JP2008000698A - 脱気水製造装置及び脱気水製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中空糸膜モジュール5と、中空糸膜モジュール5内の通水状況を検出する水流センサ6と、中空糸膜モジュール5に接続され水流センサ6による通水検出動作に基づいて起動し止水検出動作に基づいて停止する乾式真空ポンプ7と、中空糸モジュール5と乾式真空ポンプ7との接続通路途中に設けられたドレン部8と、ドレン部8に連結された排水弁9と、中空糸膜モジュール5の給水部から乾式真空ポンプ7までの接続間で流路順方向から側部突出状に設けられて乾式真空ポンプ7の起動時に暫時解放しその後自動閉鎖する開閉弁10とを有した構成とする。
【選択図】図1
Description
この脱気水を製造する装置としては、中空糸膜モジュールへ水を通し、この中空糸膜モジュール内の中空糸まわりを真空ポンプで引いて負圧化させ、もって脱気させる構成のものが主流とされている。中空糸膜モジュールは、一端部を給水側とし他端部を吐水側とするモジュールケース内に両端間にわたって中空糸が収められ、この中空糸の外面によって中空糸膜を形成させたものである。
そして、中空糸膜モジュール内が止水状態とされたとき(吐水栓が閉じられたとき)には、三方電磁弁により中空糸膜モジュールと乾式真空ポンプとの間を遮断すると同時に三方電磁弁の給気側を解放させ、そのうえで乾式真空ポンプを数分間にわたり作動させて強制的に空気の取り込みを行わせ、その後、乾式真空ポンプを停止させてドレン電磁弁を解放させ、三方電磁弁の給気側から取り込んだ空気でドレンポット内に溜まった水を排水させるようにしていた。
そのため中空糸膜モジュール内は負圧が保たれた状態となる。このとき中空糸膜モジュール内では中空糸内から空気だけでなく水蒸気も漏洩する状態となり、結果、中空糸膜モジュールから三方電磁弁までの配管内には水が溜まるようになる。
このようにして中空糸膜モジュール内に水が溜まるようになると、中空糸が水没状態となってゆくことから次第に脱気作用が低下し、最終的には脱気不能な状態に陥ってしまう。従って、次に中空糸膜モジュール内が通水状態となったとき(吐水栓が開けられたとき)には脱気されていない水が吐水栓から流出するという不具合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、脱気水の製造が確実にでき、また乾式真空ポンプの起動を確実に行えるようにした脱気水製造装置及び脱気水製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る脱気水製造装置は、一端部を給水側とし他端部を吐水側とするモジュールケース内に両端間にわたって中空糸が収められこの中空糸の外面によって中空糸膜を形成させた中空糸膜モジュールと、この中空糸膜モジュールの給水側から吐水側へ向けた水の流れを検出する水流センサと、中空糸膜モジュールに対して中空糸膜への通気状態で接続され上記水流センサによる通水検出動作に基づいて起動し止水検出動作に基づいて停止する乾式真空ポンプと、これら中空糸モジュールと乾式真空ポンプとの接続通路途中に設けられたドレン部と、このドレン部の二次側に連結された排水弁と、中空糸膜モジュールの給水部から乾式真空ポンプまでの接続間で流路順方向から側部突出状に設けられて上記乾式真空ポンプの起動時に暫時解放しその後自動閉鎖する開閉弁とを有している。
ここにおいて開閉弁は、中空糸膜モジュールの給水部から乾式真空ポンプまでの接続間の適所であって、且つ、流路順方向から側部へ突出する状態に設けられている。すなわち、中空糸膜モジュールの給水部から乾式真空ポンプまでを接続する流路は、開閉弁自体では遮断されることも流路を狭められることもない(管路抵抗にならない)状態に保たれている。
また、この開閉弁は乾式真空ポンプを起動させるときに暫時的に解放する構成であるので、乾式真空ポンプは大気圧下で無理なく起動できることになる。すなわち、常に乾式真空ポンプの起動が確実に行えるということである。
排水弁は、ドレン部側が負圧になる作用を受けて弁座へ弁体が吸着されて閉弁状態となりドレン部側の負圧解除に伴う弁座からの弁体の離反で開弁状態となる構造を有したものとするのが好適である。
このようにすることで、この排水弁として電磁弁などの駆動機構付きのものを採用する必要がなくなり、構造の簡潔化、低コスト化、制御の不要化などの多くの利点を得ることができる。
また、乾式真空ポンプの起動時には開閉弁の暫時的な解放によって負圧の破壊ができ、大気圧下での無理のない起動ができるので、乾式真空ポンプの起動は常に確実となる。
図1乃至図3は、本発明に係る脱気水製造装置1の一実施形態を示している。図2に示すように、この脱気水製造装置1は、吐水栓2へ向けた給水配管3の途中に組み込むように設置するもので、例えば一般家庭のキッチンであれば流し台の下へ収納すればよいし洗面所であれば洗面台の下へ収納すればよい。勿論、外部へ露出させた状態(キッチンであれば流し台の奥や横等)で設置するものでもよい。
図1に示すように、この脱気水製造装置1は、中空糸膜モジュール5と水流センサ6と乾式真空ポンプ7とドレン部8と排水弁9と開閉弁10とを有している。なお、図例ではこれらが収納ボックス12内に収められ、この収納ボックス12からは中空糸膜モジュール5に対する給水側の配管接続部13と吐水側の配管接続部14とが外部へ導出された独立構成のものを示してあるが、収納ボックス12を設けることは限定されず、例えば流し台の下などで給水配管3の中途部を中空糸モジュール5へ直接的に接続させるようにして構成させるものであってもよい。
本実施の形態では、収納ボックス12内において、この中空糸膜モジュール5は通水方向が横向きとなる姿勢(略水平な姿勢)であって、且つ、給水側端部5aから吐水側端部5bへ向けて下り勾配が付されて設けられており、これにより中空糸膜モジュール5内での通水が円滑に行われる。
この場合、後述する接続配管25はモジュールケース20の下端側に設けられる。
水流センサ6は、中空糸膜モジュール5の給水側端部5aから吐水側端部5bへ向けた水の流れを検出するためのものである。この水流センサ6を設ける位置付けは特に限定されず、中空糸膜モジュール5自体に設けてもよいし、給水側の配管接続部13や吐水側の配管接続部14でもよいし、場合によっては給水配管3の適所としたり吐水栓2自体としたりすることもできる。要は水が流れているか否かを検出できればよいのである。
またこの水流センサ6として採用可能な水流の検出方式も何ら限定されるものではなく、例えば水流を水車状の検出部材の回転によって検出するタイプをはじめ、水位変化をフロートの上下動で検出するタイプ、その他、電気的な抵抗値の変化や導通の有無を検出するタイプなど、適宜タイプを採用可能である。
乾式真空ポンプ7は、中空糸膜モジュール5に対して中空糸膜(即ち、中空糸21の両端部ではなく外面に臨む領域)への通気状態となるように接続されている。本実施形態では、モジュールケース20における吐水側端部5b寄りの外周面から下向きに接続される接続配管25を介してこの乾式真空ポンプ7が接続されたものとしてある。なお、乾式真空ポンプ7は例えばダイヤフラム式などであって、言うまでもなく水封式真空ポンプとは異なって水封構造(呼び水的なものを供給する構造)は不要であることから、管理が比較的容易でありまた小型のものを採用することがきるといった長所を活用できる。
ドレン部8は、中空糸モジュール5と乾式真空ポンプ7とを接続する通路の途中(上記した接続配管25の途中)に設けられており、接続配管25内を流通する水を所定範囲で回収できるようになっている。
排水弁9はドレン部8の二次側に連結されている。図3に示すように、この排水弁9はダイヤフラム型の弾性弁体31が環状の弁座32に密着することで閉弁し離反することで開弁する構造になっており、弁座32側がドレン部8に向けられるように(且つ弁座32側が弁体31より上位にあって下向きになるように)接続されている。
この排水弁9の二次側には排水管33が接続されており、排水弁9が開弁時にはドレン部8側からの排水がこの排水管33を介して収納ボックス12外へと排水される。
開閉弁10は、中空糸膜モジュール5の給水部から乾式真空ポンプ7までの接続間に対し、その流路順方向(水が流れる方向)から側部へ突出する状態に設けられている。本実施形態では、中空糸膜モジュール5と乾式真空ポンプ7とを接続する接続配管25のなかに水平配管部25aを設け、この水平配管部25aの中途部に上方へ分岐して突出する枝管35を設けて、この枝管35の先に開閉弁10を接続してある。
制御部30は、図4に示すタイムチャートから明らかなように、水流センサ6が水流を検出する動作(通水検出)を行ったとき、乾式真空ポンプ7を起動させ、この後、水流センサ6が水流の停止状態を検出する動作(止水検出)を行ったとき、乾式真空ポンプ7を停止させるように動作制御を行う。またこの制御部30は、乾式真空ポンプ7が起動する時にはこれと同時に開閉弁10を解放させ、その後所定時間が経過した後、開閉弁10を閉鎖させるように動作制御を行う。
なお、収納ボックス12(図2参照)に対してこの制御部30への給電切替を行えるようにした電源ボタン37を設けておけば、この電源ボタン37を操作することで、この脱気水製造装置1としての全システムの起動と停止とを切り替えられるようになり便利である。
図4に示すように、吐水栓2が閉じられている状態では給水側の配管接続部13から吐水側の配管接続部14へと水が流れないので、脱気水製造装置1内も当然に止水状態となっている。この通水停止時は開閉弁10は閉鎖状態に保持されている。
吐水栓2が開けられることで給水側の配管接続部13から脱気水製造装置1を介して吐水側の配管接続部14へと水が流れ、脱気水製造装置1内では、中空糸膜モジュール5内の中空糸21が通水状態になる。
そのため、乾式真空ポンプ7が起動するに際して接続配管25中の負圧は破壊され大気圧状態となるので、乾式真空ポンプ7は無理のない確実な起動ができる。かくして中空糸膜モジュール5内(中空糸膜の領域)が乾式真空ポンプ7で吸引されることにより、吐水栓2からは脱気水が吐水することになる。
制御部30は、所定時間(例えば3秒)が経過した後、開閉弁10を閉鎖させる。そのため、それ以後は、中空糸膜モジュール5内が乾式真空ポンプ7で吸引される状況が継続されることとなり、吐水栓2からの脱気水の吐水も適正に保持される。
そのため、これを受けて制御部30が乾式真空ポンプ7を停止させる。このとき中空糸膜モジュール5の給水部から乾式真空ポンプ7までを接続する流路は、開閉弁10によっては遮断されることも流路を狭められることもない(管路抵抗にならない)状態となっているので、中空糸膜モジュール5内が止水状態にあっても、この中空糸膜モジュール5内が脱気作用を阻害する程に水の溜まった状態になることはない。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば開閉弁10は、中空糸膜モジュール5の給水部から乾式真空ポンプ7までの接続間であれば、どこへ設けてもよい。
図1に示したように、中空糸膜モジュール5に対して補助的に大気解放用の電磁弁40を接続しておき、図2に示すように収納ボックス12の外部から操作できるようにした非常用スイッチ41で上記電磁弁40を任意タイミングで作動できるように構成しておくと、非常時の負圧(真空)破壊が行えるようになるので好適である。
5 中空糸膜モジュール
6 水流センサ
7 乾式真空ポンプ
8 ドレン部
9 排水弁
10 開閉弁
20 モジュールケース
21 中空糸
31 弁体
32 弁座
Claims (4)
- 一端部を給水側とし他端部を吐水側とするモジュールケース(20)内に両端間にわたって中空糸(21)が収められこの中空糸(21)の外面によって中空糸膜を形成させた中空糸膜モジュール(5)と、
この中空糸膜モジュール(5)の給水側から吐水側へ向けた水の流れを検出する水流センサ(6)と、
中空糸膜モジュール(5)に対して中空糸膜への通気状態で接続され上記水流センサ(6)による通水検出動作に基づいて起動し止水検出動作に基づいて停止する乾式真空ポンプ(7)と、
これら中空糸モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続通路途中に設けられたドレン部(8)と、
このドレン部(8)の二次側に連結された排水弁(9)と、
中空糸膜モジュール(5)の給水部から乾式真空ポンプ(7)までの接続間で流路順方向から側部突出状に設けられて上記乾式真空ポンプ(7)の起動時に暫時解放しその後自動閉鎖する開閉弁(10)と
を有していることを特徴とする脱気水製造装置。 - 前記開閉弁(10)は、中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の脱気水製造装置。
- 前記排水弁(9)は、ドレン部(8)側が負圧になる作用を受けて弁座(32)へ弁体(31)が吸着されて閉弁状態となりドレン部(8)側の負圧解除に伴う弁座(32)からの弁体(31)の離反で開弁状態となる構造になっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱気水製造装置。
- 中空糸膜モジュール(5)内に設けられた中空糸(21)へ水を通水させると共にこの中空糸膜モジュール(5)内の中空糸(21)まわりを乾式真空ポンプ(7)で吸引させることによって中空糸膜モジュール(5)の吐水側から脱気水を吐水させる脱気水製造方法において、
中空糸膜モジュール(5)への通水停止時は中空糸膜モジュール(5)と乾式真空ポンプ(7)との接続間で流路順方向から側部突出状に設けた開閉弁(10)を閉鎖状態に保持しておき、
中空糸膜モジュール(5)へ通水開始する時点で上記開閉弁(10)を解放させ、
この開閉弁(10)の解放時には中空糸モジュール(5)と真空ポンプ(7)との接続通路途中に設けたドレン部(8)の排水弁(9)をも開弁させ、
これら開閉弁(10)の解放及び排水弁(9)の開弁を保持させつつ乾式真空ポンプ(7)を起動させ、
乾式真空ポンプ(7)が起動した後に上記開閉弁(10)及び排水弁(9)を閉鎖させて脱気水を製造する
ことを特徴とする脱気水製造方法。
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