JP4363425B2 - Tft、電気回路、電子デバイス、および電子機器、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

Tft、電気回路、電子デバイス、および電子機器、ならびにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、TFT(薄膜トランジスタ)およびその製造方法に関し、特に、液体プロセスの利用が好適なTFTおよびその製造方法に関する。
非特許文献1は、印刷技術を利用した有機トランジスタの製造方法が開示している。
安藤正彦、「アライメントフリー印刷製造を目指した有機トランジスタ技術」、高分子学会、2004年度印刷・情報記録・表示研究会講座、講演要旨集、p16〜21
いわゆる液体プロセスによるTFTの製造は、フォトリソグラフィープロセスの数を減らせる点で有用な技術である。具体的には、フォトリソグラフィープロセスは高価な露出装置を必要とするので、液体プロセスによってフォトリソグラフィープロセスの数が減れば、製造コストを低下させ得る。
一方で、液体プロセスの場合には、ゲート電極・ソース電極・ドレイン電極を構成することになる材料が液状体に含まれて表面に供給される。ただし、液状体は、表面上で広がるので、電極間での正確な位置合せ(アライメント)が難しい。このため、ゲート電極とソース電極・ドレイン電極との間の重なりが適切でなくなることがある。そして、この重なりが適切でない場合には、ゲート電極と、ソース電極・ドレイン電極との間に生じる容量が大きくなり、TFTの性能の劣化をもたらすことがある。
本発明は上記課題を鑑みてなされ、その目的の一つは、液体プロセスによるTFTの製造を容易にする技術を提供することである。
(1)本発明のある態様によれば、TFTの製造方法が、ゲート電極を下地層の所定部位上に形成する工程(a)と、前記所定部位によって分離された2つの凹部が得られるように、前記ゲート電極をマスクとして用いながら前記下部層をエッチングする工程(b)と、前記2つの凹部に対応した2つの凹領域と、前所ゲート電極に対応した凸領域と、を縁取る誘電体層が得られるように、前記ゲート電極上と、前記2つの凹部上とに、前記誘電体層を形成する工程(c)と、ソフトコンタクト法を用いて前記凸領域の上面に撥液層を設ける工程(d)と、前記工程(d)の後で、前記2つの凹領域内に導電性材料を含有した機能液を配置する工程(e)と、前記導電性材料からソース電極とドレイン電極とが形成されるように、前記2つの凹領域内の前記機能液を加熱する工程(f)と、前記ソース電極と、前記ドレイン電極とを、半導体層で覆う工程(g)と、を包含している。
(2)他の態様では、前記撥液層は自己組織化分子層から構成されている。(3)さらに他の態様では、前記撥液層はフッ素を含有したポリマーを含有している。
上記構成によれば、ゲート電極に対して、機能液に含まれたソース電極・ドレイン電極
になる導電性材料をアライメントさせる撥液層が、ソフトコンタクト法で形成できる。し
かも、誘電体層から形成された凸領域の上面に高い選択性で撥液層を形成することができ
る。したがって、液体プロセスを用いて、機能液に含まれた導電性材料をゲート電極にア
ライメントすることが容易になる。

(4)本発明のある製造方法によれば、TFTの製造方法が、ソース電極とドレイン電極とを下地層のそれぞれの部位上に形成する工程(a)と、前記それぞれの部位の間で凹部が規定されるように、前記ソース電極と前記ドレイン電極とをマスクとして用いながら前記下地層をエッチングする工程(b)と、前記ソース電極上と、前記凹部上と、前記ドレイン電極上とに、半導体層を形成する工程(c)と、前記凹部に対応した凹領域と、前記ソース電極とドレイン電極とにそれぞれ対応した2つの凸領域と、を縁取る誘電体層が得られるように、前記半導体層上に前記誘電体層を形成する工程(d)と、ソフトコンタクト法を用いて前記2つの凸領域の上面のそれぞれにそれぞれの撥液層を形成する工程(e)と、前記工程(e)の後で、導電性材料を含有した機能液を前記凹領域内に配置する工程(f)と、前記導電性材料からゲート電極が得られるように、前記凹領域内の機能液を加熱する工程(g)と、を包含している。
(5)他の態様では、前記撥液層は自己組織化分子層から構成されている。(6)さらに他の態様では、前記撥液層は、フッ素を含有したポリマーを含有している。
上記構成によれば、ソース電極・ドレイン電極に対して、機能液に含まれたゲート電極
になる導電性材料をアライメントさせる撥液層が、ソフトコンタクト法で形成できる。し
かも、誘電体層から形成された2つの凸領域の上面のそれぞれに高い選択性でそれぞれの
撥液層を形成することができる。したがって、液体プロセスを用いて、機能液に含まれた
導電性材料をソース電極・ドレイン電極にアライメントすることが容易になる。

(7)本発明のある態様によれば、TFTの製造方法が、第1の層を下地層の所定部位上に形成する工程(a)と、第2の層を前記第1の層上に形成する工程(b)と、第1のテーパ状突起部が第2の層によって縁取られるように、前記第2の層にエンボス処理を施す工程(c)と、前記第1のテーパ状突起部に対応した第2のテーパ状突起部が第1の層によって縁取られるように、前記第2の層を介して前記第1の層をエッチングする工程(d)と、前記第2の層と前記第2のテーパ状突起部とに沿って導電層を形成する工程(e)と、前記導電層のうち第2のテーパ状突起部に沿った部分がゲート電極として残るように、前記第2の層を取り除く工程(f)と、前記第2のテーパ状突起部以外の前記第1の層が取り除かれるように、前記ゲート電極をマスクとして用いながら前記第1の層をエッチングする工程(g)と、前記ゲート電極に沿った第3のテーパ状突起部が得られるように、前記ゲート電極上に、前記第3のテーパ状突起部を縁取る前記誘電体層を形成する工程(h)と、ソフトコンタクト法を用いて前記第3のテーパ状突起部の上面に撥液層を形成する工程(i)と、前記工程(i)の後で、前記第3のテーパ状突起部の対向する2つの斜面のそれぞれに接するように、導電性材料を含有した機能液を配置する工程(j)と、前記導電性材料からソース電極とドレイン電極とが得られるように、配置された前記機能液を加熱する工程(k)と、前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、を半導体層で覆う工程(l)と、を包含している。
(8)ある態様では、前記撥液層は自己組織化分子層から構成されている。(9)さらに他の態様では、前記撥液層は、フッ素を含有したポリマーを含有している。
(10)電子回路の製造方法が、上記TFTの製造方法を包含していてもよい。(11)また、電子デバイスの製造方法が、上記TFTの製造方法を包含していてもよい。(12)さらに、電子機器の製造方法が、上記TFTの製造方法を包含していてもよい。
上記構成によれば、誘電体層から形成されたのテーパ状突起部の2つの斜面のそれ
ぞれに、最終的にソース電極・ドレイン電極になる導電性材料を含有した機能液が接する
。ここで、第のテーパ状突起部は、第2のテーパ状突起部に沿ったゲート電極上に誘電
体を含有した材料を塗布して形成されている。このため、配置される機能液の体積を変え
れば、機能液とゲート電極との重なりが変わるので、このことからソース電極・ドレイン
電極と、ゲート電極との重なりの程度が調整され得る。

(13)本発明のある態様によれば、TFTが、基板と、基板上に位置する凸部と、前記基板上に位置するとともに前記凸部によって互いから分離された2つの凹部と、前記凸部上に位置するゲート電極と、前記ゲート電極上と前記2つの凹部上とに設けられた誘電体層であって、前記ゲート電極に対応した凸領域と、前記2つの凹部に対応した2つの凹領域と、を縁取っている誘電体層と、ソフトコンタクト法を用いて前記凸領域の上面に形成された撥液層と、前記2つの凹領域内に設けられたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極と、ドレイン電極と、を覆う半導体層と、を備えている。
(14)また、本発明のある態様によれば、TFTが、凸部と前記凸部によって互いから分離された2つの凹部とを縁取る基板と、前記凸部上に位置するゲート電極と、前記ゲート電極上と前記2つの凹部上とに設けられた誘電体層であって、前記ゲート電極に対応した凸領域と、前記2つの凹部に対応した2つの凹領域と、を縁取っている誘電体層と、ソフトコンタクト法を用いて前記凸領域の上面に形成された撥液層と、前記2つの凹領域内に設けられたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極と、ドレイン電極と、を覆う半導体層と、を備えている。
(15)好ましくは、前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記2つの凹領域に導電性材料を含有した機能液を配置するとともに、前記2つの凹領域内の前記機能液を加熱することで、得られている。
(16)他の態様では、前記撥液層は自己組織化分子層である。(17)さらに他の態様では、前記撥液層はフッ素を含有したポリマー層である。
上記構成によれば、ゲート電極に対して、機能液に含まれたソース電極・ドレイン電極
になる導電性材料をアライメントさせる撥液層が、ソフトコンタクト法で形成できる。し
かも、誘電体層からなる凸領域の上面に高い選択性で撥液層を形成することができる。し
たがって、液体プロセスを用いて、機能液に含まれた導電性材料をゲート電極にアライメ
ントすることが容易になる。

(23)本発明のある態様によれば、TFTが、基板と、前記基板上に位置する第1のテーパ状突起部と、前記第1のテーパ状突起部に沿うように前記第1のテーパ状突起部を覆っているゲート電極と、前記ゲート電極に沿って第2のテーパ状突起部を縁取るように、前記ゲート電極を覆っている誘電体層と、ソフトコンタクト法を用いて前記第2のテーパ状突起部の上面に形成された撥液層と、前記第2のテーパ状突起部の互いに反対側を向いた2つの斜面にそれぞれ接するソース電極とドレイン電極と、前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、を覆う半導体層と、を備えている。
(24)好ましくは、前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記2つの領域に導電性材料を含有した機能液を配置するとともに、前記2つの領域内の前記機能液を加熱することで得られている。
上記構成によれば、第2のテーパ状突起部の互いに反対側を向いた2つの斜面のそれぞ
れに、最終的にソース電極・ドレイン電極になる導電性材料を含有した機能液が接する。
ここで、第2のテーパ状突起部は、第1のテーパ状突起部に対応し、ゲート電極を覆う誘
電体層からなる。このため、配置される機能液の体積を変えれば、機能液とゲート電極と
の重なりが変わるので、このことからソース電極・ドレイン電極と、ゲート電極との重な
りの程度が調整され得る。
(25)他の態様では、前記撥液層は自己組織化分子層である。(26)さらに他の態様では、前記撥液層はフッ素を含有したポリマー層を含有している。
(27)なお、電子回路が、上記TFTを備えていてもよい。(28)また、電子デバイスが、上記TFTを備えていてもよい。(29)さらに、電子機器が、上記TFTを備えていてもよい。
(実施形態1)
(1A.TFTの構造)
図1を参照しながら、ボトムゲート型のTFT1の構造を説明する。なお、本実施形態のTFT1は、電子デバイスに含まれる電子回路の一部として実現されている。
図1のTFT1は、ガラス基板10と、ガラス基板10上に位置する凸部21と、凸部21によって互いから分離された2つの凹部20a,20bと、ゲート電極12と、誘電体層13と、ソース電極15a・ドレイン電極15bと、撥液層14と、半導体層16と、を備えている。
凸部21は、後述するバッファ層11の一部である。そして、凸部21上には、ゲート電極12が位置している。凸部21と、凹部20a,20bとは、ゲート電極12をエッチングマスクとして用いながらバッファ層11をエッチングすることで得られている。このため凸部21の境界、すなわち凹部20a,20bを縁取る境界は、ゲート電極12の境界にほぼ一致している。なお、本実施形態では、凹部20a,20bは、バッファ層11を貫いて、ガラス基板10の表面に達している。
誘電体層13は、ゲート電極12と、凹部20a,20bと、を覆っている。誘電体層13は、誘電体を含んだ材料をスピンコート法で塗布して得られている。このため、誘電体層13自体も、凸部21に対応した凸領域23と、凹部20a,20bに対応した凹領域22a,22bと、を縁取っている。ここで、凸領域23は、ゲート電極12の形状を反映したほぼ平坦な上面を有している。そして、凸領域23の上面の位置は、ゲート電極12の位置にほぼ一致している。しかも、凸領域23の上面の境界は、ゲート電極12の境界に対応している。
凹領域22a,22bの深さは、バッファ層11の厚さを変えることによって調整され得る。例えば、誘電体層13の厚さが一定であれば、バッファ層11の厚さが大きくなるにしたがい、凹領域22a,22bの深さが大きくなる。本実施形態では、液体プロセスによって、凹領域22a,22b内にソース電極15a・ドレイン電極15bが形成されるので、凹領域22a,22bの深さは大きい方がよい。したがって、このような構成は、液体プロセスによるTFTの製造に有利である。
凸領域23の上面には、上述の撥液層14が位置している。そして、凹領域22a内に、ソース電極15aが位置している。また、凹領域22b内に、ドレイン電極15bが位置している。ソース電極15aと、上述のゲート電極12との重なりは、10nm以上10μm以下の範囲にある。また、ドレイン電極15bとゲート電極12との重なりも、10nm以上10μm以下の範囲にある。ただし、これらの重なりは、10nm以上10μm以下の範囲に限定されず、0以上100μmの範囲であっても、TFTは実用上の性能を発揮するので、よい。
半導体層16は、ソース電極15a・ドレイン電極15bを覆っている。そして、半導体層16のうち、ソース電極15aとドレイン電極15bとの間に対応する部分が、TFT1のチャネル領域として機能する。
後で詳述するように、上述のような構造を有したTFT1であれば、TFT1の製造プロセスにインクジェットプロセスのような液体プロセスが含まれていても、ソース電極15a・ドレイン電極15bと、ゲート電極12と、の間の重なりが、適切に制御される。
(1B.TFTの製造方法)
図2から図4を参照しながら、TFT1の製造方法を説明する。なお、本実施形態のTFT1の製造方法は、電子デバイスの製造方法の一部として実現されている。
まず、下地物体の表面上にバッファ層11を形成する(図2(a))。本実施形態では、下地物体の一例であるガラス基板10上にスピンコート法で、PMGI(ポリメチルグルタルイミド:polymethylglutarimide)を含んだ材料を配置して、PMGIを含んだ前駆層を形成する。ここでの前駆層の厚さは、約1μmである。そして、この前駆層を、約210℃の温度で約10分間焼成して、PMGI層から構成されたバッファ層11を得る。
次に、バッファ層11の所定部位上にゲート電極12を形成する。本実施形態では、図2(a)から(d)に示すように、マイクロ・エンボスプロセスを利用してゲート電極12を形成する。なお、バッファ層11は、ゲート電極12にとっての「下地層」である。
具体的には、まず、図2(a)に示すように、スピンコート法と焼成とによって、PMMA層から構成された上部層75をバッファ層11上に形成する。一方で、凹部と凸部を構成している表面S1を有したシリコンスタンプ95を準備する(図2(b))。ここで、表面S1の凸部の位置は、ゲート電極の位置に対応している。また、凹部は凸部を取り囲むように位置している。
そして、上部層75の温度が約160℃になるように加熱したうえで、上部層75に表面S1が接するように、上部層75にシリコンスタンプ95を押し当てる。その後、上部層75の温度を室温まで冷却してから、上部層75からシリコンスタンプ95を引き抜く。そうすると、図2(b)に示すように、上部層75に、凹部と凸部とによって規定されたパターンが与えられる。さらに、凹部の底面がバッファ層11の表面になるように、凹部での上部層75をプラズマガスでエッチングする。ただし、シリコンスタンプ95を引き抜いた時点で、凹部の底面がバッファ層11の表面であれば、プラズマガスによる上部層75のエッチングは省略されてもよい。
凹部と凸部とを形成した後で、図2(c)に示すように、凹部上と凸部上とに、スパッタ法またはCVD法などの蒸着法で、アルミニウム層12rを形成する。凹部の底面はバッファ層11の表面なので、アルミニウム層12rは、凸部だけでなくバッファ層11の表面の一部も覆うことになる。
アルミニウム層12rを形成した後で、凸部をアセトンに浸して、凸部を取り除く。そうすると、凸部上に位置するアルミニウム層12rが凸部と一緒に取り除かれて、ゲート電極12がリフトオフされる。要するに、ゲート電極12は、凹部の底面に対応した位置でのバッファ層11上に残ったアルミニウム層12rである(図2(d))。
ゲート電極12を形成した後で、図3(a)に示すように、ゲート電極12をマスクとして用いながら、バッファ層11をエッチングする。
本実施形態では、O2とCF4との混合ガスを用いたプラズマエッチングをバッファ層11に施す。そうすると、ゲート電極12の形状に応じて、図3(b)に示すように、バッファ層11から、凸部21と、凸部21によって互いから分離された凹部20a,20bと、が得られる。なお、エッチングは、2つの凹部20a,20bの底面においてガラス基板10の表面が露出するまで、行われる。また、凸部21上にゲート電極12が位置することになる。
バッファ層11をエッチングした後で、図3(c)に示すように、凹部20a,20bに対応した凹領域22a,22bと、凸部21に対応した凸領域23と、を縁取る誘電体層13を形成する。
本実施形態では、凹部20a,20b上と、ゲート電極12上と、にスピンコート法で、PVPを含有した材料を塗布して、PVPを含んだ前駆層を形成する。この前駆層の厚さは約1.8μmである。そして、前駆層を約60℃の温度で約30分間焼成する。そうすると、PVP層からなる誘電体層13が得られる。ここで、誘電体層13は、凹部20a,20bと、凸部21上のゲート電極12と、によって規定される下地表面の形状に沿って形成される。そしてこのため、誘電体層13は、凹部20a,20bに対応した凹領域22a,22bと、凸部21に対応した凸領域23と、を縁取る。
このようにして得られた凸領域23は、ゲート電極12の形状を反映したほぼ平坦な上面を有している。そして、凸領域23の上面の位置は、ゲート電極12の位置にほぼ一致している。しかも、凸領域23の上面の境界は、ゲート電極12の境界に対応している。
誘電体層13を形成した後で、誘電体層13の表面にOH基が現れるように、誘電体層13の表面にO2(酸素)プラズマ処理を施す。O2プラズマ処理が施される期間は短くてもよい。また、誘電体層13の材料によっては、O2プラズマ処理を省略してもよい。
2プラズマ処理の後で、凸領域23の上面を選択的に撥液化する。本実施形態では、図3(d)に示すように、凸領域23の上面に、自己組織化分子層からなる撥液層14を選択的に形成する。撥液層14の形成工程は、以下の通りである。
まず、ほぼ平らな表面S2を有したポリジメチルシロキサン(PDMS)スタンプ101を準備する。そして、その表面S2に、自己組織化分子層を形成する材料100aを塗布する。本実施形態では、材料100aは、1H,1H,2H,2H、パーフルオロデシルトリクロロシラン(1H,1H,2H,2H、Perfluorodecyltrichlorosilane)である。その後、表面S2を誘電体層13に接近させる。そうすると、表面S2上の材料100aは、凸領域23の上面に接触するが、2つの凹領域22a,22bには接触しない。したがって、凸領域23の上面に材料100aが選択的に転写される。そしてこのことで、凸領域23の上面に、自己組織化分子層からなる撥液層14が得られる。
ここで、バッファ層11の一部からなる凸部21に基づいて、凸領域23と、凹領域22a,22bとが形成されているので、凸領域23の上面のレベルと、凹領域22a,22bの底面のレベルとの距離が、大きい。したがって、たとえスタンプ101の表面S2の平坦性が高くなくても、ソフトコンタクト法で、凸領域23の上面に高い選択性で撥液層を与えることができる。
一方で、凹領域22a,22b内は、上述のO2プラズマ処理によって親液化されている。このため、凹領域22a,22b内と、凸領域23の上面と、の間には、濡れ性の差が現れる。
凸領域23の上面を撥液化した後で、凹領域22a,22b内に、導電性材料を含有した機能液111を配置する。本実施形態では、機能液111として水をベースにしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下PEDOT)とポリ(スチレンスルフォニック酸)(以下PSS)とのコロイド懸濁液を、インクジェットヘッド82aから吐出して、凹領域22a,22b内に配置する(図4(a))。
上述のように凸領域23の上面が撥液化されているので、凹領域22a,22bのそれぞれに配置された機能液111の拡がりは、凸領域23の上面の境界で止まる。凸領域23の上面の境界はゲート電極12の境界に対応しているので、配置された機能液111はゲート電極12に対してアライメントされることになる。しかも、凸領域23の上面が撥液化されているので、凹領域22aと凹領域22bとの間が、機能液111によって結ばれることがない。
なお、本実施形態での「機能液」とは、インクジェットヘッド82aのノズルから液滴として吐出されうる粘度を有する液状体をいう。ここで、「機能液」が水性であると油性であるとを問わない。ノズルから吐出可能な流動性(低い粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。ここで、「機能液」の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であるのが好ましい。粘度が1mPa・s以上である場合には、「機能液」の液滴を吐出する際にノズルの周辺部が「機能液」で汚染されにくい。一方、粘度が50mPa・s以下である場合は、ノズルにおける目詰まりの頻度が小さく、このため円滑な液滴の吐出を実現できる。
機能液を配置した後で、凹領域22a,22b内の機能液111を、約60℃の温度で約30分、乾燥する。そうすると、凹領域22a,22b内に、PEDOTを含んだソース電極15aと、ドレイン電極15bと、が得られる。上述のように、凹領域22a,22b内の機能液111は、ゲート電極12に対してアライメントされているので、機能液から得られるソース電極15a・ドレイン電極15bのそれぞれも、ゲート電極12に対してアライメントされている。そして、このような方法で得られるソース電極15aとゲート電極12との間の重なりは、本実施形態では、10nm以上10μm以下の範囲に収まる。また、ドレイン電極15bとゲート電極12との間の重なりも、10nm以上10μm以下の範囲に収まる。
次に、誘電体層13の表面を改質するように、誘電体層13の表面にCF4プラズマ処理を施す。その後、誘電体層13上と、ソース電極15a上と、ドレイン電極15b上とにスピンコート法で、ポリアリルアミン(PAA)層からなる半導体層16を形成する。このようにして、図4(b)および図5に示すTFT1が得られる。また、このようにして製造されたTFT1の性能は良好であった。
(実施形態1の変形例)
上記の実施形態1によれば、バッファ層11の所定部位上にゲート電極12が位置している。そして、ただし、このような構成に代えて、例えば、ガラス基板10の所定部位上にゲート電極12が設けられてもよい。この場合には、ガラス基板10の表面が、凸部21と、凸部21によって分離された2つの凹部20a,20bと、を縁取る。また、この場合には、ガラス基板10自体が、ゲート電極12とっての「下地層」である。
このような構成のTFTは、例えば、5%のHFを含んだ水溶液を用いて、ゲート電極12をマスクとして用いながら、0.8μmの深さの凹部20a,20bが得られるまで、ガラス基板10をエッチングする工程を包含した製造方法によって、得られる。
(実施形態2)
(2A.TFTの構造)
図6を参照しながら、トップゲート型のTFT2の構造を説明する。なお、本実施形態のTFT2は、電子デバイスに含まれる電子回路の一部として実現されている。
図6のTFT2は、ガラス基板30と、ガラス基板30上に位置する凸部41a,41bと、凸部41a,41bの間で縁取られた凹部40と、ソース電極32aと、ドレイン電極32bと、半導体層33と、誘電体層34と、撥液層35と、ゲート電極36と、を備えている。
凸部41a,41bのそれぞれは、後述するバッファ層31の一部である。そして、凸部41a上には、ソース電極32aが位置し、凸部41b上には、ドレイン電極32bが位置している。凸部41a,41bと、凹部40とは、ソース電極32a・ドレイン電極32bをエッチングマスクとして用いながら、バッファ層31をエッチングすることで得られている。このため凸部41a,41bの境界、すなわち凹部40を縁取る境界は、ソース電極32a・ドレイン電極32bの境界にほぼ一致している。なお、本実施形態では、凹部40は、バッファ層31を貫いて、ガラス基板30の表面に達している。
半導体層33は、ソース電極32aと、ドレイン電極32bと、凹部40と、を覆っている。半導体層33は、半導体を含んだ材料をスピンコート法で塗布して得られている。そしてこのため、半導体層33の表面には、凸部41a,41bと、凹部40と、に対応した凹凸が現れている。なお、半導体層33のうち、ソース電極32aとドレイン電極32bとの間に対応する部分が、チャネル領域として機能する。
誘電体層34は半導体層33を覆っていている。誘電体層34は、誘電体を含んだ材料をスピンコート法で塗布して得られている。このため、誘電体層34自体が、凸部41a,41bに対応した凸領域43a,43bと、凹部40に対応した凹領域42と、を縁取っている。ここで、凸領域43a,43bは、ソース電極32a・ドレイン電極32bの形状を反映したほぼ平坦な上面を有している。そして、凸領域43a,43bの上面の位置は、ソース電極32a・ドレイン電極32bの位置にほぼ一致している。しかも、凸領域43a,43bの上面の境界は、ソース電極32a・ドレイン電極32bの境界に対応している。
凹領域42の深さは、バッファ層31の厚さを変えることによって調整され得る。例えば、半導体層33および誘電体層34の合計の厚さが一定であれば、バッファ層31の厚さが大きくなるにしたがい、凹領域42の深さが大きくなる。本実施形態では、液体プロセスによって、凹領域42内にゲート電極36が形成されるので、凹領域42の深さは大きい方がよい。したがって、このような構成は、液体プロセスによるTFTの製造に有利である。
凸領域43a,43bのそれぞれの上面には、撥液層35が位置している。そして、凹領域42内に、ゲート電極36が位置している。ソース電極32aと、ゲート電極36との重なりは、10nm以上10μm以下の範囲にある。また、ドレイン電極32bとゲート電極36との重なりも、10nm以上10μm以下の範囲にある。ただし、これらの重なりは、10nm以上10μm以下の範囲に限定されず、0以上100μmの範囲であっても、TFTは実用上の性能を発揮するので、よい。
後で詳述するように、上述のような構造を有したTFT2であれば、TFT2の製造プロセスにインクジェットプロセスのような液体プロセスが含まれていても、ソース電極32a・ドレイン電極32bとゲート電極36との間の重なりが、適切に制御される。
(2B.TFTの製造方法)
図7および図8を参照しながら、TFT2の製造方法を説明する。なお、本実施形態のTFT2の製造方法は、電子デバイスの製造方法の一部として実現されている。
まず、ガラス基板30上に、実施形態1と同様な方法でバッファ層31を形成する。そして、バッファ層31上のそれぞれ対応する部位上にフォトリソグラフィー法で、互いから所定の距離だけ離れたソース電極32a・ドレイン電極32bを形成する(図7(a))。なお、バッファ層31は、ソース電極32a・ドレイン電極32bにとっての「下地層」である。
次に、図7(b)に示すように、ソース電極32aと、ドレイン電極32bと、をマスクとして用いながら、バッファ層31をエッチングする。そうすると、バッファ層31のうちソース電極32aに覆われた部分が残って、凸部41aになる。また、バッファ層31のうちドレイン電極32bに覆われた部分が残って、凸部41bになる。そして、凸部41a,41bの間で、凹部40が現れる。なお、バッファ層31のエッチングは、凹部40の底部でガラス基板30の表面が現れるまで行われる。
その後、図7(c)に示すように、ソース電極32a上と、凹部40上と、ドレイン電極32b上と、に、スピンコート法で半導体を含有した材料を塗布して焼成することによって、半導体層33を形成する。ここで、半導体層33は、凹部40と、凸部41a,41b上のソース電極32a・ドレイン電極32bと、によって規定される下地表面の形状に沿って形成されるので、半導体層33の表面には、凹部40と、凸部41a,41bと、に対応した凹凸が現れる。
さらに、図7(d)に示すように、半導体層33上にスピンコート法で誘電体を含有した材料を塗布して焼成する。そうすると、半導体層33上に誘電体層34が形成される。ここで、誘電体層34は、半導体層33の表面上の凹凸に沿って形成されるので、得られる誘電体層34は、凹部40に対応した凹領域42と、凸部41a,41bに対応した凸領域43a,43bと、を縁取る。
このようにして得られた凸領域43a,43bは、ソース電極32a・ドレイン電極32bの形状を反映したほぼ平坦な上面を有している。そして、凸領域43aの上面の位置は、ソース電極32aの位置にほぼ一致している。しかも、凸領域43aの上面の境界は、ソース電極32aの境界に対応している。一方、凸領域43bの上面の位置は、ドレイン電極32bの位置にほぼ一致している。そして、凸領域43bの上面の境界は、ドレイン電極32bの境界に対応している。
次に、凸領域43a,43bの上面を撥液化する。本実施形態では、図8(a)に示すように、これら凸領域43a,43bの上面のそれぞれに撥液層35を形成する。撥液層35の形成工程は、実施形態1の撥液層14の形成工程と基本的に同じである。
ここで、バッファ層31の一部からなる凸部41a,41bに基づいて、凸領域43a,43bと、凹領域42とが形成されているので、凸領域43a,43bの上面のレベルと、凹領域42の底面のレベルとの距離が、大きい。したがって、たとえスタンプ101の表面S2の平坦性が高くなくても、ソフトコンタクト法で、凸領域43a,43bの上面のそれぞれに、高い選択性でそれぞれの撥液層35を与えることができる。
凸領域43a,43bの上面を撥液化した後で、図8(b)に示すように、凹領域42内に、導電性材料を含有した機能液111を配置する。本実施形態では、機能液111として銀のナノ粒子を含んだ液体材料を、インクジェットヘッド82bから吐出して、凹領域42内に配置する。
上述のように凸領域43a,43bの上面は撥液化されているので、凹領域42に配置された機能液111の拡がりは、凸領域43a,43bの上面の境界で止まる。そして、凸領域43a,43bの上面の境界は、ソース電極32a・ドレイン電極32bの境界に対応しているので、配置された機能液111はソース電極32a・ドレイン電極32bに対してアライメントされることになる。
機能液111を配置した後で、凹領域42内の機能液111を加熱する。そうすると、図8(c)に示すように、凹領域42内に、銀を含んだゲート電極36が得られる。上述のように、凹領域42内の機能液111は、ソース電極32a・ドレイン電極32bに対してアライメントされているので、機能液111から得られるゲート電極36も、ソース電極32a・ドレイン電極32bに対してアライメントされている。このような方法で得られるソース電極32aとゲート電極36との間の重なりは、本実施形態では、10nm以上10μm以下の範囲に収まる。また、ドレイン電極32bとゲート電極36との間の重なりも、10nm以上10μm以下の範囲に収まる。本実施形態では、このようにしてTFT2が得られる。
(実施形態2の変形例)
実施形態2によれば、バッファ層31の2つの所定部位上にソース電極32a・ドレイン電極32bが位置している。ただし、このような構成に代えて、例えば、ガラス基板30の2つの所定部分上にソース電極32a・ドレイン電極32bが位置していてもよい。この場合には、ガラス基板30の表面が、2つの凸部と、2つの凸部の間で規定された凹部と、を縁取る。また、この場合には、ガラス基板30自体が、ソース電極32a・ドレイン電極32bにとっての「下地層」である。以下では、このようなTFTの製造方法を説明する。
まず、ガラス基板上に、フォトリソグラフィー法を用いて、ITO(酸化インジウム錫)からなるソース電極・ドレイン電極を形成する。次に、ソース電極・ドレイン電極をマスクとして用いながら、5%のHFと、ベースとしての水と、を含んだ溶液で、ガラス基板30をエッチングする。ここでは、ガラス基板に、0.8μmの深さの凹部が得られるまで、ガラス基板をエッチングする。そうすることで、2つの凸部と、2つの凸部の間で規定された凹部と、がガラス基板の表面に与えられる。ここで、2つの凸部は、ガラス基板のうちのソース電極およびドレイン電極に覆われたそれぞれの部分である。
次に、ソース電極上と、凸部上と、ドレイン電極上とに、約50nmの厚さのPAA層からなる半導体層を形成する。さらに、半導体層上に、1.5μmの厚さのPVP層からなる誘電体層を形成する。そうすると、誘電体層は、凹部に対応した凹領域と、2つの凸部に対応した2つの凸領域と、を縁取ることになる。
このようにして得られた2つの凸領域は、ソース電極・ドレイン電極の形状を反映したほぼ平坦な上面を有している。そして、2つの凸領域の上面の位置は、ソース電極・ドレイン電極の位置にほぼ一致している。しかも、2つの凸領域の上面の境界は、ソース電極・ドレイン電極の位置に対応している。
次に、誘電体層の表面に、O2プラズマ処理を施す。その後、2つの凸領域の上面を撥液化する。本実施形態では、実施形態1と同じ方法で、2つの凸領域の上面に、自己組織化分子層からなる撥液層を形成する。
その後、機能液として、水をベースにしたPEDOT−PSSコロイド懸濁液を、凹領域内に配置する。そして、凹領域内の機能液を加熱すると、ゲート電極が得られる。本実施形態では、このようにしてTFTが製造される。
(実施形態3)
キャリアインジェクションを改善するように、ゲート電極と、ソース電極・ドレイン電極との間の重なりが最適化され得るTFTの製造方法を説明する。
(3A.TFTの構造)
図9を参照しながら、ボトムゲート型のTFT3の構造を説明する。なお、本実施形態のTFT3は、電子デバイスに含まれる電子回路の一部として実現されている。
図9のTFT3は、ガラス基板50と、ガラス基板50上に位置するテーパ状突起部61と、ゲート電極52と、誘電体層53と、撥液層54と、ソース電極55aと、ドレイン電極55bと、半導体層56と、を備えている。
テーパ状突起部61は、後述する下部層51の一部である。テーパ状突起部61は、上面がガラス基板50側の底面よりも狭い形状を有している。そして、テーパ状突起部61のこの上面は、ほぼ平坦である。このようなテーパ状突起部61上には、ゲート電極52が、テーパ状突起部61の形状に沿って設けられている。
誘電体層53は、ゲート電極52に沿うようにゲート電極52を覆っている。誘電体層53は、テーパ状突起部61の形状を反映しており、このことから、誘電体層53は、テーパ状突起部61に対応したテーパ状突起部62を縁取っている。そして、テーパ状突起部62によって、2つの領域63a,63bが互いから分離するように縁取られている。ここで、テーパ状突起部62は、ゲート電極52の形状を反映したほぼ平坦な上面を有している。そして、テーパ状突起部62の上面の位置は、ゲート電極52の位置にほぼ一致している。しかも、テーパ状突起部62の上面の境界は、ゲート電極52の境界に対応している。
テーパ状突起部62の上面には、上述の撥液層54が位置している。そして、領域63a内に、ソース電極55aが位置している。また、領域63b内に、ドレイン電極55bが位置している。
ここで、ゲート電極52の形状がテーパ状であり、テーパ状突起部62の形状も、ゲート電極52に対応したテーパ状なので、TFT3の製造段階において、領域63a,63bに配置される機能液の量を調整することで、機能液から得られるソース電極55a・ドレイン電極55bと、ゲート電極52と、の間の重なりが、調整され得る。
半導体層56は、ソース電極55aと、ドレイン電極55bと、を覆っている。ソース電極55aとドレイン電極55bとの間に対応する半導体層56の部分が、TFT3のチャネル領域として機能する。
(3B.TFTの製造方法)
図10から図12を参照しながら、TFT3の製造方法を説明する。なお、本実施形態のTFT3の製造方法は、電子デバイスの製造方法の一部として実現されている。
まず、ガラス基板50上に、図10(a)に示すような下部層51と上部層70とを含んだ2層構造を形成する。
本実施形態では、ガラス基板50上にスピンコート法で、PMGIを含んだ材料を塗布してPMGIを含んだ前駆層を形成する。ここでの前駆層の厚さは約1μmである。そして、前駆層を約210℃の温度で約10分間加熱して、PMGI層から構成された下部層51を形成する。また、下部層51上にスピンコート法で、PMMAを含有した材料を塗布して、PMMAを含んだ前駆層を形成する。ここでの前駆層の厚さは約1.5μmである。その後、前駆層を加熱してPMMA層から構成された上部層70を形成する。なお、ガラス基板50は、下部層51にとっての「下地層」である。
2層構造を形成した後で、「π」形状を縁取っている表面を有したスタンプを用いて、上部層70にエンボス処理を施す。ここでのエンボス処理は、約160℃の温度で施される。そうすると、上部層70に、図10(b)に示すような2つの凹部60a,60bと、2つの凹部60a,60bの間に挟まれて浮き彫りにされたテーパ状突起部60と、が与えられる。ここで、テーパ状突起部60は、テーパ状の形状を有している。具体的には、テーパ状突起部60は、ほぼ平坦な上面と、下部層51側から上面へ上る2つの斜面と、を有している。また、テーパ状突起部60のこれら2つの斜面は、互いに反対側を向いている。
次に、テーパ状突起部60の形状が、上部層70から下部層51へ転写されるように、上部層70をマスクとして用いながら、下部層51をエッチングする。そうすると、図10(c)に示すように、テーパ状突起部60に対応したテーパ状突起部61が下部層51に与えられる。なお、ここでのエッチングは、O2とCF4とが3:2の割合で混合されたガスを用いたプラズマエッチングである。
本実施形態では、図10(c)に示すように、上記エッチングによって、2つの凹部60a,60bの部分と、テーパ状突起部60の部分とで、上部層70はほぼ全て取り除かれる。しかしながら、凹部60a,60bでもなく、テーパ状突起部60でもない部分での上部層70は、残っている。また、テーパ状突起部61は、テーパ状突起部60と同様に、テーパ状の形状を有している。つまり、テーパ状突起部61は、ほぼ平坦な上面と、ガラス基板50側から上面へ上る2つの斜面と、を有している。また、テーパ状突起部61のこれら2つの斜面は、互いに反対側を向いている。
テーパ状突起部61を形成した後に、図10(d)に示すように、少なくともテーパ状突起部61上に導電層52aを形成する。本実施形態では、アルミニウムを蒸着してアルミニウムからなる導電層52aを形成する。アルミニウムが蒸着されるので、アルミニウムからなる導電層52aは、テーパ状突起部61上に形成されるだけでなく、残っている上部層70上にも形成される。
次に、残っている上部層70を適切な溶媒中で取り除く(不図示)。そうすると、上部層70上での導電層52aが上部層70と一緒に取り除かれるので、テーパ状突起部61上での導電層52aが、ゲート電極52としてリフトオフされる。なお、本実施形態での溶媒は、アセトンである。
さらに、ゲート電極52をマスクとして用いながら、下部層51に対してドライエッチングを施す。そうすると、テーパ状突起部61を構成している下部層51はゲート電極52で覆われているので残るけれども、他の部分での下部層51は取り除かれる。このため、ゲート電極52以外の部分で、ガラス基板50の表面が露出する(図11(a))。なお、ここでのドライエッチングは、上述のO2とCF4とが3:2で混合されたガスを用いたプラズマエッチングである。
上述のように、ゲート電極52は、テーパ状突起部61のテーパ形状に沿って形成されている。このため、ゲート電極52は、ほぼ平坦な上面と、ガラス基板50側から上面へ上る2つの斜面と、を有する。また、ゲート電極52のこれら2つの斜面は、互いに反対側を向いている。
ドライエッチングの後で、ゲート電極52の表面と、ガラス基板の表面とを、イソプロパノールで洗浄する。
その後、ゲート電極52上と、ガラス基板50上とにスピンコート法で、誘電体層53を形成する(図11(b))。ここで、誘電体層53の厚さは、約1.5μmである。そうすると、得られる誘電体層53は、ゲート電極52に沿って形成されたテーパ状突起部62と、テーパ状突起部62によって互いから分離されて縁取られた2つの領域63a,63bと、を縁取るようになる。また、テーパ状突起部62は、テーパ状突起部60,61と同様なテーパ形状を有している。このため、テーパ状突起部62は、ほぼ平坦な上面と、ガラス基板50側から上面へ上る2つの斜面と、を有する。また、テーパ状突起部62のこれら2つの斜面は、互いに反対側を向いている。
誘電体層53を形成した後で、誘電体層53の表面に短い期間だけO2プラズマ処理を施す。
次に、テーパ状突起部62の上面を選択的に撥液化する。本実施形態では、ソフトコンタクト法を用いて、テーパ状突起部62の上面に、自己組織化分子層からなる撥液層54を選択的に形成する。具体的には、実施形態1と同様に、ほぼ平坦な表面S2を有したスタンプ101を用いて、実施形態1と同じ材料100aを、テーパ状突起部62の上面に転写する。そうすると、テーパ状突起部62の上面に材料100aが選択的に転写される。そしてこのことで、テーパ状突起部62の上面に、自己組織化分子層からなる撥液層54が得られる(図11(c))。
ここで、下部層51の一部からなるテーパ状突起部61に基づいて、テーパ状突起部62が形成されているので、テーパ状突起部62の上面のレベルと、領域63a,63bのレベルとの距離が、大きい。したがって、たとえスタンプ101の表面S2の平坦性が高くなくても、ソフトコンタクト法で、テーパ状突起部62の上面に高い選択性で撥液層を与えることができる。
その後、領域63a,63bに、導電性材料を含有した機能液111を配置する(図11(d))。本実施形態では、機能液として、水をベースにしたPEDOTとPSSとのコロイド懸濁液を、インクジェットヘッド82cから吐出して、領域63a,63b内に配置する。ここで、テーパ状突起部62の上面には、撥液層54が形成されているので、テーパ状突起部62を横切って、機能液111が繋がることはない。
そして、領域63a,63bのそれぞれに配置された機能液111を、約60℃の温度で約30分間加熱する。そうすると、PEDOTを含んだソース電極55aと、ドレイン電極55bと、が得られる。
ここで、本実施形態では、例えば、領域63aに配置される機能液111の体積が変われば、機能液111とゲート電極52とが、テーパ状突起部62の斜面を挟んで互いに重なる面積が変わる。このため、領域63aに配置される機能液111の体積が調整されることで、最終的に得られるソース電極55aとゲート電極52との重なりが最適化され得る。また、同じ理由から、領域63bに配置される機能液111の体積が調整されることで、ドレイン電極55bとゲート電極52との重なりも最適化され得る。そして、このため、TFT3のキャリアインジェクションが改善され得る。
次に、ソース電極55aと、ドレイン電極55bと、を覆う半導体層56を形成する(図12)。そうすると、本実施形態のTFT3が得られる。
(変形例1)
上記実施形態のTFTの製造方法は、電子デバイスの製造方法の一部として実現されている。ただし、本実施形態のTFTの製造方法は、電子回路の製造方法の一部として実現されてもよいし、電子機器の製造工程の一部として実現されてもよい。ここで、電子デバイスとは、例えば、強誘電メモリデバイス、発光ダイオード、薄膜トランジスタ、電気化学セル、光電装置、等を包含する用語である。また、電子機器とは、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置、FED、SED、電気泳動型表示装置、等を包含する用語である。
(変形例2)
実施形態1から3では、基板としてガラス基板10,30,50が説明されたが、ガラス基板10,30,50に代えて、セラミック基板、ガラス基板、エポキシ基板、ガラスエポキシ基板、またはシリコン基板などが利用されても、上記実施形態1から3において説明した効果と同様の効果が得られる。
(変形例3)
上記実施形態1から3によれば、下地表面に材料を塗布する方法としてスピンコート法が用いられる。ただし、スピンコート法に代えて、例えば、液体ドクターブレード法、印刷法(例えば、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、パッド印刷法、インクジェット印刷法、など)、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ディップ・スプレイコーティング法、電解めっき法、等が用いられてもよい。
(変形例4)
上記実施形態1から3によれば、表面改質処理を行う方法として、自己組織化分子層の形成処理またはプラズマ処理が用いられる。ただし、これら自己組織化分子層の形成処理またはプラズマ処理に代えて、例えば、コロナ放電処理、UV照射によるオゾン処理、ウエットケミカル処理、単層、または複数層の形成処理、等が行われてもよい。
(変形例5)
上記実施形態1から3によれば、エッチングを行う方法として、プラズマエッチング処理が用いられる。ただし、プラズマエッチング処理に代えて、ウエットケミカルエッチング処理が行われてもよい。
(変形例6)
実施形態1によれば、ゲート電極12を形成する工程は、マイクロエンボス処理を含んでいる。ただし、ゲート電極12を形成する工程は、マクロエンボス処理に代えて、例えば、ソフトコンタクト印刷法、フォトリソグラフィー法、ナノインプリント法、光学干渉法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、等を含んでいてもよい。また、実施形態2のソース電極32a・ドレイン電極32bを形成する工程に対しても、実施形態1のゲート電極12を形成する工程と同様の改変が可能である。
(変形例7)
実施形態1および2によれば、機能液111は、水をベースにしたPEDOTとPSSとのコロイド懸濁液である。ただし、機能液111は、このような懸濁液に代えて、例えば、溶解した有機材料または無機材料を含有した溶液であってもよいし、有機溶液または無機溶液をベースにしたコロイド懸濁液であってもよい。
(変形例8)
実施形態1から3の機能液111は、導電性材料に加えて、界面活性剤を含有していてもよい。そうすれば、機能液111から得られる複数の導電性パターン、例えば、ソース電極15a・ドレイン電極15bの間が、機能液111、または機能液111の液滴によって繋がることを防げる。このため、複数の導電性パターンの間での電気的短絡を防止できる。
(変形例9)
撥液層14,35,54の材料100aとして、フッ素系ポリマーが用いられてもよいし、あるいは、撥液層14,35,54の材料100aとして、フルオロアルキルシラン(以下FAS)が用いられてもよい。
FASが下地表面に結合すると、自由表面にフルオロアルキル基が位置するように分子が配向されて自己組織化分子層を形成する。フルオロアルキル基が整列したFAS膜の表面は表面エネルギーが小さく、このため撥液性を呈する。下地表面にFAS膜が形成されることで、下地表面に撥液性が付与される。なお、FAS膜は、下地表面に撥液性を付与するだけでなく、下地表面に対する密着性も高いので、耐久性に優れている。
FASには、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン等がある。使用に際しては、一つの化合物が単独で用いられてもよいし、2種以上の化合物が組合せて使用されてもよい。
実施形態1のTFTの断面を示す模式図。 (a)から(d)は実施形態1のTFTの製造方法を説明する図である。 (a)から(d)は実施形態1のTFTの製造方法を説明する図である。 (a)および(b)は実施形態1のTFTの製造方法を説明する図である。 実施形態1のTFTの上面を示す模式図。 実施形態2のTFTの断面を示す模式図。 (a)から(d)は実施形態2のTFTの製造方法を説明する図である。 (a)から(c)は実施形態2のTFTの製造方法を説明する図である。 実施形態3のTFTの断面を示す模式図。 (a)から(d)は実施形態3のTFTの製造方法を説明する図である。 (a)から(d)は実施形態3のTFTの製造方法を説明する図である。 実施形態3のTFTの製造方法を説明する図。
符号の説明
1,2,3…TFT、10,30,50…ガラス基板、11…バッファ層、12…ゲート電極、12r…アルミニウム層、13…誘電体層、14…撥液層、15a…ソース電極、15b…ドレイン電極、16…半導体層、20a,20b…凹部、21…凸部、22a…凹領域、22b…凹領域、23…凸領域、31…バッファ層、32a…ソース電極、32b…ドレイン電極、33…半導体層、34…誘電体層、35…撥液層、36…ゲート電極、40…凹部、41a…凸部、41b…凸部、42…凹領域、43a,43b…凸領域、51…下部層、52…ゲート電極、52a…導電層、53…誘電体層、54…撥液層、55a…ソース電極、55b…ドレイン電極、56…半導体層、60a,60b…凹部、60,61,62…テーパ状突起部、63a,63b…領域、70,75…上部層、82a,82b,82c…インクジェットヘッド、95…シリコンスタンプ、100a…材料、101…スタンプ、111…機能液。

Claims (24)

  1. ゲート電極を下地層の所定部位上に形成する工程(a)と、
    前記所定部位によって分離された2つの凹部が得られるように、前記ゲート電極をマス
    クとして用いながら前記下層をエッチングする工程(b)と、
    前記ゲート電極上と前記2つの凹部上とに誘電体を含んだ材料を塗布して、前記ゲート
    電極と前記2つの凹部とにそれぞれ対応した凸領域と2つの凹領域とを、誘電体層から
    成する工程(c)と、
    ソフトコンタクト法を用いて前記凸領域の上面に撥液層を設ける工程(d)と、
    前記工程(d)の後で、前記2つの凹領域内に導電性材料を含有した機能液を配置する
    工程(e)と、
    前記導電性材料からソース電極とドレイン電極とが形成されるように、前記2つの凹領
    域内の前記機能液を加熱する工程(f)と、
    前記ソース電極と、前記ドレイン電極とを、半導体層で覆う工程(g)と、
    を包含したTFTの製造方法。
  2. 請求項1記載のTFTの製造方法であって、
    前記撥液層は自己組織化分子層から構成される、
    TFTの製造方法。
  3. 請求項1記載のTFTの製造方法であって、
    前記撥液層はフッ素を含有したポリマーを含有している、
    TFTの製造方法。
  4. ソース電極とドレイン電極とを下地層のそれぞれの部位上に形成する工程(a)と、
    前記それぞれの部位の間で凹部が規定されるように、前記ソース電極と前記ドレイン電
    極とをマスクとして用いながら前記下地層をエッチングする工程(b)と、
    前記ソース電極上と、前記凹部上と、前記ドレイン電極上とに、半導体層を形成する工
    程(c)と、
    前記半導体層上に誘電体を含んだ材料を塗布して、前記凹部と前記2つの凸部とにそれ
    ぞれ対応した凹領域と2つの凸領域とを、誘電体層から形成する工程(d)と、
    ソフトコンタクト法を用いて前記2つの凸領域の上面のそれぞれにそれぞれの撥液層を
    形成する工程(e)と、
    前記工程(e)の後で、導電性材料を含有した機能液を前記凹領域内に配置する工程(
    f)と、
    前記導電性材料からゲート電極が得られるように、前記凹領域内の機能液を加熱する工
    程(g)と、
    を包含したTFTの製造方法。
  5. 請求項4記載のTFTの製造方法であって、
    前記撥液層は自己組織化分子層から構成される、
    TFTの製造方法。
  6. 請求項4記載のTFTの製造方法であって、
    前記撥液層はフッ素を含有したポリマーを含有している、
    TFTの製造方法。
  7. 第1の層を下地層の所定部位上に形成する工程(a)と、
    第2の層を前記第1の層上に形成する工程(b)と、
    浮き彫りにされた第1のテーパ状突起部が前記第2の層に与えられるように、前記第2
    の層にエンボス処理を施す工程(c)と、
    前記第1のテーパ状突起部の形状が前記第1の層に転写されることで前記第1の層に第
    2のテーパ状突起部が与えられるように、前記第2の層をマスクとして用いながら前記第
    1の層をエッチングする工程(d)と、
    前記第2の層と前記第2のテーパ状突起部とに沿って導電層を形成する工程(e)と、
    前記導電層のうち第2のテーパ状突起部に沿った部分がゲート電極として残るように、
    前記第2の層を取り除く工程(f)と、
    前記第2のテーパ状突起部以外の前記第1の層が取り除かれるように、前記ゲート電極
    をマスクとして用いながら前記第1の層をエッチングする工程(g)と、
    前記ゲート電極上に誘電体を含有した材料を塗布して、前記第2のテーパ状突起部に対
    応した第3のテーパ状突起部を、誘電体層から形成する工程(h)と、
    ソフトコンタクト法を用いて前記第3のテーパ状突起部の上面に撥液層を形成する工程
    (i)と、
    前記工程(i)の後で、前記第3のテーパ状突起部の互いに反対側を向いた2つの斜面
    のそれぞれに接するように、導電性材料を含有した機能液を配置する工程(j)と、
    前記導電性材料からソース電極とドレイン電極とが得られるように、配置された前記機
    能液を加熱する工程(k)と、
    前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、を半導体層で覆う工程(l)と、
    を包含したTFTの製造方法。
  8. 請求項7記載のTFTの製造方法であって、
    前記撥液層は自己組織化分子層から構成される、
    TFTの製造方法。
  9. 請求項7記載のTFTの製造方法であって、
    前記撥液層はフッ素を含有したポリマーを含有している、
    TFTの製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一つに記載のTFTの製造方法を包含した電子回路の製造方
    法。
  11. 請求項1から9のいずれか一つに記載のTFTの製造方法を包含した電子デバイスの製
    造方法。
  12. 請求項1から9のいずれか一つに記載のTFTの製造方法を包含した電子機器の製造方
    法。
  13. 基板と、
    基板上に位置する凸部と、
    前記基板上に位置するとともに前記凸部によって互いから分離された2つの凹部と、
    前記凸部上に位置するゲート電極と、
    前記ゲート電極と前記2つの凹部とにそれぞれ対応した凸領域と2つの凹領域とであっ
    て、前記ゲート電極と前記2つの凹部とを覆う誘電体層からなる凸領域と2つの凹領域

    ソフトコンタクト法を用いて前記凸領域の上面に形成された撥液層と、
    前記2つの凹領域内に設けられたソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、を覆う半導体層と、
    を備えたTFT。
  14. 基板と、
    前記基板上に位置したゲート電極と、
    前記ゲート電極をマスクとして前記基板がエッチングされて得られた2つの凹部と、
    前記ゲート電極と前記2つの凹部とにそれぞれ対応した凸領域と2つの凹領域とであっ
    て、前記ゲート電極と前記2つの凹部とを覆う誘電体層からなる凸領域と2つの凹領域

    ソフトコンタクト法を用いて前記凸領域の上面に形成された撥液層と、
    前記2つの凹領域内に設けられたソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、を覆う半導体層と、
    を備えたTFT。
  15. 請求項13または14記載のTFTであって、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記2つの凹領域に導電性材料を含有した機
    能液を配置するとともに、前記2つの凹領域内の前記機能液を加熱することで、得られて
    いる、
    TFT。
  16. 請求項13または14記載のTFTであって、
    前記撥液層は自己組織化分子層である、
    TFT。
  17. 請求項13または14記載のTFTであって、
    前記撥液層はフッ素を含有したポリマー層である、
  18. 基板と、
    前記基板上に位置する第1のテーパ状突起部と、
    前記第1のテーパ状突起部に沿うように前記第1のテーパ状突起部を覆っているゲート
    電極と、
    前記第1のテーパ状突起部に対応した第2のテーパ状突起部であって、前記ゲート電極
    を覆う誘電体層からなる第2のテーパ状突起部と
    ソフトコンタクト法を用いて前記第2のテーパ状突起部の上面に形成された撥液層と、
    前記第2のテーパ状突起部の互いに反対側を向いた2つの斜面にそれぞれ接するソース
    電極とドレイン電極と、
    前記ソース電極と、前記ドレイン電極と、を覆う半導体層と、
    を備えたTFT。
  19. 請求項18記載のTFTであって、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記2つの領域に導電性材料を含有した機能
    液を配置するとともに、前記2つの領域内の前記機能液を加熱することで得られている、
    TFT。
  20. 請求項18記載のTFTであって、
    前記撥液層は自己組織化分子層である、
    TFT。
  21. 請求項18記載のTFTであって、
    前記撥液層はフッ素を含有したポリマー層を含有している、
    TFT。
  22. 請求項13から21のいずれか一つに記載のTFTを備えた電子回路。
  23. 請求項13から21のいずれか一つに記載のTFTを備えた電子デバイス。
  24. 請求項13から21のいずれか一つに記載のTFTを備えた電子機器。
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