JP4362523B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、おこげメニューが選択された際には炊飯米にこげ目を確実かつ均一につけることのできる炊飯器を得ることを目的とする。
以下、本発明に係る炊飯器の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。
始めに所定量の米を内釜5内に入れ、米量に応じた水を入れる。その後、内釜5を容器カバー2内に設置して外蓋9を閉めると、内蓋7の蓋パッキン8が内釜5のフランジ部に圧接されて密閉シールされる。そして、図3に示す操作/表示部12のメニュー選択ボタン12aの操作によりメニューを選択した後、炊飯開始ボタン12bを操作すると炊飯調理が開始される。
図5に示すt0において炊飯が開始されると、制御部16は温度センサ4を介して内釜5の温度が図5の実線で示す白米メニュー用の炊飯シーケンスに沿うように、インバータ部17を通電制御する。炊飯の工程は、予熱工程、炊き上げ工程、蒸らし工程に大別される。t0からtaの予熱工程が終了すると炊き上げ工程に移行する。炊き上げ工程では、内釜5内の水分が沸騰状態となっており、蒸気が蒸気口11を通して噴出する。内釜5内に米に吸収されていない余剰の水がある状態では、内釜5の温度は100℃ 以上に上昇せずにほぼ一定となっている。しかし、余剰水分が蒸発しきるとドライアップと呼ばれる状態となり、内釜5の温度が100℃ 以上に上昇し始める。図5のtbにおいて、予め設定された白米メニュー用のドライアップ温度Tdry(120℃) 、即ち、炊き上げ工程の終了温度に到達すると、制御部16は内釜5内の余剰水分が蒸発したものと判定して、tbからtcまでの蒸らし工程へと移行する。蒸らし工程では、インバータ部17の通電量を低減することで内釜5への加熱量を下げ、炊飯米の蒸らし処理を行う。そして、図5に示すtcに到達したときに蒸らし工程を終了し、白米メニューの全炊飯工程を終了する。
おこげメニューの炊飯シーケンスを図5の点線で示す。白米メニューと同様に表示/操作部12の操作によりおこげメニューが選択され、炊飯が開始されると、制御部16に記憶されたおこげメニューの炊飯シーケンスに従い調理が行われる。白米メニューと異なるのは、ドライアップ温度(炊き上げ工程の終了温度)のみであり、おこげメニューのドライアップ温度Tdry’が設定される。白米メニューの調理と同様にtaにて炊き上げ工程へ移行すると、内釜5の温度が100℃ 近傍で一定の状態を継続する。おこげメニューでは、白米メニューのドライアップ温度Tdry(120℃) よりも高いおこげメニューのドライアップ温度Tdry’(160℃) に変更される。そのため、おこげメニューの炊き上げ工程では、内釜5に余剰の水分が無い状態で、しかも炊飯米の加熱が継続している状態となるため、白米炊飯時に比べて過加熱状態となる。
次に、実施の形態2に係る炊飯器を説明する。実施の形態2において、実施の形態1と異なる点は、炊き上げ工程と蒸らし工程間の炊飯シーケンスのみであり、以下、図8を参照しながら説明をする。図8は実施の形態2に係る炊飯器のドライアップ温度近傍の炊飯シーケンスを示す図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
次に、実施の形態3に係る炊飯器を説明する。実施の形態3において、実施の形態1と異なる点は、回路基板15上に蓄電部20が追加された点であり、以下、図9および図10を参照しながら説明をする。図9は実施の形態3に係る炊飯器の駆動回路の構成を示すブロック図、図10はおこげメニューにおけるドライアップ温度近傍の炊飯シーケンスを示す図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
次に、実施の形態4に係る炊飯器を説明する。実施の形態4において、実施形態1または2と異なる点は、内釜5を構成する材料であり、以下、図11乃至図14を参照しながら説明をする。図11は実施の形態4に係る炊飯器の内釜を説明するための金属製内釜(SUS430)および炭製内釜の浸透深さと周波数との関係を示す図、図12は金属製内釜と炭製内釜の渦電流による発熱状況を示す図、図13は炭製内釜と漏洩磁束との関係を示す図、図14は周波数による炭製内釜の発熱状況を示す図である。なお、実施の形態1、2と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
一般的な炊飯器の内釜5は金属製材料で構成され、例えばSUS430が使用されている。このSUS430等の磁性材料と異なり、非磁性材料の炭は透磁率が1であるため、浸透深さがSUS430と比較して50〜60倍程度大きい。図12に示すように、加熱コイルから発生する磁束は、SUS430と比較して炭の方が深い部位まで浸透する。そのため、同一の磁束量で内釜5を誘導加熱した場合、(a) 金属製内釜と比較して、(b) 炭製内釜の方が炊飯米に近い部位での発熱量が大きくなる。
次に、実施の形態5に係る炊飯器を説明する。実施の形態5において、実施の形態4と異なる点は、内釜5内に落とし蓋21を配置した点であり、以下、図15を参照しながら説明をする。図15は実施の形態5の炊飯器における内側の断面を示す図である。なお、実施の形態4と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
11 蒸気口、12 操作/表示部、12a メニュー選択ボタン、12b 炊飯開始ボタン、12c 液晶パネル、13 胴ヒータ、14 蓋ヒータ、15 回路基板、
16 制御部、17 インバータ部、20 蓄電部、21 落とし蓋。
Claims (11)
- 本体ケースに設けられた内釜収納部に収納され、非磁性材料で構成された内釜と、
該内釜を加熱するための加熱コイルと、
該加熱コイルに高周波電力を供給するインバータ部と、
前記内釜の温度を検知する内釜温度検知部と、
操作部の操作によりおこげ炊飯が選択されると、おこげ炊飯時における炊き上げ工程の終了時に行われるドライアップの終了温度を通常炊飯時でのドライアップの終了温度よりも高くなるように前記加熱コイルの加熱量を制御すると共に、ドライアップ時に前記インバータ部の駆動周波数が全炊飯工程で最も低くなるように制御する制御部と
を備えたことを特徴とする炊飯器。 - 前記制御手段は、おこげ炊飯時における炊き上げ工程の終了温度を操作部の操作に基づいて変更することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
- 前記制御手段は、おこげ炊飯時における炊き上げ工程の終了温度に内釜の温度が達すると、その状態が所定時間保持されるように前記加熱コイルの加熱量を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
- 前記制御手段は、前記所定時間を操作部の操作に基づいて変更することを特徴とする請求項3記載の炊飯器。
- おこげ炊飯時における炊き上げ工程の終了温度は103℃から180℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の炊飯器。
- 内釜収納部の側壁外周部に設けられた胴加熱手段を備え、
前記制御手段は、操作部の操作によりおこげ炊飯が選択されると、前記胴加熱手段の加熱量を通常炊飯時よりも高くなるように制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の炊飯器。 - 本体ケースに開閉自在に係止された蓋体に設けられた蓋加熱手段を備え、
前記制御手段は、操作部の操作によりおこげ炊飯が選択されると、前記蓋加熱手段の加熱量を通常炊飯時よりも高くなるように制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の炊飯器。 - 電力の充放電を行う蓄電部を備え、
前記制御手段は、操作部の操作によりおこげ炊飯が選択されると、前記蓄電部の放電電力を使用して前記加熱コイルの加熱量を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の炊飯器。 - 前記内釜は、炭素95%〜100%の焼結体を基材として構成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の炊飯器。
- 磁性材料により構成され、前記内釜内に設置可能な板状の落とし蓋を設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の炊飯器。
- 前記落とし蓋は、前記内釜内の炊飯米の表面に接するよう配置されることを特徴とする請求項10記載の炊飯器。
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