場合は第2引き算回路2210の出力を選択し、ダウンカウンタ2212のデータ端子Dに出力する。
【0196】
一方、ダウンカウンタ2212のロード端子Lには、前記立ち上りエッジ検出回路2201の出力が基準クロックCLKとのタイミングがフリップフロップ2207によって合わせられて供給されており、該ダウンカウンタ2212は該フリップフロップ2207の出力タイミングで前記セレクタ回路2211からのデータをロードし、ロードされたデータが示すカウント値から基準クロックCLKに同期してカウントダウンを開始し、カウント値が“0”になったタイミングで出力端子RCから次段のJKフリップフロップ2213にカウント終了信号を出力する。なお、ダウンカウンタ2212によってカウントダウンが行われている時間が、後述するITOP信号とBD信号の位相を調整するためのITOP信号の遅延時間となる。
【0197】
JKフリップフロップ2213は基準クロックCLKに同期して動作し、前記フリップフロップ2207の出力タイミング(すなわち、ITOPの立ち上り)でリセットされ、出力端子Qより出力されるITOPDLY信号をLレベルとし、ダウンカウンタ2212の出力タイミングでセットされるまでLレベル状態を保持する。つまりITOP信号の立ち上りから遅延時間が経過するまでの間、ITOP信号はLレベルに保持されることになる。
【0198】
そして、JKフリップフロップ2213から出力されるITOPDLY信号と、BD信号との位相調整のため3CLK遅延回路2206により所定時間(本実施の形態では、基準クロックCLKの3クロック分)遅延されたITOP信号とをANDゲート2214を介して次段のセレクタ回路2217に出力する。
【0199】
ところで、セレクタ回路2217のもう一方の入力端子には、BD信号との位相調整のため前記3CLK遅延回路2206により所定時間(本実施の形態では、基準クロックCLKの3クロック分)遅延されたITOP信号が供給されており、該セレクタ回路2217は、前記ANDゲート2216の出力により、遅延処理が施されたITOP信号(すなわち、ANDゲート2214の出力)を出力するか、遅延処理が施されていないITOP信号(すなわち、3CLK遅延回路2206の出力)を出力するかを選択している。
【0200】
つまり、ANDゲート2216の出力は、前記アップカウンタ2202のカウント値AがT/4<A<3T/4(Tは、BD信号の発生周期のカウント値)の範囲である時だけHレベルとなり、この場合は前記図15の▲3▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOPの立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の1/4〜3/4の期間(すなわち、15図中の安全領域)内に検出されることを示しているので、セレクタ回路2217は遅延処理が施されていないITOP信号(すなわち、3CLK遅延回路2206の出力)を選択出力し、他の場合(すなわち、前記アップカウンタ2202のカウント値AがA<T/4或はA>3T/4の場合)は、ANDゲート2216の出力はLレベルとなるため、この場合は前記図15の▲1▼、▲2▼に示すように、感光ドラムの1回転目のITOPの立ち上りエッジが、BD信号の発生タイミングからBD信号の発生周期の1/4〜3/4の期間(すなわち、15図中の安全領域)外に検出されることを示しているので、セレクタ回路2217は遅延処理が施されたITOP信号(すなわち、ANDゲート2214の出力)を選択出力することにより、BD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間以上離れたBD信号の発生周期の中心付近にITOP信号が発生されるように調整することができる。
【0201】
ところで、本実施の形態では、感光ドラムの1回転目には、不図示のCPUによりラッチイネーブル信号をHレベルに設定し、BD信号とITOP信号との位相差を検出し、BD信号の発生周期の中心にITOP信号が発生されるように、ITOP信号を遅延する時間を設定し、感光ドラムの2回転目以降は、該ラッチイネーブル信号をLレベルに設定し、感光ドラムの1回転目に設定されたITOP信号の遅延時間を保持するように構成することにより、感光ドラムの1回転目にBD信号の発生周期の中心でITOP信号が発生されるように調整され、感光ドラムの2回転目以降にはこのITOP信号とBD信号の位相差が保持されるため、ITOP信号とBD信号との位相差の変動は、ドラムモータ115の回転精度等による変動分だけに起因して発生することになる。
【0202】
なお、本実施の形態では、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前或は次のBD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間以上離れたタイミングまで遅延する場合を例として示したが、これに限らずITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前或は次のBD信号の発生タイミングからT/3〜T/2の期間離れたタイミングまで遅延するように構成することにより、同様の効果を得ることができる。すなわち、ITOP信号とBD信号との位相差が最大でT/n(Tは、BD信号の発生周期、nは2以上の整数)の期間以下であっても、T/nからT/2までの期間の何れかの期間を任意に選択し、ITOP信号の立ち上りエッジの検出タイミングを前或は次のBD信号の発生タイミングから選択された期間だけ離れたタイミングまで遅延するように構成することにより、同様の効果を得ることができる。
【0203】
また、本実施の形態では、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間が経過するまでの間に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延するようにしたが、次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0204】
以上説明したように、本実施の形態においては、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間が経過するまでの間に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を前のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延し、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングから3T/4の経過後に検出された場合は、その位相差にしたがって設定される遅延量に基づいて、各回転において発生されるITOP信号を次のBD信号の発生タイミングからT/3の期間経過後まで遅延し、感光ドラムの1回転目においてITOP信号の立ち上りエッジがBD信号の発生タイミングからT/4〜3T/4の期間の間に検出された場合は、各回転において発生されるITOP信号を遅延しないように構成することにより、短時間でITOP信号とBD信号との位相差を調整し、形成される面画像の欠落を最小限に抑えることができ、感光ドラムの1回転目において最初に検出されるBD信号にしたがって行われる感光ドラム上のレーザ光の最初の走査位置と、2回転目以降の各回転において最初に検出されるBD信号にしたがって行われる感光ドラム上のレーザ光の最初の走査位置とが重なるようになる。
【0205】
更に、本実施の形態においては、感光ドラムの各回転におけるITOP信号の発生タイミングの変動がBD信号の発生タイミング付近ではなくBD信号の発生タイミングからT/4〜3T/4(Tは、BD信号の発生周期)の期間離れたタイミングにおいて発生させるようにすることができるので、感光ドラムの回転の変動(すなわち、ドラムモータの回転むら等によって生じる変動)に対する余裕度を上げることができ、感光ドラムの1回転目に形成される面画像とそれ以降の回転において形成される面画像とのずれの発生を、ドラムモータ及び感光ドラムの駆動機構における回転精度を上げることで十分に抑え込み、装置の高画質化を図ることが可能となり、また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムに対する各色の面画像の書き出しを開始するように構成することにより、ITOP信号とBD信号との位相差は各回転毎に一定の関係となるので、第1色目から第n色目までの各色の面画像の書き出し位置を正確に合わせることができ、色ずれのない高品位なカラー画像を形成することができる。
【0206】
また、位相調整されたITOP信号に基づいて感光ドラムへの各色の面画像の書き出しを制御するだけでなく、イメージスキャナ部における原稿読み取り光学系による原稿の走査及びCCDによる原稿の読み取りも制御するように構成することにより、第1色目から第n色目までの原稿の読み取り位置と感光ドラムに対する各色の面画像の書き出し位置とを正確に合わせることができ、各色毎の画像のMTFの差の発生を抑制することができ、色のにじみやエッジの誤判定による画質の劣化の無い高品位なカラー画像を形成することができるようになる。
【0207】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明によれば、像担持体や回転多面鏡の回転の変動に起因して、主走査開始信号と副走査開始信号の位相関係が微少に変動しても、主走査開始信号と副走査開始信号の位相関係に実際の変動以上のずれが生じることを防止することができ、原稿の読み取り時における各読み取り画像毎のMTFの差の発生を抑制し、画像の重畳ずれやエッジ誤判定による画質の劣化のない高品位な画像を形成する画像形成装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態であるカラー画像形成装置の構成を示した図である。
【図2】図1に示したカラー画像形成装置のイメージスキャナ部及びプリンタ部の構成を説明する図である。
【図3】図1及び図2に示した構成の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における位相調整回路の具体的な構成例を示した図である。
【図5】図4に示した構成の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】図4に示した構成の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図4に示した構成の他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明の第5の実施の形態における位相調整回路の具体的な構成例を示した図である。
【図9】図8に示した構成の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明の第6の実施の形態における位相調整回路による位相調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】本発明の第6の実施の形態における位相調整回路による位相調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明の第6の実施の形態における位相調整回路の具体的な構成例を示した図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態における位相調整回路による位相調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】本発明の第7の実施の形態における位相調整回路の具体的な構成例を示した図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態における位相調整回路による位相調整動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】従来のカラー画像形成装置におけるスキャナモータ、ドラムモータの駆動系の一構成例を示した図である。
【図17】図16に示した構成の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図18】ラインセンサの読み取り動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】従来のカラー画像形成装置における原稿の読み取り開始位置と書き出し位置との関係を示した図である。
【図20】原稿とラインセンサのライン読み取り位置の関係を示した図である。
【図21】読み取られた画像データと再現画像と原稿画像との関係を示した図である。
【図22】従来のカラー画像形成装置における感光ドラムの回転とレーザビームの走査との関係を示した図である。
【図23】従来のカラー画像形成装置において、ドラムモータの回転とスキャナモータの回転との同期をとるための構成の一具体例を示した図である。
【図24】従来のカラー画像形成装置において、ドラムモータの回転とスキャナモータの回転との同期をとるための構成の他の具体例を示した図である。
【図25】従来のカラー画像形成装置におけるスキャナモータ、ドラムモータの駆動系の一構成例を示した図である。
【図26】感光ドラム上の主走査ラインと副走査開始信号の発生タイミングとの関係を示した図である。
【図27】従来のカラー画像形成装置における問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
101 画像書き出しタイミング制御回路
102 半導体レーザ
103 ポリゴンミラー
104 f−θレンズ
105 感光ドラム
106 ポリゴンモータ
107 BDセンサ
108 転写ドラム
109 記録用紙
110 センサ
111 フラグ
112 発振器
113 分周回路
114 PLL回路
115 感光ドラムモータ
116 ギアベルト
117 ORゲート
118 PLL回路
119 分周回路
120 レーザ点灯信号生成回路
121 発振器
122 光学モータ駆動制御回路
123 光学モータ
124 CCD駆動制御回路
126 位相調整回路
Claims (4)
- 複数の面画像を重畳することにより1つの画像を形成する画像形成装置であって、
原稿をラインセンサで複数回読取走査し、各読取走査毎に原稿画像データを出力する原稿読取手段と、
前記原稿読取手段より出力される原稿画像データに基づいて、光ビームを発生する光ビーム発生手段と、
像担持体を回転駆動させる像担持体駆動手段と、
回転しながら前記光ビーム発生手段より発生される光ビームを反射することにより、前記像担持体駆動手段により回転する像担持体上を走査する回転多面鏡と、
前記回転多面鏡の回転に応じて主走査開始信号を発生する主走査開始信号発生手段と、
前記像担持体の回転に応じて副走査開始信号を発生する副走査開始信号発生手段と、
発生タイミングが前記主走査開始信号の発生周期の中心となるように前記副走査開始信号を遅延させる遅延手段と、前記主走査開始信号発生手段より発生される前記主走査開始信号及び前記遅延手段によって遅延された前記副走査開始信号に従って、前記原稿読取手段における前記ラインセンサによる原稿の読取走査と、前記回転多面鏡による前記像担持体上への光ビーム走査とを制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記主走査開始信号の発生周期に対する前記副走査開始信号の発生タイミングを検出し、前記副走査開始信号が前記主走査開始信号の発生周期の中心よりも前のタイミングで発生するか後のタイミングで発生するかを判定する判定手段と、をさらに有し、
前記遅延手段は、前記判定手段によって前記副走査開始信号が第1の主走査開始信号と前記第1の主走査信号の直後に発生する第2の主走査開始信号の発生タイミングとの中心よりも前のタイミングで発生すると判定された場合、発生タイミングが前記第1の主走査開始信号の発生タイミングと前記第2の主走査開始信号の発生タイミングとの中心となるように前記副走査開始信号を遅延させ、前記判定手段によって前記副走査開始信号が第1の主走査開始信号と前記第2の主走査開始信号の発生タイミングとの中心よりも後のタイミングで発生すると判定された場合、発生タイミングが前記第2の主走査開始信号の発生タイミングと前記第2の主走査開始信号の直後に発生する第3の主走査開始信号の発生タイミングとの中心となるように、前記副走査開始信号を遅延させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記遅延手段は、前記判定手段によって前記副走査開始信号が第1の主走査開始信号の発生タイミングと前記第2の主走査開始信号の発生タイミングとの中心よりも前のタイミングで発生すると判定された場合、前記判定手段の検出結果から求められる前記第1の主走査開始信号と前記副走査開始信号との発生タイミングの差Aと前記主走査開始信号の発生周期Tとに基づいて、前記副走査開始信号を(T/2−A)期間だけ遅延させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記遅延手段は、前記判定手段によって前記副走査開始信号が第1の主走査開始信号の発生タイミングと前記第2の主走査開始信号の発生タイミングとの中心よりも後のタイミングで発生すると判定された場合、前記判定手段の検出結果から求められる前記第1の主走査開始信号と前記副走査開始信号との発生タイミングとの差Bと前記主走査開始信号の発生周期Tとに基づいて、前記副走査開始信号を(3T/2−B)期間だけ遅延させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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