JP4369169B2 - 熱収縮性管状ラベルとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量化ペットボトルに嵌着される熱収縮性管状ラベルに関し、特に該ラベルに設けられる破断用孔(通称ミシン目)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に従来から使用されている飲料等充填のペットボトルは、用済み後回収されるが、そのためには、まず嵌着されている印刷ラベル(熱収縮性の管状ラベル)を剥離し分離する必要がある。その剥離・分離を容易に行うために、一般に該ラベルには、その上端〜下端に渡る全長に渡って1本叉は2本のミシン目が設けられている。
【0003】
このミシン目についても、その孔の形状とか、穿設の手段、穿設の位置等に工夫がなされ、それについて特許出願もなされている。例えば、送られてくる原反フイルムに円形断面のピンを連続的に突き刺して円形の孔を連設するものとか(例えば特許文献1参照。)、予め連続的に形成された印刷ラベルのミシン目が、熱収縮嵌着後に所定の状態(孔間の距離が孔の大きさよりも小さい)を維持しているもの(例えば特許文献2参照。)等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−7017号公報
【特許文献2】
特開平6−344440号公報
【0005】
ところで、ペットボトル及び印刷ラベルのコストダウンについては、従来から考えられてきているが、最近この事が本格的に検討されだしてきた。このコストダウンの手段については種々あるが、その一つが材料樹脂の使用量である。これを従来よりも少なくし軽量のペットボトルに、更には印刷ラベルも薄くして軽量化を計ると言うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のように、材料樹脂量の軽減は、結局肉厚を薄くする事になり、こうなると強度の低下と言う問題が発生する。そこでこの強度を補強する対策も採られ、ペットボトルについては、その構造(形状)を補強構造に変えることが検討されている。
【0007】
しかしながら補強構造にしても、特に飲料等を充填して後、これを取扱中に誤って落下した場合に次ぎのような新たな問題が発生することが判った。
それは、嵌着されている印刷ラベルのミシン目の特に中央部分が衝撃で破れると言った現象である。この破損は、該ラベルの素材樹脂の種類にも影響されるが、その原因は次のようなことである。
つまり、落下時の衝撃が該ボトルの中央部分、つまり多角円形ボトルであれば、胴体中央部分を形成する多角平面(パネル面)を瞬間的に膨らます作用をし、その膨れる力によってミシン目の中央部で切れてしまうと言うことである。
本発明は、このようにペットボトルの軽量化に伴って、新たに発生するミシン目中央部分の破損の危険性をなくし、落下等の事態が起こっても、安心して使用できる軽量化ペットボトル用の印刷ラベルの開発を課題して、鋭意検討した結果見出されたものである。その解決手段は次ぎの通りである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基本的には熱収縮性管状ラベルとその製造法との2発明によって解決されるが、まず熱収縮性管状ラベル(1)は次ような特徴をもってなっている。
【0009】
つまりペットボトルに嵌着される熱収縮性管状ラベル(1)において、該ラベルのセンターシール部分(1a)に懸からない近傍左右2列位置(2)にあって、且つ上端部位置(3)及び/叉は下端部位置(3a)に複数個の破断用孔(4)が連設され、該複数個の破断用孔(4)が交互に配列されている該ラベルを特徴とする。
【0010】
又、前記ラベル(1)は、ポリスチレン系樹脂叉は環状オレフィン系樹脂を原料とする熱収縮性フイルムをベースとしてなっていることも特徴とする。
【0011】
又、前記複数個の破断用孔(4)が交互に配列され、且つ少なくともその孔の1個(4a)は、端縁線(5)上に懸かった状態にある熱収縮性管状ラベル(1)も特徴とする。
【0012】
そして、熱収縮性管状ラベルの製造方法に関しては、次ぎの通り好ましく提供する。
つまり、次の(A)〜(D)に記載の各工程を順じ行うことを特徴とする。
(A)熱収縮性管状ラベル用基体フイルムに、そのセンターシール部分(1a)に相当する一端(1b)を残して内面に多色印刷する印刷工程、
(B)前記印刷工程の後にセンターシール部分(1a)に懸からない近傍左右2列位置(2)にあって、且つ上端部位置(3)及び/叉は下端部位置(3a)に複数個の破断用孔(4)を連設する、前記ラベルの破断用孔穿設工程、
(C)前記破断孔の穿設された印刷フイルムの1端面(1b)を他端面(1c)に重合させつつ、その間に有機溶剤(S)を塗布し圧着してセンターシールする、熱収縮性管状フイルムへの成形工程、
(D)前記得られた熱収縮性管状フイルムを所定のサイズに切断して、軽量化ペットボトル嵌着用熱収縮性管状ラベル(1)に加工する工程。
【0013】
そして前記破断用孔穿設が、複数個の破断孔穿設用突起歯(6a)を有する回転金属ロール(6)とこれに対峙するゴム製受けロール(7)との間を通して行われることも特徴として前記ラベル(1)が製造される。
【0014】
又前記破断孔穿設用突起歯(6a)が、金属ロール本体の所定位置(6b)に着脱自在に設置固定されるようにしてなり、そしてゴム製受けロール(7)が該突起歯(6a)と対向する位置に凹部(7a)を有してなる穿設手段によって前記ラベル(1)が製造されることも特徴とする。
以下本発明を次ぎの実施形態で詳述する。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず対象となる軽量化ペットボトル(以下軽量ボトルと呼ぶ。)の意味であるが、基本的には軽量化されたことで、その結果肉厚が薄くなり、落下した場合、特に胴体中央部分が膨らみ、それによりミシン目の中央部分が破れると言う現象の起こるペットボトルである。しかし従来の重量ペットボトルでも、この落下による膨らみ、それによる中央部ミシン目破損の危険性のあるものを避けるものではない。
尚、軽量化ペットボトルは従来の重量ペットボトル(以下重量ボトルと呼ぶ。)に対して呼称しているが、この重量(目付量)に関しては、例えば従来の重量ボトル500mlの重さは、耐熱性のもので32g、非耐熱性(アセプテックに多い)のもので28gであるが、これが軽量ボトルでは、前者を26〜28g、後者を20.5〜25gとして、厚さが薄く設定される。その他の1.5L、2L容量のものも同程度の減量が行われている。一般に減量率で言えば10〜18重量%程度である。
【0016】
又、熱収縮性管状ラベル(1)は次の通りのものである。
まず該ラベルを形成する基体フイルムの樹脂は、一般に使用されているポリエチレンテレフタレート系(PET系)、ポリスチレン系、環状オレフィン系の各樹脂等が例示できるが、より有効な樹脂は、ポリスチレン系又は環状オレフィン系である。これは、基本的に、PET系よりも、破断孔に沿って上から下まで直線的に破れ易く、分離性が良いこと、そして、本発明による破断孔穿設形態に対して、より一層効果的に作用し、ボトル落下による中央部破断もなく、この直線的破れも維持できるからである。
更にポリスチレン系よりも環状オレフィン系の方がより好ましい。これは最終的に行うラベル分離後のペットボトルとの分離(例えば比重の差による分離手段)が加味されるからである。
【0017】
前記例示する各樹脂は具体的には次のようなものである。
PET系では、PET単独も、またブレンドもあるが、共重合タイプであるのが好ましい。この共重合タイプは、エチレングリコールとテレフタル酸を主成分として、これに一般に知られている有機ジカルボン酸成分及び/又は有機ジオール成分がコモノマ成分として共重合されたものである。
【0018】
ポリスチレン系では、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(グラフトタイプも含む)、スチレンー共役ジエンブロックコポリマ、スチレンとビニルモノマとの共重合ポリマ、これらの樹脂によるブレンド樹脂等が挙げられる。
【0019】
又、環状オレフィン系では、一般に知られているように、ノルボルネンとか、テトラシクロドデセン又はこれ等の誘導体等に見られる環状オレフィンモノマの重合(開環・水添又は付加反応)による単独ポリマ、環状オレフィンモノマとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのコポリマ、これら単独ポリマ又はコポリマと他の樹脂、例えば直鎖状ポリオレフィン系樹脂とのブレンド樹脂等である。就中、より好ましいものはブレンド樹脂であり、選ばれる直鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。この場合のブレンド比は、環状オレフィン系樹脂(単独又はコポリマ)100重量部に対して、LLDPE10〜100重量部とするのが良い。
【0020】
基体フィルムは前記した樹脂からなる又は該樹脂を主成分とする少なくとも1層を含むフィルムである。
そして前記樹脂による基体フイルムは、熱媒体(例えば、約70〜100℃の水蒸気又は熱風雰囲気)に曝した場合に、主として横方向に熱収縮する性質を有している必要がある。これは軽量ボトルに嵌入して、主として横方向のみ収縮して嵌着固定するためである。この熱収縮性は、延伸操作によって所定の倍率に延伸して付与されるが、その倍率は、例えば横方向に3〜10倍、好ましくは3〜7倍とし、縦方向には実質的に1倍とする。この実質的な意味は、縦方向に収縮があっても、実質的に問題(例えば印刷画像の乱れとか、収縮乱れ)のない範囲であり、約1.8倍程度以下の縦延伸はこの1倍の範囲である。
尚、該フイルムへの成形は、一般に行われるTダイ法によって押出し、必要なら縦方向にロール延伸し、テンターにて横方向に延伸し、最後に熱固定して終了する方法が例示できる。
【0021】
そして前記延伸フイルムには内側又は外側に印刷が行われ、次に両端を重合してセンターシールすることで、嵌着ラベル用の熱収縮性管状フイルムに成形されるが、これについては後述する製造方法中で詳述する。
尚、該フイルムの厚さは、一般に55〜80μm程度(従来)であるが、本発明では、これを30〜55μm程度に薄くすることもでき、軽量ボトルと共にラベルの軽量化もでき、大きな特長の一つと言える。
【0022】
そして、前記熱収縮性管状フイルムは、特定の破断孔形態を有するが、これは次の図面を参照しつつ詳述することにする。
この破断孔形態は図1の斜視図で例示する。
該図において、1はフイルム内面に印刷された環状オレフィン系樹脂による熱収縮性フイルムをセンターでシールして管状ラベルとした全体を示し、そのセンターシール部分が1aである。そして該ラベルには、破断用の孔4が設けられているが、これが従来のミシン目とは異なる。まず、従来のミシン目のようにラベルの上端〜下端に渡る全長に渡って設けられるのではなく、中央部分には設けずに、上端部位置3及び下端部位置3aに設ける。勿論該両位置は、いずれか一方でも良いが、破断のチャンスからは両位置に設けた方が良い。ここで3、3aの位置は、ボトルの中央部分を除く位置と言うことであるが、具体的には、飲料充填の軽量ボトルを垂直に落下した場合、膨らみの発生する中央部分を除く上、下端部分を言う。この中央部分は、該ボトルの容量、軽量化デザイン等によって異なるが、例示的には、嵌着ラベル全長の40〜60%長が中央部分であると言える。
【0023】
そして、前記位置3及び3aに設けられる破断用孔4は、センターシール部分1aには懸からないように、そして可能な限り近傍に左右2列で設けられる。この2列が2で示される。この2列は、片方の一列でも良いが、破断の確実性等から好ましいからである。
【0024】
そして、破断用孔4の数は、1個ではなく、前記中央部分を除く上下端位置3、3aの範囲で複数連設される。その孔の大きさ、形状、ピッチそして左右2列の孔が対象にあるか、非対象にあるかには制限ない。
一般に孔1個の大きさは、縦と横の各々で1mm以内に入るようにし、その中で円形、正方形、長方形又はこれらの組み合わせ孔、更には同形孔ではあるが大きさの異なる形態もある。孔間ピッチは0.5〜2mm程度とする。この中でも好ましいのは、長方形であり、図はこれを示している。
上記対象、非対象の意味は、大きさ、形状及びピッチが同じ場合が対象で、そうでない場合が非対象、更に孔が左右同位置線上にある場合は対象であり、同位置線上にない場合は非対象(例えば千鳥状)と言ったことである。
図1は同位置線上にあるが、左右交互(互い違い)で位置していて、且つ左右の孔4aは、上下端3、3aで端縁線5上に1個づつ懸かって、中央で切れた状態にあり、より好ましい破断孔形態を採っている。
【0025】
次に前記熱収縮性管状ラベル(1)の製造方法について説明する。
この製造手段としては、種々な方法が考えられるが、基本的に次の(A)〜(D)の各工程を順じ行う方法が好ましく例示できる。
【0026】
まず全工程の主要部を図解し、これを参照しながら説明する。この図は2で示される。該図で(2−A)は(A)の印刷工程に関る。前記成形し熱収縮性の付与されたロール巻き状の基体フイルムは、多色のグラビヤ印刷機に供給され、センターシール部分1bに相当する幅(一般に3〜5mm)を非印刷部分として、他に必要とする絵柄を印刷する。ここでの印刷は、一般には多丁取りできるように行われる。該図も多丁取りで印刷行っているが、説明上1丁取りとして示している。
印刷に際しては、インキ着肉性良化のために前処理(例えばコロナ放電処理)をした方が良い。印刷面は一般に管状フイルとなった場合に内側になる面であるが、場合によっては外側面に行うこともある。図は内側の例である。印刷インキは一般使用されている油性又は水性のアクリル系又はウレタン系系のグラビヤ用インキである。かくして印刷された印刷フイルムPfは引き続き同印刷機内で、次ぎの(B)の熱収縮性フイルムの破断用穴穿設工程に連続して送られる。
【0027】
(B)の破断用孔穿設工程は、(2−B)で例示される。
まず送られてくる印刷フイルムPfは、印刷面を下にして、破断用孔形成手段により、所定の位置に、所定の孔形態で、必要数の破断孔4が連設される。該図は、前記図1に示す熱収縮性管状ラベル1が製造される場合の穿設工程を示している。
ここでの破断用孔形成手段は、図3で例示すように、複数個の破断孔穿設用突起歯6aを有する回転金属ロール6とこれに対峙するゴム製受けロール7とを1対(つまり該管状ラベル1枚分)として、この間を印刷フイルムPfを圧しながら通して開孔するロール穿設方式である。
該突起歯6aは、断面長方形で一定ピッチで複数孔連設され、これが両サイドに、更に一定角度回転された位置(不図示)に少なくとも2組設けられている。まず回転がスタートすると上端部位置3に相当する長方形の孔が開孔され、そして一定角度回転すると今度は下端部位置3aに相当する同形の孔が開孔される。この一定角度は、所望する管状ラベルの縦の長さにより変わり、そして両サイドにある突起歯6aの間隔はラベル径によって変る。
又、この突起歯6aは、両サイドで交互になるように配置され、且つ一定角度回転位置にある両突起歯とは逆配置にある。このような状態にある突起歯でもって開孔しておけば、孔のある位置で横にカットしさえすれば、上端部3と下端部3aで孔の1個は端縁線5上に懸かる状態でカットされることになる。つまり4aで示すように、孔の1個は中央で切れ、それが上端部3と下端部3aの左右に形成されている孔形態になる。
【0028】
前記突起歯は、(該金属ロールに沿うように)曲面を有している金属基板上に突設されている。こうすることで、金属ロール本体に該金属基板が挿入固定されるような穴を開け、着脱自在による埋設方式が採れるからである。多丁取り、嵌着ラベルの大きさ、穿設位置、孔の形態等の変更に対して迅速に対応するのに都合が良い。従って1個の金属ロール本体には種々の位置で、多数の該基板埋設用の穴が開けられているし、また必要によっては、更に該穴を開けることもできると言うメリットも持っている。
【0029】
また、ゴム製受けロール7には、前記突起歯6aと対向する位置に凹部7aが設けられ、確実な開孔と、該ロールの損傷を軽減している。
尚、一般には広幅の印刷フイルムPfで送られてくるので、従って多丁取りでのレイアウトである。従って突起歯6aは、金属基板上に2列で設けられ、そして多丁取り数に合った数が、回転金属ロール上に設けられる。
なお、前記の破断用穴穿設工程は印刷工程と分離して別工程としてもよいが、工程的に煩雑となる。
【0030】
破断用孔形成手段には、前記突起歯を有する回転金属ロール方式の他に、例えばレーザーで行うこともできるが、設備面での難点がある。
【0031】
そして、前記穿設された印刷フイルムPfは、(C)の熱収縮性管状フイルムへの成形工程に送られる。ここに関る図が(2−C)で示される。
まずここに送られる前に印刷フイルムPfは、1枚分の幅で縦方向にスリットされ、一端ロールに巻き取られる。この巻き取られ該フイルムは、両端を重合、つまりA−A断面で示すように無印刷部分1bが上に、表面の1cが下になるように重合しつつ、その重合の間に有機溶剤Sを塗布する。この有機溶剤は、該重合表面を素早く溶解又は膨潤させるものである。例えば、基体フイルムが環状オレフィン系樹脂によるならばシクロヘキサン系、ポリスチレン系樹脂によるならばテトラヒドロフランとn−ヘキサンの混合系、PET系樹脂によるならばテトラヒドロフラン系又は1、3―ジオキソラン系が例示できる。
塗布は特定の溶剤シール機を使って連続塗布されるが、塗布が終了するやいなや、直ちにニップローラ中を通過させて圧着され、巻き取られる。図(2−C)で示すような、所望する破断孔形態を持つ管状フイルムに成形される。
【0032】
最後に前記巻き取られた管状フイルムは、(D)の加工工程に送られて、1枚分の熱収縮性管状ラベル1のサイズに連続カット(横方向)され、一連の工程が終了する。該ラベルは、図1に示す。
【0033】
【実施例】
以下比較例と共に、実施例によって更に詳述する。
【0034】
(実施例1)
まず対象となる軽量ボトルは、ペット樹脂量を従来の重量ボトルよりも少なくして成型されたものであるが、形状は一般に使用されている円形状(胴体中央部分は柱で仕切られた8面体で、胴体の上下部分は2本の円形リブをもってなるボトル)のものであって、これに水を500ml充填して、高さ70cmの位置から垂直に落下した場合に、中央部分、特にパネル面が略円形になる程度にまで押されて膨れる状態になるものである。従って、この膨れの程度は略該柱の高さである。
【0035】
そして、この軽量ボトルに嵌着する熱収縮性ラベルとしては、次ぎのものであった。
まず、環状ポリオレフン系樹脂による熱収縮性フイルム(グンゼ株式会社製、品種FL―1、厚さ50μm)を使い、前記(A)から(D)に記載する工程を経て、図1で示す孔の形態で穿設して、熱収縮性ラベルを得た。得られたラベルの形態は次ぎの通りであった。
直径69.4mm、高さ105mm、センタシール部分の幅5mm、このシール部分から約2mm両外側で、且つ上端部分と下端部分の位置に2本の破断孔、その孔は、縦×横=約0.7〜0.8×0.2〜0.3mmの長方形、ピッチ0.6〜0.7mmでもって交互に10個連設され、そして上下端部分の1個の孔は左右で端縁線上に懸かった状態で中央で切れた状態にあった。
尚、従来の重量ボトルに対しては、厚さ60μmのFL―1で対応していた。
【0036】
次に、500ml水充填の前記軽量ボトルの中央を中心に前記熱収縮性ラベルを嵌入して、これを75〜95℃の蒸気に7秒間曝した。横方向に熱収縮し、しっかりと嵌着された。そして、このボトルを高さ70cmの位置から垂直に落下した。結果は、中央部分の膨らみで、該ラベルも若干膨らんだ(伸びた)が、穿設された破断孔には一切の変化もなかった。
尚、この充填ボトルを横向きで同様に落下して観察したが、この場合も穿設された破断孔には一切の変化もなかった。
【0037】
更に、前記ボトルからのラベルの剥離(破断)テストも行って見た。この剥離の起点は、端縁線上に懸かった状態で中央で切れた状態にある孔から行ったところ、略下端部分にある孔の方向に向って垂直に切れて行った。剥離も従来と変らず容易に行えることも確認できた。
【0038】
(実施例2)
まず軽量ボトルとしては実施例1と同じものを使用し、これに嵌着する熱収縮性ラベルとしては次ぎのものを使用した。
ポリスチレン系樹脂による熱収縮性フイルム(グンゼ株式会社製、品種GMG、厚さ50μm)を使い、前記(A)から(D)に記載する工程を経て、図1で示す孔の形態で穿設して、熱収縮性ラベルを得た。得られたラベルの形態は、前記実施例1と同じであった。
尚、従来の重量ボトルに対しては、厚さ60μmのGMGで対応していた。
【0039】
そして、前記ラベルを実施例1と同様に、水充填の軽量ボトルの中央を中心にして嵌入して、これを75〜95℃の蒸気に7秒間曝して、しっかりと嵌着した。これについても該例と同様に、高さ70cmの位置から垂直に落下し、破損の状況を観察した。結果は、中央部分の膨らみで、該ラベルも若干膨らんだ(伸びる)が、穿設された破断孔には一切の変化もなかった。
尚、この充填ボトルを横向きで同様に落下して観察したが、この場合も穿設された破断孔には一切の変化もなかった。
【0040】
(比較例1)
実施例1において、穿設する破断孔は、縦×横=約0.5〜0.6×0.2〜0.3mmの長方形、ピッチ約2.5mmでもってセンターシール部分から外側3mmの両サイドに上端から下端に連通して設けること以外は、同様条件でラベルを作製し、これを水充填軽量ボトルに嵌着した。
尚、ここでの穿設手段は、縦×横=約0.5〜0.6×0.2〜0.3mmの長方形歯がピッチ約2.5mmで全周に連続して設けられた回転歯によった。
【0041】
そして、前記得られた水充填軽量ボトルを実施例1と同様に落下テストを行った。その結果は、中央部分に当たる長さ約50mmの間にある破断孔の全てが縦に破られた。
尚、ここでの熱収縮性フイルムとして厚さ60μmのFL−1に変えて、同様に穿設して、ラベルとなし、ボトルに嵌着して落下テストした。結果は、(破断孔の破れ幅は小さかったが)中央位置での破れは同様に起こった。
【0042】
【発明の効果】
本発明は前記の通り構成されているので、次のような効果を奏する。
【0043】
破断用の孔が特定位置に設けられたラベルである事で、これを嵌着するペットボトルが軽量化されても、そのボトルの落下による該孔の破断の危険性はなくなり、より安全に取り扱う事ができるようになった。
【0044】
又、破断用の孔が特定位置に設けられたことで、ラベルの厚さもより薄くする事もできるようになり、その結果ペットボトル全体の重量もより軽くすることも可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱収縮性管状ラベルに設けられた破断孔形態の1例を斜視図で示す。
【図2】破断孔形態を有する熱収縮性管状ラベルの製造工程を主要部で示す。
【図3】破断孔形成手段の一つとしてロール穿設方式を斜視図で示す
【符号の説明】
1・・熱収縮性ラベル
1a・センターシール部
2・・近傍左右2列
3、3a・上、下端部
4・・破断用孔
4a・端縁線5上に懸かった孔
6・・突起歯6aを有する金属ロール
7・・凹部7aを有するゴム製受けロール

Claims (3)

  1. ペットボトルに嵌着される熱収縮性管状ラベル(1)において、該ラベルのセンターシール部分(1a)に懸からない近傍左右2列位置(2)にあって、且つ上端部位置(3)及び/叉は下端部位置(3a)に複数個の破断用孔(4)が連設され、該複数個の破断用孔(4)が交互に配列されていることを特徴とする熱収縮性管状ラベル。
  2. ポリスチレン系樹脂叉は環状オレフィン系樹脂による熱収縮性ラベル(1)である請求項1に記載の熱収縮性管状ラベル。
  3. 前記近傍左右2列位置(2)にある複数個の破断用孔(4)のうち、少なくともその孔の1個(4a)は、端縁線(5)上に懸かった状態にある請求項1叉は2に記載の熱収縮性管状ラベル。
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