JP4369938B2 - 脱気水製造装置及び脱気水製造方法 - Google Patents
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Description
この脱気水を製造する装置としては、中空糸膜モジュールへ水を通し、この中空糸膜モジュール内の中空糸まわりを真空ポンプで引いて負圧化させ、もって脱気させる構成のものが主流とされている。中空糸膜モジュールは、一端部を給水側とし他端部を吐水側とするモジュールケース内に両端間にわたって中空糸が収められ、この中空糸の外面によって中空糸膜を形成させたものである。
そのため中空糸膜モジュール内は負圧が保たれた状態となる。このとき中空糸膜モジュール内では中空糸内から空気だけでなく水蒸気も漏洩する状態となり、結果、中空糸膜モジュールから三方電磁弁までの配管内には水が溜まるようになる。
また、中空糸膜モジュール内が通水状態となったときには、同時に乾式真空ポンプも作動するようになっているが、この時点で三方電磁弁は給気側を閉鎖し、中空糸膜モジュールと乾式真空ポンプとの間を開通させるようになっているため、乾式真空ポンプは中空糸膜モジュール側の負圧の影響を直接に受けることになる。従って、この負圧によって乾式真空ポンプは起動を邪魔され、作動不要になるという不具合があった。
即ち、本発明に係る脱気水製造装置は、一端部を給水側とし他端部を吐水側とするモジュールケース内に両端間にわたって中空糸が収められこの中空糸の外面によって中空糸膜を形成させた中空糸膜モジュールと、この中空糸膜モジュールの給水側から吐水側へ向けた水の流れを検出する水流センサと、中空糸膜モジュールに対して中空糸膜への通気状態で接続され上記水流センサによる通水検出動作に基づいて起動し止水検出動作に基づいて停止する乾式真空ポンプと、これら中空糸膜モジュールと乾式真空ポンプとの接続通路途中に設けられたドレン部と、このドレン部の二次側に連結された排水弁と、
中空糸膜モジュールと乾式真空ポンプとの接続通路の中途部から分岐された枝管と、この枝管に設けられていて上記乾式真空ポンプの起動時に中空糸膜モジュールと乾式真空ポンプとの接続通路に前記枝管を介して空気を吸い込ませるべく暫時解放しその後自動閉鎖する開閉弁とを有している。
前記中空糸膜モジュールと乾式真空ポンプとの接続通路は、開閉弁自体では遮断されることも流路を狭められることもない(管路抵抗にならない)状態に保たれている。
このようなことから、中空糸膜モジュール内が止水されているときであっても、この中空糸膜モジュール内が脱気作用を阻害する程に水の溜まった状態になることはない。それ故、次に中空糸膜モジュール内が通水状態とされたとき(吐水栓が開かれたとき)に、脱気されていない水が吐水栓から流出するといった不具合は起こらず、常に脱気水が吐水される好ましい状態となる。
前記排水弁は、開閉弁が解放したときに開弁し、開閉弁が閉鎖したときに閉弁するよう構成されているのが好適である。
このようにすることで、この排水弁として電磁弁などの駆動機構付きのものを採用する必要がなくなり、構造の簡潔化、低コスト化、制御の不要化などの多くの利点を得ることができる。
図1乃至図3は、本発明に係る脱気水製造装置1の一実施形態を示している。図2に示すように、この脱気水製造装置1は、吐水栓2へ向けた給水配管3の途中に組み込むように設置するもので、例えば一般家庭のキッチンであれば流し台の下へ収納すればよいし洗面所であれば洗面台の下へ収納すればよい。勿論、外部へ露出させた状態(キッチンであれば流し台の奥や横等)で設置するものでもよい。
なお、中空糸膜モジュール5は横置き配置に限定されることはなく、該中空糸膜モジュール5を通水方向が上下方向となるように又は上下方向に対して若干傾斜するように縦置き配置してもよい。
水流センサ6は、中空糸膜モジュール5の給水側端部5aから吐水側端部5bへ向けた水の流れを検出するためのものである。この水流センサ6を設ける位置付けは特に限定されず、中空糸膜モジュール5自体に設けてもよいし、給水側の配管接続部13や吐水側の配管接続部14でもよいし、場合によっては給水配管3の適所としたり吐水栓2自体としたりすることもできる。要は水が流れているか否かを検出できればよいのである。
またこの水流センサ6として採用可能な水流の検出方式も何ら限定されるものではなく、例えば水流を水車状の検出部材の回転によって検出するタイプをはじめ、水位変化をフロートの上下動で検出するタイプ、その他、電気的な抵抗値の変化や導通の有無を検出するタイプなど、適宜タイプを採用可能である。
ドレン部8は、中空糸モジュール5と乾式真空ポンプ7とを接続する通路の途中(上記した接続配管25の途中)に設けられており、接続配管25内を流通する水を所定範囲で回収できるようになっている。
そのため、ドレン部8側が負圧になることで弁座32へ弁体31が吸引されて閉弁動作し、ドレン部8側の負圧解除に伴う弁座32からの弁体31の離反(落下)で開弁動作することになる。このように、この排水弁9は電磁弁などの駆動機構を具備しない無駆動タイプである。
開閉弁10は、中空糸膜モジュール5の給水部から乾式真空ポンプ7までの接続間に対し、その流路順方向(水が流れる方向)から側部へ突出する状態に設けられている。本実施形態では、中空糸膜モジュール5と乾式真空ポンプ7とを接続する接続配管25のなかに水平配管部25aを設け、この水平配管部25aの中途部に上方へ分岐して突出する枝管35を設けて、この枝管35の先に開閉弁10を接続してある。
制御部30は、図4に示すタイムチャートから明らかなように、水流センサ6が水流を検出する動作(通水検出)を行ったとき、乾式真空ポンプ7を起動させ、この後、水流センサ6が水流の停止状態を検出する動作(止水検出)を行ったとき、乾式真空ポンプ7を停止させるように動作制御を行う。またこの制御部30は、乾式真空ポンプ7が起動する時にはこれと同時に開閉弁10を解放させ、その後所定時間が経過した後、開閉弁10を閉鎖させるように動作制御を行う。
なお、収納ボックス12(図2参照)に対してこの制御部30への給電切替を行えるようにした電源ボタン37を設けておけば、この電源ボタン37を操作することで、この脱気水製造装置1としての全システムの起動と停止とを切り替えられるようになり便利である。
図4に示すように、吐水栓2が閉じられている状態では給水側の配管接続部13から吐水側の配管接続部14へと水が流れないので、脱気水製造装置1内も当然に止水状態となっている。この通水停止時は開閉弁10は閉鎖状態に保持されている。
中空糸膜モジュール5へが通水状態になることで水流センサ6が通水検出動作を行い、これを受けて制御部30が乾式真空ポンプ7を起動させようとする。また制御部30はこれと同時に開閉弁10を解放させ、中空糸膜モジュール5と乾式真空ポンプ7とを接続している接続配管25中へ空気を吸い込ませる。
一方、上記のように開閉弁10が解放されることで、同時に排水弁9内では負圧が解除される状態となり、結果、この排水弁9も開弁する。これにより、ドレン部8内や中空糸膜モジュール5と真空ポンプ7との接続通路(接続配管25)内に溜まった水が、ドレン部8から排水弁9、及び排水管33を介して排水されることになり、これによって乾式真空ポンプ7へ水が浸入することが防止される。
このような状況から吐水栓2が閉じられれば、給水側の配管接続部13から脱気水製造装置1を介して吐水側の配管接続部14へと向かう水の流れも停止し、水流センサ6は止水検出動作を行うことになる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
排水弁9は電磁弁などによって形成することもできる。
図1に示したように、中空糸膜モジュール5に対して補助的に大気解放用の電磁弁40を接続しておき、図2に示すように収納ボックス12の外部から操作できるようにした非常用スイッチ41で上記電磁弁40を任意タイミングで作動できるように構成しておくと、非常時の負圧(真空)破壊が行えるようになるので好適である。
5 中空糸膜モジュール
6 水流センサ
7 乾式真空ポンプ
8 ドレン部
9 排水弁
10 開閉弁
20 モジュールケース
21 中空糸
31 弁体
32 弁座
Claims (4)
- 一端部を給水側とし他端部を吐水側とするモジュールケース(20)内に両端間にわたって中空糸(21)が収められこの中空糸(21)の外面によって中空糸膜を形成させた中空糸膜モジュール(5)と、
この中空糸膜モジュール(5)の給水側から吐水側へ向けた水の流れを検出する水流センサ(6)と、
中空糸膜モジュール(5)に対して中空糸膜への通気状態で接続され上記水流センサ(6)による通水検出動作に基づいて起動し止水検出動作に基づいて停止する乾式真空ポンプ(7)と、
これら中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続通路途中に設けられたドレン部(8)と、
このドレン部(8)の二次側に連結された排水弁(9)と、
中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続通路の中途部から分岐された枝管(35)と、
この枝管(35)に設けられていて上記乾式真空ポンプ(7)の起動時に中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続通路に前記枝管(35)を介して空気を吸い込ませるべく暫時解放しその後自動閉鎖する開閉弁(10)と
を有していることを特徴とする脱気水製造装置。 - 前記排水弁(9)は、開閉弁(10)が解放したときに開弁し、開閉弁(10)が閉鎖したときに閉弁するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の脱気水製造装置。
- 前記排水弁(9)は、ドレン部(8)側が負圧になる作用を受けて弁座(32)へ弁体(31)が吸着されて閉弁状態となりドレン部(8)側の負圧解除に伴う弁座(32)からの弁体(31)の離反で開弁状態となる構造になっていることを特徴とする請求項2記載の脱気水製造装置。
- 中空糸膜モジュール(5)内に設けられた中空糸(21)へ水を通水させると共にこの中空糸膜モジュール(5)内の中空糸(21)まわりを乾式真空ポンプ(7)で吸引させることによって中空糸膜モジュール(5)の吐水側から脱気水を吐水させる脱気水製造方法において、
中空糸膜モジュール(5)への通水停止時は前記乾式真空ポンプ(7)を停止させると共に中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続通路の中途部から分岐された枝管(35)に設けた開閉弁(10)を閉鎖状態に保持しておき、
中空糸膜モジュール(5)へ通水開始する時点で前記乾式真空ポンプ(7)を起動させると共に上記開閉弁(10)を解放させて中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続通路に前記枝管(35)を介して空気を吸い込ませ、
この開閉弁(10)の解放時には中空糸モジュール(5)と真空ポンプ(7)との接続通路途中に設けたドレン部(8)の排水弁(9)をも開弁させ、
乾式真空ポンプ(7)が起動した後に上記開閉弁(10)及び排水弁(9)を閉鎖させて脱気水を製造する
ことを特徴とする脱気水製造方法。
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