JP5760396B2 - フラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム及びフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム、並びに、これらの使用方法 - Google Patents

フラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム及びフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム、並びに、これらの使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム及びフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム、並びに、これらの使用方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイにおいて、偏光機能を発現する部材として用いられ、例えば、延伸配向したポリビニルアルコール中にヨウ素又は二色性色素が配向して保持されたもの、などが挙げられる。一般に、これらの偏光機能を有する部材は、耐擦傷性、機械的強度、耐久性等の点で、実用上問題が生じる場合があるため、これらの片面又は両面に保護フィルムが、接着剤又は粘着剤を介して、設けられているのが通常である。
液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイにおいて広く用いられている偏光板保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースフィルム(TAC)が挙げられる。
前記偏光板保護フィルムに要求される特性としては、例えば、湿熱耐久性が高いこと、透明性が高いこと、複屈折度が低いこと、水蒸気透過率が高いこと、生産性(加工性)が高いこと、などが挙げられる。
また、前記偏光板保護フィルムは、視野角特性の要求の高度化に伴い、偏光板の視野角特性が問題になる場合があるため、特に、透明性が高く、三次元的な屈折率異方性が小さい(複屈折度が低い)ことが好ましい。
前記偏光板保護フィルムとして広く用いられているトリアセチルセルロースフィルムは、偏光板保護フィルムの保護対象である偏光素子との接着性が低い、押出ではフィルム成形できない、などの問題がある。
また、環状ポリオレフィンからなるフィルムが提案されているが、水蒸気透過率が低く気泡の発生及び偏光フィルムがカール、反りなどの変形が発生する問題があった。
斯かる問題を有するトリアセチルセルロースフィルムに対して、ポリカーボネート樹脂(例えば、特許文献1参照)を用いたフィルムも提案されているが、三次元の屈折率異方性が大きい(複屈折度が大きい)という問題がある。
三次元の屈折率異方性が大きい(複屈折度が大きい)ことは、通常、膜厚方向の屈折率が、面内方向の屈折率と大きく異なっていることによるものであり、これは、例えば、フィルム溶融成形時の流動配向や、溶液キャスト製膜であれば、キャスト直後の溶媒蒸発時の流動配向やその後の工程である乾燥工程で、フィルムのしわ等を無くすために、フィルムに張力をかけざるを得ないこと等が主な原因となっている。これらの製膜工程を改善して、光学異方性を低減するには限界があり、他の特性、例えば、表面平坦性や膜厚むら、光学的なむら等の両立が難しいといった問題や極端に生産性が悪くなるという問題がある。
また、従来より、特殊なポリカーボネート樹脂が開発されているが(特許文献2及び3参照)、このポリカーボネート樹脂をフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム又はフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムとして用いることについては、全く検討されていなかった。
特許3995387号公報 特開2008−163194号公報 特開2005−31610号公報
本発明は、複屈折度が低く、水分透過率が高く、生産性を向上させることが可能なフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム及びフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム、並びに、これらの使用方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、所定のポリカーボネート樹脂を含有するフィルムがフラットパネルディスプレイにおける偏光板保護フィルム又は位相差フィルムとして特に適していることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムは、一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであることを特徴とする。
Figure 0005760396

(前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
前記一般式(1)で表される化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンである(前記一般式(1)において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基である)ことが望ましい。
前記ジヒドロキシ化合物は、構造式(1)で表される化合物(ビスフェノールA)であってもよく、一般式(2)で表される化合物であってもよい。
Figure 0005760396
Figure 0005760396
(一般式(2)中、Yは、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
前記一般式(2)で表される化合物は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、及びペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1つであることが望ましく、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールであることがより望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムのリタデーションは、全可視光領域で、10nm以下が望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの水蒸気透過率が、15g/m/day〜600g/m/dayであることが望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの光弾性係数は、50×10−12/N以下が望ましく、40×10−12/N以下がより望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの波長600nmにおけるリタデーションが20nm以下であることが望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムは、延伸速度0.0001m/sec〜10m/sec、かつ、面積延伸倍率1.05倍〜4.0倍で少なくとも1方向に延伸されていてもよい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムは、一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであることを特徴とする。
Figure 0005760396

(前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムのリタデーションは、全可視光領域で、20nm以下が望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムの水蒸気透過率が、15g/m/day〜600g/m/dayであることが望ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムは、延伸速度0.0001m/sec〜10m/sec、かつ、面積延伸倍率1.05倍〜4.0倍で少なくとも1方向に延伸されていてもよい。
本発明の使用方法は、一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであるフィルムをフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムとして使用することを特徴とする。
Figure 0005760396

(前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
本発明の使用方法は、一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであるフィルムをフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムとして使用することを特徴とする。
Figure 0005760396

(前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
本発明によれば、複屈折度が低く、水分透過率が高く、生産性を向上させることが可能なフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム及びフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム、並びに、これらの使用方法を提供することができる。
本発明の偏光板保護フィルムが用いられたフラットパネルディスプレイの構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の位相差フィルムの配設方法の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明について、必要に応じて図面を参照しつつ具体的に説明する。
(フラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム及びその使用方法)
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムは、少なくとも、所定のポリカーボネート樹脂を含有してなり、さらに必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムのリタデーションは、全可視光領域で、10nm以下が好ましい。
前記リタデーションが10nmを超えると、偏光子の偏光度を低下させ、フラットパネルディスプレイの視認性が低下することがある。
なお、前記リタデーションは、例えば、エリプソメ−ター(商品名:M220、日本分光製)を用いて測定することができる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの水蒸気透過率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15g/m/day〜600g/m/dayが好ましく、20g/m/day〜600g/m/dayがより好ましく、30g/m/day〜400g/m/dayが特に好ましい。
前記水蒸気透過率が、15g/m/day未満であると、カール、反り等の変形や気泡が発生することがあり、600g/m/dayを超えると、高温高湿での耐久性が低下することがある。
なお、前記水蒸気透過率は、例えば、L80−4000L(LYSSY AG ZLLIKON社製)を使用して、40℃/90%RH条件で、JIS−K7209のA法に準じて測定することができる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの光弾性係数としては、50×10−12/N以下が好ましく、40×10−12/N以下がより好ましい。
前記光弾性係数が、50×10−12/Nを超えると、リタデーションが大きくなってしまうことがある。一方、前記光弾性係数が、より好ましい範囲内であると、リタデーションを小さくすることができる点で有利である。
なお、前記光弾性係数は、例えば、エリプソメーター(商品名:M220、日本分光製
)を用いて、厚さ100μmのキャストフィルムに、波長633nmのレーザー光線を照射し、フィルムにかけた荷重の変化に対する複屈折の変化を測定し算出することにより測定することができる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの波長600nmにおけるリタデーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
前記リタデーションが、20nmを超えると、保護対象である偏光フィルム(偏光子)の偏光度を低下させることがある。一方、前記リタデーションが、より好ましい範囲内であると、保護フィルムの張り合わせの角度の自由度を拡大し、着色等を防止することができる点で有利である。
なお、前記リタデーションは、例えば、エリプソメーター(商品名:M220、日本分光製)を用いて測定することができる。
また、偏光板保護フィルムに位相差フィルムの機能をもたせる際には、リタデーションを液晶にあわせて発現させてもよい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜500μmが好ましく、 10μm〜150μmがより好ましい。
前記厚みが、5μm未満であると、強度が低下することがあり、500μmを超えると、透明性が低下し、リタデーションが高くなり、外観が悪くなることがある。一方、前記厚みが、より好ましい範囲内であると、強度を保ちつつ、外観が良好となる点で有利である。
なお、前記厚みは、例えば、電子マイクロ膜厚計(商品名:KL1300B、アンリツ社製)を用いて、測定することができる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの引張強度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60MPa以上が好ましく、70MPa以上がより好ましい。
前記引張強度が、60MPa未満であると、強度不足となることがある。
なお、前記引張強度は、例えば、引っ張り試験機(商品名:オートグラフAGS-100G、島津製作所製)を用いて、ASTM D882−61Tに基づき測定することができる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶融押出法、キャスト法、などが挙げられる。これらの中でも、溶融押出法が、生産性の点で、好ましい。
溶融押出法における条件としては、特に制限はなく、Tダイを用いた方法、インフレーション法など、目的に応じて適宜選択することができるが、厚さムラが小さく、厚さ15μm〜500μmに加工しやすいTダイを用いる方法が好ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムは、少なくとも1方向に延伸されていてもよい。
前記延伸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一軸延伸及び二軸延伸のいずれであってもよい。前記二軸延伸の場合は、逐次延伸及び同時延伸のいずれであってもよい。
前記延伸における延伸速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.0001m/sec〜10m/secが好ましい。
前記延伸速度が、0.0001m/sec未満であると、生産性が悪いことがあり、10m/secを超えると、フィルムが破断しやすく歩留まりが低下することがある。
前記延伸における面積延伸倍率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.05倍〜4.0倍が好ましく、1.05倍〜3.0倍がより好ましい。
前記面積延伸倍率が、1.05倍未満であると、リタデーションの制御が難しいことがあり、4.0倍を超えると、破断しやすく歩留まりが低下することがある。
前記面積延伸倍率は、生産性に応じて選択できる。
前記延伸における延伸温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス転移点(Tg)−30℃〜ガラス転移点(Tg)+50℃が好ましく、Tg−20℃〜Tg+30℃がより好ましい。
前記延伸温度が、Tg−30℃未満であると、破断することがあり、Tg+50℃を超えると、形状を保てないことがある。一方、前記延伸温度が、より好ましい範囲内であると、リタデーションの制御の点で有利である。
<フラットパネルディスプレイ>
前記フラットパネルディスプレイとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置、などが挙げられる。
例えば、図1に示すように、液晶表示装置1は、2枚の保護フィルム2,3により介装された偏光フィルム4を有する2つの偏光板5,6と、2つの偏光板5,6間に配設された液晶セル7とを備える。
−偏光板−
前記偏光板は、偏光フィルムの片面又は両面に保護フィルムを貼り合わせることによって製造されるが、偏光フィルムの両面に貼り合わせることが好ましい。
ここで、貼り合わせには、透明度が高く、経時的に着色しにくく、耐熱性に優れた接着剤を用いるのが好ましい。前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤が好ましい。
−−偏光フィルム−−
前記偏光フィルムとしては、偏光機能を有する薄膜である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素又は2色性色素を吸着させて延伸配向させたフィルム、などが挙げられる。
前記偏光フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヨウ素又は2色性色素を溶解させた10℃〜50℃の水溶液に高分子フィルムを浸漬し、ヨウ素又は2色性色素を吸着させた後、該フィルムを金属イオン、ホウ酸などの添加剤を溶解した10℃〜80℃の水溶液中に浸漬した状態で、1方向に2.5倍〜8倍に延伸する方法、などが挙げられる。
前記偏光フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度と外観のバランスの点から、1μm〜200μmが好ましく、10μm〜150μmがより好ましく、15μm〜100μmが特に好ましい。
<ポリカーボネート樹脂>
前記ポリカーボネート樹脂は、一般式(1)で表される化合物と、ジヒドロキシ化合物とを反応させたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
Figure 0005760396
(前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
前記ポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000〜300,000が好ましく、35,000〜120,000がより好ましい。前記ポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、20,000未満であると、フィルムが脆くなることがあり、300,000を超えると、溶融粘度が高くなるため、製造後の樹脂の抜き取りが困難となり、また、溶剤への溶解性が悪くなってキャスト法でのシート成形が困難となり、溶融粘度が高くなるため押し出し成形が困難となる、などの問題が生じることがある。
なお、前記ポリスチレン換算重量平均分子量は、GPC(商品名:GPC System−21H、昭和電工(株)製)を用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出することができる。
前記ポリカーボネート樹脂の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ランダム構造、ブロック構造、交互共重合構造、などが挙げられる。
前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90℃〜180℃が好ましく、100℃〜170℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が90℃未満であると、使用温度範囲が狭くなることがあり、180℃を超えると、押し出し成形を行う際の成形条件が厳しくなることがある。
なお、前記ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(DSC)(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて測定することができる。
−一般式(1)で表される化合物−
前記一般式(1)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(前記一般式(1)で表される化合物において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基である)、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(前記一般式(1)において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基である)が、樹脂の物性バランスの点で、好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の仕込み量としては、前記一般式(1)で表される化合物と前記ジヒドロ化合物との合計に対して、5モル%〜99モル%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65モル%〜95モル%が好ましく、80モル%〜95モル%がより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の仕込み量が、5モル%未満となる、又は、99モル%を超えると、ポリカーボネート樹脂の複屈折が大きくなる。一方、前記一般式(1)で表される化合物の仕込み量が前記好ましい範囲内であると、ポリカーボネート樹脂の複屈折が小さくなる点で有利である。
−ジヒドロキシ化合物−
前記ジヒドロキシ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、構造式(1)で表される化合物(ビスフェノールA)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2,6−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン−1,3−ジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の、一般式(2)で表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005760396
Figure 0005760396
(一般式(2)中、Yは、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
これらの中でも、ビスフェノールA、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、及びペンタシクロペンタデカンジメタノールが好ましく、ビスフェノールA及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールがより好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。
前記ジヒドロキシ化合物の仕込み量としては、前記一般式(1)で表される化合物と前記ジヒドロ化合物との合計に対して、1モル%〜95モル%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5モル%〜35モル%が好ましく、5モル%〜20モル%がより好ましい。
前記ジヒドロキシ化合物の仕込み量が、1モル%未満である、又は、95モル%を超えると、ポリカーボネート樹脂の複屈折が大きくなる。一方、前記ジヒドロキシ化合物の仕込み量が前記好ましい範囲内であると、ポリカーボネート樹脂の複屈折が小さくなる点で有利である。
−ポリカーボネート樹脂の製造方法−
前記ポリカーボネート樹脂の製造方法としては、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、塩基性化合物触媒、重金属系のエステル交換触媒、又は、その双方からなる混合触媒の存在下反応させる溶融重縮合法が好ましい。
−−炭酸ジエステル−−
前記炭酸ジエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジフェニルカーボネートが、入手しやすい点で、好ましい。
前記炭酸ジエステルの仕込み量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記一般式(1)で表される化合物及び前記ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対して、0.97モル〜1.20モルが好ましく、0.98モル〜1.10モルがより好ましい。
前記炭酸ジエステルの仕込み量が、0.97モル未満である、又は、1.20モルを超えると、高分子量の樹脂が得られないことがある。
−−塩基性化合物触媒−−
前記塩基性化合物触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド、それらの塩、及びアミン類が、好ましい。
−−−アルカリ金属化合物−−−
前記アルカリ金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−アルカリ土類金属化合物−−−
前記アルカリ土類金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−含窒素化合物−−−
前記含窒素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル基、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類;トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類;ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類;プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基又は塩基性塩;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−エステル交換触媒−−
前記エステル交換触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エステル交換触媒の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)、などが挙げられる。
前記エステル交換触媒の仕込み量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記一般式(1)で表される化合物及び前記ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対して、10-9モル〜10-3モルが好ましく、10-7モル〜10-4モルがより好ましい。
前記エステル交換触媒の仕込み量が、10-9モル未満であると、重合活性が不十分となることがあり、10-3モルを超えると、樹脂の着色原因となる等、樹脂が不安定となることがある。
−−溶融重縮合法−−
前記溶融重縮合法は、前記の原料及び触媒を用いて、加熱下に、常圧又は減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には、二段以上の多段行程で実施される。
具体的には、第一段目の反応を、120℃〜260℃、好ましくは、180℃〜240℃の温度で、0.1時間〜5時間、好ましくは、0.5時間〜3時間反応させる。次いで、反応系の減圧度を上げながら、反応温度を高めてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には、1mmHg以下の減圧下、200℃〜350℃の温度で、0.3時間〜10時間重縮合反応を行う。このような反応は、連続式で行ってもよく、また、バッチ式で行ってもよい。上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であっても、スクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して、適宜組み合わせた反応装置を使用することが好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去又は失活させる。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好ましい。
前記酸性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸ブチル等のエステル類;p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類;p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類;亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類;亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類;リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類;ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類;フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類;トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類;ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類;ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類;ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物;ジメチル硫酸等のアルキル硫酸;塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物;などが挙げられる。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1mmHg〜1mmHgの圧力、200℃〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けてもよく、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、又は薄膜蒸発器が好適に用いられる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、結晶核剤、強化剤、染料、帯電防止剤、抗菌剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(フラットパネルディスプレイ用位相差フィルム及びその使用方法)
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムは、少なくとも、前記所定のポリカーボネート樹脂を含有してなり、さらに必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムのリタデーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全可視光領域で、20nm以下が好ましい。
前記リタデーションが、20nmを超えると、フラットパネルディスプレイの視認性が低下してしまうことがある。
なお、液晶の種類に応じて、リタデーションが選択される。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板位相差フィルムの水蒸気透過率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15g/m/day〜600g/m/dayが好ましく、25g/m/day〜500g/m/dayがより好ましい。
前記水蒸気透過率が、15g/m/day未満であると、カール、反り等の変形や気泡が発生することがあり、600g/m/dayを超えると、高温高湿での耐久性が低下することがある。一方、前記水蒸気透過率が、より好ましい範囲内であると、位相差フィルムと偏光フィルムとの接着性をより向上させることができる点で有利である。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板位相差フィルムの光弾性係数としては、50×10−12/N以下が好ましく、40×10−12/N以下がより好ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用偏光板位相差フィルムの波長600nmにおけるリタデーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下が特に好ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度と外観のバランスの点から、1μm〜200μmが好ましく、10μm〜150μmがより好ましく、15μm〜100μmが特に好ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムの引張強度としては、60MPa以上が好ましく、70MPa以上がより好ましい。
前記引張強度が、60MPa未満であると、強度不足となることがある。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶融押出法、キャスト法、などが挙げられる。これらの中でも、溶融押出法が、生産性の点で、好ましい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムは、少なくとも1方向に延伸されていてもよい。
前記延伸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一軸延伸及び二軸延伸のいずれであってもよい。前記二軸延伸の場合は、逐次延伸及び同時延伸のいずれであってもよい。
前記延伸における延伸速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.0001m/sec〜10m/secが好ましい。
前記延伸速度が、0.0001m/sec未満であると、生産性が悪いことがあり、10m/secを超えると、フィルムが破断しやすく、歩留まりが低下することがある。
前記延伸における面積延伸倍率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.05倍〜4.0倍が好ましく、1.05倍〜3倍がより好ましい。
前記面積延伸倍率が、1.05倍未満であると、リタデーションの制御が難しいことがあり、4.0倍を超えると、破断しやすく歩留まりが低下することがある。
前記延伸における延伸温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス転移点(Tg)に対してTg−30℃〜Tg+50℃が好ましく、Tg−20℃〜Tg+30℃がより好ましい。
前記延伸温度が、Tg−30℃未満であると、破断することがあり、Tg+50℃を超えると、形状を保てないことがある。一方、前記延伸温度が、より好ましい範囲内であると、リタデーションの制御の点で有利である。
本発明のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムの配設方法としては、位相差フィルムの位相差値が液晶セルにおける液晶層の位相差と合わせこまれて、楕円偏光が直線偏光に近い状態に変換することが可能な配置である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図1において、位相差フィルムが、液晶セル7側に配設された保護フィルム3として配設され、フィルム枚数が低減されてもよく、保護フィルム3と液晶セル7との間に配設されてもよい。
位相差フィルムが保護フィルム3と液晶セル7との間に配設される場合の配設方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図2(a)に示す片側1枚型、図2(b)に示す片側2枚型、図2(c)に示す両側各1枚型、などが挙げられる。なお、図2において、20が位相差フィルムを表す。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1:フィルムAの作製)
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン21.95kg(50.0モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール9.80kg(50.0モル)、ジフェニルカーボネート21.85kg(52.0モル)、及び炭酸水素ナトリウム2.5×10−3g(3×10−5モル)を攪拌機及び留出装置付きの50L反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrで、1時間かけて215℃まで加熱し、攪拌した。
その後、15分間かけて、減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持し、エステル交換反応を行った。さらに、37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrの条件下で10分間保持した。その後、10分間かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrの条件下で70分間保持した。その後、10分間かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrの条件下で10分間保持した。さらに、40分間かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で、10分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂は、分子量(Mw)が64500であり、ガラス転移温度(Tg)が125℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、樹脂に対して、高分子量酸化防止剤(商品名:IRGANOX1010、チバスペシャリティケミカルズ製)1000ppmを添加し、リン系酸化防止剤(アデカスタブPEP−36、旭電化工業(株)製)500ppmを添加して、押出機により250℃で混練して、ペレタイズし、ペレット(EP4000、三菱瓦斯化学社製)を得た。このペレットの分子量(Mw)が63500であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度250℃、ダイ温度250℃で、ロール温度155℃でフィルム成形し、厚みが100μmのフィルムAを得た。
得られたフィルムAは、光弾性係数が27×10−12/Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/dayであった。
なお、分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、厚み、光弾性係数、波長600nmにおけるリタデーション、及び水蒸気透過率は、以下のように測定し、以下の実施例及び比較例でも同様とした。
<分子量(Mw)の測定方法>
前記分子量(Mw)は、GPC(商品名:GPC System−21H、昭和電工(株)製)を用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
前記ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(DSC)(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて測定した。
<厚みの測定方法>
前記厚みは、ダイヤル式厚さゲージ(商品名:ダイヤルスイフトゲージQ−1、尾崎製作所製)を用いて、測定した。
<光弾性係数の測定方法>
前記光弾性係数は、エリプソメーター(商品名:M220、日本分光製)を用いて、厚さ100μmのキャストフィルムに、波長633nmのレーザー光線を照射し、フィルムにかけた荷重の変化に対する複屈折の変化を測定し算出することにより測定した。
<波長600nmにおけるリタデーションの測定方法>
前記波長600nmにおけるリタデーションは、エリプソメーター(商品名:M220、日本分光製)を用いて、フィルムをセットしてスキャンすることにより測定した。
<水蒸気透過率の測定方法>
なお、前記水蒸気透過率は、L80−4000L(LYSSY AG ZLLIKON社製)を使用して、40℃/90%RH条件で、JIS−K7209のA法に準じて測定した。
参考例2:フィルムA2の作製)
実施例1のフィルムAを一軸延伸機にて、127℃、延伸速度15mm/分、面積延伸倍率1.1倍で延伸して、フィルムA2を作製した。
作製したフィルムA2は、光弾性係数が27×10−12/Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが155.0nmであり、水蒸気透過率が40g/m/dayであった。
(実施例3:フィルムBの作製)
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン15.46kg(35.26モル)、ビスフェノールA1.203kg(5.269モル)、ジフェニルカーボネート8.869kg(52.66モル)、及び炭酸水素ナトリウム0.02602g(3.097×10−4モル)を、攪拌機及び留出装置付きの50L反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの条件下で1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分間かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに、37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrの条件下で10分間保持した。その後、10分間かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrの条件下で70分間保持した。その後、10分間かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrの条件下で10分間保持した。さらに、40分間かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で10分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=56900、Tg=145℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、樹脂に対して、高分子量酸化防止剤(商品名:IRGANOX1010、チバスペシャリティケミカルズ製)1000ppmを添加し、リン系酸化防止剤(アデカスタブPEP−36、旭電化工業(株)製)500ppmを添加して、押出機により250℃で混練して、ペレタイズし、ペレット(EP5000、三菱瓦斯化学社製)を得た。このペレットの分子量(Mw)が56100であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度250℃、ダイ温度250℃で、ロール温度155℃でフィルム成形し、厚みが100μmのフィルムBを得た。
得られたフィルムBは、光弾性係数が37×10−12/Nであり、リタデーションが1.2nmであり、水蒸気透過率が50g/m/dayであった。
参考例4:フィルムB2の作製)
実施例3のフィルムBを一軸延伸機にて、147℃、延伸速度15mm/分、面積延伸倍率1.1倍で延伸して、フィルムB2を作製した。
作製したフィルムA2は、光弾性係数が37×10−12/Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが149.0nmであり、水蒸気透過率が50g/m/dayであった。
(比較例1:フィルムCの物性値測定)
ビスフェノールAポリカーボネート(BPAPC)フィルムとしてのフィルムC(商品名:ユーピロンE2000、三菱エンジニアリングプラスチック製)の物性値を測定した結果、分子量63100、ガラス転移温度145℃、光弾性係数が83×10−12/Nであり、リタデーションが185.2nmであり、水蒸気透過率が60g/m/dayであり、厚み100μmであった。
(比較例2:フィルムDの物性値測定)
環状ポリオレフィンフィルムとしてのフィルムD(商品名:ゼオノア1420R、日本ゼオン製)の物性値を測定した結果、ガラス転移温度139℃、光弾性係数が3×10−12/Nであり、リタデーションが37.1nmであり、水蒸気透過率が10g/m/dayであり、厚み100μmであった。
Figure 0005760396
表1より、本発明(実施例1及び3)のフィルムは、光弾性係数が27×10−12/N〜37×10−12/N、リタデーション1.2nm〜1.6nm、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであることから、偏光板保護フィルムとして使用した場合、カール、反り等の変形、及び気泡の発生を防止することができ、また、張り合わせの角度の自由度を拡大し、リタデーションが原因の着色等を防止することが分かる。
また、フィルムを延伸することにより、リタデーションを適宜調整することができることが分かる。
1 液晶表示装置
2 保護フィルム
3 保護フィルム
4 偏光フィルム
5 偏光板
6 偏光板
7 液晶セル
20 位相差フィルム

Claims (32)

  1. 一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
    Figure 0005760396

    (前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基であることを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
  3. 前記ジヒドロキシ化合物が構造式(1)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
    Figure 0005760396
  4. 前記ジヒドロキシ化合物が一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
    Figure 0005760396

    (一般式(2)中、Yは、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
  5. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、及びペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
  6. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールであることを特徴とする請求項5に記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
  7. リタデーションは、全可視光領域で、10nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
  8. 延伸速度0.0001m/sec〜10m/sec、かつ、面積延伸倍率1.05倍〜4.0倍で少なくとも1方向に延伸されてなることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルム。
  9. 一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
    Figure 0005760396

    (前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
  10. 前記一般式(1)で表される化合物において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基であることを特徴とする請求項記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
  11. 前記ジヒドロキシ化合物が構造式(1)で表されることを特徴とする請求項又は10に記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
    Figure 0005760396
  12. 前記ジヒドロキシ化合物が一般式(2)で表されることを特徴とする請求項又は10に記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
    Figure 0005760396

    (一般式(2)中、Yは、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
  13. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、及びペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
  14. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールであることを特徴とする請求項13に記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
  15. リタデーションが、全可視光領域で、20nm以下であることを特徴とする請求項から14のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
  16. 延伸速度0.0001m/sec〜10m/sec、かつ、面積延伸倍率1.05倍〜4.0倍で少なくとも1方向に延伸されてなることを特徴とする請求項から15のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ用位相差フィルム。
  17. 一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであるフィルムをフラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムとして使用することを特徴とする方法。
    Figure 0005760396

    (前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
  18. 前記一般式(1)で表される化合物において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基であることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 前記ジヒドロキシ化合物が構造式(1)で表されることを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
    Figure 0005760396
  20. 前記ジヒドロキシ化合物が一般式(2)で表されることを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
    Figure 0005760396

    (一般式(2)中、Yは、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
  21. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、及びペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記フラットパネルディスプレイ用偏光板保護フィルムのリタデーションが、全可視光領域で、10nm以下であることを特徴とする請求項17から22のいずれかに記載の方法。
  24. 延伸速度0.0001m/sec〜10m/sec、かつ、面積延伸倍率1.05〜4.0倍で少なくとも1方向に延伸されてなることを特徴とする請求項17から23のいずれかに記載の方法。
  25. 一般式(1)で表される化合物99モル%〜5モル%と、ジヒドロキシ化合物1モル%〜95モル%との2種の成分を、炭酸ジエステルによりカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂を含み、光弾性係数が27×10 −12 /N〜37×10 −12 /Nであり、波長600nmにおけるリタデーションが1.2nm〜1.6nmであり、水蒸気透過率が40g/m/day〜50g/m/dayであるフィルムをフラットパネルディスプレイ用位相差フィルムとして使用することを特徴とする方法。
    Figure 0005760396

    (前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数6〜20のアリールオキシ基を表す。また、前記一般式(1)中、Xは、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、又は、炭素数6〜20のアリーレン基を表す。)
  26. 前記一般式(1)で表される化合物において、R1及びR2が水素原子であり、Xがエチレン基であることを特徴とする請求項25記載の方法。
  27. 前記ジヒドロキシ化合物が構造式(1)で表されることを特徴とする請求項25又は26に記載の方法。
    Figure 0005760396
  28. 前記ジヒドロキシ化合物が一般式(2)で表されることを特徴とする請求項25又は26に記載の方法。
    Figure 0005760396

    (一般式(2)中、Yは、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
  29. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、及びペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 前記一般式(2)で表される化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記フラットパネルディスプレイ用位相差フィルムのリタデーションが、全可視光領域で、20nm以下であることを特徴とする請求項25から30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記フラットパネルディスプレイ用位相差フィルムが、延伸速度0.0001m/sec〜10m/sec、かつ、面積延伸倍率1.05倍〜4.0倍で少なくとも1方向に延伸されてなることを特徴とする請求項25から31のいずれかに記載の方法。
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