JP4366632B2 - 内層回路付金属張積層板、多層プリント配線板及びそれらの製造方法 - Google Patents

内層回路付金属張積層板、多層プリント配線板及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内層回路付金属張積層板、多層プリント配線板及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型、軽量、高速化、多機能化、高信頼性化の要求が高まり、その要求を満足するため半導体素子の高集積化及び高速化が進んでいる。この様な電子機器、半導体素子の傾向に伴い、プリント配線板は多層化、配線の微細化、層間接続穴の小径化という形で対応してきた。特にここ数年、基板に貫通穴を設けて層間の導通をとるスルーホールは高密度化の障害となるため、隣接する層の導体間のみを接続するインタースティシャルバイアホール(Interstitial Via Hole、以下「IVH」という)に代えたビルドアップ配線板が各社で開発、上市されている。
【0003】
このIVHは、通常、内層回路の上に絶縁層を形成し、非貫通穴を形成して触媒核を付与した後、無電解めっきを行い、さらに導電性ペースト若しくは電気めっき若しくは無電解銅めっきなどによってIVH内部を充填する。そしてこれにより、隣接する層の導体間を電気的に接続している(特許文献1参照)。
【0004】
また、多層プリント配線板を作製するのに、従来スルーホールを形成した場合、穴の径に比して穴の深さが大きいために、めっき液の流れが不十分となり、スルーホール内のめっき液の交換が十分行われず、金属化が困難になりスルーホール内のめっきの厚みがバラツクなどの問題もあった。これら多層プリント配線板の製造に関する問題を改善する技術として、IVHの内部の導電性ペーストにより隣接する層の導体間を電気的に接続する技術が開示されている(特許文献2、3及び4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−22693号公報
【特許文献2】
特開平9−23067号公報
【特許文献3】
特開平7−170046号公報
【特許文献4】
特開平7−176846号公報
【特許文献5】
特開平6−283860号公報
【特許文献6】
特開2002−069419号公報
【特許文献7】
特開2001−294689号公報
【特許文献8】
特開2002−194119号公報
【特許文献9】
特開平08−120101号公報
【特許文献10】
特開平05−185429号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来行われてきたIVHの製法即ち内層回路の上に絶縁層を形成し、非貫通穴を形成して触媒核を付与した後、無電解めっきを行う方法、また、IVH内部を電気めっきで充填する方法は、一般に、穴の側面にも触媒核が付与されるので、めっき時に穴底部からのめっきの成長と穴側面からのめっきの成長が平行して進むため、穴内部にめっき液を封じ込めたボイドが発生し易いなど、良好な充填が困難であるという課題があった。また、IVH内部をめっきで充填した場合、表面のめっきも厚くなり、微細配線形成をするうえで、不利になるという課題があった。
【0007】
また、導電性ペーストをIVHに充填した層間接続は、特にIVHの直径が100μm以下の時は、熱サイクル試験においてIVH部分が断線しやすいという課題がある。
【0008】
しかし本発明の方法によれば、IVHの穴がふさがり、IVHの上部が平坦となるので、その上に絶縁層を設けて穴をあけることにより、配線設計の自由度が高く、部品ランド直下に層間接続が可能で、かつIVHの上にさらにIVHを設けるように設計することができる。
【0009】
本発明は、作業環境と析出速度に優れためっきによってIVH内部を良好に充填できる内層回路付き金属張積層板及びプリント配線板及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は,次のように構成される。
(1)内層回路付金属張積層板の製造方法において、金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与した後、金属張積層板に内層回路導体を形成し、形成された内層回路導体の表面に触媒核を有することを特徴とする内層回路付金属張積層板の製造方法。
(2)多層プリント配線板の製造方法において、金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程と、表面に触媒核が付与された該金属張積層板に回路導体を形成する工程と、形成された表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層を設ける工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(3)多層プリント配線板の製造方法において、金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程と、前記表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程と、表面に触媒核が付与された該金属張積層板に回路導体を形成する工程と、形成された表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層を設ける工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(4)多層プリント配線板の製造方法において、
a.金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程、
b.金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程、
c.前記処理後の表面に回路導体を形成する工程、
d.表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層を設けた後、前記絶縁層に層間接続の非貫通穴をあける工程、
e.非貫通穴内部および絶縁層表面を粗化処理する工程、
f.前記非貫通穴を無電解めっきにより穴埋めする工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(5)多層プリント配線板の製造方法において、
a.金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程、
b.金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程、
c.前記処理後の表面に回路導体を形成する工程、
d.表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層が接するように、絶縁層と金属層を設けた後、前記金属層及び前記絶縁層に層間接続の非貫通穴をあける工程、
e.前記非貫通穴内部を粗化処理する工程、
f.前記非貫通穴を無電解めっきにより穴埋めする工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(6)無電解めっきが、無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきである(4)または(5)に記載の多層プリント配線板の製造方法。
(7)無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきが、還元剤として、ヒドラジン、次亜リン酸塩、ジメチルアミンボランの内いずれか1種以上含有する無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきである(6)に記載の多層プリント配線板の製造方法。
(8)無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきが、ニッケルイオンを0.1mモル/l以上含有する無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきである(6)または(7)に記載の多層プリント配線板の製造方法。(9)(1)に記載された内層回路付金属張積層板の製造方法により製造された内層回路導体表面に触媒核を有する内層回路付金属張積層板。
(10)(2)〜(8)に記載されたいずれかの多層プリント配線板の製造方法により、製造された多層プリント配線板。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下、説明する。本発明の金属張積層板としては、両面板または多層板が使用できるが、これらに限定したものではない。これらの金属張積層板は、貫通穴を形成し、貫通穴内がめっきまたは導電性ペーストなどの導電性物質で電気接続されていることが望ましい。また、貫通穴がめっき後、穴埋め樹脂で充填されているのが好ましい。
【0012】
絶縁層との密着を良好にするために、金属張積層板の表面に、凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を行うことが、好ましい。そしてこの工程は、金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程の前に行うことが、好ましい。
【0013】
この処理方法としては、金属結晶と結晶粒界の溶解の差を利用して、溶解性の高い粒界を優先的に溶解して金属結晶を残すことにより金属表面に凹凸を生じさせるマイクロエッチング処理、あるいはバフ研磨、スクラブ研磨により金属表面に凹凸を形成する研磨処理などが挙げられる。また、よりいっそう微細な針状物を生じさせるための処理方法としては、金属表面を高温の強アルカリ性水溶液で処理して金属表面に微細な針状の酸化物を形成する黒化処理、その針状の酸化物の形状を保持したまま還元剤によって金属に還元する還元処理、銅化合物、ニッケル化合物および次亜リン酸塩を含有する無電解めっき浴中に浸漬することにより、金属表面に銅、ニッケルおよびリンからなる針状結晶物を形成する無電解めっき処理などが挙げられる。
【0014】
マイクロエッチング処理、黒化処理、還元処理、無電解めっき処理に用いられる処理液及び処理条件は当業者が何れも各処理で用いる一般的な処理液及び処理条件で行うことができる。研磨処理はバフロールやブラシロールを使用した整面研磨機やスクラブ研磨機、センチュリー研磨機を用い、層間樹脂絶縁層表面をバフロールやブラシロール、砥粒で機械的に研磨することが出来る。なお、金属張積層板は銅張積層板が好ましいが、銅以外の金属張積層板でも構わない。
【0015】
マイクロエッチング処理で使用する液としては、一般的に用いられる液が使用できる。例えば、硫酸、メタンスルホン酸、メタノールスルホン酸、プロパンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ヒドロキシプロパンスルホン酸を始めとする硫酸、アルカンスルホン酸およびアルカノールスルホン酸ならびにそれらの誘導体、および過酸化水素およびペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸ナトリウム、ペルオキソ硫酸カリウム、ペルオキソ硫酸アンモニウム等のペルオキソ硫酸化合物を始めとする過酸化物、およびテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−メチルテトラゾール、1−メチル−5−エチルテトラゾール、1−メチル−5−アミノテトラゾール、1−エチル−5−アミノテトラゾール等を始めとするテトラゾール類、および硝酸銀、メタンスルホン酸銀、硫酸銀、酸化銀、塩化パラジウム、水酸化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化金等の金属塩を始めとする銅よりも電位が貴である金属イオンを混合した水溶液などがある。必要に応じて、樹脂との密着性等に影響を与えない程度に界面活性剤や水溶性のアルコール・ジオール類等の添加剤を含有させても良い。処理条件としては、適当な溶媒に希釈して浸漬処理あるいはスプレー噴霧等の処理を挙げることが出来、20〜50℃、より好ましくは30〜45℃において30秒〜5分、より好ましくは1〜2分処理すればよい。
【0016】
マイクロエッチング処理に使用できる市販品としては、MEC etch BOND CZ−8100(メック株式会社製、商品名)、ネオブラウンNBD処理(株式会社荏原電産製、商品名)などが挙げられる。なお、マイクロエッチング処理後、必要に応じ、防錆処理を行っても良い。
【0017】
黒化処理、還元処理で使用する液としては、例えば、NaOH、NaClO2およびNa3PO4を含む水溶液を酸化浴とし、NaOHおよびNaBH4を含む水溶液を還元浴とする酸化−還元処理等が挙げられる。また、市販品の黒化処理液としてはHIST−500(日立化成工業株式会社製、商品名)、還元処理液液としてはHIST−100(日立化成工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。なお、無電解めっき処理により、金属表面に針状結晶物を形成する方法としては、特開平6−283860号公報に記載されている方法がある。
【0018】
金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程後、無電解めっきの触媒核を付与する工程において、触媒核には、貴金属イオンや貴金属コロイド等を用いることが望ましく、塩化パラジウムやパラジウムコロイドが好ましい。市販品としては、HS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。
【0019】
前記処理後の金属張積層板の表面に回路導体を形成する工程において、エッチングにより回路導体を形成することが好ましい。この場合、処理した金属張積層板の表面にエッチングレジストを形成する。エッチングレジスト組成物としては、特にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾール硬化剤からなる組成物を用いることが望ましいが、他に市販品のドライフィルムを使用することもできる。エッチング液としては、塩化第二銅溶液や塩化第二鉄溶液を使用するのが望ましい。エッチング条件は、当業者が通常行っている条件でよい。
【0020】
金属張積層板の表面に回路導体を形成した後、表面上に絶縁層を設ける工程において、本発明の絶縁層には、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂やフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、市販品として絶縁接着剤であるBL−9700(日立化成工業株式会社製、商品名)などを使用し、絶縁層を形成してもかまわない。なお、絶縁層のみではなく、金属張積層板の表面に絶縁層が接するように、絶縁層と金属層を設けてもかまわない。
【0021】
エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有するものであればどのようなものでもよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらは併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
【0022】
本発明において、絶縁層に、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂のようにエーテル基が結合しているベンゼン環のエーテル基に対してオルト位が塩素、臭素等のハロゲン原子で置換されているエポキシ樹脂を使用したときは、デスミア処理等の処理液によるエポキシ樹脂硬化物の分解または溶解の効率が特によく、好ましい。
【0023】
エポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば、限定することなく使用でき、例えば、多官能フェノール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれらのハロゲン化物などが挙げられる。
【0024】
多官能フェノール類の例として、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール,多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体などが挙げられる。更に、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック、レゾールがある。
【0025】
アミン類の例としては、脂肪族あるいは芳香族の第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族環状アミン類、グアニジン類、尿素誘導体等が挙げられる。
【0026】
これらの化合物の一例としては、N,N−ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,4,0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシアンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチル尿素等が挙げられる。
【0027】
イミダゾール化合物の例としては、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾールなどが挙げられる。
【0028】
酸無水物の例としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0029】
有機リン化合物としては、有機基を有するリン化合物であれば特に限定されずに使用でき、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルフォスフォン酸、トリフェニルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィン、ジフェニルフォスフィンなどが挙げられる。
【0030】
これらの硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いることもできる。これらエポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることができれば、特に限定することなく使用できるが、好ましくは、エポキシ基1モル当量に対して、0.01〜5.0モル当量の範囲で、特に好ましくは0.8〜1.2モル当量の範囲である。
【0031】
また、熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。代表的な硬化促進剤として、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0032】
ポリイミド樹脂には、ビスマレイミド樹脂をアミン類で硬化させたもの、これらのプレポリマーをエポキシ樹脂、ビスシアネートモノマ、アミノフェノール、ビスフェノール、ジカルボン酸等で硬化させたものが使用できる。また、ビスマレイミド−トリアジン樹脂としては、特開2002−069419号公報、特開2001−294689号公報、特開2002−194119号公報に、フッ素樹脂としては、特開平08−120101号公報、特開平05−185429号公報に記載されている。
【0033】
上記の樹脂を可溶性溶媒に溶解させ、樹脂ワニスとし、必要に応じ、硬化剤、反応促進剤、および難燃剤、熱可塑性樹脂粒子、硬化促進剤、着色材、紫外線不透過剤、酸化防止剤、還元剤などの各種添加剤や充填材を加えて調合することができる。
【0034】
回路導体を有する金属張積層板の上に絶縁層を設けるには、前述の樹脂ワニスを、回路導体を有する金属張積層板の上に塗布し、乾燥・硬化させたり、支持フィルムの上に塗布・乾燥して半硬化状にした絶縁接着フィルムをラミネートし、加熱・加圧して積層一体化する方法がある。また、銅箔などの金属箔の表面に、前述の樹脂ワニスを塗布、乾燥して、樹脂付金属箔として、加熱・加圧して積層一体化する方法がある。樹脂付金属箔としては、MCF−9700、MCF−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)などの樹脂付銅箔が使用できる。
【0035】
この絶縁層の厚さは、10〜100μmが好ましく、より好ましくは20〜60μmの範囲である。10μm未満であると、絶縁性が低下するおそれがあり、100μmを越えると、IVHの深さが深くなり、めっき液の交換が行われずIVHをめっきで充填することが困難になるおそれがある。
【0036】
その絶縁層に内層導体に達する穴をあけるには、レーザー照射によって形成することができ、レーザの種類は炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ等、特に制限されない。また、絶縁層上に金属層が存在する時は、予めレーザで穴をあける箇所の金属層をエッチング等により、除去しておくことが望ましい。
【0037】
穴あけ条件は、絶縁層の種類及び絶縁層の厚さにより調整しなければならず、実験的に求めるのが好ましく、エネルギー量としては、0.001W〜1Wの範囲内であって、レーザ発振用の電源をパルス状に印加し、一度に大量のエネルギーが集中しないよう制御しなければならない。この穴あけ条件の調整は、内層回路板の回路導体に達する穴があけられることと、穴径をできるだけ小さくするために、レーザ発振用の電源を駆動するパルス波形デューティー比で1/1000〜1/10の範囲で、1〜20ショット(パルス)であることが好ましい。波形デューティー比が1/1000未満であると穴をあけるのに時間がかかりすぎ効率的でなく、1/10を越えると照射エネルギーが大きすぎて穴径が1mm以上に大きくなり実用的でない。ショット(パルス)数は、穴内の絶縁層が回路導体に達するところまで蒸発できる適切な回数を前もって実験的に求めればよく、1ショット未満では穴があけられず、20ショットを越えると、1ショットのパルスの波形デューティー比が1/1000近くであっても穴径が大きくなり実用的でない。
【0038】
オニウム塩などの光開始剤を用いた光硬化型の絶縁材料を絶縁層とした場合、絶縁層の上にIVHとなる箇所をマスクするフォトマスクを介して紫外線を照射し、未露光の部分を現像して除去することによって、内層導体に達する穴あけを絶縁層に行うことができる。
【0039】
このようにして穴を形成した後に、穴内の絶縁層のかすを除去するためにデスミア処理を行うのが好ましい。このデスミア処理は、一般的な酸性の酸化性粗化液やアルカリ性の酸化性粗化液を用いることができる。例えば、酸性の酸化性粗化液としては、クロム/硫酸粗化液があり、アルカリ性の酸化性粗化液は過マンガン酸カリウム粗化液等を用いることができる。絶縁層を酸化性の粗化液で粗化した後、絶縁樹脂表面の酸化性粗化液を化学的に中和する必要があるが、これも一般的な手法を取り入れることができる。例えば、クロム/硫酸粗化液を用いたときには、亜硫酸水素ナトリウム10g/lを用いて室温で5分間処理し、また、過マンガン酸カリウム粗化液を用いたときには、硫酸150ml/lと過酸化水素水15ml/lの水溶液に室温で5分間浸漬して中和を完了させる。
【0040】
絶縁層にあけた内層導体に達する穴を、無電解めっきによって充填する工程の前処理工程として、IVHの底に露出した内層導体及び無電解めっき用の触媒核を活性化するために、酸を用いることが好ましく、より好ましくは硫酸を用いることである。
【0041】
絶縁層にあけた内層導体に達する穴を充填できる無電解めっきとしては、無電解錫めっき、無電解はんだめっき、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解ニッケル合金めっきなどが挙げられる。めっきの析出速度が速く、また絶縁層に対するダメージが比較的小さいことから、無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきが、より好ましい。また、本発明では、内層導体である穴の底部にのみ触媒核が付与されており、絶縁層である穴の側面には触媒核が付与されていないため、無電解めっきにより、内層導体に達する穴は、ボイドの発生もなく、良好な充填が可能となる。
【0042】
穴に無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきを充填するには、無電解ニッケルめっき液あるいは無電解ニッケル合金めっき液に、絶縁層に穴をあけた内層回路付金属張積層板を浸漬処理する。その無電解ニッケルめっき液あるいは無電解ニッケル合金めっき液としては、ニッケルイオンとニッケルイオンの錯化剤、ニッケルイオンの還元剤、pH調整剤、及び必要な場合には安定剤などの添加剤を含むものを用いることが好ましい。無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきに用いる還元剤としては、ヒドラジン、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩、ジメチルアミンボランの内いずれかを用いることが好ましい。
【0043】
還元剤に次亜リン酸ナトリウムを用いた場合、生成金属はニッケル−リン合金となる。合金のリン含有量はクエン酸ナトリウム等の添加剤の量や液のpHによって異なり、0.1重量%から30重量%である。還元剤にジメチルアミンボランを用いた場合、生成金属はニッケル−ホウ素合金となり、合金のホウ素含有量はクエン酸ナトリウム等の添加剤の量や液のpHによって異なり、0.1重量%から15重量%である。ニッケルは硫酸ニッケルとして加えるのが望ましく、液のpHは硫酸と水酸化ナトリウムで調節するのが望ましい。
【0044】
また、めっき液が、金、銀、銅、すず、鉄、亜鉛、タングステン、パラジウム、コバルト、マンガン、クロム、レニウム等の金属塩を含有してもよく、その場合、生成金属は例えばニッケル−銅−リンのような合金となる。めっき液中のニッケル塩の含有率を低減させることで、合金中のニッケル含有量を低減させることも可能である。無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきに用いるめっき液には、ニッケルイオンを少なくとも0.1mモル/l以上含有することが好ましく、0.1mモル/l未満では、めっき析出速度が遅くなり、実用的でない。
【0045】
無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきを充填した後に、絶縁層の表面の整面処理を行うことが好ましく、その場合、整面処理はバフロールやブラシロールを使用した整面研磨機やスクラブ研磨機、センチュリー研磨機を用い、層間樹脂絶縁層表面をバフロールやブラシロール、砥粒で機械的に研磨し、IVHに充填した無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきと絶縁層とが同じ高さになるようにすることが好ましい。また樹脂付銅箔等を使用し絶縁層を形成した場合も、同様に整面処理を行うことが好ましい。この場合、銅箔表面は触媒化処理をしていないので、無電解ニッケルめっきなどは銅箔表面には析出しないので、充填した無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきと銅箔表面とが同じ高さになるようにすることが好ましい
【0046】
その後研磨した絶縁層の表面または銅箔表面を、めっき銅が密着しやすいように粗面化することが好ましく、この粗面化には酸化剤を用いるのが好適である。酸化剤にはクロム酸塩や過マンガン酸塩のような酸化力の強い酸化剤を用いる。粗化面の窪みの深さは1〜10μm、より好ましくは2〜3μmの範囲で、1μm未満であるとめっきとの密着性が改良されないことがあり、10μmを越えると、絶縁性が低下するおそれがある。
【0047】
層間接続のIVH内部に無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきを充填した基板の表面に、回路導体を形成することができる。この回路導体の形成は、絶縁層の表面または銅箔表面に、全面に無電解めっき銅を形成し、必要な場合に、電解めっきにより厚さを調整し、エッチングレジストを形成し、エッチングレジストから露出しためっき銅を化学エッチング液でスプレー噴霧して、エッチング除去することによって行うことができる。また、絶縁層の表面に、回路導体とならない箇所にめっきレジストを形成し、めっきレジストを形成していない箇所に、選択的にめっきを行うことによって、回路導体を形成することもできる。また、絶縁層の表面または銅箔表面に、全面に薄く無電解めっき銅を形成し、めっきレジストを形成して、電解銅めっきを行い、必要な厚さにまで回路導体を形成した後、めっきレジストを剥離して、回路導体でない箇所に形成されている銅をエッチング除去することによっても回路導体を形成することができる。
【0048】
【実施例】
(実施例1)
図1(a)に示すように、絶縁基材11に、厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を用い、スルホール穴あけ、めっき後、スルホールを穴埋め樹脂16で充填し、両面板を作製した。表面の銅箔12をMEC etch BOND CZ−8100(メック株式会社製、商品名)を用い、液温35℃、スプレー圧力0.147MPaの条件で、スプレー噴霧処理し、銅箔表面12を粗面化して、粗さ3μm程度の凹凸をつくり、続いて、MEC etch BOND CL−8300(メック株式会社製、商品名)を用いて、液温25℃、浸漬時間20秒間の条件で浸漬処理して、銅箔表面12に防錆処理を行った。
【0049】
その後、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間、浸漬処理し、銅箔表面12に触媒核15を付着させた。次に図1(b)に示すように、フォトレジスト用ドライフィルムであるフォテックHW−425(日立化成工業株式会社製、商品名)を、触媒核15を付着させた銅箔表面12にラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して、回路導体となる銅箔表面12の上にエッチングレジスト13を形成した。
【0050】
次に図1(c)に示すように、塩化第二鉄エッチング液を使用して、液温40℃、スプレー圧力0.147MPaの条件でスプレー噴霧処理して、回路導体以外の箇所をエッチング除去した後、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液によりエッチングレジスト13を剥離除去して内層回路導体14を形成し、内層回路板1を作製した。
【0051】
図1(d)に示すように、内層回路板1の両面に、絶縁接着剤であるBL−9700(日立化成工業株式会社製、商品名)を、厚さ0.04mmに塗布し、170℃で60分加熱し、絶縁層2を形成した。さらに図1(e)に示すように、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械株式会社製、商品名)により、直径80μmの非貫通穴3をあけ、過マンガン酸カリウム65g/lと水酸化ナトリウム40g/lの混合水溶液に、液温70℃で2分間、浸漬し、スミアの除去を行った。
【0052】
次に、めっき前処理として、酸性脱脂液Z−200(株式会社ワールドメタル製、商品名)に液温60℃の条件で1分浸漬し、続いて3.6Nの硫酸に室温(25℃)で1分間浸漬した。図1(f)に示すように無電解ニッケル−リン合金めっきであるNIPS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に90℃で2時間浸漬し、非貫通穴3をめっき4で充填し、表面をバフ研磨により平坦にした。
【0053】
図1(g)に示すように、過マンガン酸カリウム65g/lと水酸化ナトリウム40g/lの混合水溶液に、液温70℃で2分間、浸漬し、表面の粗化処理を行い、微細な凹凸面を作った後、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間、浸漬処理し、触媒を付着させ、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行い、厚さ0.3μmの無電解銅めっき層5を形成した。
【0054】
図1(h)に示すように、フォトレジスト用ドライフィルムであるフォテックHW−425(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解銅めっき層5の表面にラミネートし、電解銅めっきを行う箇所をマスクしたフォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して、めっきレジスト6を形成した。図1(i)に示すように、硫酸銅浴を用いて、液温25℃、電流密度1.0A/dm2の条件で、電解銅めっきを10μmほど行い、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=50μm/50μmとなるように電解銅めっき層7を形成した。
【0055】
図1(j)に示すように、めっきレジスト6を、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液により溶解除去し、次にアンモニウム系アルカリ銅エッチング液であるAプロセス液(メルテックス株式会社製、商品名)に室温で1分間浸漬し、図1(k)に示すように、めっきレジスト6の下に形成されていた無電解銅めっき層5をエッチング除去し、その直後に、流水で洗浄した。
【0056】
そして最後に、樹脂の表面に付着した無電解めっき用触媒のパラジウムとわずかに残った無電解銅めっきを除去するために、過マンガン酸カリウムを65g/lと水酸化ナトリウムを40g/lに調整した混合水溶液に、液温70℃で浸漬時間2分間の条件で浸漬処理し、樹脂ごとエッチング除去した。
【0057】
(実施例2)
無電解ニッケル合金めっきに以下の組成の液を用いたこと以外は、実施例1と同様に基板を作成した。
(めっき浴組成)
・硫酸ニッケル 3.0g/l
・硫酸銅 0.6g/l
・次亜リン酸ナトリウム 30g/l
・クエン酸ナトリウム 40g/l
・ホウ砂 20g/l
【0058】
(比較例1)
絶縁基材に、厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を用いた。フォトレジスト用ドライフィルムであるフォテックHW−425(日立化成工業株式会社製、商品名)を、銅表面にラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して、回路導体となる銅表面の上にエッチングレジストを形成した。
【0059】
次に、塩化第二鉄エッチング液を使用して、液温40℃、スプレー圧力0.147MPaの条件でスプレー噴霧処理して、回路導体以外の箇所をエッチング除去した後、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液によりエッチングレジストを剥離除去して内層回路導体を形成した。次に、内層回路導体の表面をMEC etch BOND CZ−8100(メック株式会社製、商品名)を用い、液温35℃、スプレー圧力0.147MPaの条件で、スプレー噴霧処理し、内層回路導体の表面を粗面化して、粗さ3μm程度の凹凸をつくり、続いて、MEC etch BOND CL−8300(メック株式会社製、商品名)を用いて、液温25℃、浸漬時間20秒間の条件で浸漬処理して、内層回路導体の表面に防錆処理を行い、内層回路板を作製した。
【0060】
次に内層回路板の両面に、絶縁接着剤であるBL−9700(日立化成工業株式会社製、商品名)を、厚さ0.04mmに塗布し、170℃で60分加熱し、絶縁層を形成した。次に、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械株式会社製、商品名)により、直径80μmの非貫通穴をあけ、過マンガン酸カリウム65g/lと水酸化ナトリウム40g/lの混合水溶液に、液温70℃で2分間、浸漬し、スミアの除去と、絶縁層の表面の粗化を行った。
【0061】
パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に、25℃で15分間、浸漬処理し、触媒を付着させ、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、液温25℃、30分間の条件で無電解銅めっきを行い、厚さ0.3μmの無電解銅めっき層を形成した。硫酸銅浴を用いて、液温25℃、電流密度1.0A/dm2の条件で、電解銅めっきを10μmほど行った。
【0062】
エッチング用ドライフィルムであるフォテックHW−425(日立化成工業株式会社製、商品名)を、電解銅めっき層の表面にラミネートし、エッチング除去する個所をマスクしたフォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して、エッチングレジストを形成した。エッチングレジストに覆われていない電解銅めっきを、塩化第二銅エッチング液により、液温40℃、スプレー圧力0.147MPaの条件で、エッチング除去し、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=50μm/50μmとなるように回路導体を形成した。エッチングレジストを、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液により溶解除去し、その直後に、流水で洗浄した。
【0063】
(比較例2)
絶縁基材に、厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を用い、表面の銅箔をMEC etch BOND CZ−8100(メック株式会社製、商品名)を用い、液温35℃、スプレー圧力0.147MPaの条件で、スプレー噴霧処理し、銅表面を粗面化して、粗さ3μm程度の凹凸をつくり、続いて、MEC etch BOND CL−8300(メック株式会社製、商品名)を用いて、液温25℃、浸漬時間20秒間の条件で浸漬処理して、銅表面に防錆処理を行った。
【0064】
次に、フォトレジスト用ドライフィルムであるフォテックHW−425(日立化成工業株式会社製、商品名)を、粗面化、防錆処理をした銅表面にラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して、回路導体となる銅表面の上にエッチングレジストを形成した。
【0065】
次に、塩化第二鉄エッチング液を使用して、液温40℃、スプレー圧力0.147MPaの条件でスプレー噴霧処理して、回路導体以外の箇所をエッチング除去した後、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液によりエッチングレジストを剥離除去して内層回路導体を形成し、内層回路板を作製した。次に内層回路板1の両面に、絶縁接着剤であるBL−9700(日立化成工業株式会社製、商品名)を、厚さ0.04mmに塗布し、170℃で60分加熱し、絶縁層を形成した。
【0066】
次に、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械株式会社製、商品名)により、直径80μmの非貫通穴をあけ、過マンガン酸カリウム65g/lと水酸化ナトリウム40g/lの混合水溶液に、液温70℃で2分間、浸漬し、スミアの除去を行った。その後、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間、浸漬処理し、触媒を付着させ、次いで、バフ研磨により絶縁層表面の触媒を除去した。
【0067】
次に、めっき前処理として、酸性脱脂液Z−200(株式会社ワールドメタル製、商品名)に液温60℃の条件で1分浸漬し、続いて3.6Nの硫酸に室温で1分間浸漬した後、無電解ニッケル−リン合金めっきであるNIPS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に90℃で2時間浸漬し、非貫通穴をめっきで充填し、表面をバフ研磨により平坦にした。
【0068】
次に、過マンガン酸カリウム65g/lと水酸化ナトリウム40g/lの混合水溶液に、液温70℃で2分間、浸漬し、表面の粗化処理を行い、微細な凹凸面を作った後、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間、浸漬処理し、触媒を付着させ、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行い、厚さ0.3μmの無電解銅めっき層を形成した。
【0069】
次に、フォトレジスト用ドライフィルムであるフォテックHW−425(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解銅めっき層の表面にラミネートし、電解銅めっきを行う箇所をマスクしたフォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して、めっきレジストを形成した。次に、硫酸銅浴を用いて、液温25℃、電流密度1.0A/dm2の条件で、電解銅めっきを10μmほど行い、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=50μm/50μmとなるように電解銅めっき層を形成した。
【0070】
次に、めっきレジストを、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液により溶解除去した後、アンモニウム系アルカリ銅エッチング液であるAプロセス液(メルテックス株式会社製、商品名)に室温で1分間浸漬し、めっきレジストの下に形成されていた無電解銅めっき層をエッチング除去し、その直後に、流水で洗浄した。そして最後に、樹脂の表面に付着した無電解めっき用触媒のパラジウムとわずかに残った無電解銅めっきを除去するために、過マンガン酸カリウムを65g/lと水酸化ナトリウムを40g/lに調整した混合水溶液に、液温70℃で浸漬時間2分間の条件で浸漬処理し、樹脂ごとエッチング除去した。
【0071】
(回路導体形成性試験)
上記実施例と比較例で作製した基板の回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=50μm/50μm回路導体の形成状態を調べるため、自動検査装置を用い、断線、ショート、へこみ等の回路欠陥の発生率を求めた。回路欠陥は、導体の幅が、設計値の2/3以下に細くなっている個所が導体幅の長さ以上にあるものを欠陥とした。また、導体間隔が、設計値の2/3以下に細くなっている個所が導体幅の長さ以上にあるものも欠陥とした。そして設計値の回路総面積に対する欠陥個所の総面積の割合を回路欠陥発生率として算出した。欠陥箇所の面積の算定においては、導体幅の最大部若しくは最小部から導体の幅が設計値の+10%若しくは−10%となるところまでを欠陥箇所の面積とした。なおIVHの不良率は、導通不良があるものを不良とし、算出した。結果を表1に示した。
【0072】
(最外層めっきピール強度)
次に、最外層のめっきピール強度を測定した。その結果を表1に示した。
【0073】
【表1】
Figure 0004366632
【0074】
(はんだフロート試験)
IVHの層間の接続信頼性を評価するため、260℃のはんだフロート試験を行った。1分毎に1穴あたりの導通抵抗変化率を測定し、導通抵抗変化率が10%以上になる時間を調べた。結果を表2に示した。
【0075】
(ホットオイル試験)
層間の接続信頼性を評価するため、ホットオイル試験を行った。このホットオイル試験は260℃、10秒と20℃、10秒を1サイクルとして、1穴あたりの導通抵抗変化率を10サイクル毎に測定し、導通抵抗変化率が10%以上になるサイクル数を調べた。結果を表2に示した。
【0076】
(熱サイクル試験)
層間の接続信頼性を評価するため、熱サイクル試験を行った。この熱サイクル試験は気相125℃、30分と−65℃、30分を1サイクルとして、1穴あたりの導通抵抗変化率を10サイクル毎に測定し、導通抵抗変化率が10%以上になるサイクル数を調べた。結果を表2に示した。
【0077】
【表2】
Figure 0004366632
【0078】
表1からわかる通り、本発明により作製した基板の配線形成性(回路欠陥発生率:0%、IVHホールの不良率:0%)及びピール強度は、従来の基板(比較例)と同等以上であった。それに対し、比較例1の基板の回路欠陥発生率は3%であるなど、基板表面のIVHにくぼみがあるため、IVHにくぼみがない本発明の基板より、回路欠陥発生率が大きい。
【0079】
表2からわかる通り、本発明により作製した基板の接続信頼性は、従来の基板(比較例)と比較し良好であった。特に、比較例2の基板の接続信頼性は低く、この基板のIVHの断面を観察した結果、穴底部と穴側面からめっきが同時に成長し、平行して進んだためか、IVH穴内部にボイドが発生していたことがわかった。それに対し、実施例のIVHの断面を観察した結果、充填は良好であることがわかった。
【0080】
本発明の方法で製造される多層プリント配線板は、IVHを完全にめっきで充填しているので、IVHの上部が平坦で配線設計の自由度が高く、部品ランド直下に層間接続が可能で、かつIVHの上にIVHを設計でき、回路形成性も問題ない。また従来のめっき接続と異なり、IVHを完全にめっきで充填しているので接続信頼性も向上する。IVHのめっき充填を無電解ニッケルめっき若しくは無電解ニッケル合金めっきで行っているので、高速のIVHめっき充填が可能であり、絶縁材料に与える負荷が少ない。
【0081】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明によって、作業環境と析出速度に優れためっきによってIVHを充填することのできる多層プリント配線板とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す各工程における断面図。
【符号の説明】
1.内層回路板
2.絶縁層
3.非貫通穴
4.めっき
5.無電解銅めっき層
6.めっきレジスト
7.電解銅めっき層
11.絶縁基材
12.銅箔
13.エッチングレジスト
14.内層回路導体
15.触媒核
16.穴埋め樹脂

Claims (10)

  1. 内層回路付金属張積層板の製造方法において、金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与した後、金属張積層板に内層回路導体を形成し、形成された内層回路導体の表面に触媒核を有することを特徴とする内層回路付金属張積層板の製造方法。
  2. 多層プリント配線板の製造方法において、金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程と、表面に触媒核が付与された該金属張積層板に回路導体を形成する工程と、形成された表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層を設ける工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  3. 多層プリント配線板の製造方法において、金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程と、前記表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程と、表面に触媒核が付与された該金属張積層板に回路導体を形成する工程と、形成された表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層を設ける工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  4. 多層プリント配線板の製造方法において、
    a.金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程、
    b.金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程、
    c.前記処理後の表面に回路導体を形成する工程、
    d.表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層を設けた後、前記絶縁層に層間接続の非貫通穴をあける工程、
    e.非貫通穴内部および絶縁層表面を粗化処理する工程、
    f.前記非貫通穴を無電解めっきにより穴埋めする工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  5. 多層プリント配線板の製造方法において、
    a.金属張積層板の表面に凹凸形状または針状物を生じさせるための処理を施す工程、
    b.金属張積層板の表面に無電解めっきの触媒核を付与する工程、
    c.前記処理後の表面に回路導体を形成する工程、
    d.表面に触媒核を有する回路導体を含む金属張積層板の表面に絶縁層が接するように、絶縁層と金属層を設けた後、前記金属層及び前記絶縁層に層間接続の非貫通穴をあける工程、
    e.前記非貫通穴内部を粗化処理する工程、
    f.前記非貫通穴を無電解めっきにより穴埋めする工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  6. 無電解めっきが、無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきである請求項4または請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  7. 無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきが、還元剤として、ヒドラジン、次亜リン酸塩、ジメチルアミンボランの内いずれか1種以上含有する無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきである請求項6に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきが、ニッケルイオンを0.1mモル/l以上含有する無電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケル合金めっきである請求項6または請求項7に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  9. 請求項1に記載された内層回路付金属張積層板の製造方法により製造された内層回路導体表面に触媒核を有する内層回路付金属張積層板。
  10. 請求項2〜8に記載されたいずれかの多層プリント配線板の製造方法により製造された多層プリント配線板。
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