JP4368047B2 - 緊急ボタンスイッチカバー構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は緊急ボタンスイッチカバー構造に関する。詳しくは、車両に緊急事態が生じた時、該車両に装備されている通信装置を用いて通信基地に事態を通報する際に用いられる緊急ボタンスイッチにおいて、該スイッチのスイッチカバーが衝撃等により破壊されるのを防止した緊急ボタンスイッチカバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用の緊急ボタンスイッチ構造の1例を図5に示す。同図(a)は正面図、(b)は(a)図のZ矢視図、(c)は(a)図のc−c線における断面図である。同図において、符号1は絶縁物で枠状に形成されたスイッチケースであり絶縁基板2に取付けられている。また該絶縁基板2にはスイッチケース1のほぼ中央に位置してスライダー3とスイッチハウジング4と図示なき固定接点と可動接点とを有するスイッチ5が取付けられている。
【0003】
また、スイッチケース1の内側には、軸受部材6がねじ7により取付けられており、該軸受部材6には、一方の辺に平行して軸8が形成されたスイッチボタン9が前記スイッチ5のスライダー3を押圧できるように揺動可能に取付けられている。また、スイッチケース1の外側には左右に貫通する軸受孔10が形成された軸受部11が形成されており、該軸受部11にはスイッチカバー12が軸12aにより開閉自在に設けられている。
【0004】
前記スイッチカバー12は、U字状の不透明な枠部材13と常時スイッチボタン9が見えるように透明な窓部材14とにより構成されている。そして該スイッチカバー12を組み立てる際は、先ず枠部材13の弾力を利用してコ字状の両脚を(a)図の矢印A,A′方向に開いて軸受部11に軸12aを嵌合し、その後窓部材14を枠部材13に接着剤や熱溶着等により接着して組み立てている。そして、緊急時にはスイッチカバー12を(c)図の矢印B方向に開放してスイッチボタン9を押圧することが出来るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の緊急ボタンスイッチにおいては、スイッチカバー12が枠部材13と窓部材14が接着剤や熱溶着等により一体に固着されているため、該スイッチを使用する際、開放したスイッチカバー12に無理な力を加えたり、他物による衝撃が加わったりするとスイッチカバー12が破損するという問題がある。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、スイッチカバーに無理な力が加わった場合でもスイッチケースから容易に離脱することにより破損することがなく、再使用が可能な緊急ボタンスイッチカバー構造を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の緊急ボタンスイッチカバー構造は、スイッチケース20の中にスイッチ24と該スイッチ24を開閉するスイッチボタン28とが設けられ、前記スイッチケース20の外側に前記スイッチボタン28を保護するスイッチカバー31が開閉自在に設けられた緊急ボタンスイッチにおいて、前記スイッチカバー31は、U字形の枠部材33と、スイッチボタン28を透視することができる板状の透明材料よりなる窓部材34とよりなり、前記枠部材33と前記窓部材34には、該枠部材33に窓部材34を着脱可能に支持する支持手段が設けられて成ることを特徴とする。
【0008】
また請求項2は、前記枠部材33に窓部材34を支持する支持手段は、枠部材33の内側で且つU字形の両隅部と、両脚部に窓部材34を挿入して支持することができる係合片35,35′,36,36′と、窓部材固定用の突起37,37′とが設けられ、窓部材34には、前記枠部材33に挿入時に該枠部材33の両脚部に形成された係合片36,36′を避ける切り欠き部38,38′と、枠部材33に窓部材34を組付けた時に前記枠部材33に設けられた窓部材固定用の突起37,37′に係合する凹部39,39′が形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成を採ることにより、スイッチカバーは枠部材と窓部材とが接着剤や熱溶着等により固定されていないため、枠部材は弾性変形が可能である。このため、スイッチカバーに過大な力が加われば、軸受部より容易に離脱するため破損するようなことはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の緊急ボタンスイッチカバー構造の実施の形態を緊急ボタンスイッチに適用した状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)図のB−B線における断面図である。同図において符号20はスイッチケースであり、絶縁基板21に取付けられている。また該絶縁基板21にはスイッチケース20のほぼ中央に位置してスライダー22とスイッチハウジング23と図示なき固定接点と可動接点とを有するスイッチ24が取付けられている。
【0011】
また、スイッチケース20の内側には、軸受部材25がねじ26により取付けられており、該軸受部材25には、一方の辺に平行して軸27が形成されたスイッチボタン28が前記スイッチ24のスライダー22を押圧できるように揺動可能に取付けられている。また、スイッチケース20の外側には左右に貫通した軸受孔29が形成された軸受部30が形成されており、該軸受部30にはスイッチカバー31が軸32により開閉自在に設けられている。以上は図5で説明した従来例と同様である。本実施の形態の特徴は、スイッチカバー31の構成が異なることである。このスイッチカバー31を次に説明する。
【0012】
スイッチカバー31は不透明な材料で形成されたU字形をした枠部材33と、透明な窓部材34とより構成されている。
そして、枠部材33は図2に示すように、U字形の底辺33a及び両脚部33b,33cは断面がL字状をなし背面が窓部材34を収容できるように窪んでいる。そして、該窪みのU字形の隅部と両脚部に窓部材34を挿入して支持することができるように水平に延びる係合片35,35′,36,36′が形成され、さらに両脚部に窓部材34を挿入した際に固定する突起37,37′が形成されている。
【0013】
また、窓部材34は図3に示すように、枠部材33の窪みに収容できる大きさに形成され、その両辺に前記枠部材33の係合片36、36′を組み立て時に避けることができる切り欠き部38,38′が形成され、また組み立て後に枠部材33からの脱落を防止するため枠部材33に形成された固定用の突起37,37′に係合する凹部39,39′が形成されている。
【0014】
このように形成された枠部材33と窓部材34は図4に示すようにして組み立てられる。即ち、先ず(a)図の如く、窓部材34を、該窓部材34の切り欠き部38,38′が枠部材33の係合片36,36′に干渉しないようにして枠部材33の窪みに載置する。次いで窓部材34を枠部材33の底辺方向(矢印A方向)に押圧しながら辷らせて(b)図に示すように窓部材34の両先端を枠部材33の両隅の係合片35,35′に係合させると共に、窓部材34の両辺を枠部材33の両脚の係合片36,36′に係合させる。同時に窓部材34の凹部39,39′は枠部材33の固定用突起37,37′に係合する。
【0015】
このように組み立てられたスイッチカバー31は図1に示したように、スイッチケース20の軸受部30に軸32を係合させて組付けられる。このようにスイッチカバーに組付けられた本実施の形態のスイッチカバー31は、緊急事態に際してスイッチボタン28を押圧しようとするとき、スイッチケース20から開放するが、その時スイッチカバー31に過大な力が加わると、枠部材33は弾性変形してスイッチケース20の軸受部30から離脱する。従って離脱はするが破損することはなく、再使用が可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明の緊急ボタンスイッチカバー構造に依れば、枠部材33と窓部材34が接着剤又は溶着で接合されていないため、枠部材33は弾性変形することが可能であり、スイッチカバー31に過大な力が加わっても、枠部材32は弾性変形してスイッチケース20の軸受部30から離脱することができ、破損することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緊急ボタンスイッチカバー構造の実施の形態を緊急ボタンスイッチに適用した状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)図のB−B線における断面図である。
【図2】本発明の緊急ボタンスイッチカバー構造の実施の形態における枠部材を示す図で(a)は平面図、(b)は(a)図のb−b線における断面図、(c)は背面図である。
【図3】本発明の緊急ボタンスイッチカバー構造の実施の形態における窓部材を示す図で(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図4】本発明の緊急ボタンスイッチカバー構造の実施の形態の組み立て工程を説明するための図である。
【図5】従来の緊急ボタンスイッチカバーを示す図で、(a)は正面図,(b)は(a)図のZ矢視図、(c)は(a)図のc−c線における断面図である。
【符号の説明】
20…スイッチケース
21…絶縁基板
22…スライダー
23…スイッチハウジング
24…スイッチ
25…軸受部材
26…ねじ
27,32…軸
28…スイッチボタン
29…軸受孔
30…軸受部
31…スイッチカバー
33…枠部材
34…窓部材
35,35′,36,36′…係合片
37,37′…突起
38,38′…切り欠き部
39,39′…凹部

Claims (2)

  1. スイッチケース(20)の中にスイッチ(24)と該スイッチ(24)を開閉するスイッチボタン(28)とが設けられ、前記スイッチケース(20)の外側に前記スイッチボタン(28)を保護するスイッチカバー(31)が開閉自在に設けられた緊急ボタンスイッチにおいて、
    前記スイッチカバー(31)は、U字形の枠部材(33)と、スイッチボタン(28)を透視することができる板状の透明材料よりなる窓部材(34)とよりなり、前記枠部材(33)と前記窓部材(34)には、該枠部材(33)に窓部材(34)を着脱可能に支持する支持手段が設けられて成ることを特徴とする緊急ボタンスイッチカバー構造。
  2. 前記枠部材(33)に窓部材(34)を支持する支持手段は、枠部材(33)の内側で且つU字形の両隅部と、両脚部に窓部材(34)を挿入して支持することができる係合片(35,35′,36,36′)と、窓部材固定用の突起(37,37′)とが設けられ、窓部材(34)には、前記枠部材(33)に挿入時に該枠部材(33)の両脚部に形成された係合片(36,36′)を避ける切り欠き部(38,38′)と、枠部材(33)に窓部材(34)を組付けた時に前記枠部材(33)に設けられた窓部材固定用の突起(37,37′)に係合する凹部(39,39′)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の緊急ボタンスイッチカバー構造。
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