JP2009302441A - 有機tft - Google Patents

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安紀 辻
Jun Yamada
潤 山田
Takeya Hirao
雄也 平尾
Takashi Morimoto
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Abstract

【課題】製造工程の複雑化と高価格化を招くことなく、優れた特性と高い製造安定性を得ることができる有機TFTを提供する。
【解決手段】有機半導体層を有する有機TFTにおいて、有機半導体層が形成される下地層には、親液性を有する凹部が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機TFTに関する。
近年、基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFTとも記す)を形成する技術が大幅に進歩し、特にアクティブマトリクス型の大画面表示装置の駆動素子への応用開発が進められている。現在実用化されているTFTは、a−Siやpoly−SiといったSi系の無機材料で製造されているが、このような無機材料を用いたTFTの製造においては、真空プロセスや高温プロセスを必要とし、製造コストに大きく影響を及ぼしている。
そこで、このような問題に対応する為、近年、有機材料を用いたTFT(以下、有機TFTとも記す)が種々検討されている。有機材料は無機材料に比べ、材料の選択肢が広く、また、有機TFTの製造工程においては、前述の真空プロセス、高温プロセスに代わり、印刷、塗布といった生産性に優れたプロセスが用いられる為、製造コストを抑えることができる。さらに耐熱性の乏しい、例えばプラスティックフィルム基板等にも形成することができる可能性があり、多方面への応用が期待されている。
有機半導体材料の塗布方法としては、有機半導体材料を溶解した溶液を直接塗布するインクジェット法、ディスペンサ法等の液滴塗布技術が知られている。これらの技術は、1.真空プロセスが不要、2.材料の浪費がない、3.直接パターニングできる為フォトリソグラフィー法と比べてエッチング工程が不要、といった利点がある。これにより、製造コストを抑えることができ、多方面で鋭意研究が行われている。
しかしながら、有機TFTの有機半導体層を前述のインクジェット法やディスペンサ法等を用いて形成する際には、着弾した液滴が乾燥に至る前に広がり、隣接する画素にまで到達し、クロストークやリーク電流の増加等に繋がるパターニング不良やトランジスタの特性が劣化するといった問題がある。このような問題に対して、従来より、構造物(バンク、隔壁)を用いて、液滴の広がりを塞き止める方法が知られているが、該方法は、構造物を別途設ける必要があり製造工程の複雑化と高価格化を招くといった問題がある。また、液滴の着弾精度が悪くバンクの外側に着弾してしまった場合にはトランジスタとして機能せず歩留まりが低下するといった問題がある。
そこで、このような問題に対応する為、ソース電極・ドレイン電極に開口部を設け、開口部の底に露出した表面エネルギーの低いゲート絶縁膜で着弾した液滴を弾いて、液滴の広がりを抑える方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−41889号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、着弾した液滴は、開口部で塞き止められるが、開口部の底面が撥液性の為、中心部分に厚みを持った半球状の液滴となる。このような半球状の液滴が結晶化する場合には、周囲から中心に向かって結晶が成長していく為、チャネルのある中心部分に結晶粒界が多数できてしまい移動度の低下といったトランジスタの特性劣化が生じる。また、チャネル部分の乾燥が進行せず、溶液の状態が長く続くことになるが、このような状態では有機材料は不安定で周囲の雰囲気の影響を受けやすく、材料の劣化を引き起こすだけでなく良好な結晶成長の妨げとなる。
また、インクジェット法で液滴を塗布する際には、吐出曲がり等により着弾位置が安定しないことがある。このような着弾精度により開口部の外側に液滴が着弾した場合、開口部の底面が撥液性の為、液が弾かれチャネル部分に至らず、歩留まりの低下に繋がる。一方、開口部に着弾した場合でも、開口部の両側にはじかれる為、チャネル部分に広がる液量が安定せずトランジスタの特性にばらつきが生じる。
さらに、この開口部による効果を十分発揮するには、開口部を広く取らざるを得ないが(例えば、チャネル幅弱まで)、ソース電極・ドレイン電極に開口部を設けていることから、開口部を広くするほど断線し易くなり、歩留まりの低下に繋がる。といった問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、製造工程の複雑化と高価格化を招くことなく、優れた特性と高い製造安定性を得ることができる有機TFTを提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1乃至7いずれか1項に記載の発明によって達成される。
1.有機半導体層を有する有機TFTにおいて、
前記有機半導体層が形成される下地層には、親液性を有する凹部が形成されていることを特徴とする有機TFT。
2.前記下地層は、ソース電極およびドレイン電極であることを特徴とする前記1に記載の有機TFT。
3.前記下地層は、ゲート絶縁膜であることを特徴とする前記1に記載の有機TFT。
4.前記凹部は、チャネル部からチャネル長方向に、所定の距離を隔てて該チャネル部の両側に設けられていることを特徴とする前記2または3に記載の有機TFT。
5.前記凹部は、前記下地層のゲート電極と重ならない領域に形成されていることを特徴とする前記4に記載の有機TFT。
6.前記有機半導体層は、液滴塗布法を用いて、前記凹部の少なくとも一部の領域を含む前記下地層の上に形成されていることを特徴とする前記5に記載の有機TFT。
7.前記液滴塗布法は、インクジェット法またはディスペンサ法であることを特徴とする前記6に記載の有機TFT。
本発明によれば、有機半導体層が形成される下地層に、親液性を有する凹部を形成する構成とした。これにより、下地層に着弾した有機半導体の液滴が凹部で塞き止められるとともに、親液性により馴染む為、バンクを設けることなく液滴の広がりを防止できる。その結果、パターニング不良やトランジスタの特性劣化を防止できる。また、凹部が親液性の為、液の広がりの抑制は適度に行われ、結晶形成に十分な液滴となり、良好な結晶が得られる。これらにより、優れた特性と高い製造安定性を得ることができる。
以下図面に基づいて、本発明に係る有機TFTの実施の形態を説明する。尚、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
最初に本発明に係る有機TFTの代表的な実施形態の1つであるボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFTの構成を図1を用いて説明する。図1は、ボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1の概略構成を示す断面図である。
有機TFT1は、図1に示すように、基板P、ゲート電極G、ゲート絶縁膜IF、ソース電極S・ドレイン電極D、有機半導体膜SF、及び図示しないパッシベーション膜等から構成される。
有機TFT1は、基板Pの上にゲート電極G、ゲート絶縁膜IF、ソース電極S・ドレイン電極Dが順に積層され、さらにその上に有機半導体層SFが設けられている。
このような構成の有機TFT1において、ソース電極S・ドレイン電極D(下地層)には、図1に示すように、チャネル部CHを挟んで、チャネル長方向X1、X2にそれぞれ所定の距離を隔てゲート電極Gと重ならない領域に、親液性を有する凹部IFs、凹部IFdが形成されている。有機半導体層SFは、インクジェット法やディスペンス法等の液滴塗布法を用いて、ソース電極S・ドレイン電極Dに形成された凹部IFs、凹部IFdを含むソース電極S・ドレイン電極Dの上に形成されている。
このような構成の有機TFT1の、例えばドレイン電極DにITO等からなる透明な画素電極を設け、これをマトリクス上に配列して表示デバイスの表示回路とすることができる。このマトリクス上に配列される画素の1画素分の構成を図2に示す。図2は、表示デバイスの1画素分の構成を示す平面模式図である。画素1Aは、前述の構成の有機TFT1にソース電極Sと接続されるソースバスSB、ゲート電極Gと接続されるゲートバスGB、及びドレイン電極Dと接続される画素電極E等から構成される。
尚、ここではボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1の構成を示したが、本発明に係る有機TFTの素子構成は特に限定されず、ボトムゲートトップコンタクト型であってもよい。この場合は、親液性を有する凹部をゲート絶縁膜(下地層)に形成すればよい。
次に、このような構成の有機TFT1の製造工程の一例を図3を用いて説明する。図3(a)乃至図3(e)は、有機TFT1の製造工程の一例を示す断面模式図である。
最初に、基板Pを準備する(図3(a))。基板Pの材料は、特に限定されることはなく、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス等のガラスやフレキシブルなプラスティックフィルム等の樹脂製シートを用いることができる。プラスティックフィルムとしては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このようなプラスティックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上させることができる。また、ステンレスや真鍮などの金属板を用いることもできる。
次に、ゲート電極Gを形成する(図3(b))。ゲート電極Gの電極材料としては、スパッタや蒸着で薄膜を形成する場合は、Au、Ag、Pb、Al、Cr、Pt、Cu、Mo、ITOやこれらにドーパントを加えた材料等を用いることができる。液滴塗布法の場合は、Agナノ粒子、Auナノ粒子、AgPbナノ粒子等の金属ナノ粒子を溶媒に分散した金属ナノ粒子インク、ITOナノ粒子等の金属酸化物を溶媒に分散した金属酸化物ナノ粒子インク、PEDOT/PSS等の有機材料を溶媒に分散した有機材料分散インク等を用いることができる。形成方法としては、スパッタ法や蒸着法等で電極材料の薄膜を表面に形成した基板Pを、フォトリソグラフィー法を用いてパターンニングする方法や、種々の印刷法や液滴塗布法を用いて所望の部分のみに薄膜を形成することができる。
次に、ゲート絶縁膜IFを形成する(図3(c))。ゲート絶縁膜IFの材料としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン等の無機酸化物や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物を用いることができる。あるいは、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、シアノエチルプルラン等の有機化合物等も用いることができる。形成方法としては、例えば、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法等のほか、スピンコート等の塗布法等公知の方法によって形成された絶縁膜を、フォトリソグラフィー法等公知のパターニング方法を用いてパターニングする方法や、種々の印刷法やインクジェットなどの液滴塗布法を用いて所望部分のみに薄膜を形成することができる。
尚、ゲート絶縁膜IFを形成する際には、後述のソース電極S・ドレイン電極Dに形成される凹部IFs、凹部IFdの原型となる窪み状の凹部IFa、凹部IFbを、前述の形成方法を用いて同時に形成しておくことができる。ゲート絶縁膜IFに形成される凹部IFa、凹部IFbは、孔(開口部)であっても窪みであってもよい。また、その形状は、ゲート絶縁膜IFの形成方法やパターニング方法、その後に形成するソース電極S・ドレイン電極Dの形成方法により異なるが、ソース電極S・ドレイン電極Dに着弾した有機半導体の液滴を塞き止められる形状であればどのような形状でもよく、ソース電極S・ドレイン電極Dが凹部IFa、凹部IFbで途切れることがないような形状であれば特に限定されない。
次に、ソース電極S・ドレイン電極Dを形成する(図3(d))。ソース電極S・ドレイン電極Dの電極材料としては、ゲート電極Gの場合と同様の電極材料を用いることができる。凹部IFa、凹部IFbを有するゲート絶縁層IFが形成された基板Pを洗浄後、前述のゲート電極Gの形成方法と同様に、公知のフォトリソグラフィー法や、種々の印刷法や液滴塗布法等を用いて形成することができる。尚、このときに、ソース電極S・ドレイン電極Dには、ゲート絶縁層IFに形成された凹部IFa、凹部IFbに対応して、凹部IFs、凹部IFdが形成される。
次に、有機半導体層SFを形成する(図3(e))。有機半導体層SFの材料としては、多環芳香族化合物や共役系高分子等を用いることができるが、特に限定されない。高分子材料、オリゴマー、低分子材料でもよく、成膜後に分子が分子間相互作用により規則正しく配列し結晶となるものが特に好ましい。ペンタセン、ポルフィリン、フタロシアニン、オリゴチオフェン、オリゴフェニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレン、及びこれら誘導体等を用いることができる。具体的には、ペンタセン、6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン、テトラベンゾポルフィリン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)等を用いることができる。また、これらの前駆体を成膜した後に熱処理すること等で有機半導体材料等に変換することもできる。
有機半導体層SFの成膜方法は特に限定されるものではなく、真空蒸着やスピンコート等も用いることができるが、スクリーン印刷、インクジェット法、マイクロコンタクトプリント、SIJ、ディスペンサ法、凸版、転写等の印刷法を用いると、塗布と同時にパターニングもできる為、製造コストを低減することができ好適である。とりわけ、インクジェット法、SIJ、ディスペンサ法等の液滴塗布法を用いるのが特に好適である。
液滴塗布法を用いる場合には、有機半導体層SFの材料は、前述の材料のなかでも、溶媒に溶解または分散させるものが好適で、有機低分子材料に溶解性を高める為に可溶性の側鎖を設けたものや、半導体の前駆体の溶液についても適用可能である。
また、溶媒は特に限定されるものではなく、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、フェノール類等から半導体材料に適した溶媒を選択することができる。
尚、パッシベーション膜は、有機半導体層SFを外部雰囲気から遮断、保護する為に適宜成膜する。
次に、本発明に係る有機TFT1の実施例を説明する。
(実施例1)
最初に、Cr膜を表面にスパッタしたガラス基板P(図3(a))に、感光性レジストを塗布後、ゲート電極G、ゲートバスGBのパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像して、ゲート電極Gの形状のレジスト層を形成した。Crのエッチング後、レジスト層を除去し、ゲート電極G、ゲートバスGBを形成した(図3(b))。次に、感光性アクリレート材料であるオプトマーPC403を、スピンコート法を用いて塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行った後焼成し、凹部IFa、凹部IFbを有する厚み500nmのゲート絶縁膜IFを形成した(図3(c))。次に、洗浄後、ポジレジスト薄膜を形成し、ソース電極S・ドレイン電極Dのパターンを反転させたフォトマスクを用いて露光し、現像を行い、ソース電極S・ドレイン電極Dを設けたい領域(凹部IFa、凹部IFbを含む)のみレジストを除去し、その他の領域にはレジストを残るようにした。続いて、Auを約50nmをスパッタにより成膜し、レジストを除去し、親液性の凹部IFs、凹部IFdを有するソース電極S・ドレイン電極D、ソースバスSBをリフトオフにより形成した(図3(d))。次に、半導体溶液としてテトラヒドロナフタレンに6,13−ビストリエチルシリルエチニルペンタセンを3質量%溶解した溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いてソース電極S・ドレイン電極Dの上に滴下して有機半導体層SFを形成し(図3(e))、ボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1を作製した。
(比較例1)
最初に、Cr膜を表面にスパッタしたガラス基板P(図3(a))に、感光性レジストを塗布後、ゲート電極G、ゲートバスGBのパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像して、ゲート電極Gの形状のレジスト層を形成した。Crのエッチング後、レジスト層を除去し、ゲート電極G、ゲートバスGBを形成した(図3(b))。次に、感光性アクリレート材料であるオプトマーPC403を、スピンコート法を用いて塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行った後焼成し、凹部IFa、凹部IFbを有さない平坦な厚み500nmのゲート絶縁膜IFを形成した(図3(c)に相当)。次に、洗浄後、ポジレジスト薄膜を形成し、ソース電極S・ドレイン電極Dのパターンを反転させたフォトマスクを用いて露光し、現像を行い、ソース電極S・ドレイン電極Dを設けたい領域のみレジストを除去し、その他の領域にはレジストを残るようにした。続いて、Auを約50nmをスパッタにより成膜し、レジストを除去し、ソース電極S・ドレイン電極D、ソースバスSBをリフトオフにより形成した(図3(d)に相当)。次に、半導体溶液としてテトラヒドロナフタレンに6,13−ビストリエチルシリルエチニルペンタセンを3質量%溶解した溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いてソース電極S・ドレイン電極Dの上に滴下して有機半導体層SFを形成し(図3(e)に相当)、ボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1を作製した。
(比較例2)
最初に、Cr膜を表面にスパッタしたガラス基板P(図3(a))に、感光性レジストを塗布後、ゲート電極G、ゲートバスGBのパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像して、ゲート電極Gの形状のレジスト層を形成した。Crのエッチング後、レジスト層を除去し、ゲート電極G、ゲートバスGBを形成した(図3(b))。次に、感光性アクリレート材料であるオプトマーPC403を、スピンコート法を用いて塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行って、凹部IFa、凹部IFbを有さない平坦な厚み500nmのゲート絶縁膜IFを形成した(図3(c)に相当)。次に、洗浄後、ポジレジスト薄膜を形成し、開口部を設けたソース電極S・ドレイン電極Dのパターンを反転させたフォトマスクを用いて露光し、現像を行い、ソース電極S・ドレイン電極Dを設けたい領域のみレジストを除去し、開口部を含むその他の領域にはレジストを残るようにした。続いて、Auを約50nmをスパッタにより成膜し、レジストを除去し、開口部を有するソース電極S・ドレイン電極D、ソースバスSBをリフトオフにより形成した(図3(d)に相当)。次に、半導体溶液としてテトラヒドロナフタレンに6,13−ビストリエチルシリルエチニルペンタセンを3質量%溶解した溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いてソース電極S・ドレイン電極Dの上に滴下して有機半導体層SFを形成し(図3(e)に相当)、ボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1を作製した。
(実施例2)
最初に、Cr膜を表面にスパッタしたガラス基板P(図3(a))に、感光性レジストを塗布後、ゲート電極G、ゲートバスGBのパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像して、ゲート電極Gの形状のレジスト層を形成した。Crのエッチング後、レジスト層を除去し、ゲート電極G、ゲートバスGBを形成した(図3(b))。次に、感光性アクリレート材料であるオプトマーPC403を、インクジェット法を用いて端子部、及び凹部IFa、凹部IFbとなる領域以外の領域に塗布、乾燥させた後に焼成し、凹部IFa、凹部IFbを有する厚み500nmのゲート絶縁膜IFを形成した(図3(c))。次に、洗浄後、ポジレジスト薄膜を形成し、ソース電極S・ドレイン電極Dのパターンを反転させたフォトマスクを用いて露光し、現像を行い、ソース電極S・ドレイン電極Dを設けたい領域(凹部IFa、凹部IFbを含む)のみレジストを除去し、その他の領域にはレジストを残るようにした。続いて、Auを約50nmをスパッタにより成膜し、レジストを除去し、親液性の凹部IFs、凹部IFdを有するソース電極S・ドレイン電極D、ソースバスSBをリフトオフにより形成した(図3(d))。次に、半導体溶液としてテトラヒドロナフタレンに6,13−ビストリエチルシリルエチニルペンタセンを3質量%溶解した溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いてソース電極S・ドレイン電極Dの上に滴下して有機半導体層SFを形成し(図3(e))、ボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1を作製した。
(実施例3)
最初に、Cr膜を表面にスパッタしたガラス基板P(図3(a))に、感光性レジストを塗布後、ゲート電極G、ゲートバスGBのパターンを有するフォトマスクを介して露光、現像して、ゲート電極Gの形状のレジスト層を形成した。Crのエッチング後、レジスト層を除去し、ゲート電極G、ゲートバスGBを形成した(図3(b))。次に、大気圧プラズマCVD法にてテトラエトキシシラン(TEOS)を液体原料としてSiO膜を成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行って、凹部IFa、凹部IFbを有する厚み300nmのゲート絶縁膜IFを形成した(図3(c))。次に、洗浄後、ポジレジスト薄膜を形成し、ソース電極S・ドレイン電極Dのパターンを反転させたフォトマスクを用いて露光し、現像を行い、ソース電極S・ドレイン電極Dを設けたい領域(凹部IFa、凹部IFbを含む)のみレジストを除去し、その他の領域にはレジストを残るようにした。続いて、Auを約50nmをスパッタにより成膜し、レジストを除去し、親液性の凹部IFs、凹部IFdを有するソース電極S・ドレイン電極D、ソースバスSBをリフトオフにより形成した(図3(d))。次に、半導体溶液としてテトラヒドロナフタレンに6,13−ビストリエチルシリルエチニルペンタセンを3質量%溶解した溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いてソース電極S・ドレイン電極Dの上に滴下して有機半導体層SFを形成し(図3(e))、ボトムゲートボトムコンタクト型の有機TFT1を作製した。
(評価結果)
このようにして有機TFT1をそれぞれ20素子作成した。その特性を評価した結果を下記(表1)に示す。尚、表1において、評価可能素子数(個)とは、観察または特性を評価し、有機半導体層SFがチャネル部CHからずれる等して評価できなかった素子を除いた残りの評価できた素子の個数を示す。
Figure 2009302441
最初に、顕微鏡を用いて有機TFT1の有機半導体層SFの結晶状態を観察した。実施例1〜実施例3の、ゲート絶縁膜IFに凹部IFa、凹部IFbを設けて、ソース電極S・ドレイン電極Dを凹部IFa、凹部IFbを含めた上に形成して作製した有機TFT1の有機半導体層SFは、比較例1、比較例2で作製した有機TFT1に比べて結晶ドメインが大きく(表1において、結晶ドメインの個数が少ない。)ばらつきも少なかった。また、比較例1の有機TFT1では隣接する画素にまで結晶が繋がってしまうもの、比較例2の有機TFT1では有機半導体層SFがソース電極S・ドレイン電極Dの上の所定の位置からずれてしまったものも散見された。
次に、有機TFT1に通電し特性を評価したところ、実施例1〜実施例3の有機TFT1の移動度、ON/OFF比は、ともに比較例1、比較例2の有機TFT1に比べて高く、ばらつきも少なかった。また、比較例1の有機TFT1は、OFF電流が実施例1〜実施例3の有機TFT1に比べて2桁高くなってしまったものや、比較例2の有機半導体層SFがソース電極S・ドレイン電極Dの上の所定の位置からずれてしまった為、特性を測定、評価することのできないものもあった。
このように本発明の実施形態に係る有機TFT1においては、有機半導体層SFが形成されるソース電極S・ドレイン電極Dに、親液性を有する凹部IFs、凹部IFdを形成する構成とした。これにより、ソース電極S・ドレイン電極Dに着弾した有機半導体の液滴が凹部IFs、凹部IFdで塞き止められるとともに、親液性により馴染む為、バンクを設けることなく液滴の広がりを防止できる。その結果、パターニング不良やトランジスタの特性劣化を防止できる。また、凹部IFs、凹部IFdが親液性の為、液の広がりの抑制は適度に行われ、結晶形成に十分な液滴となり、良好な結晶が得られる。
また、液滴が凹部IFs、凹部IFdの外側(チャネルの外側)に着弾しても、親液性の高い凹部IFs、凹部IFdに引き寄せられて液が中心部に集まりやすくなる。
また、凹部IFs、凹部IFdの原型は、ゲート絶縁層IFをパターニングする際に同時に形成できるので、工程は増えず、コストが上昇することもない。さらに、凹部IFs、凹部IFdの領域では、ソース電極S・ドレイン電極Dが途切れることなく連続している為、凹部IFs、凹部IFd凹部の面積が大きくても、断線などは起こり得ず、歩留まり低下の防止となる。これらにより、優れた特性と高い製造安定性を得ることができる。
本発明の実施形態に係る有機TFTの構成を示す断面模式図である。 本発明の実施形態に係る有機TFTを用いた表示装置の画素構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る有機TFTの製造工程の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1A 画素
1 有機TFT(有機薄膜トランジスタ)
Dドレイン電極
E 画素電極
G ゲート電極
GB ゲートバス
IF ゲート絶縁膜
IFd、IFs 凹部
S ソース電極
SB ソースバス
SF 有機半導体膜(有機半導体層)
P基板

Claims (7)

  1. 有機半導体層を有する有機TFTにおいて、
    前記有機半導体層が形成される下地層には、親液性を有する凹部が形成されていることを特徴とする有機TFT。
  2. 前記下地層は、ソース電極およびドレイン電極であることを特徴とする請求項1に記載の有機TFT。
  3. 前記下地層は、ゲート絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機TFT。
  4. 前記凹部は、チャネル部からチャネル長方向に、所定の距離を隔てて該チャネル部の両側に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の有機TFT。
  5. 前記凹部は、前記下地層のゲート電極と重ならない領域に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の有機TFT。
  6. 前記有機半導体層は、液滴塗布法を用いて、前記凹部の少なくとも一部の領域を含む前記下地層の上に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の有機TFT。
  7. 前記液滴塗布法は、インクジェット法またはディスペンサ法であることを特徴とする請求項6に記載の有機TFT。
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