JP4365488B2 - 複合成形品の製造法および複合成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫、冷凍庫、建材などの断熱材等に使用される複合成形品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡性スチレン系樹脂粒子成形品の製造法は、2段階に分けて実施される。第1段階は、通常予備発泡工程と称され、発泡剤を含んだ原料樹脂粒子をスチームにより、加熱し所望の密度を有する予備発泡粒子とする工程である。そして得られた予備発泡粒子は、あらかじめ決められた時間、養生され、第2段階の工程へ供される。第2段階の工程はいわゆる成形工程である。金型内に予備発泡粒子を充填し、スチームで加熱することにより、型通りの発泡性スチレン系樹脂成形品が得られる。この様にして得られた成形品は、優れた断熱性を有すると考えられているが、予備発泡、成形工程で使用されるスチームが、成形品内部で凝縮し、含有水分となるため、成形直後では、断熱性が低下している。また、成形品の熱伝導率は、内包されている発泡剤の熱伝導率によりほぼ決定されると考えられているが、内包されている発泡剤は、時間の経過とともに、成形品より逸散するため、経日により、成形品の熱伝導率は上昇し断熱性が低下する欠点がある。その欠点を補うため、熱伝導率の低く、逸散し難い発泡剤を使用することが一般的に行われている。その代表的な発泡剤はクロロフルオロカーボン系の発泡剤である。しかしこの種の発泡剤は、主として、オゾン層を破壊するおそれがある物質とされており、使用が規制されている。また、代替品としてフルオロカーボン類が提案されているものの、高価であり、汎用品として使用する場合、大きなコスト高を招く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の発泡性樹脂粒子を用い、断熱性に優れ、かつ経日変化が小さい複合成形品の製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発泡性樹脂粒子をアルミ製の袋内で減圧処理し、加熱成形する複合成形品の製造法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明においては発泡性樹脂粒子は、既に公知の発泡性樹脂粒子が用いられる。この発泡性樹脂粒子をアルミ製の袋内に充填し減圧処理を施し、密閉後加熱して複合成形品が製造される。
【0006】
本発明における発泡性樹脂粒子には、スチレンもしくはスチレンを主成分とし、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、との混合単量体を用いることが好ましい。
【0007】
本発明におけるスチレン系単量体の懸濁重合は従来既知の方法が適用でき、分散剤を含む水性媒体中に有機過酸化物を溶解したスチレン系単量体等を分散させ、ラジカルを発生させて重合を行う方法である。本発明においてもこのようなスチレン系樹脂粒子を用いることができる。
【0008】
本発明における懸濁重合及び発泡剤の含浸に際して使用される分散剤は、難溶性無機塩と界面活性剤と併用する方法や、ポリビニルアルコール等の有機分散剤など従来公知のものが適用できる。懸濁重合に際し使用される有機過酸化物は、10時間半減分解温度が50〜100℃である従来公知の化合物が好ましい。例えばラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等がある。
【0009】
本発明における連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等、従来公知のものが使用できる。
【0010】
本発明に用いられる発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の脂肪族炭化水素の中から適宜選ばれる。また、発泡助剤として、炭素数が6以上の脂肪族炭化水素の他に、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素や芳香族炭化水素を併用することもできる。
【0011】
本発明において含有する発泡剤の量は発泡性の付与から発泡性樹脂粒子に対して3〜10重量%の範囲が好ましい。袋内の減圧度は−760mmHg〜−550mmHgの範囲が好ましい。
【0012】
本発明による発泡性樹脂粒子には発泡剤が含浸され脱水乾燥の後、表面被覆剤で被覆される。かかる被覆剤は発泡性ポリスチレンに適用されるものがそのまま応用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、アミド化合物、シリコーン類、静電気防止剤などがある。発泡性樹脂粒子をアルミ製の袋内で減圧処理する際に、厚さの一定である成形品を得る場合には実施例に示すように両面接着テープの両面に発泡性樹脂粒子を均一にはりつけ、これを袋内に充填することが好ましい。
【0013】
【発明の効果】
従来使用されてきたスチームを使用しないことにより、成形体への含水は、限りなく小さいものとなる。また、減圧処理により、系内は限りなく、空気の存在が除去されており熱伝導率は低いものとなる。さらに密閉構造となっているため、発泡剤の逸散は小さく、熱伝導率の経日変化が小さい複合成形品を得ることができる。
【0014】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
【0015】
【実施例】
実施例1
撹拌機を付した16リットルのオートクレーブ中に、純水6000g、燐酸3カルシウム9g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.30g、硫酸ナトリウム4.2gを入れ、200回転/分で撹拌しながら仕込んだ。ついで、スチレン6000g、ベンゾイルパーオキサイド15.0g、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート2.4g、エチレンビスアミド3gを撹拌しながら仕込んだ。
【0016】
仕込み完了後90℃まで昇温し、昇温完了後2時間、3時間後、それぞれ燐酸3カルシウムを3g、6g追加した。引き続き90℃で4時間保温し重合率95%まで進めた。
【0017】
引き続き、シクロヘキサン90g、ブタン480gを順次、オートクレーブに圧入したのち、110℃に昇温し、更に4時間保温したのち室温まで冷却し重合及び、発泡剤の含浸工程を終了し、スラリーを得た。
【0018】
<後処理>
取り出したスラリーを遠心分離により脱水乾燥後、14メッシュ通過、22メッシュ残で分級し、更にジンクステアレート4.8g、ひまし硬化油3gを加えて表面を被覆し発泡性樹脂粒子を得た。
【0019】
<成形>
得られた発泡性樹脂粒子40gを、35cm角のアルミ製袋内に充填した。この時、両面接着テープを使用しこのテープの両面に樹脂粒子を均一にはりつけ樹脂粒子層の厚みが均一になるように充填した。次に袋内を真空ポンプにより、−650mmHgで、10分間減圧処理した後、袋をシールした。その袋を乾燥器に入れ、110℃で5分間加熱処理し、複合成形品を得た。得られた複合成形品の密度は、60kg/m3 であり、成形1日後の熱伝導率は、21.5mW/mKであった。また、成形後3週間後の熱伝導率は、20.9mW/mKで、経日の変化は小さい。
【0020】
実施例2
実施例1で、減圧処理の時間を5分間とし、減圧度を−550mmHgとした以外は、実施例1と同様に実施した。得られた成形品の密度は、61kg/m3 、熱伝導率は、23.0mW/mKであった。成形後3週間後の熱伝導率は、23.2mW/mKであった。
【0021】
比較例1
実施例1で、製造された発泡性樹脂粒子を、スチームにより予備発泡して得た予備発泡粒子を金型に入れ0.08MP、110℃の条件で加熱加圧成形を行い成形品を得た。成形品の密度は、58kg/m3 、熱伝導率は、29.0mW/mKであった。
【0022】
比較例2
比較例1で、得られた成形品を実施例1と同様に袋に入れ、実施例1と同じ条件で減圧処理して、複合成形品を得た。成形品の密度は、58kg/m3 、熱伝導率は、27.0mW/mKであった。
Claims (4)
- 発泡性樹脂粒子をアルミ製の袋内で減圧処理し、加熱成形することを特徴とする複合成形品の製造法。
- 発泡性樹脂粒子が発泡性スチレン系樹脂粒子ある請求項1記載の複合成形品の製造法。
- 発泡性樹脂粒子に発泡剤が、3〜10重量%含有されている請求項1記載の複合成形品の製造法。
- 袋内の減圧度が、−550mmgHg以下−760mmHg以上である請求項1記載の複合成形品の製造法。
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