JP4362221B2 - 金属管柱及び金属管柱の補強方法 - Google Patents
金属管柱及び金属管柱の補強方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、照明柱、標識柱、表示柱、電柱、鉄道用架線柱、信号柱、門型柱、更には建築構造用の角柱などに有効に適用し得る金属管柱及びその補強方法に関するものであり、特に、金属管柱が繊維強化プラスチックにより補強される点に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】
従来、照明柱、標識柱、表示柱、電柱、鉄道用架線柱、信号柱、門型柱、更には、建築構造用の角柱などの管柱は、通常鋼管にて作製され、図22に示すように、管柱1の下方端を構成する柱脚1aの下端には基礎にボルト接合される鋼板製のボルト接合用ベースプレート3が溶接される。更に、柱脚1aとベースプレート3の溶接接合部近傍の補強をなすために、柱脚下端部の円周方向に所定の間隔にて鋼板製の縦リブ4が配置され、柱脚1a及びベースプレート3に溶接されている。
【0003】
このような柱脚下端接合構造2を有した管柱1は、その柱脚下端接合部の補強が簡易でしかも低コストである点から最も普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記柱脚下端接合構造2によると、管柱1に荷重を作用させた場合に、管柱1と縦リブ鋼板端部5との廻し溶接部に応力が集中し、局部応力を発生し、構造性能が低下するという問題がある。更に、縦リブ鋼板の上端の廻し溶接部が、溶接熱残留応力と溶接止端部の熱影響部材質劣化とが重複して構造欠陥となり易く、耐荷力や疲労性能が低下するという問題があった。
【0005】
更に、この柱脚下端接合構造体に溶融亜鉛メッキなどの防食処理をすると、溶融亜鉛浴槽からの入熱により縦リブ上端部5の熱残留応力が更に大きくなり、ここから亀裂が進展して柱脚疲労折損の原因ともなっていた。
【0006】
更に又、地震や風、さらには柱脚を支持する構造物からの振動に共振応答して柱脚下端部に大きな荷重が作用することが多く、柱脚下端部の耐荷力や疲労性能向上策だけでは十分な機械的強度及び耐久性を保持することができない場合があった。
【0007】
上述した問題は、例えば照明柱などのように管柱に開口を設け、この開口部に安定器格納部の取付部を溶接により取り付けた場合にも、更には、標識柱のように標識が取り付けられた場合にも同様に発生した。
【0008】
上記問題を解決する手段として、応力集中部、或いはその近傍に鋼板を更に貼り付け、補強することが考えられる。しかしながら、補強用の鋼板を溶接にて取り付けた場合には、新たな溶接による溶接熱残留応力の問題が発生する。ボルトナットなどにて接合した場合には、管柱にボルト取付用の貫通したボルト穴を形成することが余儀なくされ、このボルト穴における応力集中の問題が発生する。
【0009】
又、既に、橋梁上などに施工されている照明ポールのような管柱を、取り外すことなく補強する場合には、施工が容易に且つ迅速に実施することがきわめて重要であり、このための管柱の補強方法が希求されている。
【0010】
本発明者らは、上記問題を解決するべく多くの研究実験を行なった結果、柱脚下端接合構造における縦リブの端部、安定器格納部取付部の上下端部などの応力集中部及び/又はその近傍に繊維強化プラスチックを貼付することにより、縦リブの端部、安定器格納部取付部の上下端部などの局部応力及び縦リブの端部の廻し溶接部などの溶接熱残留応力を緩和し、それにより柱脚下端接合構造の耐荷力や疲労性能を大幅に向上させ得ることを見出した。
【0011】
本発明は、斯かる本発明者らの新規な知見に基づきなされたものである。
【0012】
本発明の目的は、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力を大幅に緩和することができ、それにより耐荷力や疲労性能を大幅に向上することのできる繊維強化プラスチックにより補強された金属管柱を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、既に、橋梁上などに据え付けられている金属管柱に対して、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力を大幅に緩和することができ、それにより耐荷力や疲労性能を大幅に向上することができ、しかも、容易で且つ迅速に施工し得る繊維強化プラスチックによる金属管柱の補強方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る繊維強化プラスチックにより補強された金属管柱及び金属管柱の補強方法にて達成される。
【0015】
第1の本発明によれば、金属管柱の外面及び/又は内面にて、応力集中部及び/又はその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、局部応力を緩和した金属管柱において、
前記繊維強化プラスチックの上端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱が提供される。
第2の本発明によれば、金属管柱の外面及び/又は内面にて、応力集中部及び/又はその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、局部応力を緩和した金属管柱において、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱が提供される。
第1及び第2の本発明にて、一実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、応力集中部を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付する。他の実施態様によると、前記金属管柱は、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる。
【0016】
第3の本発明によると、管柱の柱脚下端に、ベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付したことを特徴とする金属管柱が提供される。本発明にて、一実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、前記縦リブの上端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付する。他の実施態様によると、前記金属管柱の内面には、管柱の外面に貼付された繊維強化プラスチックに対応した位置を含む全内周にわたって繊維強化プラスチックを貼付する。他の実施態様によると、繊維強化プラスチックを所定形状に成形し、硬化した後、前記管柱の外面及び/又は内面に装着し、接合する。更に他の実施態様によると、前記金属管柱、前記ベースプレート及び前記縦リブは、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる。
【0017】
第4の本発明によると、管柱の柱脚下端に、ベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの上端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱が提供される。
第5の本発明によると、管柱の柱脚下端に、ベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱が提供される。
第4及び第5の本発明にて一実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、前記縦リブの上端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付する。他の実施態様によると、前記金属管柱の内面には、管柱の外面に貼付された繊維強化プラスチックに対応した位置を含む全内周にわたって繊維強化プラスチックを貼付する。他の実施態様によると、繊維強化プラスチックを所定形状に成形し、硬化した後、前記管柱の外面及び/又は内面に装着し、接合する。他の実施態様によると、前記金属管柱、前記ベースプレート及び前記縦リブは、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる。
第6の本発明によると、管柱に開口を形成し、開口の周りに箱状格納部の取付部を溶接して設けた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記箱状格納部取付部の両側部にてしかも取付部の上端及び/又は下端、並びにその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの上端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱が提供される。
第7の本発明によると、管柱に開口を形成し、開口の周りに箱状格納部の取付部を溶接して設けた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記箱状格納部取付部の両側部にてしかも取付部の上端及び/又は下端、並びにその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱が提供される。
第6及び第7の本発明にて、一実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、前記箱状格納部の取付部の上端及び/又は下端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で、且つ、前記取付部から円周方向に沿って少なくとも2cm以上の貼付け幅で貼付する。他の実施態様によると、前記金属管柱及び前記箱状格納部取付部は、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる。
【0018】
上記各本発明にて、一実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維シートを管柱表面に貼付し、この強化繊維シートにマトリクス樹脂を含浸させて形成される。他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグを管柱表面に貼付して形成される。
【0019】
本発明の他の実施態様によると、前記強化繊維は一方向に配列されている。更に他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、前記強化繊維が、管柱の軸線方向に整列して或いは管柱の軸線方向に対して所定の角度傾斜して貼付される。
【0020】
本発明の他の実施態様によると、前記強化繊維は、炭素繊維;ガラス繊維;ボロン、チタン、スチールなどの金属繊維;又は、アラミド、ナイロン、ポリエステルなどの有機繊維;などを一種、或いは、複数種混入して使用され、前記マトリクス樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又は、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を使用する。
【0021】
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックと前記管柱表面との間に最内層として絶縁体層を設けることができる。一実施態様によると、前記絶縁体層は、エポキシ樹脂系プライマーを塗布し硬化した硬化膜とされるか、或いは、ガラス繊維又は有機繊維などの非導電性のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとされる。
【0024】
本発明の更に他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック外面を覆って、最外層としてカバー層を設けることができる。前記カバー層は、ガラス繊維、炭素繊維、或いは有機繊維のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとすることができる。又、前記マトリクス樹脂は、着色顔料を含有することができる。更に他の実施態様によれば、前記カバー層の外層にアクリルウレタン系樹脂が塗布される。
【0025】
第8の本発明によると、金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記管柱は、管柱の柱脚下端にベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱であり、前記管柱の外面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱の補強方法が提供される。本発明にて一実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、前記縦リブの上端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付する。
【0026】
第9の本発明によると、金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記管柱は、管柱に開口が形成され、開口の周りに箱状格納部の取付部を溶接して設けられた管柱であり、前記管柱の外面にて、且つ、前記箱状格納部取付部の両側部にてしかも取付部の上端及び/又は下端、並びにその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックは、前記箱状格納部の取付部の上端及び/又は下端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で、且つ、前記取付部から円周方向に沿って少なくとも2cm以上の貼付け幅で貼付し、
前記管柱の開口を介して、管柱の内部に鉄筋コンクリートを打設することを特徴とする金属管柱の補強方法が提供される。
【0027】
第10の本発明によると、金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記繊維強化プラスチックの上端及び/又は下端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱の補強方法が提供される。
第11の本発明によると、金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱の補強方法が提供される。
【0029】
第8〜11の本発明にて、一実施態様によると、前記金属管柱は、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる。他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、応力集中部を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付する。他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックを貼付する前に、前記金属管柱の前記繊維強化プラスチックを貼付する個所のメッキは除去する。
【0030】
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させて所定形状に成形し、硬化した後、前記管柱の外面に装着し、接合する。
【0031】
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維シートを管柱の外面に貼付し、この強化繊維シートにマトリクス樹脂を含浸させて形成される。
【0032】
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグを管柱の外面に貼付して形成される。他の実施態様によると、前記強化繊維は一方向に配列されているか、或いは、前記繊維強化プラスチックは、前記強化繊維が、管柱の軸線方向に整列して或いは管柱の軸線方向に対して所定の角度傾斜して貼付される。
【0033】
本発明の他の実施態様によると、前記強化繊維は、炭素繊維;ガラス繊維;ボロン、チタン、スチールなどの金属繊維;又は、アラミド、ナイロン、ポリエステルなどの有機繊維;などを一種、或いは、複数種混入して使用され、前記マトリクス樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又は、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を使用する。
【0034】
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチックと前記管柱の外面との間に最内層として絶縁体層を設けることができ、前記絶縁体層は、エポキシ樹脂系プライマーを塗布し硬化した硬化膜とされるか、或いは、ガラス繊維又は有機繊維などの非導電性のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとすることができる。又、前記有機繊維はPBO繊維とし得る。
【0037】
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック外面を覆って、最外層としてカバー層を設けることができる。前記カバー層は、ガラス繊維、炭素繊維、或いは有機繊維のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとすることができる。又、前記マトリクス樹脂は、着色顔料を含有することができる。更に他の実施態様によれば、前記カバー層の外層にアクリルウレタン系樹脂が塗布される。
【0038】
本発明の他の実施態様によれば、少なくとも前記繊維強化プラスチックを貼付した前記管柱の外面をエアバッグとシール材により覆い、エアバッグの吸引端子から真空ポンプにより吸気を排出し、エアバッグの内部材に大気圧負荷されるようにし、前記管柱の外面に貼付された前記繊維強化プラスチックなどを前記管柱表面に押圧するようにする。他の実施態様によれば、前記エアバッグの外部にパネルヒータを配置し、樹脂の硬化反応を促進させる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る繊維強化プラスチックにより補強された金属管柱及び金属管柱の補強方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0040】
実施例1
図1に、本発明の金属管柱1の一実施例を示す。本実施例によると、本発明の金属管柱1は、照明灯を取り付けるための照明柱とか、標識を取り付けるための標識柱などのような鋼製の管柱とされる。
【0041】
本実施例にて、管柱1は、図22を参照して説明したような柱脚下端接合構造2を有する。つまり、柱脚1aの下端には基礎ボルト接合用ベースプレート3が溶接され、更に、柱脚1aとベースプレート3の溶接接合部近傍の補強をなすために、柱脚下端部の円周方向に所定の間隔にて鋼板製の縦リブ4が配置され、柱脚1a及びベースプレート3に溶接されている。本実施例では、縦リブ鋼板4は、これに限定されるものではないが、円周方向に均等に4箇所に配置されている。
【0042】
このような柱脚下端接合構造2を有した管柱1は、上述のように、管柱1に荷重を作用させた場合に、管柱1と縦リブ鋼板4の端部との廻し溶接部5に応力が集中し、局部応力が発生する。又、縦リブ鋼板4の上端の廻し溶接部5は、溶接熱残留応力と溶接止端部の熱影響部材質劣化とが重複して構造欠陥となり易く、耐荷力や疲労性能が低下している。
【0043】
従って、本発明によると、図1及び図2に示すように、管柱1の外表面にて各縦リブ鋼板4、4の間に補強材である繊維強化プラスチック20が貼り付けられる。このとき、繊維強化プラスチック20は、縦リブ鋼板4のリブ先端の応力集中部5を含み管柱1の軸線方向に沿って上下方向に全貼付長さH1(H1a+H1b)が管柱1、即ち、柱脚1aの外径Dの20%〜300%となる範囲内にて貼り付けられる。通常、H1a≧H1bとされる。貼付長さH1が柱脚1aの外径Dの20%より少ないと、繊維強化プラスチック20を貼り付けたことによる応力集中の緩和効果が少なくなり、柱脚1aの外径Dの300%を超えると、経済性、施工性の点で問題が発生する。
【0044】
例えば、管柱1の外径Dが小径の5cmとされる場合には、H1a、H1bは、3cm〜15cm(外径Dの60%〜300%)、管柱1の外径Dが大径の50cmとされる場合には、H1a、H1bは10cm〜100cm(外径Dの20%〜200%)、とされる。
【0045】
本発明によれば、図2及び図3に示すように、管柱1の内面にも繊維強化プラスチック20を貼り付けることができる。管柱1の内面には、縦リブ鋼板4などの障害物が存在しないので、内表面の全周にわたって設けることができる。このとき、繊維強化プラスチック20は、縦リブ鋼板4のリブ先端の応力集中部5を含み管柱の軸線方向に沿って上下方向に全貼付長さH2(H2a+H2b)が管柱1、即ち、柱脚1aの外径Dの20%〜300%となる範囲内にて貼り付けられる。通常、H2a≧H2bとされる。貼付長さH2が柱脚1aの外径Dの20%より少ないと、繊維強化プラスチック20を貼り付けたことによる応力集中の緩和効果が少なくなり、又、上述のように、経済性、施工性の点で柱脚1aの外径Dの300%程度までとされる。
【0046】
具体的には、上記外面貼付補強の場合と同様に、例えば、管柱1の外径Dが小径の5cmとされる場合には、H2a、H2bは、3cm〜15cm(外径Dの60%〜300%)、管柱1の外径Dが大径の50cmとされる場合には、H2a、H2bは10cm〜100cm(外径Dの20%〜200%)、とされる。
【0047】
本発明で使用する繊維強化プラスチック20は、強化繊維22にマトリクス樹脂23が含浸されたものであり、強化繊維22はクロス或いは一方向に配列されたものを使用することができる。
【0048】
通常、繊維強化プラスチック20は、強化繊維22が一方向に配列され、強化繊維22の配列方向が管柱1の軸線方向に沿って整列するように貼付される。
【0049】
このように、管柱1の曲げ方向への補強に対しては、強化繊維22が一方向に配列された繊維強化プラスチック20を管柱1の軸線方向に接着するのが、繊維方向を軸方向に配列することができるため有効である。ただ、繊維強化プラスチック20の繊維方向が、図4に示すように、結果的に管柱1の軸線方向から角度θだけずれたとしても、cosθの割合で有効性は残る。
【0050】
又、例えば、図9に示すように、上部に横方向に標識パネルを取り付けるための鋼製管柱1Aを備えた標識柱1のように、一方向への捩じりを受ける場合には、管柱の捩じり方向への補強のために、意図的に繊維強化プラスチック20の繊維方向を、図4に示すように、管柱1の軸線方向から角度θだけずらして貼り付けることができる。この場合には、角度θが45゜のとき捩じれ方向に対する補強は最も有効となる。
【0051】
管柱1が両方向に捩じりを受けるような場合には、管柱の両方向の捩じれに対する補強を行なうために、図5に示すように、繊維配列方向角度θ1の繊維強化プラスチック20と、繊維配列方向角度θ2の繊維強化プラスチック20とをそれぞれ所定数だけ積層して管柱1の表面に貼付することができる。角度θ1、θ2は同じであっても良く、異なっていても良い。
【0052】
強化繊維22としては、PAN系繊維、ピッチ系繊維などの炭素繊維を好適に使用することができる。強化繊維22は、炭素繊維のみに限定されるものではなく、その他に、ガラス繊維;ボロン、チタン、スチールなどの金属繊維;アラミド、ナイロン、ポリエステルなどの有機繊維;などを使用することができる。これら強化繊維は、単独で、或いは複数種混入してハイブリッドタイプにて使用することも可能である。
【0053】
又、マトリクス樹脂23としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又、所望に応じてポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂をも使用することができる。
【0054】
本発明によれば、繊維強化プラスチック20の強化繊維22としては、炭素繊維が好適に使用される。しかしながら、炭素繊維のように導電性の強化繊維を使用することにより補強材としての繊維強化プラスチック20が導電性とされる場合には、補強材と管柱との間に電流が流れ電食が起こることが考えられる。従って、繊維強化プラスチック20の強化繊維として導電性のものを使用した場合には、補強材と管柱との間に電流が流れるのを防止するために、管柱1の外面及び内面において、絶縁性付与を目的として、少なくとも補強材としての繊維強化プラスチック20と管柱表面との間に、即ち、最内層に、絶縁体層として例えばガラス繊維或は有機繊維などの非導電性のシート材料に樹脂を含浸して形成される繊維強化プラスチック30(図14)を貼付し、配置するのが好ましい。含浸樹脂としては、繊維強化プラスチック20に使用した樹脂を同様に使用することができる。
【0055】
本実施例によれば、詳しくは後述する補強効果の説明にて理解されるように、繊維強化プラスチックにより補強された金属管柱は、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力が大幅に緩和され、それにより耐荷力や疲労性能が大幅に向上する。又、繊維強化プラスチックによる金属管柱の補強は、容易で且つ迅速に施工し得るという特長を有している。
【0056】
実施例2
図6、図7に、本発明の金属管柱1の他の実施例を示す。本実施例の管柱1は、実施例1で説明したと同様の鋼製の管柱1、即ち、照明柱とされるが、その柱脚下端構造2に隣接した上方に安定器格納部10のための開口11が形成されている。安定器格納部10は、開口11の周辺管柱外表面に取付部12を溶接することにより取り付けられる。
【0057】
従って、このような管柱1においては、管柱1に荷重が作用した場合に安定器格納部10の取付部12の上下端溶接部13にも応力が集中する。
【0058】
従って、本実施例では、図7に示すように、少なくとも安定器格納部取付部12の下端に近接して繊維強化プラスチック20が貼り付けられる。繊維強化プラスチック20は、安定器格納部10の両側の取付部12に隣接して設けられる。このとき、繊維強化プラスチック20は、安定器格納部取付部12の下端の応力集中部13を中心として管柱1の軸線方向に沿って上下方向に全貼付長さH3(H3a+H3b)が管柱1、即ち、柱脚1aの外径Dの20%〜300%となる範囲内にて貼り付けられる。通常、H3a≧H3bとされる。貼付長さH3が柱脚1aの外径Dの20%より少ないと、繊維強化プラスチック20を貼り付けたことによる応力集中の緩和効果が少なくなり、又、柱脚1aの外径Dの300%を超えると、経済性、施工性の点で問題が発生する。
【0059】
具体的には、実施例1と同様に、例えば、管柱1の外径Dが小径の5cmとされる場合には、H3a、H3bは、3cm〜15cm(外径Dの60%〜300%)、管柱1の外径Dが大径の50cmとされる場合には、H3a、H3bは10cm〜100cm(外径Dの20%〜200%)、とされる。
【0060】
又、管柱1の円周方向に対する繊維強化プラスチック20の貼付け量は、安定器格納部取付部12から管柱1の円周方向に沿った貼付け幅(W)が、少なくとも2cm以上となるようにされる。貼付け幅(W)が2cmよりより少ないと、繊維強化プラスチック20を貼り付けたことによる応力集中の緩和効果を得るには繊維強化プラスチック20の厚みが厚くならざるを得ず、美観を損ねることとなる。又、厚さが厚くなると、繊維強化プラスチック補強材端部に応力が集中することなり、剥離を生じ易くなり好ましくない。
【0061】
勿論、図8に示すように、管柱1の開口11を除く態様にて、即ち、安定器格納部10を除いて管柱1の外面全周に繊維強化プラスチック20を貼付しても良い。しかしながら、この場合には、補強効果は増大するものの、経済性と施工性の点で不利となる。
【0062】
従って、最適の周方向の補強幅(W)は、2cm以上で、その最大幅は、要求される補強効果の点と、経済性、施工性の点とを勘案して決定されることとなる。
【0063】
更に、図7に一点鎖線にて示すように、安定器格納部取付部12の上端に近接して繊維強化プラスチック20を貼り付けることもできる。このとき、繊維強化プラスチック20は、安定器格納部取付部12の上端の応力集中部13を中心として管柱の軸線方向に沿って上下方向に全貼付長さH4(H4a+H4b)が管柱1、即ち、柱脚1aの外径Dの20%〜300%となる範囲内にて貼り付けられる。通常、H4a≧H4bとされる。貼付長さH4が柱脚1aの外径Dの20%より少ないと、繊維強化プラスチック20を貼り付けたことによる応力集中の緩和効果が少なくなり、柱脚1aの外径Dの300%を超えると、経済性、施工性の点で問題がある。
【0064】
具体的には、上述の下端補強と同様に、例えば、管柱1の外径Dが小径の5cmとされる場合には、H4a、H4bは、3cm〜15cm(外径の60%〜300%)、管柱1の外径Dが大径の50cmとされる場合には、H4a、H4bは10cm〜100cm(外径の20%〜200%)、とされる。
【0065】
又、管柱1の円周方向に対する繊維強化プラスチック20の最適の周方向の補強幅(W)は、上述したと同様に、2cm以上で、その最大幅は、要求される補強効果の点と、経済性、施工性の点とを勘案して決定されることとなる。
【0066】
繊維強化プラスチック20は、実施例1で説明したと同様のものを使用することができる。
【0067】
実施例1で説明したと同様に、絶縁性付与を目的として、少なくとも補強材としての繊維強化プラスチック20と管柱表面との間に、即ち、最内層に、絶縁体層として例えばガラス繊維或は有機繊維などの非導電性のシート材料に樹脂を含浸して形成される繊維強化プラスチック30を貼付し、配置するのが好ましい。含浸樹脂としては、繊維強化プラスチック20に使用した樹脂を同様に使用することができる。
【0068】
本実施例においても、実施例1と同様の作用効果を達成し得る。
【0069】
実施例3
上記実施例1、2は、例えば照明柱の柱脚下端接続構造2及び安定器格納部取付部12の補強について説明したが、本実施例では、標識を取り付けるための管柱の補強について説明する。
【0070】
標識取付用管柱の上部には、図9に示すように横方向に標識パネルを取り付けるための鋼製管柱、即ち、標識柱1Aが取り付けられている。
【0071】
このような鋼製の管柱1Aも又、実施例1に説明したと同様に柱脚下端接合構造2を有しており、実施例1の照明柱1と同様に、リブ上端部(図5にて左側端部)に応力が集中する。
【0072】
そこで、実施例1と同様に、応力が集中する柱脚下端接合構造2におけるリブ上端部近傍に補強材としての繊維強化プラスチック20を接着することにより、局部応力を緩和し、標識柱1Aの耐荷力や疲労性能を大幅に向上することができる。勿論、実施例1と同様に、繊維強化プラスチック20とされる補強材を当該鋼製標識柱の内側に設けることもできる。
【0073】
繊維強化プラスチック20の構成及び貼付態様は、実施例1と同様であるので、実施例1の説明を援用し、再度の説明は省略する。又、本実施例においても、実施例1と同様の作用効果を達成し得る。
【0074】
実施例4
本発明に従って構成される繊維強化プラスチック20にて補強された金属管柱1の製造方法について説明する。本実施例では、実施例1で説明した照明灯用の鋼製の管柱、即ち、照明柱を製造するものとする。
【0075】
本実施例で使用した被補強管柱は、溶融亜鉛メッキが施された照明用の鋼製管柱材質SS400相当のもので、実施例1にて説明したと同様に、安定器格納部10のための開口11は形成されていないものであった。更に具体的には、図1を参照して、管柱1は、柱脚1aの外径Dが175mm(直径に軸方向1/100テーパ)、厚み4mmとされ、ベースプレート3は350mm×350mm×25mm(厚)、縦リブ鋼板4は180mm(高さ)×80mm(底)×12mm(厚)とされ、リブ溶接脚長は8mmであった。
【0076】
先ず、図1にて示す鋼製管柱1の補強個所、即ち、両リブ4、4間及びその上方部とされる繊維強化プラスチック積層個所をサンドペーパにより研磨し、その後、当該個所をアセトンにより洗浄した。
【0077】
本発明によれば、上記管柱1の補強個所に補強材としての繊維強化プラスチック20が貼付されるが、本実施例では、管柱補強材としての繊維強化プラスチック20には、強化繊維22として炭素繊維を使用したので、最内層には、補強材20と管柱1との間に電流が流れ電食が発生するのを防止するために、絶縁体層としての繊維強化プラスチック30を設けた。この絶縁体層としての繊維強化プラスチック30は、図10(A)に示すように、網目状とされる支持体シート31の上に強化繊維としてのガラス繊維32を一方向に配列して構成されるガラス繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:ガラス繊維トウシート「FTS−GE−30」)30’に樹脂を含浸させることにより形成した。
【0078】
つまり、本実施例によると、上記管柱補強個所に、マトリクス樹脂としてのエポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上にガラス繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製ガラス繊維シート、商品名「FTS−GE−30」)30’を1枚貼付した。含浸ローラにて上記ガラス繊維シート30’を管柱外表面側へと押圧することにより、ガラス繊維32へとマトリクス樹脂が含浸され、ガラス繊維強化プラスチック30が形成される。
【0079】
次に、上記ガラス繊維強化プラスチック30の上に補強材としての繊維強化プラスチック20が貼付される。本実施例では、補強材としての繊維強化プラスチック20は、上記ガラス繊維強化プラスチック30と同様に、図11(A)に示すように、網目状とされる支持体シート21の上に強化繊維としての一方向に配列した炭素繊維22を設けた炭素繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:炭素繊維トウシート「FTS−C8−30」)30’に樹脂を含浸させることにより形成した。
【0080】
つまり、本実施例では、上記ガラス繊維強化プラスチック30の上に、上記と同じエポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上に炭素繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:炭素繊維トウシート「FTS−C8−30」)20’を貼り付け、含浸ローラにて炭素繊維へとマトリクス樹脂を含浸させた。
【0081】
以下同様の作業により、炭素繊維シート20’を合計7層含浸接着させ、硬化させ、補強材としての繊維強化プラスチック20を形成した。この繊維強化プラスチック20における繊維含有量(Vf)は全体で50%(体積)に調整した。
【0082】
補強材としての繊維強化プラスチック20は、図1に示すように、両リブ4、4間にては、溶接止端部より9mm離れた位置まで貼付し、管柱の軸線方向には、リブ上端13を中心として全貼付長さH1=262mm(H1a=142mm、H1b=120mm)となるように貼付した。
【0083】
繊維強化プラスチック20からなる補強材が硬化後、補強部外層として、アクリルウレタン系樹脂(日鉄コンポジット株式会社製アクリルウレタン系樹脂、商品名「FC−U」)を塗布し、表面の保護と、美観向上、耐久性、耐候性の確保を図った。
【0084】
管柱1の内面にも、上記した外面補強材と同じ材料を使用し、同じ手順にて、最内層にガラス繊維シート30を1枚積層し、図3に示すように、その上に炭素繊維シート20’を7枚積層し、各シート20’にはマトリクス樹脂を含浸させて繊維強化プラスチック20を形成した。
【0085】
本実施例にて使用した上記炭素繊維シート20’及びガラス繊維シート30’の性能は次に示すとおりであった。
・炭素繊維シート20’
繊維目付:300g/m2
設計厚さ:0.143mm
繊維種類:高強度カーボン
引張強度:20000kgf/cm2(2.0×103N/cm2)
引張弾性率:6.5×106kgf/cm2(6.6×105N/cm2)
・ガラス繊維シート30’
繊維種類:Eガラス
繊維目付:300g/m2
設計厚さ:0.118mm
引張強度:15000kgf/cm2(1.5×103N/cm2)
引張弾性率:7.4×105kgf/cm2(7.5×104N/cm2)
実施例5
上記実施例4では、補強材としての繊維強化プラスチック20及び絶縁体層としての繊維強化プラスチック30は、強化繊維シート20’、30’を使用して形成されたが、例えば、図11(B)及び図10(B)に示すように、強化繊維22、32にマトリクス樹脂23、33が含浸されたプリプレグ20”、30”を利用することもできる。即ち、最内層として管柱表面に積層されたガラス繊維プリプレグ30”の上に補強材としての繊維強化プラスチック20を接着剤にて所望の積層数だけ積層され、その後硬化される。
【0086】
つまり、更に具体的に説明すると、本実施例においても、実施例4と同じ図1に示す鋼製管柱を使用した。実施例4と同様に、先ず、上記鋼製管柱1の補強個所をサンドペーパにより研磨し、その後、当該個所をアセトンにより洗浄した。
【0087】
本実施例によれば、上記管柱1の補強個所には最内層として絶縁体層とされるプリプレグ30”を貼り付けた。最内層プリプレグ30”は、ガラス繊維平織スクリムクロス(ガラス繊維量25g/m2)と130℃硬化タイプのエポキシ樹脂を用いて作製したガラススクリムプリプレグとした。
【0088】
つまり、上記管柱補強個所に、接着剤、例えば、エポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上にガラススクリムプリプレグ30”を1枚貼付した。
【0089】
次ぎに、上記ガラススクリムプリプレグ30”の上に、接着剤、例えば、エポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)を用いて補強用の炭素繊維プリプレグ20”を7層積層した。
【0090】
炭素繊維プリプレグ20”は、日本グラファイトファイバー株式会社製のピッチ系炭素繊維(商品名:NT−60)(引張弾性率6.0N/mm2)22と130℃硬化タイプのエポキシ樹脂23を用いて作製した。この炭素繊維プリプレグ20”における炭素繊維目付量は300g/m2、繊維含有量Vfは約50%(体積)であった。
【0091】
又、実施例4と同様に、管柱1の内部にも補強を施した。即ち、最内層の第1層にはガラススクリムプリプレグ30”を積層し、次いで、7層の炭素繊維プリプレグ20”を積層した。
【0092】
プリプレグ20”、30”の硬化成形には、エアバッグとシール材を用いてプリプレグ補強部分を完全にラップし、オートクレーブを用いて加熱するエアバッグ成形法を採用した。
【0093】
又、別法として、管柱1の内面補強をなす場合には、図12に示す方法を採用し得る。
【0094】
つまり、この実施例では、シリコーンゴム製のバルーン50を用意し、その上に、炭素繊維プリプレグ20”を7層積層し、又、その上に、上記ガラススクリムクロスプリプレグ30”を積層する。
【0095】
その後、この炭素繊維プリプレグ20”及びガラススクリムクロスプリプレグ30”から成る積層物をシリコーンゴム製バルーン50と共に、管柱1の底部から管柱1の内部に挿入し、エアポンプによりシリコーンゴム製バルーン50を膨張させ、シート各層を展開する。この方法により、炭素繊維プリプレグ20”及びガラススクリムクロスプリプレグ30”から成る積層物が管柱1の内面に完全に圧着されることを確認した。
【0096】
その後、管柱外部にリボン状のパネルヒータを配置し、エアバッグを加圧状態に維持しながら管柱外部から内部のプリプレグ温度を130℃に加熱する。2時間後にプリプレグが完全に硬化した後、シリコーンゴム製バルーン50を管柱内から除去する。これにより、管柱内面に絶縁体用繊維強化プラスチック30から成る電食防止層が施された炭素繊維強化プラスチック20による補強層が形成される。
【0097】
実施例6
上記実施例4、5においては、管柱内面の補強を実施するに際し、繊維強化シート30’、20’或いはプリプレグ30”、20”をハンドレイアップにて管柱内面に貼り付けるものとしたが、本実施例では、図13に示すように、ガラススクリムクロスプリプレグ30”と炭素繊維プリプレグ20”を用いて、実施例4、5における内部補強用繊維強化プラスチック20及び絶縁体用繊維強化プラスチック30の貼り合せ繊維強化プラスチック硬化物と同様の寸法、形状をした成形品を予めオートクレーブエアバッグ成形法により成形した。
【0098】
このようにして別成形法にて作製された成形品(繊維強化プラスチック)を管柱内面に挿入し、サンドペーパで下地処理された管柱内面に接着剤、例えば、エポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)を用いて接合した。
【0099】
補強用成形品の作製法としては、上述のように、オートクレーブエアバッグ成形法以外に、例えば、金型プレス成形法、フィラメントワインディング成形法など、所定以上の繊維量と形状が実現可能な成形法であれば任意のものを採用し得る。
【0100】
勿論、補強用成形品は、実施例4にて示した樹脂未含浸のガラス繊維シート30’及び炭素繊維シート20’と、常温硬化型のエポキシ樹脂とを用いたハンドレイアップ成形法を採用して作製することも可能である。
【0101】
実施例7
実施例4、5、6にて説明したように、本発明によれば、管柱の被補強部(外面、内面)に、例えば、最内層絶縁体層として1層のガラス繊維強化プラスチック30と、更に補強材としての7層の炭素繊維強化プラスチック20とが積層される。通常、このような積層構造では、図14(A)に示すように、積層厚さ(t)が約2mm程度となる。
【0102】
本実施例によれば、積層構造の端部20aの構造が、図14(B)に示すように、管柱表面にある最内層の管柱表面(被補強体1a側)から、被補強体1aからより遠い最外層へと傾斜したテーパー構造とされる。
【0103】
この最外層を形成する補強材20、即ち、炭素繊維シート20’或いはプリプレグシート20”の長さは、補強に必要とされる補強材の最小長さとされる。即ち、最外層を形成する補強材の長さが、実施例1で説明したように、全貼付長さH1とされる。
【0104】
このようなテーパー構造は、実施例6のように補強材20が別成形で作製される場合は、積層などの成形工程で、プリプレグなどの構成シートのサイズを変化させることにより形成することができる。又、成形後に機械加工によりテーパー構造とすることも可能である。
【0105】
このように補強材20がテーパー構造をとることによる利点は、補強材20の端部20aに応力が集中することを緩和することである。即ち、管柱1の供用時に振動などで外部応力が付加される場合に、補強部に応力が集中し、補強材が管柱から剥離することを防ぐ効果がある。
【0106】
実施例8
実施例6においては、管柱内面の補強を実施するにあたり、別成形法にて作製した成形品(繊維強化プラスチック)を管柱内面に挿入し、管柱内面に接着剤を用いて接合するものとしたが、管柱外面の補強を行なうに際しても、同様に、別成形法にて作製した成形品(繊維強化プラスチック)を管柱外面に接着剤を用いて接合することもできる。
【0107】
このように、予め別工程にて成形した成形品を管柱外面に貼り付ける工法を採用することにより、場合によっては、管柱補強作業の効率化を図り得ることもある。
【0108】
一実施例について説明すると、先ず、図15に示すように、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)繊維を一方向に配列して構成される未だ樹脂が含浸されていないドライの強化繊維シートを、絶縁体層30として、サンドペーパで下地処理された被補強体1aの外表面に常温硬化型エポキシ樹脂を用いて含浸接着する。
【0109】
次いで、高弾性炭素繊維と常温硬化型エポキシ樹脂とを用いて作製された補強用成形品、即ち、繊維強化プラスチック20を接着剤、例えば、本実施例ではエポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)を用いて上記絶縁体層30に接合した。
【0110】
補強用成形品20の上下端部20aは、実施例7にて説明したように、テーパー形状に加工し、端部への応力集中を軽減するのが好ましい。
【0111】
本実施例で使用した絶縁体層30を構成するPBO繊維は、非導電性材料であるので、絶縁体層30は、電食を防ぐ効果がある。これは上述したとおりである。又、PBO繊維は、高弾性材料(引張弾性率:27ton/mm2(2.7×103N/mm2))であるため、他の有機繊維やガラス繊維(引張弾性率:7.4ton/mm2(7.5×102N/mm2))に比べて、繊維強化プラスッチック20に使用する高弾性炭素繊維(例えば、引張弾性率:60〜80ton/mm2(6.1〜8.2×103N/mm2))の補強効果を低減する割合が少ないという利点がある。
【0112】
本実施例によれば、繊維強化プラスチック20の上に、即ち、最外層として、繊維強化プラスチック20より大型のガラス繊維シート材料にエポキシ樹脂などのようなマトリクス樹脂を含浸して形成されるカバーシート40を配置した。この最外層カバーシート40は、内部の繊維強化プラスチック20が管柱、即ち、被補強体1aから剥離するのを防止したり、繊維強化プラスチック20の端部への応力集中を防止することができる。
【0113】
又、ガラス繊維シート材料40のマトリクス樹脂中に着色顔料を含有させた場合には、紫外線が直接内部の繊維強化プラスチック補強材20へと到達するのを防止し、補強材20の耐久性を向上させることができる。勿論、更にカバーシート40の外部をペイント、例えば、上述と同様にアクリルウレタン系樹脂(日鉄コンポジット株式会社製アクリルウレタン系樹脂、商品名「FC−U」)を塗布することにより、表面の保護と、美観向上、耐久性、耐候性の確保を図ることができる。
【0114】
カバーシート40としては、ガラス繊維シート材料のほかに、炭素繊維或いは有機繊維のシート材料をも使用し得る。
【0115】
実施例9
本発明にて好ましくは、図16に示すように、例えば、縦リブ鋼板4のリブ先端の上方の管柱1の外周表面に、最外層として、強化繊維22が円周方向に整列し、しかも管柱1を取り巻く態様で帯状に剥離防止層としての繊維強化プラスチック20Aを貼り付けることができる。
【0116】
つまり、帯状繊維強化プラスチック20Aは、補強材としての軸線方向に貼付した繊維強化プラスチック20と管柱1の外表面とに跨って貼り付けられる。繊維強化プラスチック20の上端より上方へと貼付長さH5aにて帯状繊維強化プラスチック20Aを貼り付けることにより、実施例7にて説明したテーパー構造と同様の効果、即ち、管柱の供用時に振動などで外部応力が付加される場合に、繊維強化プラスチック20の上端部に応力が集中し、補強材20が管柱1から剥離するのを防止する効果を有する。又、繊維強化プラスチック20の上端より下方へと貼付長さH5bにて帯状繊維強化プラスチック20Aを貼り付け、周方向に巻き締めることにより、管柱に対して補強材20を押し付ける力(拘束力)を発生させ、補強材20が剥離する力を消すことにより補強材20が剥離することを防止することができる。又、帯状繊維強化プラスチック20Aを繊維強化プラスチック20の上端部に巻き付けることは、美観上も好ましいと思われる。
【0117】
剥離防止層としての帯状の繊維強化プラスチック20Aは、補強材としての繊維強化プラスチック20の上端より上方及び下方へとそれぞれ貼付長さH5a、H5bにて貼り付けられる。上方への貼付長さH5aは、管柱1、即ち、柱脚1aの外径Dの5%から30%となる範囲にて貼り付けられる。5%より少ないと、上端部での段差をなくし応力集中を緩和する効果が薄れる可能性があると共に、施工時の精度要求が厳しくなってしまう。一方、30%以上の場合には、経済性、施工性の点で問題が生じる。
【0118】
下方への貼付長さH5bは、管柱1、即ち、柱脚1aの外径Dの5%以上が有効である。5%より少ないと、剥離防止の効果と施工の要求精度の点で問題が生じる可能性がある。なお、貼付長さH5bは、強度の点では長いほどよく、長くしたことによる問題点は経済性以外には特になく、縦リブ鋼板4の上端まで延在して貼付することもできる。
【0119】
剥離防止層としての繊維強化プラスチック20Aは、補強材としての繊維強化プラスチック20と同じとし得るが、他にも、ガラスクロスなどを使用した強化繊維シートと樹脂材料により周方向にも繊維の補強効果が期待できる材料なら任意のものを使用し得る。
【0120】
又、剥離防止層20Aは、繊維強化プラスチック20の上端部に巻き付けるだけでなく、図16に一点鎖線にて示すように、繊維強化プラスチック20の下方端にも、上述したと同様にして貼付することができる。
【0121】
実施例10
本実施例10及び実施例11〜22では、既に橋梁上などに据え付けられている管柱に対する補強方法について説明する。橋梁上などに据え付けられている管柱に対する補強をなすに際しても、基本的には、上記実施例1〜9にて説明したと同様の補強方法及び管柱の製造方法と同様の補強方法が管柱に対して施工されるが、管柱の内面に対する繊維強化プラスチック20の貼付は、実際上その施工が不可能であるので行われない。
【0122】
本実施例10にて本発明の補強方法を適用した管柱1は、照明ポールとして組上げられ、橋梁上に施工された供用2年目のものであった。
【0123】
この照明ポールの柱脚下端接合構造2の具体的寸法は、柱脚1aの外径が175mm(直径に軸方向1/100テーパ)、厚み4mm、ベースプレート3は350mm×350mm×25mm、縦リブ鋼板4は180mm(高さ)×80mm底×12mm厚とされ、リブ溶接脚長は8mmであり、管柱1(即ち、柱脚1a)の縦弾性係数E=21000kgf/mm2(2.1×103N/mm2)、ポアソン比ν=0.3であった。
【0124】
斯かる照明ポールは、溶融亜鉛メッキ仕上げされているために、先ず、上記補強される部位、即ち、両リブ4、4間及びその上方部とされる繊維強化プラスチック積層個所を電動サンダにより入念に処理し、メッキ層を完全に除去する。次いで、メッキ層が除去された個所をアセトンにより洗浄する。
【0125】
本発明によれば、上記管柱1の補強個所に補強材としての繊維強化プラスチック20が貼付されるが、本実施例では、管柱補強材としての繊維強化プラスチック20には、強化繊維22として炭素繊維を使用したので、最内層には、補強材20と管柱1との間に電流が流れ電食が発生するのを防止するために、絶縁体層としての繊維強化プラスチック30を設けた。この絶縁体層としての繊維強化プラスチック30は、図10(A)に示すように、網目状とされる支持体シート31の上に強化繊維としてのガラス繊維32を一方向に配列して構成されるガラス繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:ガラス繊維トウシート「FTS−GE−30」)30’に樹脂を含浸させることにより形成した。
【0126】
つまり、本実施例によると、上記管柱補強個所に、マトリクス樹脂としてのエポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上に上記ガラス繊維シート30’を1枚貼付した。含浸ローラにて上記ガラス繊維シート30’を管柱外表面側へと押圧することにより、ガラス繊維32へとマトリクス樹脂が含浸され、ガラス繊維強化プラスチック30が形成される。
【0127】
次に、上記ガラス繊維強化プラスチック30の上に補強材としての繊維強化プラスチック20が貼付される。本実施例では、補強材としての繊維強化プラスチック20は、上記ガラス繊維強化プラスチック30と同様に、図11(A)に示すように、網目状とされる支持体シート21の上に強化繊維としての一方向に配列した炭素繊維22を設けた炭素繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:炭素繊維トウシート「FTS−C8−30」)20’に樹脂を含浸させることにより形成した。
【0128】
つまり、本実施例では、上記ガラス繊維強化プラスチック30の上に、上記と同じエポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上に炭素繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:炭素繊維トウシート「FTS−C8−30」)20’を貼り付け、含浸ローラにて炭素繊維へとマトリクス樹脂を含浸させた。
【0129】
以下同様の作業により、炭素繊維シート20’を合計14層含浸接着させ、硬化させ、補強材としての約4mm厚の繊維強化プラスチック20を形成した。このとき、本実施例では、14層の炭素繊維シート20’は、実施例7で説明したように、繊維強化プラスチック20の端部20aがテーパー形状となるように積層した。又、この繊維強化プラスチック20における繊維含有量(Vf)は全体で50%(体積)に調整した。
【0130】
補強材としての繊維強化プラスチック20は、図1に示すように、両リブ4、4間にては、溶接止端部より9mm離れた位置まで貼付し、管柱の軸線方向には、リブ上端13を中心として全貼付長さH1=262mm(H1a=142mm、H1b=120mm)となるように貼付した。
【0131】
繊維強化プラスチック20からなる補強材が硬化後、補強部外層として、アクリルウレタン系樹脂(日鉄コンポジット株式会社製アクリルウレタン系樹脂、商品名「FC−U」)を塗布し、表面の保護と、美観向上、耐久性、耐候性の確保を図った。
【0132】
本実施例にて使用した上記炭素繊維シート20’及びガラス繊維シート30’の性能は次に示すとおりであった。
・炭素繊維シート20’
繊維目付:300g/m2
設計厚さ:0.143mm
繊維種類:高強度カーボン
引張強度:20000kgf/cm2(2.0×103N/cm2)
引張弾性率:6.5×106kgf/cm2(6.6×105N/cm2)
・ガラス繊維シート30’
繊維種類:Eガラス
繊維目付:300g/m2
設計厚さ:0.118mm
引張強度:15000kgf/cm2(1.5×103N/cm2)
引張弾性率:7.4×105kgf/cm2(7.5×104N/cm2)
本実施例によれば、繊維強化プラスチックによる金属管柱の補強は、容易で且つ迅速に施工することができた。又、繊維強化プラスチックにより補強された金属管柱は、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力が大幅に緩和され、それにより耐荷力や疲労性能が大幅に向上することが分かった。
【0133】
実施例11
本実施例においても、上記実施例10と同様に、本発明の補強方法を適用した管柱1は、照明ポールとして組上げられ、橋梁上に施工された供用2年目のものであり、この照明ポールの柱脚下端接合構造2の具体的寸法は、実施例10に記載する通りであった。
【0134】
実施例10と同様に、照明ポール表面に補強材としての約4mm厚の炭素繊維強化プラスチック20を形成するために、実施例6に示すように、別成形法にて作製された成形品(繊維強化プラスチック)を照明ポール表面に貼付した。
【0135】
つまり、本実施例では、材料として日本グラファイトファイバー株式会社製のピッチ系炭素繊維(商品名:NT−60)を使用したプリプレグを用いた。このプリプレグを所定のサイズにカットし、14枚積層し、エアバッグ法により補強用の成形品、即ち、繊維強化プラスチック20を作製した。
【0136】
尚、本実施例においても、14層の炭素繊維プリプレグシートは、実施例7で説明したように、繊維強化プラスチック20の端部20aがテーパー形状となるように積層した。又、この繊維強化プラスチック20における繊維含有量(Vf)は全体で50%(体積)に調整した。
【0137】
実施例10と同様に、供用中の照明ポールの被補強部をサンダー処理し、アセトン洗浄した。
【0138】
次いで、実施例10と同様に、管柱補強個所に、マトリクス樹脂としてのエポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上に実施例10で用いたと同じガラス繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製ガラス繊維シート、商品名「FTS−GE−30」)30’を1枚貼付した。含浸ローラにて上記ガラス繊維シート30’を管柱外表面側へと押圧することにより、ガラス繊維32へとマトリクス樹脂が含浸され、ガラス繊維強化プラスチック30が形成される。
【0139】
次に、上記ガラス繊維強化プラスチック30の上に再度上記エポキシ樹脂(日鉄コンポジット株式会社製エポキシ樹脂、商品名「FR−E3P」)をローラを用いて塗布し、その上に上記別成形により得た成形品である4mm厚の炭素繊維繊維強化プラスチック20を貼付した。即ち、炭素繊維強化プラスチックは、各リブ4、4間にそれぞれ1枚づつ、計4枚接着した。貼付した寸法形状は、実施例10と同様とした。
【0140】
最外層には、実施例10と同様に、アクリルウレタン系樹脂(日鉄コンポジット株式会社製アクリルウレタン系樹脂、商品名「FC−U」)を塗布し、表面の保護と、美観向上、耐久性、耐候性の確保を図った。
【0141】
本実施例によれば、繊維強化プラスチックによる金属管柱の補強は、容易で且つ迅速に施工することができた。又、繊維強化プラスチックにより補強された金属管柱は、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力が大幅に緩和され、それにより耐荷力や疲労性能が大幅に向上することが分かった。
【0142】
実施例12
本実施例は、先の実施例11と同様であるが、ただ繊維強化プラスチック20を管柱外表面に貼付した後、実施例9及び図16に示すように、繊維強化プラスチック20の上端及び下端に剥離防止層20Aを設けた。
【0143】
本実施例で、剥離防止層20Aは、ガラス繊維トウシート(FTS−GE−301)30’を常温硬化型エポキシ樹脂(FR−E3P)を用いて管柱の周方向に含浸接着することにより形成した。この剥離防止層20Aにおける繊維含有量(Vf)は全体で50%(体積)に調整した。
【0144】
本実施例で、剥離防止層20Aの寸法形状は、図16にて、H5a=2cm、H5b=4cmとした。繊維強化プラスチック20の上端は鉢巻き状に管柱を取り巻いた貼付したが、下端は、リブ4、4間において上記寸法H5a=2cm、H5b=4cmにて貼付した。
【0145】
剥離防止層20Aを設けたことにより、補強用成形品20が上端部或いは下方端部から剥離するといったトラブルが有効に防止できた。
【0146】
実施例13
上記実施例10、11、12において、繊維強化プラスチック20を覆って最外層として、実施例8にて説明したカバーシート40を設け、更にその上にアクリルウレタン系樹脂(日鉄コンポジット株式会社製アクリルウレタン系樹脂、商品名「FC−U」)を塗布し、表面の保護と、美観向上、耐久性、耐候性の確保を図った。
【0147】
本実施例にてカバーシート40は、繊維強化プラスチック20の層より大きい寸法をしたガラス繊維シート材料に常温硬化型樹脂を含浸接着することにより形成した。
【0148】
実施例14
上記実施例10〜13において、最内層としてガラス繊維シートの代わりにPBO繊維シートを用いた。実施例10〜13の場合より、最内層として絶縁体層30を設けることによる補強効果の低減を緩和することができた。
【0149】
実施例15
実施例10〜13と同様の手順にて図9に示す標識パネルを現場補強した。本実施例においても、先の実施例と同様の作用効果を得ることができた。
【0150】
実施例16
実施例10〜13と同様の手順にて、図6に示す安定器格納部の開口部を、図7に示す補強態様にて現場補強した。本実施例においても、先の実施例と同様の作用効果を得ることができた。
【0151】
実施例17
本実施例は、先の実施例11と同様であるが、被補強部の表面処理後に、ガラス繊維シート30’を施さず、エポキシ樹脂系プライマー(日鉄コンポジット株式会社製、商品名「FP−NS」)をローラを用いて塗布した。その後、約1日放置し、強固な硬化膜を形成した。このプライマー硬化膜は、ガラス繊維シート層を施工せずに、電食防止層として十分機能した。
【0152】
実施例18
本実施例は、先の実施例13と同様であるが、プライマー硬化膜の層は、その後に施工される炭素繊維強化プラスチック20の層よりも各辺とも1cmずつ広くなるように形成した。
【0153】
更に、本実施例では、炭素繊維強化プラスチック20の施工後、その表面に、実施例8にて説明したカバーシート40として、100g/m2目付けのガラスクロスから成るガラス繊維シートにエポキシ樹脂を含浸させてガラス繊維強化プラスチックの層を形成した。ガラス繊維強化プラスチックの層は、炭素繊維強化プラスチック20の層よりも各辺とも1cmずつ広くなるように形成した。その結果、炭素繊維強化プラスチック20がガラス繊維にサンドイッチ状に包まれた構造となり、より完全な電食防止効果が得られた。
【0154】
実施例19
図17には、図6及び図7に示すように、柱脚下端構造2に隣接して上方に安定器格納部10のための開口を有する管柱11の補強方法の他の実施例を示す。
【0155】
本実施例によれば、実施例16にて説明したと同様にして管柱1の外表面を補強する。本実施例では、管柱1の内部に、安定器格納部10の開口を利用して鉄筋コンクリート60を打設することができる。
【0156】
本実施例によれば、実施例16と同様の作用効果を得ることができると共に、管柱1の内部を鉄筋コンクリート60にて補強したことにより、管柱1の撓み及び変形を更に防止することができる。
【0157】
実施例20
金属管柱1には、図18及び図19に示すように、管柱1が途中で、例えば基礎ボルト接合用ベースプレート3から上方に1.8m程度の位置にて接続されて一体とされたものがある。
【0158】
その接続構造の一実施例を図19に示す。本実施例の接続構造70によれば、管柱1の下方に位置した下方管柱1Aにはその上端部に下接続部材71が一体に固定され、管柱1の上方に位置した上方管柱1Bにはその下端部に上接続部材72が一体に固定される。
【0159】
下接続部材71は、下方管柱1Aの内周部に嵌合した円筒体73とされ、円筒体外表面の一部に管柱1Aの外径と同じ外径とされる環状取付け部74が形成される。下接続部材71は、この取付け部74の下方環状肩部75が下方管柱1Aの上端面に溶接により一体に接続される。
【0160】
上接続部材72は、上方管柱1Bと同じに下方へと延材した円筒体76とされ、円筒体76の上端面77が上方管柱1Bの下端面に溶接され一体に接続される。尚、円筒体76の上端には、上方管柱1Bの内周部に嵌合した円筒体78が一体に接続されている。
【0161】
上記構成の接続構造70にて、下接続部材71の円筒体73は、上接続部材72の円筒体76の内周部に嵌合して接続される。更に、図示するように、下接続部材71の円筒体73と上接続部材72の円筒体76とは、ネジ79にて一体に固定される。
【0162】
斯かる構造の管柱1では、管柱1に加わる風、更には、交通振動によりネジ79の緩みが生じ、ネジ79が疲労し、接続構造70の強度が低下する虞がある。
【0163】
そこで、本実施例では、管柱1の外表面にて、上記接続構造70及びこの接続構造70に隣接した上下管柱1A、1Bの領域にわたって繊維強化プラスチック20が貼り付けられる。繊維強化プラスチック20の形成方法は、上記各実施例にて説明したと同じ方法にて施工される。
【0164】
勿論、上記各実施例と同様にして、繊維強化プラスチック20の内面及び外面にそれぞれ絶縁体層30及びカバーシート40を設けることができる。
【0165】
本実施例においても、先の各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0166】
実施例21
上記各実施例では、エアバッグ成形法を使用して補強部を成形し、良好な結果を得ることができた。
【0167】
つまり、繊維強化プラスチック20を貼付した後、更には、その上にカバーシート40を形成した後、繊維強化プラスチック20及びその上に形成されたカバーシート40、更にはエアバッグの内部材をエアバッグ及びシール材により覆う。
【0168】
次いで、エアバッグの吸引端子から真空ポンプにより吸気を排気し、エアバッグの内部材に大気圧が負荷されるようにする。減圧を確認後、エアバッグの吸引端子を閉じ、真空ポンプを脱着する。吸引端子が閉じられているため、真空ポンプ脱着後も内部の減圧状態、即ち、外部から加圧される状態は維持された状態で、樹脂材料の硬化が可能である。
【0169】
この結果、補強材としての繊維強化プラスチック20、剥離防止層20A、或いはカバーシート40などの内部材料が管柱表面に向かって外部から加圧された状態で成形されるため、内部の空隙、過度の樹脂溜り層の発生がなく、より強固に接着された補強部を形成することができた。
【0170】
実施例22
実施例21において、エアバッグにより補強材としての繊維強化プラスチック20、剥離防止層20A、或いはカバーシート40などの内部材料を覆った後、その外部にパネルヒータを配置し、約50℃程度に加温することで、樹脂の硬化反応を促進させた。この加温システムは特に冬期の夜間に外気温度が低下し、樹脂の硬化に時間がかかる際に有効であった。又、パネルヒータの代わりに、市販の携帯カイロを使用することも可能である。
【0171】
補強効果
次ぎに、上記実施例にて説明した本発明に従って補強された管柱1の補強効果について説明する。
・補強効果1
本発明に従った管柱1における溶接部の応力分布をFEM解析により調べた。この試験での対象モデルは、図1及び実施例1、4、実施例10〜15などに関連して説明した管柱1に相当するものであった。
【0172】
つまり、FEM解析対象被補強管柱1、即ち、柱脚1aは、外径が175mm(直径に軸方向1/100テーパ)、厚み4mmとし、ベースプレート3は350mm×350mm×25mm、縦リブ鋼板4は180mm(高さ)×80mm底×12mm厚とされ、リブ溶接脚長は8mmとし、使用する補強材としての繊維強化プラスチック20は、一方向に配列した炭素繊維シートを7層積層し、エポキシ樹脂を含浸し、繊維強化プラスチック20における繊維含有量(Vf)は50%(体積)である場合を想定した。
【0173】
つまり、材料定数としては、
(1)管柱1(柱脚1a)
縦弾性係数E=21000kgf/mm2(2.1×103N/mm2)
ポアソン比ν=0.3
(2)繊維強化プラスチック20
縦弾性係数E1=30000kgf/mm2(3.0×103N/mm2)
E2=30000kgf/mm2(3.0×103N/mm2)
ポアソン比ν12=0.31、ν21=0.000641
せん断弾性係数G12=490kgf/mm2(50N/mm2)
とした。
【0174】
解析ケースは、表1に示すとおりであった。FEM解析結果を図20に示す。
【0175】
図20から本発明に従って補強された管柱(補強1案〜4案)では、溶接部の応力集中が緩和されていることが分かる。
【0176】
【表1】
【0177】
・補強効果2
本発明に従った管柱における溶接部の応力分布をFEM解析により調べた。この試験での対象モデルは、図6、7及び実施例2、実施例16などに関連して説明した安定器格納部のための開口を有した管柱に相当するものであった。
【0178】
FEM解析対象被補強管柱は、補強効果2で説明したものと同様であり、ただ、管柱には開口が形成された。
【0179】
つまり、管柱1は、外径が175mm(直径に軸方向1/100テーパ)、厚み4mmとし、ベースプレート3は350mm×350mm×25mm、縦リブ鋼板4は180mm(高さ)×80mm底×12mm厚とされ、リブ溶接脚長は8mmとした。
【0180】
又、安定器格納部管柱開口部のコーナーR1(図7)は40mm、安定器格納部蓋開口部のコーナーR2(図7)は40mm、安定器格納部蓋板厚は4.5mmとした。
【0181】
使用する補強材としての繊維強化プラスチック20は、一方向に配列した炭素繊維シートを7層積層し、エポキシ樹脂を含浸し、繊維強化プラスチック20における繊維含有量(Vf)は50%(体積)である場合を想定した。
【0182】
つまり、材料定数としては、
(1)管柱1(柱脚1a)
縦弾性係数E=21000kgf/mm2(2.1×103N/mm2)
ポアソン比ν=0.3
(2)繊維強化プラスチック20
縦弾性係数E1=30000kgf/mm2(3.0×103N/mm2)
E2=30000kgf/mm2(3.0×103N/mm2)
ポアソン比ν12=0.31、ν21=0.000641
せん断弾性係数G12=490kgf/mm2(50N/mm2)
とした。
【0183】
解析ケースは、表2に示すとおりであった。FEM解析結果、本発明に従って補強された管柱(補強1案〜3案)では、いずれのケースにおいても、安定器格納部取付部下端及び安定器格納部管柱開口部のコーナーの応力集中が15〜20%程度にまで緩和されていることが分かった。
【0184】
【表2】
【0185】
・補強効果3
実施例1〜20などにて説明した本発明に従った繊維強化プラスチックによる管柱の補強効果を確認するために補強曲げ試験を行なった。
【0186】
試験板Sは、母材S1としての幅75mm×長さ300mm×厚み4mmのアルミニウム及び鋼板の表面に繊維強化プラスチック20を接着し、補強したものである。
【0187】
更に説明すると、実施例10で説明した炭素繊維シート(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:炭素繊維トウシート「FTS−C8−30」)20’とMMA系含浸接着樹脂(日鉄コンポジット株式会社製、商品名:「FRM1P」)を用いた。成形法も実施例10と同様で母材S1の上に炭素繊維シート20’を合計7層積層含浸接着させ、硬化させた試験板Sを作製した。
【0188】
この試験板Sを図21に示すようにスパン間隔260mmで、3点曲げを実施した。測定によって得られた実測弾性率、実測曲げ剛性と、参考値として計算から得られる設計弾性率、設計曲げ剛性を表3に示す。
【0189】
【表3】
【0190】
すなわち、実測曲げ剛性は、オリジナルの被補強体(母材)S1に比較して5.9倍にも向上しており高い補強効果が確認できた。
【0191】
上記各実施例では、本発明の金属管柱は、照明柱、標識柱などの鋼製の管柱であるとして説明したが、表示柱、電柱、鉄道架線柱、信号柱、門型柱、更には建築構造用の角柱など、その他種々の管柱とすることもでき、更には、鋼製の管柱に限定されるものではなく、本発明の原理は、アルミニウム製の管柱、ステンレススチール製の管柱などにも同様に適用することができ、同様の作用効果を達成し得る。又、管柱の断面は、円形に限定されるものではなく、4角形、8角形その他の角柱、更には、楕円など種々の形状とし得ることは勿論のことである。
【0192】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る金属管柱は、金属管柱の外面及び/又は内面にて、応力集中部及び/又はその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、局部応力を緩和した構成とされるので、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力を大幅に緩和することができ、それにより耐荷力や疲労性能を大幅に向上することができる。
【0193】
又、本発明に係る金属管柱の補強方法は、金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する構成とされるので、橋梁上などに据え付けられている金属管柱に対して、応力集中部における局部応力、溶接部における溶接熱残留応力を大幅に緩和することができ、それにより耐荷力や疲労性能を大幅に向上することができ、しかも、容易で且つ迅速に施工し得る、という特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属管柱の一実施例を示す斜視図である。
【図2】補強された金属管柱の横断面図である。
【図3】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す正面図である。
【図7】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】絶縁体としての繊維強化プラスチックを作製するための繊維強化シート(図10(A))及びプリプレグ(図10(B))の構成を示す図である。
【図11】補強材としての繊維強化プラスチックを作製するための繊維強化シート(図11(A))及びプリプレグ(図11(B))の構成を示す図である。
【図12】管柱の内面補強のための繊維強化プラスチックの作製方法の一実施例を示す説明図である。
【図13】管柱の内面補強のための繊維強化プラスチックの作製方法の他の実施例を示す説明図である。
【図14】繊維強化プラスチック端面部のテーパー構造を説明するための図である。
【図15】管柱の外面補強のための繊維強化プラスチック補強材貼付態様を説明するための図である。
【図16】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る金属管柱の補強方法の他の実施例を示す断面図である。
【図18】本発明に係る金属管柱の他の実施例を示す正面図である。
【図19】図18に示す金属管柱の接続構造を説明する断面図である。
【図20】本発明に係る金属管柱の補強効果を説明するためのグラフ(図20(A))と、測定個所を示す図(図20(B))である。
【図21】本発明に係る金属管柱の曲げ強度を試験するための試験方法を説明するための図である。
【図22】従来の金属管柱の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1A 金属管柱
1a 柱脚
2 柱脚下端接合構造
3 ベースプレート
4 縦リブ鋼板
10 安定器格納部
11 管柱開口
12 取付部
20、20A 繊維強化プラスチック(補強材)
20’ 強化繊維シート
20” プリプレグ
30 繊維強化プラスチック(絶縁体)
30’ 強化繊維シート
30” プリプレグ
40 カバーシート
50 シリコーンゴム製バルーン
60 鉄筋コンクリート
70 接続構造
Claims (55)
- 金属管柱の外面及び/又は内面にて、応力集中部及び/又はその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、局部応力を緩和した金属管柱において、
前記繊維強化プラスチックの上端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱。 - 金属管柱の外面及び/又は内面にて、応力集中部及び/又はその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、局部応力を緩和した金属管柱において、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱。 - 前記繊維強化プラスチックは、応力集中部を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付することを特徴とする請求項1又は2の金属管柱。
- 前記金属管柱は、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる請求項1、2又は3の金属管柱。
- 管柱の柱脚下端に、ベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付したことを特徴とする金属管柱。 - 前記繊維強化プラスチックは、前記縦リブの上端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付することを特徴とする請求項5の金属管柱。
- 前記金属管柱の内面には、管柱の外面に貼付された繊維強化プラスチックに対応した位置を含む全内周にわたって繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする請求項5又は6の金属管柱。
- 繊維強化プラスチックを所定形状に成形し、硬化した後、前記管柱の外面及び/又は内面に装着し、接合することを特徴とする請求項7の金属管柱。
- 前記金属管柱、前記ベースプレート及び前記縦リブは、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる請求項5〜8のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 管柱の柱脚下端に、ベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの上端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱。 - 管柱の柱脚下端に、ベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱。 - 前記繊維強化プラスチックは、前記縦リブの上端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付することを特徴とする請求項10又は11の金属管柱。
- 前記金属管柱の内面には、管柱の外面に貼付された繊維強化プラスチックに対応した位置を含む全内周にわたって繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする請求項10、11又は12の金属管柱。
- 繊維強化プラスチックを所定形状に成形し、硬化した後、前記管柱の外面及び/又は内面に装着し、接合することを特徴とする請求項13の金属管柱。
- 前記金属管柱、前記ベースプレート及び前記縦リブは、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる請求項10〜14のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 管柱に開口を形成し、開口の周りに箱状格納部の取付部を溶接して設けた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記箱状格納部取付部の両側部にてしかも取付部の上端及び/又は下端、並びにその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの上端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱。 - 管柱に開口を形成し、開口の周りに箱状格納部の取付部を溶接して設けた管柱において、
前記管柱の外面及び/又は内面にて、且つ、前記箱状格納部取付部の両側部にてしかも取付部の上端及び/又は下端、並びにその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱。 - 前記繊維強化プラスチックは、前記箱状格納部の取付部の上端及び/又は下端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で、且つ、前記取付部から円周方向に沿って少なくとも2cm以上の貼付け幅で貼付することを特徴とする請求項16又は17の金属管柱。
- 前記金属管柱及び前記箱状格納部取付部は、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる請求項16〜18のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維シートを管柱表面に貼付し、この強化繊維シートにマトリクス樹脂を含浸させて形成されることを特徴とする請求項1〜19のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグを管柱表面に貼付して形成されることを特徴とする請求項1〜20のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 前記強化繊維は一方向に配列されていることを特徴とする請求項20又は21の金属管柱。
- 前記繊維強化プラスチックは、前記強化繊維が、管柱の軸線方向に整列して或いは管柱の軸線方向に対して所定の角度傾斜して貼付されることを特徴とする請求項22の金属管柱。
- 前記強化繊維は、炭素繊維;ガラス繊維;ボロン、チタン、スチールなどの金属繊維;又は、アラミド、ナイロン、ポリエステルなどの有機繊維;などを一種、或いは、複数種混入して使用され、前記マトリクス樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又は、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする請求項20〜23のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 前記繊維強化プラスチックと前記管柱表面との間に最内層として絶縁体層を設けたことを特徴とする請求項1〜24のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 前記絶縁体層は、エポキシ樹脂系プライマーを塗布し硬化した硬化膜とされることを特徴とする請求項25の金属管柱。
- 前記絶縁体層は、ガラス繊維又は有機繊維などの非導電性のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとされることを特徴とする請求項25の金属管柱。
- 前記繊維強化プラスチック外面を覆って、最外層としてカバー層を設けたことを特徴とする請求項1〜27のいずれかの項に記載の金属管柱。
- 前記カバー層は、ガラス繊維、炭素繊維、或いは有機繊維のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとされることを特徴とする請求項28の金属管柱。
- 前記マトリクス樹脂は、着色顔料を含有することを特徴とする請求項29の金属管柱。
- 前記カバー層の外層にアクリルウレタン系樹脂を塗布することを特徴とする請求項28、29又は30の金属管柱。
- 金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記管柱は、管柱の柱脚下端にベースプレートが溶接され、柱脚下端部の円周方向に所定間隔にて縦リブが溶接にて接合された柱脚下端接合構造を備えた管柱であり、前記管柱の外面にて、且つ、前記各縦リブの間に繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱の補強方法。 - 前記繊維強化プラスチックは、前記縦リブの上端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付することを特徴とする請求項32の金属管柱の補強方法。
- 金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記管柱は、管柱に開口が形成され、開口の周りに箱状格納部の取付部を溶接して設けられた管柱であり、前記管柱の外面にて、且つ、前記箱状格納部取付部の両側部にてしかも取付部の上端及び/又は下端、並びにその近傍に繊維強化プラスチックを貼付し、
前記繊維強化プラスチックは、前記箱状格納部の取付部の上端及び/又は下端を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で、且つ、前記取付部から円周方向に沿って少なくとも2cm以上の貼付け幅で貼付し、
前記管柱の開口を介して、管柱の内部に鉄筋コンクリートを打設することを特徴とする金属管柱の補強方法。 - 金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記繊維強化プラスチックの上端及び/又は下端を覆って、強化繊維が円周方向に配列するようにして繊維強化プラスチックを貼付することを特徴とする金属管柱の補強方法。 - 金属管柱の外面にて、応力集中部及び/又はその近傍に、又は、金属管柱接続部を取り巻いて、繊維強化プラスチックを貼付する金属管柱の補強方法において、
前記繊維強化プラスチックの端面は、テーパー構造とされることを特徴とする金属管柱の補強方法。 - 前記金属管柱は、鋼製、アルミニウム製或いはステンレススチール製とされる請求項32〜36のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックは、応力集中部を含めその上下に全貼付長さが管柱の外径の20%〜300%となる範囲で貼付することを特徴とする請求項35、36又は37の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックを貼付する前に、前記金属管柱の前記繊維強化プラスチックを貼付する個所のメッキは除去することを特徴とする請求項32〜38のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させて所定形状に成形し、硬化した後、前記管柱の外面に装着し、接合することを特徴とする請求項32〜39のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維シートを管柱の外面に貼付し、この強化繊維シートにマトリクス樹脂を含浸させて形成されることを特徴とする請求項32〜39のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックは、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグを管柱の外面に貼付して形成されることを特徴とする請求項32〜39のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記強化繊維は一方向に配列されていることを特徴とする請求項40、41又は42の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックは、前記強化繊維が、管柱の軸線方向に整列して或いは管柱の軸線方向に対して所定の角度傾斜して貼付されることを特徴とする請求項43の金属管柱の補強方法。
- 前記強化繊維は、炭素繊維;ガラス繊維;ボロン、チタン、スチールなどの金属繊維;又は、アラミド、ナイロン、ポリエステルなどの有機繊維;などを一種、或いは、複数種混入して使用され、前記マトリクス樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又は、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする請求項40〜44のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチックと前記管柱の外面との間に最内層として絶縁体層を設けたことを特徴とする請求項42〜45のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記絶縁体層は、エポキシ樹脂系プライマーを塗布し硬化した硬化膜とされることを特徴とする請求項46の金属管柱の補強方法。
- 前記絶縁体層は、ガラス繊維又は有機繊維などの非導電性のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとされることを特徴とする請求項46の金属管柱の補強方法。
- 前記有機繊維はPBO繊維であることを特徴とする請求項48の金属管柱の補強方法。
- 前記繊維強化プラスチック外面を覆って、最外層としてカバー層を設けたことを特徴とする請求項32〜49のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記カバー層は、ガラス繊維、炭素繊維、或いは有機繊維のシート材料にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックとされることを特徴とする請求項50の金属管柱の補強方法。
- 前記マトリクス樹脂は、着色顔料を含有することを特徴とする請求項51の金属管柱の補強方法。
- 前記カバー層の外層にアクリルウレタン系樹脂を塗布することを特徴とする請求項50、51又は52の金属管柱の補強方法。
- 少なくとも前記繊維強化プラスチックを貼付した前記管柱の外面をエアバッグとシール材により覆い、エアバッグの吸引端子から真空ポンプにより吸気を排出し、エアバッグの内部材に大気圧負荷されるようにし、前記管柱の外面に貼付された前記繊維強化プラスチックなどを前記管柱表面に押圧するようにしたことを特徴とする請求項32〜53のいずれかの項に記載の金属管柱の補強方法。
- 前記エアバッグの外部にパネルヒータを配置し、樹脂の硬化反応を促進させることを特徴とする請求項54の金属管柱の補強方法。
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