JP4359797B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化・多機能化に伴い、プリント配線板にも薄型化・高密度化が要求され、プリント配線板の製造において、複数の導体層間の接続を行うバイアホールを形成する方法として、従来のドリルに代わるものとして、微細な穴をあけることのできるレーザ加工を使用する多層プリント配線板の製造方法が各社から提案されている。
たとえば、
(1)内層回路板の上に絶縁性接着剤付き銅箔を積層して、絶縁層と銅箔を形成し、バイアホールの必要な箇所の銅箔のみを選択的にエッチング除去して銅箔の開口部を作り、その開口部に露出した絶縁層をレーザ加工によって、外層回路と内層回路を接続する内層導体まで達する穴をあけ、樹脂の残さを除去するためにデスミア処理をし、めっきして銅箔と内層導体とを電気的に接続し、不要な箇所の銅箔とめっきをエッチング除去して外層回路を形成する方法、
(2)内層回路板の上に絶縁層を形成し、バイアホールの必要な箇所の絶縁層をレーザ加工によって、外層回路と内層回路を接続する内層導体まで達する穴をあけ、樹脂の残さを除去するためにデスミア処理をし、穴内壁と絶縁層表面の必要な箇所にのみめっきして、内層導体と電気的に接続された外層回路を形成する方法、
(3)さらには上記(1)の方法において、銅箔の上にめっきを行うので外層導体の厚さが厚くなるのをきらい、内層回路板の上に絶縁性接着剤付き銅箔を積層した後に銅箔を全てエッチング除去し、バイアホールの必要な箇所の絶縁層をレーザ加工によって、外層回路と内層回路を接続する内層導体まで達する穴をあけ、樹脂の残さを除去するためにデスミア処理をし、穴内壁と絶縁層表面の必要な箇所にのみめっきして、内層導体と電気的に接続された外層回路を形成する方法、あるいは、
(4)上記(1)の方法において、銅箔の上にめっきを行うので外層導体の厚さが厚くなるのをきらい、内層回路板の上に絶縁性接着剤付き銅箔を積層した後に銅箔を厚さ方向にエッチング除去して5μm以下の厚さとしたり、
(5)最初から5μm以下の銅箔を使用し、銅箔の上から直接レーザによりバイアホールを形成する方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、多層プリント配線板の高密度化により、形成される配線の線幅、間隔も狭くなってきたので、従来の技術のうち、上記(1)の方法では、銅箔の上にめっきが付加されるため、外層銅の厚さが厚くなり、配線を精度よく形成するのが困難であるという課題がある。
【0004】
また、従来の技術のうち、上記(2)の方法では、外層銅箔厚さが厚くなることを防ぐことはできるが、レーザであけたバイアホール内の樹脂かすを除去するためのデスミア工程で、絶縁層全体もデスミア液にさらされ、絶縁層の樹脂表面も粗化されるので、表面粗さが増し、その表面に形成されためっきも表面粗さが大きく、そのめっきを用いて配線を精度よく形成することが困難であるという課題がある。
【0005】
また、従来の技術のうち、上記(3)のように、(1)の方法で用いる外層銅箔を除去したものでは、(2)の方法と同様に、外層銅箔厚さが厚くなることを防ぐことはできるが、レーザであけたバイアホール内の樹脂かすを除去するためのデスミア工程で、絶縁層全体もデスミア液にさらされ、絶縁層の樹脂表面も粗化されるので、表面粗さが増し、その表面に形成されためっきも表面粗さが大きく、そのめっきを用いて配線を精度よく形成することが困難であるという課題がある。
【0006】
また、従来の技術のうち、上記(4)のように、(1)で用いる外層銅箔を張り合わせてからエッチング除去して全体の厚さを薄くする方法では、全面に均一に薄くすることが困難である上、エッチング液の残さが残りやすく、その表面が酸化されやすく、次の工程でのエッチングレジストの形成が困難になるなど、実用的でないという課題がある。
【0007】
(5)のように、(1)で用いる外層銅箔の厚さを薄くしたものでは、薄い銅箔に絶縁層を形成するときに、銅箔が折れたり、曲がったりしやすく、さらに、そのような薄い銅箔を用いて、銅箔の上から直接レーザによりバイアホールを形成するときに、銅箔の厚さのわずかな違いで、レーザの加工条件が大きく異なり、均一な穴あけができないという課題がある。
【0008】
本発明は、配線の形成精度に優れた多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、内層回路板に銅箔付接着剤を張り合わせ、張り合わせた銅箔付接着剤の銅箔を全面エッチングし、接着剤の表面を露出させ、その表面全面に厚さ0.5〜10μmとなるように無電解銅めっきを行い、めっき銅の上からレーザを照射し内層回路に達するバイアホールを形成し、デスミア処理し、無電解銅めっきを行い、不要な銅めっきをエッチング除去して外層回路を形成することを特徴とする。すなわち、本発明の特徴は、薄いめっき銅が形成された状態でバイアホールをあけることにより、バイアホールの内壁以外の箇所がデスミア処理されるのを防ぎ、外層回路に、薄い銅めっきとバイアホールを形成した後の銅めっきを用いるので、厚さを薄くでき、精密な回路を形成でき、かつ、最初から薄い銅箔を用いないので、外層の銅が折れたり曲がったりしないので、工程を効率化することである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される銅箔付接着剤の接着剤層は、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、中でもエポキシ樹脂であることがより好ましい。このようなエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物からなり、この熱硬化性樹脂組成物には、さらに、必要に応じて硬化促進剤、触媒、エラストマ、難燃剤などを加えてもよい。
【0011】
エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有するものであればどのようなものでもよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがある。これらは併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
【0012】
本発明において、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるべきエポキシ樹脂のようにエーテル基が結合しているベンゼン環のエーテル基に対してオルト位が塩素、臭素等のハロゲン原子で置換されているエポキシ樹脂を使用したときに、本発明の処理液によるエポキシ樹脂硬化物の分解及び/又は溶解の効率が特によい。
【0013】
本発明で使用するエポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば、限定することなく使用でき、例えば、多官能フェノール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれらのハロゲン化物などがある。
【0014】
多官能フェノール類の例として、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール,多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体などがある。更に、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック、レゾールがある。
【0015】
アミン類の例としては、脂肪族あるいは芳香族の第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族環状アミン類、グアニジン類、尿素誘導体等がある。
【0016】
これらの化合物の一例としては、N、N−ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N、N’−ジメチルピペラジン、1、4−ジアザビシクロ[2、2、2]オクタン、1、8−ジアザビシクロ[5、4、0]−7−ウンデセン、1、5−ジアザビシクロ[4、4、0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシアンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチル尿素等がある。
【0017】
イミダゾール化合物の例としては、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4、5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾールなどがある。
【0018】
酸無水物の例としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等がある。
【0019】
有機リン化合物としては、有機基を有するリン化合物であれば特に限定せれずに使用でき、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルフォスフォン酸、トリフェニルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィン、ジフェニルフォスフィンなどがある。
【0020】
これらの硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いることもできる。
これらエポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることができれば、特に限定することなく使用できるが、好ましくは、エポキシ基1モルに対して、0.01〜5.0当量の範囲で、特に好ましくは0.8〜1.2当量の範囲で使用する。
【0021】
また、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。代表的な硬化促進剤として、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩等があるが、これに限定されるものではない。
【0022】
本発明の配線板用樹脂組成物には、さらに、セラミック系ウイスカーを加えることができる。このようなセラミック系ウィスカーは、弾性率が200GPa以上であることが好ましく、200GPa未満では、配線板材料あるいは配線板として用いたときに十分な剛性が得られない。
このようなものとして、例えば、硼酸アルミニウム、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、窒化けい素、及びα−アルミナの中から選ばれた1以上のものを用いることができる。なかでも、硼酸アルミニウムウィスカーと、チタン酸カリウムウィスカーは、モース硬度が、一般的なプリプレグ基材に用いるEガラスとほぼ同等であり、従来のプリプレグと同様のドリル加工性を得ることができる。硼酸アルミニウムウィスカーは、弾性率がほぼ400GPaと高く、樹脂ワニスと混合し易く、さらに好ましい。
【0023】
このウィスカーの平均直径は、0.3μm〜3μmであることが好ましく、さらには、0.5μm〜1μmの範囲がさらに好ましい。このウィスカーの平均直径が、0.3μm以下であると、樹脂ワニスへの混合が困難となり、3μmを越えると、微視的な樹脂への分散が十分でなく、表面の凹凸が大きくなり好ましくない。
また、この平均直径と平均長さの比は、10以上であることが、さらに剛性を高めることができ、好ましい、さらに好ましくは、20以上である。この比が10未満であると、繊維としての補強効果が小さくなる。この平均長さの上限は、100μmであり、さらに好ましくは50μmである。この上限を越えると、樹脂ワニス中への分散が困難となる他、2つの導体回路に1つのウィスカーが接触する確率が高くなり、ウィスカーの繊維に沿って銅イオンのマイグレーションが発生する確率が高くなる。
【0024】
また、多層プリント配線板の、剛性、耐熱性及び耐湿性を高めるために、樹脂との濡れ性や結合性に優れたカップリング剤で表面処理した電気絶縁性のウィスカーを使用することが好ましく、このようなカップリング剤として、シリコン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミニウム系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ボロン系カップリング剤、リン系カップリング剤、アミノ酸系カップリング剤等から選択して使用することができる。
【0025】
熱硬化性樹脂とセラミック系ウィスカーの割合は、硬化した樹脂中のウィスカーの体積分率が5%〜50%の範囲となるように調整することが好ましい。硬化した樹脂中のウィスカーの体積分率が5%未満であると、銅箔付プリプレグ(銅箔/熱硬化性樹脂層)が切断時に樹脂が細かく砕けて飛散するなど、取扱が著しく困難であり、配線板としたときに剛性が低くなる。一方ウィスカーの体積分率が50%を越えると、加熱加圧成形時の穴や回路間隙への埋め込みが不十分となり、成形後にボイドやかすれを発生し、絶縁性が低下する。また、樹脂とウィスカーの割合は、硬化した樹脂中のウィスカーの体積分率は、20〜40%であることが、さらに好ましい。
【0026】
また、本発明の銅箔付接着剤は、上記のワニスを、銅箔に、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、トランスファロールコータ等によって、均一な厚さに塗布し、加熱・乾燥して半硬化状にすることができる。このときに、半硬化状の表面を保護するために保護のためのフィルムを重ねて巻き取ることもできる。
【0027】
外層の銅箔は、接着剤と共に積層成形し、全面にエッチング除去された後の接着剤の表面に、粗化の形状が転写されるので、その上に形成される薄い銅めっき及び銅めっきによる回路を精密なものとするためには、あまり粗い粗化形成ではエッチング除去されない部分が発生するおそれがあるので、低粗化箔を使用することが好ましく、粗化した表面粗さは、10点平均粗さで、10μm以下であることが好ましい。
【0028】
内層回路を形成した内層回路板には、通常のプリント配線板に用いる内層回路板を用いることができ、プリント配線板用銅張り積層板の不要な銅箔をエッチング除去して回路を形成したもの、あるいは必要に応じて、プリント配線板用両面銅張り積層板に穴をあけ、無電解めっきを行って穴内壁にめっき金属を形成し、さらに必要ならば電解めっきを行って回路導体に必要な厚さとし、不要な銅箔とめっき金属をエッチング除去して回路を形成したものが使用できる。
【0029】
内層回路を形成した内層回路板の上に、上記の銅箔付接着剤を、重ね、加熱・加圧して積層一体化した後に、銅箔を全面にエッチング除去するのは、通常のエッチングレジストを形成して、エッチングレジストに覆われていない銅をエッチング除去できる溶液であればどのようなものでも使用でき、塩化第二銅と塩酸からなるエッチング液や過硫酸アンモニウムなどがある。
【0030】
このようにして、銅箔の粗化面の形状を転写した接着剤層の上に、無電開めっきするのは、通常のプリンント配線板に用いる無電開めっき方法が使用でき、たとえば、接着剤層の汚れを洗浄するコンディショナー処理、水洗、増感剤に水分を持ち込まないようにするプリディップ処理、無電開めっき用触媒を付与する増感処理、水洗、めっきの密着性を促進する促進処理等の前処理を行い、その後に、銅イオン、銅の錯化剤、銅の還元剤、及びpH調整剤などを含有する無電開銅めっき液に浸漬処理して行う。このときの無電解めっきは、0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmの厚さに行うことが好ましく、0.5μm未満ではその後のデスミア処理でデスミア処理液が接着剤を犯すおそれがあり、10μmを越えると、外層回路の加工を行うときにエッチング除去しきれずに回路と回路の間に残ることがある。
【0031】
この薄い無電解めっきの上から、レーザを照射してバイアホールをあけるときに用いるレーザ加工機のレーザの種類については、炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ等、特に制限されない。穴あけ条件は、めっき銅の厚さと接着剤の種類及び接着剤の厚さにより調整しなければならず、実験的に求めるのが好ましく、エネルギー量としては、0.001W〜1Wの範囲内であって、レーザ発振用の電源をパルス状に印加し、一度に大量のエネルギーが集中しないよう制御しなければならない。この穴あけ条件の調整は、内層回路板の内層回路に達する穴があけられることと、穴径をできるだけ小さくするために、レーザ発振用の電源を駆動するパルス波形デューティー比で1/1000〜1/10の範囲で、1〜20ショット(パルス)であることが好ましい。波形デューティー比が1/1000未満であると穴をあけるのに時間がかかりすぎ効率的でなく、1/10を越えると照射エネルギーが大きすぎて穴径が1mm以上に大きくなり実用的でない。ショット(パルス)数は、穴内の接着剤が内層回路に達するところまで蒸発できるようにする数を実験的に求めればよく、1ショット未満では穴があけられず、20ショットを越えると、1ショットのパルスの波形デューティー比が1/1000近くであっても穴径が大きくなり実用的でない。
【0032】
このようにしてバイアホールを形成した後に、バイアホール内の接着剤のかすを除去するためにデスミア処理を行う。このデスミア処理は、一般的な酸性の酸化性粗化液やアルカリ性の酸化性粗化液を用いることができる。例えば、酸性の酸化性粗化液としては、クロム/硫酸粗化液があり、アルカリ性の酸化粗化液は過マンガン酸カリウム粗化液等を用いることができる。
接着剤を酸化性の粗化液で粗化した後、絶縁樹脂表面の酸化性粗化液を化学的に中和する必用があるが、これも一般的な手法を取り入れることができる。
例えば、クロム/硫酸粗化液を用いたときには、亜硫酸水素ナトリウム10g/lを用いて室温で5分間処理し、また、過マンガン酸カリウム粗化液を用いたときには、硫酸150ml/lと過酸化水素水15ml/lの水溶液に室温で5分間浸漬して中和を完了させるなどである。
【0033】
このようにした後に行う銅めっきは、上記した無電解めっきと同じ方法でもよいし、薄く無電解めっきした後に、たとえば、硫酸銅浴やピロリン酸銅浴のような電解めっきを行って回路導体に必要な厚さとすることができる。このときに重要なのは、形成したバイアホールの内壁に無電解めっきをし、内層回路導体と外層回路とを接続するめっき銅を形成することである。その後に、回路導体の厚さが1〜15μm位の厚さならば無電解めっきでも形成できるし、15μmを越えるようならば電解めっきを併用することもできる。好ましくは、精密な配線を形成するには、無電解めっきで形成するのが表面が平坦になり好ましい。
【0034】
このようにして銅めっきした後、形成する回路の形状に、エッチングレジストを形成し、エッチングレジストに覆われていない箇所を、塩化第二銅と塩酸からなるエッチング液や過硫酸アンモニウムなどのエッチング液を、スプレー噴霧してエッチング除去し、回路を形成する。
【0035】
【実施例】
板厚0.8mm、銅箔厚さ12μmの銅張り積層板の不要な銅箔をエッッチング除去して内層回路板を作製した。
厚さ12μmの低粗化銅箔F2WS(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)にエポキシ樹脂系接着剤を塗布したMCF−6000E(日立化成工業株式会社製、商品名)を、内層回路板の両面に重ね、加熱・加圧して積層接着したのち、最外層の銅箔を、すべてエッチング除去した。
次に、露出した絶縁基材の表面に、厚さ1.5μmの無電解銅めっきを行った。
次に、炭酸ガスレーザ加工機LCO−1A21(日立精工株式会社製、商品名)により、めっきした銅の上から、レーザ発振器に印可する電源の駆動パルスとして、周波数500Hzで、パルス幅=15μsec(デューティ比15/1000)を3ショット、パルス幅=12μsec(デューティ比12/1000)を1ショット、パルス幅=8μsec(デューティ比8/1000)を1ショット、パルス幅=4μsec(デューティ比4/1000)を1ショット連続して照射し、直径80μmのバイアホールを形成した。
さらに、表裏を接続する箇所には、ドリルでスルーホールをあけた後、過マンガン酸カリウム水溶液に浸漬するによるデスミア工程、無電解めっきによるバイアホールとスルーホール内壁の金属化(めっき厚さ10μm)を行い、エッチングレジストを形成して、エッチングレジストから露出しためっきをエッチング除去し、エッチングレジストを剥離・除去して、ライン/スペース=25/25μmの配線を形成した多層プリント配線板を作製することができた。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明によって、配線の形成精度に優れた多層プリント配線板の製造方法を提供することができる。
Claims (1)
- 内層回路板に銅箔付接着剤を張り合わせ、張り合わせた銅箔付接着剤の銅箔を全面エッチングし、接着剤の表面を露出させ、その表面全面に厚さ0.5〜10μmとなるように無電解銅めっきを行い、めっき銅の上からレーザを照射し内層回路に達するバイアホールを形成し、デスミア処理し、無電解銅めっきを行い、不要な銅めっきをエッチング除去して外層回路を形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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