JP4370851B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
例えば、ソニー社製1/2inchデジタルビデオのHDCAMフォーマットにおいては、トラック幅が約20μm、単位2bit当たりの記録データ信号の長さが約0.5μmである。またデータ転送レートはビデオネットで140Mbpsであるとされている。
しかしながら、この従来提案されている技術によっては、未だ実用的な磁気記録再生システムにおいて高い適応性を有しているとは言えない。すなわち、磁気記録媒体に関して実用的な面から考えれば、記録電流と再生出力とのバランス、すなわち記録電流値の裕度、及び充分な再生出力を得るための最適記録電流を考慮しながら磁気記録媒体の特性を規定することは必須であると言えるが、下記特許文献1に開示されている技術によっては、未だ上記のような実用上の特性に関しての検討がなされていない。
230≦Hc×(1+0.5×SFD)・・・(1)
2.2≦Hc/Rs≦2.6・・・(2)
磁気記録媒体10は、非磁性支持体1の一主面上に非磁性層3を介して磁性層2が積層形成されてなり、非磁性支持体1の他の一主面にバック層4が形成された構成を有している。なお本発明の磁気記録媒体は、体積当たりの記録密度を高めるため、全厚dが12μm以下であるものとする。
230≦Hc×(1+0.5×SFD)・・・(1)
2.2≦Hc/Rs≦2.6・・・(2)
図2に磁性体の磁化曲線であるヒステリシス曲線を示した。
磁束密度(B)と磁場(H)との関係は、
B=μdμ0H・・・(3)
で示される。
ここで、μ0は真空中での透磁率、μdは媒体中での比透磁率である。磁束密度の磁場に係る微分係数は、上式から、
μd=(1/μ0)×dB/dH・・・(4)
となり、このとき、μdは微分透磁率と呼ばれる。
この極値に関る半値幅をΔHとすれば、SFDは、
SFD=ΔH/Hc・・・(5)
で定義される。
上記式(4)及び(5)は、微分曲線及びその極値における半値幅によって、透磁率とSFD、更に磁場とを関係づけており、実測容易なHc及びΔH、すなわちSFDから透磁率が把握される。該透磁率の媒体として磁性体粒子をとれば磁性体の組成、磁性体中の空隙等の結晶欠陥によるHc変動に磁性層に着目すれば更に層中の磁性体粒子の充填率、粒子数密度、分散度等の磁気条件を統括したHc変動に結び付けられ、SFDはHcの変動を示すパラメータと看做される。
実用上、再生出力の最大値が得られる記録電流、いわゆる最適記録電流は消費電力低減の観点から低い方が望ましく、実用上充分な出力(例えば、最大出力値から1dB下がった範囲の出力値)が得られる記録電流の幅(図中c)は広い方が望ましい。
本発明においては、磁性層の物性に関して、Hc×(1+0.5×SFD)、及びHc/Rsとが、最適記録電流特性、記録電流特性と関連を有していることに着目し、これらの数値範囲を上記式(1)、(2)のように特定した。
非磁性支持体1形成用の材料としては、従来公知の磁気記録媒体用の支持体として使用されているものをいずれも適用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチックの他、アルミニウム合金、チタン合金等の軽金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられる。
非磁性支持体1としてAl合金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合には、表面にアルマイト処理等の酸化被膜や、Ni−P被膜等を形成し、表面を硬化させてもよい。また、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理等の所定の表面処理を施してもよい。
磁性層2は、強磁性粉末と結合剤を主成分とし、研磨剤、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加剤を加え、有機溶剤等を用いて従来公知の方法によって調整した磁性塗料を塗布することによって形成されてなるものとする。
結合剤の配合比は塗料化時の分散性、接着性、粘着性、走行耐久性の観点から、強磁性粉末100重合部に対して、5〜100重合部、さらには10〜30重合部が好適である。
結合剤が、5重量部よりも少ない場合は分散性、接着性、走行耐久性が損なわれ、100重量部を超えると粘着性、走行耐久性が損なわれるためである。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
研磨剤としては、従来公知の磁気記録媒体に適用されている種々の研磨剤を使用することができる。
例えば、α−アルミナ、β―アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化セリウム、α−酸化鉄、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、溶融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr2O3)、コランダム、人造コランダム、ダイヤモンド等が挙げられる。
潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5、アルコキシは炭素数1〜4)、フェニルポリキシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5)等のシリコンオイル、常温で液状の不飽和脂肪酸炭化水素(n−オレフィン二重合結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約20)、炭素数12〜20の一塩基脂肪酸と炭素数3〜12の1価のアルコールからなる脂肪酸エステル、フルオロカーボン類等が挙げられる。
潤滑剤としては、特に脂肪酸エステルが好ましい。脂肪酸エステルの原料となるアルコールはとしては、エタノール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、プロピリングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピリングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、s-ブチルアルコール等のモノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタイン誘導体の多価アルコールが挙げられる。
脂肪酸としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、プルミトレイン酸等の、脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が挙げられる。
脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチルステアレート、sec−ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステアレート、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブトキシエチルステアレート、2−ブトキシー1―プロピルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸でエステル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でエステル化したもの、グリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げることができる。
さらに、磁気記録媒体を高湿度化で使用するときにしばしば生じる脂肪酸エステルの加水分解を軽減する為に、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する。
潤滑剤としては、その他以下の化合物を使用することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、弗化亜鉛、フッ素アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル、二硫化タングステン等が挙げられる。
磁性層中に含有される分散剤としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リルン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18の脂肪酸(R1COOH、R1はアルキルまたはアルニケル基)、前記脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等)、またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba)からなる金属石鹸、前記脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアリキルポリオレフィンオキシ第4級アンモニュウム塩(アルキルは炭素数1乃至5個、オレフィンはエチレン、プロピレン等)等を適用できる。
その他、炭素数12以上の高級アルコール、及びこれらの他に硫酸エステル等も使用可能である。これらの分散剤は、結合剤樹脂100重合部に対して0.5〜20重合部の範囲で添加される。
なお潤滑剤は、磁性層2のみに添加してもよく、磁性層2と非磁性層3の双方、あるいは非磁性層3のみに添加しても良い。
帯電防止剤の含有量は、通常、強磁性粉末の1〜20重量%含有される。帯電防止剤の量が多過ぎると強磁性体粉末の充填度を低下させるので好ましくない。
非磁性層3は、非磁性粉末と結合剤を主成分として構成されているものとし、その他潤滑剤、分散剤、導電性粒子、及び各種添加剤を含有してもよく、これらは上述した磁性層2形成用の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤をいずれも適用可能である。
非磁性層3を薄層に形成する場合には、表面の平滑性を確保するために微細粒子を用いることが好ましく、厚くするに従い粒子径が大きいものも適用可能となる。例えば針状比が10程度の針状粒子であれば平均長軸径が0.05〜0.4μm、球状粒子であれば0.01〜0.1μmのものを適用できる。
非磁性粉末の材質としては特に限定はなく、金属、金属酸化物、カーボンブラック、樹脂等のいずれの材質のものも適用できる。
なお、粒子分布と分散性に優れたヘマタイト(α−Fe2O3)が特に好適な例として挙げられる。
非磁性層3に含有されている非磁性粒子の具体例としては、住友化学製、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、日本化学工業製、G5,G7,S−1、戸田工業製、TF−100、TF−120、TF−140、石原産業社製TT055シリーズ、ET300W、チタン工業社製STT30等が挙げられる。
導電性粒子の比表面積は、5〜500m2/g、DBP吸油量は、10〜1500ml/100gが好適である。なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、カーボンブラック粉末にジブチルフタレートを少しずつ加え、練り合わせながらカーボンブラックの状態を観察し、ばらばらに分散した状態から一つの塊をなす点を見いだし、その時のジブチルフタレートの添加量(ml)をDBP吸油量としたものとする。
導電性粒子の粒子径は、5〜300μm、PHは2〜10、含水率は、0.1〜10重量部%、タップ密度は0.1〜1g/ccが好ましい。
導電性粒子としてカーボンブラックを用いる場合には、キャボット社製、BLACKPEATLS2000、1300,1000,900,800、700,VULCANXC−72、旭カーボン社製、#80、#60、#55,#50、#35,三菱化成工業社製、#3950B、#2400B、#2300,#900,#1000,#30,#40、#10B、コロンビアカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 150,50,40,15,ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−500、ケッチェンブラックECDJ―600等が挙げられる。
上述したようなカーボンブラックを分散剤等で表面処理したり、樹脂でグラフト化したり、あるいは表面の一部をグラフト化してもよい。
非磁性層3においては、カーボンブラック含有量は、全非磁性粉末に対し3〜20重量%とすることが好ましい。
なお、上述したようなカーボンブラックは、磁性層2中に含有させてもよく、この場合、強磁性粉末に対する量は、0.1〜30重量%とすることが好ましい。
なお、各素材の全て、またはその一部は塗布液を製造するどの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合がある。
例えば、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールなどのエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロベンゼン、等の塩素化炭化水素水、N、N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等が適用できる。
なお、これらの有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純物が含まれていてもよい。これらの不純物は30重量%以下とすることが好ましく、さらには、10重量%以下とすることが望ましい。
バック層4は、例えば従来公知の無機粉末、結合剤を主成分とし、その他帯電防止剤、防錆剤、硬化剤等の各種添加剤を含有する分散液を、有機溶剤等を用いて調整した塗料を塗布することにより形成される。
先ず、非磁性支持体1を用意し、次に、磁性層2形成用塗料、及び非磁性層3形成用の塗料を作製する。
塗料作製工程は、少なくとも混練工程、分散工程からなり、これらの工程の前後に必要に応じて所定の材料の混合工程を有しているものとする。なお、個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもよい。
混練工程では連続ニーダーや加圧ニーダーなど強い混練力を有しているものを使用することにより、本発明の磁気記録媒体の残留磁束密度Brを高くすることができる。連続ニーダー、または加圧ニーダーを用いる場合は、強磁性粉末と結合剤の全て、またはその一部(ただし全結合樹脂の30%以上であることが望ましい)、例えば強磁性粉末100重量部に対し5〜500重量部の範囲で混練処理される。
非磁性層3、及び磁性層2の塗布方式は、非磁性支持体1上に塗布された非磁性層3が湿潤状態にあるうちに磁性層2用の塗料を塗布するウェットオンウェット方式の塗布方法を採用するのが好ましい。この塗布方式により、非磁性層3に対する磁性層2の密着性を高めることができ、磁性層2の膜厚が0.3μm以下の非常に薄層とする場合にも、層間で剥離を生じることなく、ドロップアウトが生じにくい走行耐久性の優れた磁気記録媒体を得ることができる。
一方、非磁性層3の塗料を塗布し、乾燥処理後に磁性層2を塗布する方式においては、磁性層2がきわめて薄層である場合には、充分な密着性を得られにくい。
バック層4は、上述した無機粉末、結合剤、帯電防止剤、防錆剤、硬化剤等の各種添加剤を含有する分散液を、有機溶剤等を用いて調整した塗料を塗布することにより形成することができる。
なお、非磁性支持体1と非磁性層3との間には、密着性向上のために、例えばポリエステル樹脂等からなる下塗層を設けてもよい。
特に、映像信号等の書き込み・編集に使用されるデジタルデータ記録において、最短記録波長が0.3μm程度での高密度記録であっても、良好な当たり特性を維持しながら高い電磁変換特性を確保し、繰り返しの使用における耐久性にも優れているという利点を有している。
また、非磁性支持体1や、磁性層2に含有されている強磁性粉末及び結合剤、非記録層3に含有される無機粉末、結合剤、及び分散剤、その他研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、塗料調整用溶剤としては、従来公知のものがいずれも適用することができ、上述した例に何ら限定されるものではない。
以下に示す組成の磁性層用分散液を調整した。先ず、下記材料をエクストルーダーで混練した。
Fe−Co系強磁性粉末:100重量部
(長軸長0.1μm、Co/Fe=30atm%、比表面積47m2/g、
飽和磁化=150Am2/kg、保磁力=184kA/m)
塩化ビニル系共重合体:21.7重量部
(日本ゼオン製 MR−110:30wt%シクロヘキサノン溶液)
ポリエステルポリウレタン樹脂:26.0重量部
(東洋紡社製 UR−8200:25wt%メチルエチルケトン/トルエン混合溶液)
次に、上記混練物に下記材料を加え、ディスパー攪拌機付きタンク内で2時間攪拌後、サンドミルで5時間混合処理を行った。
塩化ビニル系共重合体:11.7重量部
(日本ゼオン製 MR−110:30wt%シクロヘキサン溶液)
ポリエステルポリウレタン樹脂:14.0重量部
(東洋紡社製 UR−8200:25wt%メチルエチルケトン/トルエン混合溶液)
メチルエチルケトン(MEK):88.0重量部
トルエン:106.0重量部
シクロヘキサノン:32.7重量部
その後、糸巻き式タイプのフィルターを用いて濾過処理を行う。先ず、濾過精度5μmのフィルターを用い、3〜1μmのフィルターを用いて順次濾過処理を行った。
α−Fe2O3(酸化鉄)粉末:100重量部
(平均長軸長0.15μm、比表面積55m2/g、平均軸比10)
塩化ビニル系共重合体:21.7重量部
(日本ゼオン製 MR−110:30wt%シクロヘキサン溶液)
ポリエステルポリウレタン樹脂:26.0重量部
(東洋紡社製 UR−8200:25wt%メチルエチルケトン/トルエン混合溶液)
次に、上記混練物に下記組成物を加え、ディスパー攪拌機付きタンク内で2時間攪拌後、サンドミルで5時間混合処理を行った。
塩化ビニル系共重合体:11.7重量部
(日本ゼオン製 MR−110:30wt%シクロヘキサン溶液)
ポリエステルポリウレタン樹脂:14.0重量部
(東洋紡社製 UR−8200:25wt%メチルエチルケトン/トルエン混合溶液)
メチルエチルケトン(MEK):61.3重量部
トルエン:79.3重量部
シクロヘキサノン:19.3重量部
その後、糸巻き式タイプのフィルターを用いて濾過処理を行う。先ず、濾過精度5μmのフィルターを用い、3〜1μmのフィルターを用いて順次濾過処理を行った。
ミリスチン酸:1重量部
ヘプチルステアレート:2重量部
イソシアネート系硬化剤:8重量部
(日本ポリウレタン社製コロネートL 固形分50wt%)
非磁性支持体1上に、非磁性層3を膜厚2.5μm、磁性層2を膜厚0.2μmとなるように同時二層塗布により形成した。その後、ソレノイドコイル方式マグネット(5Kガウス)で磁場配向し、100℃の熱風によるドライヤー乾燥処理、カレンダー処理を行った。
カーボンブラック(旭社製 ♯50):100重量部
ポリエステルポリウレタン(ニッポラン社製 N−2304):100重量部
メチルエチルケトン:500重量部
トルエン:300重量部
シクロヘキサノン:200重量部
イソシアネート系硬化剤:40重量部
(日本ポリウレタン社製 コロネートL、固形分50wt%)
Fe−Co系強磁性粉末を、以下の様に変更した。その他の条件は実施例1と同様としてサンプルを作製した。
Fe−Co系強磁性粉末:100重量部
(長軸長0.12μm、Co/Fe=30atm%、比表面積=44m2/g、
飽和磁化=142Am2/kg、保磁力=194kA/m)
Fe−Co系強磁性粉末を、以下の様に変更した。その他の条件は実施例1と同様としてサンプルを作製した。
Fe−Co系強磁性粉末:100重量部
(長軸長0.08μm、Co/Fe=25atm%、比表面積=55m2/g、
飽和磁化=127Am2/kg、保磁力=205kA/m)
配向の条件を変更し、磁気特性を調整した。その他の条件は、実施例3と同様としてサンプルを作製した。
Fe−Co系強磁性粉末を、以下の様に変更した。その他の条件は実施例1と同様としてサンプルを作製した。
Fe−Co系強磁性粉末:100重量部
(長軸長0.12μm、Co/Fe=30atm%、比表面積=44m2/g、
飽和磁化=142Am2/kg、保磁力=184kA/m)
磁性層の膜厚を0.15μmとした。その他の条件は、実施例1と同様としてサンプルを作製した。
磁性層の膜厚を0.25μmとした。その他の条件は、実施例1と同様としてサンプルを作製した。
磁性層の膜厚を0.10μmとした。その他の条件は、実施例1と同様としてサンプルを作製した。
磁性層の膜厚を0.30μmとした。その他の条件は、実施例1と同様としてサンプルを作製した。
室温(25℃)環境下において、ソニー社製のデジタルVTR(商品名:HDW-500)を用いて記録波長0.3μmの単一信号の記録を記録電流を変えて行った。その後、信号再生を行い、最大値の測定を行った。
なお、測定値はリファレンスとする実施例1との相対値(単位dB)として表した。
上記出力を測定する際、最大の出力を得るときの記録電流を測定した。
数値は、リファレンスとする実施例1の最適記録電流を100%としたときの比較により%表示した。
図5に示すような、記録電流と再生出力との関係を示す記録電流カーブをとり、再生出力の最大値から1dB下がったところで線を引き、記録電流カーブとクロスするa、bの2点間の広さcを測った。数値は、リファレンスとする実施例1の広さを1とし、相対値で表した。
記録波長0.3μmの出力(AdB)と、記録波長1.2μmの出力Bとを測定し、A−B(単位はdB)を読み取った。
数値は、リファレンスとする実施例1を基準とし、リファレンスとの差(単位dB)で表した。
なお、最適記録電流は、リファレンス(実施例1)に対してのズレが±15%以内であれば、実用上良好であると評価した。
また、記録電流特性については、リファレンス(実施例1)に対してのズレが±20%以内であれば、実用上良好であると評価した。
230≦Hc×(1+0.5×SFD)・・・(1)
2.2≦Hc/Rs≦2.6・・・(2)
この記録電流特性の値が大きいと、VTR用磁気ヘッドが、継続的な使用による摩耗で最適記録電流が変化したとしても、良好なエラーレート特性が確保できるという効果を発揮でき、商品としての耐久性の向上が図られる。
これによると、最適記録電流のリファレンス(実施例1)に対するズレが±15%以内であるものは、2.2≦Hc/Rs≦2.6の範囲であることが分かる。
Hc/Rsの値が2.6を超える比較例1のサンプルにおいては、最適記録電流の値が124%と大きくなってしまい、リファレンスとのズレが大きく、充分な出力を得るための消費電力が大きくなってしまった。
このように、波長領域に依存して出力変動が激しくなると、VTRのイコライザーの調整に不利であり、大きすぎても小さすぎても、結果としてエラーレートに対するマージンが小さくなるという問題がある。
Claims (2)
- 非磁性支持体の一主面上に、少なくとも無機粉末と結合剤とを含有する非磁性層と、少なくとも強磁性粉末と結合剤とを含有する磁性層とが形成されてなり、
上記非磁性支持体の他の一主面上に、バック層が形成されてなり、
保磁力Hc〔kA/m〕と、SFD(スイッチング・フィールド・ディストリビューション)が、下記式(1)の関係を有し、
上記磁性層の保磁力Hc〔kA/m〕と、角形比Rs〔%〕とが、下記式(2)の関係を有し、
全厚12μm以下である磁気記録媒体。
230≦Hc×(1+0.5×SFD)・・・(1)
2.2≦Hc/Rs≦2.6・・・(2) - 上記磁性層の膜厚が、0.15〜0.25μmである請求項1に記載の磁気記録媒体。
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