JP4366471B2 - 2ピースオイルリング - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周に軸方向に間隔をあけて並ぶ2本のサイドレール部を、内周に軸方向の一方に先細る円錐内面状の係合部をそれぞれ一体に備えたリング本体と、そのリング本体の係合部を弾圧して2本のサイドレール部をシリンダ内壁面に摺接させると共にリング本体の軸方向の一方の外面をオイルリング溝の軸方向の一方の軸方向内壁面に当接させるコイルエキスパンダとからなる2ピースオイルリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
2ピースオイルリングのピストンへの組み付けは、ピストンのオイルリング溝上において、オイルリングの内側にコイルエキスパンダを配置して、リング本体の外周を求心方向に押圧し、コイルエキスパンダとリング本体を同時にオイルリング溝に内装する作業である。
【0003】
リング本体の内周中央部にコイルエキスパンダがはまり込む凹面状の係合部を有する従来のオイルリングは容易にピストンリングに組み付けることができる。しかし、凹面状の係合部は、コイルエキスパンダの径方向弾性力から軸方向分力を生じさせないから、リング本体の燃焼室側外面をオイルリング溝の燃焼室側軸方向内壁面に当接させることはできない。このため、従来の2ピースオイルリングは、リング本体とオイルリング溝燃焼室側内壁面との間に空隙が生じ、その空隙からオイルリング溝内のオイルが燃焼室に流入してオイル消費量を増大させるという問題を起こしていた。
【0004】
このオイル消費量増大の問題は、リング本体の係合部を軸方向燃焼室側に先細る円錐内面状に形成して、コイルエキスパンダの弾性力から軸方向分力を生じさせリング本体の軸方向燃焼室側外面をオイルリング溝の軸方向燃焼室側内壁面に当接させることにより解決する。
【0005】
しかしながら、コイルエキスパンダと、コイルエキスパンダの係合部が円錐内面状であるリング本体とからなる2ピースオイルリングは、ピストンへの組み付け時に、コイルエキスパンダが円錐内面状の係合部によって軸方向に押し出されてリング本体の内周から外れ易いため、組み付けが困難であるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、その課題は、コイルエキスパンダがリング本体の円錐内面状の係合部を弾圧してリング本体の2本のサイドレール部をシリンダ内壁面に摺接させると共に、リング本体の軸方向の一方の外面をオイルリング溝の軸方向の一方の軸方向内壁面に当接させる方式の2ピースオイルリングであって、容易にピストンに組み付けることができるものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するため、本発明が採用する手段は、コイルエキスパンダがリング本体内周の軸方向の一方に先細る円錐内面状の係合部に当接する方式の2ピースオイルリングにおいて、リング本体の軸方向の他方の内周縁部に係合部の最大内径よりも小さい最小内径を有する抜け止め部を形成し、オイルリングのピストンへの組み付け時に、その抜け止め部を係合部に沿って軸方向の他方へ逃げるコイルエキスパンダに当接させてコイルエキスパンダがリング本体から外れることを防止したことにある。
【0008】
抜け止め部はリング本体の軸方向の他方に先細る円錐内面状に形成するか、又は、リング本体から径方向内側に突出する環状突起として形成することが好ましい。この環状突起は周方向に連続する形状でも、断続する形状でもよい。
【0009】
特殊な内燃機関用オイルリングの場合は、軸方向の一方がクランク室側となり、リング本体のクランク室側外面をオイルリング溝のクランク室側軸方向内壁面に当接させてオイルリングとオイルリング溝のクランク室側軸方向内壁面との間隙の発生を防止することもある。この場合、上記とは逆に考えれば問題なく対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のオイルリングを図面に示す第1実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1は第1実施例オイルリングを内装した内燃機関の要部断面図であり、(a)は組み付け後の状態を、(b)は組み付け中の状態をそれぞれ示す。
【0012】
図1(a)に示すように、2ピースオイルリングは、径方向外側に突出する2本のサイドレール部4を一体に備えたリング本体1と、そのリング本体の内側に位置するコイルエキスパンダ2とからなる。
【0013】
リング本体1の内周に軸方向一方の燃焼室側外面6へ先細る円錐内面状の係合部7と、軸方向他方のクランク室側外面9に先細る円錐内面状の抜け止め部8を形成する。コイルエキスパンダ2が当接する係合部7はリング本体1の内周の大半を占め、抜け止め部8はリング本体1のクランク室側の内周縁部5とその近くに位置する係合部7と抜け止め部8は最大径の裾において合致するから、抜け止め部8の最小内径は係合部7の最大内径よりも小さい。
【0014】
この2ピースオイルリングをピストンに組み付けると、コイルエキスパンダ2はリング本体1の円錐内面状の係合部7を径方向外側に弾圧してサイドレール部4をシリンダ内壁面に摺接させると共に、軸方向の分力により、リング本体1の燃焼室側外面6をオイルリング溝の燃焼室側内壁面11に当接させる。これにより、オイルリング溝10内のオイルの燃焼室への流入は抑制され、オイル消費量の増大は未然に防止される。
【0015】
図1(b)に示すように、2ピースオイルリングをピストンに組み付けるとき、ピストンのオイルリング溝10上においてコイルエキスパンダ2を内側に配置して外側のリング本体1を求心方向に押圧すると、コイルエキスパンダ2はリング本体1の係合部7の円錐内面を裾側へすべり、リング本体1から軸方向クランク室側へ逃げ出そうとするが、リング本体1の抜け止め部8がコイルエキスパンダ2に当接し、コイルエキスパンダ2のリング本体1からの脱落を阻止する。その結果、コイルエキスパンダ2はリング本体1と共に巻き締められてオイルリング溝10の内部へ押し込まれる。このように、第1実施例オイルリングは比較的容易にピストンに組み付けることができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の第2実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
図2は第2実施例オイルリングを内装した内燃機関の要部断面図であり、(a)は組み付け後の状態を、(b)は組み付け中の状態をそれぞれ示す。
【0018】
図2(a)に示すように、リング本体1aの内周の中央部分から軸方向一方の燃焼室側内周縁部3へ先細る円錐内面状の係合部7aを形成する。リング本体1aの内周の軸方向他方のクランク室側内周縁部5には径方向内側に突出する環状突起状の抜け止め部8aを形成し、抜け止め部8aと係合部7aの間には円柱内面状の周辺部12を形成する。抜け止め部8aの最小内径は係合部7aの最大内径よりも小さく設定する。
【0019】
上記以外の構成は第1実施例と同じである。
【0020】
図2(b)に示すように、ピストンに組み付けるときに、コイルエキスパンダ2aと内側に配置して外側のオイルリング1aを求心方向に押圧すると、コイルエキスパンダ2aはリング本体1aの係合部7aの円錐内面を裾側へすべり、リング本体1aから軸方向クランク室側へ脱出しようとするが、環状突起状の抜け止め部8aがコイルエキスパンダ2aに当接してコイルエキスパンダ2aのリング本体1aからの脱落を阻止するから、コイルエキスパンダ2aはリング本体1aと共にオイルリング溝10内に押し込まれる。
【0021】
上記以外の効果は、第1実施例と同じである。
【0022】
【発明の効果】
上記のとおり、本発明の2ピースオイルリングは、外周に2本のサイドレール部を一体に備え、内周に円錐内面状の係合部を、その係合部の裾側にその係合部の最大内径より最小内径が小さい抜け止め部を有するリング本体と、その係合部を径方向外側に弾圧するコイルエキスパンダとからなるから、内燃機関の稼動時には、リング本体の燃焼室側外面をオイルリング溝の燃焼室側軸方向内壁面に当接させて、オイルリング溝内のオイルの燃焼室内への流入は抑制することにより、オイル消費量を低減することが可能であり、ピストンへの組み付け時には、抜け止め部がコイルエキスパンダのリング本体からの脱落を阻止するから、ピストンへの組み付けも容易であるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例のオイルリングを内装した内燃機関の要部断面図であり、(a)はピストンに組み付けた状態を、(b)はピストンに組み付け中の状態をそれぞれ示す。
【図2】第2実施例のオイルリングを内装した内燃機関の要部断面図であり、(a)はピストンに組み付けた状態を、(b)はピストンに組み付け中の状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1,1a:リング本体
2,2a:コイルエキスパンダ
3:内周縁部(燃焼室側)
4:サイドレール部
5:内周縁部(クランク室側)
6:外面(燃焼室側)
7,7a:係合部
8,8a:抜け止め部
9:外面(クランク室側)
10:オイルリング溝
11:内壁面(燃焼室側)
12:周辺部
13:シリンダ内壁面
Claims (3)
- 外周に突出する2本のサイドレール部(4)を、内周に軸方向の一方の燃焼室側外面(6)へ先細る円錐内面状の係合部(7,7a)をそれぞれ一体に備えるリング本体(1,1a)と、前記リング本体の内側に位置するコイルエキスパンダ(2,2a)とからなり、前記コイルエキスパンダが前記係合部(7,7a)を径方向外側に弾圧して前記サイドレール部をシリンダ内壁面(13)に摺接させると共に、前記リング本体の軸方向燃焼室側外面(6)をオイルリング溝(10)の軸方向燃焼室側内壁面(11)に当接させる方式の2ピースオイルリングにおいて、前記リング本体の軸方向の他方のクランク室側内周縁部に最小内径が前記係合部の最大内径よりも小さい抜け止め部(8,8a)を形成し、前記2ピースオイルリングをピストンに組み付けるとき、前記オイルリング溝(10)上において外側の前記リング本体(1,1a)が内側に配置された前記コイルエキスパンダを求心方向に押圧することを特徴とする2ピースオイルリング。
- 抜け止め部(8)はリング本体(1)の軸方向の他方に先細る円錐内面状であることを特徴とする請求項1記載の2ピースオイルリング。
- 抜け止め部(8a)はリング本体(1a)から径方向内側に突出する環状突起状であることを特徴とする請求項1記載の2ピースオイルリング。
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