JP4366577B2 - ポリカーボネート共重合体およびその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート共重合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低複屈折である共重合ポリカーボネート樹脂およびその製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、その透明性の高さや優れた耐熱性および力学特性から様々な光学材料に利用されている。その中でも、光学フィルム、光学ディスク、光学プリズム、ピックアップレンズといった光学材料は、複屈折が大きいと、材料内部を透過した光線の結像点がぼやけ、情報の読み取りエラー等の様々な問題を生じることが知られている。そのため、複屈折の小さい樹脂の開発が行なわれてきた。
例えば、側鎖方向に、分極率の大きいフルオレン構造を有するビスフェノール類を用いた全芳香族ポリカーボネート樹脂共重合体が検討されている(特許文献1および特許文献2)。
また、光弾性定数の低下を目的として、側鎖方向に分極率の大きいフルオレン構造を有し直鎖方向にフェノール骨格を有するエーテルジオール類のホモポリカーボネート樹脂、あるいはそれらとビスフェノール類との共重合体が開示されている(特許文献3および特許文献4)。
更に、側鎖方向に分極率の大きいフルオレン構造を有するビスフェノール類とトリシクロデカン[5.2.1.02,6]ジメタノールとの共重合体も提案されている(特許文献5)。
上記のように種々の低複屈折材料の開発が行なわれているが、開発は光弾性係数を小さくすることを目安に行なわれている。一方、複屈折の原因は光弾性のみではない。成形時の分子配向に起因する複屈折や、延伸に起因する複屈折も存在し、これらの履歴を持った成形体は応力を加えられる以前に複屈折を持っている。また、変形履歴に基づく複屈折は一般に光弾性に起因する複屈折より大きい。材料はあらかじめ成形や延伸を受けるため、どのような操作を受けても低複屈折性を示す樹脂の開発が求められていた。
特開平6−25398号公報 特開平7−109342号公報 特開平10−101787号公報 特開平10−101786号公報 特開2000−169573号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、成形、延伸などの操作を受けても複屈折の発生の小さいポリカーボネート共重合体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく検討を重ねた結果、一般式(1)で表される構成単位30〜70モル%および一般式(2)で表される構成単位70〜30モル%からなるポリカーボネート共重合体により課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
Figure 0004366577
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。Xは分岐していても良い炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数6〜10のシクロアルキレン基または炭素数6〜10のアリーレン基を示す。nおよびmはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。)
Figure 0004366577
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、pは0〜4の整数を示し、トリシクロデカン環の任意の炭素原子にR3が複数個付いていても良い。)
本発明のポリカーボネート樹脂は、本質的に複屈折が小さく、成形、延伸などの操作によっても低複屈折性を維持するため、光学フィルム、光ディスク、光学プリズム、ピックアップレンズ等に用いる光学材料として、極めて有用である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、一般式(3)で表されるジヒドロキシ化合物および一般式(4)で表されるジヒドロキシ化合物を、30:70〜70:30のモル比で、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させることにより製造される。
Figure 0004366577
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。Xは分岐していても良い炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数6〜10のシクロアルキレン基または炭素数6〜10のアリーレン基を示す。nおよびmはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。)
Figure 0004366577

(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、pは0〜4の整数を示し、トリシクロデカン環の任意の炭素原子にR3が複数個付いていても良い。)
本発明に使用される一般式(3)で表されるエーテルジオール類としては、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(6−ヒドロキシ−3−オキサペンチルオキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(9−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチルオキシ)フェニル)フルオレン、等が例示される。
本発明に使用される一般式(4)で表されるジオール類としては、具体的には、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、4,10−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、4,4,10,10−テトラメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10−デカメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、等が例示される。
本発明における一般式(1)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位の割合は、構成単位のモル比の比率として、30:70〜70:30の割合である。好ましくは、40:60〜50:50である。実際には、47:53付近で最も複屈折が小さくなると想定されるので、45:55〜50:50の組成を用いることが更に好ましい。
尚、本明細書の実施例及び比較例によれば、従来の尺度である光弾性係数は、一般式(2)で表される構成単位の割合が増えるにつれて小さくなっていくのみであって極小値を示さない。従って、従来のように光弾性係数を複屈折の尺度と考えた場合はこのような結果を予測できない。このような特定の組成が従来の常識に反し、低複屈折性を示すことは驚くべきことである。
成形シートの複屈折(リターデーション)は10nm以下が好ましい。
本発明におけるポリカーボネート共重合体は、ランダム、ブロックあるいは交互共重合のいずれの構造を持っていても良い。更には、複屈折が増加しない範囲で、一般式(1)および一般式(2)以外の構成成分が少量含まれていても構わない。
一般式(1)および一般式(2)以外の構成単位を誘導する化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒロドキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシレン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタノール、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカンジメタノール、デカリンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、イソソルビド等が挙げられる。
本発明におけるポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は95℃以上165℃以下であることが好ましく、より好ましくは105℃以上165℃以下である。ガラス転移温度が95℃より低いと耐熱性が悪くなり、使用環境が限定されるため好ましくない。また、ガラス転移温度が165℃より高いと、流動性が悪くなり、成形条件が厳しくなるため好ましくなく、また、流動性を確保するために低分子量に抑えると脆くなるため好ましくない。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は20,000〜200,000であることが好ましく、更に好ましくは35,000〜100,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が20,000未満では耐衝撃性が低くなり、200,000を超えると流動性が悪くなり成形条件が厳しくなるため好ましくない。
以下に、本発明に関わるポリカーボネート樹脂の製造方法について述べる。ジオール類と炭酸ジエステルとを塩基性化合物触媒もしくはエステル交換触媒もしくはその双方からなる混合触媒の存在下反応させる公知の溶融重縮合法が好適に用いられる。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げらる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜1.10モルの比率で用いられることが好ましく、更に好ましくは0.98〜1.05モルの比率である。
塩基性化合物触媒としては、特にアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、含窒素化合物等があげられる。
このような化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの塩、アミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が用いられる。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が用いられる。
含窒素化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類、プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、あるいは、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が用いられる。
エステル交換触媒としては、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩が好ましく用いられ、これらは単独もしくは組み合わせて用いることができる。
エステル交換触媒としては、具体的には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)等が用いられる。
これらの触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、10-9〜10-3モルの比率で、好ましくは10-7〜10-4モルの比率で用いられる。
本発明にかかわる溶融重縮合法は、前記の原料、および触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段工程で実施される。
具体的には、第一段目の反応を120〜220℃、好ましくは160〜200℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間、常圧〜200Torrの圧力で反応させる。次いで、1〜3時間かけて温度を最終温度である230〜260℃まで徐々に上昇させると共に圧力を徐々に最終圧力である1Torr以下まで減圧し、反応を継続する。最後に1Torr以下の減圧下、230〜260℃の温度で重縮合反応を進め、所定の粘度に達したところで窒素で復圧し、反応を終了する。1Torr以下の反応時間は0.1〜2時間であり、全体の反応時間は1〜6時間、通常2〜5時間である。
このような反応は、連続式で行っても良くまたバッチ式で行ってもよい。上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
本発明にかかわるポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させる。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良く、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
さらに本発明において、上記熱安定化剤、加水分解安定剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤、抗菌剤等を添加することが好適に実施される。
以下に本発明を実施例で示すが、本発明はこれらの実施例に何らの制限を受けるものではない。
尚、実施例中に示す物性は、下記の方法により測定したものである。
・ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):
GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出した。
・ガラス転移温度(Tg):
セイコーインスツルメント(株)製の示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定した。
複屈折(リターデーション)、光弾性係数は、以下の方法で測定した。
1)キャストフィルムの作成
それぞれの実施例で得られた樹脂をジクロロメタンに5重量%濃度で溶解し、水平を確認したキャスト板に流延した。キャスト板に適宜覆いをすることで蒸発量を調整しながら、ジクロロメタンを揮発させ、厚さ100μmの透明な樹脂フィルムを得た。
2)フィルムの延伸
得られたフィルムを5cm×5cmに切断し、ガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度、延伸速度15mm/分で、延伸倍率1.5倍まで引き伸ばした。
3)複屈折の測定
得られた延伸フィルムの複屈折(リターデーション)を(株)溝尻光学工業所製のエリプソメーターを用いて波長633nmについて測定した。
4)光弾性係数の測定
(株)溝尻光学工業所製のエリプソメーターにより、延伸前のキャストフィルムに波長633nmのレーザー光線を照射し、フィルムにかけた荷重の変化に対する複屈折の変化を測定し算出した。
実施例1
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(BPEF)39.5g(0.090モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(TCDDM)21.6g(0.110モル)、ジフェニルカーボネート43.7g(0.204モル)、および炭酸水素ナトリウム1.0×10-4g(1.2×10-6モル、0.1%水溶液として添加)を攪拌機および留出装置付きの300ml四ッ口フラスコに入れ、窒素雰囲気760mmHgの下180℃に加熱し30分間攪拌した。その後、減圧度を150mmHgに調整すると同時に、60℃/hrの速度で200℃まで昇温を行い、20分間その温度に保持しエステル交換反応を行った。さらに、75℃/hrの速度で225℃まで昇温し、昇温終了の10分後、その温度で保持しながら、1時間かけて減圧度を1mmHg以下とした。その後、60℃/hrの速度で235℃まで昇温し、さらに1.5時間攪拌下で反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み常圧に戻し、生成したポリカーボネート樹脂を取り出した。得られたポリカーボネート共重合体の物性測定結果を表1に示す。
実施例2〜6
実施例1におけるBPEFとTCDDMの比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。結果を表1に示す。
比較例1〜3
実施例1におけるBPEFとTCDDMの比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004366577

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表される構成単位30〜70モル%および一般式(2)で表される構成単位70〜30モル%からなるポリカーボネート共重合体。
    Figure 0004366577
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。Xは分岐していても良い炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数6〜10のシクロアルキレン基または炭素数6〜10のアリーレン基を示す。nおよびmはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。)
    Figure 0004366577
    (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、pは0〜4の整数を示し、トリシクロデカン環の任意の炭素原子にR3が複数個付いていても良い。)
  2. 一般式(3)で表されるジヒドロキシ化合物および一般式(4)で表されるジヒドロキシ化合物を、30:70〜70:30のモル比で、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート共重合体の製造方法。
    Figure 0004366577

    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。Xは分岐していても良い炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数6〜10のシクロアルキレン基または炭素数6〜10のアリーレン基を示す。nおよびmはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。)
    Figure 0004366577

    (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、pは0〜4の整数を示し、トリシクロデカン環の任意の炭素原子にR3が複数個付いていても良い。)
  3. 1およびR2が水素原子であり、nおよびmが1であり、Xが炭素数2のアルキレン基であり、pが0である請求項1記載のポリカーボネート共重合体。
  4. 1およびR2が水素原子であり、nおよびmが1であり、Xが炭素数2のアルキレン基であり、pが0である請求項2記載のポリカーボネート共重合体の製造方法。
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